JPH08207409A - 浸透印版の製造方法 - Google Patents

浸透印版の製造方法

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JPH08207409A
JPH08207409A JP1735995A JP1735995A JPH08207409A JP H08207409 A JPH08207409 A JP H08207409A JP 1735995 A JP1735995 A JP 1735995A JP 1735995 A JP1735995 A JP 1735995A JP H08207409 A JPH08207409 A JP H08207409A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有する
弾性樹脂製のスタンプ材S7の表面に、スタンプ材の溶
融温度以上で溶融する溶融転写物質を塗布された熱転写
シート4を、溶融転写物質5がスタンプ材S7表面と接
するように重ね、その上に赤外線で発熱する物質で描か
れた印影の白黒反転像の原稿M3を鏡像となるように重
ね、原稿M3の上方より赤外線を含む閃光を照射する。
溶融転写物質5がスタンプ材S7に転写するとともに転
写溶融部H(スタンプインキ非滲出部)を形成し、一方
原稿M3の赤外線で発熱する物質不在部分は非転写部I
(スタンプインキ滲出部)を形成する。 【効果】 製造方法の工程が簡単、金型が不必要のた
め、高品位のスタンプが迅速に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は浸透印版の製造方法に関
する。さらに詳しくは、あらかじめスタンプ材にインキ
を含浸させておくことにより長時間インキを補給するこ
となく、くり返して捺印することができる連続気泡を有
するスポンジ材からなる浸透印版の製造方法の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】印判、スタンプを捺印する際にスタンプ
インキを印面にその都度付着する手間を省くため連続気
泡を有するスポンジゴムを印材として、これにあらかじ
めインキを吸蔵させたスタンプが知られている。そのス
タンプの製造方法として特開昭60−193686号公
報には、スポンジの表面の印影を形成する部分を除いた
全面箇所を加熱型押加工により凹状に陥没させ押し固
め、凸部をインキ吸蔵部として印影形成部とするスタン
プの製作法が開示され、特開昭50−155323号に
も同様の加熱板上に多孔質体を圧着する方法が開示され
ている。しかし、これらの方法は、加熱板とする金型と
それに文字、記号、図形などを彫刻もしくは蝕刻する手
間が必要である。
【0003】また、特開昭57−136652号公報、
特開昭49−7003号公報には、スタンプ材の表面に
光重合性液状樹脂を塗布し、この上面にポジフィルムを
置き上方より紫外線を照射して光重合反応をおこさせ、
未反応の樹脂を洗浄して除去し、除去した部分よりスタ
ンプ材の表面に露出させる印版の製造方法が開示され、
また実開昭52−71710号には、ネガフィルムを用
いて同様の方法による平版印判が開示されている。しか
し、これらの方法は、ネガまたはポジフィルムの作成、
樹脂の塗布、光重合、水洗など工程が複雑であり、所望
のスタンプを迅速に提供できる製造方法が望まれてい
る。また、特願平3−96383に熱転写フィルムを用
いる記載があるが具体的な開示がない。以上のように、
従来の連続気泡を有する浸透印版の製造方法は手数がか
かったり、鮮明な印影が得られず、印影の鮮明な所望の
スタンプを迅速に提供できる製造方法が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決することにあり、作製工程、装置が簡便
で連続気泡を有する浸透印版の製造方法と、さらに鮮明
な印影が得られ、使い勝手のよい浸透印版を提供するこ
とにある。また、原稿と白黒反転した印影が必要な場合
に特別な原稿を必要とせずに白黒反転の浸透印版を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために、鋭意研究を重ねた結果、赤外線の照射
のみでは溶融しない熱溶融性物質を塗布した熱転写シー
ト、赤外線の照射で発熱するインキ・トナーで描かれた
原稿を使用すること、スタンプ材を加圧しながら赤外線
を照射することなどを見出し本発明の浸透印版の製造方
