JPH08207442A - 赤黒2色感熱記録材料 - Google Patents

赤黒2色感熱記録材料

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JPH08207442A
JPH08207442A JP7014425A JP1442595A JPH08207442A JP H08207442 A JPH08207442 A JP H08207442A JP 7014425 A JP7014425 A JP 7014425A JP 1442595 A JP1442595 A JP 1442595A JP H08207442 A JPH08207442 A JP H08207442A
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JP
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black
red
temperature
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JP7014425A
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Akira Maeda
明 前田
Kyoko Uchida
恭子 内田
Satoshi Fukui
福井  聡
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地肌かぶりがほとんどなく、高温黒発色時の
赤みの少ない赤黒2色感熱記録材料を提供する。 【構成】 支持体上に黒色に発色する高温発色層と赤色
に発色する低温発色層を順次設け、JIS−Z−872
9に規定される色差a*値が3.0以下となるように有
色顔料、有色染料の少なくとも1種を支持体のいずれか
の発色層に含有する2色感熱記録材料。また、高温発色
層の下層に下塗り層、高温発色層と低温発色層との間に
中間層、低温発色層上に保護層を設け、これらの層のい
ずれか1層に、色差a*値が3.0以下となるように有
色顔料、有色顔料を含有する2色感熱記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーマルヘッドからの
加熱印加条件の違いにより赤色に発色する低温発色層と
黒色に発色する高温発色層を有する赤黒2色感熱記録材
料に関するものである。さらに詳しく述べるならば、長
期間、白紙状態で保存しても白紙部が赤色に地発色せ
ず、また高温で黒印字を行った時に黒発色部の赤味の少
ない赤黒2色感熱記録材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、発色剤と該発色剤と接触して呈色
する顕色剤との発色反応を利用し、熱により両発色物質
を溶融することで接触させ、発色像を得るようにした感
熱記録材料は広く知られている。かかる感熱記録材料は
比較的安価であり、また記録機器がコンパクトでかつそ
の保守も比較的容易であるため、ファクシミリや各種計
算機等の記録媒体をはじめとして、幅広い分野において
使用されている。
【0003】こうした感熱記録材料は、その用途の拡大
に伴なって要求される品質も多様化しており、例えば高
感度化、画像安定化、多色記録化等を挙げることができ
る。特に多色記録化については応用範囲が広いため、現
在までに多数の記録材料が研究提案されている。
【0004】例えば、特開昭48−86543号公報、
特開昭51−146239号公報などには、異なる色に
発色できる2層の発色層を設け、異なる熱量を与えるこ
とで識別可能な2色を得る方法が記載されている。この
ような方法は、比較的安価に製造できるといった利点が
あるが、黒色に発色する高温発色層と赤色に発色する低
温発色層を積層した場合、長期間白紙で保存すると紙の
地肌が赤くなる、いわゆる地肌カブリが生じやすいとい
った問題があった。また、高温黒印字の時に低温赤発色
部も同時に発色するため赤味の強い黒発色となってしま
うといった問題もあった。
【0005】こうした問題を解決するために、例えば、
特開昭55−81193号公報、特開平2−80287
号公報には高温加熱時に低温発色層の発色系に対して消
色作用を有する消色剤を用いることで、高温加熱時に高
温発色層のみの発色色調を得る方法が記されている。し
かしながら、消色剤の使用は保存性の悪化を招いたり、
高温発色の2色めを発色させる時に、消色剤を溶融させ
るための熱量が余分に必要となるため、サーマルヘッド
に負担がかかりすぎるなど必ずしも満足の得られるもの
ではなかった。
【0006】またジアゾ化合物が光で分解する性質を利
用し、熱と光を組み合わせることで多色化する試みなど
も特開昭60−242093号公報、特開昭61−40
192号公報などに記載されている。こうした方法は優
れた保存性を与えるが、装置が大型化し感熱記録方式の
利点であるコンパクトさが失われるといった欠点があっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、黒色
