JPH08189464A - 可変容量型圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】各摺動部の冷却、潤滑と吸入脈動の低減を図
る。 【解決手段】フロントハウジング２に形成されたクラン
ク室５には外部冷却回路と接続された吸入孔４０が開口
され、リヤハウジング３内の吸入室３０はシリンダブロ
ック１を経由して設けられた吸入通路を介してクランク
室５と連通せしめられるとともに、吸入通路には冷房負
荷の検出指令により発動し、その通路断面積を調整して
吸入室圧力を変化させる調整弁４５が内装されているの
で、各摺動部の耐用性が向上し、吸入脈動が抑制され
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、主として冷房用に
供される圧縮機に係り、詳しくは単頭形のピストンを装
備した可変容量型圧縮機並びにクラッチレス機能を付加
した可変容量型圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に空調冷凍用に供されている斜板
式、揺動板式等の可変容量型圧縮機は、斜板要素を支点
回りに傾動可能な機構となし、斜板要素を囲包するフロ
ントハウジングの内部、つまりクランク室の圧力を変化
させることにより、単頭形のピストンの背面に作用する
力を制御し、この力とピストンの前面に作用するガス圧
力との釣合によって、上記斜板要素の支点回りの傾動変
位、すなわちピストンストロークを制御するようになさ
れている。そして通常クランク室の圧力制御は、吸入圧
力に応答する容量制御弁の作動を介してクランク室内へ
吐出圧力を供給することにより行われている。

【０００３】一方、特開平３−３７３７８号公報に開示
された圧縮機では、外部動力源と駆動軸との間に介在し
て動力の伝達及び遮断を行う電磁クラッチが使用されて
いない。電磁クラッチを省去すれば、特に車両空調用圧
縮機において指摘されている運転フイーリングの改善
や、重量減及びコスト減といった観点からも頗る有利で
ある。

【０００４】しかしその反面このようなクラッチレス圧
縮機では、冷房不要時の吐出容量に関連して当然に蒸発
器のフロスト発生が問題となる。このため同圧縮機では
電磁開閉弁を用いて外部冷凍回路から吸入室への冷媒の
流入を止めることにより、回路内の冷媒の循環を停止さ
せている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電磁ク
ラッチの有無を問わず上述のような容量可変機構を備え
た圧縮機において、クランク室圧力を制御するために
は、クランク室をほぼ密閉状態に保つ構造が必要であ
り、しかもクランク室内には高温、高圧のブローバイガ
ス雰囲気が醸成され、特に冷房負荷の大きい全容量運転
時には一層過酷な雰囲気が継続される結果、軸封装置
（リップシール）の早期劣化に加えて摺動各部の摩耗の
進行も懸念される。このことは例えば斜板要素の変革に
もみられるかなり高価な材料選択や、より優れた表面処
理の適用など、高コスト化につながる対策にも如実に現
れている。

【０００６】また、かかる可変容量型圧縮機は、とかく
小容量運転時における吸入脈動が大きく、これが蒸発器
の脈動音を誘起することとなるので、リヤハウジング等
にマフラ機構を内装するといった提案も少なくない。さ
らには上述したクラッチレス圧縮機のように、吸入室へ
の冷媒の流入停止又は流入の再開を電磁弁を用いて瞬時
的に行う構造では、圧縮機の急激な容量変動が大きなト
ルク変動を伴って、クラッチレス化の主目的である走行
フィーリングの改善効果が失われるといった不具合もあ
る。

【０００７】本発明の第１の解決課題は、きわめて簡素
な構成でクランク室の雰囲気を改変し、振動騒音の低減
とも相まって特に可変容量型圧縮機の信頼性の向上を図
ることであり、第２の解決課題は、電磁クラッチの省略
と円滑な容量変動とを両立させて圧縮機の付加価値をさ
らに高めることである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項１記載の可変容量型圧縮機は、複数のボアを並設して
圧縮機の外郭を構成するシリンダブロックと、内部にク
ランク室を形成してシリンダブロックの前端を閉塞する
フロントハウジングと、該シリンダブロックとフロント
ハウジングに回転自在に支承された駆動軸と、吸入室及
び吐出室を有してシリンダブロックの後端を閉塞するリ
ヤハウジングと、駆動軸と共に回転し吸入室圧力とクラ
ンク室圧力との差圧に基づいて傾角変位可能な斜板要素
と、該斜板要素と連係して上記ボア内を直動するピスト
ンとを備えた可変容量型圧縮機において、上記クランク
室には外部冷凍回路と接続された吸入孔が開口され、上
記吸入室は吸入通路を介して該クランク室と連通せしめ
られるとともに、該吸入通路にはその通路断面積を調整
して吸入室圧力を変化させる調整弁が内装されているこ
とを特徴としている。

