JPH08171882A - 集束イオンビーム装置および試料前処理方法 - Google Patents
集束イオンビーム装置および試料前処理方法Info
- Publication number
- JPH08171882A JPH08171882A JP6314459A JP31445994A JPH08171882A JP H08171882 A JPH08171882 A JP H08171882A JP 6314459 A JP6314459 A JP 6314459A JP 31445994 A JP31445994 A JP 31445994A JP H08171882 A JPH08171882 A JP H08171882A
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- JP
- Japan
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- sample
- ion beam
- processing
- coating
- pretreatment method
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Abstract
(57)【要約】
【構成】集束イオンビーム装置において、イオンビーム
照射位置に試料10とコーティング物質11を随時真空
外より入れ替えて設置可能な機構を有し、試料室内でイ
オンビーム9によるスパッタリング現象を用いて試料表
面にコーティング膜を形成する。 【効果】加工時のチャージアップ防止,試料表面の保護
のための前処理が短時間で可能となり、また加工精度の
向上が期待できる。また、コーティング物質が自由に選
択できるため、加工領域のX線分析精度が向上する。
照射位置に試料10とコーティング物質11を随時真空
外より入れ替えて設置可能な機構を有し、試料室内でイ
オンビーム9によるスパッタリング現象を用いて試料表
面にコーティング膜を形成する。 【効果】加工時のチャージアップ防止,試料表面の保護
のための前処理が短時間で可能となり、また加工精度の
向上が期待できる。また、コーティング物質が自由に選
択できるため、加工領域のX線分析精度が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は集束イオンビーム装置お
よび試料前処理方法に関する。
よび試料前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の集束イオンビーム装置では、試料
前処理法としてイオンビームデポジション法によるタン
グステンなどの金属膜付けが行われていた。しかし、こ
の方法では試料に直接イオンビームを照射するため、試
料ダメージや加工面へ金属の付着などの問題を生じ、加
工精度や分析精度の点で難点があった。
前処理法としてイオンビームデポジション法によるタン
グステンなどの金属膜付けが行われていた。しかし、こ
の方法では試料に直接イオンビームを照射するため、試
料ダメージや加工面へ金属の付着などの問題を生じ、加
工精度や分析精度の点で難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、試料
表面への直接的なイオンビーム照射を避けるため、金属
コーティング膜を試料表面に形成する機構を試料ステー
ジ上に設けることにある。
表面への直接的なイオンビーム照射を避けるため、金属
コーティング膜を試料表面に形成する機構を試料ステー
ジ上に設けることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、試料ステージ上に試料とコーティング物質を90度
の角度で近接して設け、これらを角度を変えながらスラ
イド移動する機構によりイオンビーム照射位置に交互に
配置可能な構造とする。また、この移動操作は、真空外
よりつまみで行える構造とする。
に、試料ステージ上に試料とコーティング物質を90度
の角度で近接して設け、これらを角度を変えながらスラ
イド移動する機構によりイオンビーム照射位置に交互に
配置可能な構造とする。また、この移動操作は、真空外
よりつまみで行える構造とする。
【0005】
【作用】本発明によれば、加工,観察用のイオンビーム
を用いて容易に試料コーティングを行うことが可能とな
り、試料表面でのチャージアップや不要なスパッタリン
グを防止できる。したがって、加工やデポジション精度
の向上,試料前処理時間の短縮が可能となる。また、イ
オンビームスパッタリングの可能な材料であればコーテ
ィングできるため、加工,観察,分析の目的や対象試料
に応じて適切なコーティング物質が選択できる。
を用いて容易に試料コーティングを行うことが可能とな
り、試料表面でのチャージアップや不要なスパッタリン
グを防止できる。したがって、加工やデポジション精度
の向上,試料前処理時間の短縮が可能となる。また、イ
オンビームスパッタリングの可能な材料であればコーテ
ィングできるため、加工,観察,分析の目的や対象試料
に応じて適切なコーティング物質が選択できる。
【0006】
【実施例】本発明の実施例を図1,図2,図3,図4を
用いて説明する。図1において引出し電極2からの強電
界によりイオン源1から放出されたGaイオンは、加速
電極3により20〜30keVに加速される。さらに、
集束レンズ4,対物レンズ7により細く絞られるととも
に、ビーム制限絞り5で収差をある程度取り除かれて試
料10上に集束される。また、イオンビーム9は走査電
極6により試料10の表面をX−Y二次元走査を行っ
て、このとき放出される二次電子を二次電子検出器8で
検出して増幅しCRT上にSIM(Scanning Ion Micros
cope)像を表示する(増幅器およびCRTは省略)。試
料表面へのコーティングはイオンスパッタリング現象に
よりコーティング物質11を飛散させて行うが、実際に
はコーティング物質11をイオンビーム9を照射可能な
位置に移動させイオンビーム9に対して45度の傾きで
固定して、スパッタされた物質が試料10の表面に容易
に堆積できるようにする。コーティング物質11及び試
料10の移動は、歯車14を真空外からのリンケージ
(省略)により回転させることによって行う。なお、ラ