に発色する高温発色層と赤色に発色する低温発色層を設
けた感熱記録材料において、長期間、白紙状態で保存し
ても白紙部が赤色に地発色せず、また高温黒印字の時に
黒発色部の赤味の少ない赤黒2色感熱記録材料を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体上に黒
色に発色する高温発色層と、赤色に発色する低温発色層
を順次設けてなり、該高温発色層および低温発色層が電
子供与性発色性染料と電子受容性顕色性化合物を各々含
有する赤黒2色感熱記録材料において、JIS−Z−8
729に規定される色差a*値が3.0以下となるよう
に有色顔料または、有色染料の少なくとも1種を支持体
上のいずれかの発色層に含有することを特徴とする赤黒
2色感熱記録材料に存する。さらに本発明は、支持体上
に黒色に発色する高温発色層と、赤色に発色する低温発
色層を順次設けてなり、該高温発色層および低温発色層
が電子供与性発色性染料と電子受容性顕色性化合物を各
々含有する赤黒2色感熱記録材料において、高温発色層
の下層に下塗り層、高温発色層と低温発色層との間に中
間層、低温発色層の上層に保護層の3層のうち少なくと
も1層を設け、かつJIS−Z−8729に規定される
色差a*値が3.0以下となるように有色顔料または、
有色染料の少なくとも1種を該下塗り層、中間層、保護
層のうち少なくとも1層に含有することを特徴とする赤
黒2色感熱記録材料に存する。
【0009】本発明においては、支持体上に黒色に発色
する高温発色層と、赤色に発色する低温発色層を積層す
るが、黒発色と赤発色の色の分離を良くするために、高
温黒発色層と低温赤発色層の間に中間層を設けることが
できる。またサーマルヘッドに対するスティッキングや
粕付着などを改善するために、低温赤発色層の上に保護
層を設けることもできる。この場合、保護層は2層以上
としてもかまわない。主に感度を向上する目的で、黒発
色層の下に下塗り層を設けることもできる。
【0010】本発明の有色顔料、または有色染料は、こ
れらの中でどの層に含有してもかまわないが、少ない配
合量で効果を得ようとすれば、低温赤発色層、または保
護層を設ける場合は、保護層に添加することが望まし
い。勿論、いくつかの層に同時に添加することもでき
る。
【0011】本発明で用いる有色染料の例としては、直
接染料、塩基性染料、酸性染料などが挙げられる。直接
染料としては、アゾ染料が代表的なものであり、とくに
ジスアゾ、トリスアゾ系を用いることが多いが、勿論、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】また、有色顔料としては、酸化鉄顔料、硫
化亜鉛化合物、コーパーフタロシアニンブルー、コパー
ルポリプロロフタロシアニンブルー、インダストロンブ
ルー、イソジベンザトロンバイオレット等が挙げられる
が、これらに限られるものではない。これらの有色染
料、有色顔料は、2種類以上併用することも可能であ
る。
【0013】本発明において使用する有色染料及び有色
顔料の色は赤色に対して補色あるいは補色に近い色調の
もの、すなわち、緑〜青系の色調を有するものが望まし
い。
【0014】これらの有色染料及び有色顔料は、JIS
−Z−8729に規定される色差a*値が3.0以下と
なるように適宜、配合量を調節し、各層に添加すればよ
い。一般的には、これらの有色染料及び有色顔料は、支
持体1m2 当たり乾燥時の付着量で0.001ないし1
gとなる。この使用量は同一の有色染料、または有色顔
料を使用した場合は、保護層、低温赤発色層、中間層、
高温黒発色層、下塗り層の順番に必要付着量が多くなる
傾向がある。
【0015】本発明で使用する電子受容性顕色性化合物
と反応して呈色する電子供与性発色性染料としては、ト
リアリル系染料、ジフェニルメタン系染料、チアジン系
染料、スピロ系染料、ラクタム系染料、フルオラン系染
料などが知られている。赤発色を与える染料としては、
例えばトリアリル系染料の中では、3,3’−ビス(1
−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタ
リド、3,3’−ビス(1−エチル−2−メチルインド
ール−3−イル)フタリド、ラクタム系染料の中では、
ローダミンB−アニリノラクタム、ローダミンB−(o
−クロロアニリノ)ラクタム、ローダミンB−(p−ニ
トロアニリノ)ラクタム、フルオラン系染料の中では、
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−
ジ−n−ブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]−フルオランな
どがある。
【0016】黒発色を与える染料としては、従来から知
られている電子供与性発色性染料を使用することができ
る。特に好ましい黒発色性染料としては、3−ジブチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−イソアミル−N−エチルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−
