JPH08157572A - 変性フェノールアラルキル樹脂およびその製造方法 - Google Patents

変性フェノールアラルキル樹脂およびその製造方法

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JPH08157572A
JPH08157572A JP30341594A JP30341594A JPH08157572A JP H08157572 A JPH08157572 A JP H08157572A JP 30341594 A JP30341594 A JP 30341594A JP 30341594 A JP30341594 A JP 30341594A JP H08157572 A JPH08157572 A JP H08157572A
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allyl
aralkyl resin
resin
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phenol aralkyl
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JP30341594A
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Tomoyuki Kawabata
朋之 川畑
Shigeru Iimuro
茂 飯室
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性、低吸水率、低応力特性に優れた硬化物
を与える変性フェノールアラルキル樹脂およびその製造
方法を提供する。 【構成】フェノールアラルキル樹脂のアルカリ塩に、ア
リルハライドを反応させアリルエーテル化した後、エー
テル結合したアリル基の一部あるいは全部をクライゼン
転位させアリル基含有フェノールアラルキル樹脂とし、
さらにエピハロヒドリンと反応させて変性フェノールア
ラルキル樹脂を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、変性フェノールアラル
キル樹脂およびその製造方法に関する。この変性フェノ
ールアラルキル樹脂は、耐熱性、低吸水率、低応力特性
に優れた硬化物を与え、積層用、塗料用、半導体封止用
等の多方面に利用可能である。
【0002】
【従来の技術】従来、電気・電子分野では、特にIC封
止材の分野では、エポキシ樹脂、フェノールノボラック
型樹脂および硬化促進剤を主成分とした樹脂組成物が広
く用いられてきた。
【0003】しかし、近年の電気・電子製品の軽薄化が
進み、ICの高密度・高集積化に伴い封止用硬化物に対
する耐熱化、低吸水化、低応力化等の要求も、より厳し
いものになりつつある。とりわけ、IC実装時のハンダ
浴侵漬という苛酷な条件から、硬化物に対する上記の要
求特性は強くなる一方である。
【0004】これらの要求に対応するには、従来のエポ
キシ樹脂であるオルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂では不充分である。
【0005】高耐熱化、低応力化された樹脂の提案も多
くなされている。特公平6−53786号公報記載のフ
ェノール性水酸基がエポキシ化およびアリルエーテル化
されたフェノール類ノボラック樹脂とポリマレイミド化
合物の硬化物は高いガラス転移温度を有している。ま
た、特開平5−86157号公報記載のアリル基を導入
したナフトール環含有ノボラック型樹脂のエポキシ化物
では、硬化物の耐熱性向上、応力低下が確認される。
【0006】しかしながら、これら提案された樹脂およ
びその硬化物は、フェノール核間にメチレン結合を有す
るノボラック型樹脂の構造であるため、低吸水化に問題
が残されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、低吸水率、低応力特性に優れた硬化物を与える変性
フェノールアラルキル樹脂およびその製造方法を提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討した結果、フェノールアラル
キル樹脂にアリル基を導入したのちに、さらにグリシジ
ルエーテル化することによって、耐熱性、低吸水率、低
応力特性に優れた硬化物を与える変性フェノールアラル
キル樹脂が得られることを見いだした。すなわち本発明
は、一般式(1)
【化5】 (式中、R1 は水素原子、アリル基、グリシジル基のい
ずれかを表し、全てのR1 が同一であっても異なっても
