JPH08157728A - 末端イソシアネートシロキサンによる樹脂の変性方法 - Google Patents

末端イソシアネートシロキサンによる樹脂の変性方法

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JPH08157728A
JPH08157728A JP33214994A JP33214994A JPH08157728A JP H08157728 A JPH08157728 A JP H08157728A JP 33214994 A JP33214994 A JP 33214994A JP 33214994 A JP33214994 A JP 33214994A JP H08157728 A JPH08157728 A JP H08157728A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(I)で示される片末端ハイドロ
ジェンシロキサンと、一分子中に1個のイソシアネート
基と少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有し、
下記一般式(II)で示されるイソシアネート基含有有
機けい素化合物とを付加反応させることにより得られる
片末端イソシアネートシロキサンを用いて、側鎖にイソ
シアネート基と反応し得る基を有する樹脂を変性させる
ことを特徴とする片末端イソシアネートシロキサンによ
る樹脂の変性方法。 【化1】 【化2】 【効果】 本発明の片末端イソシアネートシロキサンに
よる樹脂の変性方法によれば、樹脂のゲル化や裏移りの
問題がなく、表面のすべり性の良好な変性樹脂を工業的
に有利に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂のゲル化や裏移り
等の問題がなく、工業的に有利に片末端イソシアネート
シロキサンを用いて樹脂を変性することができる片末端
イソシアネートシロキサンによる樹脂の変性方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】片末端
イソシアネートシロキサンによる樹脂の変性方法に関し
ては、特公平4−41693号公報のように片末端カル
ビノールシロキサンをHDI(ここで、HDIはヘキサ
メチレンジイソシアネートの略であり、ジイソシアネー
トの一例として例示したが、HDI以外の使用可能なジ
イソシアネートとしてトリレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシ
アネート等が例示される)と反応させることにより片末
端イソシアネートシロキサンに誘導し、この化合物によ
り樹脂を変性する方法が提案されている。
【0003】しかし、上記方法では、HDIを過剰に使
用することからHDIが残存するため、側鎖に対イソシ
アネート反応性の官能基を多数有する樹脂を用いて変性
樹脂を合成する場合には、不純物による樹脂のゲル化の
問題があった。また、この方法では、HDIを大過剰に
使用しないと、HDIの2個のイソシアネートの両方に
カルビノールシロキサンが付加した、樹脂とは反応しな
いシロキサン化合物が副生してしまい、この反応生成物
を利用して変性樹脂を合成して巻き物とすると、結果と
して未反応のシリコーンが表面に移行し、裏移りの問題
が生じてしまうという欠点があった。
【0004】従って、上記問題がない片末端イソシアネ
ートシロキサンによる樹脂の変性方法の開発が望まれ
る。
【0005】本発明は上記要望に応えるためになされた
もので、樹脂のゲル化や裏移りの問題がなく、表面のす
べり性の良好な変性樹脂を与え、工業的に有利に片末端
イソシアネートシロキサンにより樹脂を変性する方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式
(I)で示される片末端ハイドロジエンシロキサンと、
一分子中に1個のイソシアネート基と少なくとも1個の