(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−シクロヘキシル−メチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン等が挙げられる。赤発色層、黒発色層
とも従来より知られているこうした電子供与性発色性染
料を併用して用いることもできる。
【0017】本発明で使用する赤発色層、黒発色層に使
用する電子受容性顕色性化合物については、温度の上昇
によって液化、ないしは溶解する性質を有しかつ上記電
子供与性発色性染料と接触して呈色させる性質を有する
ものであれば良い。代表的な電子受容性顕色性化合物の
具体例としては4−tert−ブチルフェノール、4−
アセチルフェノール、4−tert−オクチルフェノー
ル、4,4’−sec−ブチリデンジフェノール、4−
フェニルフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、
4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’
−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−チ
オビス(6−tert−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスル
ホン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ
フタル酸ジメチル、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4
−ヒドロキシ安息香酸プロピル、4−ヒドロキシ安息香
酸−sec−ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸フェニ
ル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ
安息香酸トリル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロフェニ
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルなどの
フェノール性化合物、または、安息香酸、p−tert
−ブチル安息香酸、トリクロル安息香酸、テレフタル
酸、サリチル酸、3−tert−ブチルサリチル酸、3
−イソプロピルサリチル酸、3−ベンジルサリチル酸、
3−(α−メチルベンジル)サリチル酸、3,5−ジ−
tert−ブチルサリチル酸などの芳香族カルボン酸、
およびこれらフェノール性化合物、芳香族カルボン酸と
例えば亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム
などの多価金属との塩などの有機酸性物質などが挙げら
れる。
【0018】特にこうした化合物の中でも、4,4’−
イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキ
シリデンジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェ
ニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシ
ジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルホンが感度、白色度の点から好まし
い。
【0019】顕色性化合物は通常、発色性染料100重
量部に対して70〜500重量部、好ましくは100〜
300重量部の割合で混合し使用する。地発色を防ぎ、
白色度の高い感熱記録材料を得るためには、赤発色層、
黒発色層に使用する顕色性化合物は同一のものを使用す
るのがより望ましい。
【0020】本発明においては、主に印字記録後の保存
性向上のための化合物を添加することができる。例えば
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,
1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t
ert−ブチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(2−
メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1
−メチルエチリデン)]ビスフェノール、4,4’−
[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]
ビスフェノールなどのフェノール系の化合物および4−
ベンジルオキシフェニル−4’−(2−メチル−2,3
−エポキシプロピルオキシ)フェニルスルホン、4−
(2−メチル−1,2−エポキシエチル)ジフェニルス
ルフォン、4−(2−エチル−1,2−エポキシエチ
