JP2970800B2 - スタンプ用印版の製法およびスタンプ - Google Patents

スタンプ用印版の製法およびスタンプ

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JP2970800B2 JP23759194A JP23759194A JP2970800B2 JP 2970800 B2 JP2970800 B2 JP 2970800B2 JP 23759194 A JP23759194 A JP 23759194A JP 23759194 A JP23759194 A JP 23759194A JP 2970800 B2 JP2970800 B2 JP 2970800B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスタンプ用印版の製法に
関する。さらに詳しくは、スタンプインキを含浸させる
ことにより長時間スタンプインキを補給することなく、
くり返して捺印することができる連続気泡を有するスポ
ンジ材からなるスタンプ用印版の製法およびスタンプに
関する。
【0002】
【従来の技術】印判、スタンプを捺印する際にスタンプ
印面にその都度スタンプインキを付着する手数を省くた
めに、連続気泡を有するスポンジゴムを印材として、こ
れにあらかじめインキを吸蔵させたスタンプが知られて
いる。そのスタンプの製法として、特開昭60−193
686号公報には、スポンジ表面の印影形成部分以外の
箇所を加熱型押加工により凹状に陥没させ押し固め、凸
部をインキ吸蔵部として印影形成部とするスタンプの製
作方法が開示され、特開昭50−155323号にも同
様の加熱板に多孔質体を圧着する方法が開示されてい
る。しかし、これらの方法は、加熱板とする金型とそれ
に文字、記号、図形などを彫刻もしくは蝕刻する手間が
必要である。
【0003】特開昭57−136652号公報、特開昭
49−7003号公報には、スポンジスタンプ材の表面
に光重合性液状樹脂を塗布し、この上面にポジシートを
置き上方より紫外線を照射して光重合反応をおこさせ、
未反応の樹脂を洗浄して除去する印版の製法が開示さ
れ、また実開昭52−71710号には、ネガフィルム
を用いた同様の方法による平板印判が開示されている。
しかし、これらの方法は、ネガまたはポジフィルムの作
成、樹脂の塗布、光重合、水洗など工程が複雑な欠点が
ある。また、特開平3−96383にもてスポンジスタ
ンプ材を用いて印面を作成するという記載がある。さら
に、実開昭50−41620号には写真や階調を有する
図柄のスタンプを元になる原稿を網分解して原稿を作成
する方法が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決することにより、製造工程、装置が簡単
な連続気泡を有するスタンプ用印版の製法を提供するこ
とである。また、鮮明な印影が得られる連続気泡を有す
るスタンプ用印版を提供することである。さらに他の目
的は、写真や階調を有する図柄の作製が容易な連続気泡
を有する網点スタンプ用印版の製法を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、連続気泡を
有するスタンプ材に発熱板を介して原稿を重ね、この原
稿に光を照射することによりスタンプインキ滲出部と非
滲出部を形成するスタンプ用印版の製法を見出し、更に
発展して同様の方法による発熱板を使用しない製法、原
稿に液状物質を浸透することにより原稿の光透過率を高
くしたスタンプ用印版の製法および網点状の発熱板を用
いた階調を有する図柄のスタンプ用印版の製法などおよ
び該印版を有するスタンプを完成するに至った。
【0006】本発明のスタンプ用印版の第1の製法は、
連続気泡を有してスタンプインキを含浸可能な弾性樹脂
製のスタンプ材に、光を当てることにより温度上昇する
発熱材を含む発熱板を介して記録材不在部分および記録
材存在部分により文字・図形等を表した原稿を重ね合わ
せ、その原稿に光を照射して、該記録材不在部分を透過
した光により該記録材不在部分と対応する箇所の発熱材
の温度を上昇させ、この温度上昇した発熱材と対応する
箇所のスタンプ材の表面をその熱で熔融して気泡を閉塞
させることによりスタンプインキ非滲出部を設けると共
に、該記録材存在部分において光を遮蔽して、記録材存
在部分と対応する箇所の発熱材の温度上昇を抑え、この
温度上昇を抑制された発熱材と対応する箇所のスタンプ
材の表面を連続気泡が開通した状態に維持することによ
りスタンプインキ滲出部とすることを特徴とする。
【0007】この第1の製法の好ましい態様としては、
次のようなことが示される。記録材不在部分および記録
材存在部分により文字・図形等を表した原稿は、記録材
存在部分で文字、図形等存在部分(印影原稿像)を表し
たもの、記録材不在部分で文字、図形等存在部分を表し
たもの、記録材不在部分もしくは記録材存在部分のドッ
ト密度の違いにより濃淡を表した図柄などである。光を
当てることにより温度上昇する発熱材を含む発熱板がカ
ーボンもしくは高分子物質を含む発熱材からなるシート
状物であること、またはカーボンおよび高分子物質から
なる群から選ばれた少くとも一種を含むインキもしくは
トナーからなる発熱材を赤外線透過可能なシート等に少
なくとも片面に塗布したシート状物であることが好まし
い。カーボンおよび高分子物質からなる群から選ばれた
少くとも一種を含みスタンプ材の溶融温度より高い融点
をもつ熱熔融性物質からなる発熱材を赤外線透過可能な
シート等の片面の全面にに塗布したシート状物であるの
がより好ましい。スタンプ材の溶融温度より高い融点は
通常約60〜150℃である。また、濃淡を表した図柄
などを有するスタンプ用印版に作製する場合は、原稿と
してドット密度の違いにより濃淡を表した図柄などを用
い、かつ該発熱板としてがカーボンおよび高分子物質か
らなる群から選ばれた少くとも一種を含む発熱材を網点
状に赤外線透過可能なシート等の上に配したシート状物
を用いるのが好ましい。より好ましくは、発熱板がカー
ボンおよび高分子物質からなる群から選ばれた少くとも
一種を含みスタンプ材の溶融温度より高い融点をもつ熱
溶融性物質からなる発熱材を赤外線透過可能なシート等
に網点状に配したシート状物である。
【0008】本発明のスタンプ用印版の第2の製法は、
連続気泡を有してスタンプインキを含浸可能な弾性樹脂
製のスタンプ材に、光を当てることにより温度上昇する
発熱材を記録材とし用いられた原稿を重ね合わせ、その
原稿に光を照射して、原稿における発熱材存在箇所の温
度を上昇させ、この温度上昇箇所と対応するスタンプ材
表面をその熱で溶かして気泡を閉塞させる熔融部を形成
することによりスタンプインキ非滲出部を設けると共
に、原稿において光が透過して温度が上昇しない発熱材
不在箇所と対応するスタンプ材表面は気泡が表面に開通
した状態を維持する非熔融部を形成してスタンプインキ
滲出部とすることを特徴とする。
【0009】この第2の製法の好ましい態様としては、
次のようなことが示される。光を当てることにより温度
上昇する発熱材を記録材とし用いられた原稿は、カーボ
ンもしくは高分子物質を含むインキまたはトナーを発熱
材として、この発熱材により文字、図形等存在部分を作
成したもの、またはこの発熱材により文字、図形等不存
在部分を作成したものがある。また、発熱材がスタンプ
材の溶融温度より高い融点をもつ熱溶融性物質からなる
カーボンもしくは高分子物質からなるインキまたはトナ
ーであるのが好ましい。なお、本発明におけるシート等
およびシート状物とは、フィルム、シートもしくは板を
意味する。
【0010】その他、本発明の製法で好ましいことは、
次のようなことである。連続気泡を有してスタンプイン
キを含浸可能な弾性樹脂製のスタンプ材が天然ゴム、合
成ゴムおよび合成樹脂からなる群から選ばれた少くとも
