JPH08172942A - コンクリート製植栽基盤 - Google Patents

コンクリート製植栽基盤

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JPH08172942A
JPH08172942A JP33561294A JP33561294A JPH08172942A JP H08172942 A JPH08172942 A JP H08172942A JP 33561294 A JP33561294 A JP 33561294A JP 33561294 A JP33561294 A JP 33561294A JP H08172942 A JPH08172942 A JP H08172942A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防災と修景とを同時に実現し、沿岸や河川の防
災施設の自然度を格段に高めることができるコンクリー
ト製の植栽基盤 【構成】コンクリート製の容器1の内部に用土2又は多
孔質コンクリート製基盤材17を充填し、これらに苗木
3を植えるとともに、上記用土2又は基盤材17の上部
を透水性コンクリートの層5で覆い、透水性コンクリー
トの層5の表面から上記苗木3を突出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は沿岸、河川の水辺の防災
と修景に寄与するコンクリート製植栽基盤に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、沿岸域や河口域には防災上の観点
から防波堤、護岸、離岸堤、消波ブロックなどの施設が
設置されているが、従来の施設はほとんどがコンクリー
トで固めたり、コンクリートブロックを積み上げたりし
た形式のものばかりである。
【0003】最近はこれらの無機質な人工的防災施設を
人が水辺に親しむための施設としても利用しようとする
考え方が強くなり、河川の岸に遊歩道を作ったり、護岸
の傾斜を緩やかにしたりすることが行なわれている。と
ころが、これらは親水施設とはいっても、遊歩道に彩色
したり、コンクリートの代わりに自然石を使うことによ
って自然度を高めるという程度にすぎず、いってみれば
近づいても危険でない防災施設という構造にしたという
だけであり、人が水辺に親しむという点からは修景上甚
だ不満が残るものであった。
【0004】自然度を高めて積極的な親水効果を出すた
めには、防災施設に草木を植栽することが必要であると
考えられる。
【0005】しかしながら、これらの施設は激しい風雨
や波に晒されやすい場所に設置されるのが通常であるか
ら、草木に養分を補給するための用土をどのように確保
し、波浪による用土の洗掘や流亡をどのようにして防止
するかいう問題や、苗木を直接に植栽した場合に根が十
分に伸展して用土を抱え込む前に風雨や波浪によって倒
されるのをどのように防止するかという問題など、難し
い問題が多々あった。
【0006】
【発明の目的】本発明は前記問題点を解決し、防災と修
景とを同時に実現し、沿岸や河川の防災施設の自然度を
格段に高めて親水効果を向上させることができるコンク
リート製の植栽基盤を提供することをその目的とする。
【0007】
【目的を達成するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るコンクリート製植栽基盤は、コンクリ
ート製の容器の内部に養分供給用の用土を充填し、この
用土に樹木の苗木を植えるとともに、用土の上部をシー
ト状フィルター材で、さらにその上部を透水性コンクリ
ートの層で覆い、この透水性コンクリート層を貫通して
上記樹木の苗木を突出させてなることを特徴とする。
【0008】本発明は、コンクリート製の容器の内部に
充填された植物の小片を含む養分供給用の多孔質コンク
リートの基盤材の表面に凹部を設け、上記基盤材と同質
で樹木の苗木を養成、定着させたブロックを上記凹部に
嵌め込み、上記基盤材及びブロックの上面を透水性コン
