JPH0819466B2 - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

無方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0819466B2
JPH0819466B2 JP2023308A JP2330890A JPH0819466B2 JP H0819466 B2 JPH0819466 B2 JP H0819466B2 JP 2023308 A JP2023308 A JP 2023308A JP 2330890 A JP2330890 A JP 2330890A JP H0819466 B2 JPH0819466 B2 JP H0819466B2
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heating
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annealing
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昭彦 西本
邦和 冨田
清治 中村
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日本鋼管株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、需要家で打ち抜き・剪断加工後、歪取焼鈍
されることを前提としたセミプロセス無方向性電磁鋼板
の製造方法、および打ち抜き・剪断加工と歪取焼鈍工程
を含む無方向性電磁鋼板の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、省エネルギーの社会的要請から、冷蔵庫、クー
ラー等に使用される小型モータの効率向上、蛍光灯安定
器の小型化、温度上昇防止等の要求があり、このためこ
れらのコア材として用いられる無方向性電磁鋼板に対し
ても、高磁束密度−低鉄損化のニーズが高い。
このような背景のもとで、近年、鉄損は比較的高いも
のの低コストで磁束密度が高い、Si≦1.0%のいわゆる
低級無方向性電磁鋼板の需要と、その低鉄損化に対する
要求が増大しつつある。このような低級無方向性電磁鋼
板の低鉄損化を具現したものとして、鋼板を需要家で打
ち抜き・剪断加工後、歪取焼鈍するようにしたセミプロ
セス材がある。このセミプロセス材は以下の(1)、
(2)に大別される。
(1)1次冷圧、焼鈍後、2次冷圧として1〜10%程度
の調圧を施したものを、需要家で打ち抜き・剪断加工
後、歪取焼鈍する、2回冷圧によるセミプロセス材。こ
の鋼板は調圧歪による歪粒成長によって歪取焼鈍時に結
晶粒を粗大化させ、低鉄損化を図るものであるが、同時
に磁束密度も低下するという欠点がある。
(2)フルプロセス材と同様に1回の冷間圧延と焼鈍を
施したものを、需要家で打ち抜き・剪断加工後、歪取焼
鈍する、1回冷圧によるセミプロセス材(プロセス的に
はフルプロセス材を需要家で再度焼鈍することになるた
め、以下便宜的に「フルプロセス焼鈍材」と呼ぶ)。こ
の鋼板は鉄損の低下代は2回冷圧によるものに比べて小
さいものの、磁束密度があまり低下しないという長所が
ある。
これらのうち、最近は器具の小型化・高効率化の観点
から従来の(1)のセミプロセス材に加えて、磁束密度
上有利な(2)のフルプロセス焼鈍材の需要が急増して
いる。このようなフルプロセス焼鈍材の場合、磁束密度
を劣化させることなく、(1)の2冷圧によるセミプロ
セス材に比べ見劣りのする鉄損を改善することが課題と
なる。
従来、フルプロセス焼鈍材の鉄損或いは磁束密度改善
に対し、以下のような技術が開示されている。
まず、製造プロセスを考慮したものには、以下のよう
な技術がある。
(a)特開昭57−35628号: 熱延板の短時間焼鈍を行う技術 (b)特開昭58−136718号: 超高温巻取による自己焼鈍により上記熱延板の短時間
焼鈍を代替する技術 (c)特開昭61−15920号: Ar3変態点以上で仕上圧延した熱延板を水冷して組織
の微細化を図り、さらにこれを冷圧後、回復焼鈍程度の
低温で焼鈍することで組織を微細なままとし、これによ
り歪取焼鈍時の粒成長性を向上させる技術 また、成分条件を考慮したものには、以下のような技
術がある。すなわち、これらは成分を考慮して歪取焼鈍
時の粒成長性を改善することで、歪取焼鈍後の粒径を大
きくし、鉄損を低下させる技術である。
(i)粒成長性を劣化させる微細Al Nの析出防止に関す
るもの (d)特公昭59−20731号: Al≦0.1%鋼においてBを添加し、Nを粒成長に対す
る悪影響の少ないBNとして固定する技術 (e)特公昭62−49321号: 同上 (f)特公昭62−21849号: 同上 (g)特公昭58−55210号: Al≦0.001%とし、実質上Al Nフリーとする技術 (ii)粒成長性を劣化させる微細Mn Sの析出防止に関す
るもの (h)極低S化技術 (i)特開昭63−103023号: Al≦0.002%鋼においてCaを添加し、Sを粒成長に対
する悪影響の少ないCa Sとして固定する技術 〔発明が解決しようとする課題〕 以上のように、従来フルプロセス焼鈍材の特性改善に
関して種々の技術が提案されているが、これらはいずれ
も次のような問題点を有している。
まず、製造プロセスを考慮したもののうち、(a)は
熱延板焼鈍付加によるコスト上昇が、また、(b)は超
高温巻取によるスケール増大とそれに伴う酸洗性の低
下、或いは粒界酸化に起因した表面性状の著しい劣化が
問題となる。また、(c)では、熱延板の水冷による形
状不良に加え、低温焼鈍に起因した著しい硬質化が打ち
抜き・剪断加工時に問題を起こす。このように製造プロ
セスの改変によるものは未だ幾多の課題を残しており、
十分満足のいくものとは言い難い。
