JP2004002466A - 1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物から不純物を除く。
【解決手段】不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を該二水和物に対して難容性の芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素またはフッ素系溶媒から選ばれる有機溶剤に分散させ、その後濾過・分離する方法又は、該二水和物に該有機溶媒を洗浄液として散布する方法で該有機溶媒と接触させて不純物を除くことにより精製することを特徴とする1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法。

Description

 医薬、農薬などの中間体や電子部品の製造に使用される低沸点キレート化合物の原料として有用な1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造方法に関し、より詳しくはその高純度品の製造方法に関する。
 1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造方法としては、下式に示す方法が知られている。
Figure 2004002466
 一般に、生成物の純度を高めるためには各種の方法が製造工程の途中で採られるが、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造方法においてもそのような方法が知られている。J.Amer.Chem.Soc.,69,1819(1947)には、中間体として得られる1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンナトリウム塩を銅キレート化合物とし、それを再結晶した後硫化水素で銅を取り除いて無水の1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンを得ている。非特許文献1には、反応液に希硫酸を加えエーテルで抽出した有機層を蒸留し36〜90℃の留分を採取することが記載され、その中の85〜90℃の留分は1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物であることが記載されている。非特許文献2には、エーテルで抽出した有機層を濃縮して1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を析出させる方法が記載されている。
J.Chem.Soc.London,1951,609 J.Amer.Chem.Soc.,78,2790 (1956)
 一般に、医・農薬や電子部品の製造原料としては他の用途に比べて非常に高純度の製品が求められ、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンにおいても例外ではない。
 本発明者らは、1,1,1−トリフルオロアセトンとトリフルオロ酢酸エチルを反応させて1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンを製造する方法において、中間体として得られる1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を特定の溶媒で洗浄することにより、あるいは特定の溶媒から再結晶することで1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物に含まれる不純物の含有量を低減させ、ひいては1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの純度を向上させることを見いだし、本発明を完成させた。
 すなわち、本発明は、不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を該二水和物に対して難溶性の有機溶剤と接触させて不純物を除くことを特徴とする1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法(第1の方法)である。
 また、本発明は、不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の溶液から1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の結晶を析出させることからなる1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法(第2の方法)である。
 本発明の精製方法を適用する1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンはどの様な方法によって製造されたものであってもよい。以下に例示するがこれらに限られない。
 反応容器に、反応溶媒と塩基を仕込み、そこへ1,1,1-トリフルオロアセトンとトリフルオロ酢酸エステルと溶媒を攪拌等することで均一化させて反応温度より低い所定の温度で徐々に添加し、その後必要に応じて反応器の温度を高め反応の完結を速めると1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンの塩が生成する。
 この製造方法において、反応器は通常、ガラス、フッ素樹脂またはこれらの材質でライニングし容器が用いられる。反応溶媒としては、エーテル類が用いられ沸点が20〜80℃程度のものが好ましく、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)等が用いられる。塩基としては、通常無機塩基であり、例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド、水素化物、金属単体が用いられ、具体的には、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水素化ナトリウム、金属ナトリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、水素化カリウム、金属カリウム、水素化リチウム等が用いられる。 トリフルオロ酢酸エステルのエステル部位は脱離基として働くので特に限定されないが、工業的に入手の容易なメチルトリフルオロアセテート、エチルトリフルオロアセテートなどを使用すればよい。1,1,1-トリフルオロアセトンとトリフルオロ酢酸エステルの溶媒としては反応溶媒と同一である必要はないが、反応溶媒として使用されるエーテル類から選べばよい。また、操作性を考慮して前記方法では1,1,1-トリフルオロアセトンとトリフルオロ酢酸エステルは溶媒とともに添加したが、反応の点からは必ずしも混合して添加する必要はなく、また溶媒は必ずしも必要ではない。添加する際には通常は冷却して温度の上昇を防ぐのが好ましい。反応温度は、0〜90℃程度であり、20〜70℃程度が好ましい。0℃未満では反応の進行が遅く、90℃を超えると1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の収量が減ずるので好ましくない。
 反応が完結した後、反応溶媒を除くと粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンの塩が得られる。反応溶媒の除去は、加熱または/および減圧することで行われる。これを前記と同様の反応容器へ移し、水を加え、次いで酸、例えば、硫酸、塩酸、硝酸等を加えて塩を分解し、その後反応液に溶媒を加えて有機層を二層分離し、得られた有機層から溶媒を除去すると不純物を含んだ粗の1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物が固体として得られる。
 本発明の精製方法は、不純物を含む粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物に溶媒を接触させること(第1の方法)、または、不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の溶液から1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の結晶を析出させること(第2の方法)で行なう。