一種より造られたスポンジシートであること、該スタン
プ材が立体網目構造の平均気泡径2〜10μの微細連続
気泡を有し気孔率30〜80%の熔融温度が50〜10
0℃であるポリオレフィン系フォームの0.5〜10m
m厚のシートであることである。また、原稿に液状物質
を塗布すること、該液状物質が、水、シリコン樹脂、ワ
ックス、鉱物油および植物油からなる群から選ばれた少
くとも一種であること、光は少なくとも赤外線を含むク
セノン閃光器、フォトストロボフラッシュやフラッシュ
バルブを光源とする閃光であること、スタンプ材を圧縮
した状態で光を照射すること、スタンプ材を圧縮した状
態で光を照射しスタンプ材表層が熔融し凹状となり非熔
融部との段差を0.01mm以上とすることである。
【0011】本発明のスタンプは、本発明の製法で得ら
れる印版にスタンプインキを含浸させてなることを特徴
とする。
【0012】本発明の製法に用いるスタンプ材とは、連
続気泡を有してスタンプインキを含浸可能な弾性樹脂製
であれば材質は如何なるものでもよいが、インキ自己保
持能力の優れた弾性の連続気孔体が好ましく、たとえ
ば、天然ゴム、合成ゴム系のスポンジゴム、ポリエチレ
ン、ポリウレタンなどの合成樹脂製発泡体などが示され
る。形状としては印影を形成する面が平滑であればよ
く、板状、シート、フィルム状などが示されるが、好ま
しくは立体網目構造の平均気泡径2〜10μ微細連続気
孔を有し、見掛密度0.2〜0.4g/cm3、気孔率3
0〜80%、熔融温度50〜100℃のポリオレフィン
系フォームでは0.5〜10mm厚のシートが用いられ
る。
【0013】本発明の製法における光の照射は、赤外線
を含む光が利用され、クセノン閃光器、フォトストロボ
フラッシュ、フラッシュバルブなどを光源とする閃光を
用いる。光照射の際、被照射体であるスタンプ材の厚み
が95〜30%厚となるように加圧をするのが、スタン
プ材の溶融効率を高めるために好ましい。製版で得られ
る印版のスタンプインキ滲出部とスタンプインキ非滲出
部との段差が0.01mm以上となるように圧縮するの
が好ましい。スタンプ材を圧縮状態として照射すること
でスタンプ材表面ばかりでなく厚さ方向に隣接する気泡
が密着して表層の一定深さまで溶融することができ、少
ないエネルギーで必要箇所の気泡の閉塞が可能になる。
この照射エネルギーは印版サイズによるが、使用する原
稿の厚さに大きく影響を受け、薄く透明度の高いもの程
小さくすることができる。加圧しない場合は、スタンプ
材表面の連続気泡を完全に閉塞するために大きなエネル
ギーが必要となり装置が高価になるばかりでなく、スタ
ンプ材の非溶融部(スタンプインキ非滲出部)まで影響
を与え鮮明なスタンプを得ることができない。
【0014】本発明のスタンプ用印版の第1の製法にお
ける原稿について説明する。原稿とは、記録材不在部分
および記録材存在部分により文字・図形等を表したもの
であり、記録材存在部分で文字、図形等存在部分(印影
原稿像)を表したもの、記録材不在部分で文字、図形等
存在部分を表したもの、記録材不在部分もしくは記録材
存在部分のドット密度の違いにより濃淡を表した図柄な
どがあげられる。また、記録材不在部分(すなわち原稿
生地部分)を切りとった記録材存在部分のみのものも本
発明における原稿ということができる。具体的には、
紙、透明なフィルム、PPC複写用紙などの原稿用シー
トに筆記、描写、印刷、複写、ワードプロセッサー、タ
イプ、塗布、接着、積層などの方法で文字、記号、図形
などの印影原稿像を表したものであり、必要に応じてポ
ジ像、ネガ像のいずれかにすればよい。その記録材存在
部分の記録材は赤外線を吸収または反射する材質のもの
であればいかなるものでもよく、鉛筆、インキ、トナ
ー、サインペンインキ、ボールペンインキ、印刷イン
キ、絵具、塗料、文字の図形などを表した色紙、プラス
チック等の箔などが示される。記録材不在部分は原稿用
シートの生地部分に相当する。不透明な原稿用シート
は、後述の液状物質を浸透し易いものがよい。
【0015】また、階調を有する原稿としては、赤外線
などが透過可能な紙、透明フィルムなどの原稿用シート
に赤外線を吸収または隠蔽するインキ、トナーなどの記
録材で文字、記号、図形などをドット密度の違いで濃淡
を表したものである。階調を有する写真などはPPC複
写により本発明に使用する原稿を作成するのが好まし
い。原稿用シートに用いる紙、フィルムは赤外線の透過
率が高く、また、描線のドットは赤外線を吸収または遮
蔽の効率が高い程製版効率が良いので好ましい。通常、
原稿には、PPC複写機で製作したものを標準として設
定することが好ましい。現在、コンビニエンスストア
ー、企業、学校などでPPC複写機が普及しているので
一般ユーザーでも失敗もなく使用できることと、各種ト
ナーの赤外線の吸収率には問題になるような性能差は見
られないことから、PPC複写による原稿を標準原稿と
して利用可能とすることで一般ユーザーがオリジナルな
スタンプを作成することに対し非常に利便性が高まり、
さらに原稿の記録材に起因する失敗を防ぐことができ
る。
【0016】原稿の記録材不在部分は原稿用シートの生
地に相当する部分であり透明であるほど好ましい。紙な
どの不透明な原稿用シートの場合は、原稿に液状物質を
浸透させての後、光を照射するのが好ましい。浸透させ
る方法は、原稿の裏表に液状物質を塗布して後使用して
もよく、また、印版作製時に閃光発光部のガラス板に原
稿を置き、第1の製法の場合にその上に発熱板重ねる前
に、第2の製法場合はその上にスタンプ材を重ねる前に
原稿に液状物質を塗布してもよい。 液状物質はシリコ
ンオイルなど紙に浸透するものであればよく、乾燥によ
り皺が発生しやすいので不揮発性の成分の多いものが好
ましい。この液状物質とは、水、シリコン樹脂、パラフ
ィン、鉱物油、植物油からなる群から選ばれた少くとも
一種を含むものであり、紙、フィルムなどの原稿用シー
トに浸透して、不揮発性の常温で液体、加温時液体いず
れも好ましい。液状物質を原稿用シートに浸透させるこ
とにより赤外線の透過率を高め、原稿用シートの厚さの
ばらつきを吸収してほぼ均一な赤外線の透過率とするこ
とができる。そのため、少ないエネルギーで、鮮明な印
版が得られ、すなわち製版の効率がよくなる。液状物質
を塗布しない場合は原稿シートの厚みのばらつきにより
赤外線の透過率が一定とならず、安定した製版が困難と
なり、用紙を限定する必要があり不便である。具体的に
はPPC複写機でPPC複写用紙に複写して製作した原
稿に液状物質を塗布することにより、PPC複写用紙の
赤外線の透過率を高めると共に用紙の厚さのばらつきを
吸収してほぼ均一な赤外線の透過率とすることができ
る。また、複写原稿に限るものでなく、同様な用紙に鉛
筆、サインペンなどの筆記具で書かれた原稿やプリンタ
で出力した原稿でも同様に上記の液状物質を塗布して同
様の効果を得ることができる。
【0017】本発明のスタンプ用印版の第2の製法にお
ける原稿について説明する。この原稿とは、光を当てる
ことにより温度上昇する発熱材を記録材として用いられ
た原稿のことである。すなわち、カーボンもしくは高分
子物質を含むインキまたはトナーからなる発熱材によ
り、文字、図形等存在部分を作成したもの、カーボンも
しくは高分子物質を含むインキまたはトナーからなる発
熱材により文字、図形等不在部分を作成したものがあげ
られる。例えば、カーボンもしくは高分子物質からなる
発熱材を含むシート等を切り抜くことにより文字、図形
等存在部分と文字、図形等不存在部分とを作成したもの
があげられ、これはレーザーによるカットで作成でき
る。また赤外線透過可能なシート等に発熱材を記録材と
して文字、図形等存在部分もしくは文字、図形等不在部
分を作成したものなどが示される。第2の製法に用いる
原稿として使用するには、原稿における記録材が光を当
てることにより温度上昇する発熱材となることが必要で
ある。好ましいは記録材はカーボンもしくは高分子物質