クリートの層で覆うとともに、この透水性コンクリート
の層を貫通して上記樹木の苗木を突出させるように構成
してもよい。
【0009】また、本発明は、コンクリート製の容器の
内部に充填された植物の小片を含む養分供給用の多孔質
コンクリートの基盤材の表面に凹部を設け、この凹部に
シート状フィルターで包み込んだ状態で樹木の苗木を植
えた用土のブロックを嵌込み、上記基盤材及び用土ブロ
ックの上面を透水性コンクリートの層で覆うとともに、
この透水性コンクリートの層を貫通して上記樹木の苗木
を突出させるように構成してもよい。
【0010】
【発明の作用、効果】請求項1の発明に係るコンクリー
ト製植栽基盤は、水が自然に供給されるように水際付近
に設置する。苗木は設置個所の自然環境に耐えられるよ
うになるまで安定な外部的・内部的環境の下で育成管理
する。水は上面の透水性コンクリート層から容器内に供
給される。肥料は適宜に供給する。苗木の成育に必要な
条件が満たされて順調に成長した後は植栽基盤を設置し
た部分に緑化された景観が実現される。
【0011】したがって、本発明によれば、次に示す効
果が得られる。 (a) 容器はコンクリート製であり、全体がコンクリート
ブロック状であるから、防災施設と組み合わせることが
できるとともに、苗木は自然木であるから、成長後は沿
岸域や河川域の防災施設に自然の緑を取り込んで修景に
利用し、親水効果を高めることができる。 (b) 搬送可能なので、予め工場等で製作しておいて現場
では植栽基盤を設置すればよいだけなので、工期が短く
て済む。 (c) 苗木は植栽基盤で安定な外部的・内部的環境の下で
根が活着し、設置個所の環境に耐えられるようになるま
で育成管理した後に現場に移送されることになり、この
場合も主に外部環境が変わるだけであるから、環境の変
化に対応していくことができる。したがって、直接に現
場に移植する場合に比べ、定着の確実性が高い。 (d) 用土を樹木の苗木の生育に最適の組成に調整するこ
とが容易である。また、透水性コンクリートの層を通じ
て用土に水を自由に供給できるほか、容器全体が波をか
ぶっても、用土は透水性コンクリート層とシート状フィ
ルター材で覆われているから、波浪によって吸い出され
て流亡することがない。 (e) 容器の大きさを変えることにより水深の深浅への適
応範囲を広くとることができる。
【0012】次に、請求項2の発明に係る植栽基盤によ
れば、上記(a) 〜(c) 及び(e) に準じる効果が得られる
ほか、コンクリート製容器や表層の透水性コンクリート
の層に亀裂や破損が生じても、内部から用土が流出し、
周囲を汚濁する危険はない。
【0013】また、請求項3の発明によれば、上記(a)
〜(e) に準じる効果が得られるほか、コンクリート製容
器や表層の透水性コンクリートの層に亀裂、破損が生じ
ても、内部から用土が流出し、周囲を汚濁する危険は少
なく、また核心部分に用土を使用しているので、樹木の
生育の初期条件は多孔質コンクリート製基盤材よりも優
れている。
【0014】
【実施例】次に、本発明のコンクリート製植栽基盤の実
施例について説明する。なお、図1〜図4の実施例は、
コンクリート製容器の内部に苗木を植え込んだ用土を透
水性コンクリートで覆った例であり、図5及び図6は苗
木の植え込み部分を用土に代えて多孔質コンクリートと
した例であり、さらに図7〜図8は上記2つの例を折衷
したものである。
【0015】図1、図2の植栽基盤はコンクリート製の
容器1の内部に養分供給用の用土2を充填し、この用土
2に樹木の苗木3を植えるとともに、用土2の上部をシ
ート状フィルター材4で、さらにその上部を単層の透水
性コンクリートの層5で覆い、この透水性コンクリート
層5を貫通して上記樹木の苗木3を突出させてなるもの
である。
【0016】ここでは樹木の苗木3としてヤエヤマヒル
ギ(マングローブの一種で樹高1.5m程度のもの)、
用土2は沖縄本島南部に分布する軟質凝灰岩が風化した
もので、養分に富むクチャ(地方名)を主体として調整
した。マングローブには特異な形態の根を出すものが多
