JPH08174270A - Ni基高Cr合金用被覆アーク溶接棒 - Google Patents

Ni基高Cr合金用被覆アーク溶接棒

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JPH08174270A
JPH08174270A JP32720194A JP32720194A JPH08174270A JP H08174270 A JPH08174270 A JP H08174270A JP 32720194 A JP32720194 A JP 32720194A JP 32720194 A JP32720194 A JP 32720194A JP H08174270 A JPH08174270 A JP H08174270A
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勝治 段林
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Tamao Takatsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温耐食機器に使用されるNi基高Cr合金
用被覆アーク溶接棒に関する。 【構成】 特定割合のC,Si,Mn,P,S,Cr,
Mo,Cu,Nb,Al,Ti,Fe,Co,W,V,
O及びNを含み、残部がNiからなる合金を心線とし、
特定割合の金属炭酸塩,金属ふっ化物,酸化物を含み、
さらに上記以外の合金剤、脱酸剤、スラグ生成剤、粘結
剤からなる被覆剤を前記心線のまわりに被覆塗装してな
ることを特徴とするNi基高Cr合金用被覆アーク溶接
棒。 【効果】 高温引張特性及び耐溶接割れ性に優れた溶接
金属や溶接継手を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加圧水型原子力発電プラ
ントなどに代表される300〜350℃の高温で使用さ
れる高温耐食機器に用いられるインコネル690合金
(米国INCO社の商品名)などのNi基高Cr合金の
溶接に適した被覆アーク溶接棒に関し、さらに詳しくは
高温引張強度特性、耐溶接割れ性に優れた溶接金属を得
ることができる被覆アーク溶接棒に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、300〜350℃の高温で稼働す
る加圧水型原子力発電プラントの蒸気発生器伝熱管材な
どには耐食性に優れたインコネル600合金が用いられ
ている。さらに伝熱管材として信頼性向上を目指して新
たに開発されたインコネル690合金が使われ始めた。
その代表的な合金組成を表1に示す。
【0003】
【表1】
【0004】この690合金を用いて構造物を製造する
際には被覆アーク溶接を伴うのが普通で、溶接時に被覆
アーク溶接棒を溶融しながら合金を添加し溶接後の強度
を保持するためと耐溶接割れ性を確保するためにライム
型のフラックスタイプの被覆アーク溶接棒を必要とす
る。この被覆アーク溶接棒に関してはアメリカ機械学会
( The American Society of Mechanical Engineers ;
ASME)のASMEボイラ及び圧力容器規程( ASME Boil
er and Pressure Vessel Code ;以下、ASMECod
eという)の規定が用いられており、その溶着金属の化
学成分を表2に示す。
【0005】
【表2】
【0006】表1と比較すれば明らかなように、被覆ア
ーク溶接棒の主組成も690合金とほとんど同組成であ
るが、溶接割れを防ぐために被覆アーク溶接棒の方はS
i,Mn,P含有量に特に制限を加え、また、耐食性の
劣化を防ぐためにNbを添加している。この他、ASM
E Codeには定められていないが、実際には被覆ア
ーク溶接棒を製造するとき加える脱酸剤や大気から混入
する不可避不純物が含まれており、その種類と含有量は
本発明者らの分析例によれば0:0.08〜0.15
%、N:0.025%である。
【0007】インコネル690合金は元来、高Cr性を
有する材料であるから、この被覆アーク溶接棒を用いて
溶接した構造物の溶接部も室温の機械的性質及び耐溶接
