JPH08152032A - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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JPH08152032A
JPH08152032A JP6294359A JP29435994A JPH08152032A JP H08152032 A JPH08152032 A JP H08152032A JP 6294359 A JP6294359 A JP 6294359A JP 29435994 A JP29435994 A JP 29435994A JP H08152032 A JPH08152032 A JP H08152032A
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JP
Japan
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ring
piston
retraction ring
retraction
bottom wall
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JP6294359A
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English (en)
Inventor
Mamoru Saito
衛 斉藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスクブレーキ装置において、リトラクシ
ョンリングの傷付きを確実に防止するとともに、ピスト
ンのリトラクト量の低下を防止することを目的とする。 【構成】 リトラクションリング17は液圧室の液圧上
昇に応じて、凹所19に弾性変形し、制動後の除圧時に
は凹所19に弾性変形したリトラクションリング17が
弾性復帰する。それらの際にリトラクションリング17
は、段部15dの肩部20に摺接しながら摺動するが、
肩部20に設けた低摩擦材21によってリトラクション
リング17と肩部20との間の摺動抵抗は小さいものと
なっている。さらに、シール溝15の底壁15bとリト
ラクションリング17とが圧接する面積は、肩部20の
面取りによって減ることがないので、制動後の除圧時に
ピストン12とリトラクションリング17との間に生じ
る摩擦力が減少することはなく、ピストンのリトラクト
量の低下を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等車両の制動装
置として使用されるディスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のディスクブレーキ装置としては、
例えば、特開平6−249275号公報に開示された構
造が知られている。この構造を図7に基づいて以下に説
明する。
【0003】図7において、回転体としてのディスクロ
ータ8の両側面に対向してパッド1a、1bが設けられ
ており、パッド1a、1bの外側には、ディスクロータ
8を跨いでキャリパ3が設けられている。キャリパ3は
シリンダ3aと、爪部3cと、これらシリンダ3aと爪
部3cとを連結するブリッジ部3bとで構成されてお
り、シリンダ3aがパッド1aのディスクロータ8とは
反対側に、爪部3cがパッド1bのディスクロータ8と
は反対側に位置している。シリンダ3aには内孔4が穿
設され、ピストン2が液密かつ摺動可能に該内孔4に挿
入されており、内孔4とピストン2とで液圧室6が形成
されている。また、シリンダ3aの内孔4には、シリン
ダ3aの軸方向断面が略矩形で、シリンダ3aの軸直方
向断面が環状とされたリング溝5が形成されている。リ
ング溝5のピストン2外周面と対向して位置する壁面で
ある底壁5bとピストン2の外周面に圧接し、かつ、リ
ング溝5のパッド側側壁5aに当接してリトラクション
リング17がリング溝15内に配設されている。リトラ
クションリング7はシリンダ3aとピストン2間をシー
ルするとともに制動後の液圧室除圧時に、後述する弾性
復帰によってピストン2を原位置に復帰させるものであ
る。また、底壁5bには、ピストン2から底壁5bまで
の距離がパッド1a側で大となるように底壁5bに設け
られる段部5dによって、パッド側側壁5aに開口する
凹所9が設けられ、凹所9は制動時、リトラクションリ
ング7の弾性変形量を収納する。リング溝5のパッド側
