JPH0818268B2 - 果物、野菜などを薄切りにする装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は果物、野菜などを薄切りにする装置、より詳
しくは、ナイフ保持プレートと、ナイフ保持プレートの
前端縁に配置されて、接触する２枚のナイフの刃から成
るＶ字状のカッティングナイフと、前記ナイフ保持プレ
ートと少くとも一本の横ウエブによって連結されて、互
いに実質的に平行に配置されている２本のフレームレー
ルと、該２本のフレールレールで案内されて前記ナイフ
保持プレートに対して平行に挿入可能なスライダプレー
トとから成り、スライダプレートの後端縁と前記カッテ
ィングナイフとの間に狭い間隙が残されて果物、野菜な
どを薄切りする装置に関する。

〔従来の技術〕

この種の装置は、例えばEP0306017A2号公報に記載さ
れており、同公報に開示された装置で用いられているＶ
字状のカッティングナイフは一体物として形成されてお
り、これは特に製造技術的に好ましくないことである。

本発明の基礎になっている従来の技術が図面の図１と
図２に図示されており、図１には本出願人が既に度々提
案したタイプであって請求項第１項の前文に記載された
構成の一例を示す装置が示されている。図２は図１に示
す装置のナイフの刃の配置を拡大して示すものである。

図１に示すように、公知の装置１には２つのフレーム
レール２が設けられており、このフレールレール２の後
部はナイフ保持プレート４によって、そして前部は装置
１の下側に配置された不図示の２本の横ウエブによって
互いに結合されている。装置１の前部にはナイフ保持プ
レート４に対して平行に挿入可能なスライダプレート８
が配置されており、具体的にはスライダプレート８はフ
レームレール２の側方溝内で案内され、かつスライダプ
レート８は挿入状態においてスライダプレートの後部と
ナイフ保持プレート４の前端縁に固定されたカッティン
グナイフ６との間に狭い間隙が残るような関係で配置さ
れている。切断する材料を上に載せて案内するスライダ
プレート８にはさらに、材料を案内するために長手溝９
が設けられている。

図２には公知の装置１のカッティングナイフ６の２枚
のナイフの刃10と12が拡大して示されている。図におい
て点線はそれぞれナイフの刃10と12のプロフィール段部
16を示すものであって、ナイフの刃10と12における切断
エッジ11と13側の領域はプロフィール段部16を境にして
周縁部14と15に接する領域よりも高く、すなわち紙面よ
り上方に持上って形成されている。この場合のプロフィ
ール段部16は通常傾斜をつけることによって形成されて
おり、ナイフの刃のこの傾斜部によって結合される両側
の領域は互いに平行に延びている。

公知の装置においてはカッティングナイフ６のＶ字状
の尖端19は、２枚のナイフの刃12と13を同一平面に突き
合わせることにより形成され、ナイフの刃は２枚のナイ
フの刃10と12のそれぞれの孔17を貫通するプラスチック
製のリベット状のノブによってナイフ保持プレート４に
保持される。プラスチック製のノブは射出成型工程中に
形成される。

〔発明が解決しようとする課題〕

この公知の装置には、２枚のナイフの刃を１つのカッ
ティング平面に正確に保持することが非常に難しいの
で、たとえば比較的硬い対象物を切断する場合などに、
所定の切断力を越えると、ナイフの刃が持ち上ってしま
うのを避けられないという欠点がある。時の経過と共に
２枚のナイフの刃のずれがだんだんと増大して、ついに
は装置全体が使用できなくなってしまう。

従って本発明の課題は公知の装置に改良を加えて、ナ
イフの刃を確実に保持することができ、それによって全
体として装置の機能を改良し寿命を向上させることので
きる装置を提供することである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題は本発明によれば、ナイフの刃の周縁部で
の少くともカッティングナイフのＶ字状の先端に隣接す
る後部の領域が、Ｕ形状に延びる射出成型プラスチック
帯状体によって積極的に保持されており、且つ前記２枚
のナイフの刃の片方の刃のフランジが少くとも部分的に
他方の刃の下方に配置され、前記フランジはナイフの刃
の本体に対して屈曲、傾斜、段部その他の方法で形成さ
れていることを特徴とする果物、野菜などを薄切りにす
る装置によって解決される。

ナイフの刃をこのような形状でナイフ保持プレート内
に保持することによって、従来避けられなかった使用時
間の経過によるナイフの刃の持上りとそれに起因する共
通のカッティング平面のずれを確実に防止することがで
きる。