よく、R2 は水素原子、アリル基のいずれかを表し、全
てのR2 が同一であっても異なってもよいが、R1 ある
いはR2 のうち少なくとも一方にアリル基を含有し、R
3 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基
またはハロゲン原子を表し、nは0以上の整数を示
す。)で表されることを特徴とする変性フェノールアラ
ルキル樹脂、および、一般式(2)
【化6】 (式中、Aはアリル基を表し、R1 は水素原子、アリル
基、グリシジル基のいずれかを表し、全てのR1 が同一
であっても異なってもよく、R3 は水素原子、炭素数1
〜4のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表
し、nは0以上の整数を示す。)で表されることを特徴
とする変性フェノールアラルキル樹脂、および、一般式
(3)
【化7】 (式中、R3 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
アリール基またはハロゲン原子を表し、nは0以上の整
数を示す。)で表されるフェノールアラルキル樹脂のア
ルカリ塩に、アリルハライドを反応させアリルエーテル
化した後、エーテル結合したアリル基の一部をクライゼ
ン転位させアリル基含有フェノールアラルキル樹脂と
し、さらにエピハロヒドリンと反応させることを特徴と
する上記の一般式(1)の樹脂の製造方法、および、一
般式(3)
【化8】 (式中、R3 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
アリール基またはハロゲン原子を表し、nは0以上の整
数を示す。)で表されるフェノールアラルキル樹脂のア
ルカリ塩に、アリルハライドを反応させアリルエーテル
化した後、エーテル結合したアリル基の全部をクライゼ
ン転位させアリル基含有フェノールアラルキル樹脂と
し、さらにエピハロヒドリンと反応させることを特徴と
する上記の一般式(2)の樹脂の製造方法である。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。変性フェ
ノールアラルキル樹脂は、フェノールアラルキル樹脂の
アルカリ塩に、アリルハライドを反応させアリルエーテ
ル化した後、クライゼン転位させアリル基含有フェノー
ルアラルキル樹脂とし、さらにエピハロヒドリンと反応
させることによって得られる。
【0010】本発明のフェノールアラルキル樹脂を得る
には、アラルキル化合物1モルに対して、フェノール化
合物を1.1〜2.5モルの範囲で、好ましくは1.5
〜2.0モルの範囲で加え、酸触媒の存在下でそのまま
昇温して後述の温度で反応させる。反応終了後、未反応
のフェノールが残存するが、これを減圧下で留去させて
得られた樹脂が上記のフェノールアラルキル樹脂であ
る。
【0011】この反応に使用されるフェノール化合物と
しては、フェノール性水酸基を有する化合物であればい
かなる化合物でもよく、例えば、フェノール、o−クレ
ゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、p−ter
t−ブチルフェノール等のアルキル置換フェノール類や
p−フェニルフェノール等のアリール置換フェノール類
が挙げられる。
【0012】また、この反応に使用されるアラルキル化
合物としては、縮合付加が可能である2価のハロメチル
基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基等を有す
る芳香環化合物が使用される。例えば、α,α’−ジク
ロロ−p−キシレン等のジハロメチル芳香環化合物、p
−キシリレングリコール等のジヒドロキシメチル芳香環
化合物、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン等のジア
ルコキシメチル芳香環化合物が挙げられる。
【0013】酸触媒としては、塩化第二錫、塩化亜鉛、
塩化第二鉄等の無機化合物、あるいは硫酸、モノエチル
硫酸、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等の硫酸化合物、p
−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スル
ホン酸類が使用される。これら触媒は単独で使用するか
または併用してもよい。触媒の使用量は、フェノール化
合物とアラルキル化合物の全重量の0.01〜5重量%
である。
【0014】反応温度は110℃以上であることが必要