側壁5aには、リング溝5の内孔開口側に傾斜した環状
の面取り部5cが形成されている。また、凹所9を形成
する段部5dの肩部10は、なだらかな曲面となるよう
に面取り(R面取り)されている。なお、前記液圧室6
は図示しない液圧源と接続され、液圧室6内の液圧が上
昇及び下降可能とされている。
【0004】かかるディスクブレーキ装置においては、
液圧室6の液圧上昇に応じて、ピストン2は内孔4内を
パッド1a方向に摺動し、パッド1aをディスクロータ
8に向けて押圧する。さらに液圧が上昇すると、キャリ
パ3が液圧により、シリンダ3aがピストン2から離れ
る方向(図7では図示右側)に移動し、ブリッジ部3b
を介して爪部3cがパッド1bをディスクロータ8に向
けて押圧する。即ち、パッド1a、1bがディスクロー
タ8の側面を挟圧して、その摩擦力によりディスクロー
タ8の回転が抑制されるようになっている。このとき、
リトラクションリング7はピストン2に圧接されている
ので、ピストン2とリトラクションリング7との間に摩
擦力が生じており、ピストン2の摺動に伴って、パッド
1a側へ弾性変形する。この弾性変形は最初、リトラク
ションリング7が面取り部5cに圧接されるまで弾性変
形していき、その後、段部5dの肩部10に摺接しなが
ら凹所9内に弾性変形していく。
【0005】また、ピストン2はリトラクションリング
7に圧接され、半径方向内側に向けて押圧力を受けてい
る。さらにリトラクションリング7は底壁5bにも圧接
しているので、その圧接力により底壁5bから反力を受
け、その反力によっても、ピストン2を半径方向内側に
向けて押圧している。したがって、これらの押圧力によ
って生じるピストン2とリトラクションリング7との間
の摩擦力によって、制動後の液圧室除圧時におけるリト
ラクションリング7の弾性復帰に伴ってピストン2がパ
ッド1aから離れる方向に引っ張られ、ピストン2はパ
ッド1aから離れる方向に摺動し、ディスクブレーキ装
置非作動の初期の状態に戻されるものとなっている。
【0006】上記したように、液圧室6の液圧上昇に応
じてリトラクションリング7はリング溝5に形成した凹
所9に弾性変形し、また、制動後の液圧室除圧時におい
ては弾性変形したリトラクションリング7は弾性復帰す
る。これらの際にリトラクションリング7は段部5dの
肩部10に摺接しながら摺動するため、リトラクション
リング7に傷が付くことがある。このため、上述の如く
の従来技術では、図7のように段部5dの肩部10にR
面取りを施すことによって、肩部10とリトラクション
リング7との間の摺動抵抗を減少させてリトラクション
リング7の傷付きを防止するものとなっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のディスクブレーキ装置においては、リトラクション
リング7の傷付きを確実に防止するためには、段部5d
の肩部10の面取り面積を充分に大きくして、摺動抵抗
を減少させる必要がある。一方、前述した如く、リトラ
クションリング7は底壁5bに圧接され、その圧接力に
より底壁5bから受ける反力によって、ピストン2を押
圧する押圧力を増大させることによって、ピストン2と
リトラクションリング7との間の摩擦力を増大させてい
る。即ち、リトラクションリング7が受ける反力は、リ
トラクションリング7が底壁5bと圧接する面積によっ
て定まるものとなっている。したがって、段部5dの肩
部10に面取りを施すと、リトラクションリング7と底
壁5bの圧接面積が低下し、リトラクションリング7が
受ける反力が小さくなってしまい、ピストン2がリトラ
クションリング7に押圧される押圧力は、肩部10に面
取りを施したことにより失われた反力の分だけ減少して
しまう。そのために肩部10の面取りを大きくしすぎる
と、ピストン2とリトラクションリング7との間の摩擦
力が小さくなりすぎてしまい、リトラクションリング7
が弾性復帰する際にリトラクションリング7がピストン
上を滑ってしまい、リトラクションリング7の弾性復帰
力がピストン2に全て伝わらず、リトラクト量(制動後
の液圧室除圧時に得られるピストンの戻り量)の低下が
起こることがあった。
【0008】本発明は、段部の肩部とリトラクションリ
ングとの間の摺動抵抗を減少させ、リトラクションリン
グの傷付きを確実に防止するとともに、リトラクション
リングの弾性復帰時に、リトラクションリングの弾性復
帰力以上の大きさの摩擦力をリトラクションリングとピ
ストンとの間に発生させることで、リトラクト量の低下