を含むインキまたはトナーからなる発熱材であり、より
好ましくは カーボンもしくは高分子物質からなるイン
キまたはトナーが熱溶融性物質からなる。
【0018】本発明の製法に用いる発熱板は、光を当て
ることにより温度上昇する発熱材を含むものである。具
体的には、カーボンもしくは高分子物質を含む発熱材か
らなるシート等、カーボンおよび高分子物質からなる群
から選ばれた少くとも一種を含むインキもしくはトナー
からなる発熱材を少くとも片面に塗布された赤外線透過
可能なシート等、カーボンおよび高分子物質からなる群
から選ばれた少くとも一種を含む熱溶融性物質からなる
発熱材を片面の全面にに塗布されたフィルム、シートも
しくは板を挙げることができる。 こゝで高分子物質を
含む発熱材としては、赤外線により温度上昇するもので
あればよく、高分子物質以外のもを含んでもよい。高分
子物質としてたとえばポリエチレンなどポリオレフィン
系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニルなどが
あげられる。発熱板の具体的なものとしてはカーボン、
ポリエチレン樹脂などからなるPPC複写用トナーを透
明PETフィルムに一様全面に固着させたものがあげら
れる。
【0019】本発明の製法に用いる発熱材を網点状に配
した発熱板(以下、網点発熱板という)としては、カー
ボンおよび高分子物質からなる群から選ばれた少くとも
一種を含む発熱材を赤外線透過可能なシート等に網点状
に配したフィルム、シートもしくは板、およびカーボン
および高分子物質からなる群から選ばれた少くとも一種
を含む熱溶融性物質からなる発熱材を赤外線透過可能な
シート等に網点状に配したフィルム、シートもしくは板
を示すことができる。具体的には、PETフィルム、ア
セテートフィルムなどに少なくともカーボンまたは高分
子物質を含むトナー、インキを網点状に配したものであ
り、具体的にはポリエチレンなどの樹脂やカーボンブラ
ックなどからなるPPC複写用のトナーを網点状に固着
したり、カーボンブラックやアクリル系樹脂などからな
るインキで網点状に印刷製作されたものである。たとえ
ば、カーボンまたは高分子物質からなるインキもしくは
トナーからなる発熱材としてグラビア印刷、シルク印刷
などにより透明フィルムに網点を形成すれば良い。カー
ボンブラックやワックスなどからなる熱溶融性物質を、
有機溶剤の溶液もしくは樹脂などによりホットメルト型
にして、網点状に塗工したフィルム、シートもしくは板
を用いることができる。
【0020】本発明の製法に用いる熱溶融性物質は、カ
ーボンおよび高分子物質からなる群から選ばれた少くと
も一種を含むもおのであり、スタンプ材の溶融温度より
高い融点をもつ通常約60〜150℃の融点をもつもの
である。熱溶融性物質は、着色剤などの充填剤を分散さ
せて有機溶剤に溶解したり、樹脂等によりホットメルト
型したもの(以下、熱溶融性インキという)として用い
る。たとえば、該熱溶融性インキをポリエステルフィル
ムなどの耐熱性を有するフィルムに塗工したシート(以
下、熱溶融性インキシートという)として使用する。熱
溶融性インキの着色剤を選択することによって、カラフ
ルな印面の印版を有するスタンプが得られる。熱溶融性
インキの溶融温度はスタンプ材の溶融温度より高く60
〜150℃である。
【0021】本発明のスタンプ用印版の製法の例を説明
する。例A.本発明の第1の製法において、記録材存在
部分が文字・図形等存在部分であり、発熱板がカーボン
もしくは高分子物質を含むシート等の場合を説明する。
連続気泡を有してスタンプインキを含浸可能な弾性樹脂
製のスタンプ材に、光を当てることにより温度上昇する
発熱板を介して原稿を重ね合わせ、その原稿に光を照射
して、この原稿における文字・図形等不在部分を透過し
た光によりこの文字・図形等不在部分と対応する箇所の
発熱板の温度を上昇させ、この温度上昇させた発熱板と
対応する箇所の該スタンプ材の表面部分をその熱で溶か
して気泡を閉塞させることによりスタンプインキ非滲出
部を設けると共に、この原稿における文字・図形等存在
部分において光を遮蔽して、文字・図形等存在部分と対
応する箇所の発熱板の温度上昇を抑え、この温度上昇を
抑制され発熱板と対応する箇所の前記スタンプ材の表面
部分を連続気泡が開通した状態を維持することによりス
タンプインキ滲出部とするものである。図1により説明
すると、連続気泡を有してインキを含浸可能な弾性樹脂
製のスタンプ材Sに、光を当てることにより温度上昇す
る発熱板Tを介して原稿Mを重ね合わせ、その原稿Mに
光を照射して、原稿Mにおける文字・図形等不在部分B
を透過した光により発熱板Tにおいて原稿Mの文字・図
形等不在部分Bと対応する箇所の温度を上昇させ、スタ
ンプ材Sにおいて発熱板Tの温度上昇部と対応する箇所
の表面をその熱で溶融して気泡を閉塞させることにより
溶融部を形成してインキ非滲出部Hを設けると共に、原
稿Mにおける文字・図形等存在部分Lにおいて光を遮蔽
して発熱体Tの文字・図形等存在部分Lと対応する箇所
の温度上昇を抑え、スタンプ材Sにおいて発熱体Tの温
度非上昇部と対応する非溶融部で気泡が表面に開通した
状態を維持するインキ滲出部Iとするものである。
【0022】例B.本発明の第1の製法において、記録
材存在部分が文字・図形等存在部分であり、発熱板とし
て熱溶融性インキシートを用いた場合を説明する。連続
気泡を有してスタンプインキ含浸可能な弾性樹脂製のス
タンプ材の表面に熱溶融性インキシートをその熱溶融性
インキ面が接するように重ね、その上に所望の原稿を印
影原稿像が鏡像となるように重ね、該原稿の上方より赤
外線を含む光を照射することにより該スタンプ材の表面
で熱溶融性インキの溶融部と非溶融部を形成し、該溶融
部ではインキがスタンプ材の気泡に浸透するとともに熱
溶融性インキの熱でスタンプ材の表層気泡を密着閉塞さ
せ、該溶融部がスタンプインキ非滲出部、該非溶融部が
スタンプインキ滲出部となる印面とするものである。こ
のスタンプ材表面の印面の形成は、スタンプ材の表面に
熱溶融性インキ面が接触するようにして熱溶融性インキ
シートを重ね合わせ、その上に原稿を印影原稿像が鏡像
となるように重ね、その上部から赤外線を含む閃光を照
射すると、該原稿の印影原稿像以外の部分は赤外線が透
過して熱溶融性インキシートに達し、熱溶融性インキを
溶融してスポンジスタンプ材の表面に熱溶融性インキが
スタンプ材の気泡に浸透するとともに熱溶融性インキの
熱でスタンプ材の表層気泡を熔融閉塞させ、スタンプ材
に吸蔵しているスタンプインキが流通しない部分とな
る。一方、該原稿の印影原稿像部分は赤外線が透過され
ないため、熱溶融性インキシートの熱溶融性インキは影
響されず、スタンプ材に浸透したりスタンプ材を溶融し
ない。この非溶融部はスタンプ材に吸蔵されたインキが
滲出する部分となる。これらの溶融部と非溶融部とで印
面が形成され、捺印時にこの部分から所望の印影が得ら
れる。
【0023】例C.本発明の第1の製法において、前記
例Aにおいて原稿に液状物質を浸透させた場合を説明す
る。連続気泡を有してスタンプインキ含浸可能な弾性樹
脂製のスタンプ材の表面に、カーボンおよび高分子物質
からなる群から選ばれた少くとも一種からなる発熱板を
重ね、さらに吸液性不透明シートからなる所望の原稿に
液状物質を浸透させて印影原稿像が鏡像となるように重
ね、つぎに該原稿側より赤外線を含む閃光を照射するこ
とにより、発熱体の印影原稿像以外の部分に対応する部
分が発熱してスタンプ材表面を溶融してスタンプインキ
非滲出部となり、一方印影原稿像に対応するスタンプ材
表面は溶融しないでスタンプインキ滲出部となるもので
ある。
【0024】例D.本発明の第1の製法において、前記
例Bにおいて原稿に液状物質を浸透させた場合を説明す
る。連続気泡を有してスタンプインキ含浸可能な弾性樹
脂製のスタンプ材の表面に熱溶融性インキシートをその