不飽和炭化水素基とを有し、下記一般式(II)で示され
るイソシアネート基含有有機けい素化合物とを付加反応
させることにより得られる片末端イソシアネートシロキ
サン、又は一般式(III )で示される片末端一級アミノ
シロキサンをイソシアネート化することにより得られる
下記一般式(IV)で示される片末端イソシアネートシロ
キサンを用いて、側鎖にイソシアネート基と反応し得る
基を有する樹脂を変性させることにより、片末端イソシ
アネートシロキサンにより樹脂を満足に変性し得ること
を知見した。
【0007】
【化4】
【0008】
【化5】
【0009】
【化6】
【0010】即ち、本発明者は、特開平6−25666
1号公報にm−イソプロペニル−α,α−ジメチルイソ
シアネート(m−TMI)を使用した片末端イソシアネ
ートシロキサンの合成法を提案したが、この方法はハイ
ドロジエンシロキサンとm−TMIとの付加反応性にバ
ラツキが多く、反応性が悪い場合には反応の完結に50
時間以上必要であった。これに対して本発明に係わる上
記した片末端イソシアネートシロキサンの合成法は、m
−TMIを使用した場合と比較して付加反応に要する時
間が短く、10時間以内で付加反応が完結する上、変性
樹脂を合成する際に問題となる不純物(ジイソシアネー
ト化合物、イソシアネート非含有シロキサン化合物)の
含量が少なく、しかも樹脂と反応しないシロキサン化合
物の副生もなく、優れた片末端イソシアネートシロキサ
ンが得られる。それ故、本発明の片末端イソシアネート
シロキサンによる樹脂の変性方法は、不純物による樹脂
のゲル化の問題や、未反応のシリコーンによる裏移りの
問題が生じない上、表面すべり性に優れた変性樹脂を工
業的に有利に製造できるものである。
【0011】従って、本発明は、上記一般式(I)で示
される片末端ハイドロジェンシロキサンと、上記一般式
(II)で示される一分子中に1個のイソシアネート基と
少なくとも1個の不飽和炭化水素基を有するイソシアネ
ート基含有有機けい素化合物とを付加反応させることに
より得られる片末端イソシアネートシキロサンを用い
て、側鎖にイソシアネート基と反応し得る基を有する樹
脂を変性することを特徴とする片末端イソシアネートシ
ロキサンによる樹脂の変性方法、及び、上記一般式(II
I )で示される片末端一級アミノシロキサンをイソシア
ネート化することにより得られる上記一般式(IV)で示
される片末端イソシアネートシロキサンを用いて、側鎖
にイソシアネート基と反応し得る基を有する樹脂を変性
させることを特徴とする片末端イソシアネートシロキサ
ンによる樹脂の変性方法を提供する。
【0012】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の片末端イソシアネートシロキサンによる樹
脂の変性方法の第1発明は、下記一般式(I)で示され
る片末端ハイドロジェンシロキサンと、一分子中に1個
のイソシアネート基と少なくとも1個の不飽和炭化水素
基を有し、下記一般式(II)で示されるイソシアネート
基含有有機けい素化合物とを付加反応させることにより
得られる片末端イソシアネートシロキサンを用いて、側
鎖にイソシアネート基と反応し得る基を有する樹脂を変
性させることを特徴とするものである。
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】上記式(I)の片末端ハイドロジエンシロ
キサンにおいて、R1 乃至R7 としては、例えばメチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、ビニ
ル、アリル等のアルケニル基、フェニル基等のアリール
基、ベンジル基等のアラルキル基や、これらの基の一部
又は全部をハロゲン原子で置換したハロゲン化炭化水素
基等が挙げられるが、好ましくは脂肪族不飽和結合を有
さない基である。
【0016】また、nは1以上の整数であるが、10〜
150が好適である。nが10より小さいとシロキサン