【０００９】好適な態様において、上記調整弁は冷房負
荷の変動に基づいた容量制御弁からの加給圧力に応動す
るスプール弁である。請求項３記載の可変容量型圧縮機
は、複数のボアを並設して圧縮機の外郭を構成するシリ
ンダブロックと、内部にクランク室を形成してシリンダ
ブロックの前端を閉塞するフロントハウジングと、該シ
リンダブロックとフロントハウジングに回転自在に支承
された駆動軸と、吸入室及び吐出室を有してシリンダブ
ロックの後端を閉塞するリヤハウジングと、駆動軸と共
に回転し吸入室圧力とクランク室圧力との差圧に基づい
て傾角変位可能な斜板要素と、該斜板要素と連係して上
記ボア内を直動するピストンとを備えた可変容量型圧縮
機において、上記クランク室に開口されて外部冷凍回路
に連なる吸入孔と、上記吸入室と該クランク室とを連通
する吸入通路と、加給圧力により該吸入通路の通路断面
積を調整し、かつ該通路の最小許容断面積を保持したス
プール形の調整弁と、冷房負荷の変動に基づき給気通路
を介して吐出冷媒圧力を該調整弁に加給する容量制御弁
と、該給気通路と上記クランク室とを連通する循環通路
と、上記斜板要素が零ではない最小傾角に移行した際、
圧力差により吐出冷媒の回路への流出を阻止する差圧弁
とを包含してなるを特徴としている。

【００１０】請求項４記載のクラッチレス可変容量型圧
縮機は、複数のボアを並設して圧縮機の外郭を構成する
シリンダブロックと、内部にクランク室を形成してシリ
ンダブロックの前端を閉塞するフロントハウジングと、
該シリンダブロックとフロントハウジングに回転自在に
支承された駆動軸と、吸入室及び吐出室を有してシリン
ダブロックの後端を閉塞するリヤハウジングと、駆動軸
と共に回転し吸入室圧力とクランク室圧力との差圧に基
づいて傾角変位可能な斜板要素と、該斜板要素と連係し
て上記ボア内を直動するピストンとを備えたクラッチレ
ス可変容量型圧縮機において、上記クランク室に開口さ
れて外部冷凍回路に連なる吸入孔と、上記吸入室と該ク
ランク室とを連通する吸入通路と、加給圧力により該吸
入通路の通路断面積を調整し、かつ該通路の最小許容断
面積を保持したスプール形の調整弁と、外部冷凍回路か
らの指令信号により給気通路を介して吐出冷媒圧力を該
調整弁に加給する電磁開閉弁と、該給気通路と上記クラ
ンク室とを連通する循環通路と、上記斜板要素が零では
ない最小傾角に移行した際、圧力差により吐出冷媒の回
路への流出を阻止する差圧弁とを包含してなるを特徴と
している。

【００１１】請求項５記載のクラッチレス可変容量型圧
縮機は、上記給気通路に冷房負荷に基づいて吐出冷媒圧
力を上記調整弁に加給する容量制御弁が接続されている
ことを特徴としている。好適に態様において、上記循環
通路の一方は上記クランク室の外端を封止する軸封装置
の近傍に開口されている。

【００１２】好適に態様において、上記吸入室は上記シ
リンダブロックを経由して設けられた吸入通路を介して
上記クランク室と連通せしめられている。好適に態様に
おいて、上記吸入室は吐出室の内包域に画設され、該吸
入室と上記クランク室とを連通する吸入通路は、駆動軸
心を含んでリヤハウジング及びシリンダブロックの中心
部分に形成されている。

【００１３】なお、上記斜板要素とは、回転斜板と組合
された揺動板がコンロッドを介してピストンと連節され
るワッブル型、並びに回転斜板がシューを介して直接ピ
ストンと連係されるスワッシュ型のいずれをも含む斜板
要素である。

【００１４】

【作用】請求項１記載の圧縮機では、外部冷凍回路から
帰還した冷媒ガスは吸入孔からまずクランク室に受入れ
られ、シリンダブロックを経由する吸入通路を介して吸
入室へと導かれたのち、吸入弁の開弁によって各吸入ポ
ートからボアへと吸入されるので、クランク室内は常時
吸入雰囲気に保持されている。したがって、低温の冷媒
ガス及びその混在油粒により各摺動部は十分に冷却、潤
滑されるため、その耐用性が著しく向上されるほか、軸
封装置（リップシール）のシ−ル圧力の低下に伴って発
熱量も小さくなるので、熱劣化も良好に改善される。

【００１５】そして吐出容量が縮小制御される場合に
は、冷房負荷の検知指令などにより吸入通路中に配置さ
れた調整弁が通路断面積を絞る向きに作動して吸入室圧
力を低下させるので、ピストンに対抗的に作用するクラ
ンク室圧力との均衡がくずれて斜板傾角並びにピストン
ストロークが縮小され、圧縮機は小容量運転へと移行す
る。なお、帰還冷媒ガスを直接受入れるクランク室は事
実上吸入マフラを構成して脈動の減衰に寄与している。