であり、110℃より低いと反応は極端に遅くなる。ま
た、反応時間を短縮するためには約130〜240℃の
温度範囲が望ましい。反応時間は通常1〜20時間であ
る。
【0015】さらに、攪拌を容易にするために、フェノ
ール化合物の敷溶剤として比較的高沸点の有機溶剤が用
いることができる。例えば、メタノール、エタノール、
n−プロパノール,イソプロパノール、n−ブタノー
ル、tert−ブタノール等のアルコール類、トルエ
ン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物が挙げられ
る。尚、この敷溶剤が無くても本反応は実施できる。
【0016】アリル基含有フェノールアラルキル樹脂
は、フェノールアラルキル樹脂をベースレジンとして、
アリルエーテル化し、エーテル結合したアリル基の一部
または全部をクライゼン転位させる周知の方法で得るこ
とができる。
【0017】例えば、まず、ベースレジンとなるフェノ
ールアラルキル樹脂を有機溶媒に溶解したのち、塩基を
添加してフェノラートとし、これに塩化アリル、臭化ア
リル、ヨウ化アリル等のアリルハライドを加えて室温〜
100℃で1〜5時間反応させて水酸基をアリルエーテ
ル化する。
【0018】ここで使用する有機溶媒としてはn−プロ
パノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶
媒が挙げられる。使用する溶媒によってエーテル化反応
生成物の収率が変化するが、上記の有機溶媒を使用すれ
ば通常95%以上の反応率でエーテル化反応は進行す
る。得ようとする樹脂の使用目的によって溶媒を変えれ
ば良いので、フェノールアラルキル樹脂とアリルエーテ
ル化物が可溶の溶媒であれば使用できる。
【0019】また、塩基は水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属水酸化物が挙げられる。その使
用量はアリルエーテル化したいフェノール性水酸基に対
して当量の塩基を使用する。
【0020】加えるアリルハライドの量は、塩基に対し
て当量以上である。
【0021】得られた生成物(アリルエーテル化フェノ
ールアラルキル樹脂)を通常160〜250℃程度まで
加熱し、1〜10時間の反応時間とすることにより、水
酸基にエーテル結合していたアリル基が転位して、アリ
ル基含有フェノールアラルキル樹脂を得ることができ
る。このアリル基は通常フェノール性水酸基に対してオ
ルソ位あるいはパラ位に転位する。エーテル結合したア
リル基の一部を転移させるには、反応温度を低く設定す
るか、反応時間を短縮すればよい。
【0022】このようにして得られるアリル基含有フェ
ノールアラルキル樹脂は、さらに、アルカリ金属水酸化
物の存在下で、またはアルカリ金属水酸化物と第4級ア
ンモニウム塩の共存下でエピハロヒドリンと以下のよう
に反応させることにより変性フェノールアラルキル樹脂
とすることができる。
【0023】反応溶媒は使用しなくてもよいが、ジメチ
ルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒を使用すると
得られる変性フェノールアラルキル樹脂の加水分解性塩
素が低減され、信頼性が向上する。反応溶媒を用いる場
合、その使用量は、アリル基含有フェノールアラルキル
樹脂100重量部に対して、通常20〜200重量部が
好ましい。
【0024】エピハロヒドリンの具体例としては、エピ
クロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。
工業的にはエピクロロヒドリンが好適に使用される。そ
の使用量は、アリル基含有フェノールアラルキル樹脂の
水酸基1モルに対して、通常1〜50モル、好ましくは
3〜20モルの範囲である。
【0025】アルカリ金属水酸化物の具体例としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、その
使用量は、アリル基含有フェノールアラルキル樹脂の水
酸基1モルに対して、0.8〜1.5モル、好ましくは
0.9〜1.3モルの範囲である。第4級アンモニウム
塩を用いる場合、その具体例としては、テトラメチルア
ンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロ
マイド等が挙げられ、その使用量は、アリル基含有フェ
ノールアラルキル樹脂の水酸基1モルに対して、通常
0.001〜1モル、好ましくは0.005〜0.5モ
ルの範囲である。
【0026】反応温度は通常30〜130℃、好ましは
50〜100℃である。また、反応で生成した水を反応