変性により得られる表面特性が十分でない場合があり、
150を超えるとシロキサンの樹脂へのグラフト反応が
遅くなったり、困難になる場合がある。
【0017】一方、式(II)のイソシアネートシリコー
ン化合物において、R8 〜R12としては、上記R1 〜R
7 で例示した基と同様の基を挙げることができるが、そ
の少なくとも1個はアルケニル基のような脂肪族不飽和
基である。また、R13は炭素数1〜12、好ましくは1
〜6の二価炭化水素基で、アルキレン基、アリーレン基
などや、その一部又は全部の水素原子をハロゲン原子に
置換した基が挙げられる。
【0018】また、mは0以上の整数であるが、好まし
くは0〜3である。
【0019】このようなイソシアネートシリコーン化合
物としては、具体的に下記化合物を例示することができ
る(式中、Meはメチル基である。以下同様)。
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】上記式(I)の片末端ハイドロジェンシロ
キサンと上記式(II)のイソシアネートシリコーン化合
物との付加反応は、白金系触媒を使用して公知の方法で
行うことができる。
【0023】上記付加反応では、反応溶媒は使用しなく
てもよいが、使用する場合にはエステル系、ケトン系、
エーテル系、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系の溶
媒が好適に使用される。溶媒の使用量は、片末端ハイド
ロジェンシロキサン量の1/2〜2倍程度が好ましい。
【0024】また、白金系触媒としては、通常行なわれ
ているハイドロシリレーション反応に用いられている公
知の触媒でよいが、塩化白金酸又はその誘導体が好適で
あり、塩化白金酸の塩素を中和し、ビニルシロキサンと
のコンプレックスとしたものが例示される。白金系触媒
の使用量は触媒量でよく0.1〜1000ppmである
ことが好ましい。
【0025】更に、上記反応において、反応温度は0〜
200℃、特に50〜120℃が好適であり、反応時間
は通常10時間以内で十分である。
【0026】次に、本発明の第二発明の片末端イソシア
ネートシロキサンによる樹脂の変性方法は、下記一般式
(III )で示される片末端一級アミノシロキサンをイソ
シアネート化することにより得られる下記一般式(IV)
で示される片末端イソシアネートシロキサンを用いて、
側鎖にイソシアネート基と反応し得る基を有する樹脂を
変性することを特徴とするものである。
【0027】
【化11】
【0028】上記式(III )において、R14乃至R20
しては、上記式(I)で例示したR1 〜R7 と同様の基
が例示され、R21としては、R13と同様の基が挙げられ
る。また、pは1以上、好ましくは10〜150の範囲
の整数であり、pが10より小さいとシロキサン変性に
より得られる表面特性が十分でない場合があり、150
を超えるとシロキサンの樹脂へのグラフト反応が遅くな
ったり、困難になる場合がある。
【0029】上記式(III )の片末端アミノシロキサン
は、公知の方法により合成することができ、例えば対応
するニトリルシロキサンを水添してアミノシロキサンに
誘導する方法や、片末端シラノール化合物に下記に例示
されるようなアミノ化試剤を反応させる方法などにより
合成することができる。
【0030】
【化12】
【0031】また、対応する片末端ハイドロジエンシロ
キサンに例えば下記式(V)で示されるようなケチミン
化合物を付加して脱ケトン化するか、あるいは例えば下
記式(VI)で示されるようなシリル誘導体を付加して脱
トリメチルシリル化することによっても合成可能であ
る。
【0032】
【化13】
【0033】上記片末端アミノシロキサンのイソシアネ
ート化は、塩基性物質存在下でホスゲン又はクロロギ酸
エステルを作用させた後、この反応生成物を熱分解する
ことによって得ることができる。
【0034】ホスゲンによるイソシアネート化は、特開
平6−228161号公報に記載されている方法により