熱溶融性インキ面が接するように熱溶融性インキシート
を重ね、さらに吸液性不透明シートからなる原稿に液状
物質を吸収させて後印影原稿像が鏡像となるように重
ね、つぎに該原稿側より赤外線を含む閃光を照射するこ
とにより、印影原稿像以外の部分に対応する熱溶融性イ
ンキシートの熱溶融性インキがスタンプ材の気泡に浸透
するとともにインキの熱でスタンプ材の表層気泡を密着
閉塞させ、スタンプインキ非滲出部となり、一方印影原
稿像に対応するスタンプ材表面は熱溶融性インキが溶融
せずスタンプインキ滲出部となるものである。このスタ
ンプ材表面の印面の形成を説明すると、スタンプ材の表
面に熱溶融性インキ面が接触するように熱溶融性インキ
シートを重ね合わせ、その上に液状シリコーンなどを塗
布した原稿を印影原稿像が鏡像となるように重ね、この
上から赤外線を含む閃光を照射すると、該原稿の印影原
稿像以外の部分は赤外線をも熱溶融性インキシートまで
透過させて熱溶融性インキシートのインキに含まれるカ
ーボンや高分子物質を発熱させ、該スタンプ材の気泡に
浸透するとともにインキの熱でスタンプ材の表層気泡を
密着閉塞させ、スポンジスタンプ材に吸蔵しているスタ
ンプインキが流通しないスタンプインキ非滲出部とな
る。一方、該原稿の印影原稿像部分は、赤外線を熱溶融
性インキシートまで到達させないために熱溶融性インキ
シートのインキの発熱、溶融に至らず、スタンプ材表面
に変化がなくスタンプ材に吸蔵されたスタンプインキの
インキ滲出部となる。これらのスポンジスタンプ材表面
の溶融または浸透部と非溶融部または非浸透部とで印面
が形成され、捺印時にこの部分から所望の印影が得られ
る。
【0025】例E.本発明の第1の製法において、発熱
板として発熱材がを網点状に存在したものを用い、原稿
がドット密度の違いにより濃淡を表したものを用いた場
合を説明する。連続気泡を有してスタンプインキ含浸可
能なスタンプ材の表面に、カーボンおよび高分子物質か
らなる群から選ばれた少くとも一種の物質を網点状に配
してなる網点発熱板を重ね、さらにドット密度の違いに
より濃淡を現した原稿を印影原稿像が鏡像となるように
重ね、つぎに該原稿側より赤外線を含む閃光を照射する
ことにより、該原稿のドット以外の部分と網点発熱板の
網点とに対応するスタンプ材表面のみが溶融してスタン
プインキ非滲出部を形成し、一方該原稿のドット部分と
網点発熱板の網点以外の部分に対応するスタンプ材表面
は溶融しないでスタンプインキ滲出部となり階調を有す
る印面にするものである。 このスタンプ材表面の印面
の形成は、スタンプ材の表面にインキ面が接触するよう
に網点発熱板を重ね合わせ、その上にドット密度の違い
で濃淡を表現したPPC複写用紙のように厚手の紙など
の場合はシリコンなどの液体を塗布し赤外線の透過効率
を改善した原稿の印影原稿像を鏡像となるように重ね、
この上から赤外線を含む閃光を照射すると、該原稿のド
ット以外の部分において、赤外線は透過して網点発熱板
に到達し、該網点発熱板に網点状に塗布されたインキや
トナーに含まれるカーボンや高分子物質を発熱させ、こ
の発熱により該スタンプ材の表面を溶融する。熱溶融性
インキを網点状に塗布した発熱板を用いた場合には該ス
タンプ材の表面の溶融と熱溶融性インキの浸透でスタン
プ材の表面が閉塞されて、スタンプ材に吸蔵しているス
タンプインキが流通しない部分となる。一方、該原稿の
ドット部分においては、印影原稿の図柄をドットで形成
するトナー、インキなどで赤外線は反射、吸収され発熱
板まで到達しにくく、発熱板に塗布されたインキやトナ
ーに含まれるカーボンや高分子物質が発熱しないか、発
熱しても発熱が小さく、スタンプ材表面は変化がなくス
タンプ材に吸蔵されたインキが滲出する部分となる。こ
れらのスタンプ材表面の溶融部と非溶融部のドットの濃
度により印面が形成され、捺印時にこの部分から所望の
濃淡を表現した印影が得られる。
【0026】たとえば、濃淡を有する写真などをモノク
ロの階調表現可能なPPC複写機で複写して原稿とし、
PETフィルムに網点状にトナーまたはインキを配した
網点発熱板を用いることで、照射された赤外線が原稿の
ドット部分以外を透過して発熱板の網点状のトナーまた
はインキを発熱させ、スタンプ材の表面の連続気泡を選
択的に閉塞し印面を形成する(製版する)。原稿の濃い
階調部(黒ベタ部分という)は、閃光を遮断するため
に、黒ベタ部分に対応する発熱板の網点は赤外線よって
発熱しないためにスタンプ材表面に影響がなく非溶融部
となりスタンプインキ滲出部となる。
【0027】原稿の白ベタ部分は閃光がすべて発熱板に
達するので、発熱板の網点はすべて発熱し、該網点以外
の部分は発熱しないが、照射エネルギーとの関係から網
点の発熱が互いに影響しあって、スタンプ材表面の連続
気泡が連続して閉塞され溶融部を形成してスタンプイン
キ非滲出部となる。原稿の中間階調はドットサイズもし
くはドット密度で表されている。閃光はドット部分で遮
断され発熱板に達しないがドット部分以外の部分は発熱
板に達する。しかし、閃光が白ベタの場合のように発熱
板の網点のすべて部分に達する訳でなく、透過赤外線が
多くなく、網点の一部分しか発熱しない。そのため発熱
板の網点同志熱影響を受けにくくなり、発熱が網点状と
なるため、スタンプ材表面原稿のドット分布に近似した
非溶融部が形成されてスタンプインキ滲出部となる。原
稿に比べてスタンプ材の表面のドットの減少が起こり得
るが、中間階調を表現される。上記製法における原稿の
作成は、階調を有する写真などの正像をPPC複写機で
制作すればえられる。網点発熱板の発熱材が網点状に配
置されているので網点スクリーンを重ねて複写したり、
網分解された印刷をするなどの必要はない。このため原
稿作製時の手間はない。
【0028】図9により説明する。階調を表現できるP
PC複写機で複写された図形、写真などはドット密度の
違いにより濃淡を再現しているが、これをそのまま原稿
に使用し、全面に発熱材が存在する発熱板(ベタ発熱
板)を用いて製版すると、分解能はPPC複写機と比較
してかなり粗く50〜150dpiである。そのためベ
タ発熱板で製版した場合、ドット密度の高い中間色の場
合は黒に、ドット密度の低い中間色の場合は白になる場
合が多く、階調をもつ印影を再現するスタンプを作製す
ることが困難である。〔図9(B)参照〕 これを改善するため、ドット密度を粗くして、階調を再
現しやすくする方法として透明フィルムに白色の同一径
ドットを規則的に配置した50〜100線の網点スクリ
ーンを前記写真などを重ねPPC複写機で複写すること
で濃淡を網点の大小で再現した原稿を作成し、該原稿に
ベタ発熱板、スタンプ材を重ね加圧状態で閃光を照射す
ることで網点状のスタンプ印面を製版することができ
る。〔図9(C)参照〕 しかしながら、このスタンプ製版は、ベタ部分にも白点
が存在するので鮮明で濃い印影を得ることが困難である
こと、再現性の良いスタンプを得るために図柄に最適な
網点スクリーンの種類を選定する必要があること、複写
時に網点スクリーンを必要とすることなど手間がかかり
不便である。最適な複写濃度にするには一層の熟練を必
要となる。
【0029】これに対して、本発明の製法は、 発熱板
の発熱材が網点状の配置なので、網点スクリーンをかさ
ねて複写した原稿〔図9(b)〕と違い、原稿の黒ベタ
部は赤外線の透過がないために黒ベタとして製版されス
タンプ印面においても表面の連続気泡の閉塞がなく印影
においても黒ベタ部分と再現され濃い印影を得ることが
できる。また、発熱板の線数、密度を適切に設定するこ
とで白ベタ部分は網点の発熱が互いに影響を及ぼし、ス
ポンジスタンプ材の表面で連続して連続気泡の閉塞が起
こり印影でも白ベタとなり、印影原稿の濃度の薄い部分
でもある程度のドットサイズとドットの集合となると周
辺の発熱の影響を受けずに、小さな非溶融部が残存し、
原稿の小さなドットも再現も可能となるものである。ま