本発明の好ましい実施例においては射出成型プラスチ
ック帯状体は一体射出成型によってナイフ保持プレート
のプラスチック材料に完全に混合しており、同時にナイ
フの刃の後部領域の少くとも１ケ所を貫通している。そ
の場合に特に好ましくは、各ナイフの刃の後部領域に少
くとも１つずつの孔が形成され、あるいはそれぞれ端縁
に切欠きが形成されており、端縁の切欠きはカッティン
グナイフの刃を組み合わせたときに長孔の形状を形成す
る。このような孔に対するプラスチックの栓状体の付与
によりＵ形状帯状体の拡がりとそれに伴う成型嵌合のゆ
るみが防止され、さらにカッティング面の平面でナイフ
の刃がずれないように正確に固定することができる。

本発明では、一方のナイフの刃の少くとも１つのフラ
ンジ状突出部が他方のナイフの刃の下に来るようにナイ
フの刃を配置することが提案されており、前記突出部は
ナイフの刃の本体に対して屈曲され、斜めにされあるい
は段部等として形成されている。この本発明手段によっ
て２枚のナイフの刃が、刃の尖端の領域で拡がることが
さらに確実に防止され、その際に下側になるナイフの刃
を屈曲、斜めあるいは段部に形成することによって、ナ
イフの刃のカッティング面が実際に正確に同一平面にな
り、そこに確実に留まることが保証される。

本発明においてはさらに、ナイフの刃が段部を有する
形状を具備し、この段部の形状をナイフの刃の尖端に隣
接する領域で円弧状にして、ナイフの刃を組み合わせた
ときにほぼ半円が形成されるようにすると好しい。ナイ
フの刃の後部領域をこのような段部を有する形状にする
ことによって、一体射出成型により与えられるプラスチ
ック帯状体によりナイフの刃の特に傷つきやすいＶ字状
尖端をしっかりと保持することが可能になる。さらに周
縁部全体を成型嵌合で組み合わせるように構成してもよ
い。

従って本発明によれば、ナイフの刃を確実かつしっか
りとナイフ保持プレート内に保持することができ機械的
及び熱的な負荷が大きい場合でもナイフの刃のカッティ
ング面を確実に同一平面に位置する冒頭で述べた装置を
得ることができる。さらに本発明に用いられる射出成型
技術は極めて容易に行うことができる。というのは型か
ら外すのにコア・プーラーを必要としないからである。

〔実施例〕

以下、添付図面に示す実施例を用いて本発明を詳細に
説明する。

図３に示すものは図１と同様の装置である。図３に示
す本発明装置と図１に示す従来の技術による装置との大
きな差異は、両図においてナイフの刃の上に点線で示さ
れているプロフィール段部の配置形状である。従来の技
術による装置においてはプロフィール段部はナイフの刃
の一方の端部から他方の端部へ直線状に延びている。本
発明装置においてはそれぞれのプロフィール段部はナイ
フの刃の前部のサイドエッジにおいてはフレームレール
２の前で終わっているが、他方の端部では弧を描いてい
るので、ナイフの刃を突き合わせたときにＶ字状のナイ
フ６の上端部でプロフィール段部はほぼ半円を形成す
る。

このプロフィール段部の配置が図４の拡大図にさらに
明確に示されている。同図においてはプロフィール段部
16はナイフの刃10としてのサイドエッジ20に達する直前
で終了しており、ナイフの刃の切断エッジ11と13側の領
域は周縁部14,15側の領域よりも高い位置、すなわち紙
面で見て上方の位置にある。それによってカッティング
平面における剪断力に対してナイフ６の傷つきやすいＶ
字状の尖端19の負荷を著しく除去することができる。と
いうのはナイフの刃10,12のプロフィール段部16は前方
のサイドエッジ20を貫通していないので、サイドエッジ
20はフレームレール２に形成されたスリット内で自由に
摺動できるからである。それによって温度変動の際、す
なわちまず型から出すとき、さらにまた後に熱い湯で洗
浄する場合などに、剪断力の発生を確実に防止すること
ができる。すなわちプラスチックと金属の温度変動を補
償することができる。

図４の図示の例においては、カッティングナイフ６の
少くともＶ字状尖端19の領域においてカッティグナイフ
６の成型嵌合による保持が行われると共に、この領域に
おいて左のナイフの刃12には突起18が設けられており、
この突起はナイフの刃12の本体に対して屈曲され、斜め
にされあるいは段部として形成されており、それによっ
て右のナイフの刃10のその部分の下に入る。この領域で
さらによく保持を行うために、少くとも２つの孔17が形
成されており、２つのナイフの刃10と12の片方に少くと
も１つづつの孔17が配置されている。射出成型されたプ
ラスチック帯状体がナイフの刃の少くともこの領域で両
側から相補形状の成型嵌合で重なり合って同時に孔17を
貫通する。