行うことができる。なおこの方法では、下記反応式で示
されるようにアミノシロキサンとホスゲンを反応させる
と多量の塩酸が発生し、この塩酸によってシロキサン結
合が切断されるので、3級アミン等の塩基性物質で塩酸
を中和し、シロキサン結合の切断反応を防止する必要が
ある。
【0035】
【化14】
【0036】上記反応においてはアミノ基1モルとホス
ゲン1モルとの反応で塩酸が2モル発生するので、塩基
性物質も2モル以上の過剰量使用するのが望ましい。
【0037】反応手順としては、例えばホスゲンを有機
溶媒に吹き込んで溶解し、これにアミノシロキサンと塩
基性物質の混合溶液(場合により有機溶媒を使用しても
よい)を滴下して反応させ、熟成させればよい。この反
応において、反応温度は−50〜150℃、特に−10
〜100℃が望ましく、熟成時間は反応温度50℃以上
であれば3時間以内で十分である。熟成終了後、塩基性
物質の塩酸塩を濾過するか、水洗除去し、溶媒を減圧留
去することにより、目的の上記式(IV)で示される片末
端イソシアネートシロキサンを得ることができる。
【0038】また、片末端アミノシロキサンのクロロギ
酸エステルによるイソシアネート化は、特開平6−11
6390号公報に記載の方法に従って行うことができ
る。
【0039】この方法は、片末端1級アミノシロキサン
に塩基性物質の存在下でクロロギ酸エステルを反応させ
て一端カルバメートとし、これを熱分解(アルコール脱
離)してイソシアネートシロキサンとするものである。
【0040】ここで使用されるクロロギ酸エステルとし
ては、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル等のアルキ
ルエステル、クロロギ酸フェニル等のアリールエステル
などが例示されるが、中でも熱分解温度が低いことから
クロロギ酸フェニルが最も好ましい。また、塩基性物質
としては、上記ホスゲン使用の方法で用いたものと同様
のものを使用することができる。
【0041】片末端1級アミノシロキサンとクロロギ酸
エステル、塩基性物質の使用割合はモル比で1/1/1
であることが好ましいが、反応を完結させるためにクロ
ロギ酸エステルを片末端1級アミノシロキサン1モルに
対して1.0〜1.1モル、塩基性物質を1.1〜1.
2モルとするのがより好ましい。
【0042】反応手順としては、片末端アミノシロキサ
ンと塩基性物質の混合物に対し、クロロギ酸エステルを
滴下し、熟成させる。熟成終了後に塩基性物質の塩酸塩
を濾過あるいは水洗除去し、溶媒を減圧留去することよ
り対応するカルバメートシロキサンを得る。これをクロ
ロギ酸フェニルを反応させた場合、200℃以下の温度
で減圧下で熱分解し、分解により生成したフェノールを
留去することにより目的の上記式(IV)で示される片末
端イソシアネートシロキサンを得ることができる。
【0043】この反応において、反応温度は−50〜1
50℃、特に10〜100℃とすることが好ましい。
【0044】本発明では、このようにして得られた片末
端イソシアネートシロキサンを用いて樹脂を変性する。
この場合、樹脂としては、側鎖にイソシアネート基と反
応し得る基を有する樹脂であれば種々のものを用いるこ
とができる。具体的にはアセタール樹脂、ポリエステル
ポリオール樹脂、セルロース樹脂、エポキシポリオール
樹脂、ポリウレタンポリオール樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステルウレタン樹脂、ポリエーテルウレタン
樹脂、アクリルポリオール樹脂、ポリビニルアルコール
樹脂、エチレン/ビニルアルコール樹脂、塩化ビニル/
酢酸ビニル/ビニルアルコール共重合体、ポリカーボネ
ートポリオール樹脂等が例示される。
【0045】また、片末端イソシアネートシロキサンと
樹脂との反応は、通常のイソシアネート化合物による樹
脂の変性と同様に行うことができ、片末端イソシアネー
トシロキサンと樹脂とを樹脂のOH、NH2 、SH基等