た、発熱板の網点の線数、密度は印刷などで均一なもの
を準備することは、ユーザーが複写原稿の濃度をコント
ロールするよりも容易であり、このため不満足なスタン
プが大幅に減少する。この様なことから、印影の濃淡の
範囲が拡大し、複写された原稿の濃度の許容範囲を拡大
しても比較的鮮明なスタンプ用印版を作製することがで
きる。
【0030】例F.本発明の第2の製法において、原稿
における発熱材存在箇所が文字、図形等不在部分の場合
〔たとえば、透明なシート等に発熱材を筆記材として白
黒反転の正像(該シート等の生地が正像となる)を描い
たもの(以下、発熱原稿シートという)〕を説明する。
連続気泡を有してスタンプインキ含浸可能な弾性樹脂製
のスタンプ材の表面に、所望の印影が描かれた発熱原稿
シート発熱材面を接して重ね、該発熱原稿シートに赤外
線を含む光を照射することにより該スタンプ材の表面に
溶融部と非溶融部を形成し、該溶融部がスタンプインキ
非滲出部、該非溶融部がスタンプインキ滲出部となる印
面とするものである。この製法におけるスタンプ材表面
の印面の形成は、連続気泡を有してスタンプインキ含浸
可能なスタンプ材の表面に、所望の印影の白黒反転像が
描かれた発熱原稿シートを発熱材面を接して重ね、その
上方より赤外線を含む閃光を照射する。該発熱原稿シー
トの印影像以外の部分(すなわち、光による発熱が起こ
る記録材のある部分)では赤外線を直接吸収して該発熱
原稿シートの記録材の発熱によりスタンプ材の表面が溶
融される。この溶融部はスタンプ材の表面の気泡が閉塞
されて、スタンプ材に吸蔵しているスタンプインキが流
通しない部分となる。一方、該原稿シートの印影鏡像の
部分(すなわち、記録材のない部分)は、赤外線が直接
透過するだけでスタンプ材の溶融は発生しない。この非
溶融部はスタンプ材に吸蔵されたインキが滲出する部分
となる。これらの溶融部と非溶融部とで印面が形成さ
れ、捺印時にこの部分から所望の印影が得られる。
【0031】この例における発熱原稿シートとは、透明
シートにレーザープリンタで白黒反転正像を印刷するこ
とで容易に得られる。
【0032】例G.本発明のスタンプ用印版の第2の製
法において、発熱材存在箇所が、文字、図形等存在部分
である場合を説明する。連続気泡を有してスタンプイン
キを含浸可能なスタンプ材に、原稿を重ね合わせ、その
原稿に光を照射して、原稿における文字・図形等存在部
分(発熱材存在箇所)の温度を上昇させ、この温度上昇
と対応するスタンプ材の表面はその熱で溶融して気泡を
閉塞させる熔融部を形成することによりスタンプ非滲出
部を設け、原稿における文字、図形等不在在部分(発熱
材不在箇所)は光を透過して温度が上昇せずこれに対応
するスタンプ材の表面は連続気泡が表面に開通した状態
を維持する非熔融部を形成してスタンプインキ滲出部と
したものである。この例は、例Aの製法の発熱体を取り
除いたものであり、例Aの製法でポジの印面が形成され
るが、この製法ではネガの印面が形成される。
【0033】以上、例A〜例Gに示した製法例におい
て、閃光照射の際にスタンプ材を5〜70%程度圧縮
し、スタンプ材の気泡を弾性変形させ隣接する構造を密
着させ、加熱時の熱で一定深さまでスタンプ材表層が溶
融し凹状となり、溶融部と非溶融部の段差すなわちスタ
ンプインキ非滲出部とスタンプインキ滲出部との段差を
0.01mm以上となるように圧縮することで連続気泡の
閉塞状態が良好となり、インキの目止めができ良好な印
影を得ることができる。また段差を設けることでインキ
充填時の印面の汚れを取りやすいという効果や捺印時に
スタンプインキが非滲出部にしみこみにくく鮮明な印影
を得やすいという効果がある。
【0034】本発明のスタンプは、これらのよって得ら
れる印版そのものを使用するか、もしくはこれらの印版
を台木に装着し、その印版にスタンプインキを含浸させ
たものである。本発明の製法で得られるスタンプ用印版
は、それ自体の表面が製版されて印面となり他の部材と
組みつけなくてもスタンプとして機能する利点がある
が、印版を台木に装着することにより通常のスタンプと
することができる。その使用は、あらかじめスポンジス
タンプ材にインキを含浸もしくは吸蔵させておくことに
より、長時間インキを補充することなく、くり返し鮮明
な印影を捺印することができる。スタンプを吸蔵するイ
ンキは常温での揮発性がなく粘度が100〜5000mP
a・sのものが好ましい捺印性能を示す。しかしなが
ら、インキはこれらに限られるものではないことは言う
までもない。また、印版と台木の間に印版のスポンジス
タンプ材より発泡度のスタンプインキ吸蔵体を設けるこ
とで捺印寿命を延ばしたり、スタンプインキの補給を容
易にすることができる。また、本発明のスタンプ用印版
は、ロール表面に装着してロールを回転することにより
連続印刷も可能である。
【0035】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0036】実施例1 図1、図2に基づいて説明する。図1の(a)に示すよ
うに、発泡ポリエチレン製のスタンプ材Sと、カーボン
フィルムの発熱板Tと、原稿Mとを備える。まず、
(b)に示すように、スタンプ材Sの上に発熱板Tを重
ねて、更にその上に原稿Mを重ねて積層状態にする。な
お、原稿Mは文字・図形等が印された面を発熱板Tに接
触させる。次に、(c)に示すように、原稿Mの上から
光を照射する。光源としては、キセノンランプ等を用い
ることができる。なお、光の照射は閃光であることが望
ましい。このとき、図2に示すように、光は原稿Mにお
ける文字・図形等存在部分Lによって遮蔽されるか、発
熱しても発熱板を通してスタンプ材を溶融するほどでな
く文字・図形等不在部分Bでは透過して発熱板Tに達す
る。発熱板Tにおいて光の当たった箇所は温度が上昇
し、それ以外の箇所の温度は変わらない。スタンプ材S
において発熱板Tの温度上昇部分と接触する箇所の表面
は、その熱により溶けて気泡を閉塞すると共に収縮して
僅かに凹み状態となり、この部分が図1の(d)に示す
インキ非滲出部Hとなる。また、スタンプ材Sにおいて
発熱板Tの温度非上昇部と接触する箇所の表面は連続気
泡が開通した状態を維持し、この部分が図1の(d)に
示すインキ滲出部Iとなる。これによって製版は終了
し、原稿Mと発熱板Tを取り除いてスタンプ材Sにイン
キを含浸させればスタンプとして押印可能となる。
【0037】実施例2 上記実施例1のように、原稿Mとスタンプ材Sの間に発
熱板Tを介在させると、原稿Mに対してポジの印面が形
成される。記録材として発熱材を用いている場合に発熱
板Tを取り除けばネガの印面が形成される。この場合
は、原稿Mにおける文字・図形等不在部分Bを透過した
光が直にスタンプ材Sに当たってその部分は何ら変化し
ないが、原稿Mにおける文字・図形等存在部分Lはコピ
ー原稿のトナー等が光を吸収して温度が上昇し、その部
分のスタンプ材Sの表面を溶かすことになるのでネガの
印面が形成されることになる。
【0038】実施例3 原稿の作製:印刷物をPPC複写機で複写して印影原稿
像Lを有する原稿Mを作成した。 印版の製作:赤外線を含む閃光の発光器1の透明ガラス
板2上に原稿Mの印影原稿像Lが正像となるよう重ね、
さらに熱溶融性インキ5面を上向きとして熱溶融性イン
キ5シート4を重ね、この上に立体網目構造の微細連続
気泡をもつ平均気泡径3μで気孔率60%の発泡ポリエ
チレンシートのスタンプ材S7を重ねて置く〔図3(a)
参照〕。このスタンプ材に厚さ方向の弾性変形を50%
程度与えるように圧力をかけた状態で閃光を照射した。
図3(b)に示すように、原稿Mの印影原稿像Lが光を
遮蔽して、熱溶融性インキシート4の印影原稿像部分と
対応する箇所の温度上昇を抑え、発泡ポリエチレンシー
トS7における対応箇所のインキ溶融は起こらずスタン
プインキ滲出部Iを形成して鏡像として残り、その他の
表面は熱溶融性インキ5がスタンプ材の気泡に浸透する