を防止することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、パッドをディスクロータ側へ押圧するピス
トンが液密かつ摺動可能に挿入される内孔を有するシリ
ンダと、該内孔と該ピストンとの間に形成される液圧室
と、該内孔に形成され、前記シリンダの軸方向断面が略
矩形で、前記シリンダの軸直方向断面が環状とされるリ
ング溝と、前記ピストン及び前記リング溝の底壁に圧接
され、かつ前記リング溝のパッド側側壁に当接されて、
前記リング溝に配設される環状のリトラクションリング
と、前記ピストンから前記底壁までの距離が前記パッド
側で大となるように前記底壁に設けられる段部によって
形成され、前記パッド側側壁に開口する凹所とを有する
ディスクブレーキ装置において、前記リトラクションリ
ングと前記段部の肩部との摺動抵抗を小さくする摺動抵
抗減少手段と、前記リトラクションリングの弾性復帰時
に、前記リトラクションリングの弾性復帰力以上の大き
さの摩擦力を前記リトラクションリングと前記ピストン
との間に発生させる摩擦力付与手段とを備えたことを特
徴とするものである。
【0010】
【作用】上記手段によれば、液圧室の液圧上昇に応じ
て、ピストンがシリンダの内孔内をパッド方向に摺動
し、パッドをディスクロータに向けて圧接する。このと
き、リトラクションリングはピストンに圧接されている
ので、ピストンとリトラクションリングとの間に摩擦力
が生じており、ピストンの摺動に伴って、底壁に形成さ
れた段部の肩部に摺接しながら凹所内に弾性変形する
が、摺動抵抗減少手段により、リトラクションリングと
段部の肩部との間の摺動抵抗は小さいものとなってい
る。
【0011】また、制動後の液圧室除圧時においては、
凹所内に弾性変形したリトラクションリングが段部の肩
部に摺接しながら弾性復帰するが、このときも摺動抵抗
減少手段により、リトラクションリングと段部の肩部と
の間の摺動抵抗は小さいものとなっている。更に、摩擦
力付与手段により、常にリトラクションリングとピスト
ンとの間にリトラクションリングの弾性復帰力以上の大
きさの摩擦力が発生するようになっている。
【0012】
【実施例】本発明の第1実施例の断面図を示す図1に基
づいて、本発明の第1実施例の構成を説明する。図1に
おいて、図示しない車輪とともに一体回転するように取
り付けられた回転体としてのディスクロータ18の両側
面に対向して平板状のパッド11a、11bが設けられ
ている。パッド11a、11bのディスクロータ18と
は反対側には、ディスクロータ18を跨いで、キャリパ
13が設けられている。キャリパ13はシリンダ13a
と、爪部13cと、これらシリンダ13aと爪部13c
とを連結するブリッジ部13bとで構成されており、シ
リンダ13aがパッド11aのディスクロータ18とは
反対側に、爪部13cがパッド11bのディスクロータ
18とは反対側に位置している。シリンダ13aには円
筒形状の内孔14が穿設されており、ピストン12が液
密かつ摺動可能に該内孔14に挿入されている。また、
シリンダ13aには、内孔14とピストン12とで液圧
室16が形成されており、液圧室16は図示しない液圧
源と接続され、液圧室16内の液圧が上昇及び下降可能
とされている。
【0013】シリンダ13aの内孔14には、シリンダ
13aの軸方向断面(シリンダ軸を通る平面で切った断
面)が略矩形(ピストン12の外周面からの距離がパッ
ド11aから離れる程、低くなっている台形)で、シリ
ンダ13aの軸直方向断面(シリンダ軸に垂直な平面で
切った断面)が環状とされたリング溝15が形成されて
いる。リング溝15のピストン12外周面と対向して位
置する壁面である底壁15bとピストン12の外周面に
圧接し、かつ、リング溝15のパッド側側壁15aに当
接してリトラクションリング17がリング溝15内に配
設されている。リトラクションリング17はシリンダ1
3aとピストン12間をシールするとともに制動後の液
圧室除圧時に、後述する弾性復帰によってピストン12
を原位置に復帰させるものである。また、底壁15bに
は、ピストン12から底壁15bまでの距離がパッド1
1a側で大となるように底壁15bに設けられる段部1
5dによって、パッド側側壁15aに開口する凹所19
が設けられ、凹所19は制動時、リトラクションリング
17の弾性変形量を収納するようになっている。凹所1
9を形成する段部15dの肩部20には低摩擦材21が
配設されている。この低摩擦材21はキャリパ13に用