【００１６】なお、請求項２記載の圧縮機のように、調
整弁として容量制御弁からの加給圧力に応動するスプー
ル弁を選択する場合は、冷房負荷の変動に伴って吸入通
路の通路断面積が連続的、かつ滑らかに変化する。請求
項３記載の圧縮機では、冷房負荷が一層小さくなって斜
板要素が零ではない最小傾角に変位し、調整弁が吸入通
路の最小許容断面積を保持して停止した際、その時点で
の最低吐出圧力に対抗する差圧弁の閉動作によって、吐
出冷媒の回路への流出、つまり外部冷凍回路内の冷媒の
循環は停止される。このため最小ストロークでボアから
吐出室へ吐出された冷媒は、開状態の容量制御弁、給気
通路及び循環通路を経由してクランク室へと導かれ、さ
らに調整弁の絞り作用によって生じる圧力差により吸入
室から再びボアへと吸入されて、潤滑のための冷媒の機
内循環のみが続行される。このように実質的に冷房不要
状態に移行すると、回路内の冷媒の循環が停止されて蒸
発器のフロスト発生を未然に防止するので、冷房負荷の
変動に基づいたクラッチの断続操作を不要化して、その
操作頻度を極端に減らすことができる。

【００１７】請求項４記載の圧縮機は、クラッチレス機
能の付加と同時に中間容量制御を省略して需要の多様化
に答えたもので、圧縮機の全容量運転中、何らかの検出
指令信号若しくはオペレータの随意操作によって電磁開
閉弁が開弁されると、該電磁開閉弁を介した加給圧力に
より、調整弁及び斜板要素は滑らかに上記最小容量位相
へと変位し、差圧弁の閉動作と相まって、電磁開閉弁及
び循環通路を含む上記冷媒の機内循環のみの状態に移行
する。

【００１８】請求項５記載の圧縮機は、クラッチレス機
能と中間容量制御とを共存させたもので、請求項３記載
の圧縮機のように全制御範囲にわたって容量制御が可能
なることは勿論、いかなる運転状況下にあっても、電磁
開閉弁の開動作を介して圧縮機を冷房不要状態、すなわ
ち上記冷媒の機内循環のみの状態に移行させることがで
きる。

【００１９】なお、請求項６記載の圧縮機のように、循
環通路の一方をクランク室の外端を封止する軸封装置の
近傍に開口させれば、とくに劣化しやすい軸封装置の延
命に一層有効である。

【００２０】

【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施の
形態を図面に基づいて説明する。図１〜図３において、
１はシリンダブロックであって、該シリンダブロック１
の前端側はフロントハウジング２によって閉塞され、同
後端側は弁板４を介してリヤハウジング３によって閉塞
されるとともに、これらは通しボルト２１により共締め
されている。シリンダブロック１とフロントハウジング
２とによって形成されるクランク室５内には軸心方向に
延在する駆動軸６が収容されて、ラジアル軸受７ａ、７
ｂにより回転自在に支持されている。そして該駆動軸６
の前端は、例えば図示しない電磁クラッチ及び伝動機構
を介して自動車エンジンに連結されている。また、シリ
ンダブロック１には該駆動軸６を囲繞する位置に複数個
のボア８が穿設されており、各ボア８には単頭形のピス
トン９がそれぞれ往復動可能に嵌挿されている。なお、
７ｃは軸封装置である。

【００２１】クランク室５内において、駆動軸６にはロ
ータ１０がフロントハウジング２との間にスラスト軸受
１１を介して同期回転可能に結合され、ロータ１０の後
方には斜板１２が嵌合されている。そして、該斜板１２
はロータ１０との間に介装された押圧ばね１３により常
に後方に向け付勢されている。斜板１２には、両端面外
周側に平滑な摺動面１２ａが形成され、摺動面１２ａに
は半球部を有するシュ−１４、１４が当接されており、
これらシュ−１４、１４の半球部はピストン９の球状支
承面と係合されている。

【００２２】また、斜板１２の摺動面１２ａより内方域
のロータ１０側には、一対のブラケット１２ｂ、１２ｂ
が該斜板１２の上死点位置Ｔを跨いで突設され、各ブラ
ケット１２ｂ、１２ｂにはガイドピン１２ｃ、１２ｃの
基端が固着されるとともに、各ガイドピン１２ｃ、１２
ｃの先端には球体部１２ｄ、１２ｄが形成されている。
かくして本圧縮機では、ブラケット１２ｂ、１２ｂ、ガ
イドピン１２ｃ、１２ｃ及び球体部１２ｄ、１２ｄによ
り、ヒンジ機構Ｋの一部を構成している。

【００２３】斜板１２の中心部には駆動軸６上で該斜板
１２の傾角変位を許容する屈折状の貫通孔２０が設けら
れており、また、斜板１２の下死点領域におけるロータ
１０側には、駆動軸６の軸心から径外方向に延在され、
かつロータ１０側のシュ−１４を回避しつつ摺動面１２
ａを覆蔽するカウンタウェイト１５がリベットなどによ
り装着されている。そして該斜板１２は、カウンタウェ
イト１５よりも中心寄りの前端面１２ｅがロータ１０の
後端面１０ａと当接することにより最大傾角が規制され
る一方、後端面の座繰孔部がサークリップ２２と当接す
ることにより零ではない最小傾角が規制されている。