く、ヤエヤマヒルギは成長するにつれて幹又は枝からタ
コ足状の支持根(特異根)6を出す。支持根6が進入で
きるように穴7(図1参照)を配した。この穴7を通じ
て施肥も行なう。
【0017】次に、上記植栽基盤を製作するには、まず
容器1の内部に用土2を入れる。容器1はコンクリート
製で、その底部には穴8が形成されている。容器1は波
浪によって破壊されないよう十分な強度が必要で、内部
には鉄筋を配するのが好ましい。用土2は、植栽後に木
に新たな特異根が伸長、進入し、細根を展開して養分吸
収ができるようにするためのもので、容器1の内部に充
填する際、容器1の底部の穴8の内側には不織布などに
よるフィルター10を配置しておく。この穴8の大きさ
は植栽する樹種の性質に応じて決めるが、ヤエヤマヒル
ギの場合、滞水性を好むので、4mm程度とする。
【0018】次に、用土2に樹木の苗木3を植え、用土
2の上をシート状フィルター材4で覆う。さらに図3に
示すようにその周囲に塩化ビニル等の複数のパイプ9を
配置する。このパイプ9は外部と用土2とを連通させる
穴7を作るためのもので、穴7は根の進入、施肥、支柱
の挿入等に合わせて、大きさ、数、配置、深さ、角度等
を決める。基盤材を打設する間、パイプ9の状態を保持
するためには、ワイヤー・メッシュ等に結束すればよ
い。
【0019】苗木3の根元にヤシ繊維シートや杉皮11
を巻き付けた後、その上に透水性コンクリートを打設し
て透水性コンクリートの層5を形成し、パイプ9を抜き
去って穴7を形成することにより、上記植栽基盤が完成
する。
【0020】なお、ヤエヤマヒルギの優勢林分の根の分
布は、0〜20cmの表層で最大となり、それ以下の層で
は急激に減少し、80cm以深にはほとんど分布していな
い。したがって、基準寸法としては、コンクリート層5
の厚さは波浪や流れの条件で約10〜20cmとし、用土
2の厚さを約60〜70cmとし、容器1の深さを90cm
程度に設定すればよい。もちろん、設置個所の条件によ
りこの深さは加減する必要がある。以下の例も同様であ
る。
【0021】上記構成の植栽基盤において、苗木3は設
置個所の自然環境に耐えられるようになるまで安定な外
部的・内部的環境の下で育成管理する。そして、例えば
防波堤の水際又はその付近に設置すればよい。この場
合、苗木3の枝葉の部分は水没しないか、あるいは水没
するにしても短時間であることが必要で、容器1が干潮
時には水面から現われ、満潮時には水面下に没する程度
にする。海水はコンクリート層5からあるいは底部の穴
8から容器1内に十分に供給される。また、肥料は速効
性の化成肥料と大粒の緩効性肥料を使用し、これらを適
宜に供給する。これにより、苗木3には生育に必要な条
件が満たされることになる。苗木3が生育するにしたが
って幹は成長し、太くなるが、根元に巻き付けたヤシ繊
維シートや杉皮11も劣化するので、幹の成長が阻害さ
れることはない。さらに幹の根元が成長、肥大しても、
肥大圧で透水性コンクリートの骨材が外され、成長は阻
害されない。また、幹の下部から新たな特異根が発生し
伸長する。図1に点線で示されるように特異根6はコン
クリート層5の表面を這った後、近くの穴7から内部に
進入し、根元部分の用土2に達して細根が張り、養分を
吸収し、やがて幹を支持するので支持強度が強くなる。
そして、成長後は図9のように植栽基盤を設置した部分
Pには緑化された景観が実現される。
【0022】以上のように、上記構成の植栽基盤によれ
ば、次のような効果が得られる。 (a) 容器1はコンクリート製であり、全体がコンクリー
トブロック状であるから、防災施設と組み合わせること
ができるとともに、苗木3は環境に調和する樹木である
から、防災施設に自然の緑を取り込んで修景効果を発揮
させ、親水効果を高めることができる。 (b) 搬送可能なので、予め工場等で製作しておいて現場
では植栽基盤を設置すればよいだけなので、工期が短く
て済む。 (c) 苗木3は植栽基盤で安定な外部的・内部的環境の下
で根が活着し、自然環境に耐えられるようになるまで育
成管理した後に現場に移送されることになり、この場合