いられる材料に比べ、摩擦係数が小さくされている。低
摩擦材21としては例えばポリテトラルフルオロエチレ
ン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニ
ル、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン−六フッ
化プロピレン共重合樹脂等のフッ素樹脂や四フッ化エチ
レン樹脂、及びセラミックス等がある。また、リング溝
15のパッド側側壁15aには、リング溝15の内孔開
口側に傾斜した環状の面取り部15cが形成されてい
る。
【0014】次に本実施例の作用を説明する。上記のよ
うに構成した本実施例のディスクブレーキ装置において
は、液圧室16の液圧上昇に応じて、ピストン12が内
孔14内をパッド11a方向に摺動し、パッド11aを
ディスクロータ18に圧接する。さらに液圧が上昇する
と、キャリパ13が液圧により、シリンダ13aがピス
トン12から離れる方向(図1では図示右側)に移動
し、ブリッジ部13bを介して爪部13cがパッド11
bをディスクロータ18に圧接する。即ち、ディスクロ
ータ18が両側からパッド11a、11bに圧接され、
その摩擦力により制動作用が生じる。
【0015】このように液圧室16の液圧上昇に応じ
て、ピストン12が内孔14内をパッド11a側へ摺動
するが、リトラクションリング17はピストン12と圧
接しているので、ピストン12とリトラクションリング
17との間に摩擦力が生じており、ピストン12の摺動
に伴って、最初、リトラクションリング17は図2の
(A)のように面取り部15cに圧接されるまで弾性変
形していく。このとき、リトラクションリング17の図
示右側下方部位はα1 だけリング溝15のパッド側側壁
15a方向に弾性変形する。
【0016】更に液圧室16の液圧が上昇すると、ピス
トン12は更にリング溝15のパッド側側壁15a方向
に摺動するので、図2の(B)にて示したようにリトラ
クションリング17の弾性変形量が図2の(A)のとき
よりも大きくなり、リトラクションリング17の図示右
側下方部位はα1 よりも大きいα2 だけリング溝15の
パッド側側壁15a方向に弾性変形する。また、リトラ
クションリング17の図示左側上方部位は、段部15d
の肩部20に設けた低摩擦材21に摺接しながら凹所1
9へ弾性変形していく。その際に、低摩擦材21を介し
ているので、リトラクションリング17と段部15dの
肩部20との間の摺動抵抗は小さいものとなっている。
【0017】液圧室16の液圧が図2の(B)で示した
ときよりも更に上昇すると、図2の(C)に示すように
リトラクションリング17の図示右側下方部位は、α2
よりも大きいα3 だけリング溝15のパッド側側壁15
a方向に弾性変形する。また、リトラクションリング1
7の図示左側上方部位は、段部15dの肩部20に設け
た低摩擦材21に摺接しながら凹所19へ図2の(B)
で示したときよりも更に大きく弾性変形していく。その
際に、低摩擦材21を介しているので、リトラクション
リング17と段部15dの肩部20との間の摺動抵抗は
小さいものとなっている。即ち、低摩擦材21が摺動抵
抗減少手段となり、リトラクションリング17と段部1
5dの肩部20との間の摺動抵抗は小さいものとなって
いる。
【0018】制動後の液圧室除圧時においては、弾性変
形したリトラクションリング17が弾性復帰する。ピス
トン12はリトラクションリング17に圧接され、半径
方向内側に向けて押圧力を受けている。さらにリトラク
ションリング17は底壁15bにも圧接しているので、
その圧接力により底壁15bから反力を受け、その反力
によっても、ピストン12を半径方向内側に向けて押圧
している。したがって、リトラクションリング17とピ
ストン12との接触部では、これらの押圧力によりピス
トン12とリトラクションリング17との間にリトラク
ションリング17の弾性復帰力以上の大きさの摩擦力が
生じ、リトラクションリング17がピストン12から離
れることなく弾性復帰する。したがって、リトラクショ
ンリング17の弾性復帰によって、ピストン12がパッ
ド11aから離れる方向に引っ張られ、ピストン12は
パッド11aから離れる方向に摺動し、ディスクブレー
キ装置非作動の初期の状態に戻る。
【0019】この制動後の液圧室除圧時においても、リ
トラクションリング17は低摩擦材21を介して段部1
5dの肩部20に摺接しながら弾性復帰していくので、
低摩擦材21によって摺動抵抗が小さいものとなってい