ル)ジフェニルスルフォン等のエポキシ化合物、1,
3,5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキ
シ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸などが
挙げられる。もちろん、これらに限定されるものではな
く、又必要に応じて2種以上の化合物を併用することも
できる。
【0021】感熱記録材料の感度を向上するために感熱
発色層に配合される増感剤として例えばパラベンジルビ
フェニル、ジベンジルテレフタレート、1−ヒドロキシ
−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、アジ
ピン酸ジ−o−クロルベンジル、1,2−ジ(3−メチ
ルフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、
シュウ酸ジ−p−メチルベンジル、1,2−ビス(3,
4−ジメチルフェニル)エタンなどが使用できる。
【0022】これらの有機熱可融性物質は、水を分散媒
体として使用しサンドグラインダー、アトライター、ボ
ールミル、コボーミル等の各種湿式粉砕機によってポリ
アクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、およびスチレン−無水マレイン酸共重合体塩及び
それらの誘導体などの水溶性合成高分子化合物の他、界
面活性剤などと共に分散させ分散液とした後、感熱発色
層塗料調製に用いられる。
【0023】本発明において、他に赤、黒感熱発色層を
構成する材料としては接着剤、無機または有機顔料、ワ
ックス類、金属石鹸、さらに必要に応じ紫外線吸収剤、
蛍光染料などを挙げることができる。
【0024】接着剤としては、例えばポリビニルアルコ
ール及びその誘導体、澱粉及びその誘導体、ヒドロキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチル
セルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドーアクリル
酸エステル共重合体、アクリルアミドーアクリル酸エス
テルーメタアクリル共重合体、スチレン−無水マレイン
酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、
カゼイン、ゼラチン及びそれらの誘導体等の水溶性高分
子のほか、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニルー酢酸ビニ
ル共重合体、ポリブチルメタアクリレート、エチレンー
酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンやスチレンーブタ
ジエン共重合体、スチレンーブタジエンーアクリル系共
重合体のラテックスなどが挙げられる。
【0025】無機顔料としてはカオリン、焼成カオリ
ン、タルク、ロウ石、ケイソウ土、軽質炭酸カルシウ
ム、重質炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、酸化チタン、炭酸バリウム等が、また有
機顔料としては尿素、フェノール、エポキシ、メラミ
ン、グアナミン樹脂などが挙げられる。
【0026】ワックスとしては、パラフィンワックス、
カルナバロウワックス、マイクロクリスタリンワック
ス、ポリエチレンワックスの他、高級脂肪酸アミド例え
ばステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミ
ド、高級脂肪酸エステルなどが挙げられる。金属石鹸と
しては、高級脂肪酸多価金属塩すなわちステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウ
ム、オレイン酸亜鉛などが挙げられる。
【0027】他に本発明の効果を損なわない範囲で撥油
剤、消泡剤、粘度調節剤、蛍光染料など各種添加剤を
赤、黒感熱発色層に添加することもできる。
【0028】本発明に用いられる支持体材料には、格別
の限定はなく、例えば上質紙(酸性紙、中性紙)、中質
紙、コート紙、アート紙、キャストコート紙、樹脂ラミ
ネート紙、ポリオレフィン系合成紙、合成繊維紙、合成
樹脂フィルム等を適宜使用することができる。
【0029】本発明においては、赤発色層の上に保護
層、黒発色層の下に下塗り層を設けることができるが、
これらの層は、従来より公知の感熱記録材料に使用され
ている保護層、下塗り層を応用することができる。保護
層、下塗り層とも顔料、接着剤を主体とした構成とす
る。特に保護層にはサーマルヘッドに対するスティッキ
ングを防止する目的で、ステアリン酸亜鉛のような滑剤
を添加することが望ましい。また高温黒発色層と低温赤
発色層の間に中間層を設けても良く、この層についても
顔料、接着剤を主体とした構成が望ましい。
【0030】感熱発色層他の各層を形成する方法として
はエアーナイフ法、ブレード法、グラビア法、ロールコ