とともにそのインキの熱でスタンプ材の表層気泡を密着
閉塞させ溶融部12と熱溶融性インキ滲透部11が共存
するスタンプインキ非滲出部Hとなる。印面のスタンプ
インキ非滲出部Hとスタンプインキ滲出部Iの段差は
0.03mmのスタンプ用印版が得られた〔図7(a)参
照〕。この印版を台木にとりつけ、印版にスタンプイン
キを吸蔵して、連続捺印した。印影は非常に鮮明であっ
た。
【0039】実施例4 発熱原稿シートの作製:赤外線透過可能なシートに赤外
線により発熱するトナーからなる発熱材を筆記材とした
レーザープリンタで白黒反転正像を印刷し、該シートの
印刷面に記録材不在部分で所要文字の正像を形成した印
影原稿8を有する発熱原稿シートMTを得た。 印版の製作:赤外線を含む閃光の発光器1の透明ガラス
2上に発熱原稿シートMTの発熱材5’面が上面となる
ように重ね、この上に立体網目構造の見掛密度0.3g
/cm3の微細連続気孔をもつ発泡ポリエチレンシートの
スタンプ材S7を重ねて置く〔図4(a)参照〕。この
スタンプ材に厚さ方向の弾性変形を5〜50%程度与え
るように圧力をかけた状態で閃光を照射した。図4
(b)に示すようにスタンプ材S7の表面は、発熱原稿
シートMTの印影原稿像8の部分は光を透過して変化が
なくスタンプインキ滲出部Iとなり鏡像として残り、そ
の他の表面は記録材が発熱しスタンプ材表層の気泡を溶
融密着して閉塞しスタンプインキ非滲出部Hとなる。印
面のスタンプインキ滲出部Iと非滲出部Hの段差は0.
05mmのスタンプ用印版が得られた〔図7(a)参
照〕。実施例1の場合に比べ原稿がない分だけ段差が大
きくできた。
【0040】実施例5 原稿の作製:メートル坪量64kg/m2のPPC用紙に
PPC複写機で複写して印影原稿像Lを有する原稿M3
を作成した。 印版の作製:50ジュールの発光エネルギーをもつクセ
ノン閃光発光器1の透明ガラス板2上に原稿M3の印影
原稿像Lが正像となるよう重ね、その上に液状シリコン
〔信越化学(株)製“KF96”〕を塗布した。さらに熱
溶融性インキ5面を上向きとして熱溶融性インキシート
4(熱溶融性インキの融点70℃)を重ね、この上に立
体網目構造の平均気泡3μで気孔率60%の微細連続気
泡をもつ発泡ポリエチレンシート(30mm角の4mm厚)
スタンプ材S7を重ねて置く〔図5参照〕。このスタン
プ材に厚さ方向の弾性変形を50%程度与えるように圧
力をかけた状態で閃光を照射した。図5に示すように、
原稿M3と熱溶融性インキシート4の間にうすい液状シ
リコン層ができ、また原稿M3に液状シリコンが浸透
(f)した。スタンプ材S7の表面は原稿M3の印影原
稿像Lに対応する部分がインキ滲出部Iとなり鏡像とし
て残り、その他のスタンプ材S7の表面は熱溶融性イン
キの溶融にともない、スタンプ材の気泡に浸透するとと
もにそのインキの熱でスタンプ材の表層気泡を密着閉塞
させ溶融部12と熱溶融性インキ滲透部11とが共存す
るスタンプインキ非滲出部Hとなる。スタンプインキ滲
出部Iと非滲出部Hとの段差を得るために50ジュール
のエネルギーが必要であった。これに対して、実施例3
は、段差を得るために100ジュールのエネルギーが必
要であった。
【0041】実施例6 熱溶融性インキシート4を発熱板Tに替える以外は実施
例5と同様に行った。図6に示すように、スタンプ材S
7の表面には、原稿M3の印影原稿像Lに対応する部分
がスタンプインキ滲出部I(鏡像)として残り、その他
の表面はスタンプインキ非滲出部Hが形成される。
【0042】実施例5及び実施例6のように原稿に液状
物質を塗布すると、一般に流通するPPC用紙のメート
ル坪量はモノクロの場合、52kg〜64kg/m2である
が上記の製版条件の場合、ほぼ同一の印面の段差を得る
ことができる。液状物質を使用しない場合に、メートル
坪量64kg/m2に閃光条件を製版装置でメートル坪量
52kg/m2の原稿を用いると印影原稿像Lで閃光を遮
蔽することができず本来非溶融部となるべきスタンプ材
の箇所も部分的に溶融することになり、良好な印面を得
ることができない。そのため、フィルターなどを介在さ
せエネルギーを減衰させて製版する必要となり、各種の
用紙厚に対応したフィルターを用意する必要があり、使
い勝手が悪くなるが、液状物質をしようすることによ
り、原稿用シートの厚みに差があっても一定の印面を得
ることができる。
【0043】実施例7 原稿の作製:写真をモノクロPPC複写機で複写して印
影原稿像L′(黒色)、L″(灰色)を有する原稿M3
を作成した。 網点発熱板T′の作製:厚さ0.05mmのアセテート
フィルム6′に直径0.14ミリのドットを0.2ミリ
ピッチでポリスチレン樹脂、カーボンブラックなどから
なるトナーNをレーザープリンタで網点印刷したものを
用いた。 印版の作製:50ジュールの発光エネルギーをもつクセ
ノン閃光発光器1の透明ガラス板2上に原稿M3の印影
原稿像L′(黒色)、L″(灰色)が正像となるよう重
ね、さらにインキまたはトナー面Nを上向きとして網点
発熱板T′を重ね、この上に立体網目構造の気孔率50
%(見掛け密度0.3g/cm3)の微細連続気泡をもつ
発泡ポリエチレンシートのスタンプ材S7を重ねて置く
〔図8(a)参照〕。このスタンプ材S7に厚さ方向の
弾性変形を5〜50%程度与えるように圧力をかけた状
態で閃光を照射した。図8(b)に示すように、スタン
プ材S7の表面にはスタンプインキ滲出部Iとスタンプ
インキ滲出部が網点状に存在する部分9をゆうする印影
原稿鏡像をもつ印面が得られる。たとえば、図9に示す
ように写真(黒色、灰色)をモノクロPPCコピーで複
写すると原稿M3は図9(a)の状態となる。これに網
点発熱板T′を重ね閃光を照射すると黒色の部分は発熱
板の発熱がないのでスタンプ材S7は非溶融部となり、
インキ滲出部Iを形成し捺印の際ベタ黒となり、一方、
この図9(a)の灰色部分(図8のL”に相当する部
分)の白抜部分と網点発熱板の網点の合致した部分のみ
がスタンプ材表面に溶融部(スタンプインキ非滲出部)
を形成し捺印の際に白抜きとなり、(A)のような形状
の印影となり、原稿のような黒色と原稿より濃度の高い
灰色が再現する。
【0044】実施例8 網点発熱板を作製する際に網点を熱溶融性インキで施す
以外は実施例7と同様にした。スタンプ材のスタンプイ
ンキ滲出部Iと非滲出部Hを拡大すると図7(a)とな
った。これに対して、実施例7の場合は図7(b)とな
った。
【0045】比較例1 網点発熱板に代えて網点を施さない発熱板を使用する以
外は実施例1と同様に行った。捺印するとほとんどが黒
一面になった。(図9(B))
【0046】比較例2 写真(黒色、灰色)に網点シートを重ねてPPCコピー
を行ない図9(b)の原稿を得た。これを用いて比較例
1と同様に行った。捺印すると印影(C)が得られ全体
が濃度が低下して鮮明な印影が得られなかった。
【0047】実施例7〜8の様に印面が製版されるの
で、濃淡を有する写真や図柄であっても、網点スクリー
ンを用いて網点分解する必要がなく、原稿をPPC複写
機で制作でき、印影はベタ部はベタとして全面インキ滲
出部となる。網点スクリーンを重ねて複写する場合には
白抜け部が存在するので印影もベタと再現できないのに
比べ濃度が高くなる。また、中間階調の箇所は原稿がド
ットの点在で構成されてるいるので、原稿のドット以外
の部分と網点発熱板のドットとが合致した箇所のみが発
熱しスタンプ材の表層の溶融が起こり、連続気泡を閉塞
しインキ非滲出部となりその印面は原稿に比べドット密
度が高い状態に製版される。しかし捺印時には全体の濃
度が高いので視覚的には充分な再現性を得ることができ
る。白ベタの背景などは発熱板の加熱部がドット配列で
あるため本来印材表層の連続気泡が全面で閉塞されるべ
きであるが、ドットの隙間が溶融せずにインキ滲出部と
なってしまうが、発熱板のドット径とピッチを適当に設
定することにより広範囲な白ベタがドットが互いに影響