また、成分を考慮したものでは、(d)〜(i)のい
ずれもがAl≦0.1%(実施例等からして実質上はAl≦0.0
2%)の鋼についての技術であり、Al≧0.1%を含む鋼に
ついては、その特性改善について有用な技術は見い出さ
れていない。もとより、Al≧0.1%の鋼では、Al Nが比
較的粗大に析出するためAl Nに対する考慮は不要である
ものの、Alは固有抵抗を大きく上昇させるため、低鉄損
のフルプロセス焼鈍材を製造する上で積極的に活用すべ
き元素であり、この意味でAl≧0.1%鋼の特性改善が望
まれるものである。
本発明はこのような事情に鑑み、Alを0.1%以上含む
フルプロセス焼鈍材および該フルプロセス焼鈍材を素材
とする打ち抜き・剪断加工−歪取焼鈍材の特性改善、特
に鉄損の改善をその目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、Al≧0.1%のフルプロセス焼鈍材の特
性改善について鋭意研究を重ねた結果、P量の適正化お
よびMn、S量、Mn/S比の適正化を図った上で、これを特
定の製造条件に供した際に、磁気特性および打ち抜き性
が向上することを新たに知見し、これに基づき本発明を
完成させたものである。
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
(1) 打ち抜き・剪断加工後、歪取焼鈍が施されるセ
ミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法において、重量
%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.0%、0.5%≦Mn≦
1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%≦S≦0.030%、
0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残部Feおよび不可避
的不純物からなり、且つMn(%)/S(%)≧40を満足す
る鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
以下の温度にて焼鈍することを特徴とする無方向性電磁
鋼板の製造方法。
(2) 打ち抜き・剪断加工後、歪取焼鈍が施されるセ
ミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法において、重量
%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.0%、0.5%≦Mn≦
1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%≦S≦0.030%、
0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残部Feおよび不可避
的不純物からなり、且つMn(%)/S(%)≧40を満足す
る鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
以下の温度にて焼鈍し、次いで絶縁皮膜等の塗布・焼付
けを施すことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方
法。
(3) 重量%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.0
%、0.5%≦Mn≦1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%
≦S≦0.030%、0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残
部Feおよび不可避的不純物からなり、且つMn(%)/S
(%)≧40を満足する鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
以下の温度にて焼鈍してセミプロセス鋼板となし、該鋼
板を打ち抜き・剪断加工後、350〜700℃の温度域におけ
る加熱速度HR(℃/min)が、 HR≧60〔P〕+1.4 但し、P:鋼板のP含有量(wt%) を満足するようにして歪取焼鈍することを特徴とする無
方向性電磁鋼板の製造方法。
(4) 重量%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.0
%、0.5%≦Mn≦1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%
≦S≦0.030%、0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残
部Feおよび不可避的不純物からなり、且つMn(%)/S
(%)≧40を満足する鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
以下の温度にて焼鈍し、次いで絶縁皮膜等の塗布・焼付
けを施してセミプロセス鋼板となし、該鋼板を打ち抜き
・剪断加工後、350〜700℃の温度域における加熱速度HR
(℃/min)が、 HR≧60〔P〕+1.4 但し、P:鋼板のP含有量(wt%) を満足するようにして歪取焼鈍することを特徴とする無
方向性電磁鋼板の製造方法。
〔作用〕
以下、本発明の詳細をその限定理由とともに説明す
る。
まず、本発明における成分組成の限定理由は以下の通
りである。
(1) P量 Pは通常、フルプロセス材およびセミプロセス材にお
いて、磁気特性を劣化させることなく、硬度上昇と打ち
抜き性の向上をもたらす元素として広く添加されてい
る。したがって、本発明が対象とするようなフルプロセ
ス焼鈍材においても、従来硬度上昇と打ち抜き性の向上
を必要とする場合には、特別な配慮なく比較的多量(0.