【００２４】また、ロータ１０の上部には、上記ヒンジ
機構Ｋの残部を構成する一対の支持アーム１７、１７が
各ガイドピン１２ｃ、１２ｃと整合するよう軸心方向後
方に突出され、各支持アーム１７、１７の先端部には、
駆動軸６の軸心と斜板１２の上死点位置Ｔとで決定され
る面と平行に、かつ駆動軸６の軸心に対して外方から近
づく向きにガイド孔１７ａ、１７ａが貫設されている。
これらガイド孔１７ａ、１７ａの向きは、斜板１２の傾
角変位にかかわらずピストン９の上死点位置が不動に保
たれるよう設定されており、各ガイド孔１７ａ、１７ａ
内には、それぞれガイドピン１２ｃ、１２ｃの球体部１
２ｄ、１２ｄが摺動可能に挿入されている。

【００２５】本実施形態の特徴的な構成は機内に形成さ
れる吸入系の配置であって、外部冷凍回路と接続された
吸入孔４０が開口されているクランク室５は、帰還冷媒
を直接導入すると同時に事実上広大な吸入マフラを構成
しており、シリンダブロック１のボア挟間に並設された
複数の通孔４１及び各通孔４１を収束する拡張室４２、
並びにリヤハウジング３の軸心部に形成された有底状の
弁室４３及び該弁室４３の周壁に貫設された複数の弁孔
４４からなる一連の吸入通路を介して、該クランク室５
は吸入室３０に連通されている。

【００２６】リヤハウジング３内には、該吸入室３０の
外方域に吐出室３１が画設され、弁板４にはボア８に対
応して吸入ポート３２及び吐出ポート３３が開口されて
おり、弁板４とピストン９との間に形成される圧縮室が
吸入ポート３２及び吐出ポート３３を介して吸入室３０
及び吐出室３１に連通されている。そして弁板４には各
吸入ポート３２及び吐出ポート３３を開閉する図示しな
い吸入弁及び吐出弁が装着されている。

【００２７】実質的に吐出マフラを構成する鎮制室９０
は、シリンダブロック１の外郭部にフロントハウジング
２にまたがって形成されており、該鎮制室９０は通路９
１を介して吐出室３１に連通されるとともに、フランジ
孔（吐出孔）９２に嵌合される図示しないホースジョイ
ントを介して外部冷凍回路に接続されている。鎮制室９
０内には機体軸心と直交する向きに、後述する容量制御
弁５０を収納する収納孔９３を備えた膨出部９４が形成
されており、該鎮制室９０は該収納孔９３に開口する給
気通路９７を介して上記弁室４３の背部に連通されてい
る。

【００２８】そして該弁室４３内には、該給気通路９７
を介して加給される吐出圧力に応動して弁孔４４の開度
を縮減する調整弁（スプール弁）４５が収嵌されてお
り、駆動軸６の後端に配置された受座４６と調整弁４５
の前端との間には復帰ばね４７が介装されている。な
お、９５は該収納孔９３とクランク室５とを連通する検
圧通路であり、上記給気通路９７ともども以下に詳述す
る容量制御弁５０の所要ポートと接続されている。

【００２９】図４に示す容量制御弁５０において、弁主
体５１と筒体５２との間には感圧機構としてのダイアフ
ラム５３が挟持部材５４によって挟持され、該筒体５２
の開口部には蓋栓５５が螺合されており、これら筒体５
２、蓋栓５５、ダイアフラム５３及び挟持部材５４の一
方により大気室７０が形成されている。筒体５２に貫設
された気孔５２ａは蓋栓５５とのバックラッシにより該
大気室７０に連通され、これにより大気室７０は大気圧
雰囲気に保たれている。また、大気室７０には、蓋栓５
５と断面ハット状の押え金５７との間に所定押圧力のば
ね５６が介装され、押え金５７の他端側には球体５８及
びリング状押え金５９を介してダイアフラム５３に衝接
されている。

【００３０】弁主体５１の内側にはダイアフラム５３及
び挟持部材５４の他方との間に吸入圧力室７１が形成さ
れており、この吸入圧力室７１はポート７１ａにより上
記検圧通路９５と連通され、これにより吸入圧力室７１
にはクランク室圧力が導入されている。また、吸入圧力
室７１にはダイアフラム５３と衝接して断面Π状の押え
金６１が設けられ、該押え金６１と吸入圧力室７１の底
面との間には所定押圧力のばね６２が介装されている。
そして押え金６１には弁主体５１内を摺動可能なロッド
６３の−端が固着されており、ロッド６３の他端には球
状弁６５が固着されている。