も主に外部環境が変わるだけであるから、環境の変化に
対応していくことができる。したがって、直接に現場に
移植する場合に比べ、定着の確実性が高い。 (d) 容器1内の用土2は苗木3の生育に最適の組成に調
整することが容易である。また、透水性コンクリート層
5を通じて用土2に水を自由に供給できるほか、全体が
波をかぶっても、用土2は透水性コンクリート層5、フ
ィルター材4で覆われているので、波浪によって吸い出
されて流亡することがない。 (e) 容器1の大きさを変えることにより水深の深浅への
適応範囲を広くとることができる。
【0023】なお、ヤエヤマヒルギのような特異な根を
もたない木を植栽する場合は、上述の要領でコンクリー
ト層5に追肥のための穴をいくつか穿つだけでよい。苗
木3は、植栽基盤を水際に設置することによる自然給水
を原則とするので、マングローブのように水になじみ、
一部が水に浸漬しても根腐れを起こさないような苗木3
を選択するのが好ましい。
【0024】また、水になじむ樹木としては、例えば河
川域ではヤナギ類、ウツギ類、ラクウショウ(落羽松)
等のように浸水に強い樹木を選択すればよい。
【0025】容器1の形状も、この例では平面視円形に
形成されているが、だ円形状でも多角形状でも、あるい
は不規則形状でもよい。また、容器1を2個以上連続さ
せ、複数の植栽基盤を連続で組み合わせることもでき
る。
【0026】なお、容器1はわざわざ製作することな
く、図10のように既設の施設を使用することにより同
様な形で利用することができる。同図は階段式護岸を利
用した例で、コンクリートだけではあまり景観が人工的
に過ぎるので、一定の間隔をおいて穴14を明け、ここ
に石を詰めて自然的要素を加味したものがある。このよ
うな穴14の部分を固定容器として利用してもよい。こ
の場合、穴14の底部は基盤15に連続し、上から供給
した水は簡単に底部から排出されてしまうから穴14の
内部に図4のように合成樹脂製のシート16を押し込
む。さらにその内側に不織布によるフィルター材4を押
し込み、その内側に用土2を充填した後、苗木3を植
え、その上部をフィルター材4を折り込んで覆った後、
上部には透水性コンクリート層5を形成する。用土2に
植えた苗木3はコンクリート層5を貫通した形になる。
【0027】合成樹脂製のシート16は固定容器1内に
供給された水が簡単に排水されてしまわないようにする
ものであるが、苗木3の水の要求量に応じて、適宜の小
孔を明けて水が排出されるようにしてもよい。フィルタ
ー材4は内部の用土2が波で吸い出されて流亡しないよ
うにするためのものである。また、礫のブロックは不織
布に対する波の力を弱めて安定させるためのものであ
る。
【0028】次に、図5は用土2を使用しない実施例を
示すもので、この植栽基盤は前記実施例の苗木3の根鉢
及びその周囲の用土2に代えて多孔質コンクリートの基
盤材17を前述の例と同じ構造のコンクリート製容器1
の内部に充填したものである。
【0029】多孔質コンクリートの基盤材17は、コン
クリートの骨材の他に植物の小片を混合したもので、こ
れらの小片としては、例えば松皮、茅、バガスを固めた
もの等を使用すればよい。これらの植物片は水分や養分
を保持する機能を果たし、分解した後は根の進入する空
隙を作る。
【0030】上記植栽基盤は次のように製作する。すな
わち、図6のようにコンクリート製の容器1内にパイプ
9を前述の要領で配置して多孔質コンクリートの基盤材
17を充填し、中央部には凹部12を形成し、養生させ
る。これとは別に上記基盤材17と同じ多孔質コンクリ
ートのブロック13の中央に植栽孔14を形成し、この
植栽孔14に樹木の若い苗木3の根をヤシ繊維等でくる
んだ状態で植付け、給水や施肥により苗木3の根が多孔
質コンクリートブロック13に進入して一体化して定着
したものを養成しておく。次に、植栽ブロック13を容
器1内の凹部12に嵌め込み、その上から透水性コンク
リートを打設して図5の層5を形成し、最後にパイプ9
を抜き取って穴7を形成する。これにより、図5の植栽