1%前後)に添加されるのが通常である。このように従
来Pの功罪については、その硬度上昇・打ち抜き性向上
効果が明らかにされているだけであり、これ以外のPの
功罪に着目した技術は現状では皆無であるといってよ
い。しかし、本発明者らがフルプロセス焼鈍材における
Pの功罪について改めて詳細に検討したところによれ
ば、Pは確かに硬度上昇と打ち抜き性の向上をもたらす
ものの、磁気特性、特に鉄損に関してはP量に最適値が
あり、Pを適正量に制御した場合にのみ、固有抵抗の増
大を通じて鉄損の低下が得られること、そしてこの適正
量を超えてPを添加した場合には(従来、Pを添加する
場合はいずれもこの範囲)、歪取焼鈍時の粒成長性を阻
害し、却って鉄損の上昇をもたらすことが判明した。こ
のため本発明では、上記Pの適正範囲をその要件とし
た。
また、さらに検討を進めた結果、鉄損に対する上記P
の適正量の存在はフルプロセス焼鈍材に特有のものであ
り、フルプロセス材や2回冷圧によるセミプロセス材の
場合にはかかる適正量の存在は認められなかった。すな
わち、よく知られているように鉄損は粒径に依存すると
ころが大きいが、フルプロセス材では冷圧−焼鈍時に比
較的粒径の小さいところで組織形成をさせるため、粒成
長の駆動力が高く、且つ焼鈍条件(特に焼鈍温度)が粒
径に対して圧倒的な影響を及ぼすため、Pの影響が顕在
化しないものと考えられる。また、2回冷圧によるセミ
プロセス材の場合も、粒成長は調圧歪をその駆動力とす
るため、Pの影響は顕在化しない。これに対し、フルプ
ロセス焼鈍材の場合は、冷圧−焼鈍により一旦ある粒径
に粒成長させたものを、再び需要家で歪取焼鈍してさら
に粗大に粒成長させるため、歪取焼鈍時は粒成長の駆動
力が粒界のエネルギー差だけであるに加えて、その駆動
力そのものも小さく、粒成長性に対するPの影響が顕在
化するものと考えられる。なお、ここでいうPの粒成長
性に対する影響のメカニズムは必ずしも明確ではない
が、Pは粒界に偏析しやすい元素であり、したがってso
lute−dragにより粒成長時の粒界の移動度(mobility)
を低下させるのがその本質ではないかと考えられる。
次に、試験例に基づいて上記Pの功罪を明らかにする
とともに、適正なP量についてその限定範囲と理由につ
いて説明する。
C:0.0028%、Si:0.31%、Mn:0.81%、S:0.018%(Mn/
S=45)、Al:0.23%、N:0.0019%と一定で、P量が0.00
2〜0.088%と種々変化した鋼(A群)、およびC:0.0043
%、Si:0.80%、Mn:1.31%、S:0.024%(Mn/S=55)、A
l:0.38%、N:0.0035%と一定で、P量が0.003〜0.091%
と種々変化した鋼(B群)を用い、当該スラブを1150℃
に加熱後、仕上温度820℃、巻取温度670℃の条件で熱間
圧延し、酸洗後0.5mmの仕上厚に冷間圧延したものを700
℃で焼鈍し、引き続き需要家での歪取焼鈍相当の750℃
×2hr(加熱速度7℃/min)の焼鈍に供した。第1図は
このようにして得られた供試材のP量と鉄損
(W15/50)および磁束密度(B50)との関係を示したも
のである。
同図から明らかなように、A群、B群のいずれにおい
てもP量が0.01〜0.06%の範囲でのみ、A群では4.4W/k
g前後の、またB群では3.6W/kg前後の良好な鉄損値が得
られている。これに対し、P量が0.01%未満では固有抵
抗増加による鉄損の改善代が小さいため、またP量が0.