る。
【0020】上記説明の通り、制動時においても制動後
の液圧室除圧時においても、低摩擦材21が摺動抵抗減
少手段となり、リトラクションリング17と段部15d
の肩部20との間の摺動抵抗は小さいものとなってお
り、リトラクションリング17の傷付きが防止されてい
る。
【0021】また、段部15dの肩部20には低摩擦材
21が配設されるのみであって、面取りが施されていな
いので、底壁15bとリトラクションリング17が圧接
される部位の圧接面積が図7に示す従来技術の如く減少
することがなく、リトラクションリング17が底壁15
bから受ける反力、延いてはピストン12を押圧する押
圧力が減少することがない。したがって、ピストン12
とリトラクションリング17との間の摩擦力が減少する
ことがないため、リトラクションリング17がピストン
12上を滑ることがなく、制動後の液圧室除圧時におけ
るピストン12のリトラクト量の低下が防止される。こ
のように本実施例では、段部15dの肩部20、低摩擦
材21、底壁15bとリトラクションリング17とで、
底壁15bとリトラクションリング17とが圧接される
面積を十分に確保する圧接面積確保手段を形成してお
り、リトラクションリング17とピストン12との間に
リトラクションリング17の弾性復帰力以上の大きさの
摩擦力が発生するのを可能としている。即ち、段部15
dの縁部20、低摩擦材21、底壁15bとリトラクシ
ョンリング17とで形成される圧接面積確保手段が摩擦
力付与手段に相当する。
【0022】さらに、本実施例によれば低摩擦材21に
よって、制動時にリトラクションリング17が凹所19
内に滑りやすくなっているので、リトラクションリング
17の弾性変形が安定して行われる。
【0023】本発明の第2実施例を図3に基づいて説明
する。図3は本発明の第2実施例の要部拡大断面図を示
しており、上記第1実施例と同一の構成部分は同一符号
で示し、その説明を省略する。段部15dの肩部には面
取りが施され、その面取りされた部位にフッ素樹脂やテ
フロン樹脂、あるいはセラミックス等からなる低摩擦材
製のリング22が固設されている。したがって、段部1
5dの肩部20は低摩擦材製のリング22により、上記
第1実施例と同様に面取りが施されていない状態となっ
ている。リング22は上記第1実施例の低摩擦材21と
同じ機能を発揮し、リトラクションリング17と段部1
5dの肩部20との摺動抵抗を小さくする摺動抵抗減少
手段に相当する。また、底壁15bとリトラクションリ
ング17が圧接される部位の圧接面積も肩部20の面取
りによって減ることがないので、リトラクションリング
17とピストン12との間にリトラクションリング17
の弾性復帰力以上の大きさの摩擦力が発生するのを可能
としている。即ち、第2実施例においては、リング(低
摩擦材)22、底壁15bとリトラクションリング17
とが圧接面積確保手段を形成しており、摩擦力付与手段
に相当している。
【0024】本発明の第3実施例を図4に基づいて説明
する。図4は本発明の第3実施例の要部拡大断面図を示
しており、上記第1実施例と同一の構成部分は同一符号
で示し、その説明を省略する。本実施例にあっては、上
記第1、第2実施例の如くリング溝形成部材(即ち、図
1の底壁15b)側に低摩擦材を設けるのと異なり、リ
トラクションリング17の外周面に低摩擦材23を設け
ている。なお、本実施例においても凹所19を形成する
段部15dの肩部20には面取りが施されていない。こ
の第3実施例においては、リトラクションリング17に
設けられた低摩擦材23が摺動抵抗減少手段に相当して
いる。また、底壁15b、リトラクションリング17と
が圧接面積確保手段を形成しており、摩擦力付与手段に
相当している。なお、本実施例においては、上記第1、
第2実施例の如く段部15dの肩部20の加工しにくい
部分に低摩擦材を設けるのに比べて、リトラクションリ
ング17の外周面に低摩擦材を設けているので、加工し
やすいといった効果を奏する。
【0025】本発明の第4実施例を図5に基づいて説明
する。図5は本発明の第4実施例の要部拡大断面図を示
しており、上記第1実施例と同一の構成部分は同一符号
で示し、その説明を省略する。凹所19を形成する段部
15dの肩部24はリトラクションリング17の摺動抵
抗を小さくするようにR面取りが施されており、そのた
めに第4実施例においては、肩部24の面取りされた部
位において、リトラクションリング17は底壁25と圧
接しなくなる。即ち、肩部24の面取りされた部位にお