の活性水素よりイソシアネートのモル数が少なくなるよ
うな割合で混合し、室温〜150℃、特に50〜100
℃で1〜10時間、特に2〜5時間反応させることが望
ましい。片末端イソシアネート化合物を活性水素のモル
数より多く使用すると未反応物を除去する必要が生じる
ことがある。
【0046】上記反応は溶媒を使用しなくてもよいが、
樹脂との混合性、反応効率、反応制御の点からは溶媒を
使用することが望ましい。溶媒としては、例えは活性水
素を有さないトルエン、キシレン、ジブチルエーテル、
酢酸エチル、ヘキサン等を使用することが望ましい。溶
媒の使用量は、特に制限されないが、樹脂と同量から1
0倍程度であることが好ましい。
【0047】更に、触媒を用いなくても反応は進行する
が、反応を短時間で完結させるために触媒の添加が望ま
しい。触媒としては、ポリウレタンの製造に通常使用さ
れているものが好適であり、具体的にジブチルすずジラ
ウレート、ジブチルすずジオクテート等の有機すず化合
物、トリエチルアミン、N−エチルモルホリン、N,
N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミ
ン、1,4−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン
−7等の3級アミンが例示される。これら触媒の使用量
は、片末端イソシアネートシロキサンに対して0.01
〜20重量%、特に0.1〜2重量%が好適である。
【0048】
【発明の効果】本発明の片末端イソシアネートシロキサ
ンによる樹脂の変性方法によれば、樹脂のゲル化や裏移
りの問題がなく、表面のすべり性の良好な変性樹脂を工
業的に有利に製造することができる。
【0049】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例を示して本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限
されるものではない。
【0050】〔合成例1〕滴下ロート、冷却管、温度
計、撹拌装置を備えたフラスコに下記式(1)で示され
る化合物37.2g(0.22モル)を仕込み、窒素通
気下で70℃に昇温し、これに塩化白金酸16.4mg
(2×104 モル)を添加した後、下記式(2)で示さ
れる化合物304g(0.2モル)を70〜80℃の温
度で滴下した。滴下後80〜90℃で5時間熟成し、S
iHの残存を定量したところ、反応率97%であった。
【0051】
【化15】
【0052】得られた淡褐色透明液体をNMR、元素分
析により同定したところ、下記式(3)で示される化合
物であることが確認された。
【0053】
【化16】
【0054】〔合成例2〕上記式(1)の化合物の代わ
りに下記式(4)で示される化合物53.5g(0.2
2モル)を仕込み、同様に反応を行った。5時間熟成
後、反応率は97%だった。
【0055】
【化17】
【0056】得られた淡褐色透明液体をNMR、元素分
析により同定したところ、下記式(5)で示される化合
物であることが確認された。
【0057】
【化18】
【0058】〔合成例3〕滴下ロート、冷却管、温度
計、撹拌装置、ガス導入管を備えたフラスコ内を窒素置
換した後、トルエン200gを仕込み、約12g(約
0.12モル)のホスゲンを吹き込んだ。次いで、この
フラスコに下記式(6)で示される化合物158g
(0.1モル)とトリエチルアミン25.3g(0.2
5モル)の混合液を0℃で滴下し、その後、50℃で1
時間熟成した。反応液を濾過し、濾液中のトルエンを減
圧留去することにより淡黄色透明液体を得た。得られた
液体をNMR、元素分析により同定したところ、下記式
(7)で示される化合物であることが確認された。
【0059】
【化19】
【0060】〔合成例4〕滴下ロート、冷却管、温度
計、撹拌装置を備えたフラスコ内を窒素置換した後、ト
ルエン200g、下記式(8)で示される化合物159
g(0.1モル)とトリエチルアミン14.1g(0.