06%超では固有抵抗増加による鉄損の改善代を粒成長性
の劣化が上回るため、ともに鉄損はP:0.01〜0.06%の範
囲に比べてA群、B群とも0.6W/kg以上高くなってい
る。このようにP量には適正範囲があり、これはA群、
B群にかかわりなく、すなわち鋼種にかかわりなく0.01
〜0.06%であるため、本発明ではP量を0.01〜0.06%と
規定した。また、B50についても、P量が0.06%以下で
はP量増加に伴うB50の低下が少なく、Pを0.01〜0.06
%とすることで良好なB50が得られることも判る。
(2) Mn量、S量、Mn/s比 以上のように、P量を0.01〜0.06%の範囲に適正化す
ることによって、Alを0.1%以上含むフルプロセス焼鈍
材の鉄損は大幅に改善され、本発明の目的は達成される
が、さらに望ましくは打ち抜き性の改善を図るべきであ
る。その理由は、Pは打ち抜き性を改善する効果を持つ
元素であり、これを通常の0.1%前後から0.01〜0.06%
に低下させると、打ち抜き性がその分低下するからであ
る。このような打ち抜き性の問題に対し、本発明ではMn
量およびS量とMn/S比の適正化を行う。すなわち、従来
は粒成長性を損なうために忌避されていたMn Sに着目
し、これを粗大に析出させる限りは、粒成長をほとんど
損なうことなく打ち抜き性を改善できることを一連の検
討より見い出し、これを本発明の第二の要件とした。
以下、試験例に基づいてMn量、S量、Mn/S比の適正値
とその限定理由について説明する。
C:0.0031%、Si:0.33%、P:0.031%、Al:0.25%、N:
0.0023%と一定で、Mn、S量を種々変化させた鋼(C
群)を用い、当該スラブを1165℃に加熱後、仕上温度81
0℃、巻取温度700℃の条件で熱間圧延し、酸洗後0.5mm
の仕上厚に冷間圧延したものを、720℃で焼鈍し、得ら
れた焼鈍板を連続打ち抜き機にて20万回打ち抜いたとき
のかえり高さを調べた。第2図はその結果を供試材のM
n、S量で整理したものである。同図から明らかなよう
に、Mn量にかかわりなく、S≧0.010%でかえり高さ≦1
0μmと良好な打ち抜き性が得られることが判る。これ
は、S量の増加によりMn S量が増加するためであると考
えられる。
第3図は、上述の焼鈍板を需要家での歪取焼鈍相当の
750℃×2hr(加熱速度7℃/min)の焼鈍に供した際の鉄
損(W15/50)を、Mn、S量で整理したものである。同
図から明らかなように、Mn≧0.5%、S≦0.030%、Mn/S
≧40でW15/50≦4.7W/kgと良好な鉄損値が得られること
がわかる。これは、この領域ではMn Sが粗大に析出する
結果、粒成長性がほとんど損なわれないためであると考
えられる。一方、この領域以外ではW15/50>5.2W/kgと
良好な鉄損値が得られていないが、これはMn/S<40では
Mn Sが粗大に析出しないために粒成長性が劣化し、また
S>0.030%では、たとえMn/S≧40であってMn Sが粗大
に析出するとしても、Mn Sの絶対量そのものが過大とな
るため粒成長性が劣化し、またMn<0.5%では固有抵抗
が過少であるため、各々鉄損が上昇したものと考えられ
る。なお、磁束密度(B50)に関しては、上記検討範囲
ではいずれも1.75T前後であり、Mn、Sの影響は少なか
った。
以上、第2図、第3図に示した結果から、粒成長性を
損なうことなく、すなわち良好な鉄損値が得られる前提
の下で、良好な打ち抜き性を得るためには、Mn≧0.5
%、0.010%≦S≦0.030%、Mn/S≧40とすることが必要
である。これを図に示すと第4図のようになる。同図で
はMnの上限を1.5%としてあるが、これは、これを超え
てMnを添加しても磁気特性上の利点がなく、且つ徒らに
コスト上昇を招くからである。