いては、リトラクションリング17はピストン12方向
に反力を受けないので、ピストン12に対する半径方向
内側への押圧力が減少する。しかしながら、ピストン1
2のリトラクションリング17に圧接されている部位に
は高摩擦材29が固設されているため、リトラクション
リング17とピストン12との圧接部位の摩擦係数が大
きくなっている。したがって、リトラクションリング1
7のピストン12に対する半径方向内側への押圧力が減
少しても、リトラクションリング17とピストン12と
の間に生じる摩擦力の大きさはリトラクションリング1
7の弾性復帰力より大きなものとされている。即ち、本
実施例においては、高摩擦材29、底壁25とリトラク
ションリング17がリトラクションリング17の弾性復
帰時に、リトラクションリング17の弾性復帰力以上の
大きさの摩擦力をリトラクションリング17とピストン
12との間に発生させる摩擦力付与手段に相当してい
る。
【0026】なお、本実施例においては高摩擦材29を
ピストン12のリトラクションリング17に圧接されて
いる部位に設けたが、高摩擦材29をリトラクションリ
ング17のピストン12に圧接している部位に設けても
良い。また、段部15dの肩部24はR面取りに限ら
ず、直線面取り等を行うことによってリトラクションリ
ング17と肩部24との摺動抵抗を減少させてもよい。
即ち、面取りが施された肩部24が摺動抵抗減少手段と
なっている。
【0027】本発明の第5実施例を図6に基づいて説明
する。図6は本発明の第5実施例の要部拡大断面図を示
しており、上記第1実施例と同一の構成部分は同一符号
で示し、その説明を省略する。段部15dの肩部24は
リトラクションリング17の摺動抵抗を小さくするよう
にR面取りが施されており、そのために第5実施例にお
いても、肩部24の面取りされた部位において、リトラ
クションリング17は底壁28と圧接しなくなってい
る。底壁28には内孔開口側に開口する溝部26が設け
られており、該溝部26にリトラクションリング17の
外周面と溝部26の外壁29に圧接するようにOリング
27が介装されており、リトラクションリング17が弾
性変形及び弾性復帰する際においてもOリング27とリ
トラクションリング17は圧接状態にある。第5実施例
においては、肩部24の面取りされた部位において、リ
トラクションリング17は反力を受けないので、その分
だけピストン12に対する半径方向内側への押圧力が減
少するのであるが、Oリング27が溝部26の外壁29
から反力を受けており、リトラクションリング17にそ
の反力が伝達されているため、リトラクションリング1
7は、その反力と、Oリング27との圧接による押圧力
の両方をOリング27から受けていて、この押圧力の分
だけ、リトラクションリング17がピストン12を押圧
する押圧力が増大している。よって、リトラクションリ
ング17が弾性復帰する際に常にリトラクションリング
17はOリング27から押圧力を受けており、このOリ
ング27からの押圧力の分だけリトラクションリング1
7とピストン12との間の摩擦力が大きくなり、リトラ
クションリング17がピストン12上を滑ることがなく
なる。即ち、底壁28、Oリング27とリトラクション
リング17が摩擦力付与手段となって、リトラクション
リング17とピストン12との間にリトラクションリン
グ17の弾性復帰力以上の大きさの摩擦力を発生させる
ことを可能としている。
【0028】なお、上記第5実施例においては、リトラ
クションリング17はOリング27によってピストン1
2側へ押圧力を受けており、リトラクションリング17
とピストン12との間にリトラクションリング17の弾
性復帰力以上の大きさの摩擦力を発生させることが可能
とされていたが、例えば、バネ等を溝部26の外壁29
に設置し、リトラクションリング17がピストン12側
へ付勢されてもよく、摩擦力付与手段は適宜変更が可能
である。上記第5実施例において、摩擦力付与手段は、
弾性力でリトラクションリング17をピストン12側へ
付勢する弾性力発生手段となっている。また、段部15
dの肩部24はR面取りに限らず、直線面取り等を行う
ことによってリトラクションリング17と肩部24との
摺動抵抗を減少させてもよい。即ち、面取りが施された
肩部24が摺動抵抗減少手段となっている。
【0029】なお、上記第5実施例においては、摩擦力
付与手段である弾性力発生手段を別に設けなければなら
ないが、上記第1実施例乃至第4実施例によれば、摩擦
力付与手段としての弾性力発生手段を設ける必要がない