14モル)を仕込んだ。次いで、このフラスコにクロロ
ギ酸フェニル18.7g(0.12モル)を室温で滴下
し、60℃で3時間熟成を行った。トリエチルアミンの
塩酸塩を濾別し、トルエンを減圧下留去することにより
淡黄色透明液体が得られた。これを5mmHg減圧下、
180℃で熱分解を3時間行ったところ、NMR、元素
分析により下記式(9)で示される化合物が得られたこ
とが確認された。
【0061】
【化20】
【0062】〔実施例1〕滴下ロート、冷却管、温度
計、撹拌装置を備えたフラスコにビニルブチラール/ビ
ニルアルコール/酢酸ビニル共重合体からなるアセター
ル樹脂・エスレックBX−1 (積水化学社製)100
g、酢酸エチル300g、トルエン300g及びジブチ
ルすずジラウレート0.1gを仕込み、70℃で樹脂を
溶解した後、合成例1で得られた上記式(3)で示され
る片末端イソシアネートシロキサン10gを滴下し、7
0〜80℃で6時間反応させた。残存イソシアネートを
定量したところ、反応率は96%であった。
【0063】〔実施例2〕エスレックBX−1の代わり
にアクリディックA−817(大日本インキ社製)20
0g(MMA/スチレン/HEMA共重合体、固形分5
0%)を使用する以外は実施例1と同様に変性を行っ
た。6時間反応後の反応率は97%であった。
【0064】〔実施例3〕エスレックBX−1の代わり
にアジピン酸/エチレングリコール縮合体からなるポリ
エステルポリオール樹脂アデカニューエースF15−2
0(旭電化社製)100gを使用する以外は実施例1と
同様に変性を行った。6時間反応後の反応率は97%で
あった。
【0065】〔実施例4〕片末端イソシアネートシロキ
サンとして合成例2で得られた上記式(5)で示される
化合物を使用する以外は実施例1と同様に変性を行っ
た。6時間反応後の反応率は98%であった。
【0066】〔実施例5〜7〕片末端イソシアネートシ
ロキサンとして合成例3で得られた上記式(7)で示さ
れる化合物を使用する以外は実施例1〜3とそれぞれ同
様に変性を行った。それぞれの6時間反応後の反応率は
95%、97%、96%であった。
【0067】〔実施例8〕片末端イソシアネートシロキ
サンとして合成例4で得られた上記式(9)で示される
化合物を使用する以外は実施例4と同様に変性を行っ
た。6時間反応後の反応率は95%であった。
【0068】〔比較例1〕片末端イソシアネートシロキ
サンとして下記構造式(10)で示される化合物(HD
I対シロキサン0.5モル過剰)を10g使用する以外
は実施例1と同様に変性を行った。イソシアネートシロ
キサンを滴下中に増粘し、ゲル化した。
【0069】
【化21】
【0070】〔比較例2〜4〕比較のため、実施例1〜
3で使用した樹脂を片末端イソシアネートシロキサンと
反応させることなくそのまま酢酸エチル/トルエンに溶
解した評価用の試料とした。
【0071】得られた試料の表面特性を下記方法で評価
した。結果を表1に示す。
【0072】表面特性の評価方法:上記実施例及び比較
例で得られた試料をガラスに塗布、乾燥し、水の接触角
を測定した。また、PETフィルムに塗布、乾燥後、別
のPETフィルムを塗工面に重ね合わせ、20g/cm
2 の荷重をかけた状態で60℃/48時間放置後、転写
面の表面張力をぬれ指数標準液で測定した。
【0073】表1の結果より、本発明の製造方法により
得られる片末端イソシアネートシロキサンによる変性樹
脂は、変性中にゲル化を起こさず、しかも裏移り性がな
く良好な変性シロキサン樹脂であることが明らかになっ
た。
【0074】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 昭 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される片末端ハイ
    ドロジェンシロキサンと、一分子中に1個のイソシアネ
    ート基と少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基を有
    し、下記一般式(II)で示されるイソシアネート基含有
    有機けい素化合物とを付加反応させることにより得られ
    る片末端イソシアネートシロキサンを用いて、側鎖にイ
    ソシアネート基と反応し得る基を有する樹脂を変性させ
    ることを特徴とする片末端イソシアネートシロキサンに
    よる樹脂の変性方法。 【化1】 【化2】
  2. 【請求項2】 下記一般式(III )で示される片末端一
    級アミノシロキサンをイソシアネート化することにより
    得られる下記一般式(IV)で示される片末端イソシアネ
    ートシロキサンを用いて、側鎖にイソシアネート基と反
    応し得る基を有する樹脂を変性させることを特徴とする
    片末端イソシアネートシロキサンによる樹脂の変性方
    法。 【化3】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115135661A (zh) * 2020-02-27 2022-09-30 信越化学工业株式会社 含有异氰酸酯基的有机硅化合物及含有异氰酸酯基的有机硅化合物的制备方法

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