本発明者らは、以上のような検討を、P量については
本発明で規定する0.01〜0.06%の範囲で、その他のC、
Si、Al、Nについては以下の(3)に示す範囲でそれぞ
れ種々変化させた鋼についても同様に行い、その結果、
打ち抜き性、鉄損、磁束密度について第2図、第3図と
同様の結論を得た。そのため本発明では、Mn量、S量、
Mn/S比を第4図に示すように、0.5%≦Mn≦1.5%、0.01
0%≦S≦0.030%、Mn/S≧40に規定した。
(3) その他の成分 C:0.0050%超では磁気特性が劣化し、また磁気時効上
の問題もあるため、上限が0.0050%の極低炭素鋼とす
る。
Si:固有抵抗を高め鉄損を低下させる効果を持つが、
この効果を十分に得るには0.06%以上の添加が必要であ
る。一方、1.0%を超えて添加した場合には磁束密度が
低下するとともに、コスト上昇も招くため、上限は1.0
%とする。
Al:Siと同様に鉄損を低下させる元素であり積極的に
添加すべきものであるが、0.1%未満の場合、微細Al N
を形成し粒成長性を損なう。これを防止し良好な鉄損値
を得るために、下限は0.1%とする。但し、0.5%を超え
て添加すると磁束密度が低下し、また徒らなコスト上昇
を招くため上限は0.5%とする。
N:0.0050%を超えると磁気特性が劣化するため、0.00
50%を上限とする。
次に、処理条件について説明する。
上記のような成分を前提とし、本発明ではさらに以下
に述べるように処理条件を特定することをその第三の要
件とする。成分を適正化したとしても、これが顕著な効
果を発揮し得るのはある特定の処理条件を経た場合だけ
であり、この条件を外れた場合には、成分適正化の効果
が大幅に減少するからである。
(1) 熱延加熱温度 熱延加熱温度が徒らに高いと、スラブ段階で一旦粗大
に析出したAl N、Mn Sが再溶解する。その場合、特に問
題となるのは、Mn Sの再溶解とそれに伴う以降の微細再
析出である。前述したようにMn Sが比較的多量にあって
も、これが粗大に析出する限りは粒成長性を損なうこと
なく打ち抜き性を改善できる。しかし、仮りにスラブの
高温加熱によりMn Sが再溶解し、その後これが微細に再
析出するならば、これによって粒成長性が低下し、鉄損
の上昇を生じる。
一方、Al Nに関しては、本発明鋼はAl≧0.1%である
ため、たとえAl Nの再溶解が生じたとしても、その後再
び粗大に析出し、したがって特段の配慮は必要としな
い。
このように熱延時の加熱温度はMn Sの再溶解防止の観
点からその上限を持つことになるが、本発明者らはさら
に検討を進めた結果、この上限温度がMn S比に依存する
ことを知見した。すなわちMn/S比が大きい場合には、た
とえある程度Mn Sが再溶解したとしても、その後再析出
する際に再び粗大化し易いため(微細Mn Sのまま留まる
ものが少ないため)、多少の高温加熱は許容される。一
方、Mn/S比が小さい場合には、逆の理由で熱延加熱温度
は低温とする必要がある。かかる考察の下で、本発明者
らは以下に示す実験・検討を行い、熱延加熱温度の上限
を決定した。
C:0.0031%、Si:0.33%、P:0.031%、Al:0.25%、N:
0.0023%と一定で、S:0.013%のもとMnが0.5〜1.5%の
範囲で種々変化した鋼(D−1群)、また同じくS:0.01
6%のもとMnが0.5〜1.5%の範囲で種々変化した鋼(D
−2群)、さらに同じくS:0.029%のもとMnが0.5〜1.5
%の範囲で種々変化した鋼(D−3群)を用い、当該ス
ラブを種々の温度に加熱後、仕上温度810℃、巻取温度7
00℃の条件で熱間圧延し、酸洗後0.5mmの仕上厚に冷間
圧延したものを、720℃で焼鈍し、引き続き需要家での
歪取焼鈍相当の750℃×2hr(加熱速度7℃/min)の焼鈍
