JPH0820569A - シアノ酢酸t−ブチルの精製法 - Google Patents

シアノ酢酸t−ブチルの精製法

Info

Publication number
JPH0820569A
JPH0820569A JP17490194A JP17490194A JPH0820569A JP H0820569 A JPH0820569 A JP H0820569A JP 17490194 A JP17490194 A JP 17490194A JP 17490194 A JP17490194 A JP 17490194A JP H0820569 A JPH0820569 A JP H0820569A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cyanoacetate
butyl
butyl cyanoacetate
alkali
purifying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP17490194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3556275B2 (ja
Inventor
Masaaki Seya
昌明 瀬谷
Satoshi Koide
聡 小出
Yasuyuki Takayanagi
恭之 高柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nitto Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nitto Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP17490194A priority Critical patent/JP3556275B2/ja
Publication of JPH0820569A publication Critical patent/JPH0820569A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3556275B2 publication Critical patent/JP3556275B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来法に比べて、高純度、高回収率でかつ簡便
で合理的なシアノ酢酸t−ブチルの精製方法を提供す
る。 【構成】低級シアノ酢酸エステルを不純物として含有す
る粗シアノ酢酸t−ブチルを、アルカリ水溶液と接触さ
せることにより精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医農薬中間体および工
業製品中間体として用いられるシアノ酢酸t−ブチルの
精製法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】従来、シアノ酢酸t−ブチル
の製造法としては、クロロ酢酸t−ブチルとNaCN
あるいはKCNを反応させる方法[DE195103
2;Helv.Chim.Acta.、42、121
4、1222 (1959);J.Am.Chem.S
oc.、64、2274(1942)]、シアノアセ
チルハライドとt−ブタノールとN、N−ジメチルアニ
リンを反応させる方法[J.Chem.Soc.、(1
955) 423、426;Org.Synth.、C
oll.Vol.5、171]およびクロロアセトニ
トリルとCOとt−ブタノールを反応させるアルコキシ
カルボニレーション法[DE2403483]などが知
られている。
【0003】しかしながらの方法では、原料のクロロ
酢酸t−ブチルを入手するのが容易でなく、別途煩雑な
原料合成をしなくてはならない。さらには、反応に伴っ
て副生するNaClなどの廃棄物が多量に生じてしま
う。
【0004】またでは、原料のシアノアセチルハライ
ドを得るための工程が必要であり、そのために腐蝕性の
高いPCl5 などを用いる必要があり、装置材質上の制
約が大きくなる。さらに、N、N−ジメチルアニリンを
シアノアセチルハライドと等量以上必要とし、反応の進
行に伴いその塩酸塩を副生し、多量の廃棄物を生じてし
まう。
【0005】はCOを高圧で反応させなくてはなら
ず、設備的制約が生じる。以上のように、従来のシアノ
酢酸t−ブチルを製造する方法は種々の欠点を有してい
る。
【0006】本発明者らは、上述のような問題点を生じ
ることなく、容易に入手可能な原料から簡便な方法で合
理的にシアノ酢酸t−ブチルを製造する方法として、一
般式NCCH2 COOR1 (式中R1 は炭素数1〜3の
アルキル基を示す)で表わされる低級シアノ酢酸エステ
ルとt−ブチルアルコールを有機錫系触媒を用いて反応
させ、シアノ酢酸t−ブチルとする方法を提供している
(特願平5−344466)。この方法を用いた場合、
不純物として未反応原料である一般式NCCH2 COO
1 (式中R1 は炭素数1〜3のアルキル基を示す)で
表わされる低級シアノ酢酸エステルが反応液中に含まれ
るため、分離精製の必要が生じる。しかし、前記不純物
とシアノ酢酸t−ブチルは沸点差が少ないため、蒸留操
作による精製は困難である。
【0007】また、カラムクロマトグラフィーにかけて
精製する方法も考えられるが、溶剤、充填剤を多量に使
用するためコストがかかり工業的利用価値に乏しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような問題点を生じることなく、高純度のシアノ酢酸
t−ブチルを効率よく得るための方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討したところ、一般式NCCH
2 COOR1 (式中R1 は炭素数1〜3のアルキル基を
示す)で表わされる低級シアノ酢酸エステルを不純物と
して含有する粗シアノ酢酸t−ブチルをアルカリ水溶液
で処理することにより、低級シアノ酢酸エステルが選択
的に加水分解されてシアノ酢酸塩となり、分液、抽出、
蒸留等の簡便な分離操作により、高純度のシアノ酢酸t
−ブチルが得られることを見出して本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、一般式NCCH2
OOR1 (式中R1 は炭素数1〜3のアルキル基を示
す)で表わされる低級シアノ酢酸エステルを不純物とし
て含有する粗シアノ酢酸t−ブチルをアルカリ水溶液で
処理することを特徴とするシアノ酢酸t−ブチルの精製
法に関する。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明に用いるアルカリは、水溶液中でア
ルカリ性を示すものであれば、有機化合物、無機化合物
