JPH10312765A - 荷電粒子線装置及び荷電粒子線を用いた試料の処理方法 - Google Patents

荷電粒子線装置及び荷電粒子線を用いた試料の処理方法

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JPH10312765A
JPH10312765A JP9125474A JP12547497A JPH10312765A JP H10312765 A JPH10312765 A JP H10312765A JP 9125474 A JP9125474 A JP 9125474A JP 12547497 A JP12547497 A JP 12547497A JP H10312765 A JPH10312765 A JP H10312765A
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charged particle
particle beam
electron beam
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JP9125474A
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Katsuhiko Sakai
克彦 酒井
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料の観察、分析、加工等の処理中に、試料
が帯電することによる不具合を低減する。 【解決手段】 非導電性試料102を観察/処理する場
合、試料近傍に紫外線108を発するランプ107を設
け、試料102に荷電粒子線105を照射中、試料の荷
電粒子線の照射部分、及びその周辺に試料の表面原子を
励起させるのに十分なエネルギーを持つ紫外線を照射す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡や集束
イオンビーム(FIB)装置等の荷電粒子線装置、及び
その荷電粒子線装置を用いた試料の加工、観察、分析等
の方法に関する。
【0002】
【従来の技術】試料の微細領域の像観察や分析のため
に、電子顕微鏡、特に走査型電子顕微鏡(SEM)やF
IB装置等の荷電粒子線装置が用いられている。これら
の荷電粒子線装置は、試料表面に電子線やイオンビーム
等の荷電粒子線を2次元的に照射し、そのとき試料表面
から発する2次電子や特性X線等の信号を検出し、CR
T等に表示することによってを微細領域の像観察や成分
分析を行うものである。このとき、試料表面に電界を形
成し、試料表面から発する2次電子を効率よく検出する
ようにしたものもある。これは、試料表面に電界を形成
することにより、試料表面で発生する2次電子を試料表
面から2次電子検出器の方へ導き、2次電子を効率よく
捕獲検出しようとするものである。
【0003】また、試料の微細加工のためには2次電子
を検出して像観察しながら加工することができるFIB
装置が用いられている。FIB装置は、デポジション機
能、2次イオン質量分析による元素分布解析機能、電位
コントラスト観察の機能等も併せ持っている。LSI用
のマスク製作に当たっては電子ビーム描画装置が用いら
れており、さらに微細なパターン露光のためにイオンビ
ーム描画装置も検討されている。電子ビーム描画装置や
イオンビーム描画装置は、マスクへのパターン露光に使
用するだけではなく、半導体ウェーハ上へ直接パターン
露光するために使用することも検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】荷電粒子線装置による
試料の処理中、特に絶縁物試料の加工、観察、分析の処
理中に、試料が荷電粒子線の照射を受けて帯電すること
よって、さまざまな不具合が生じる。例えば、電子顕微
鏡によって絶縁物試料を観察しようとすると、絶縁物試
料に電子が照射されることで電子の負電荷が絶縁物中に
停滞して試料が帯電し、その帯電電界によって電子ビー
ムの軌道が曲げられてしまって観察像が歪んだり、観察
ポイントが移動して像が全く見えなくなってしまうこと
がある。
【0005】このため、試料にアルミ蒸着等をして試料
表面を導電性にし、帯電が起きないようにしたり、ま
た、帯電が起きない電圧まで電子ビームの加速電圧を低
下させて使用したりしている。しかし、試料表面に導電
性膜を蒸着した場合には試料の破壊観察となり、半導体
ウェーハのような製造工程中の製品の観察にはこの方法
を用いることはできない。
【0006】そこで半導体ウェーハの観察では、電子ビ
ームの加速電圧を絶縁物試料が帯電しない程度(約80