に供した。
第5図は、このようにして得られた供試材の鉄損(W
15/50)をMn/S比と熱延加熱温度T(℃)で整理したも
のである。同図から、Mn/S≧40を満たす本発明鋼にあっ
ては、Mn量およびS量にかかわりなく、加熱温度T
(℃)の上限がT=1.38〔Mn/S〕+1115というMn/S比の
関数で表わされること、そして加熱温度がこれ以下の場
合にW15/50≦4.7W/kgと良好な鉄損値が得られることが
判る。これに対し、加熱温度が上限を超える場合には、
Mn Sの再溶解と続く再析出時の粗大化不足、すなわちMn
Sの微細析出に起因して歪取焼鈍時の粒成長性が劣化
し、鉄損がW15/50>5.2W/kgと高くなる。また、Mn/S<
40と本発明範囲を逸脱する場合には、たとえ1000℃程度
の極低温加熱を行っても良好な鉄損値が得られないこと
も確認できる。なお、磁束密度(B50)に関しては、上
記検討範囲ではいずれも1.75T前後となり、熱延加熱温
度の影響は小さかった。
以上の結果に基づき、本発明では熱間圧延における加
熱温度T(℃)を、T≦1.38〔Mn/S〕+1115と規定す
る。
(2) 熱延仕上温度 Ar3変態点以上で熱延を終了した場合、磁気特性、特
に磁束密度が大幅に低下するため、仕上温度はAr3変態
点以下とする。
(3) 熱延巻取温度 第5図で用いた鋼D−1群(S=0.013%)および鋼
D−3群(S=0.029%)を用い、当該スラブを1150℃
に加熱後、仕上温度を810℃と一定にし、巻取温度を種
々変えて熱間圧延したものを、酸洗後0.5mm厚に冷間圧
延し、次いで720℃で焼鈍し、引き続き需要家での歪取
焼鈍相当の750℃×2hr(加熱速度7℃/min)の焼鈍に供
した。第6図はこのようにして得られた供試材の鉄損
(W15/50)、磁束密度(B50)および表面粗さRaを、Mn
/S比と巻取温度で整理したものである。
同図から、Mn/S≧40を満たす本発明鋼にあっては、Mn
量、S量にかかわりなく、巻取温度が600〜720℃である
場合にのみ、W15/50≦4.7W/kg、B501.75T、表面粗さ
Ra<0.4μmという優れた磁気特性および表面性状が得
られることがわかる。これに対し、Mn/S≧40と本発明成
分条件を満足した鋼であっても、巻取温度が590℃の場
合は、熱延板の再結晶の進展、粗粒化およびAl N、Mn S
の粗大化が不十分となり、鉄損、磁束密度とも大幅に劣
化する。また、逆に巻取温度が730℃と高過ぎる場合に
は、磁気特性上は問題がないものの、巻取時に難酸洗性
の内部酸化層が発達し、粒界酸化も著しく、これが酸洗
時粒界侵食を起こし、これを起点に冷圧時微少クラック
が多発し、Ra>0.7μmと表面性状の大幅な劣化をきた
す。さらに、Mn/S<40と本発明範囲を逸脱する鋼におい
ては、いかなる巻取温度の場合も、W15/50>5.0W/kgで
あり、良好な鉄損が得られないことも判る。
以上の結果から、本発明では熱間圧延における巻取温
度を600℃以上720℃以下と規定する。
(4) 酸洗および冷間圧延 特に規定する必要はなく、常法により行うことができ
る。
(5) 冷圧後の焼鈍温度 この焼鈍温度が800℃を超えると粒径が粗大となり、
磁気特性上好ましくない(111)粒が発達し、磁束密度
が低下する。また軟質化も著しく、コイルの巻きぐせに
起因して、打ち抜き時或いは打ち抜き品の積層・かしめ
時に不良品を生じ易くなるため、上限は800℃とする。
一方、需要家での歪取焼鈍後の鉄損は冷圧後の本焼鈍温
度にほとんど依存しないため、この意味からは焼鈍温度
の下限はないが、625℃を下回る低温焼鈍を行った場合
には、硬質化が著しく打ち抜き性の劣化を招く。すなわ
ち、著しい硬質材を打ち抜くため型の損耗が激しく、連