を問わず、如何なるものでも用いられるが、好ましくは
Li,Na,K,Rb等のアルカリ金属の水酸化物や炭
酸塩、Be,Mg,Ca,Sr,Ba等のアルカリ土類
金属の水酸化物や炭酸塩、アンモニア、炭酸アンモニウ
ム塩、特に好ましくは、Li,Na,K,Rb等のアル
カリ金属の水酸化物や炭酸塩、アンモニアを挙げること
ができる。
【0013】本発明の実施にあたり、上記アルカリの使
用量は、不純物である一般式NCCH2 COOR1 (式
中R1 は炭素数1〜3のアルキル基を示す)で表わされ
る低級シアノ酢酸エステルに対して0.4〜10モル
%、好ましくは0.6〜2.0モル%、特に好ましくは
0.8〜1.2モル%である。
【0014】アルカリ水溶液の濃度は0.1〜40wt
%、好ましくは0.3〜25wt%、特に好ましくは、
0.5〜10wt%の範囲である。
【0015】処理温度は0〜100℃、好ましくは20
〜80℃である。
【0016】処理時間は、不純物量、アルカリ濃度、処
理温度等により変動するが、通常1時間以内である。
【0017】アルカリ水溶液処理時には溶媒を使用して
も差し支えない。用いられる溶媒の種類としては、エ−
テル類、ケトン類、酢酸エチル、クロロホルム、四塩化
炭素、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ヘキサン等が挙げられる。
【0018】本発明の一般的実施様態について説明する
と、温度計、滴下漏斗を備えた反応器に不純物を含む粗
シアノ酢酸t−ブチルを仕込み撹拌しながらアルカリ水
溶液を滴下し、反応させる。
【0019】反応後、反応液を分液し、有機層を分離、
減圧蒸留することにより、目的物であるシアノ酢酸t−
ブチルを留出させ取得することができる。
【0020】分液時、シアノ酢酸t−ブチルは上層に分
離するが、水層へのロスを少なくするためには抽剤を使
用しても差し支えない。用いられる溶媒の種類として
は、エ−テル類、ケトン類、酢酸エチル、クロロホル
ム、四塩化炭素、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、ヘキサン等が挙げられる。
【0021】また、アルカリ水溶液処理後、分液操作を
行なわずに水を留出させた後、シアノ酢酸t−ブチルを
留出させ取得することもできる。また、水を留出した後
に、シアノ酢酸塩の結晶が析出するため、濾過によりこ
れを除去してから蒸留しても良い。
【0022】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるも
のでない。
【0023】実施例1 撹拌器、温度計および滴下漏斗を備えたフラスコに、不
純物としてシアノ酢酸メチルを26wt%含む粗シアノ
酢酸t−ブチル30gを加えた。温度40℃にて2.5
wt%NaOH水溶液127g(対シアノ酢酸メチル1
モル%)を5分間かけて滴下した後、5分間撹拌した。
抽剤として塩化メチレンを加えて有機相を抜き出し、減
圧蒸留を行なって、精シアノ酢酸t−ブチル21.8g
を回収した。ガスクロマトグラフィーで分析した結果、
純度99.8%、回収率98%であった。
【0024】実施例2 不純物としてシアノ酢酸エチルを26wt%含む粗シア
ノ酢酸t−ブチル30gを用いた以外は実施例1と同様
の操作で精製した。ガスクロマトグラフィーで分析した
結果、純度99.8%、回収率95%であった。
【0025】実施例3〜6 アルカリ、温度を下記のように変えた以外は実施例1と
同様の操作で精製した。アルカリ水溶液はすべて2.5
wt%の濃度で用いた。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】実施例7 不純物としてシアノ酢酸イソプロピル18wt%を含む
粗シアノ酢酸t−ブチル30gを用い、抽剤としての塩
化メチレンを用いずに分液した以外は実施例1と同様に
操作した結果、純度99.8%、回収率90%で精シア
ノ酢酸t−ブチルを得た。
【0028】実施例8〜11 不純物としてシアノ酢酸メチルを下記の量含む粗シアノ
酢酸t−ブチル30gを用いた以外は実施例1と同様の
操作で精製した。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】実施例12〜15 アルカリ濃度を下記のように変化させた以外は実施例1
と同様の操作で精製した。結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】実施例16〜17 処理温度を下記のように変化させた以外は、実施例1と
同様の操作で精製した。結果を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【発明の効果】本発明により、安価で入手容易な原料で
ある低級シアノ酢酸エステルとt−ブチルアルコールの
エステル交換反応により得られた未反応の低級シアノ酢
酸エステルを含むシアノ酢酸t−ブチルの反応液から、
高純度のシアノ酢酸t−ブチルを高収率で、また簡便な
操作および装置で取得することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式NCCH2 COOR1 (式中R1
    炭素数1〜3のアルキル基を示す)で表わされる低級シ
    アノ酢酸エステルを不純物として含有する粗シアノ酢酸
    t−ブチルをアルカリ水溶液で処理することを特徴とす
    るシアノ酢酸t−ブチルの精製法。
  2. 【請求項2】アルカリが、アルカリ金属水酸化物、アル
    カリ金属炭酸塩およびアンモニアから選ばれた少なくと
    も1種である請求項1記載の精製法。
JP17490194A 1994-07-05 1994-07-05 シアノ酢酸t−ブチルの精製法 Expired - Fee Related JP3556275B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17490194A JP3556275B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 シアノ酢酸t−ブチルの精製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17490194A JP3556275B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 シアノ酢酸t−ブチルの精製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0820569A true JPH0820569A (ja) 1996-01-23
JP3556275B2 JP3556275B2 (ja) 2004-08-18