しあい、全面閉塞が可能である。
【0048】このことは、原稿に特別な処理をすること
なく、特定なパターンで発熱板の発熱材のドットを調整
することでいろいろのパターンの印面を製版することが
できる。
【0049】
【発明の効果】スタンプ材は連続気泡を有する樹脂製で
インキをある程度吸蔵できるので押印ごとにインキを施
さねばならぬという面倒がないという利点があり、次
に、スタンプ材はそれ自体の表面が製版されて印面とな
り単独で機能するので他の部材と組付ける必要がなく製
造が容易であるという利点があり、更に、スタンプ材は
熱のみで製版されて感光剤等を塗布したり洗浄する必要
がないので煩雑な工程を省くことができるという利点が
ある。すなわち、本発明スタンプ用印版の製法は工程が
簡単であり、金型などを必要としないため、目的にあっ
た高品位のスタンプが迅速に提供できるものである。ま
た発熱板を用いれば、ポジの複写原稿があれば原稿から
ポジの印面を直接形成することができるので、従来行わ
れているような、原稿からネガの製版用原紙を形成して
そのネガの製版用原紙から金型をおこしてポジの印面を
形成するというような煩雑な工程を避けることができ
る。勿論、ネガの場合も同様である。
【0050】特に、本発明において、スタンプ材の気泡
の閉塞をスタンプ材を圧縮状態で閃光照射することによ
るスタンプ材表層の隣接する気泡を密着させた状態で溶
融することできるので、比較的小さなエネルギーで完全
に行うことができるので非溶融部への影響が少なく品質
の良好な印版を得ることができる。さらに凹部となるの
でインキの浸み込みがなく良好な印影となる。さらに、
本発明では原稿に液体シリコーンなどの液状物質を塗布
することにより赤外線の透過効率が高くなるためにスタ
ンプ材表面の連続気泡の閉塞が比較的小さなエネルギー
で実現できる。原稿作成時に特別な処理を必要とせずに
PPC複写機で複写するのみで、写真や濃淡の階調をも
つ図柄などを網点状に製版し、階調をもつ印影をインキ
の補給なしに連続捺印できるスタンプを提供できる。ベ
タ部分に白抜け部が発生しないため印影のベタ部の濃度
が高く見え、濃淡の幅のある印影を得ることができ、こ
のため複写原稿の濃度の許容範囲を拡大しても再現性の
高い印影を得ることができる。
【0051】本発明の製法で得られるスタンプ用印版
は、それ自体の表面が製版されて印面となり他の部材と
組みつけなくてもスタンプとして機能する利点がある
が、通常は台木に装着してスタンプとする、スタンプ
は、連続気泡を有するスタンプ材でインキを吸蔵するこ
とができる印版を有するので捺印のたびにインキを施さ
なければならないという面倒がないという利点があるこ
とは従来の連続気泡を有する印判と同じであるが、捺印
で得られる印影が鮮明で、高品質のものであることが特
徴である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、スタンプ用印版の製造工程
を示す説明図である。
【図2】工程の要部である光を照射した状態における断
面図である。
【図3】スタンプ用印版の製作模式図(原稿と熱溶融性
インキシート使用)であり、(a)は閃光を照射前、
(b)は照射後の熱溶融性インキによるスタンプ材の溶
融とインキの浸透の状況を示した模式図である。
【図4】スタンプ用印版の製作模式図(発熱原稿シート
使用)であり、(a)は閃光を照射前、(b)は照射後
のスタンプ材表層の溶融の状況を示した模式図である。
【図5】原稿に液状物質を塗布して発熱板として熱溶融
性インキを用いた場合のスタンプ用印版の製作模式図で
ある。
【図6】原稿に液状物質を塗布して発熱板を用いた場合
のスタンプ用印版の製作模式図である。
【図7】(a)は、熱溶融性インキシートを用いた場合
の溶融浸透部(溶融部12浸透部11の共存)の拡大図
である。(b)は、発熱板を用いた場合の溶融部(1
2)の拡大図である。
【図8】(a)および(b)は、それぞれ濃淡のある原
稿と網点発熱板を用いた場合のスタンプ用印版の製作模
式図である。
【図9】網点発熱板、通常の発熱板および網点シート
(通常発熱板使用)の比較を示す図である。
【符号の説明】
S スタンプ材 H スタンプインキ非滲出部 I スタンプインキ滲出部 T 発熱板 T′ 網点発熱板 M 原稿 M3 液状物質を浸透させる原稿 B 文字・図形等不在部分 L 文字・図形等存在部分(印影原稿像) 1 閃光発光部 2 ガラス板 4 熱溶融性インキシート 5 熱溶融性インキ 5′ 発熱材 6 ポリエステルフィルム 6′ アセテートフィルム S7 スタンプ材 発泡ポリエチレンシート 8 発熱原稿シートの印影原稿像 L′ 印影原稿像(黒色) L″ 印影原稿像(灰色) 9 スタンプインキが網点状に存在する部分 11 熱溶融性インキ浸透部 12 溶融部 N カーボンまたは熱溶融性インキの網点塗布部 MT 発熱原稿シート f 液状物質浸透部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−145031 (32)優先日 平6(1994)6月27日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 白石 治人 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番 12号 三菱鉛筆株式会社研究開発センタ ー内 (72)発明者 戸田 肇 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番 12号 三菱鉛筆株式会社研究開発センタ ー内 (72)発明者 鈴木 進 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番 12号 三菱鉛筆株式会社研究開発センタ ー内 (72)発明者 平野 功一 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番 12号 三菱鉛筆株式会社研究開発センタ ー内 (72)発明者 玉野 寿美 神奈川県横浜市神奈川区入江二丁目5番 12号 三菱鉛筆株式会社研究開発センタ ー内 (56)参考文献 特開 平3−96383(JP,A) 特開 昭50−155323(JP,A) 特開 昭60−193686(JP,A) 実開 昭53−89815(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41K 1/00 - 1/02 B41K 1/50

Claims (26)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続気泡を有してスタンプインキを含浸
    可能な弾性樹脂製のスタンプ材に、光を当てることによ
    り温度上昇する発熱材を含む発熱板を介して記録材不在
    部分および記録材存在部分により文字・図形等を表した
    原稿を重ね合わせ、その原稿に光を照射して、該記録材
    不在部分を透過した光により該記録材不在部分と対応す
    る箇所の発熱材の温度を上昇させ、この温度上昇した発
    熱材と対応する箇所のスタンプ材の表面をその熱で熔融
    して気泡を閉塞させることによりスタンプインキ非滲出
    部を設けると共に、該記録材存在部分において光を遮蔽
    して、記録材存在部分と対応する箇所の発熱材の温度上
    昇を抑え、この温度上昇を抑制した発熱材と対応する箇
    所のスタンプ材の表面を連続気泡が開通した状態に維持
    することによりスタンプインキ滲出部とすることを特徴
    とするスタンプ用印版の製法。
  2. 【請求項2】 連続気泡を有してスタンプインキを含浸
    可能な弾性樹脂製のスタンプ材が天然ゴム、合成ゴムお
    よび合成樹脂からなる群から選ばれた少くとも一種より
    造られたスポンジシートである請求項1記載のスタンプ