ーター法、スプレー法、ディップ法、バー法、およびエ
クストルージョン法などの既知の塗布方法のいずれを利
用しても良い。黒、赤感熱発色層塗料は支持体の一表面
に1〜10g/m2 (乾燥)となる様にそれぞれ塗布さ
れ、それによって感熱発色層が形成される。また、裏面
からの油や可塑剤の浸透を抑えたり、カールコントロー
ルのためにバック層を設けることもできる。
【0031】以下に本発明を実施例によってさらに具体
的に説明するが、もちろん本発明はこれらに限定される
ものではない。特に断わらない限り、部および%はそれ
ぞれ重量部、重量%を示す。
【0032】
【実施例1】下塗り層の形成 焼成クレー(エンゲルハード社製アンシレックス) 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 この組成物をカウレス分散機で分散し、下塗り層塗料と
した。この塗工液をメイヤーバーを用いて坪量60g/
2 の上質紙(中性紙)上に8g/m2 (乾燥)塗工
し、下塗り層を形成した。 感熱発色層の形成 (1)赤発色性染料分散液Aの調製 成分 量(重量部) 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 (2)黒発色性染料分散液Bの調製 成分 量(重量部) 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロフェニルアミノ) フルオラン 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 (3)顕色性化合物分散液Cの調製 成分 量(重量部) 4,4’−イソプロピリデンジフェノール 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 (4),増感剤分散液Dの調製 成分 量(重量部) 1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン 40 ポリビニルアルコール10%液 40 (重合度500、鹸化度90%) 水 20 これらの組成物を縦型サンドミル(アイメックス(株)
製、サンドグラインダーにて粒径が1μmとなるように
別個に分散した。 (5)顔料分散液Eの調製 成分 量(重量部) 軽質炭酸カルシウム 40 (ブリリアント15、白石工業製平均粒径0.15μm) ヘキサメタリン酸ソーダ0.7%溶液 60 この組成物をカウレス分散機で分散した。 (6)顔料分散液Fの調製 成分 量(重量部) 水酸化アルミニウム 40 (ハイジライトH42、昭和電工製) ヘキサメタリン酸ソーダ0.7%溶液 60 この組成物をカウレス分散機で分散した。さらに接着剤
G液として10%ポリビニルアルコール(NM11、日
本合成化学工業(株)製)、滑剤分散物H液として21
%ステアリン酸亜鉛分散物を用意した。
【0033】高温感熱発色層(黒色発色層)の形成 これらの分散物、接着剤を用いて乾燥後の重量比率が、
A:C:D:E:G=10:30:20:30:10と
なるように配合して黒発色感熱層塗工液とした。この塗
工液をメイヤーバーを用いて先に形成した下塗り層上に
6g/m2 (乾燥)塗工し、高温黒発色感熱層を形成し
た。中間層の形成 これらの分散物、接着剤を用いて乾燥後の重量比率が、
E:F:G=40:40:20となるように配合して中
間層塗工液とした。この塗工液をメイヤーバーを用いて
先に形成した高温黒発色感熱層上に1g/m2 (乾燥)
塗工し、中間層を形成した。低温感熱発色層(赤色発色層)の形成 乾燥後の重量比率が、B:C:D:E:G:H:緑色有
色顔料(商品名:TB−516、大日精化製)=10:
30:20:25:10:5:0.05となるように調
製し、先に形成した中間層上にこの塗工液をメイヤーバ
ーを用いて5g/m2 (乾燥)塗工して低温感熱発色層
を形成した。保護層の形成 乾燥後の重量比率が、F:G:H=60:30:10と
なるように調製し、先に形成した低温感熱発色層上にこ
の塗工液をメイヤーバーを用いて2g/m2 (乾燥)塗
工して保護層を形成した。その後、スーパーカレンダー
にて、感熱記録面のベック平滑度(JIS−P811
9)が200秒となるように平滑化処理し、赤黒2色感
熱記録材料を作成した。
【0034】
【実施例2】実施例1の低温感熱発色層の形成において
緑色有色顔料(商品名:TB−516、大日精化製)
0.05部の代わりに緑色有色染料(Direct,G
reen,85)0.05部を用いた以外は実施例1と
同様にして赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【実施例3】実施例1の低温感熱発色層の緑色有色顔料
(商品名:TB−516、大日精化製)0.05部を除
き、保護層に緑色有色顔料(商品名:TB−516、大
日精化製)を0.05部を用いた以外は実施例1と同様
にして赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【実施例4】実施例1に保護層を設けなかった以外は実