続打ち抜き時のかえり高さの増加が加速される。このた
め焼鈍温度の下限は625℃とする必要がある。
(6) 打ち抜き・剪断加工後の焼鈍条件 鋼板は上述した焼鈍の後、必要に応じて絶縁皮膜等の
塗布、焼付が施されてフルプロセス焼鈍材としての最終
製品となり、その後、打ち抜き・剪断加工され、さらに
歪取焼鈍が施される。この打ち抜き・剪断加工および歪
取焼鈍は、通常需要家においてなされる。
ここで、上述したような条件で製造されたフルプロセ
ス焼鈍材では、所望の磁気特性を得るためには歪取焼鈍
時の加熱速度が重要であり、鋼板の製造法を歪取焼鈍ま
で含めて考えた場合、歪取焼鈍時の加熱速度を規定する
必要がある。これは、前述したように歪取焼鈍時、Pの
粒界偏析に起因したsolute−dragにより粒界の移動度が
低下し、粒成長性が劣化することから、本発明ではPの
低減化をその特徴としているが、このようにP量を低下
したとしても、歪取焼鈍時の加熱速度が不適切に遅い場
合には、粒界移動とPの粒界偏析が競合するか、或いは
後者が勝り、粒界はP偏析を起こし、その後粒界はこの
偏析したPをsolute−dragしながら移動せざるを得ず、
この結果、粒界移動度の低下、すなわち粒成長性の劣化
をきたすからである。したがって、歪取焼鈍時の加熱速
度に関しては偏析のし易さ、すなわちP量に応じた下限
値が存在することになる。また、ここで問題となるのは
Pの粒界偏析であるため、加熱速度の下限は粒界偏析の
活発な350〜700℃の範囲で考えればよいことになる。
以下、試験例に基づき、この加熱速度の下限とその限
定理由について説明する。
前述した鋼A群、B群を用い、当該スラブを1130℃に
加熱後、仕上温度840℃、巻取温度700℃の条件で熱間圧
延し、酸洗後0.5mmの仕上厚に冷間圧延したものを、次
いで700℃で焼鈍し、引し続き需要家での歪取焼鈍相当
の750℃×2hrの焼鈍を、350〜700℃における加熱速度を
種々変えて行った。第7図はこのようにして得られた供
試材の鉄損(W15/50)をP量と350〜700℃における加
熱速度HR(℃/min)で整理したものである。
同図から、0.01≦P≦0.06%を満たす本発明鋼にあっ
ては、A群、B群とも、すなわち鋼種にかかわりなく、
加熱速度HRの下限がHR=60〔P〕+1.4というP量の関
数となること、そして加熱速度がこれ以上の場合にA群
ではW15/50<4.6W/kg、B群ではW15/50<3.7W/kgと良
好な鉄損値が得られることが判る。これに対し、たとえ
0.01≦P≦0.06%という本発明成分条件を満足する鋼で
あっても、加熱速度が上記式で規定される下限を下回る
と、Pの粒界偏析に起因して歪取焼鈍時の粒成長性が劣
化し、A群、B群ともに鉄損は0.3W/kg以上高くなって
しまう。また、P<0.01%またはP>0.06%と本発明範
囲を逸脱する鋼においては、いかなる加熱速度において
も良好な鉄損が得られないことも確認できる。なお、磁
束密度(B50)に関しては、加熱速度の影響は小さかっ
た。
以上の結果から、本発明では歪取焼鈍時の加熱速度HR
(℃/min)を、HR≧60〔P〕+1.4と規定する。一方、
上限については磁気特性の面からは特に規定する必要は
ないが、徒らに加熱速度を大きくした場合には、温度分
布の不均一や、これによる鋼板の変形が生じる。したが
って加熱速度の上限は、需要家毎に歪取焼鈍炉の仕様、
焼鈍1ロットの量等を勘案して決定する必要がある。
歪取焼鈍温度、時間については、上記のように加熱速
度を適正化することにより、Pの粒界偏析を回避できる
ため、特段の配慮の必要はなく、常法通り720〜800℃、
1〜2hr程度の条件でよい。
〔実施例〕
第1表に示す鋼成分のスラブを第2−a表〜第2−c
表に示す熱延条件で熱間圧延し、これを酸洗後仕上厚0.