ため、上記第5実施例に比し、コストがかからないとい
った長所がある。
【0030】また、上記第4実施例、第5実施例におい
ては、段部の肩部が面取りされたときに上記のような押
圧力発生手段を設けたが、段部の肩部が面取りされない
第1実施例乃至第3実施例においても、設けることが可
能であることは言うまでもない。さらに、第4実施例と
第5実施例を組み合わせることも可能である。
【0031】なお,上記第1実施例乃至第5実施例にお
いては、浮動型ディスクブレーキに適用した例を示した
が、対向型ディスクブレーキに適用しても良い。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、液圧室の液圧上昇に応
じて、リトラクションリングはシリンダに形成した凹所
に弾性変形する。また、制動後の液圧室除圧時において
は弾性変形したリトラクションリングが弾性復帰する。
それらの際に、リトラクションリングは凹所を形成する
段部の肩部に摺接しながら摺動するが、摺動抵抗減少手
段により摺動抵抗が小さくなるようにさせられているの
で、リトラクションリングの傷付きが防止される。ま
た、リトラクションリングが弾性復帰するときに、摩擦
力付与手段によりリトラクションリングとピストンとの
間にリトラクションリングの弾性復帰力以上の大きさの
摩擦力が発生するようにされているので、リトラクショ
ンリングが弾性復帰するときに、リトラクションリング
がピストン上を滑ることがなく、ピストンのリトラクト
量の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施例を示すディスクブレ
ーキ装置の断面図である。
【図2】図2(A)は第1実施例の作動説明図である。
図2(B)は第1実施例の作動説明図である。図2
(C)は第1実施例の作動説明図である。
【図3】図3は本発明の第2実施例を示す要部拡大断面
図である。
【図4】図4は本発明の第3実施例を示す要部拡大断面
図である。
【図5】図5は本発明の第4実施例を示す要部拡大断面
図である。
【図6】図6は本発明の第5実施例を示す要部拡大断面
図である。
【図7】図7は従来のディスクブレーキ装置の一例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1a、1b、11a、11b・・パッド 2、12 ・・・・・ピストン 3、13 ・・・・・キャリパ 3a、13a ・・・・・シリンダ 3b、13b ・・・・・ブリッジ部 3c、13c ・・・・・爪部 4、14 ・・・・・内孔 5、15 ・・・・・リング溝 5a、15a ・・・・・パッド側側壁 5b、15b、25、28・・・底壁 5c、15c ・・・・・面取り部 5d、15d ・・・・・段部 6、16 ・・・・・液圧室 7、17 ・・・・・リトラクションリング 8、18 ・・・・・ディスクロータ 9、19 ・・・・・凹所 10、20、24 ・・・・・縁部 21、23 ・・・・・低摩擦材 22 ・・・・・低摩擦材製のリング 26 ・・・・・溝部 27 ・・・・・Oリング 29 ・・・・・高摩擦材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パッドをディスクロータ側へ押圧するピ
    ストンが液密かつ摺動可能に挿入される内孔を有するシ
    リンダと、 該内孔と該ピストンとの間に形成される液圧室と、 該内孔に形成され、前記シリンダの軸方向断面が略矩形
    で、前記シリンダの軸直方向断面が環状とされるリング
    溝と、 前記ピストン及び前記リング溝の底壁に圧接され、かつ
    前記リング溝のパッド側側壁に当接されて、前記リング
    溝に配設される環状のリトラクションリングと、 前記ピストンから前記底壁までの距離が前記パッド側で
    大となるように前記底壁に設けられる段部によって形成
    され、前記パッド側側壁に開口する凹所とを有するディ
    スクブレーキ装置において、 前記リトラクションリングと前記段部の肩部との摺動抵
    抗を小さくする摺動抵抗減少手段と、 前記リトラクションリングの弾性復帰時に、前記リトラ
    クションリングの弾性復帰力以上の大きさの摩擦力を前
    記リトラクションリングと前記ピストンとの間に発生さ
    せる摩擦力付与手段とを備えたことを特徴とするディス
    クブレーキ装置。
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