 第1の方法においては、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物と溶媒の接触方法は特に限られないが、有機溶媒中に1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を分散させ、その後濾過・分離する方法、濾過装置においてフィルター上に保持された1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物に有機溶媒を洗浄液として散布する方法などを例示できる。これらの処理の後は通常乾燥させるが、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・無水物の製造原料とする場合は必ずしも乾燥は必要としない。
 第2の方法においては、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物は一旦有機溶媒に溶解して溶液を調製し、そこへ溶質難溶性の有機溶媒を添加し、析出した1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を濾過・分離する方法、または前記溶液の温度を下げることで溶解度を低下させる方法を採ることができる。
 この様な処理を行う温度は特に限定されず、0〜90℃程度であり、20〜60℃程度が好ましい。通常特に加熱や冷却を必要としない温度で行うのが操作性がよく好ましい。
 本発明で用いる1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の難溶性溶媒としては、炭化水素系溶媒や塩素を含まないフッ素系溶媒が使用できる。
 これらの溶媒は使用状態で液体であることは当然であり、沸点は特に限定されないが100℃程度以下であるのが好ましい。具体的には、炭化水素系溶媒としては、脂肪族炭化水素:n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカンなどまたはこれらの常温(25℃)付近で液体の異性体、芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、メシチレンなど、脂環式炭化水素:シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、テトラリン、デカリン、並びにこれらの炭化水素系溶媒の混合物であるリグロイン、石油エーテルなどの工業用ガソリンなどが挙げられる。また、フッ素系溶媒としては、1,2-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,3-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,4-ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、ヘプタフルオロシクロペンタン、フロリナートTMとして知られるパーフルオロ環状エーテルなどが挙げられる。これらの溶媒は二種以上を併用することができる。
 第1の方法において、これらの1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物難溶性の溶媒に少量の比較的溶解度の大きい溶媒を混合して使用することもできる。難溶性の溶媒100重量部に対し比較的溶解度の大きな溶媒は30重量部以下で使用する。そのような溶媒としては、当然限定されないが、反応溶媒として前記したエーテル類やアルコール類:メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが使用できる。
 また、第2の方法において、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の溶液を調製する溶媒に難溶性の溶媒を添加して溶解度を調節することも可能であり、温度差を利用する析出法をとる場合に、特に有効である。
 本発明の方法で精製した1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物は、公知の方法で脱水して、無水物とすることができる。例えば、J.Inorganic and Nuclear Chemistry,1956,Vol.2,pp.11-31では、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を3倍容量の98%硫酸に攪拌して分散させ、一晩経た後に再度硫酸を変えて同じ操作を繰り返し、上層を形成した無水物をサイホンで取りだし、それを蒸留することで70.0〜70.2℃の留分として無水物を98%の収率で得ている。
 J.Amer.Chem.Soc.,78,2790(1956)では、無水硫酸カルシウム(石膏)と1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を混合し、加熱し、その際の留出液について再度同じ脱水処理をして沸点68℃(736mmHg)の無水物を得ている。
 また、エーテル中で五酸化リンと加熱することにより脱水する方法も知られている。
 本発明の精製方法によると、特定の溶媒と接触させ、または特定の溶媒からなら溶液から固体として析出させるという簡便な操作で、高純度の1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物が得られ、それから容易に高純度の1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトンを得ることができる。
 以下に実施例をもって本発明を説明するが、本発明の実施態様はこれらに限られない。
 〔実施例1〕
 1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の製造温度計、滴下ロート及び還流冷却器を備えた500ml三口フラスコにナトリウムメトキシド34.6.g(0.64mol)及びt-ブチルメチルエーテル240mlを入れた。1,1,1-トリフルオロアセトン71.7g(0.64mol)、エチルトリフルオロアセテート90.9g(0.64mol)、t-ブチルメチルエーテル120mlを混合し、マグミキサーで撹拌しながら内温30℃以下で30分間かけて滴下し、滴下終了後内温40℃で4時間反応させた。反応終了後、t-ブチルメチルエーテルをエバポレーターにより留去して濃縮し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンのナトリウム塩を得た。これを、温度計及び還流冷却器を備えた500ml三口フラスコに移し、水120mlを加えた後、マグミキサーで撹拌しながら20℃以下で24%硫酸水溶液160gを加え、続いて内温60℃で6時間反応させた。室温まで冷却した後、反応液を200mlのt-ブチルメチルエーテルで抽出し、二層分離した残りの水層を100mlのt-ブチルメチルエーテルで再度抽出した。得られた有機層を合わせて、エバポレーターにてt-ブチルメチルエーテルを留去し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物118.8gを得た。
 1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造で得られた粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物6.0gに、トルエン12mlを加え、室温でマグミキサーにより1時間撹拌した後、濾過、乾燥して1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物5.3gを得た。次に、20mlナス型フラスコに得られた1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物5.3g及び98%硫酸20gを加え栓をし、室温でマグミキサーにより4時間撹拌した。1時間静定した後、二層分離して、4.0gの1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンを得た。これをガスクロマトグラフ(GLC:検出器:FID、カラム:DB-10.25mm×60m)にて分析すると99.9%の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンであった。