系外に除去しながら反応を進行させることもできる。反
応終了後、副成した塩あるいはジメチルスルホキシドを
水洗等により除去し、さらに過剰のエピハロヒドリンを
留去させることにより本発明の変性フェノールアラルキ
ル樹脂を得ることができる。
【0027】また、さらに不純物を取り除くため、得ら
れた変性フェノールアラルキル樹脂に次のような処理を
施してもよい。すなわち、変性フェノールアラルキル樹
脂をメチルイソブチルケトン等の溶媒に溶解し、水酸化
ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下、50〜
100℃で0.5〜3時間反応させて、反応終了後、水
層が中性になるまで水洗を繰り返し、溶媒を減圧下で留
去することにより、高純度の変性フェノールアラルキル
樹脂が得られる。
【0028】このようにして得られる変性フェノールア
ラルキル樹脂は、そのままエポキシ樹脂組成物のエポキ
シ樹脂成分として用いることができる。さらにアリル基
の二重結合を有するので、シリコーン化合物、イミド化
合物等による変性が可能である。この際、アリル基の少
なくとも一部は芳香環に直接結合していることが好まし
い。
【0029】
【実施例】以下実施例および比較例により本発明をさら
に詳しく説明する。なお、実施例における各種特性値の
測定は下記(1)、(2)の方法により実施した。 (1)GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)分析 ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム:
(東ソー社製)G4000HXL+G2500HXL+
G2000HXL×2本、溶離液:テトラヒドロフラ
ン、検出器:示差屈折率計)を使用した。 (2)IR(赤外吸収スペクトル)分析 IR分析は島津製作所製FT−IR4200を用いて行
った。
【0030】製造例1(フェノールアラルキル樹脂の製
造) 904.3g(9.64モル)のフェノールと31.8
gのメタノール及び0.853gのジエチル硫酸を70
℃の冷却水を通した凝縮器を備えた反応機に装入し、攪
拌しながらオイルバスで昇温した。液温が140℃に達
したところでα,α’−ジメトキシ−p−キシレンの装
入を開始した。800g(4.81モル)のα,α’−
ジメトキシ−p−キシレンを4時間かけて連続的に装入
した後、さらに液温140℃で90分間熟成反応を行っ
た。次いで液温を160℃に昇温し、減圧下で未反応の
フェノールを除去して、1025gの樹脂を得た。
【0031】製造例2(フェノールノボラック型樹脂の
製造) 撹拌機、温度調節装置、還流冷却器、全縮器、減圧装置
等を備えた3000mlの反応機に、フェノール200
0gと37%ホルマリン水溶液1150gとを装入しな
がら、混合(P/F=1.51)し、シュウ酸二水和物
5.6gを加えて、70℃で4時間縮合反応を行った。
ついで反応生成物の混合物を大気圧下に160℃まで加
熱して、水および少量のフェノールを取り除き、さらに
20mmHgで170℃まで加熱して未反応のフェノー
ルを分離した。その後、6mmHgで210℃まで加熱
してフェノールを除去した。次に、径15mm、高さ2
0mmのマクマホンパッキング等の充填物を付した装置
により最終圧力3mmHgで最終温度220℃まで温度
を上げて蒸留を行い、缶出物として目的のノボラック型
フェノール系樹脂を得た。
【0032】合成例1(アリル基含有フェノールアラル
キル樹脂の合成) 撹拌装置、温度計、冷却器、滴下ロートを付設した10
00ml四口セパラブルフラスコに、反応溶媒にイソプ
ロパノール360gを装入し、製造例1で得たフェノー
ルアラルキル樹脂174gを溶解し、水酸化カリウム5
6.1gを加え均一になるまで撹拌した。これに塩化ア
リル91.8gを10分間で滴下した後反応溶液を40
℃で1時間撹拌し、さらに70℃で5時間加熱撹拌して
アリルエーテル化反応を完結させた。次いで反応液を濾
別して副生した塩化カリウムを除去した後、イソプロパ
ノールを留去して回収した。残留物を酢酸エチルに溶解
し、水で洗浄後、酢酸エチルを留去し、アリルエーテル
化フェノールアラルキル樹脂213gを得た。得られた
アリルエーテル化フェノールアラルキル樹脂のIR分析
の結果は1100cmー1付近にエーテルの吸収がみら
れ、3400cmー1付近のフェノール性水酸基の吸収は
殆どみられなかった。また、1640cmー1付近にアリ
ル基に由来する炭素−炭素の二重結合の吸収がみられ、
アリルエーテル化していることを示している。さらに、
得られたアリルエーテル化フェノールアラルキル樹脂1