割れ性などについても十分な性能を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ような300〜350℃の高温で稼働する機器の長時間
使用に際しては溶接部の強度不足という問題がある。す
なわち、前記のインコネル690合金とその被覆アーク
溶接棒を用いて、溶接した溶着金属や溶接継手の高温引
張強度は母材に比べて弱いため、高温強度の信頼性が十
分ではない。例えば、350℃の全溶着金属の高温引張
試験を行ったとき、引張強さは480〜500N/mm
2 という低い値しか得られない。さらに、このインコネ
ル690合金被覆アーク溶接棒は組織がオーステナイト
組織を呈するため溶接割れ感受性が高いので耐溶接割れ
性を十分考慮しなければならない。
【0009】本発明は上記技術水準に鑑みてなされたも
のであり、その目的はインコネル690合金などNi基
高Cr合金の溶接に用いられ、高温引張特性及び耐溶接
割れ性に優れた溶接金属や溶接継手を得ることができる
被覆アーク溶接棒を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的の
達成のため、Ni基高Cr合金用被覆アーク溶接棒の材
質について種々検討した結果、インコネル690合金被
覆アーク溶接棒の組成のうち、オーステナイトの固溶強
化については、侵入型元素のC,Nがもっとも大きく強
化に寄与していることがわかった。しかし、このインコ
ネル690合金被覆アーク溶接棒の特徴の一つである耐
食性が優れているという特性上、C量を母材並の0.0
5%を超えて添加すると耐食性が劣化するため、C含有
量を増して高温引張強度を改善することは難しい。ま
た、N量のみを増加させた場合は溶接欠陥が生じやすく
なり好ましくない。このため、Nの外にW及びVを複合
添加すれば後述のように溶接欠陥を生じることなく高温
強度を改善できることがわかった。
【0011】さらに、γマトリックス相の固溶強化元素
として、Mo、W、V、Ti及びAlが挙げられる。し
かしこのインコネル690合金被覆アーク溶接棒の組成
のうち、Ti及びAlは脱酸剤として作用するが、溶接
作業性や耐溶接割れ性を考慮して規制している。また、
Moは耐食性を考慮して制限を加えているが強度の改善
を考えれば規制範囲内で高めに合金設計することが望ま
しい。このほか、ASME Codeには定められてい
ないが、W及びVはその他の元素として0.5%以下の
元素添加は許されるのでW及びV量を0.5%範囲内で
増して固溶強化により高温引張強度の改善がはかれるこ
とが判明した。
【0012】次にこのインコネル690合金被覆アーク
溶接棒組織がオーステナイト組成を呈するため溶接割れ
感受性が高いので溶接割れに影響を及ぼすP,S,S
i,O量を低めに規制することによって耐溶接割れ感受
性を確保する。これらの元素を低めに抑えるには使用す
る心線と被覆アーク溶接棒のフラックスタイプを考慮し
なければならない。一般にNi基合金用被覆アーク溶接
棒には、石灰石や蛍石を被覆剤の主成分とするライム型
溶接棒とルチールを被覆剤の主成分とするライムチタニ
ア型溶接棒があり、特にライム型溶接棒は脱P・脱S効
果、低Si化、低O化する作用があるのでインコネル6
90合金被覆アーク溶接棒にはこのライム型溶接棒を採
用することにより耐溶接割れ性の改善をはかる。
【0013】本発明は上記知見に基づき、ASME C
odeの化学成分規格内でW及びVを添加すると共にO
及びNの含有量範囲を規定し、さらに新しく成分規制を
した被覆剤と組み合わせることによって完成されたもの
である。すなわち、本発明は重量%でC:0.05%以
下、Si:0.75%以下、Mn:2〜5%、P:0.
03%以下、S:0.015%以下、Cr:28〜3
1.5%、Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下,
Nb:1〜2.5%,Al:0.5%以下、Ti:0.
5%以下、Fe:7〜12%、Co:0.1%以下を含
み、W及びVを最大2種、合計0.5%以下を含有し、
さらに不可避不純物としてO:0.1%以下、N:0.
03〜0.3%を含み、残部がNiからなる合金を心線
とし、被覆剤全重量に対して、金属炭酸塩の1種又は2
種以上:20〜50%、金属ふっ化物の1種又は2種以
上:20〜50%、合金剤:3〜20%、脱酸剤:0.