    用印版の製法。
  3. 【請求項3】 連続気泡を有してスタンプインキを含浸
    可能な弾性樹脂製のスタンプ材が立体網目構造の平均気
    泡径2〜10μの微細連続気泡を有し気孔率30〜80
    %、熔融温度が50〜100℃であるポリオレフィン系
    フォームの厚み0.5〜10mmのシートであることか
    らなる請求項1記載のスタンプ用印版の製法。
  4. 【請求項4】 光を当てることにより温度上昇する発熱
    材を含む発熱板がカーボンもしくは高分子物質を含む発
    熱材からなるシート等であることからなる請求項1記載
    のスタンプ用印版の製法。
  5. 【請求項5】 光を当てることにより温度上昇する発熱
    材を含む発熱板がカーボンおよび高分子物質からなる群
    から選ばれた少くとも一種を含むインキもしくはトナー
    からなる発熱材を赤外線透過可能なシート等の少くとも
    片面に塗布されたシート状物であることからなる請求項
    1記載のスタンプ用印版の製法。
  6. 【請求項6】 光を当てることにより温度上昇する発熱
    材を含む発熱板がカーボンおよび高分子物質からなる群
    から選ばれた少くとも一種を含みスタンプ材の溶融温度
    より高い融点をもつ熱溶融性物質からなる発熱材を赤外
    線透過可能なシート等の片面に塗布されたシート状物で
    あることからなる請求項1記載のスタンプ用印版の製
    法。
  7. 【請求項7】 光を当てることにより温度上昇する発熱
    材を含む発熱板がカーボンおよび高分子物質からなる群
    から選ばれた少くとも一種を含む発熱材を赤外線透過可
    能なシート等に網点状に配したシート状物であり、かつ
    記録材不在部分および記録材存在部分により文字・図形
    等を表した原稿がドット密度の違いにより濃淡を表した
    図柄などであることからなる請求項1記載のスタンプ用
    印版の製法。
  8. 【請求項8】 光を当てることにより温度上昇する発熱
    材を含む発熱板がカーボンおよび高分子物質からなる群
    から選ばれた少くとも一種を含みスタンプ材の溶融温度
    より高い融点をもつ熱溶融性物質からなる発熱材を赤外
    線透過可能なシート等に網点状に配したシート状物であ
    り、かつ記録材不在部分および記録材存在部分により文
    字・図形等を表した原稿がドット密度の違いにより濃淡
    を表した図柄などであることからなる請求項1記載のス
    タンプ用印版の製法。
  9. 【請求項9】 記録材不在部分および記録材存在部分に
    より文字・図形等を表した原稿に液状物質を塗布するこ
    とからなる請求項1記載のスタンプ用印版の製法。
  10. 【請求項10】 液状物質が、水、シリコン樹脂、ワッ
    クス、鉱物油および植物油からなる群から選ばれた少く
    とも一種であることからなる請求項9記載のスタンプ用
    印版の製法。
  11. 【請求項11】 光は少なくとも赤外線を含むクセノン
    閃光器、フォトストロボフラッシュやフラッシュバルブ
    を光源とする閃光であることからなる請求項1記載のス
    タンプ用印版の製法。
  12. 【請求項12】 光の照射を連続気泡を有してスタンプ
    インキを含浸可能な弾性樹脂製のスタンプ材を圧縮した
    状態で行うことからなる請求項1記載のスタンプ用印版
    の製法。
  13. 【請求項13】 圧縮した状態で行うことはスタンプイ
    ンキ滲出部とスタンプインキ非滲出部との段差を0.0
    1mm以上となるように圧縮することである請求項12
    記載のスタンプ用印版の製法。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の製法で得られる印版に
    スタンプインキを含浸させてなるスタンプ。
  15. 【請求項15】 連続気泡を有してスタンプインキを含
    浸可能な弾性樹脂製のスタンプ材に、光を当てることに
    より温度上昇する発熱材を記録材とし用いられた原稿を
    重ね合わせ、その原稿に光を照射して、原稿における発
    熱材存在箇所の温度を上昇させ、この温度上昇箇所と対
    応するスタンプ材表面をその熱で溶かして気泡を閉塞さ
    せる熔融部を形成することによりスタンプインキ非滲出
    部を設けると共に、原稿において光が透過して温度が上
    昇しない発熱材不在箇所と対応するスタンプ材表面は気
    泡が表面に開通した状態を維持する非熔融部を形成して
    スタンプインキ滲出部とすることを特徴とするスタンプ
    用印版の製法。
  16. 【請求項16】 光を当てることにより温度上昇する発
    熱材を記録材として用いられた原稿は、カーボンもしく
    は高分子物質を含むインキまたはトナーを発熱材とし
    て、この発熱材により文字、図形等存在部分を作成した
    ものであることからなる請求項15記載のスタンプ用印
    版の製法。
  17. 【請求項17】 光を当てることにより温度上昇する発
    熱材を記録材とし用いられた原稿は、カーボンもしくは
    高分子物質を含むインキまたはトナーを発熱材として、
    この発熱材により文字、図形等不存在部分を作成したも
    のであることからなる請求項15記載のスタンプ用印版
    の製法。
  18. 【請求項18】 カーボンもしくは高分子物質からなる
    インキまたはトナーがスタンプ材の溶融温度より高い融
    点をもつ熱溶融性物質からなる請求項16もしくは17
    記載のスタンプ用印版の製法。
  19. 【請求項19】 連続気泡を有してスタンプインキを含
    浸可能な弾性樹脂製のスタンプ材が天然ゴム、合成ゴム
    および合成樹脂からなる群から選ばれた少くとも一種よ
    り造られたスポンジシートであることからなる請求項1
    5記載のスタンプ用印版の製法。
  20. 【請求項20】 連続気泡を有してスタンプインキを含
    浸可能な弾性樹脂製のスタンプ材が立体網目構造の平均
    気泡径2〜10μの微細連続気泡を有し気孔率30〜8
    0%の熔融温度が50〜100℃であることからなるポ
    リオレフィン系フォームの0.5〜10mm厚のシート
    である請求項15記載のスタンプ用印版の製法。
  21. 【請求項21】 光を当てることにより温度上昇する発
    熱材を記録材とし用いられた原稿に液状物質を塗布する
    ことからなる請求項15記載のスタンプ用印版の製法。
  22. 【請求項22】 液状物質が、水、シリコン樹脂、ワッ
    クス、鉱物油および植物油からなる群から選ばれた少く
    とも一種であることからなる請求項21記載のスタンプ
    用印版の製法。
  23. 【請求項23】 光は少なくとも赤外線を含むクセノン
    閃光器、フォトストロボフラッシュやフラッシュバルブ
    を光源とする閃光であることからなる請求項15記載の
    スタンプ用印版の製法。
  24. 【請求項24】 光の照射は、連続気泡を有してスタン
    プインキを含浸可能な弾性樹脂製のスタンプ材を圧縮し
    た状態で行うことからなる請求項15記載のスタンプ用
    印版の製法。
  25. 【請求項25】 圧縮した状態で行うことは、スタンプ
    インキ滲出部とスタンプインキ非滲出部との段差を0.
    01mm以上となるように圧縮することからなる請求項
    24記載のスタンプ用印版の製法。
  26. 【請求項26】 請求項15記載の製法で得られる印版
    にスタンプインキを含浸させてなるスタンプ。
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