JPH0949557A - 差動制限装置 - Google Patents

差動制限装置

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JPH0949557A
JPH0949557A JP20062995A JP20062995A JPH0949557A JP H0949557 A JPH0949557 A JP H0949557A JP 20062995 A JP20062995 A JP 20062995A JP 20062995 A JP20062995 A JP 20062995A JP H0949557 A JPH0949557 A JP H0949557A
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Japan
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pinion
differential
differential case
pair
force
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JP20062995A
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Shinji Yamazaki
伸司 山崎
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GKN Driveline Japan Ltd
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Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 格別なスペースを要することなく、差動回転
差に応じてイニシャルトルクを変更できる簡素な構造の
差動制限装置を提供するものである。 【解決手段】 デフケース1の回転駆動力が該デフケー
ス1内に収納されたピニオン軸2に軸支された一対のピ
ニオンギヤ3、4を介して前記デフケース1の回転軸上
に配置された左右のサイドギヤ5、6にトルク配分して
伝達されるとともに、前記ピニオンギヤ3、4とサイド
ギヤ5、6との噛合反力にるスラスト力によって各サイ
ドギヤ5、6の外周の錐面5D、6Dがデフケース1の
錐面1Dに圧接されて差動制限力が発生するように構成
された差動制限装置において、前記一対のピニオンギヤ
3、4はその背面3C、4Cがデフケース1に摺接すべ
く予圧スプリング8に弾圧されピニオン軸2に嵌合され
た一対のプレッシャースリーブ7A、7Bによって付勢
され、かつ、前記一対のプレッシャースリーブ7A、7
Bの対向面にはカム部7Cが形成されていることを特徴
とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デフケースの回転
駆動力が該デフケース内に収納されたピニオン軸に軸支
された一対のピニオンギヤを介して前記デフケースの回
転軸上に配置された左右のサイドギヤにトルク配分して
伝達される差動制限装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のデフケースの回転駆動力を該デ
フケース内に収納されたピニオン軸に軸支された一対の
ピニオンギヤを介して前記デフケースの回転軸上に配置
された左右のサイドギヤにトルク配分して伝達する差動
制限装置として、例えば図5に示した特公昭46−82
06号公報に記載されたようなものがある。この従来例
のものは、デフケース21がエンジンからの駆動系によ
って回転されると、デフケース21内に収納されたピニ
オン軸22に軸支されたピニオンギヤ24を介してデフ
ケースの回転軸S上に配置された左右のサイドギヤ2
5、26にトルク配分して伝達され、これら各サイドギ
ヤにスプライン嵌合された左右の駆動軸Sが回転駆動さ
れる。直進時には、ピニオンギヤ24と左右のサイドギ
ヤ25、26との噛合反力により発生するスラスト力に
よって各サイドギヤ25、26は互いに軸方向に離反
し、左右の各クラッチ要素35を介挿体Iの錐面に圧接
させる。これによって、ピニオンギヤ24と各サイドギ
ヤ25、26間における相対回転すなわち差動回転を伴
うことなく、確実に左右均等に駆動力を伝達する。
【0003】転向等による操向時には、左右の駆動輪間
の回転差に応じてピニオンギヤ24と各サイドギヤ2
5、26間における差動作用によって左右の駆動輪にト
ルク配分された駆動力を伝える。また、前記左右のサイ
ドギヤ25、26間には接触要素45、45がスプリン
グ28により軸方向両外側に付勢されて予圧を与えられ
て配置されている。これにより、操向時等あるいは泥濘
地走行中において路面状態に起因して左右輪間で走行負
荷に差が生じた場合には、例えば左駆動輪がスリップし
て右駆動輪の走行抵抗が大きい場合、ピニオンギヤ24
は静止した右サイドギヤ26上を自転しながら公転しよ
うとする。その際、空転する高速回転側の左駆動輪へは
その走行抵抗に応じた駆動力が伝わるだけであるが、ピ
ニオンギヤ24と右サイドギヤ26の噛合反力による右
クラッチ要素35と介挿体Iの錐面との摩擦により発生
した差動制限力の分が前記ピニオンギヤ24を介して右
サイドギヤ26への駆動力に加算される。また、スプリ
ング28により予圧付勢された前記接触要素45、45
のスラスト力によっても、前記クラッチ要素35と介挿
体Iの錐面との摩擦を促進して、前記右サイドギヤ26
への駆動力を増大させることになる。したがって、片輪
スリップ時に、スリップしていない車輪に駆動力が伝達
されて悪路での走破性能が確保できるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
所定のばね力に設定された従来の予圧スプリングを配設
したものでは、予圧によるイニシャルトルクは所定の値
に設定されてしまい、より効果的な差動制限トルクを得
るにはいまだ不充分であった。そのため、従来では効果
的な差動制限トルクを発生させるために種々の改良がな
されてきているが、そのための部材のスペースや、制御
のための装置を別途設ける必要があって、装置が大型化
したりコスト高になり実用的でなかった。
【0005】このため、本発明では、上記従来の差動制
限装置における課題を解決して、格別なスペースを要す
ることなく、差動回転差に応じてイニシャルトルクを変
更できる簡素な構造の差動制限装置を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、上記
した従来の課題を解決するために、デフケースの回転駆
動力が該デフケース内に収納されたピニオン軸に軸支さ
れた一対のピニオンギヤを介して前記デフケースの回転
軸上に配置された左右のサイドギヤにトルク配分して伝
達されるとともに、前記ピニオンギヤとサイドギヤとの
噛合反力にるスラスト力によって各サイドギヤの外周の
錐面がデフケースの錐面に圧接されて差動制限力が発生
するように構成された差動制限装置において、前記一対
のピニオンギヤはその背面がデフケースに摺接すべく予
圧スプリングに弾圧されピニオン軸に嵌合された一対の
プレッシャースリーブによって付勢され、かつ、前記一
対のプレッシャースリーブの対向面にはカム部が形成さ
れていることを特徴とするもので、これを課題解決のた
めの手段とするものである。また、本発明は、デフケー
スの回転駆動力が該デフケース内に収納されたピニオン
軸に軸支された一対のピニオンギヤを介して前記デフケ
ースの回転軸上に配置された左右のサイドギヤにトルク
配分して伝達されるとともに、前記ピニオンギヤとサイ
ドギヤとの噛合反力にるスラスト力によって各サイドギ
ヤの外周の錐面がデフケースの錐面に圧接されて差動制
限力が発生するように構成された差動制限装置におい
て、前記一対のピニオンギヤはその背面がデフケースに
摺接すべく予圧スプリングに弾圧されピニオン軸に嵌合
された1つのプレッシャースリーブによって付勢され、
かつ、該プレッシャースリーブとピニオン軸の対向面に
はカム部が形成されていることを特徴とするもので、こ
れを課題解決のための手段とするものである。さらに、
本発明は、前記一対のピニオンギヤが互いに直交する2
本のピニオン軸にそれぞれ軸支されていてもよく、これ
らを課題解決のための手段とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1および図2は本発明の差動制限
装置の第1の実施の形態を示し、図1は全体および要部
を示し、図2は作用を示す拡大図である。本実施の形態
の差動制限装置では、図1(A)に全体図として示すよ
うに、左右のデフケース1A、1Bに分割形成されたデ
フケース1の回転駆動力が該デフケース1内に収納され
たピニオン軸2に軸支された一対の第1および第2ピニ
オンギヤ3、4を介して前記デフケース1の回転軸上に
配置された左右のサイドギヤ5、6にトルク配分して伝
達されるとともに、前記ピニオンギヤ3、4とサイドギ
ヤ5、6との噛合反力にるスラスト力によって各サイド
ギヤ5、6の外周の錐面5D、6Dがデフケースの錐面
1D、1Dに圧接されて差動制限力が発生するように構
成されている。
【0008】本発明の第1の実施の形態としての特徴点
は、前記ピニオン軸2に軸支された一対のピニオンギヤ
3、4はその背面3C、4Cが球面に形成され、前記デ
フケースの対応するケース球面1C、1Cに摺接すべく
予圧スプリング8に弾圧されピニオン軸2に嵌合された
図1(B)(C)に示されたような一対のプレッシャー
スリーブ7A、7Bによって付勢され、かつ、前記一対
のプレッシャースリーブ7A、7Bの対向面には山形状
のカム部7Cが形成されていることである。前記一対の
プレッシャースリーブ7A、7Bの前記ピニオンギヤ
3、4の内端面に接する部分は拡大径のフランジ7D、
7Eが形成され、これらプレッシャースリーブ7A、7
Bの外周に嵌合された予圧スプリング8の両端の受座を
形成している。また、これら一対のプレッシャースリー
ブ7A、7Bの対向面には少なくとも1つの山形状のカ
ム部7Cが形成されているが、該山形状のカム部7Cは
円周上に複数個形成されていてもよい。また、前記各サ
イドギヤ5、6の外周の錐面5D、6Dおよび各ピニオ
ンギヤ3、4の球面状の背面3C、4Cには例えば螺旋
状に油溝5A、6Aおよび3Aが刻設され、これらの油
溝を循環する潤滑油により差動制限作用時の各部材間の
圧接時の焼付き等を防止できるように構成されている。
なお、これらの油溝をデフケース側に刻設することもで
きる。
【0009】このような構成によって、デフケース1が
エンジンからの駆動系によって回転されると、デフケー
ス1内に収納されたピニオン軸2に軸支されたピニオン
ギヤ3、4を介してデフケース1の回転軸上に配置され
た左右のサイドギヤ5、6にトルク配分して伝達され、
これら各サイドギヤ5、6スプライン嵌合された図示し
ない左右の駆動軸が回転駆動される。直進時には、駆動
力によってピニオンギヤ3、4と左右のサイドギヤ5、
6との噛合反力により発生するスラスト力によって各サ
イドギヤ5、6は互いに軸方向に軸動離反し、それらの
外周の各錐面5D、6Dをデフケース1A、1Bの錐面
1D、1Dに圧接させる。これによって、ピニオンギヤ
3、4と各サイドギヤ5、6間における相対回転すなわ
ち差動回転を伴うことなく、確実に左右均等に駆動力が
伝達される。
【0010】転向等による操向時には、左右の駆動輪間
の回転差に応じて一方のサイドギヤ上を相対的に公自転
するピニオンギヤ3、4と各サイドギヤ5、6間におけ
る差動作用によって左右の駆動輪にトルク配分された駆
動力を伝えるが、操向時等あるいは泥濘地走行中におい
て路面状態に起因して左右輪間で走行負荷に差が生じた
場合には、例えば左駆動輪がスリップして右駆動輪の走
行抵抗が大きい場合、ピニオンギヤ3、4は大なる走行
抵抗によって静止した右サイドギヤ6上を自転しながら
公転しようとする。その際、空転する高速回転側である
左駆動輪にはその走行抵抗に応じた駆動力が伝達される
だけであるが、ピニオンギヤ3、4と右サイドギヤ6の
噛合反力による右サイドギヤ6の錐面6Dとデフケース
1Bの錐面1Dとの摩擦により発生した差動制限力の分
が前記ピニオンギヤ24を介して右サイドギヤ6の駆動
力に加算される。
【0011】さらに、上記の状態で左駆動輪が完全に空
転し、脱出不能に陥った際には、前記ピニオン軸2に嵌
合され予圧スプリング8によって所定の予圧にて付勢さ
れた一対のプレッシャースリーブ7A、7Bにおける前
記各ピニオンギヤ3、4の内端面に接する拡大径のフラ
ンジ7D、7Eによって、前記各ピニオンギヤ3、4は
ピニオン軸2の軸方向両外側に移動して、その球面状の
各背面3C、4Cをデフケース1Bの内面のケース球面
1C、1Cに圧接されて、所定のイニシャルトルクによ
る差動制限力が発生し、デフケース1との相対回転が減
じられたピニオンギヤ3、4によるこの差動制限力が走
行抵抗の大なる低速の右側の駆動力に加算され、悪路ら
の脱出が可能になる。
【0012】さらに、差動時においては、前記各ピニオ
ンギヤ3、4は互いに反対方向に回転しながら一方のサ
イドギヤの上を公転するために、これら各ピニオンギヤ
3、4の内端面に接する拡大径のフランジ7D、7Eを
有する前記一対のプレッシャースリーブ7A、7Bも、
互いに反対方向に連れ回りして相対回転をしようとす
る。これによって、図2に示すように、一対のプレッシ
ャースリーブ7A、7Bの相対回転によってそれらの対
向面に形成された山形状のカム部7Cには、それらの相
対回転力に応じてカム部の斜面に垂直な力Fが発生し、
回転方向のトルクTとピニオン軸の軸方向のスラスト力
Pに分力される。したがって、これらの力はプレッシャ
ースリーブ7A、7B間の相対回転力に応じて適切に変
化することになり、これらプレッシャースリーブ7A、
7B間の相対回転力に応じて適切に発生したスラスト力
によって前記各ピニオンギヤ3、4はピニオン軸2の軸
方向両外側に移動して、その球面状の各背面3C、4C
をデフケース1Bの内面のケース球面1C、1Cに圧接
して、差動制限力が発生し、さらに適切な差動制限力が
右側の駆動力に加算される。したがって、片輪スリップ
時に、スリップしていない車輪に確実に駆動力が伝達さ
れて悪路での走破性能がより確実になるものである。
【0013】図3は本発明の差動制限装置の第2実施の
形態を示すものである。本実施の形態の特徴は、前記予
圧スプリング8に弾圧されピニオン軸2に嵌合されたプ
レッシャースリーブ7Aが1つであることである。プレ
ッシャースリーブ7Aにのみ第1ピニオンギヤ3の内端
面に接する拡大径フランジ7Dが設けられており、その
プレッシャースリーブ7Aのフランジ7Dの反対側には
ピニオン軸2に設けられたカム部2Cと対向して形成さ
れるカム部7Cが形成されたものである。プレッシャー
スリーブ7Aの拡大径フランジ7Dと図示しないピニオ
ン軸2の適宜部位あるいは第2ピニオンギヤ4の内端面
との間に予圧スプリング8が配設される。
【0014】これによって、差動時には、ピニオン軸2
に対するプレッシャースリーブ7Aの相対回転によって
カム部7C、2Cにて発生するスラスト力により、各ピ
ニオンギヤ3、4の球面状の各背面3C、4Cとデフケ
ース1Bの内面のケース球面1C、1Cとの圧接により
差動制限力を得ることができる。
【0015】図4は本発明の差動制限装置の第3実施の
形態を示すものである。本実施の形態においても前記第
1実施の形態のものと同様に、ピニオン軸2に嵌合され
予圧スプリング8(図4では図示省略)によって所定の
予圧にて付勢された一対のプレッシャースリーブ17
A、17Bにおいて、一方のプレッシャースリーブ17
Aにのみ第1ピニオンギヤ3の内端面に接する拡大径フ
ランジ17Dが設けられているが、本実施の形態では、
他方のプレッシャースリーブ17Bには拡大径フランジ
が設けられていない。本実施の形態の特徴は、一対のピ
ニオンギヤが互いに直交する2本のピニオン軸にそれぞ
れ軸支されていることである、すなわち、図4に示すよ
うに、90度の間隔で放射状に配置されたピニオン軸1
2、13、14および15の先端に各ピニオンギヤ(図
示せず)がそれぞれ都合4個軸支されたものである。本
実施の形態では、各ピニオン軸につき、ピニオン軸12
に嵌合され予圧スプリング8(図示せず)によって所定
の予圧にて付勢された一対のプレッシャースリーブ17
A、17Bにおいて、一方のプレッシャースリーブ17
Aにのみ第1ピニオンギヤ3にの内端面に接する拡大径
フランジ17Dが設けられ、他方のプレッシャースリー
ブ17Bには拡大径フランジが設けられず、該他方のプ
レッシャースリーブ17Bにはピニオン軸の交差部に設
けられた円弧凸部に係合する円弧凹部17Fが刻設され
てプレッシャースリーブ17Bとピニオン軸とが一体回
転するように構成されている。他の3つのピニオン軸1
3〜15についても同様の構成が採用される。また、こ
れらピニオン軸と各プレッシャースリーブとの関連構成
は前述した第1および第2の実施の形態を採用し得るこ
とは言うまでもない。
【0016】これによって、本実施の形態における差動
時には、各ピニオン軸12〜15のプレッシャースリー
ブの各カム部17C、18C、・・において相対回転差
に応じて発生するスラスト力により、各一対のピニオン
ギヤの球面状の各4つの背面とデフケース1Bの内面の
4つのケース球面との圧接により差動制限力をより均等
に得ることができることとなって、相対回転差に応じた
強力な差動制限トルクの発生を円滑な差動制限作用によ
って得ることができる。なお、各ピニオンギヤ背面とデ
フケースの内面の接触部形状は上述した球面接触に限ら
ず、円錐面形状を採用することもできる。
【0017】以上本発明の実施の形態を述べてきたが、
本発明の趣旨の範囲内にて、左右のデフケースの嵌合方
式およびその形状、サイドギヤとデフケースとの締結形
態、ピニオンギヤおよびサイドギヤの形状やこれらのギ
ヤの平歯、はす歯等歯すじの角度、これらの間の噛合関
連形状、予圧スプリングの配設形態、カム部の形状等を
適宜採用できることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、ピニオン軸に嵌合され予圧スプリングによる所定の
予圧にて付勢された一対のプレッシャースリーブによっ
て、各ピニオンギヤはピニオン軸の軸方向両外側に付勢
され、各ピニオンギヤの各背面をデフケースの内面のケ
ース球面に圧接して、所定のイニシャルトルクによる差
動制限力を発生させて、高い走行抵抗によって静止され
た駆動側との間において発生したデフケースとの相対回
転が減じられたピニオンギヤによる差動制限力が高い走
行抵抗によって低速回転する側の駆動力に加算されて、
片輪スリップ時における悪路での走破性能が向上するの
みならず、さらに、差動時において、前記各ピニオンギ
ヤは互いに反対方向に回転しながら一方のサイドギヤの
上を公転するために、これら各ピニオンギヤの内端面に
接する前記一対のプレッシャースリーブも、互いに反対
方向に連れ回りして相対回転し、それらの対向面に形成
された山形状のカム部にてこれらプレッシャースリーブ
間の相対回転力に応じて適切に発生したスラスト力によ
って前記各ピニオンギヤはピニオン軸の軸方向両外側に
移動し、その各背面をデフケースの内面のケース球面に
圧接して、差動回転差に応じた差動制限力が発生し、さ
らに適切な差動制限力が走行抵抗の高い低速側の駆動力
に加算される。したがって、片輪スリップ時に、スリッ
プしていない車輪に確実に駆動力が伝達されての悪路で
の走破性能がより確実になるものである。
【0019】また、前記一対のピニオンギヤが互いに直
交する2本のピニオン軸にそれぞれ軸支されるように、
すなわち4つのピニオンギヤが円周上に均等に配置され
るならば、各ピニオン軸のプレッシャースリーブの各カ
ム部において相対回転差に応じて発生するスラスト力に
より、各一対のピニオンギヤの球面状の各4つの背面と
デフケースの内面の4つのケース球面との圧接によって
差動制限力をより均等に得ることができ、相対回転差に
応じた強力な差動制限トルクの発生を円滑な差動制限作
用によって得ることができる。さらに、前記各サイドギ
ヤの外周の錐面および各ピニオンギヤの球面状の背面に
油溝を刻設するならば、これらの油溝を循環する潤滑油
により差動制限作用時の各部材間の圧接時の焼付き等を
有効に防止して、強力な差動制限トルクの発生をより現
実的なものとすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の差動制限装置の第1実施の形態の全体
および要部の図である。
【図2】本発明の差動制限装置の第1実施の形態の作用
を説明する図である。
【図3】本発明の差動制限装置の第2実施の形態を示す
要部の図である。
【図4】本発明の差動制限装置の第3実施の形態を示す
要部の図である。
【図5】従来の差動制限装置の全体図である。
【符号の説明】
1 デフケース 1A 左デフケース 1B 右デフケース 1C ケース球面 1D ケース錐面 2 ピニオン軸 3 第1ピニオンギヤ 3C ピニオン背面 4 第2ピニオンギヤ 4C ピニオン背面 5 左サイドギヤ 5D サイドギヤ錐面 6 右サイドギヤ 6D サイドギヤ錐面 7 プレッシャースリーブ 7A 第1プレッシャースリーブ 7B 第2プレッシャースリーブ 7D フランジ 8 予圧スプリング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフケースの回転駆動力が該デフケース
    内に収納されたピニオン軸に軸支された一対のピニオン
    ギヤを介して前記デフケースの回転軸上に配置された左
    右のサイドギヤにトルク配分して伝達されるとともに、
    前記ピニオンギヤとサイドギヤとの噛合反力にるスラス
    ト力によって各サイドギヤの外周の錐面がデフケースの
    錐面に圧接されて差動制限力が発生するように構成され
    た差動制限装置において、前記一対のピニオンギヤはそ
    の背面がデフケースに摺接すべく予圧スプリングに弾圧
    されピニオン軸に嵌合された一対のプレッシャースリー
    ブによって付勢され、かつ、前記一対のプレッシャース
    リーブの対向面にはカム部が形成されていることを特徴
    とする差動制限装置。
  2. 【請求項2】 デフケースの回転駆動力が該デフケース
    内に収納されたピニオン軸に軸支された一対のピニオン
    ギヤを介して前記デフケースの回転軸上に配置された左
    右のサイドギヤにトルク配分して伝達されるとともに、
    前記ピニオンギヤとサイドギヤとの噛合反力にるスラス
    ト力によって各サイドギヤの外周の錐面がデフケースの
    錐面に圧接されて差動制限力が発生するように構成され
    た差動制限装置において、前記一対のピニオンギヤはそ
    の背面がデフケースに摺接すべく予圧スプリングに弾圧
    されピニオン軸に嵌合された1つのプレッシャースリー
    ブによって付勢され、かつ、該プレッシャースリーブと
    ピニオン軸の対向面にはカム部が形成されていることを
    特徴とする差動制限装置。
  3. 【請求項3】 前記一対のピニオンギヤが互いに直交す
    る2本のピニオン軸にそれぞれ軸支されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の差動制限装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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