法を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明の浸透印版の製造方法
は、スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有する弾性樹
脂製のスタンプ材の表面に、該スタンプ材の溶融温度以
上で溶融する溶融転写物質をフィルムに0.5〜10μ
の厚みに塗布された赤外線の照射のみでは溶融しない熱
転写シートを、該溶融転写物質がスタンプ材表面と接す
るように重ね、その上に赤外線で発熱する物質で描かれ
た印影の白黒反転像の原稿を鏡像となるように重ね、該
原稿の上方より赤外線を含む閃光を照射することによ
り、原稿の赤外線で発熱する物質存在部分は赤外線によ
り発熱し、これと対応する発熱シートの部分の溶融転写
物質を溶融させ、該溶融転写物質がスタンプ材に転写す
るとともにスタンプ材表層を密着溶融して連続気泡の閉
塞された転写溶融部(スタンプインキ非滲出部)を形成
し、一方原稿の赤外線で発熱する物質不在部分は赤外線
を透過して発熱せず、対応する熱転写シートに変化な
く、対応するスタンプ材の表面の気泡閉塞に至らず非転
写部(スタンプインキ滲出部)を形成することを特徴と
する。
【0007】好ましくは、スタンプ材は、溶融温度が5
0〜150℃であり立体網目構造の平均気孔径2〜10
μの微細連続気孔を有し気孔率30〜80%のポリオレ
フィン系フォームの0.5〜10mm厚のシートであり、
熱転写シートの溶融転写物質は閃光照射のみで発熱溶融
せず溶融温度50〜200℃のものとしたものである。
また、スタンプ材を5〜70%圧縮した状態で閃光を照
射し、スタンプ材のスタンプインキ滲出部に対しスタン
プインキ非滲出部を0.01mm以上の凹部とすること、
原稿上の赤外線で発熱する物質は、カーボンブラック、
高分子物質を含むインキ、トナー、箔であることが好ま
しい。
【0008】本発明のスタンプ印版の製造方法に用いる
スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有するスタンプ材
とは、スタンプインキ自己保持能力の優れた連続気孔体
であれば如何なる材質でもよいが、例えば、天然ゴム、
合成ゴム系のスポンジゴム、合成樹脂発泡体などが示さ
れるが好ましくは、溶融温度が50〜150℃をもつ平
均気孔径2〜10μの微細連続気孔を有し気孔率30〜
80%のポリオレフィン系フォームの0.5〜10mm厚
のシートが用いられる。
【0009】本発明の製造方法における赤外線を含む閃
光の照射は、クセノン閃光器、フォトストロボフラッシ
ュやフラッシュバルブなどを光源とする閃光を用いる。
【0010】本発明の製造方法における熱転写シート
は、フィルムに加熱により溶融する溶融転写物質を塗布
したり蒸着して製作される。溶融転写物質はスタンプ材
の溶融温度より高い融点50〜160℃をもつ。この溶
融転写物質は赤外線の少なくとも熱転写シートの非溶融
転写物質面からの直接閃光照射では発熱せず、他の物質
の熱により溶融するものであり、本発明においては原稿
に用いられる赤外線によって発熱するインキ、トナー、
箔などの物質の発熱によって溶融するものである。
【0011】熱転写シートの溶融転写物質の厚さは重要
な要素であり、薄すぎると該溶融転写物質の転写による
気泡閉塞の効果が期待できず、また厚すぎると原稿に用
いられる赤外線によって発熱する物質に過大な閃光照射
エネルギーが必要であるばかりでなく、スタンプ材表面
に転写した溶融転写物質が印面で凸上となって気泡が閉
塞しない非転写部との断差が逆転し捺印できない印版と
なり好ましくない。このため、本発明で用いる熱転写シ
ートの溶融転写物質の厚みは0.5〜10μ、好ましく
は2〜5μで良好な結果が得られる。熱転写シートの原
反はPETフィルムが用いられ、薄いほど伝熱の効率が
よいが閃光照射後にフィルムとスタンプ材が溶融転写物
質を介して接着されているので剥がす必要があり、この
ときフィルムが破損しないために10μ以上の厚さが好
ましい。また、熱転写シートの非溶融転写物質面にアル
ミ蒸着面としておくことで、閃光照射により溶融転写物
質を溶融させることがないので、溶融転写物質の配合に
自由度が増すものである。
【0012】本発明の製造方法に用いる原稿は赤外線が
透過可能な紙、フイルムなどに赤外線により発熱するイ
ンキ、トナーなどで印影の白黒反転画像を形成したもの
である。すなわち紙、フィルムなどにインキ、トナーな
どで文字、記号、図形などを表したものであるが、フィ