20gを300mlセパラブルフラスコにとり、195
℃に加熱して3時間撹拌して、クライゼン転位を行わ
せ、アリル化フェノールアラルキル樹脂を得た(収率9
8%)。この得られた樹脂のIR分析の結果はアリルエ
ーテル化フェノールアラルキル樹脂の結果と比較してエ
ーテルの吸収がなくなり、フェノール性水酸基の吸収の
増加が顕著であったため、アリルエーテル化フェノール
アラルキル樹脂のアリル基が熱転位してアリル基含有フ
ェノールアラルキル樹脂になっていることを示してい
る。
【0033】合成例2(アリル基含有フェノールノボラ
ック型樹脂の合成) 合成例1と同様の撹拌装置、温度計、冷却器、滴下ロー
トを付設した1000ml四口セパラブルフラスコに、
イソプロパノール320gを装入し、製造例2で得られ
たノボラック型フェノール樹脂を106g溶解し、実施
例と同様の条件下でアリルエーテル化反応を行い、アリ
ルエーテル化フェノールノボラック型樹脂を得た。次い
で得られたアリルエーテル化フェノールノボラック型樹
脂を130gとり、300mlセパラブルフラスコに移
し、実施例と同様にしてアリル基含有フェノールノボラ
ック型樹脂を得た(収率96%)。IR分析の結果は合
成例1と同様なチャートが得られ、フェノール性水酸基
の吸収が大きく、エーテルの吸収がほぼなくなってお
り、アリル基が熱転位し、アリル化物となったことを示
した。
【0034】変性例1(変性フェノールアラルキル樹脂
の合成) 温度計、攪拌装置、窒素導入管を備えた反応装置に合成
例1で得た樹脂を107g、エピクロロヒドリン226
gおよびジメチルスルホキシド100gを仕込み、窒素
を吹き込みながら、水酸化ナトリウム21gを30℃の
水浴中で徐々に加えた。添加終了後、40℃で1時間、
50℃で2時間、さらに70℃で1時間反応を行った。
反応終了後、メチルイソブチルケトン300mlを加
え、分液ロートに移し、水層が中性になるまで水洗し
た。その後、有機層から溶媒、未反応エピクロロヒドリ
ンを減圧下で除去した。その後、再び反応器に仕込み、
メチルイソブチルケトンを加えて溶解し、20%水酸化
ナトリウム水溶液10gを加えて70℃で1時間攪拌し
た。反応終了後、分液ロートに移し、水洗を繰り返し行
った。有機層から溶媒を減圧下で除去し、変性フェノー
ルアラルキル樹脂を127g得た。得られた変性フェノ
ールアラルキル樹脂のIR分析の結果、フェノール性水
酸基に由来する3500cm-1の吸収が殆ど消失し、8
30cm-1にエポキシ環由来の吸収が見られることから
グリシジルエーテル化反応の進行が示唆される。得られ
た変性フェノールアラルキル樹脂のIRチャートを図1
に示した。また、得られた変性フェノールアラルキル樹
脂のGPCチャートを図2に示した。
【0035】変性例2(変性フェノールノボラック型樹
脂の合成) 温度計、攪拌装置、窒素導入管を備えた反応装置に合成
例2で得た樹脂73gを用いた以外は、変性例1と同様
の操作を行い、変性フェノールノボラック型樹脂を得
た。
【0036】応用例1(変性フェノールアラルキル樹脂
のシリコーンによる改質) 温度計、攪拌装置、還流冷却管、窒素導入管、滴下ロー
トおよび水分離装置を備えた反応装置に、変性例1で得
た樹脂84.6g、メチルイソブチルケトン750g、
および2重量%白金濃度の2−エチルヘキサノール変性
塩化白金酸0.11gを仕込み、1時間共沸脱水させた
後、還流下でシリコーンオイル(チッソ(株)製、FM
−1121)700gを30分かけて滴下した。さら
に、同温度で3時間反応させた後、水洗し、溶媒を留去
して濃黄色粘性樹脂(以下、SEA−PAという)を7
67g得た。
【0037】応用例2(変性フェノールノボラック型樹
脂のシリコーンによる改質) 温度計、攪拌装置、還流冷却管、窒素導入管、滴下ロー
トおよび水分離装置を備えた反応装置に変性例2で得た
樹脂を64.2g用いた以外は、応用実施例と同様の操
作を行い、濃黄色粘性樹脂(以下、SEA−PNとい
う)749gを得た。
【0038】実施例および比較例 応用例1〜2で得られた樹脂と市販のエポキシ樹脂をエ
ポキシ樹脂として、硬化剤および少量のアセトンに溶解
した硬化促進剤と混合し、約3mm厚の注型硬化物を作
成し評価に供した。エポキシ樹脂、硬化剤および硬化促
進剤の配合比(重量部)を表1に示した。
【0039】市販のエポキシ樹脂としては、オルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN−102S
(日本化薬(株)製)を使用した。硬化剤としてはフェ
ノールノボラック型樹脂(#2000、三井東圧(株)