施例1と同様にして赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【実施例5】実施例2に保護層を設けなかった以外は実
施例2と同様にして赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【実施例6】実施例1の低温感熱発色層の緑色有色顔料
(商品名:TB−516、大日精化製)0.05部を除
き、中間層に緑色有色顔料(商品名:TB−516、大
日精化製)0.3部を用いた以外は実施例1と同様にし
て赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【実施例7】実施例1の低温感熱発色層の緑色有色顔料
(商品名:TB−516、大日精化製)0.05部を除
き、高温感熱発色層に緑色有色顔料(商品名:TB−5
16、大日精化製)0.1部を用いた以外は実施例1と
同様にして赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【実施例8】実施例1の低温感熱発色層の緑色有色顔料
(商品名:TB−516、大日精化製)0.05部を除
き、下塗り層に緑色有色顔料(商品名:TB−516、
大日精化製)0.15部を用いた以外は実施例1と同様
にして赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【実施例9】実施例1から中間層を除き、高温感熱発色
層の上に低温感熱発色層を設けた構成にした以外は実施
例1と同様にして赤黒2色感熱記録材料を作成した。
【0035】
【比較例1】実施例1の低温感熱発色層に添加した有色
顔料を除き、同様の処理を行なって赤黒2色感熱記録材
料を作成した。
【比較例2】実施例4の低温感熱発色層に添加した有色
顔料を除き、同様の処理を行なって赤黒2色感熱記録材
料を作成した。
【比較例3】実施例9の低温感熱発色層に添加した有色
顔料を除き、同様の処理を行なって赤黒2色感熱記録材
料を作成した。
【0036】以上の操作で得られた赤黒2色感熱記録材
料について試験を行なった。JIS−Z−8729に規
定される色差a*値は、スガ試験機(株)製SMカラー
コンピューターを用いて測定した。長期間、白紙状態で
保存した場合の白紙部の変化を調べるための加速試験と
して、作成した赤黒2色感熱記録材料を40℃、90%
RHの条件下で、12時間処理し、目視で地かぶりの程
度を評価した。○は十分使用できるレベルであること
を、×は赤みの強いかぶりで、普通紙感に乏しいことを
表す。記録は試験用に改造した市販感熱ファクシミリH
IFAX−45を用いて、1ライン記録時間5mse
c、走査線密度8ライン/mm、ドット当たり印加エネ
ルギ−を2.0mJとして128ラインのベタ印字を行
い、高温発色画像における黒発色を得た。この色調を目
視で判定した。○は赤みの少ない黒発色であり、十分使
用できるレベルであることを、×は赤みが強く黒とは言
い難い発色であることを表す。こうして得た結果を表−
1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によって、高温発色においても赤
味の少ない極めて鮮明な黒発色が得られ、また紙の地肌
に赤いカブリの少ない優れた赤黒2色感熱記録材料を製
造することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 101 D

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に黒色に発色する高温発色層
    と、赤色に発色する低温発色層を順次設けてなり、該高
    温発色層および低温発色層が電子供与性発色性染料と電
    子受容性顕色性化合物を各々含有する赤黒2色感熱記録
    材料において、JIS−Z−8729に規定される色差
    a*値が3.0以下となるように有色顔料または、有色
    染料の少なくとも1種を支持体上のいずれかの発色層に
    含有することを特徴とする赤黒2色感熱記録材料。
  2. 【請求項2】 支持体上に黒色に発色する高温発色層
    と、赤色に発色する低温発色層を順次設けてなり、該高
    温発色層および低温発色層が電子供与性発色性染料と電
    子受容性顕色性化合物を各々含有する赤黒2色感熱記録
    材料において、高温発色層の下層に下塗り層、高温発色
    層と低温発色層との間に中間層、低温発色層の上層に保
    護層の3層のうち少なくとも1層を設け、かつJIS−
    Z−8729に規定される色差a*値が3.0以下とな
    るように有色顔料または、有色染料の少なくとも1種を
    該下塗り層、中間層、保護層のうち少なくとも1層に含
    有することを特徴とする赤黒2色感熱記録材料。
JP7014425A 1995-01-31 1995-01-31 赤黒2色感熱記録材料 Pending JPH08207442A (ja)

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