あるいはまた図５に示すように、それぞれのナイフの
刃10,12の端縁に切欠き21,22を形成して、２つの切欠き
が１つの長孔を形成し、その長孔をプラスチック栓状体
が貫通するようにすることも可能である。

以上の説明、図面及び請求項に開示された本発明の特
徴は、単独であるいは任意に組み合わせて本発明の実施
例を構成することができる。

〔発明の効果〕

以上の説明から明らかなように本発明によればナイフ
の刃を確実に保持することができると共に、改良された
機能と優れた寿命を有する装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

図１は薄切りにする装置の従来例を示す平面図、 図２は図１に示す装置のカッティングナイフの拡大平面
図、 図３は本発明による薄切りにする装置の一例を示す平面
図、 図４は図３に示す装置に用いられるカッティングナイフ
の一実施例を示す拡大平面図、 図５は図３に示す装置に用いられるカッティングナイフ
の他の実施例を示す拡大平面図である。 １……薄切りにする装置、２……フレームレール、 ４……ナイフ保持プレート、６……カッティングナイ
フ、 ８……スライダプレート、10,12……ナイフの刃、 11,13……切断エッジ、14,15……周縁部、 16……プロフィール段部、17……孔、 18……突起、19……Ｖ字状の尖端、 20……前方のサイドエッジ、21,22……端縁の切欠き。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ナイフ保持プレートと、該ナイフ保持プレ
   ートの前端縁に配置されて、接触する２枚のナイフの刃
   から成るＶ字状のカッティングナイフと、前記ナイフ保
   持プレートと少くとも一本の横ウエブによって連結され
   て、互いに実質的に平行に配置されている２本のフレー
   ムレールと、該２本のフレームレールで案内されて前記
   ナイフ保持プレートに対して平行に挿入可能なスライダ
   プレートとから成り、該スライダプレートの後端縁と前
   記カッティングナイフとの間に狭い間隙が残されている
   果物、野菜などを薄切りにする装置において、 ナイフの刃（10,12）の周縁部（14,15）での少くともカ
   ッティングナイフのＶ字状の先端（19）に隣接する後部
   の領域が、Ｕ形状に延びる射出成型プラスチック帯状体
   によって積極的に保持されており、且つ前記２枚のナイ
   フの刃（10,12）の片方の刃（12）のフランジ（18）が
   少くとも部分的に他方の刃（10）の下方に配置され、前
   記フランジ（18）はナイフの刃（12）の本体に対して屈
   曲、傾斜、段部その他の方法で形成されていることを特
   徴とする果物、野菜などを薄切りにする装置。
2. 【請求項２】前記２枚のナイフの刃（10,12）のそれぞ
   れが、それぞれのナイフの刃（10,12）のサイドエッジ
   （20）の領域において、それぞれのサイドエッジに平行
   に配置された段部（16）を有する外形から成ることを特
   徴とする請求項第１項記載の装置。
3. 【請求項３】それぞれのナイフの刃（10,12）に対し
   て、ナイフの先端（19）の区域における段部（16）が、
   前記２枚のナイフの刃（10,12）が組合された時に、実
   質的に半円の外形を生ずるように円弧を描いて形成され
   ていることを特徴とする請求項第２項記載の装置。
4. 【請求項４】前記射出成型プラスチック帯状体が前記ナ
   イフ保持プレート（４）のプラスチック材料に完全に混
   合し、同時に２枚のナイフの刃（10,12）の後部領域の
   少くとも１ケ所を貫通することを特徴とする請求項第１
   項から第３項の何れか１項記載の装置。
5. 【請求項５】前記２枚のナイフの刃（10,12）のそれぞ
   れの後部領域に少くとも一箇の個別の孔（17）が設けら
   れていることを特徴とする請求項第４項記載の装置。
6. 【請求項６】それぞれのナイフの刃（10,12）の後部領
   域の端縁にそれぞれ切欠け（21,22）が形成されてお
   り、２枚のナイフの刃が組合されてカッティングナイフ
   （６）を形成した時に、前記端縁の２つの切欠きが１箇
   の長孔を形成することを特徴とする請求項第４項記載の
   装置。