5mmに冷間圧延した後、引き続き同表に示す焼鈍温度に
て3min焼鈍した。このようにして得られた焼鈍板につい
て、第2図上段に記載の条件で20万回の連続打ち抜き試
験を行い、20万回打ち抜き時のかえり高さを測定した。
また、上記焼鈍板を需要家での歪取焼鈍相当の750℃×2
hrの焼鈍に供した後、磁気特性をJIS法に基づくエプス
タイン試験にて評価した。これらの測定の結果を第2−
a表〜第2−c表に併せて示す。
なお、これらの実施例のうち、第2−a表は成分条件
の影響を、第2−b表は熱間圧延−焼鈍条件の影響を、
また第2−c表は歪取焼鈍時の加熱速度の影響をそれぞ
れ調べたものである。
第2−a表〜第2−c表から明らかなように、本発明
法によるものは良好な磁気特性(鉄損:W15/50と磁束密
度:B50)と打ち抜き性(かえり高さ≦10μm)が得られ
ている。これに対して、比較法(成分、製造条件のいず
れか一方が本発明範囲より外れるもの)では鉄損、磁束
密度、打ち抜き性のいずれかが劣っており(鉄損:W
15/50は本発明法に比べて0.5W/kg以上高く、磁束密度:B
50は本発明法に比べて0.02T以上低く、かえり高さはい
ずれも25μm以上)、これより本発明の効果、有用性が
明白に理解できる。
〔発明の効果〕 以上述べた本発明によれば、特殊な合金元素の添加や
プロセスの付加等によるコスト上昇を招くことなく、簡
便に磁気特性および打ち抜き性に優れた無方向性電磁鋼
板のフルプロセス焼鈍材、およびこれを素材とした打ち
抜き・剪断加工−歪取焼鈍材を製造できる。磁気特性の
向上、特に低鉄損化は社会的ニーズである省エネルギー
の要請に応えるものであり、また打ち抜き性の向上は、
型研磨なしで連続打ち抜き可能な回数を増加させ、生産
性の向上に寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、鉄損と磁束密度に対するP量の影響とその適
正範囲を示すグラフである。第2図は、打ち抜き性に対
するMn、S量の影響とその適正範囲を示すグラフであ
る。第3図は、鉄損に対するMn、S量およびMn/S比の影
響とその適正範囲を示すグラフである。第4図は、Mn、
S量およびMn/S比に関する本発明範囲を示すグラフであ
る。第5図は、鉄損に対する熱延加熱温度およびMn/S比
の影響とその適正範囲を示すグラフである。第6図は、
鉄損、磁束密度、表面粗さに対する熱延巻取温度および
Mn/S比の影響とその適正範囲を示すグラフである。第7
図は、鉄損に対する歪取焼鈍時の加熱速度およびP量の
影響とその適正範囲を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】打ち抜き・剪断加工後、歪取焼鈍が施され
    るセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法において、
    重量%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.0%、0.5%≦
    Mn≦1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%≦S≦0.030
    %、0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残部Feおよび不
    可避的不純物からなり、且つMn(%)/S(%)≧40を満
    足する鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
    変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
    し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
    以下の温度にて焼鈍することを特徴とする無方向性電磁
    鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】打ち抜き・剪断加工後、歪取焼鈍が施され
    るセミプロセス無方向性電磁鋼板の製造方法において、
    重量%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.0%、0.5%≦
    Mn≦1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%≦S≦0.030
    %、0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残部Feおよび不
    可避的不純物からなり、且つMn(%)/S(%)≧40を満
    足する鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
    変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
    し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
    以下の温度にて焼鈍し、次いで絶縁皮膜等の塗布・焼付
    けを施すことを特徴とする無方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  3. 【請求項3】重量%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.
    0%、0.5%≦Mn≦1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%
    ≦S≦0.030%、0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残
    部Feおよび不可避的不純物からなり、且つMn(%)/S
    (%)≧40を満足する鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
    変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
    し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
    以下の温度にて焼鈍してセミプロセス鋼板となし、該鋼
    板を打ち抜き・剪断加工後、350〜700℃の温度域におけ
    る加熱速度HR(℃/min)が、 HR≧60〔P〕+1.4 但し、P:鋼板のP含有量(wt%) を満足するようにして歪取焼鈍することを特徴とする無
    方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】重量%で、C≦0.0050%、0.06%≦Si≦1.
    0%、0.5%≦Mn≦1.5%、0.01%≦P≦0.06%、0.010%
    ≦S≦0.030%、0.1%≦Al≦0.5%、N≦0.0050%、残
    部Feおよび不可避的不純物からなり、且つMn(%)/S
    (%)≧40を満足する鋼を、 T≦1.38〔Mn/S〕+1115 但し、Mn:Mn含有量(wt%) S:S含有量(wt%) を満足する加熱温度T(℃)にて加熱後、仕上温度Ar3
    変態点以下、巻取温度600℃以上720℃以下で熱間圧延
    し、次いで酸洗および冷間圧延した後、625℃以上800℃
    以下の温度にて焼鈍し、次いで絶縁皮膜等の塗布・焼付
    けを施してセミプロセス鋼板となし、該鋼板を打ち抜き
    ・剪断加工後、350〜700℃の温度域における加熱速度HR
    (℃/min)が、 HR≧60〔P〕+1.4 但し、P:鋼板のP含有量(wt%) を満足するようにして歪取焼鈍することを特徴とする無
    方向性電磁鋼板の製造方法。
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