JPH08192598A - 転写箔 - Google Patents

転写箔

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JPH08192598A
JPH08192598A JP2237995A JP2237995A JPH08192598A JP H08192598 A JPH08192598 A JP H08192598A JP 2237995 A JP2237995 A JP 2237995A JP 2237995 A JP2237995 A JP 2237995A JP H08192598 A JPH08192598 A JP H08192598A
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JP
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resin
layer
siloxane
transfer foil
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JP2237995A
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Seishi Ikemoto
精志 池本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐候性、耐擦傷性に優れた転写箔
を提供し、それを用いて被転写体に転写することによ
り、表面に耐候性、耐擦傷性に優れた被膜を有する被転
写体を得ることを目的とする。 【構成】 基材シート11にシランカップリング剤を添
加したシロキサン系樹脂とアクリル系樹脂を塗布・乾燥
し、シロキサン系樹脂層12とアクリル系樹脂層13を
形成し、硬度が高くて耐擦傷性に優れ、且つ耐候性に優
れたた転写箔1を作製する。次に、その転写箔1を用い
て被転写体16に転写し、基材シート11を剥離して、
耐擦傷性に優れ、且つ耐候性に優れた被膜を有する被転
写体を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建材外装用部材、自動
車ランプ表面材、高速道路用遮音材等に使用される転写
箔に関し、その転写箔を用いて耐候性があり、表面硬度
が高く、耐スクラッチ性や耐摩耗性を向上させた製品を
得ようとするものである。
【0002】
【従来の技術】基材シートの表面に転写層を積層した転
写箔は種々知られているが、これらの転写箔は、基材シ
ート側から加熱して転写層を被転写体に接着し、しかる
後基材シートを剥離して転写層を被転写体に転写するよ
うに構成されている。その中で、表面強度の向上を図っ
たものとして、転写層の表面に、紫外線硬化型樹脂や電
子線硬化型樹脂を使用した転写箔が提案されている。ま
た、製品に硬化被膜層を設ける方法として、スプレーコ
ート法、ディッピングコート法、樹脂板成型時に同時に
コートする方法等が行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、転写層表面に
紫外線硬化型樹脂や電子線硬化型樹脂を使用する方法
は、これらの樹脂は耐擦傷性に優れているが、耐候性が
高まらず、逆に耐候性を高めようとすると耐擦傷性が低
下するという欠点があった。
【0004】また、スプレーコート法やディッピングコ
ート法は、硬化被膜を形成する組成物が溶液で、この溶
液を成型品に付着させて被膜を形成させるために、作業
効率が悪く、環境汚染や成形品表面へのゴミの付着等の
問題がある。又成形品表面に付着したゴミや油分を取り
除くための洗浄工程が必要となり、作業能率の低下を来
す等の問題もある。
【0005】更に、液状処理液のタレ、タマリ等が生じ
ないようするため、成形品の形状に制約があり、作業性
に問題がある。また、樹脂板の成形時に紫外線硬化型樹
脂をコートする方法は、成形品がフラットなものに限ら
れ、その後所望の寸法にカッティングする工程が必要と
なる。
【0006】本発明は、これらの問題を解決し、従来の
転写箔では見られない、耐候性、耐擦傷性に優れた転写
箔を提供し、その転写箔を用いることにより、耐候性、
耐擦傷性に優れた高性能の外装用被転写体を得ようとす
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】基材シートの離型面に、