ルムは赤外線の透過率の高いこと、また、文字、記号、
図形などの描線は赤外線の照射により発熱効率の高いイ
ンキ、トナー、フイルムなど赤外線が透過してしまわな
い厚みで描かれていることが原理的に最良である。しか
しながら、一般ユーザーが最良な印影原稿を制作するこ
とは制約が多く、PPC複写に用いられるトナーにはカ
ーボンが含まれており、赤外線で発熱するので本発明の
製造方法における印影原稿は、作成を容易にすると共に
できるだけ失敗を少なくするためにPPC複写機で制作
したものも使用できることが好ましい。すなわち、現
在、企業、学校、コンビニエンスストアーなどでPPC
複写機がほとんど利用可能な状態であり、簡便に印影原
稿が製作できる。
【0013】このPPC複写機を用いた印影原稿とは、
所望の元の原稿をPPC複写機で複写してトナーにより
文字、記号、図形などが描かれたものである。この場合
トナーの赤外線による発熱には問題になるような性能差
は見られないが用紙の厚みは複写機によって大きなばら
つきがあり、用紙の限定や閃光照射エネルギー量の増大
で対応する必要がある。他の原稿作成法としては薄いP
ETフイルムにアルミニウムを蒸着この上に赤外線で発
熱するインキ、トナーで印影の白黒反転鏡像をインクジ
ェット、熱転写印刷、レザープリンタ、PPC複写機な
どで描き、描写面との反対面と熱転写シートが接するよ
うに重ね、または熱転写シートの非溶融転写物質面をア
ルミ蒸着し、この面に直接赤外線で発熱するインキ、ト
ナーで印影の白黒反転鏡像をインクジェット、熱転写印
刷、レザープリンタ、PPC複写機などで描くなどの方
法がある。この様にPETフィルムにアルミ蒸着面を設
けることで、赤外線が溶融転写物質に到達することがな
いので、溶融転写物質の配合に自由度がでて性能の良い
熱転写シートを用いることができる。
【0014】本発明の浸透印版の製造方法は、たとえ
ば、スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有する弾性樹
脂製のスタンプ材の表面に、該スタンプ材以上の温度で
溶融する溶融転写物質が好ましくは赤外線不透過なフィ
ルムに0.5〜10μの厚みに塗布された熱転写シート
を、該溶融転写物質がスタンプ材表面と接するように重
ね、その上に赤外線で発熱する物質で描かれた印影の白
黒反転像の原稿を鏡像となるように重ね、スタンプ材を
5〜70%圧縮した状態で該原稿の上方より赤外線を含
む閃光を照射することにより、原稿の赤外線で発熱する
物質すなわちインキ、トナー、箔などに含まれるカーボ
ンや高分子物質は赤外線により発熱し、この発熱によっ
てこの発熱する部分と対応する発熱シートの部分の溶融
転写物質が溶融し、この溶融した溶融転写物質がスタン
プ材表面に転写する。さらに該溶融転写物質の溶融温度
はスタンプ材の溶融温度以上なので、上記の転写ととも
にスタンプ材表層を溶融させて連続気泡の閉塞された転
写溶融部(スタンプインキ非滲出部)を形成し、一方原
稿の赤外線で発熱する物質不在部分は赤外線を透過して
発熱せず、対応する熱転写シートに変化なく、対応する
スタンプ材の表面の気泡閉塞に至らず非転写部(スタン
プインキ滲出部)を形成し、スタンプ材のスタンプイン
キ滲出部に対しスタンプインキ非滲出部を0.01mm以
上の凹部とする。ここで、溶融転写物質が赤外線で発熱
溶融しない物質であることが好ましいが、配合に制約が
あり、不都合な場合には、発熱転写シート又は原稿にア
ルミ蒸着面などを設け、赤外線不透過とする必要があ
る。上記のように、該溶融転写物質の溶融温度はスタン
プ材の溶融温度以上なので、上記の転写とともにスタン
プ材表層を溶融する。この時スタンプ材料は圧縮されて
いるので気泡は圧縮されて全体が密着されて連続気泡が
閉塞され、転写溶融部(スタンプインキ非滲出部)を形
成する。このスタンプ材を圧縮することによって閃光の
照射エネルギーが減少できて、装置の簡便を図ることが
できる。また気泡が複数層にわたり、閉塞されるので、
捺印時に一方の非転写部(スタンプインキ滲出部)のイ
ンキの滲出に影響がなく細かい印影でも鮮明に得ること
ができる。また、照射エネルギーが小さくなるので、非
転写部への熱的影響が少ないので細線まで再現できる。
【0015】すなわち、スタンプ材のインキ滲出部に対
しインキ非滲出部をインキ滲出部に対し溶融転写物質の
膜厚以上に凹部とし、比較的薄い膜厚でインキ非滲出部
を形成できるので、転写のみでインキ非滲出部を形成す
る場合に比べ著しく少ないエネルギーでインキの非滲出