2〜5%、スラグ生成剤:3〜20%及び粘結剤:1〜
5%からなる被覆剤を前記心線のまわりに被覆してなる
ことを特徴とするNi基高Cr合金用被覆アーク溶接棒
である。
【0014】
【作用】以下に本発明の被覆アーク溶接棒における各成
分の作用及びその含有量の限定理由を説明する。
【0015】Cは一般に固溶体強化元素であり、C量の
増加とともに引張強度は増加するが、一方C量の増加は
耐応力腐食割れ性を劣化させるので、両特性を考慮して
C量は0%を超え0.05%以下とした。
【0016】Siは溶接時に脱酸作用に働き有効であ
る。また、Si量が多くなると、溶接高温割れ感受性が
高くなるので、ライム型溶接棒を採用することによりス
ラグに高塩基性を与え、溶接金属中のSiを低下させる
ことが可能であるため、低Si化をはかった。Si量は
0%を超え0.75%以下とした。
【0017】Mnは溶接時に脱酸作用及び脱硫作用とし
て有効であり、溶接高温割れに有害なSを固定し溶接割
れ性を抑制する効果があり、この効果を得るには2%以
上が好ましい。しかし、Mn添加量が5%を超えると、
溶接時にスラグの融点が下がりビード表面にこげつき現
象が発生し、溶接欠陥を作りやすくなるのでMnは2〜
5%とした。
【0018】Crは耐食性向上に必須の元素であるが、
耐応力腐食割れ性の効果を十分ならしめるためには28
%以上が必要である。一方、31.5%を超えると心線
の製造時の熱間加工性が著しく劣化するのでCr量は2
8〜31.5%とした。
【0019】Moはマトリックスに固溶して引張強度を
向上させるが、Mo量の増加は心線の製造時の熱間加工
性が著しく劣化するのでMo量は0%を超え0.5%以
下とした。しかし、引張強度を考慮すればMo量は0.
5%以下という範囲内で高めの0.4%程度に合金設計
することが望ましい。
【0020】Cuは高温に加熱されるとマトリックス中
に微細分散析出して引張強度を高めるが、逆に過剰の添
加は溶接割れ感受性を高めるのでCu量は0%を超え
0.5%以下とした。
【0021】Nbは炭窒化物形成元素で引張強度を向上
させるが、1%未満ではその効果がなく、また、2.5
%を超える量の添加は溶接割れ感受性を高めるので1〜
2.5%とした。
【0022】Alは心線を溶製するときに脱酸剤として
用いられるため、不純物扱いとなる。また、N安定化元
素として溶接金属中のNを固定し強度の改善に寄与する
ことが考えられるが、過剰の添加は溶接中にスラグを発
生し、溶接作業性を劣化させるので0%を超え0.5%
以下とした。
【0023】TiはAlと同様、その酸化力を利用して
脱酸剤として用いられるため、不純物扱いとなる。ま
た、TiはNとの親和力が強く、TiNとして析出し、
組織を微細化させ、引張強度の改善に寄与するが、Al
と同様に過剰の添加は溶接中にスラグを発生し、溶接作
業性を劣化させるのでTiは0%を超え0.5%以下と
した。
【0024】Feはインコネル690合金のような高C
r量の場合に生じるスケール発生を防止又は抑制する。
そして7%未満ではスケール発生が著しくなる。また、
12%を超えて過剰に添加すると応力腐食割れ性を劣化
させる。したがって、Feは7〜12%とした。
【0025】W及びVはASME Codeに定められ
ていないその他の元素0.5%以下の範囲内でW及びV
を、最大2種添加して高温引張強度の改善をはかった。
Wはマトリックスに固溶して引張強度を向上させるが、
添加量が多くなると耐溶接割れ感受性が劣化する。ま
た、VはW、Moとほぼ同じようにマトリックスに固溶
して引張強度を向上させるが、0.5%を超えると延性
が低下する。したがって、W及びVを最大2種、合計で
0%を超え0.5%以下とした。
【0026】Coは軽水型原子炉用として、このインコ
ネル690合金を使用するときは、半減期の長いCoを
含有していると、放射化されたCoが原子炉系統内を酸
化物などとともに循環し、定期検査時などに作業環境の
放射能レベルを高めるのでCoは無い方がよい。しかし
Coは元来Ni原材料中に1〜2%程度含有されてお
り、精錬によってNiの純度を上げても工業的に得られ
る低CoNi原料のCo含有量は0.1%以下程度とな
る。この点を考慮して、Coは0.1%以下とした。
【0027】Pは不可避不純物であり、また、Niと低
融点の共晶(Ni−Ni3 Pなど)を作り、溶接高温割
れ感受性を高める元素であるので、含有量は少ないほど
よいが、過度な制限は経済性の低下を招く。また、ライ