シロキサン系樹脂層とアクリル系樹脂層をこの順に形成
した転写箔であって、該アクリル系樹脂層の樹脂が、ガ
ラス転移点(以下Tgとする)が80℃以上、且つ重量
平均分子量(以下Mwとする)が50000以上である
ことを特徴とする転写箔とした。また、前記シロキサン
系樹脂層とアクリル系樹脂層が、少なくとも一方の樹脂
層にシランカップリング剤を0.1〜5重量%添加した
樹脂層であり、更に前記シロキサン系樹脂層が、該樹脂
層にアルミニウム、珪素、チタン、マグネシウム、ジル
コニウム等の無機化合物粉末を少なくとも1種添加した
樹脂層である転写箔とした。そして、前記シロキサン系
樹脂層とアクリル系樹脂層が、少なくとも一方の樹脂層
に紫外線吸収剤、安定剤、酸化防止剤を添加した樹脂層
である転写箔とした。
【0008】
【作用】本発明によれば、基材シートに形成されるシロ
キサン系樹脂層とアクリル系樹脂層は耐候性、耐擦傷性
に優れているので、成形品等に転写することにより、成
形品等の表面に容易に、耐候性、耐擦傷性に優れた被膜
を形成することができる。そのため、建材外装用部材、
自動車ランプ表面材、高速道路用遮音材等を転写工程だ
けで、環境汚染等の問題もなく、能率よく製造するこが
できる。
【0009】
【実施例】以下、実施例に基づいて、図面を参照にして
本発明を詳しく説明する。図1は本発明の転写箔の一例
を示す拡大断面図であり、図2は接着剤層を有する転写
箔の拡大断面図である。図3は本発明の転写箔を用いて
被転写体に転写したときの拡大断面図であり、図4は接
着剤層を有する転写箔を用いて被転写体に転写したとき
の拡大断面図である。図5は実施例1で作製した転写箔
をポリカーボネート板に転写したときの説明図であり、
図6は実施例3で作製した転写箔をポリカーボネート板
に転写したときの説明図である。
【0010】本発明の転写箔1は、図1に示すように、
基本的には、基材シート11、シロキサン系樹脂層1
2、アクリル系樹脂層13から構成される。また、図2
に示すように、前記転写箔1に絵柄層14と接着剤層1
5を設けて、転写箔2を構成する。
【0011】以上のような構成により、前記転写箔を用
いて成形品等に転写したとき、被転写体の表面にはアク
リル系樹脂層とシロキサン系樹脂層の被膜がこの順に形
成され、シロキサン系樹脂層が最表面となる。そのた
め、これらの樹脂の組成を種々検討して結果、以下に示
すような樹脂組成及び層構成とすることにより、耐候
性、耐擦傷性に優れた表面を有する被転写体を得ること
ができた。
【0012】以下に、本発明の転写箔の製造方法及び転
写箔各層の材質等について、更に詳しく説明する。基材
シートの材質としては、耐熱性があり、寸法安定性のよ
いシート或いはフィルムが使用される。例えば、ポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等の
ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、ポリプロピレン、三酢酸セルロー
ス、セロハン等のプラスチックフィルム或いはシート、
又は、銅、鉄、アルミニウム等の金属箔、紙等が挙げら
れる。
【0013】表面層の樹脂としては、硬度が高いシロキ
サン系樹脂が使用される。その塗布量は0.1〜6g/
2 の範囲で使用できるが、2〜5g/m2 が好まし
い。アクリル系樹脂は耐候性や耐熱性に優れているが、
本発明では更に耐候性や耐熱性の向上を図る必要がある
ため、ガラス転移点が80℃以上で、且つ重量平均分子
量が50000以上のものが使用される。硬度の高いシ
ロキサン系樹脂層はクラックが発生する恐れがあり、こ
れを防止するために、アクリル系樹脂はシロキサン系樹
脂にかかる応力を緩和してやる必要があり、硬度が適度
で、ある程度柔軟性もある樹脂が選定される。そのた
め、塗布量はシロキサン系樹脂より少し多くするとが望
ましく、0.5〜6g/m2 の範囲が適当である。そし
て、シロキサン系樹脂とアクリル系樹脂の塗布量の割合
は1/1〜1/3が望ましい。
【0014】シロキサン系樹脂とアクリル系樹脂の接着
力をアップさせるために、両方の樹脂にシランカップリ
ング剤を添加する。シランカップリング剤及びシロキサ
ン系樹脂の反応を考慮した場合、転写箔の養生期間は6
0℃で少なくとも3〜5日間必要である。
【0015】また、シロキサン系樹脂に無機化合物粉末
を添加することにより、耐摩耗性や耐候性を向上させる