部とすることができるので、経済的であるばかりでなく
インキ滲出部への熱的影響も少なく細かい印影原稿像の
再現も可能となり、さらに印面の非滲出部を凹部とする
ことができ鮮明な印影を得られる。溶融転写物質の溶融
温度がスタンプ材の溶融温度より高い場合でも、スタン
プ材を圧縮して閃光を照射することで複数層の気泡を閉
塞することができるので溶融転写物質を転写するのみの
場合に比較し溶融転写物質の膜厚は薄くてもインキ非滲
出部としての性能を得ることができ閃光エネルギーをさ
らに小さくできる。特に、スタンプ材表面の平滑度が低
い場合には充分な圧縮を与えないと気泡の閉塞状態が不
完全な箇所が発生し良好な印影を得ることができない。
【0016】上記の気泡閉塞する転写溶融部と閉塞しな
い非転写部の断差は、赤外線照射の際にスタンプ材を5
〜70%程度圧縮してスタンプ材を弾性変形させ隣接す
る構造を密着させ、加熱時の熱で一定深さまでスタンプ
材表面が溶融し凹状となし、転写溶融部と非転写部の段
差が0.01mm以上となるのが好ましい。すなわち、当
発明に用いられる印材の気孔径としては3〜5μが好ま
しい性能を示すが前記段差が0.05mm以上であれば印
材の厚さ方向で10〜15層の気孔が圧縮閉塞されてい
れば粘度が100〜1,500mPa・sのインキタン
プ材の密着溶融するのみでなく、溶融転写物質をスタン
プ材の表面に転写させることで一層少ないエネルギーで
スタンプインキの非滲出部での滲出を抑えることができ
るものである。すなわち、スタンプのサイズが30*5
0mmの時、インキ粘度が1,000mPa・s程度で、印材
気孔径が3μ程度であれば段差が0.01mm程度でも印
材に充填されるインキ量が0.2mg程度と少なければ非
滲出部の性能を維持することができるが、本発明のよう
に溶融転写物質をスタンプ材に5μの膜厚で転写させる
ことで、同エネルギーで製版した場合2mgのインキ量を
スタンプ材に充填しても非滲出部でのスタンプインキに
よる捺印時の紙面の汚れが発生しなくなり寿命の長いス
タンプを得ることができる。
【0017】本発明の製造方法で得られる浸透印版は、
他の部材と組みつけなくてもスタンプとして機能する利
点があるが、浸透印版を台木に装着することにより通常
のスタンプとすることができる。その使用は、浸透印版
にあらかじめスタンプインキを含浸もしくは吸蔵させて
おくことにより、長時間インキを補充することなく、繰
り返し鮮明な印影を捺印することができる。スタンプが
吸蔵するインキは常温での揮発性がなく粘度が100〜
3,500mPa・sのものが好ましい捺印性能を示す。特
に500〜1,500mPa・sのスタンプインキはスタン
プ材への充填の容易さ、捺印時のインキ滲出量から好ま
しいものである。
【0018】また、印版と台木の間に印版のスタンプ材
より高発泡度のスタンプインキ吸蔵体を設けることで捺
印寿命を延ばしたり、スタンプインキの補給を容易にす
ることができる。また、本発明の浸透印版は、ロール表
面に装着してロールを回転することにより連続印刷も可
能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。 印影原稿の作製:印刷物をPPC複写機で複写して印影
原稿像8を有する印影原稿3を作成した。 印版の作製:50ジュールの発光エネルギーをもつクセ
ノン閃光発光器1の透明ガラス板2上に透明フィルムに
PPC複写した印影原稿M3の印影原稿像Lが正像とな
るよう重ね、さらに溶融転写物質面5を上向きとして、
熱転写シート4を重ね、この上に立体網目構造の3μの
微細連続気泡をもち、気孔率60%、溶融温度が約70
℃である厚さ1.6mmのスタンプ材(発泡ポリエチレン
シート)S7を重ねて置く〔図1(a)参照〕。ここで
用いた熱転写シート4は、ワックス、樹脂などからなる
溶融転写物質(溶融温度は100℃で、発泡ポリエチレ
ンシートより高い)をアセテートフィルム(厚さ20μ
m)に5μmの厚さに塗布したものを用いた。アセテー
トフィルムの背面はアルミ蒸着面6′とした。 つぎに
発泡ポリエチレンシートに厚さ方向で弾性変形を50%
程度与えるように圧力をかけた状態で閃光を照射した。
図1(b)に示すように、溶融転写物質をもつ熱転写シ
ート4を用いた場合には、該ポリエチレンシートS7の
表面は印影原稿M3の印影原稿像Lが転写溶融部Hとし
て溶融転写物質の発熱により該ポリエチレンシートS7
の表面に転写するとともに該ポリエチレンの表層を溶融
する。その他の表面は非転写部上となり鏡像として残