 〔実施例2−1〜8〕
 1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造実施例1で得られた粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物6.0gに、表1に示す各種溶媒を加え、室温でマグミキサーにより1時間撹拌した後、濾過、乾燥して1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を得た。次に、20mlナス型フラスコに得られた1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物及び98%硫酸20gを加え栓をし、室温でマグミキサーにより4時間撹拌した。1時間静定した後、二層分離して、1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンを得た。これを実施例1と同じ分析を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2004002466
 〔実施例3〕
 1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の製造温度計、滴下ロート及び還流冷却器を備えた300ml三口フラスコにナトリウムメトキシド8.67g(0.16mol)及びジブチルエーテル60mlを入れた。1,1,1-トリフルオロアセトン18.0g(0.16mol)、エチルトリフルオロアセテート22.8g(0.16mol)、ジブチルエーテル30mlを混合し、マグミキサーで撹拌しながら内温30℃以下で30分間かけて滴下し、滴下終了後内温40℃で4時間反応させた。反応終了後、ジブチルエーテルをエバポレーターにより留去して濃縮し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンのナトリウム塩を得た。これを、温度計及び還流冷却器を備えた300ml三口フラスコに移し、水30mlを加えた後、マグミキサーで撹拌しながら20℃以下で24%硫酸40gを加え、続いて内温60℃で6時間反応させた。室温まで冷却した後、反応液を50mlのTHFで抽出し、二層分離した残りの水層を40mlのTHFで再度抽出した。得られた有機層を合わせて、エバポレーターにてTHFを留去し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を得た。これに、トルエン70mlを加え、室温でマグミキサーにより1時間撹拌した後、濾過、乾燥して1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物27.3gを得た。
 1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造温度計、攪拌機、ガラス球を充填した還流冷却器を備えた100mlガラス反応器に窒素ガスを通じながら、得られた1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物27.3g及び98%硫酸55gを加え、マグミキサーで撹拌しながら徐々に80℃まで加熱した。約70℃の留分を収集して21.0gを得、これを実施例1と同じ条件でGLC分析すると99.9%の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンであった。
 〔比較例1〕
 1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の製造温度計、滴下ロート及び還流冷却器を備えた300ml三口フラスコにナトリウムメトキシド8.67g(0.16mol)及びジブチルエーテル60mlを入れた。1,1,1-トリフルオロアセトン18.0g(0.16mol)、エチルトリフルオロアセテート22.8g(0.16mol)、ジブチルエーテル30mlを混合し、マグミキサーで撹拌しながら内温30℃以下で30分間かけて滴下し、滴下終了後内温40℃で4時間反応させた。反応終了後、ジブチルエーテルをエバポレーターにより留去して濃縮し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンのナトリウム塩を得た。これを、温度計及び還流冷却器を備えた300ml三口フラスコに移し、水30mlを加えた後、マグミキサーで撹拌しながら20℃以下で24%硫酸40gを加え、続いて内温60℃で6時間反応させた。室温まで冷却した後、反応液を50mlのTHFで抽出し、二層分離した残りの水層を40mlのTHFで再度抽出した。得られた有機層を合わせて、エバポレーターにてTHFを留去し、粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物29.1gを得た。
 1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンの製造実施例3と同じ反応装置を用い、反応器に得られた粗の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物29.1g及び98%硫酸58gを加え、マグミキサーで撹拌しながら徐々に80℃まで加熱し、70℃の留分21.3gを得た。これを実施例1と同じ条件でGLC分析分析すると93.5%の1,1,1,5,5,5-ヘキサフルオロアセチルアセトンであった。

Claims (3)

  1. 不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物を該二水和物に対して難溶性の芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素またはフッ素系溶媒から選ばれる有機溶剤に分散させ、その後濾過・分離する方法又は、該二水和物に該有機溶媒を洗浄液として散布する方法で該有機溶媒と接触させて不純物を除くことにより精製することを特徴とする1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法。
  2. 不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物のエーテル類の溶液に1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物が難溶性の芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素またはフッ素系溶媒から選ばれる有機溶媒を添加して1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の結晶を析出させ、析出した該二水和物の結晶を濾過・分離する方法で精製することを特徴とする1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法。
  3. 不純物を含む1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物が、1,1,1−トリフルオロアセトンとトリフルオロ酢酸のエステルを反応させて得られた1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法。
JP2003286394A 2003-08-05 2003-08-05 1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロアセチルアセトン・二水和物の精製方法 Abandoned JP2004002466A (ja)

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