ム型溶接棒を採用することにより、スラグに高塩基性を
与え脱P作用により低P化をはかった。Pは0.03%
以下とした。
【0028】Sは不可避不純物であり、また、Pと同じ
ようにNiと低融点の共晶(Ni−Ni3 2 など)を
作り、溶接高温割れ感受性を高める元素であるので、含
有量は少ないほどよいが、Sは0.015%以下とし
た。
【0029】Oは心線の溶製中に大気から侵入する不可
避不純物であり、溶接金属の結晶粒界に酸化物の形とな
って集まり、結晶粒界の高温強度を弱くする。また、O
は溶接割れ感受性を高めるのでライム型溶接棒を採用す
ることにより低O化をはかった。Oは0.1%以下にす
ることが望ましい。
【0030】NはOと同じように不可避不純物であり、
その含有量の限界値を定めることは重要である。ただ
し、NはTiなどと窒化物(TiNなど)を作り、引張
強度を改善するので積極的に添加する。Nは含有量の増
加とともに引張強度の向上に寄与するが0.03%未満
ではその効果は小さい。ただし、過剰の添加はブローホ
ール等の溶接欠陥発生原因となるので、Nは0.03〜
0.3%とした。
【0031】次いでNi基被覆アーク溶接棒の被覆剤に
ついて説明する。Ni基高Cr合金用被覆アーク溶接棒
(インコネル系被覆アーク溶接棒に相当)に用いられる
被覆剤には一般にTiO2 、CaCO3 を主成分とする
ライムチタニア型フラックスタイプと、CaCO3 、C
aF2 を主成分とするライム型フラックスタイプのもの
がある。一般にライム型溶接棒は全姿勢での溶接作業性
が良好であるという特徴を持っているが、反面アークの
安定性及びアークの再発生が悪いので、直流電源による
直流溶接機を用いた溶接が行われている。また、CaC
3 被覆剤を主成分としているので、溶接時にCaCO
3 が分解して溶着金属ののC量を増加させ、耐食性を劣
化させるという欠点がある。その他、スラグに塩基性を
与え溶着金属のSi、P、S分を低下させる効果がある
ので溶接割れ感受性を低く抑えることができる。
【0032】本発明のNi基高Cr合金用被覆アーク溶
接棒はライム型溶接棒で、一般に流通しているコストの
安い交流溶接機を用いて溶接できるようCaCO3 、C
aF 2 が主成分のライム型にチタン酸カリウム(TiK
2 O)などを添加しアークの安定性及び再アーク発生の
改善をはかっている。従来品としては、ライム型溶接棒
で直流専用のもの(交流ではアーク切れを起こし溶接が
できない)と交直両用のライムチタニア型溶接棒が用い
られている。このライムチタニア型溶接棒は下向姿勢で
は美しいビード外観が得られるが、立向及び上向姿勢で
はビード外観が凸形になるなど溶接作業性がやや劣る。
また、ライムチタニア型溶接棒では、TiO2 、SiO
2 などが主成分になるため溶着金属のP、S、Si、O
量が増加するため溶接割れ感受性が高くなるという欠点
がある。
【0033】本発明でいう金属炭酸塩とは、CaC
3 、MnCO3 、BaCO3 などをいうが、これらは
いずれもスラグに塩基性を与え、溶接金属のP、S、S
iを低めに抑える効果があるため耐溶接割れ感受性を良
好ならしめる。これらの金属炭酸塩は溶接中に分解して
CO2 を発生し溶融金属を大気から遮断し、アーク雰囲
気中のH,Nのガス分圧を下げるので被覆剤全重量に対
して20%以上の添加が必要であり、また、50%を超
えて添加するとガス発生量が過剰になるためピットが多
発するようになり、さらに、スラグの融点が上昇するた
めスラグの流動性が悪くなり健全な溶接ビードが得られ
なくなるので、金属炭酸塩を20〜50%とした。
【0034】本発明でいう金属ふっ化物とは、Ca
2 、CeF2 、MgF2 、BaF2 などをいうが、こ
れらはいずれもスラグの流動性を増す効果があるが、添
加量が20%未満の場合にはスラグの流動性が悪いため
ビード外観が劣化する。一方、添加量が50%を超える
と被覆アーク溶接棒の溶接時のシリンダー形状が弱くな
り、片溶けを起こすようになり溶接作業性が劣化するの
で、金属フッ化物を20〜50%とした。
【0035】本発明の被覆アーク溶接棒に用いる被覆剤
は、前記金属炭酸塩、金属フッ化物及び酸化物に加えて
3〜20%の合金剤、0.2〜5%の脱酸剤、3〜20
%のスラグ生成剤及び1〜5%の粘結剤を含有する。
【0036】ここでいう合金剤とはMn、Cr、Mo、
W、V、Fe、Nb及びCrNの中から選ばれる1種又
は2種以上の金属粉末で心線にこれらの元素の大部分を
含有させているが、溶接時に酸化消耗する成分を補うた