0V程度、又はそれ以下)まで低下させて、観察してい
る。しかし、完全に帯電がない状態にするためには、電
子ビームの加速電圧をさらに下げ、300V程度まです
ることが要求される。電子顕微鏡の像分解能は、一般
に、加速電圧が高い方が良く、加速電圧を下げること
は、直接的に分解能の低下を招く。そのため、従来法に
よる半導体の観察では、他の金属試料の観察よりも高い
分解能が得られ難い。
【0007】また、FIB装置でも試料の帯電によって
所望の位置にイオンビームを照射できなかったり、試料
を帯電によって破壊してしまうことがある。FIB装置
では、プラスのイオンを照射するために、帯電する極性
はほとんどプラスである。したがって、この帯電の中和
にはエレクトロンスプレー等によってマイナスの電子を
供給し、プラスの帯電を中和する方法を用いることもあ
る。しかしこの方法は、帯電する極性が主にマイナスで
ある電子線照射には有効ではない。
【0008】また電子線描画装置では、試料が帯電する
と電子線の軌道が偏向させられ、制御通りの正確なパタ
ーンが描けなくなる。半導体の製造工程では、加工パタ
ーン幅、すなわち所謂デザインルールは、3年で約70
%〜60%のスピードで縮小を進めている。電子顕微鏡
は、その検査工程において重要な役割を担っており、そ
の解像度も年々さらに高度なものが要求されている。試
料表面に電界を形成し、試料表面から発する2次電子を
効率よく検出することもこれらの要求に答える技術の一
つであるが、さらに高度の像質/解像度を実現する技術
が要求されているのが現状である。
【0009】本発明は、このような要求に応えるべくな
されたもので、荷電粒子線装置を用いた試料の観察、分
析、加工等の処理中に、試料が帯電することによる不具
合を低減することができ、より高い像質、解像度及び加
工精度を達成することのできる方法を提供することを目
的とする。本発明の他の目的は、前記方法を実現するこ
とのできる荷電粒子線装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決させるための手段】本発明においては、非
導電性試料を観察/処理する場合、試料近傍に紫外線を
発するランプ等を設け、試料に荷電粒子を照射中、試料
の荷電粒子線の照射部分及びその周辺に試料の表面原子
を励起させるのに十分なエネルギーを持つ電磁波を照射
するようにすることで前記目的を達成する。
【0011】また、この電磁波照射に際し、試料の観
察、分析、加工等の処理を行っている表面領域と、さら
にその表面領域を含み、試料の周辺部等で試料に接触し
ている試料留め具等の金属製の導電性部分との間を連続
的に、かつ同時に、この電磁波で照射するようにした。
さらに、紫外線が試料の微細構造の奥まで達するよう
に、試料の垂直方向から照射するようにした。
【0012】すなわち、本発明は、荷電粒子線を試料に
照射して試料の観察、分析、加工等の処理を行う方法に
おいて、観察、分析、加工等の処理を行っている試料の
領域に、試料の表面原子を励起させるのに十分なエネル
ギーを持つ電磁波を照射しながら試料の観察、分析、加
工等の処理を行うことを特徴とする。また、本発明は、
荷電粒子線源と、荷電粒子線光学系とを有し、荷電粒子
線源から発生された荷電粒子線を荷電粒子線光学系を介
して試料に照射して試料の観察、分析、加工等の処理を
行う荷電粒子線装置において、試料の表面原子を励起さ
せるのに十分なエネルギーを持つ電磁波を発生する電磁
波発生手段を備え、試料の観察、分析、加工等の処理を
行っている領域に前記電磁波を照射する機能を有するこ
とを特徴とする。荷電粒子線光学系は電界レンズ又は磁
界レンズによって構成することができる。
【0013】また、本発明は、電子線源と、電子線光学
系とを有し、電子線源から発生された電子線を電子線光
学系を介して試料に照射して試料の観察、分析、加工等
の処理を行う電子顕微鏡において、試料の表面原子を励
起させるのに十分なエネルギーを持つ電磁波を発生する
電磁波発生手段を備え、試料の観察、分析、加工等の処
理を行っている領域に前記電磁波を照射する機能を有す
ることを特徴とする。
【0014】また、本発明は、イオン源と、イオンビー
ム光学系とを有し、イオン源から発生されたイオンビー
ムをイオンビーム光学系を介して試料に照射して試料の
観察、分析、加工等の処理を行う集束イオンビーム装置
において、試料の表面原子を励起させるのに十分なエネ
ルギーを持つ電磁波を発生する電磁波発生手段を備え、
試料の観察、分析、加工等の処理を行っている領域に前
記電磁波を照射する機能を有することを特徴とする。
【0015】また、本発明は、電子線源と、電子線光学