基盤が得られる。
【0031】上記構成の植栽基盤も、苗木3が設置場所
の環境に耐えられるようになるまで育成管理してから現
場に設置する。穴7は前述の例と同じく、特異根の進入
や追肥用に利用される。多孔質コンクリートの基盤材1
7の植物の小片に保持された水分や栄養分は苗木3の根
に供給され、その生育を助ける。これらの植物小片は年
月の経過により分解されてしまうが、基盤材17の孔隙
には有機物が蓄積されるので、それから供給される硝酸
態窒素やアンモニア態窒素等は混合した植物片の腐植や
そこに棲息する生物の遺骸の分解物等に吸着・保持さ
れ、それ等や孔隙の側面と苗木3の細根の接触面を通じ
て栄養分が吸収されて成長を続ける。
【0032】なお、これに関連し、海岸や川岸での利用
を考えると、植栽基盤の孔隙や穴に、周囲で生活する小
魚、小エビ、カニをはじめとして、環形動物、多毛類等
の小動物や種々の藻類、微生物等が進入・棲息し、多孔
質コンクリート内の植物片はこれらにより分解されて樹
木の養分になる。当初必要な養分は肥料で供給し、植栽
基盤内に小さな生態系ができると、その中の食物連鎖か
ら採食・分解を通じて養分が供給されるようになる。そ
の生態系が確立すると、植栽した樹木からの落葉、落
枝、古い根等がその食物連鎖を支え、その分解過程で出
てくる種々の分解物は樹木の養分として吸収される、と
いう連環も確立し、施肥も不要になるのである。このこ
とは、自然の状態で泥の堆積のない岩盤やサンゴ礁でさ
えマングローブが生育している実態からしても十分に期
待できる。
【0033】上記実施例によれば、コンクリート製容器
1や表層の透水性コンクリートの層5に亀裂や破損が生
じても、内部から用土2が流出し、周囲を汚濁するおそ
れはないので、土を使いたくない場所に利用することが
できる。例えば、図11のように消波ブロック(の陸
側)と組み合わせて設置すれば、根固め部分の強化と植
栽基盤部分Pの緑化による修景に利用することができ
る。もちろん、護岸堤防の水際部分や人工渚を囲む突堤
に設置してもよい。さらには、街の内部を走る水路の水
際に設定してもよい。
【0034】次に、図7は本発明のコンクリート製植栽
基盤の他の例を示すもので、この植栽基盤は、コンクリ
ート製の容器1の内部には植物の小片を含む養分供給用
の多孔質コンクリートの基盤材17を充填し、基盤材1
7の表面に凹部12を設け、この凹部12にシート状フ
ィルター4aで包み込んだ状態で樹木の苗木3を植え付
けておいた用土ブロック18を嵌め込み、上記基盤材1
7及び用土ブロック18の上面を透水性コンクリートの
層5で覆うとともに、この透水性コンクリートの層5を
貫通して上記樹木の苗木3を突出させたものである。
【0035】次に、上記植栽基盤の製作方法について説
明すると、前述のように、容器1の底部の穴8を不織布
などによるフィルターで塞ぎ、図8(a) のように凹部
12aの部分を除いて塩化ビニル等の複数のパイプ9を
直立に配置する。19はワイヤ・メッシュである。さら
に、多孔質コンクリートを打設して同図(b) のように上
部中央部に凹部12をそなえた多孔質コンクリートの基
盤を形成する。その後、多孔質コンクリート製の基盤材
17の上面に形成された凹部12内にシート状フィルタ
ー4aで包み込んだ状態で樹木の苗木3を植え付けてお
いた用土ブロック18を嵌め込み、基盤材17とフィル
ター材4a上に透水性コンクリート5を打設する。必要
に応じて、この透水性コンクリートに埋まる幹や支持根
6を保護するためにヤシ繊維シートや杉皮11等を巻い
た後に打設する。その後、パイプ9を抜き去ることによ
り、穴7が形成される。苗木3は透水性コンクリート5
を貫通して上方に突出する。これにより、図7の植栽基
盤が得られる。
【0036】上記構成の植栽基盤も、苗木3が自然環境
に耐えられるようになるまで安定な外部的・内部的環境
の下で育成管理した後に現場に移送する。肥料は速効性
の化成肥料と大粒の緩効性肥料を使用し、これらを適宜
に供給することにより、肥大圧で透水性コンクリートの