めと溶着金属の目標成分を満足しない場合に、合金剤と
して配合し、溶着金属の機械的性質の向上、耐食性及び
耐割れ性の改善をはかるものである。
【0037】脱酸剤はAl、Ti、Siなど単体金属、
Fe−Si、Fe−Alなどの鉄合金及びAl−Mgな
どのいずれか1種以上であり、これを被覆剤に含有さ
せ、耐ブローホール性を改良するものである。
【0038】スラグ生成剤は、TiO2 、SiO2 、T
iK2 O、Cr2 3 、Al2 3の中から選ばれる1
種又は2種以上の粉末で、スラグは溶融金属の上を覆っ
て、大気による酸化や窒化を防止すると共に、脱酸作用
を助け溶着金属の性能や溶接作業性にも大きく影響す
る。例えばスラグ剤の配合が少ないとスラグの被包性が
悪くなりアークが不安定になる。また、スラグ剤が多す
ぎるとスラグの流動性が悪くなり立向溶接性が劣るよう
になる。特に、TiO2 、TiK2 Oはライム型溶接棒
の欠点である初アーク発生及び再アーク発生の安定性に
効果がある。また、SiO2 は塗装時のスベリ剤の作用
として効果があり、溶接後はスラグになる。これらの添
加量が3%未満の場合にはアーク切れが発生し安定した
溶接ができない。一方、添加量が20%を超えるとライ
ム型溶接棒の特長の一つである高塩基性というバランス
がくずれ、溶接金属のP、S、Siが増す傾向になり、
耐溶接割れ感受性が高くなるので、スラグ生成剤の添加
量は3〜20%とした。
【0039】粘結剤(バインダ)は、硅酸カリウム水溶
液と硅酸ソーダ水溶液とからなる水ガラスであり、硅酸
カリウムはアークの安定性に効果がある反面、吸湿性が
高い。また、硅酸ソーダはアークの安定性がやや劣る
が、反面、吸湿性は低い。両者の特長を生かし、混合し
てバインダとして使用する。本発明の被覆アーク溶接棒
では特に吸湿性を考慮して硅酸ソーダを主体としたもの
が好ましい。
【0040】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。組成の異なる心線及び被覆剤(フラックス)を
組み合わせた本発明の被覆アーク溶接棒及び組成が本発
明の範囲外である比較例の被覆アーク溶接棒を用いて試
験片を溶接し、常温引張試験、350℃の高温引張試
験、T形溶接割れ試験及びC形ジグ拘束突合せ溶接割れ
試験を行った。母材としてはJIS G4304(熱間
圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)のSUS304を使用し
た。ここで母材としてSUS304を使用したのは実
際の構造物にSUS304を使用した箇所がある、S
US304の方がインコネル690よりもP、Sの含有
量が多く溶接割れが発生しやすく、割れ試験用としては
厳しい条件で評価できる、溶着金属の引張試験では母
材の全表面に肉盛溶接する(JIS規定による)ので材
質の影響がないためである。
【0041】引張試験はJIS Z3111(溶着金属
の引張及び衝撃試験方法)に準じて行った。試験板のS
US304母材開先面及び裏当て金表面には規定どおり
2層バタリング溶接したものを使用した。継手溶接は、
予熱なし、パス間温度177℃以下、溶接電流140A
(溶接棒径4mm)で行った。継手溶接金属からJIS
Z3111 A2号(試験片の平行部の直径6mm)
引張試験片を機械加工により採取した後、JIS Z2
241(金属材料引張試験方法)に準じて引張試験を行
った。
【0042】T形溶接割れ試験及びC形ジグ拘束突合せ
溶接割れ試験はそれぞれJIS Z3153及びJIS
Z3155に準じて行った。T形溶接割れ試験に用い
た試料の形状を図1に、C形ジグ拘束突合せ溶接割れ試
験に用いた試料の形状を図2に示す。また、比較例及び
実施例で用いた心線の組成をそれぞれ表4に、比較例及
び実施例で使用した被覆剤(フラックス)の組成を表5
に示す。なお、被覆剤には表5の成分の外に粘結剤とし
て適量の硅酸ソーダを添加した。
【0043】各試験の結果を表6に示す。表6は溶着金
属の引張強さ(σu)、伸び(EL)及び溶接割れ試験
における割れ率(%)を示したものである。なお、割れ
率は次式により求めたものである。 割れ率(%)=(割れ長さmm/溶接ビード長さmm)
×100 表6においてAC−1は市販のNi基高Cr合金用溶接
棒であり、比較のもとになるデータである。先ずT形溶
接割れ試験の結果からわかるように心線として本発明の
組成範囲内にある材料を使用し、被覆剤としてA〜Dを
使用したRAC−2〜15の耐割れ性がAC−1の比較