系とを有し、電子線源から発生された電子線を電子線光
学系を介して試料に照射してワークに所定のパターンを
描画する電子線描画装置において、ワークの表面原子を
励起させるのに十分なエネルギーを持つ電磁波を発生す
る電磁波発生手段を備え、ワークへのパターン描画を行
っている領域に前記電磁波を照射する機能を有すること
を特徴とする。
【0016】前記電磁波は紫外線とし、前記電磁波発生
手段は水銀ランプとすることができる。非金属製の試料
等、電気伝導度の低い絶縁性試料等に荷電粒子線を照射
すると、試料上の照射部分は一般に照射された荷粒子線
の極性と同じ極性に帯電する。例えば、照射する荷電粒
子が電子の場合、一般に試料は負に帯電する。帯電の仕
方や程度は、試料の構造、材質によって異なる。
【0017】そこへ、紫外線を照射すると、試料表面の
原子にエネルギーが与えられ励起されて、励起のエネル
ギーが十分大きければ、その原子は所謂励起子となる。
励記子は、原子にエネルギーが与えられていることによ
り、その構成原子の最外核電子が原子核から更に離れた
軌道を取ることで、原子内での拘束力が弱まる。これら
の励起子が、多量に生成されることにより、その物質内
で導電バンドが形成され、特にその試料表面が導電性を
帯びるようになる。したがって、この紫外線を照射した
領域内で、電位差があれば、電荷(電子)が移動するこ
とで電位が平準化され、帯電が低減、又は解消される。
【0018】さらに、紫外線の照射による試料表面の原
子の励起は、荷電粒子線を照射した時に発生する2次電
子の発生利得にも影響を与える。すなわち、紫外線の照
射で、2次電子が出やすくなる。すなわち、1次電子の
エネルギーに紫外線のエネルギーが付加され、2次電子
の信号量を増すことができる。しかし、照射する電磁波
のエネルギーが高すぎて、試料物質の仕事関数を越える
と、試料表面から光電子が放出されてしまい、SEMの
像コントラストを低下させてしまって逆効果になってし
まう。したがって、照射する電磁波のエネルギーはむや
みに高すぎないよう留意する必要がある。すなわち、試
料物質の仕事関数を越えない程度のエネルギーの電磁波
を照射する必要がある。
【0019】例えば、試料がシリコン(Si)の場合、
その仕事関数Wは、W=4.15eV(=6.64×1
-19J)である。このエネルギーに相当する電磁波の
波長λは、プランク定数をh(=6.63×10-34
・s)、光速度をc(=3.00×108m/s)とし
て、以下のように求められる。 λ=hc/W=3.00×10-7m(=3000Å) したがって、3000Åより長波長の電磁波を照射すれ
ばよい。これには、例えば、水銀ランプのI線(365
0Å)等を用いることができる。また、この波長はフィ
ルター等を用いて選択するようにしても良い。
【0020】電子顕微鏡における像観察において、一定
の荷電粒子線の照射に対し、より多くの2次電子が得ら
れるということは、より多くの像信号が得られるという
ことで、S/N比が改善され、より良い像質の画像が得
られることになる。このことは、絶縁性の試料の観察の
みならず、導電性試料の観察時にも有効な効果が得ら
れ、像質の改善がなされる。
【0021】試料表面から電子が放出され過ぎて、試料
が正に帯電することはない。試料には絶えず負の電子線
が照射されており、また試料が正に帯電すると試料から
放出された電子は、試料の正の電界に引き戻され、試料
が正に帯電することを自動的に抑制する。したがって、
2次電子が放出されなくなれば、試料の電位は負の方向
に進んで、正の帯電を解消する。
【0022】試料上で紫外線が照射されている部分は、
励起されて電気的導通状態となり、局所的な帯電があれ
ばそれを解消する。さらに紫外線は、試料上の残留ガス
も励起し得るので、紫外線に十分なエネルギーがある場
合、この残留ガスもイオン化する。試料が帯電している
と、ガスから生成したイオン又は電子が試料を中和する
ように移動する。したがって、結局試料上は、正でも負
でもない中性の状態に収束するのである。
【0023】非導電性の試料を観察するときには、その
観察を行っている表面領域と、さらにその表面領域を含
み、試料の周辺部等で試料に接触している試料留め具等
の金属の導電性部分との間を連続的に、かつ、同時に、
紫外線等の極短波長電磁波を照射することが望ましい。
例えば電子顕微鏡なら、電子線を照射している試料の観
察領域とその試料を固定している導電性の金具等の間に
空間的に途切れることなく紫外線を照射することによ
り、観察領域と金具の間に導電性のパスを作ることがで
き、観察領域に照射/蓄積された負電荷がこのパスを通
して流れ、帯電を解消するのである。このとき、当然こ