ことができる。添加量としては、樹脂100重量部に対
して0.1〜20重量部が適当である。無機化合物とし
ては、アルミニウム、珪素、チタン、マグネシウム、ジ
ルコニウム等の酸化物又はその他の化合物が使用され
る。
【0016】更に、耐候性をアップさせるために、シロ
キサン系樹脂に紫外線吸収剤を添加する場合がある。添
加量は樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部の
範囲が望ましい。その他に、シロキサン系樹脂とアクリ
ル系樹脂に安定剤や酸化防止剤を添加して樹脂の安定化
を図ることにより耐候性を向上させることができる。
【0017】紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、硝酸
アニリド系、シアノアクリレート系等の化合物が挙げら
れる。光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン
系、アミノエーテル系等の化合物が挙げられる。酸化防
止剤としては、例えば、フェノール系、硫黄系、燐系等
の化合物が挙げられる。
【0018】転写箔の絵柄は通常の印刷インキを用いて
種々の印刷法により形成することができる。インキバイ
ンダーとしては、一般に熱可塑性樹脂が用いられ、塩化
ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリウ
レタン、ポリビニルアセテート、ポリエステルウレタ
ン、塩化ゴム、塩化ポリエチレン、塩化ポリプロピレ
ン、スチレン系樹脂及びスチレン系共重合体、セルロー
ス誘導体、ロジンエステル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合
体、クマロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ブチラール樹
脂、セラック、アラビアゴム、アカロイド、マスチッ
ク、等の1種もしくは2種以上の混合物を使用すること
ができる。
【0019】接着剤層は転写層を被転写体に転写する際
に必要なものであり、その材質は通常の転写箔に使用さ
れている接着剤が用いられる。例えば、アクリル樹脂、
スチレン樹脂、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ブチ
ラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。
【0020】以下に、具体的な実施例を挙げて更に詳し
く説明する。 (実施例1)図1に示すように、厚さ50μmのポリエ
チレンテレフタレート(以下PETとする)フィルム
(東レ(株)製「T−60」)を基材11として、下記
組成のシロキサン系樹脂とアクリル系樹脂を用いて、シ
ロキサン系樹脂、アクリル系樹脂の順に、グラビアコー
ト法にて塗布し、乾燥して各塗布量が2g/m2 になる
ように、シロキサン系樹脂層12及びアクリル系樹脂層
13を形成して転写箔1を作製した。
【0021】 ☆シロキサン系樹脂組成 ・シロキサン系樹脂 100重量部 (日本精化(株)製 NSC−2319) ・シランカップリング剤 5重量部 (東芝シリコン(株)製 γ−アミノプロピルトリエキシシラン12) ☆アクリル系樹脂組成 ・アクリル系樹脂(Tg:105℃ Mw:67,000) 100重量部 (三菱レーヨン(株)製 LR−1065) ・シランカップリング剤 5重量部 (東芝シリコン(株)製 γ−アミノプロピルトリエキシシラン12)
【0022】以上のようにして、図1に示すような転写
箔を作製し、更に養生期間として、60℃で5日間保存
し転写箔を完成させた。
【0023】次に、ポリカーボネート樹脂(以下PCと
する)(三菱化成(株)製 ノバレックス7022L
I)を用いて、射出成形法にて成形温度280℃で、P
C板を作製した。図5(a)に示すように、この樹脂板
16aに前記転写箔を用いて熱ロールにて、230℃、
転写スピード2m/sの条件で転写し、その後基材シー
ト11を剥離して、図5(b)に示すような表面に転写
層を有するPC板3を作製した。
【0024】(実施例2)シロキサン系樹脂として下記
組成の樹脂を使用し、アクリル系樹脂は実施例1と同じ
樹脂を用いて、実施例1と同様に、PETフィルムにシ
ロキサン系樹脂層とアクリル系樹脂層を各2g/m