例の材料よりも優れている。また、350℃の高温引張
試験における引張強さ(σu)は、市販溶接棒の場合は
497MPaであるのに対し本発明のRAC−2〜15
では534〜560MPaであり、37〜63MPaの
向上が認められた。これらの結果をまとめると表3のよ
うになり、溶接割れ感受性を高めることなく高温強度を
上げることができることがわかる。
【0044】
【表3】
【0045】表7に前記試験結果に基づく重回帰分析か
ら明らかになった特性値に及ぼす合金元素の影響を示
す。表7中、↑は向上効果、↓は減少効果、−は顕著な
効果が認められない状態を示す。
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【表7】
【0050】
【発明の効果】インコネル690合金などNi基高Cr
合金の溶接に用いる被覆アーク溶接棒はASME Co
deに規定のものが用いられていたが、ASME Co
deの規格材は短時間の引張強度は良好であっても溶接
部の高温強度まで考慮されたものではないので、高温引
張強度特性が十分でなく、例えば加圧水型原子炉などの
構造物の構成部材の溶接に適用した場合、これらの装置
を高温度で長時間運転するには信頼性に欠けるものであ
った。本発明の被覆アーク溶接棒は前述のように、AS
ME Codeの規格材の組成を基本としているが、特
にMo量については規格の成分範囲内での上限を狙って
合金設計することにより高温引張強度の改善をはかり、
次にASME Codeに定められていないW及びV元
素の適正範囲を明らかにした。さらに原材料や溶製時の
副原料から混入してくる不可避不純物の残存量を検討
し、これらの中でも高温引張強度の向上に寄与するNを
重視してその許容量を決定することにより、ASME
Codeの被覆アーク溶接棒を用いたとき350℃の溶
着金属の高温引張強度が500N/mm2 であったのに
比べて本発明の被覆アーク溶接棒によれば同一条件で少
なくとも540N/mm2 以上の高温引張強度が得ら
れ、その結果インコネル690合金を使用する高温構造
物の溶接に対して大きな信頼性を付与することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】T形溶接割れ試験に用いた試料の形状を示す概
略図。
【図2】C形ジグ拘束突合せ溶接割れ試験に用いた試料
の形状を示す概略図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【表4】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正内容】
【0048】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 将人 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 段林 勝治 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 大前 堯 静岡県浜北市中瀬7800番地 日本ウェルデ ィング・ロッド株式会社技術研究所内 (72)発明者 高津 玉男 静岡県浜北市中瀬7800番地 日本ウェルデ ィング・ロッド株式会社技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.05%以下、Si:
    0.75%以下、Mn:2〜5%、P:0.03%以
    下、S:0.015%以下、Cr:28〜31.5%、
    Mo:0.5%以下、Cu:0.5%以下,Nb:1〜
    2.5%,Al:0.5%以下、Ti:0.5%以下、
    Fe:7〜12%、Co:0.1%以下を含み、W及び
    Vを最大2種、合計0.5%以下を含有し、さらに不可
    避不純物としてO:0.1%以下、N:0.03〜0.
    3%を含み、残部がNiからなる合金を心線とし、被覆
    剤全重量に対して、金属炭酸塩の1種又は2種以上:2
    0〜50%、金属ふっ化物の1種又は2種以上:20〜
    50%、合金剤:3〜20%、脱酸剤:0.2〜5%、
    スラグ生成剤:3〜20%及び粘結剤:1〜5%からな
    る被覆剤を前記心線のまわりに被覆してなることを特徴
    とするNi基高Cr合金用被覆アーク溶接棒。
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