製)を、硬化促進剤はトリフェニルホスフィン(TP
P)を使用した。硬化は160℃で2時間、180℃で
8時間の条件で行った。
【0040】以下に硬化物物性測定の条件を示した。 (1)ガラス転移温度(Tg): Tgはリガク社製T
MA8146を用いて、TMA(熱機械分析)法により
線膨張係数を測定して求めた。 (2)曲げ弾性率:JIS K6911 (3)吸水率:直径50mm、厚さ3mmの円板を10
0℃の水中で24時間煮沸した後の重量増加率(重量
%)。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明の変性フェノールアラルキル樹脂
はシリコーン変性等が可能であり、表1からも明らかな
ように、得られる硬化物はガラス転移温度が同等の物で
は、弾性率が低く、低応力化されており、なおかつ、従
来のアリル基含有フェノールノボラック型エポキシ樹脂
から得られる硬化物と比較しても低吸水率であり、その
用途は積層用、塗料用、半導体封止用等、広範である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は変性例1の変性フェノールアラルキル樹脂の
赤外吸収スペクトルである。
【図2】は変性例1の変性フェノールアラルキル樹脂の
ゲルパーミエーションクロマトグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は水素原子、アリル基、グリシジル基のい
    ずれかを表し、全てのR1 が同一であっても異なっても
    よく、R2 は水素原子、アリル基のいずれかを表し、全
    てのR2 が同一であっても異なってもよいが、R1 ある
    いはR2 のうち少なくとも一方にアリル基を含有し、R
    3 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリール基
    またはハロゲン原子を表し、nは0以上の整数を示
    す。)で表されることを特徴とする変性フェノールアラ
    ルキル樹脂。
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、Aはアリル基を表し、R1 は水素原子、アリル
    基、グリシジル基のいずれかを表し、全てのR1 が同一
    であっても異なってもよく、R3 は水素原子、炭素数1
    〜4のアルキル基、アリール基またはハロゲン原子を表
    し、nは0以上の整数を示す。)で表されることを特徴
    とする変性フェノールアラルキル樹脂。
  3. 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 (式中、R3 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    アリール基またはハロゲン原子を表し、nは0以上の整
    数を示す。)で表されるフェノールアラルキル樹脂のア
    ルカリ塩に、アリルハライドを反応させアリルエーテル
    化した後、エーテル結合したアリル基の一部をクライゼ
    ン転位させアリル基含有フェノールアラルキル樹脂と
    し、さらにエピハロヒドリンと反応させることを特徴と
    する請求項1記載の樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(3) 【化4】 (式中、R3 は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、
    アリール基またはハロゲン原子を表し、nは0以上の整
    数を示す。)で表されるフェノールアラルキル樹脂のア
    ルカリ塩に、アリルハライドを反応させアリルエーテル
    化した後、エーテル結合したアリル基の全部をクライゼ
    ン転位させアリル基含有フェノールアラルキル樹脂と
    し、さらにエピハロヒドリンと反応させることを特徴と
    する請求項2記載の樹脂の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011084743A (ja) * 2000-02-15 2011-04-28 Hitachi Chem Co Ltd 接着剤組成物、その製造方法、これを用いた接着フィルム、半導体搭載用基板及び半導体装置
JP2018123334A (ja) * 2013-02-05 2018-08-09 日本化薬株式会社 アリルエーテル樹脂及びエポキシ樹脂

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