【００３１】また、弁主体５１の外端側には吐出圧力室
７２が形成され、該吐出圧力室７２には球状弁６５が着
座可能な弁座が設けられ、さらに該吐出圧力室７２の口
端は栓体６０によって閉塞されている。そして該栓体６
０に貫設されたポート７２ａは上記収納孔９３を介して
上記鎮制室９０に連通され、これにより吐出圧力室７２
には吐出圧力が導入されている。また、吐出圧力室７２
には球状弁６５と衝接する押え金６６が設けられ、該押
え金６６と栓体６０との間には所定押圧力のばね６７が
介装されている。

【００３２】一方、弁主体５１には上記給気通路９７と
連通するポート７３ａが形成され、このポート７３ａは
ロッド６３の周域に形成された弁孔７２ｂにより吐出圧
力室７２と連通されている。なお、６０ａは栓体６０に
被装された濾過部材である。本圧縮機は上述のように構
成されており、圧縮機の停止時には機内の圧力が設定圧
力よりも高い値でバランスしているので、容量制御弁５
０に形成された吸入圧力室７１の圧力とばね６２との合
力が、大気圧とばね５６との合力を上回ってダイアフラ
ム５３に作用し、ロッド６３に連結された球状弁６５は
弁座に着座して弁孔７２ｂを閉止している。つまり鎮制
室９０と弁室４３の背部とを連通する給気通路９７は閉
鎖状態に保たれている。

【００３３】この状態から図示しない電磁クラッチを介
して駆動軸６が回転されると、この回転運動がロータ１
０及びヒンジ機構Ｋを介して斜板１２の回転揺動、さら
にはピストン９の往復運動へと変換されて圧縮仕事が開
始される。そして圧縮機の起動初期においては通常車室
温度と共にクランク室圧力（帰還冷媒圧力）も高いの
で、容量制御弁５０は上述のような給気通路９７の閉鎖
状態を維持している。このためクランク室圧力と吸入室
圧力との差圧は所定値よりも低く保たれるので、ピスト
ン９は最大ストローク、つまり圧縮機は全容量状態で運
転される。

【００３４】すなわち外部冷凍回路から帰還した冷媒ガ
スは、吸入孔４０からまずクランク室５に受入れられ、
シリンダブロック１を経由する吸入通路を介して吸入室
３０へと導かれたのち、図示しない吸入弁の開弁によっ
て各吸入ポート３２からボア８へと吸入されるので、ク
ランク室５内は常時吸入雰囲気に保持されている。した
がって、低温の冷媒ガス及びその混在油粒により各摺動
部は十分に冷却、潤滑されるため、その耐用性が著しく
向上されるほか、軸封装置（リップシール）７ｃのシー
ル圧力の低下に伴って発熱量も小さくなるので、熱劣化
も良好に改善される。

【００３５】そして各ボア８内で圧縮された冷媒ガス
は、図示しない吐出弁の開弁によって各吐出ポート３３
から順次吐出室３１へと吐出され、吐出された高圧の冷
媒ガスはさらに通路９１を経由して鎮制室９０へと導入
されるので、該鎮制室９０のもつ膨張形のマフラ機能に
よって圧力脈動成分を減衰せしめられた冷媒ガスは、フ
ランジ孔９２に接続された図示しないホースジョイント
を介して外部冷凍回路へと送出される。なお、鎮制室９
０内で吐出冷媒ガスから分離滞溜した潤滑油は、図示し
ない油孔を介してクランク室５に還元される。

【００３６】かかる全容量運転の継続により次第に車室
温度が低下し、これに追従するクランク室圧力が設定値
を越えて低下すると、検圧通路９５及びポート７１ａを
介して導通されている吸入圧力室７１の圧力とばね６２
との合力が、大気圧とばね５６との合力に屈してダイア
フラム５３を作動させ、ロッド６３を介して球状弁６５
を弁座から離脱させるので、弁孔７２ｂを通じて開放さ
れた給気通路９７（収納孔９３、ポート７２ａ、吐出圧
力室７２、ポート７３ａを含む）を経由して弁室４３の
背部には高圧の吐出冷媒ガスが導入され、これが調整弁
４５の進動を促して弁孔４４の開度を縮減させる。

【００３７】このように弁孔４４の絞り作用による吸入
室圧力の低下に基づいてクランク室圧力との差圧が設定
値を超えて大きくなると、斜板１２の傾角並びにピスト
ンストロークが縮小されて圧縮機は小容量の制御運転に
移行し、その後は、冷房負荷に基づいたクランク室圧力
の復活をまって容量制御弁５０は再び給気通路９７を閉
鎖し、復帰ばね４７の付勢力が調整弁４５の退動を促し
て弁孔４４の開度は復元される。この場合弁孔４４の開
度は連続的に絞られ、又は復元されるので、圧縮機の容
量は緩やかに変化し、走行フイーリングに悪影響を与え
ない。また、給気通路９７内の残圧は調整弁４５の嵌合
遊隙を潜通して吸入通路へと逃出するので、その退動に
支障は生じない。このように本実施形態の圧縮機では冷
房負荷に応じて制御されるので、常に必要な容量で運転
される。