Family

ID=15986677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17490194A Expired - Fee Related JP3556275B2 (ja) 1994-07-05 1994-07-05 シアノ酢酸t−ブチルの精製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3556275B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112645843A (zh) * 2020-12-25 2021-04-13 复旦大学 一种氰乙酸叔丁酯的合成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112645843A (zh) * 2020-12-25 2021-04-13 复旦大学 一种氰乙酸叔丁酯的合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3556275B2 (ja) 2004-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1700846B1 (en) Process for producing cyclohexanone oxime
CN110637002A (zh) 六氟-1,3-丁二烯的制造方法
KR100191079B1 (ko) 메틸 아세테이트를 카르보닐화하는 방법
JP3556275B2 (ja) シアノ酢酸t−ブチルの精製法
JP2001002638A (ja) 高純度ピロリドン類の製造方法
JPH0560817B2 (ja)
JPH029576B2 (ja)
JPH07330755A (ja) ピペロナールの製法
JPH11171850A (ja) 酪酸エステル誘導体の製造方法
JPH08150389A (ja) エチレンジアミン含有廃液の処理方法
US5637751A (en) Process for producing 1,4-dicyano-2-butene and catalyst therefor
JP3036661B2 (ja) 2−クロロシクロドデカジエノンオキシムの製造法
JPH11189566A (ja) フルオロアルキルカルボン酸の製造方法
JP2683809B2 (ja) 1−ベンジル−3−ベンジルアミノピロリジン類の製造法
EP0065356B1 (en) A method for purification of cyclopentenolones
US4695441A (en) Manufacture of silane
JPH01301684A (ja) 有機金属化合物の製造方法
JPH0665182A (ja) 3−シアノ−3、5、5−トリメチル−1−シクロヘキサノンの分離精製法
JPH1095760A (ja) シアノ酢酸エステルの製造法
EP0726244A1 (en) Process for producing 2-fluorocyclopropanecarboxylic acid
JP4366704B2 (ja) 4−ジメチルアミノピリジンの回収方法
JPH11116527A (ja) 2置換−1,3−インダンジオン誘導体の製造方法
JPS6314693B2 (ja)
JPH0791246B2 (ja) ジメチルホルムアミドの精製法
JP2004002466A (ja) 1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040325

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20040512

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees