JPH08152055A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

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Publication number
JPH08152055A
JPH08152055A JP29334294A JP29334294A JPH08152055A JP H08152055 A JPH08152055 A JP H08152055A JP 29334294 A JP29334294 A JP 29334294A JP 29334294 A JP29334294 A JP 29334294A JP H08152055 A JPH08152055 A JP H08152055A
Authority
JP
Japan
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helical
gear
differential
gears
pinion gear
Prior art date
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Pending
Application number
JP29334294A
Other languages
English (en)
Inventor
Sakuo Kurihara
作雄 栗原
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GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Publication date
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Publication of JPH08152055A publication Critical patent/JPH08152055A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両の差動制限力を十分に得ることを目的と
する。 【構成】 エンジンの駆動力により回転駆動される入力
側デフケース21と、出力側のヘリカルサイドギヤ3
9,41と、デフケース21に設けられた収納孔69,
71に摺動回転自在に収納されギヤ39,41を連結す
るヘリカルピニオンギヤ73,75と、ギヤ39とデフ
ケース21との間に配置され、デフケース21が一側に
回転する時はギヤ73の噛み合いスラスト力により押圧
され、デフケース21が他側に回転する時はギヤ75の
噛み合いスラスト力により押圧部89を介して押圧され
る摩擦クラッチ59とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両のデファレンシ
ャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−76938号公報に図5の
ような「トルク釣合い式はすばピニオン型の差動機構」
が記載されている。この差動機構301においてデフケ
ース303を回転させるエンジンの駆動力はデフケース
303の収納孔305に収納されたピニオンギヤ30
6,307からサイドギヤ309,311を介して各車
輪側に分配される。各ギヤ306,307,309,3
11はヘリカルギヤである。
【0003】差動機構301がトルクを伝達している
間、ピニオンギヤ306,307はサイドギヤ309,
311からの噛合い反力により収納孔305に押し付け
られて摩擦抵抗が生じる。又、サイドギヤ309,31
1にはピニオンギヤ306,307との噛合いによるス
ラスト力が働き、サイドギヤ309,311間やサイド
ギヤ309,311とデフケース303との間で摩擦抵
抗が生じる。これらの摩擦抵抗により差動機構301の
差動が制限される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、差動機構3
01を備えたデファレンシャル装置を車両に用いた場
合、これらの摩擦抵抗のみでは十分な差動制限力を得る
ことができないという問題がある。
【0005】上記問題を解決する手段としてピニオンギ
ヤ又はサイドギヤのねじれ角や圧力角を大きくする手段
が考えられるが、ギヤの耐久性や高度な加工精度などか
ら限度がある。
【0006】そこで、この発明は車両の差動制限力を十
分に得ることのできるデファレンシャル装置を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明のデファレンシ
ャル装置は、エンジンの駆動力により回転駆動される入
力側デフケースと、出力側に連結された第1と第2のヘ
リカルサイドギヤと、デフケースに設けられた収納孔に
摺動回転自在に収納され、互いに噛み合って各ヘリカル
サイドギヤを連結する第1と第2のヘリカルピニオンギ
ヤと、第1のヘリカルサイドギヤ及び第2のヘリカルサ
イドギヤのうち少なくとも一方のサイドギヤとデフケー
スとの間に配置され、デフケースが一側に回転する時は
第1ヘリカルピニオンギヤの噛み合いスラスト力を受
け、デフケースが他側に回転する時は第2ヘリカルピニ
オンギヤの噛み合いスラスト力を受けて締結される摩擦
クラッチとを備えたことを特徴とする。
【0008】第2発明のデファレンシャル装置は、エン
ジンの駆動力により回転駆動される入力側デフケース
と、出力側に連結された第1と第2のヘリカルサイドギ
ヤと、デフケースに設けられた収納孔に摺動回転自在に
収納され、第1と第2のヘリカルサイドギヤの少なくと
も一方のサイドギヤとデフケースとの間で互いに噛合っ
て各ヘリカルサイドギヤを連結する第1と第2のヘリカ
ルピニオンギヤと、第1と第2のヘリカルピニオンギヤ
の噛合い部とデフケースとの間に配置された摩擦クラッ
チとを備えたデファレンシャル装置であって、前記第1
と第2のヘリカルピニオンギヤの噛合い端部がそれぞれ
前記摩擦クラッチを押圧することを特徴とする。
【0009】第3発明のデファレンシャル装置は、第1
のヘリカルサイドギヤと噛み合う第1のヘリカルピニオ
ンギヤの一端面が摩擦クラッチを押圧すると共に、第2
のヘリカルサイドギヤと噛み合う第2のヘリカルピニオ
ンギヤが第1のヘリカルピニオンギヤの一端面方向に設
けた第2のピニオンギヤの押圧部を介して摩擦クラッチ
を押圧する請求項2のデファレンシャル装置である。
【0010】第4発明のデファレンシャル装置は、第2
のヘリカルピニオンギヤのギヤ部と押圧部とを別体にし
た請求項3のデファレンシャル装置である。
【0011】
【作用】各発明のデファレンシャル装置は、デフケース
と第1と第2のヘリカルサイドギヤの少なくとも一方の
サイドギヤとの間に配置された摩擦クラッチを第1と第
2のヘリカルピニオンギヤの両方で押圧出来るように構
成したから、この摩擦クラッチはデフケースの回転方向
に係わらず、いずれかのヘリカルピニオンギヤで押圧さ
れる。従って、例えば車両の駆動軸に適用した場合、車
両は前後進両方でこの摩擦クラッチによる差動制限機能
を得る。
【0012】又、摩擦クラッチを1組しか用いなくと
も、前後進両方で摩擦クラッチ機能が得られるので、そ
れだけ軸方向に小型であり、部品点数と重量とが低減さ
れる。
【0013】第2発明のデファレンシャル装置は、第1
と第2のヘリカルピニオンギヤの噛み合い部とデフケー
スとの間に摩擦クラッチを設けることにより、デフケー
スが一方側に回転した場合には第1と第2のヘリカルピ
ニオンギヤのうちいずれか一方のヘリカルピニオンギヤ
によって摩擦クラッチを押圧し、他方側に回転した場合
には他方のヘリカルピニオンギヤによって摩擦クラッチ
を押圧する。よって第1と第2のヘリカルピニオンギヤ
の噛み合い部とデフケースとの間の小スペースに摩擦ク
ラッチを設けるのみで、例えば車両の前後進両方の差動
制限力機能を得ることができる。
【0014】第3発明のデファレンシャル装置は、第1
と第2のヘリカルピニオンギヤの噛み合い部とデフケー
スとの間に摩擦クラッチを設け、デフケースが一方側に
回転した場合に第1のヘリカルピニオンギヤの一端面側
で摩擦クラッチを押圧し、他方側に回転した場合には第
2のヘリカルピニオンギヤが押圧部を介して摩擦クラッ
チを押圧する。よって第1と第2のヘリカルピニオンギ
ヤの噛み合い部が摩擦クラッチに隣接していない場合、
つまり、この噛み合い部と摩擦クラッチの軸方向の配置
の位置関係がどのような状態にあっても第2のヘリカル
ピニオンギヤに第1のヘリカルピニオンギヤの一端面方
向に押圧部を設けることにより、前後進両方の差動制限
力を得ることができる。
【0015】第4発明のデファレンシャル装置は、第2
のヘリカルピニオンギヤの押圧部を別体にしたことによ
り、押圧部を取り外すことができ、ヘリカルピニオンギ
ヤを押圧部を有した特別な形状にすることなく形成でき
る。また、押圧部材の長さを種々設定しておけば摩擦ク
ラッチとの隙間調整を行うことができる。さらには押圧
部材を取り外すことにより、差動制限機能の強化の不要
なタイプのデファレンシャル装置とのヘリカルピニオン
ギヤ単体、及びデファレンシャル装置全体の互換性を持
たせることができる。
【0016】
【実施例】図1、2により本発明の1実施例を説明す
る。図1はこの実施例を示し、この実施例は第3、4発
明の特徴を備えている。左右の方向は図1、2での左右
の方向である。又、符号を与えていない部材等は図示さ
れていない。
【0017】図1のように、デファレンシャル装置7の
入力側のデフケース21は、ケーシング本体31とカバ
ー33とをボルト35で固定し、ケーシング本体31に
抜け止めプレート37をボルトで固定して形成されてい
る。デフケース21の内部には、第1と第2のヘリカル
サイドギヤ39,41が左右に配置されている。
【0018】各サイドギヤ39,41は中空のボス部4
3,45でデフケース21の軸支部47,49に支承さ
れていると共に、互いの支承部51で支承しあいセンタ
リングしている。第1のサイドギヤ39はボス部43を
介して図示しない一方側の出力軸(出力側)にスプライ
ン連結され、第2のサイドギヤ41はボス部45を介し
て図示しない他方側の出力軸(出力側)にスプライン連
結されている。サイドギヤ39,41とデフケース21
との間にはそれぞれワッシャ53,55が配置され、サ
イドギヤ39,41の間にはワッシャ57が配置されて
いる。
【0019】第1サイドギヤ39のボス部43とデフケ
ース21との間には、多板クラッチ59(摩擦クラッ
チ)が配置されている。この多板クラッチ59は軸方向
互い違いに配置された3枚のアウタープレート61と2
枚のインナープレート63とからなり、アウタープレー
ト61はデフケース21内周の噛み合い部65と軸方向
移動自在に噛み合い、インナープレート63はボス部4
3外周の噛み合い部67と軸方向移動自在に噛み合って
いる。
【0020】デフケース21には長短の収納孔69,7
1が周方向等間隔に4組形成されている。収納孔69,
71にはそれぞれ第1と第2のヘリカルピニオンギヤ7
3,75が摺動回転自在に収納されている。
【0021】第1のピニオンギヤ73は、第1と第2の
ギヤ部77,79と、これらを連結する小径の軸部81
と、第1ギヤ部77の左端に形成された凸部83とから
なり、第1ギヤ部77は左のサイドギヤ39と噛み合っ
ている。第2のピニオンギヤ75は第1と第2のギヤ部
85,87からなり、第1ギヤ部85の左側に押圧ピン
89(押圧部)が配置されている。第1ギヤ部85は右
のサイドギヤ41と噛み合い、第2ギヤ部87はピニオ
ンギヤ73の第2ギヤ部79と噛み合っている。又、押
圧ピン89はケーシング本体31の支持孔91を移動自
在に貫通している。
【0022】第1ピニオンギヤ73の凸部83の端面8
4(一端面)は多板クラッチ59を押圧可能であり、第
2ピニオンギヤ75は第1ピニオンギヤ73の一端面方
向に設けた押圧ピン89を介して多板クラッチ59を押
圧可能である。
【0023】サイドギヤ39,41の捩じれ角は互いに
反対方向である。又、第1ピニオンギヤ73の第1ギヤ
部77と第2ギヤ部79は同一方向の捩じれ角を持ち、
第2ピニオンギヤ75の第1ギヤ部85と第2ギヤ部8
7は同一方向の捩じれ角を持っている。
【0024】デフケース21には開口93が設けられ、
リングギヤの回転によってデフキャリヤのオイル溜りか
ら撥ね上げられるオイルがこの開口93から流出入し、
ギヤの噛み合い部や各摺動部等を潤滑する。
【0025】デフケース21を回転させるエンジンの駆
動力はピニオンギヤ73,75からサイドギヤ39,4
1を介して両出力軸側に分配され、両出力軸間に駆動抵
抗差が生じるとピニオンギヤ73,75の自転によって
エンジンの駆動力は左右各側に差動分配される。
【0026】トルクの伝達中、ピニオンギヤ73,75
はサイドギヤ39,41との噛み合い反力により収納孔
69,71の壁面に押しつけられて摩擦抵抗が発生す
る。
【0027】又、ピニオンギヤ73,75の噛み合いス
ラスト力により、例えば車両が前進走行する時はピニオ
ンギヤ73が左方(矢印95)に移動して凸部83で多
板クラッチ59を押圧すると共に、ピニオンギヤ75が
右方に移動してデフケース21の抜け止めプレート37
を押圧し、摩擦抵抗が発生する。車両が後進走行する時
(又は、前進時にエンジンブレーキを作動させた時)は
ピニオンギヤ75が左方(矢印97)に移動し、押圧ピ
ン89を介して多板クラッチ59を押圧すると共に、ピ
ニオンギヤ73が右方に移動してデフケース21の抜け
止めプレート37を押圧して、摩擦抵抗が発生する。
【0028】更に、サイドギヤ39,41の噛み合いス
ラスト力により、サイドギヤ39,41とワッシャ57
あるいはデフケース21(ワッシャ53,55)との間
で摩擦抵抗が発生する。
【0029】デファレンシャル装置7の伝達トルクに比
例して増大するこれらの摩擦抵抗によって、トルク感応
型の差動制限機能が得られる。
【0030】こうして、デファレンシャル装置7が構成
されている。
【0031】デファレンシャル装置7は、従来例と異な
って、1組の摩擦クラッチ(多板クラッチ59)を第1
と第2のヘリカルピニオンギヤ73,75の両方で押圧
出来るように構成したから、多板クラッチ59は車両の
進行方向に係わらず、いずれかのピニオンギヤ73,7
5で押圧されて大きな差動制限機能が得られる。
【0032】又、第2のヘリカルピニオンギヤ75と多
板クラッチ59をケーシング本体31のデッドスペース
部を貫通して設けたので周辺部材の構造変更を行わずに
本発明の構造を適用することができる。
【0033】又、摩擦クラッチを1組しか用いないか
ら、それだけ軸方向に小型であり、部品点数と重量が減
って有利である。更に、第2ピニオンギヤ75の押圧ピ
ン89(押圧部)をギヤ部85,87と一体に形成する
ことも可能であるが、本実施例では別体にしてあるので
第2ピニオンギヤ75の形成が容易であり、場合によっ
ては従来品の第2ピニオンギヤをそのまま流用すること
もできる。また、この押圧ピン89の長さを種々設定し
ておけば、それらを選択的に使用することにより多板ク
ラッチ59とのすき間調整を行うことができる。
【0034】更に、多板クラッチ59のプレート枚数を
変えれば、差動制限力を容易に調節することが出来る。
【0035】デファレンシャル装置7を車両に適用した
場合、トルク感応型差動制限機能によって、発進時や加
速時のようにトルクを掛けた時の車体の挙動が安定し操
縦性が向上する。
【0036】図2は、車両のデファレンシャル装置99
であり、図1のデファレンシャル装置7から第2ピニオ
ンギヤ75の押圧ピン89を取り外したものである。押
圧ピンを取り外した以外は図1と共通する部材であり、
その機能も等しく各部材には同符号を与え、構造の説明
は省略する。
【0037】デファレンシャル装置99は、押圧ピン8
9が取り外されたことにより、第2ピニオンギヤ75は
車両の後進時に多板クラッチ59を押圧しない。従っ
て、デファレンシャル装置99を車両に適用した場合、
車両の前進時にピニオンギヤ73のスラスト力により凸
部83の一端面84が多板クラッチ59を押圧し、差動
制限力を強化するが、後進時には多板クラッチ59は押
圧されず差動制限力を強化しない。つまり押圧ピン89
(押圧部材)を別体にすることにより、図1のデファレ
ンシャル装置7は図2のデファレンシャル装置99のよ
うなタイプ(差動制限機能の強化の不要なタイプ)との
互換性を持たせることができる。
【0038】次に、図3により本発明の他の実施例を説
明する。この実施例のデファレンシャル装置101は、
1実施例(デファレンシャル装置7)にイニシャル摩擦
トルク(一定の初期差動制限力)を与えたものである。
以下、デファレンシャル装置7と同機能の部材には同符
号を与え、これら同機能部材の説明は省略する。
【0039】図3のように、多板クラッチ59とカバー
33との間には皿ばね103が配置されている。多板ク
ラッチ59は皿ばね103の付勢力により押圧され、常
時一定の差動制限力が与えられている。
【0040】一方、多板クラッチ59は、デファレンシ
ャル装置7と同様に、これを第1、第2のヘリカルピニ
オンギヤ73,75側から皿ばね103の付勢力に抗し
て押圧することが可能である。すなわち、第1のヘリカ
ルピニオンギヤ73はその凸部89の端面84(一端
面)により押圧し、第2のヘリカルピニオンギヤ75は
その左側に配置された押圧ピン89(押圧部)を介して
押圧する。こうして、多板クラッチ59と離れた位置に
配置された第2ピニオンギヤ75側には押圧ピン89を
第1ピニオンギヤ73の端面84方向に配置する構成と
している。
【0041】デファレンシャル装置101を車両に適用
した場合、トルク感応型差動制限機能によって、発進時
や加速時のようにトルクを掛けた時の車体の挙動が安定
し操縦性が向上すると共に、悪路などで出力側の一方が
空転した時は、皿ばね103による一定の差動制限力に
よって、接地側の出力側に駆動力が送られて走破性が向
上する。
【0042】なお、第2のヘリカルピニオンギヤ75は
ギヤ部85,87と押圧部89とを一体に形成してもよ
い。又、摩擦クラッチは多板クラッチ59に限らず、コ
ーン形、ドグクラッチ形等他の形式のものでもよい。
【0043】次に図4により本発明のさらに他の実施例
を説明する。この実施例は第2発明の特徴を備えてい
る。左右の方向は図4での左右の方向であり、符号を与
えていない部材等は図示されていない。
【0044】図4のように、デファレンシャル装置15
0の入力側のデフケース152はケーシング本体156
と左カバー154と右カバー158を図示外のボルトで
一体に固定し形成されている。デフケース152の内部
には、第1と第2のヘリカルサイドギヤ160,162
が左右に配置されている。
【0045】各サイドギヤ160,162はデフケース
152内で互いの支承部164で支承し合っている。第
1のサイドギヤ160の内周側は左の出力軸166(出
力側)にスプライン連結され、第2のサイドギヤ162
は右の出力軸(出力側)168にスプライン連結されて
いる。
【0046】第1のサイドギヤ160とケーシング本体
156(デフケース152)との間には多板クラッチ1
70(摩擦クラッチ)が配置されている。この多板クラ
ッチ170は軸方向互い違いに配置された2枚のアウタ
ープレート172と1枚のインナープレート174から
なり、左カバー154と左カバー154側のアウタープ
レート172との間には隙間調整用のワッシャが設けら
れている。アウタープレート172はケーシング本体1
56の端部内周側に形成されたラグ溝176にラグ部1
78を軸方向移動自在に係合し、インナープレート17
4は第1のサイドギヤ160のボス部180の外周側に
形成されたラグ溝182にラグ部184を軸方向移動自
在に係合している。
【0047】第2のサイドギヤ162と右カバー158
(デフケース152)との間には多板クラッチ186
(摩擦クラッチ)が配置されている。この多板クラッチ
186は軸方向互い違いに配置された2枚のアウタープ
レート188と1枚のインナープレート190からな
り、右カバー158と右カバー158側のアウタープレ
ート188との間には皿バネ192が設けられ多板クラ
ッチ186を付勢し初期差動制限力を得ている。
【0048】ケーシング本体156には収納孔194,
196が周方向等間隔に4組形成されている。収納孔1
94,196にはそれぞれ第1と第2のヘリカルピニオ
ンギヤ198,200が摺動回転自在に収納されてい
る。
【0049】第1のピニオンギヤ198は、第1と第2
のギヤ部202,204とこれらを連結する小径の軸部
206からなり、第1のギヤ部202は左のサイドギヤ
160と噛み合っている。第2のピニオンギヤ200は
第1と第2のギヤ部207,208とこれらを連結する
小径の軸部210からなり、第1のギヤ部207は右の
サイドギヤ162及び第1のピニオンギヤ198の第2
ギヤ部204と噛み合い、第2ギヤ部208は第1のピ
ニオンギヤ198の第1ギヤ部202と噛み合ってい
る。
【0050】第1と第2のピニオンギヤ198,200
は左のサイドギヤ160とデフケース152の左カバー
154との間及び右のサイドギヤ162とデフケース1
52の右カバーとの間で第1のピニオンギヤ198の第
1ギヤ部202と第2のピニオンギヤ200の第2ギヤ
部208及び第1のピニオンギヤ198の第2ギヤ部2
04と第2のピニオンギヤ200の第1ギヤ部が噛み合
っている。
【0051】第1と第2のピニオンギヤ198,200
の左端面212,214(端部)は多板クラッチ170
を押圧可能であり、第1と第2のピニオンギヤ198,
200の右端面216,218(端部)は多板クラッチ
186を押圧可能である。
【0052】サイドギヤ160,162の捩れ角は互い
に反対方向である。又第1ピニオンギヤ198の第1と
第2ギヤ部202,204は同一方向の捩れ角を持ち、
第2ピニオンギヤ200の第1と第2のギヤ部207,
208は同一方向の捩れ角を持っている。
【0053】デフケース152には、開口216,21
8が第1と第2のピニオンギヤ198,200の軸部2
06,210が位置するケーシング内の空隙部に貫通し
て設けられ、デフケース152の回転によってデフキャ
リア内のオイル溜りから撥ね上げられるオイルがこれら
開口216,218から流入し、ギヤの噛み合い部や多
板クラッチ170,186や各摺動部等を潤滑する。
【0054】デフケース152を回転させるエンジンの
駆動力は、ピニオンギヤ198,200からサイドギヤ
160,162を介して左右の出力軸166,168に
分配され、左右の出力軸166,168間に駆動抵抗差
が生じるとピニオンギヤ160,162の自転によって
エンジンの駆動力は左右各側に差動配分される。
【0055】トルク伝達中、ピニオンギヤ198,20
0はサイドギヤ160,162との噛み合い反力によ
り、収納孔194,196の壁面に押し付けられ摩擦抵
抗が発生する。
【0056】又、ピニオンギヤ198,200の噛み合
いスラスト力により、車両が前進走行する時はピニオン
ギヤ198が左方(矢印220)に移動し左端面212
で多板クラッチ170を押圧すると共にピニオンギヤ2
00が右方(矢印222)に移動し右端面218で多板
クラッチ186を押圧し、摩擦抵抗が発生する。車両が
後進走行する時(又はエンジンブレーキを作動させた
時)は、ピニオンギヤ198が右方(矢印220と逆方
向)、ピニオンギヤ200が左方(矢印222と逆方
向)にそれぞれ移動し、左端面214と右端面216で
多板クラッチ170,186を押圧して摩擦抵抗が発生
する。
【0057】更にサイドギヤ160,162の噛み合い
スラスト力によりサイドギヤ160,162間あるいは
サイドギヤ160,162と左右カバー154,158
間とで摩擦抵抗が発生する。
【0058】デファレンシャル装置150は車両の直
進、後退や左右旋回の各走行時の入力伝達トルクに比例
して増大するこれらの摩擦抵抗によってトルク感応型の
差動制限機能が得られる。
【0059】デファレンシャル装置150は第1と第2
のヘリカルピニオンギヤ198,200の両方で進行方
向に係わらず多板クラッチを押圧できるように構成した
から従来に比べ大きな差動制限機能が得られる。
【0060】又ピニオンギヤ198,200に押圧部を
特別に設けることなく、ピニオンギヤ198,200と
デフケース152(実施例中では左右のカバー154,
158)との間に軸方向小スペースを設け、多板クラッ
チ170,186を配設するのみでピニオンギヤ19
8,200の端部で直接多板クラッチ170,186を
押圧でき、差動制限機能を高めることが容易に可能とな
る。
【0061】なお、多板クラッチはデフケース内の両側
に設けずどちらか一方側に設けても良い。
【0062】デファレンシャル装置150を車両に適用
した場合、トルク感応型差動制限機能が十分に高めら
れ、発進時や加速時のようにトルクを掛けた時の車両の
挙動が安定し、操作性が向上すると共に、悪路などで出
力軸の一方が空転した時は、皿バネ192による一定の
差動制限力によって設置側の出力軸に駆動力が送られ走
破性が向上する。
【0063】上記各実施例のデファレンシャル装置7,
99,101,150は車両のフロントデフ、リヤデ
フ、センターデフに適用することができる。
【0064】
【発明の効果】第1発明によれば、デフケースと少なく
とも一方のヘリカルサイドギヤとの間に摩擦クラッチを
配置し、これを第1と第2のヘリカルピニオンギヤのい
ずれかで押圧出来るように構成したから、摩擦クラッチ
はデフケースの回転方向に係わらずいずれかのヘリカル
ピニオンギヤで押圧され、差動制限機能を十分に得るこ
とができる。
【0065】また、摩擦クラッチを1組用いるのみで差
動制限力を強化できるので、それだけ軸方向に小型であ
り、部品点数と重量が減って有利である。
【0066】第2発明によれば、第1と第2のヘリカル
ピニオンギヤの噛合い部とデフケースとの間の小スペー
スに摩擦クラッチを設け、第1と第2のヘリカルピニオ
ンギヤの噛合い端部がそれぞれ摩擦クラッチを押圧する
ので、デフケースの両方向の回転に対して差動制限機能
を得ることができる。また、デフケースの軸方向寸法を
小型にできる。
【0067】第3発明によれば、第2の発明による効果
に加え、第2のヘリカルピニオンギヤが押圧部を介して
摩擦クラッチを押圧するよう該押圧部を第1のヘリカル
ピニオンギヤの一端面方向に位置して設けているので、
ピニオンギヤの噛合い部と摩擦クラッチの軸方向の位置
関係が隣接しているいないにかかわらずに、デフケース
の両方向の回転に対して差動制限機能を得ることができ
る。
【0068】第4発明によれば、第3発明による効果に
加え、押圧部は第2のヘリカルピニオンギヤのギヤ部と
は別体であるので、第2のヘリカルピニオンギヤの形成
が容易となる。また、押圧部の長さを種々設定しておく
ことにより摩擦クラッチとのすき間調整を行うことがで
きる。さらに、押圧部を取り外すことにより、差動制限
機能の強化の不要なタイプのデファレンシャル装置との
ヘリカルピニオンギヤ単体及びデファレンシャル装置全
体の互換性をもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す断面図である。
【図2】図1の実施例の他の状態を示す断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【図5】従来例の断面図である。
【符号の説明】
7,99,101,150 デファレンシャル装置 21,156 入力側デフケース 39,160 第1のヘリカルサイドギヤ 41,162 第2のヘリカルサイドギヤ 59,170,186 多板クラッチ(摩擦クラッチ) 69,71,194,196 収納孔 73,198 第1のヘリカルピニオンギヤ 75,200 第2のヘリカルピニオンギヤ 89 押圧ピン(押圧部) 212,214 左端面(端部) 216,218 右端面(端部) 84 端面(一端面)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    入力側のデフケースと、出力側に連結された第1と第2
    のヘリカルサイドギヤと、デフケースに設けられた収納
    孔に摺動回転自在に収納され、互いに噛み合って各ヘリ
    カルサイドギヤを連結する第1と第2のヘリカルピニオ
    ンギヤと、第1のヘリカルサイドギヤ及び第2のヘリカ
    ルサイドギヤのうち少なくとも一方のサイドギヤとデフ
    ケースとの間に配置され、デフケースが一側に回転する
    時は第1ヘリカルピニオンギヤの噛み合いスラスト力を
    受け、デフケースが他側に回転する時は第2ヘリカルピ
    ニオンギヤの噛み合いスラスト力を受けて締結される摩
    擦クラッチとを備えたことを特徴とするデファレンシャ
    ル装置。
  2. 【請求項2】 エンジンの駆動力により回転駆動される
    入力側デフケースと、出力側に連結された第1と第2の
    ヘリカルサイドギヤと、デフケースに設けられた収納孔
    に摺動回転自在に収納され、第1と第2のヘリカルサイ
    ドギヤの少なくとも一方のサイドギヤとデフケースとの
    間で互いに噛合って各ヘリカルサイドギヤを連結する第
    1と第2のヘリカルピニオンギヤと、第1と第2のヘリ
    カルピニオンギヤの噛合い部とデフケースとの間に配置
    された摩擦クラッチとを備えたデファレンシャル装置で
    あって、 前記第1と第2のヘリカルピニオンギヤの噛合い端部が
    それぞれ前記摩擦クラッチを押圧することを特徴とする
    デファレンシャル装置。
  3. 【請求項3】 第1のヘリカルサイドギヤと噛み合う第
    1のヘリカルピニオンギヤの一端面が摩擦クラッチを押
    圧すると共に、第2のヘリカルサイドギヤと噛み合う第
    2のヘリカルピニオンギヤが第1のヘリカルピニオンギ
    ヤの一端面方向に設けた第2のピニオンギヤの押圧部を
    介して摩擦クラッチを押圧することを特徴とする請求項
    2のデファレンシャル装置。
  4. 【請求項4】 第2のヘリカルピニオンギヤのギヤ部と
    押圧部とを別体にした請求項3のデファレンシャル装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000136866A (ja) * 1999-11-19 2000-05-16 Zexel Corp 平行軸差動歯車装置
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