【００３８】なお、上述の実施形態では、圧縮機を小
型、かつ軽量にするため、クランク室と吸入室とを連通
する吸入通路が駆動軸心を含んで機内の中心部分に形成
されているが、例えばシリンダブロック及びリヤハウジ
ングの外郭部を利用して形成することも可能であり、ま
た、リヤハウジング内に画設される吸入室と吐出室との
相対的な位置関係を反転させて構成することもできる。

【００３９】次いで本発明の他の実施形態を図５に基づ
いて説明する。なお上述の実施形態と同一若しくは均等
に属する構成要素には、同一の符号を付して詳しい説明
は省略する。本実施形態においては、弁室４３内に収嵌
された調整弁４５の円錐形ボス部によって弁板４上の弁
孔４４の開度、つまり通孔４１、拡張室４２、弁孔４４
及び弁室４３からなる一連の吸入通路の通路断面積が制
御されるよう構成されており、吐出室３１と給気通路９
７は容量制御弁５０を介して接続され、該給気通路９７
は前実施形態と同様弁室４３の背部に連通されている。
そして該給気通路９７を介して加給される吐出圧力によ
り復帰ばね４７に抗して進動する調整弁４５は、その外
周部に配設された係止片４５ａの突端が弁板４と衝合す
る進動端において、上記吸入通路の最小許容断面積が保
持されるよう規制されている。

【００４０】９８は、上記給気通路９７とクランク室５
とを連通する循環通路で、給気通路９７から弁室４３背
部への吐出圧力の加給に支障を生じないよう、その通路
断面積が幾分小さく設定されるとともに、該循環通路９
８はクランク室５の外端を封止する軸封装置７ｃの近傍
に開口されている。なお、９５はクランク室に開口する
検圧通路であり、上記給気通路９７ともども容量制御弁
５０の所要ポートに接続されている。

【００４１】一方、吐出室３１と通路９１を介して連通
される吐出孔９２には差圧弁８０が内装され、該差圧弁
８０はばね受け８２によって支持されたばね８１により
常に弁孔を閉じる向きに付勢されているが、圧縮機が少
なくとも冷房運転を継続している間は、吐出圧力がばね
８１の付勢力に抗して弁孔を開放させており、冷房負荷
が極端に小さくなって斜板１２が零ではない最小傾角に
変位し、調整弁４５が吸入通路の最小許容断面積を保持
して停止した際、その時点での最低吐出圧力がばね８１
の付勢力に屈して弁孔は差圧弁８０によって閉止される
よう調整されている。

【００４２】１００は一般に用いられている電磁クラッ
チで、フロントハウジング２のボス部に回転自在に支承
され、ベルトを介してエンジンに連動連結されるロータ
１０１と、該ロータ１０１の環状溝内に収納固止されて
電磁コイル１０２を内蔵したステータ１０３と、ロータ
１０１の伝動摩擦面に対向配置された円板状のアーマチ
ュア１０４と、該アーマチュア１０４を緩衝体１０５を
介して駆動軸６に結合するハブ１０６を主要部として構
成されている。

【００４３】したがって、電磁クラッチ１００を介して
駆動軸６が回転されると、上述の実施形態と同様に圧縮
機は全容量状態で運転され、その後は冷房負荷（吸入系
圧力）の変動を、検圧通路９５を介して検知した容量制
御弁５０の開閉動作に基づいて調整弁４５が進退動し、
これにより吸入室圧力とクランク室圧力との差圧が変動
して斜板１２の傾角並びにピストンストロークを変化さ
せるので、圧縮機は常に冷房負荷に応じた制御容量で運
転される。

【００４４】その後、冷房負荷が一層小さくなって斜板
１２が零ではない最小傾角に変位し、一方、調整弁４５
も進動端に達して吸入通路の最小許容断面積を保持して
停止されると、その時点での最低吐出圧力がばね８１の
付勢力に屈して、吐出孔（弁孔）９２は差圧弁８０によ
って閉止されるので、吐出冷媒の回路への流出、つまり
外部冷凍回路の冷媒の循環は停止される。このため最小
ストロークでボア８から吐出室３１へ吐出された冷媒
は、開状態の容量制御弁５０、給気通路９７及び循環通
路９８を経由してクランク室５へと導かれ、さらに調整
弁４５の絞り作用によって生じる圧力差により吸入室３
０から再びボア８へと吸入されて、潤滑のための冷媒の
機内循環のみが続行される。

【００４５】このように実質的に冷房不要状態に移行す
ると、回路内の冷媒の循環が停止されて蒸発器のフロス
ト発生が未然に防止されるとともに、上記冷媒の機内循
環によって摺動各部の潤滑は休むことなく継続されるの
で、冷房負荷の変動に基づいた電磁クラッチの断続操作
を皆無に近い程度に省減することができる。なお、車両
走行中の意図的な圧縮機の運転停止又は再開は、電磁ク
ラッチ１００の断続操作によって従来通り実行すること
ができる。