の導電性の固定金具は接地されている必要がある。
【0024】試料の帯電現象が解消されれば、例えば走
査型電子顕微鏡での非金属製試料観察おいて、低加速電
圧で観察する必要性がなくなり、高い電子加速電圧で観
察することができ、分解能の向上が図られる。近年、半
導体プロセスでは、特にアスペクト比の非常に高いホー
ルを形成することが多くなっている。これらのホールの
製造工程を管理する上で、このホールの底の観察を行う
ことの重要性と困難性が認識されている。すなわち、ホ
ールの底を見たいが、なかなか見難いと言うことであ
る。このような場合にもホールの内部に紫外線を照射
し、帯電を抑えると同時に2次電子の利得を上げること
で、ホール底部観察時の像質を向上させることができ
る。
【0025】この場合、ホールは試料表面に垂直に開い
ているので、紫外線も試料にできるだけ垂直に照射する
ことが望ましい。たとえば、試料を少々傾斜させ、その
傾けた方向から紫外線を照射すれば、試料に照射される
紫外線の角度は、垂直に近くなる。なお、試料に照射す
る荷電粒子が正のイオンの場合、試料は正に帯電する。
この場合も前述のメカニズムによって、試料の帯電を解
消することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。説明を簡単にするため、以下の各
図において、同じ機能を果たす部分には同じ番号を付し
て示す。図1は、本発明による電子顕微鏡の一例を示す
模式図である。ここに示すのは、半導体ウェーハ等の大
型試料観察用の走査型電子顕微鏡に本発明を適用した例
である。
【0027】試料室101の中には試料102を載せて
動かすステージ103がある。試料室101は、ターボ
分子ポンプ106等の真空ポンプによって排気されてい
る。試料室101の上には、電子顕微鏡の鏡体104が
ある。鏡体104内には、電子線源111、収束レンズ
112、偏向コイル113、及び対物レンズ114が配
置されている。電子線源111から放出された電子線1
05は、収束レンズ112によって細いビームに収束さ
れ、偏向コイル113によってX,Y方向に走査され
る。偏向コイル113によって偏向された電子線105
は、対物レンズ114によって試料102上に焦点合わ
せされて照射される。電子線105の照射によって試料
102から発生された2次電子115は2次電子検出器
116で検出される。
【0028】試料室101には、試料ウェーハ102の
表面を照射するようにして、紫外線を放出するランプ1
07が取り付けられている。試料室101内の試料ウェ
ーハ102には、電子線105が照射されて試料の観察
が行われると同時に、ランプ107から紫外線108が
照射される。図2は、本発明による電子顕微鏡の他の例
を示す模式図である。図1に示した電子顕微鏡では、ラ
ンプの放熱のためにランプ107を試料室101外に配
置し、紫外線108を良く通すガラス109越しに紫外
線108を試料102に照射している。図2の例では、
真空の試料室101内に紫外線ランプ107を入れてい
る。また、紫外線の光路中に特に高エネルギー(短波
長)の紫外線108のみを通すフィルター117を挿入
すると、試料102に不要なエネルギーを与えて過熱し
たりすることを抑制できる。
【0029】また、さらにこのフィルター117を適度
に用いることにより、エネルギーを調節でき、試料から
光電子が放出されることを抑えることもできる。さら
に、半導体ウェーハのように重金属による汚染を嫌う試
料にとっては、このフィルターが遮蔽板となり、光源か
らの汚染物質の飛来を阻止することができるという点で
も大変有効である。また、後述する図4においても、反
射鏡を用い、試料から光源を直線的に見渡すことがない
ように構成することで試料の汚染を阻止することができ
る。
【0030】紫外線ランプ107から放射された紫外線
108は、試料102上で電子線105が照射されてい
る領域と、試料102の外周で試料102を押さえてい
る導電性の留め金具110a,110bとの間を連続的
に同時に照射している。このことにより、電子線105
が照射されている領域と留め具110a,110bの間
に電流が流れることを可能にし、電子線照射による試料
102の帯電現象を解消することができる。
【0031】図1及び図2に示した電子顕微鏡による
と、紫外線108を照射しながら試料102に電子線1
05を照射するので、試料102が帯電することはな
い。したがって、従来より高い電子加速電圧で試料を観
察することができるため、高分解能観察が可能になる。
すなわち、走査電子顕微鏡で絶縁物試料の観察を行う場
合、従来は試料の帯電を避けるため加速電圧を1kV以
下としていたが、本発明の電子顕微鏡では試料102が