る。発泡ポリエチレンシートが圧縮されているために気
泡が圧縮されて該シート自体が密着した状態で溶融転写
物質が発泡ポリエチレンシートの表面に転写するために
連続気泡が閉塞される。溶融転写物質の転写および加圧
による発泡ポリエチレンシート自体の密着と、溶融転写
物質の熱に溶融により該ポリエチレンシート表層の気泡
の閉塞が強固となる。製版エネルギーや捺印性能に、前
記熱転写シートの溶融転写物質の厚さは影響しており、
0.5μ程度の厚みであっても熱転写シートに塗布され
る発熱体が溶融転写物質でない場合に比べ製版エネルギ
ーの省力効果が認められる。一方その厚さが10μ程度
となっても製版は可能であるが、大きなエネルギーが必
要であり、さらに印面の段差を設けるためにはさらに一
層のスタンプ材の圧縮が必要となり、2〜5μでもっと
も製版のエネルギー効率が高く、捺印の印影も鮮明であ
った。
【0020】
【発明の効果】本発明の浸透印版の製造方法は工程が簡
単であり、金型などを必要としないため、目的にあった
高品位のスタンプが迅速に提供できるものである。ま
た、閃光照射の際にスタンプ材を圧縮することにより、
溶融転写物質の転写だけでなくスタンプ材が完全密着し
て溶融するので完全に気泡が閉塞されて明確な転写溶融
部(すなわちスタンプインキ非滲出部)が形成されるの
で、捺印時の非転写部(すなわちスタンプインキ滲出
部)からスタンプインキの滲出がスムースで鮮明な印影
を得ることができる。また、白黒反転のスタンプが容易
に作成できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】スタンプ印版の作製模式図であり、(a)は閃
光を照射前、(b)は溶融転写物質からなる熱転写シー
トを用いた場合の照射後の熱転写シートとスタンプ材の
状況を模式的に示した図である。
【図2】溶融転写物質からなる熱転写シートを用いた場
合の転写溶融部と非転写部の拡大図である。
【符号の説明】
1 閃光発光部 2 ガラス板 M3 原稿 4 熱転写シート 5 溶融転写物質 6 アセテートフィルム 6′ アルミ蒸着層 S7 スタンプ材(発泡ポリエチレンシート) L 印影原稿像 H 転写溶融部 I 非転写部 11 転写部 12 溶融部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタンプインキ含浸可能な連続気泡を有
    する弾性樹脂製のスタンプ材の表面に、該スタンプ材の
    溶融温度以上で溶融する溶融転写物質をフィルムに0.
    5〜10μの厚みに塗布された熱転写シートを、該溶融
    転写物質がスタンプ材表面と接するように重ね、その上
    に赤外線で発熱する物質で描かれた印影の白黒反転像の
    原稿を鏡像となるように重ね、該原稿の上方より赤外線
    を含む閃光を照射することにより、原稿の赤外線で発熱
    する物質存在部分は赤外線により発熱し、これと対応す
    る発熱シートの部分の溶融転写物質を溶融させ、該溶融
    転写物質がスタンプ材に転写するとともにスタンプ材表
    層を密着溶融して連続気泡の閉塞された転写溶融部(ス
    タンプインキ非滲出部)を形成し、一方原稿の赤外線で
    発熱する物質不在部分は赤外線を透過して発熱せず、対
    応する熱転写シートに変化なく、対応するスタンプ材の
    表面の気泡閉塞に至らず非転写部(スタンプインキ滲出
    部)を形成することを特徴とする浸透印版の製造方法。
  2. 【請求項2】 スタンプ材は、溶融温度が50〜150
    ℃であり立体網目構造の平均気孔径2〜10μの微細連
    続気孔を有し気孔率30〜80%のポリオレフィン系フ
    ォームの0.5〜10mm厚のシートであり、熱転写シー
    トのシート素材の少なくとも一面は赤外線不透過であ
    り、他面に塗られる溶融転写物質は溶融温度50〜20
    0℃のものである請求項1記載の浸透印版の製造方法。
  3. 【請求項3】 スタンプ材を5〜70%圧縮した状態で
    閃光を照射し、スタンプ材のスタンプインキ滲出部に対
    しスタンプインキ非滲出部を0.01mm以上の凹部とす
    る請求項1記載の浸透印版の製造方法。
  4. 【請求項4】 原稿上の赤外線で発熱する物質は、カー
    ボンブラック、高分子物質を含むインキ、トナー、箔で
    ある請求項1記載の浸透印版の製造方法。
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