【００４６】図６は本発明のさらに他の実施形態を示す
もので、この圧縮機はクラッチレス機能の付加と同時に
中間容量制御を省略して需要の多様化に答えたものであ
る。すなわち動力の入力部は、フロントハウジング２の
ボス部に回転自在に支承され、ベルトを介してエンジン
に連動連結されプーリ１１１と、該プーリ１１１を緩衝
体１１３を介して駆動軸６に結合するハブ１１２とによ
り構成されており、一方、吐出室３１と弁室４３の背部
と連通する給気通路９７中には、上記容量制御弁５０に
代わる電磁開閉弁８５が配設されている。この電磁開閉
弁８５は通常の冷房運転時にはスイッチのオン動作で閉
弁状態に保持され、スイッチのオフ動作で開弁状態に変
換されるものであって、残余の構成に関しては図５に示
す前実施形態と全く同様である。

【００４７】したがって、圧縮機の全容量運転中、何ら
かの検出指令信号若しくはオペレータの随意操作によっ
て電磁開閉弁８５が開弁されると、該電磁開閉弁８５を
介した加給圧力により、調整弁４５及び斜板１２は滑ら
かに上記最小容量位相へと変位し、差圧弁８０の閉動作
と相まって、外部冷凍回路の冷媒の循環は停止され、電
磁開閉弁８５及び循環通路９８を経由する上記冷媒の機
内循環のみの状態に移行する。

【００４８】図７に示すさらに別の実施形態の圧縮機
は、クラッチレス機能と中間容量制御とを共存させたも
ので、図５に示す圧縮機のように、全制御範囲にわたっ
て容量制御が可能なることは勿論、いかなる運転状況下
にあっても、電磁開閉弁の開動作を介して圧縮機を冷房
不要状態、すなわち上記冷媒の機内循環のみの状態に移
行させることができる。なお、各構成要素の具体的な作
動に関しては、上述の各実施形態のそれと重複すること
となるので、詳しい説明は省略する。

【００４９】

【発明の効果】以上、詳述したように本発明は、特許請
求の範囲に記載の構成を有するものであるから、圧縮機
の簡潔性を損うことなくクランク室を吸入雰囲気に保持
しうるので、低温の帰還冷媒ガス及びその混在油粒によ
り、各摺動部は十分に冷却、潤滑されて耐用性が向上
し、とくに軸封装置のシ−ル圧力の低下はかねがね問題
視されている熱劣化を良好に防止する。

【００５０】また、クランク室の広大な容積がそのまま
吸入マフラ機能を発揮して脈動の減衰に寄与するほか、
とくに小容量運転時における吸入通路の絞り作用は一層
制振に有効である。請求項２記載の圧縮機では、常に所
望の容量に滑らかに移行するため、走行フイーリングを
損なわないといった利点がある。

【００５１】請求項３記載の圧縮機では、通常の可変容
量機能に加え、冷房運転不要時には差圧弁によって吐出
孔を自動閉鎖することにより、冷房能力を零とした極め
て小さい駆動トルクを維持しつつ、機内循環冷媒の流動
による摺動各部の潤滑が巧みに継続されるので、蒸発器
のフロスト防止とともに、冷房負荷の変動に基づいたク
ラッチ操作が不要化されて、走行フイーリングがさらに
改善される。

【００５２】請求項４及び５記載の圧縮機では、いかな
る運転状況下にあっても随意の指令信号によって電磁開
閉弁が開弁されると、圧縮機は上述の冷房運転不要状態
へと滑らかに移行するので、耐久性を損なうことなく電
磁クラッチの省略が可能となり、しかも容量制御弁をも
省去したものでは、コスト面での優位性によって多様な
顧客のニーズにも広く答えることができる。

【００５３】請求項６記載の圧縮機のように、循環通路
の一方をクランク室の外端を封止する軸封装置の近傍に
開口させたものでは、とくに劣化しやすい軸封装置の延
命に一層有効である。請求項７及び８記載の圧縮機で
は、小型、かつ軽量化に向けて圧縮機の構造改革をさら
に具体化させることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態に係る圧縮機の全容を示す
断面正面図。

【図２】同圧縮機のとくに鎮制室を示す断面側面図。

【図３】同圧縮機の吸入通路を示す図１のＡ−Ａ線部分
断面図。

【図４】同圧縮機に組込まれる容量制御弁を示す拡大断
面図。

【図５】本発明の他の実施形態に係る圧縮機の全容を示
す断面正面図。

【図６】本発明のさらに他の実施形態に係るクラッチレ
ス圧縮機の全容を示す断面正面図。

【図７】同圧縮機の別の実施形態を示す断面正面図。

【符号の説明】

１はシリンダブロック、２はフロントハウジング、３は
リヤハウジング、５はクランク室、８はボア、１２は斜
板、３０は吸入室、３１は吐出室、４５は調整弁、５０
は容量制御弁、８０は差圧弁、９０は鎮制室、９５は電
磁開閉弁、９７は給気通路、９８は循環通路