帯電する心配がないため、加速電圧を10〜20kVと
することができ高分解能の像観察ができる。また、紫外
線108の照射によって、試料102から従来より多く
の2次電子が放出されるので、S/N比の高いより鮮明
な像観察が可能となる。
【0032】図3は、本発明による電子顕微鏡の他の例
を示す模式図である。図3に示した電子顕微鏡では、試
料102の垂直方向に環状の紫外線光源120を配置し
ている。光源120が試料102の表面に対して垂直上
方に位置し、光源120から放射された紫外線が試料1
02の表面にほぼ垂直に照射されるので、試料102上
にある深い溝やホール121等の奥まで紫外線108が
達する。したがって、溝やホール121の底の帯電が解
消されると共に、底部からの2次電子信号量も増え、底
部の像質が改善される。
【0033】図4は、本発明による電子顕微鏡の他の例
を示す模式図である。図4に示した電子顕微鏡は、試料
102の表面にほぼ垂直な方向から紫外線108を照射
する第2の例である。鏡体104の側部に光源125を
配置し、中心部に電子線105の通る穴の開いた楕円面
鏡126を鏡体104の内部に配置した。このような構
造を採用することにより、試料室101内に光源125
を持ち込むことなく、試料102の電子線照射領域に紫
外線108を照射し得る。また、この場合、試料102
から光源125が直線的に見渡せないので、光源から試
料に汚染物質が飛来することがない。
【0034】図5は、本発明による電子顕微鏡の他の例
を示す模式図である。この例では、鏡体104の側部に
光源125を配置し、中心部に電子線105の通る穴の
開いた楕円面鏡126を鏡体104の内部に配置すると
ともに、試料の上方に環状の光源120を配置してい
る。このような構造を採用することにより、光源125
によって試料102の表面にほぼ垂直な方向から深い溝
やホール121等の奥まで達するように紫外線108を
照射することができる。それと同時に、環状光源120
から照射される紫外線によって、試料102上で電子線
105が照射されている領域と、試料102の外周で試
料102を押さえている導電性の留め金具110a,1
10bとの間を連続的かつ同時に照射し、電子線105
が照射されている領域と留め具110a,110bの間
に電流が流れることを可能にしている。したがって、電
子線照射による試料102の帯電現象を解消することが
できる。
【0035】ここでは、電子顕微鏡についてのみ説明し
た。しかし、本発明は電子顕微鏡に限らず、電子線描画
装置やFIB装置など、電子線やイオンビーム等の荷電
粒子線を照射して試料の加工、観察、分析等の処理を行
う他の荷電粒子線装置にも同様に適用できる。
【0036】
【発明の効果】本発明によると、荷電粒子装置において
絶縁物試料の処理中に試料が帯電することによる不具合
を低減させることができる。すなわち電子顕微鏡では、
試料に金属被膜の蒸着等を施す必要もなくなるので試料
観察が簡便になり、さらに電子の加速電圧も低下させな
くても帯電なしに絶縁物試料の観察ができるので、電子
顕微鏡の像分解能を飛躍的に向上させることができる。
【0037】また電子線描画装置では、試料の帯電によ
って電子線の軌道が偏向させられることなく描画できる
ので、制御通りの正確なパターンが描ける。またさらに
FIB装置でも、電子顕微鏡と同様に帯電によつてビー
ムが異常に偏向したり、試料がダメージを受けたりする
ことがなくなる。さらにまた、荷電粒子線を試料表面に
照射したときに発生する2次電子の量が増大されるの
で、S/N比の良い良好な像が観察されるという効果が
得られる。
【0038】これらの各効果が相乗的に働くことによ
り、荷電粒子装置としての性能を飛躍的に向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子顕微鏡の一例を示す模式図。
【図2】本発明による電子顕微鏡の他の例を示す模式
図。
【図3】本発明による電子顕微鏡の他の例を示す模式
図。
【図4】本発明による電子顕微鏡の他の例を示す模式
図。
【図5】本発明による電子顕微鏡の他の例を示す模式
図。
【符号の説明】
101…試料室、102…試料、103…ステージ、1
04…鏡体、105…電子線、106…ターボ分子ポン
プ、107…紫外線ランプ、108…紫外線、109…
紫外線透過ガラス、110a,110b…試料留め金
具、111…電子線源、112…収束レンズ、113…
偏向コイル、114…対物レンズ、115…2次電子、
116…2次電子検出器、117…フィルター、120
…光源、121…試料上の深い溝又はホール、125…
光源、126…楕円面鏡