ック15は試料ステージ16上に固定されている。ま
た、イオンビーム加工、およびSIM(Scanning Ion Mi
croscope)像観察を行う場合には、試料10をイオンビ
ーム9の照射位置に移動させると同時にイオンビーム9
を試料10に対して垂直に照射させる。さらに、17は
光学顕微鏡、19は試料交換室である。
用いて説明する。図1において引出し電極2からの強電
界によりイオン源1から放出されたGaイオンは、加速
電極3により20〜30keVに加速される。さらに、
集束レンズ4,対物レンズ7により細く絞られるととも
に、ビーム制限絞り5で収差をある程度取り除かれて試
料10上に集束される。また、イオンビーム9は走査電
極6により試料10の表面をX−Y二次元走査を行っ
て、このとき放出される二次電子を二次電子検出器8で
検出して増幅しCRT上にSIM(Scanning Ion Micros
cope)像を表示する(増幅器およびCRTは省略)。試
料表面へのコーティングはイオンスパッタリング現象に
よりコーティング物質11を飛散させて行うが、実際に
はコーティング物質11をイオンビーム9を照射可能な
位置に移動させイオンビーム9に対して45度の傾きで
固定して、スパッタされた物質が試料10の表面に容易
に堆積できるようにする。コーティング物質11及び試
料10の移動は、歯車14を真空外からのリンケージ
(省略)により回転させることによって行う。なお、ラ
ック15は試料ステージ16上に固定されている。ま
た、イオンビーム加工、およびSIM(Scanning Ion Mi
croscope)像観察を行う場合には、試料10をイオンビ
ーム9の照射位置に移動させると同時にイオンビーム9
を試料10に対して垂直に照射させる。さらに、17は
光学顕微鏡、19は試料交換室である。
【0007】図2は試料10及びコーティング物質11
の移動機構の詳細を示すものである。前述のように、コ
ーティング時にはイオンビーム9の照射位置にコーティ
ング物質11を、試料の加工,観察時には試料10を移
動させる。これらは、支持台12上に固定されており支
持台12には歯車13が固定されている。歯車13,歯
車14およびラック15は互いに噛み合わされており、
また支持台12は、側板20に回転可能な形で固定され
ローラ21を介して移動可能な形でラック15に固定さ
れている。歯車14を真空外より回転させることによ
り、ラック15上を移動しながら歯車14が回転して支
持台12の角度が変わる。
の移動機構の詳細を示すものである。前述のように、コ
ーティング時にはイオンビーム9の照射位置にコーティ
ング物質11を、試料の加工,観察時には試料10を移
動させる。これらは、支持台12上に固定されており支
持台12には歯車13が固定されている。歯車13,歯
車14およびラック15は互いに噛み合わされており、
また支持台12は、側板20に回転可能な形で固定され
ローラ21を介して移動可能な形でラック15に固定さ
れている。歯車14を真空外より回転させることによ
り、ラック15上を移動しながら歯車14が回転して支
持台12の角度が変わる。
【0008】図3は、試料加工前にコーティングを行う
必要性を説明するためのものである。図2(a)は試料
10の表面にコーティング膜22を施して垂直にイオン
ビーム加工を行ったものを断面方向から見た例で、コー
ティング膜22は斜めに加工されているが試料10は垂
直に正しく加工されている。一方、図2(b)の無コー
ティングで加工した例では、試料表面の一部が斜めに加
工されている。これはイオンビームの密度分布に起因す
るものであるが、加工精度を大幅に劣化させる。
必要性を説明するためのものである。図2(a)は試料
10の表面にコーティング膜22を施して垂直にイオン
ビーム加工を行ったものを断面方向から見た例で、コー
ティング膜22は斜めに加工されているが試料10は垂
直に正しく加工されている。一方、図2(b)の無コー
ティングで加工した例では、試料表面の一部が斜めに加
工されている。これはイオンビームの密度分布に起因す
るものであるが、加工精度を大幅に劣化させる。
【0009】さらに図4は、イオンビームアシストデポ
ジションおけるコーティング膜の役割を説明するための
ものである。図4(a)は、予め試料10の表面にコー
ティング膜22を施したのちデポジション膜23を形成
したもので、コーティング膜22にはスパッタリングに
よるダメージ(凹凸)がみられるが、試料そのものの表
面にはダメージは生じない。一方、図4(b)のように
直接試料表面にデポジション膜23を形成した場合には
試料表面にダメージを生じる可能性がある。なお、デポ
ジション膜の形成はデポジションガス銃18を用いて行
うが、一般に試料表面に物理吸着させたW(CO)6 に一
次イオンビームを照射し、W(CO)6 をW原子と一酸化
炭素等の気化分子に解離してWを特定領域の試料表面に
堆積させて行う。特に、この作業の初期にこの一次イオ
ンビームによるダメージを生じ易い。
ジションおけるコーティング膜の役割を説明するための
ものである。図4(a)は、予め試料10の表面にコー
ティング膜22を施したのちデポジション膜23を形成
したもので、コーティング膜22にはスパッタリングに
よるダメージ(凹凸)がみられるが、試料そのものの表
面にはダメージは生じない。一方、図4(b)のように
直接試料表面にデポジション膜23を形成した場合には
試料表面にダメージを生じる可能性がある。なお、デポ
ジション膜の形成はデポジションガス銃18を用いて行
うが、一般に試料表面に物理吸着させたW(CO)6 に一
次イオンビームを照射し、W(CO)6 をW原子と一酸化
炭素等の気化分子に解離してWを特定領域の試料表面に
堆積させて行う。特に、この作業の初期にこの一次イオ
ンビームによるダメージを生じ易い。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、試料室内で導電性物質
のコーティングが可能となり試料ダメージやチャージア
ップを軽減できるため、加工精度の向上,前処理時間の
大幅な短縮が期待できる。
のコーティングが可能となり試料ダメージやチャージア
ップを軽減できるため、加工精度の向上,前処理時間の
大幅な短縮が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の説明図。