2 (乾物として)形成して転写箔を作製した。 ☆シロキサン系樹脂組成 ・シロキサン系樹脂 100重量部 (日本精化(株)製 NSC−2319) ・シランカップリング剤 5重量部 (東芝シリコン(株)製 γ−アミノプロピルトリエキシシラン12) ・シリカ 5重量部 (日本アエロジル(株)製 アエロジル) 実施例1と同様にして、PC板に前記転写箔を転写し
て、図5(b)のようなPC板を作製した。
【0025】(実施例3)実施例1と同様に、シロキサ
ン系樹脂層とアクリル系樹脂層を各2g/m2 形成した
後、更に、その上にグラビア印刷法により、アクリル樹
脂系インキ(昭和インキ工業(株)製)を用いて絵柄層
14及びアクリル樹脂系接着剤を用いて接着剤層15を
形成し、図6(a)に示すような転写箔2を作製した。
これを実施例1と同様にしてPC板に転写して図6
(b)に示すようなPC化粧板4を作製した。
【0026】(実施例4)シロキサン系樹脂として、下
記組成の樹脂を使用し、アクリル系樹脂は実施例1と同
じ樹脂を用いて、実施例1と同様にシロキサン系樹脂層
とアクリル系樹脂層を各2g/m2 形成し、更にその上
に、実施例3と同様にして、絵柄層と接着剤層を設け、
図6(a)に示すような転写箔2を作製した。 ☆シロキサン系樹脂組成 ・シロキサン系樹脂 100重量部 (日本精化(株)製 NSC−2319) ・シランカップリング剤 5重量部 ・紫外線吸収剤 (チバガイギ社製 チヌビンP) 3重量部 上記転写箔を用いて、実施例3と同様にして、図6
(b)に示すようなPC化粧板を作製した。
【0027】(実施例5)実施例1と同じシロキサン系
樹脂とアクリル系樹脂を用いて、実施例1と同様にし
て、PETフィルムにシロキサン系樹脂層1g/m2
アクリル系樹脂層2g/m2 を形成し、その後実施例3
と同様にして、図6(a)に示すような絵柄層と接着剤
層を設けて転写箔2を作製した。この転写箔を用いて、
実施例1と同様にしてPC板に転写して図6(b)に示
すようなPC化粧板4を作製した。
【0028】(実施例6)実施例1で使用したシロキサ
ン系樹脂(日本精化(株)製 NSC−2319)とア
クリル系樹脂(三菱レーヨン(株)製 LR−106
5)にシランカップリング剤を添加しない樹脂を用い
て、実施例1と同様にして、シロキサン系樹脂層とアク
リル系樹脂層を各2g/m2 形成し、更に、その上にグ
ラビア印刷法により、アクリル樹脂系インキ(昭和イン
キ工業(株)製)を用いて絵柄層14及びアクリル樹脂
系接着剤を用いて接着剤層15を形成し、図6(a)に
示すような転写箔2を作製した。これを実施例3と同様
にしてPC板に転写して図6(b)に示すようなPC化
粧板4を作製した。
【0029】(実施例7)実施例1と同じシロキサン系
樹脂とアクリル系樹脂を使用して、実施例1と同様にし
てPETフィルムに塗布し、シロキサン系樹脂層1g/
2 とアクリル系樹脂層0.5g/m2 を形成して転写
箔を作製した。更に、この転写箔を用いて、実施例1と
同様に、PC板に転写して転写層を有するPC板を作製
した。
【0030】(比較例)シロキサン系樹脂の代わりに、
表面層の樹脂として下記組成の樹脂を用い、アクリル系
樹脂は実施例1と同じ樹脂を用いて、実施例1と同様に
してPETフィルムに、表面層とアクリル系樹脂層を各
2g/m2 (乾物として)形成して転写箔を作製した。
更に、この転写箔を用いて、実施例1と同様に、PC板
に転写して転写層を有するPC板を作製した。 ☆表面層の樹脂組成 ・アクリル樹脂(Tg:105℃ Mw:40,000) 100重量部 (三菱レーヨン(株)製 ダイヤナールBR−83) ・ウレタン樹脂 50重量部 (三井東圧化学(株)製 オレスターQ176) ・電子線硬化型樹脂 80重量部 (日本化薬(株)製 TMPTA)
【0031】実施例1〜実施例7及び比較例で作製した
転写層を有するPC板及びPC化粧板について、表面硬
度及び耐候性を測定した結果を表1に示す。表面硬度は
500g荷重による鉛筆硬度とスチールウールラビング
による耐擦傷性を測定した。また、耐候性はウェザオメ
ーターで1000時間と3000時間暴露後に、表面の
クラックルや層間密着度等を観察した。
【0032】
【表1】 (注) ○:良好 △:やや不良 ×:不良 1):層間密着不良 2):クラック発生
【0033】表1の実施例の結果から分かるように、表
面層にシロキサン系樹脂を使用し、次の層としてアクリ