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荷電粒子線を試料に照射して試料の観
    察、分析、加工等の処理を行う方法において、観察、分
    析、加工等の処理を行っている試料の領域に、試料の表
    面原子を励起させるのに十分なエネルギーを持つ電磁波
    を照射しながら試料の観察、分析、加工等の処理を行う
    ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記電磁波を試料表面にほぼ垂直に照射
    することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記電磁波を、試料の観察、分析、加工
    等の処理を行っている表面領域と、前記試料に接触して
    いる導電性部分との間に連続的かつ同時に照射すること
    を特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 荷電粒子線源と、荷電粒子線光学系とを
    有し、前記荷電粒子線源から発生された荷電粒子線を前
    記荷電粒子線光学系を介して試料に照射して試料の観
    察、分析、加工等の処理を行う荷電粒子線装置におい
    て、試料の表面原子を励起させるのに十分なエネルギー
    を持つ電磁波を発生する電磁波発生手段を備え、試料の
    観察、分析、加工等の処理を行っている領域に前記電磁
    波を照射する機能を有することを特徴とする荷電粒子線
    装置。
  5. 【請求項5】 前記電磁波発生手段は前記電磁波を、試
    料の観察、分析、加工等の処理を行っている表面領域に
    ほぼ垂直に照射することを特徴とする請求項4記載の荷
    電粒子線装置。
  6. 【請求項6】 前記電磁波発生手段は前記電磁波を、試
    料の観察、分析、加工等の処理を行っている表面領域
    と、試料に接触している導電性部分との間に連続的かつ
    同時に照射することを特徴とする請求項4又は5記載の
    荷電粒子線装置。
  7. 【請求項7】 前記電磁波は紫外線であり、前記電磁波
    発生手段は水銀ランプであることを特徴とする請求項4
    〜6のいずれか1項記載の荷電粒子線装置。
  8. 【請求項8】 前記電磁波発生手段と試料との間に、透
    過電磁波の波長を選択するフィルターを挿入したことを
    特徴とする請求項4〜7のいずれか1項記載の荷電粒子
    線装置。
  9. 【請求項9】 前記電磁波発生手段から発生された電磁
    波を反射鏡を介して試料に照射し、試料から前記電磁波
    発生手段を直線的に見渡すことがないように構成したこ
    とを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項記載の荷電
    粒子線装置。
  10. 【請求項10】 電子線源と、電子線光学系とを有し、
    前記電子線源から発生された電子線を前記電子線光学系
    を介して試料に照射して試料の観察、分析、加工等の処
    理を行う電子顕微鏡において、試料の表面原子を励起さ
    せるのに十分なエネルギーを持つ電磁波を発生する電磁
    波発生手段を備え、試料の観察、分析、加工等の処理を
    行っている領域に前記電磁波を照射する機能を有するこ
    とを特徴とする電子顕微鏡。
  11. 【請求項11】 イオン源と、イオンビーム光学系とを
    有し、前記イオン源から発生されたイオンビームを前記
    イオンビーム光学系を介して試料に照射して試料の観
    察、分析、加工等の処理を行う集束イオンビーム装置に
    おいて、試料の表面原子を励起させるのに十分なエネル
    ギーを持つ電磁波を発生する電磁波発生手段を備え、試
    料の観察、分析、加工等の処理を行っている領域に前記
    電磁波を照射する機能を有することを特徴とする集束イ
    オンビーム装置。
  12. 【請求項12】 電子線源と、電子線光学系とを有し、
    前記電子線源から発生された電子線を前記電子線光学系
    を介して試料に照射してワークに所定のパターンを描画
    する電子線描画装置において、ワークの表面原子を励起
    させるのに十分なエネルギーを持つ電磁波を発生する電
    磁波発生手段を備え、ワークへのパターン描画を行って
    いる領域に前記電磁波を照射する機能を有することを特
    徴とする電子線描画装置。
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