骨材を外して成長する。したがって、この植栽基盤によ
っても、上述の図1〜図3に示された実施例に準じる効
果が期待できる。
【0037】上記図7の実施例によれば、特に、コンク
リート製容器1や表層の透水性コンクリートの層5に亀
裂、破損が生じても、内部から用土2が流出し、周囲を
汚濁する危険は少ない。また、核心部分に用土2を使用
しているから、樹木の生育の初期条件は図5の多孔質コ
ンクリート製基盤よりも優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る植栽基盤の斜視図
【図2】上記植栽基盤の要部の拡大断面図
【図3】上記植栽基盤の製作態様を示す説明図
【図4】上記植栽基盤の固定容器を利用した場合の例の
説明図
【図5】固定容器を利用した植栽基盤の断面図
【図6】上記植栽基盤の分解斜視図
【図7】上記植栽基盤の他の例を一部断面で示した斜視
【図8】(a) (b) は上記植栽基盤の製作態様を示す説明
【図9】上記植栽基盤の設置状態の他の例の説明図
【図10】一部を固定容器として利用する防災施設の斜
視図
【図11】植栽基盤のさらに他の例を一部断面で示した
斜視図
【符号の説明】
1 容器 2 用土 3 苗木 4 フィルター材 5 透水性コンクリートの層 12 凹部 17 多孔質コンクリートの基盤材 13 多孔質コンクリートのブロック 18 用土ブロック

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート製の容器の内部に養分供給
    用の用土を充填し、この用土に樹木の苗木を植えるとと
    もに、用土の上部をシート状フィルター材で、さらにそ
    の上部を透水性コンクリートの層で覆い、この透水性コ
    ンクリート層を貫通して上記樹木の苗木を突出させてな
    ることを特徴とするコンクリート製植栽基盤。
  2. 【請求項2】 コンクリート製の容器の内部に充填され
    た植物の小片を含む養分供給用の多孔質コンクリートの
    基盤材の表面に凹部を設け、上記基盤材と同質で樹木の
    苗木を養成、定着させたブロックを上記凹部に嵌め込
    み、上記基盤材及びブロックの上面を透水性コンクリー
    トの層で覆うとともに、この透水性コンクリートの層を
    貫通して上記樹木の苗木を突出させたことを特徴とする
    コンクリート製植栽基盤。
  3. 【請求項3】 コンクリート製の容器の内部に充填され
    た植物の小片を含む養分供給用の多孔質コンクリートの
    基盤材の表面に凹部を設け、この凹部にシート状フィル
    ターで包み込んだ状態で樹木の苗木を植えた用土のブロ
    ックを嵌込み、上記基盤材及び用土ブロックの上面を透
    水性コンクリートの層で覆うとともに、この透水性コン
    クリートの層を貫通して上記樹木の苗木を突出させたこ
    とを特徴とするコンクリート性植栽基盤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040032196A (ko) * 2002-10-01 2004-04-17 (주)퓨전바이오테크 정화작용을 가능하게 하는 블록
KR101018247B1 (ko) * 2010-06-14 2011-03-03 손용만 간척지의 고소득 과수 재배를 위한 기반조성 방법 및 그 구조
KR101289723B1 (ko) * 2012-12-26 2013-07-26 산림조합중앙회 경관 기능이 구비된 사방댐
CN104186274A (zh) * 2014-08-27 2014-12-10 成都惠丰生态农业科技有限公司 大型苗木移栽根部保护装置
CN113330879A (zh) * 2021-07-15 2021-09-03 张新峰 一种林业苗木种植压土器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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