【図2】試料及びコーティング物質の移動機構の説明
図。
図。
【図3】加工時のコーティング効果の説明図。
【図4】イオンビームアシストデポジションにおけるコ
ーティング効果の説明図。
ーティング効果の説明図。
1…イオン源、2…電極、3…加速電極、4…集束レン
ズ、5…ビーム制限絞り、6…走査電極、7…対物レン
ズ、8…二次電子検出器、9…イオンビーム、10…試
料、11…コーティング物質、12…支持台、13,1
4…歯車、15…ラック、16…試料ステージ、17…
光学顕微鏡、18…デポジションガス銃、19…試料交
換室。
ズ、5…ビーム制限絞り、6…走査電極、7…対物レン
ズ、8…二次電子検出器、9…イオンビーム、10…試
料、11…コーティング物質、12…支持台、13,1
4…歯車、15…ラック、16…試料ステージ、17…
光学顕微鏡、18…デポジションガス銃、19…試料交
換室。
Claims (3)
- 【請求項1】イオンビーム照射位置に試料およびコーテ
ィング物質を交互に配置可能な機構を有し、前記イオン
ビームによる試料加工および試料へのコーティングを随
時切り替え実施することの可能なことを特徴とする集束
イオンビーム装置。 - 【請求項2】加工,観察,分析の少なくともひとつを行
う試料に対して、スパッタ率の小さい無機元素をコーテ
ィングすることを特徴とする集束イオンビーム装置の試
料前処理方法。 - 【請求項3】集束イオンビーム装置によるイオンビーム
アシストデポジション法において、予めスパッタ率の小
さい無機元素を試料表面にコーティングすることを特徴
とする試料前処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6314459A JPH08171882A (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | 集束イオンビーム装置および試料前処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6314459A JPH08171882A (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | 集束イオンビーム装置および試料前処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08171882A true JPH08171882A (ja) | 1996-07-02 |
Family
ID=18053601
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6314459A Pending JPH08171882A (ja) | 1994-12-19 | 1994-12-19 | 集束イオンビーム装置および試料前処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08171882A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002313274A (ja) * | 2001-04-17 | 2002-10-25 | Seiko Instruments Inc | 帯電防止方法とその機能を備えた荷電粒子照射装置 |
JP2007250529A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-09-27 | Fei Co | 荷電粒子ビーム処理のための保護層のスパッタリング・コーティング |
JP2011085533A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-28 | Jeol Ltd | オージェ分析装置における試料表面への導電膜形成方法、オージェ分析装置及びオージェ分析装置用試料ホルダ |
JP2017526152A (ja) * | 2014-07-28 | 2017-09-07 | ジョン アンドリュ ハント | サンプルの準備及びコーティングのためのイオンビーム装置及び方法 |
JP2019040724A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | 株式会社日立製作所 | 加工方法、半導体装置および加工装置 |
JP2019174204A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 三菱マテリアル株式会社 | デポジション膜の形成方法 |
-
1994
- 1994-12-19 JP JP6314459A patent/JPH08171882A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002313274A (ja) * | 2001-04-17 | 2002-10-25 | Seiko Instruments Inc | 帯電防止方法とその機能を備えた荷電粒子照射装置 |
JP2007250529A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-09-27 | Fei Co | 荷電粒子ビーム処理のための保護層のスパッタリング・コーティング |
JP2011085533A (ja) * | 2009-10-16 | 2011-04-28 | Jeol Ltd | オージェ分析装置における試料表面への導電膜形成方法、オージェ分析装置及びオージェ分析装置用試料ホルダ |
JP2017526152A (ja) * | 2014-07-28 | 2017-09-07 | ジョン アンドリュ ハント | サンプルの準備及びコーティングのためのイオンビーム装置及び方法 |
JP2019040724A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | 株式会社日立製作所 | 加工方法、半導体装置および加工装置 |
JP2019174204A (ja) * | 2018-03-27 | 2019-10-10 | 三菱マテリアル株式会社 | デポジション膜の形成方法 |
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