ル系樹脂を用い、その両者にシランカップリング剤を添
加することにより、表面硬度が高く、耐擦傷性に優れ、
且つ耐候性のよい被転写体を得ることができた。これに
反して、実施例6で示されるように、シランカップリン
グ剤を添加しない場合は、ウェザオメーター3000時
間暴露後に、シロキサン系樹脂とアクリル系樹脂間の密
着が不良となり、耐候性が十分でなかった。また、実施
例7で示されるように、シランカップリング剤を添加し
た場合でも、アクリル系樹脂の塗布量が0.5g/m2
と少なくなると、ウェザオメーター3000時間暴露後
に、表面のシロキサン系樹脂層にクラックが発生して、
やはり目的とする耐候性のよい被転写体を得ることはで
きなかった。更に、比較例に示すように、従来の電子線
硬化型樹脂を使用した場合は、表面硬度、耐候性共に悪
く、本発明の転写箔に比して非常に劣るものであった。
従って、耐擦傷性、耐候性に優れた成形製品を得るに
は、本発明の転写箔が非常に有効であることが明白とな
った。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、転写箔に形成されるシ
ロキサン系樹脂層とアクリル系樹脂層は耐候性、耐擦傷
性に優れているため、成形品等に転写することにより、
成形品等の表面に容易に、耐候性、耐擦傷性に優れた被
膜を形成することができる。そのため、耐候性、耐擦傷
性に優れた建材外装用部材、自動車ランプ表面材、高速
道路用遮音材等を転写工程だけで、環境汚染等の問題も
なく、能率よく製造するこができる。従って、従来のス
プレーコート法やディッピング法は溶剤を使用するた
め、作業環境や環境汚染が大きな問題であったが、本発
明による転写箔を使用すれば、転写工程だけで、製品に
耐候性、耐擦傷性に優れた被膜を形成することができる
ので、作業環境や環境汚染問題は解決され、しかも作業
能率が向上して製造コストの低減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による転写箔の一例を示す拡大断面図。
【図2】本発明の接着剤層を有する転写箔の拡大断面
図。
【図3】本発明の転写箔を用いて被転写体に転写したと
きの拡大断面図。
【図4】接着剤層を有する転写箔を用いて被転写体に転
写したときの拡大断面図。
【図5】実施例1で作製した転写箔をPC板に転写した
ときの説明図で、 (a) PC板に転写箔を貼り合わせたときの断面図。 (b) PC板に転写し、基材シートを剥離後のPC板
の断面図。
【図6】実施例3で作製した転写箔をPC板に転写した
ときの説明図で、 (a) PC板に絵柄を有する転写箔を貼り合わせたと
きの断面図。 (b) PC板に転写し、基材シートを剥離後のPC化
粧板の断面図。
【符号の説明】
1 転写箔 2 接着剤層を有する転写箔 3 転写層を有するPC板 4 転写層を有するPC化粧板 11 基材シート 12 シロキサン系樹脂層 13 アクリル系樹脂層 14 絵柄層 15 接着剤層 16 被転写体 16a PC板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シートの離型面に、シロキサン系樹
    脂層とアクリル系樹脂層をこの順に形成した転写箔であ
    って、該アクリル系樹脂層の樹脂が、ガラス転移点が8
    0℃以上、且つ重量平均分子量が50000以上である
    ことを特徴とする転写箔。
  2. 【請求項2】 前記シロキサン系樹脂層とアクリル系樹
    脂層が、少なくとも一方の樹脂層にシランカップリング
    剤を0.1〜5重量%添加した樹脂層であることを特徴
    とする請求項1に記載の転写箔。
  3. 【請求項3】 前記シロキサン系樹脂層が、該樹脂層に
    アルミニウム、珪素、チタン、マグネシウム、ジルコニ
    ウム等の無機化合物粉末を少なくとも1種添加した樹脂
    層であることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載
    の転写箔。
  4. 【請求項4】 前記シロキサン系樹脂層とアクリル系樹
    脂層が、少なくとも一方の樹脂層に紫外線吸収剤、安定
    剤、酸化防止剤を添加した樹脂層であることを特徴とす
    る請求項1、請求項2及び請求項3に記載の転写箔。
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