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 真広 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 小倉 進一 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 奥野 卓也 愛知県刈谷市豊田町２丁目１番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複数のボアを並設して圧縮機の外郭を構成
   するシリンダブロックと、内部にクランク室を形成して
   シリンダブロックの前端を閉塞するフロントハウジング
   と、該シリンダブロックとフロントハウジングに回転自
   在に支承された駆動軸と、吸入室及び吐出室を有してシ
   リンダブロックの後端を閉塞するリヤハウジングと、駆
   動軸と共に回転し吸入室圧力とクランク室圧力との差圧
   に基づいて傾角変位可能な斜板要素と、該斜板要素と連
   係して上記ボア内を直動するピストンとを備えた可変容
   量型圧縮機において、上記クランク室には外部冷凍回路
   と接続された吸入孔が開口され、上記吸入室は吸入通路
   を介して該クランク室と連通せしめられるとともに、該
   吸入通路にはその通路断面積を調整して吸入室圧力を変
   化させる調整弁が内装されていることを特徴とする可変
   容量型圧縮機。
2. 【請求項２】上記調整弁は冷房負荷の変動に基づいた容
   量制御弁からの加給圧力に応動するスプール弁であるこ
   とを特徴とする請求項１記載の圧縮機。
3. 【請求項３】複数のボアを並設して圧縮機の外郭を構成
   するシリンダブロックと、内部にクランク室を形成して
   シリンダブロックの前端を閉塞するフロントハウジング
   と、該シリンダブロックとフロントハウジングに回転自
   在に支承された駆動軸と、吸入室及び吐出室を有してシ
   リンダブロックの後端を閉塞するリヤハウジングと、駆
   動軸と共に回転し吸入室圧力とクランク室圧力との差圧
   に基づいて傾角変位可能な斜板要素と、該斜板要素と連
   係して上記ボア内を直動するピストンとを備えた可変容
   量型圧縮機において、上記クランク室に開口されて外部
   冷凍回路に連なる吸入孔と、上記吸入室と該クランク室
   とを連通する吸入通路と、加給圧力により該吸入通路の
   通路断面積を調整し、かつ該通路の最小許容断面積を保
   持したスプール形の調整弁と、冷房負荷の変動に基づき
   給気通路を介して吐出冷媒圧力を該調整弁に加給する容
   量制御弁と、該給気通路と上記クランク室とを連通する
   循環通路と、上記斜板要素が零ではない最小傾角に移行
   した際、圧力差により吐出冷媒の回路への流出を阻止す
   る差圧弁とを包含してなるを特徴とする可変容量型圧縮
   機。
4. 【請求項４】複数のボアを並設して圧縮機の外郭を構成
   するシリンダブロックと、内部にクランク室を形成して
   シリンダブロックの前端を閉塞するフロントハウジング
   と、該シリンダブロックとフロントハウジングに回転自
   在に支承された駆動軸と、吸入室及び吐出室を有してシ
   リンダブロックの後端を閉塞するリヤハウジングと、駆
   動軸と共に回転し吸入室圧力とクランク室圧力との差圧
   に基づいて傾角変位可能な斜板要素と、該斜板要素と連
   係して上記ボア内を直動するピストンとを備えたクラッ
   チレス可変容量型圧縮機において、上記クランク室に開
   口されて外部冷凍回路に連なる吸入孔と、上記吸入室と
   該クランク室とを連通する吸入通路と、加給圧力により
   該吸入通路の通路断面積を調整し、かつ該通路の最小許
   容断面積を保持したスプール形の調整弁と、外部冷凍回
   路からの指令信号により給気通路を介して吐出冷媒圧力
   を該調整弁に加給する電磁開閉弁と、該給気通路と上記
   クランク室とを連通する循環通路と、上記斜板要素が零
   ではない最小傾角に移行した際、圧力差により吐出冷媒
   の回路への流出を阻止する差圧弁とを包含してなるを特
   徴とするクラッチレス可変容量型圧縮機。
5. 【請求項５】上記給気通路に冷房負荷に基づいて吐出冷
   媒圧力を上記調整弁に加給する容量制御弁が接続されて
   いることを特徴とする請求項４記載の圧縮機。
6. 【請求項６】上記循環通路の一方は上記クランク室の外
   端を封止する軸封装置の近傍に開口されていることを特
   徴とする請求項３〜５記載の圧縮機。
7. 【請求項７】上記吸入室は上記シリンダブロックを経由
   して設けられた吸入通路を介して上記クランク室と連通
   せしめられることを特徴とする請求項１〜６記載の圧縮
   機。
8. 【請求項８】上記吸入室は吐出室の内包域に画設され、
   該吸入室と上記クランク室とを連通する吸入通路は、駆
   動軸心を含んでリヤハウジング及びシリンダブロックの
   中心部分に形成されることを特徴とする請求項７記載の
   圧縮機。