JP3303563B2 - ディスクブレーキ装置 - Google Patents

ディスクブレーキ装置

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JP3303563B2
JP3303563B2 JP26746694A JP26746694A JP3303563B2 JP 3303563 B2 JP3303563 B2 JP 3303563B2 JP 26746694 A JP26746694 A JP 26746694A JP 26746694 A JP26746694 A JP 26746694A JP 3303563 B2 JP3303563 B2 JP 3303563B2
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    • F16D65/16Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake
    • F16D65/18Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake adapted for drawing members together, e.g. for disc brakes
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Braking Arrangements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等車両の制動装
置として使用されるディスクブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディスクブレーキ装置の一形式として、
図15及び図16に示したもの、すなわちパッド1を押
すピストン2が軸方向へ移動可能に挿入されるシリンダ
3の内孔4に断面が略矩形で環状のシール溝5が形成さ
れるとともに、このシール溝5の内孔開口側のシール溝
開口部に内孔開口側に傾斜した面取り部6が形成され、
またピストン2とシリンダ3間をシールするとともに制
動後の除圧時にピストン2を戻す断面略矩形のリトラク
ションリング7がシール溝5に組付けられるようにして
なるものがあり、例えば実開昭64−21826号公報
に従来例として示されている。ところで、リトラクショ
ンリング7は、一般に径方向(図示上下方向)において
所定の締め代(弾性圧縮変形)をもってシール溝5内に
組付けられていて、ピストン2に対して所定の緊迫力で
係合しており、組付前の断面形状は一般に略正方形であ
る。また、リトラクションリング7は、その内孔開口側
端面(図示左端面)にてシール溝5の側壁5aと接触係
合する構成となっていて、その径方向接触長さH1はリ
トラクションリング7の断面形状における径方向長さH
2の略半分としてあり、リトラクションリング7の受圧
面積が大きくてリトラクションリング7が制動時にさほ
ど軸方向に弾性圧縮変形しないようになっている。
【0003】かかるディスクブレーキ装置においては、
面取り部6の大きさによって制動後の除圧時に得られる
ピストン2の最大戻り量(リトラクト量)が規定されて
いて、シリンダ内液圧が低い場合(リトラクションリン
グ7の弾性変形が面取り部6によって規制される液圧P
1未満の場合)には、図16及び図17にて示したよう
に制動時に生じるパッド1とシリンダ3間の間隔Xpと
初期間隔X1との差(パッド1及びシリンダ3の撓み
量)がリトラクションリング7の弾性復帰によって得ら
れるリトラクト量(Xp−Xo)より常に所定量α1小
さくて制動後の除圧時にはパッド1とピストン2間には
所定量α1の間隔が常に形成される。
【0004】しかし、シリンダ内液圧がP1以上になる
と、パッド1及びシリンダ3の撓み量が液圧の上昇に応
じて順次増大するものの、リトラクションリング7によ
るリトラクト量は面取り部6との係合によって一定値に
保持されるため、ピストン2とリトラクションリング7
間に滑りが生じ、制動後の除圧時にパッド1とピストン
2間に形成される間隔が液圧の上昇に応じて順次減少し
て、シリンダ内液圧がP2に達するとゼロとなり、また
P2以上になると図8にて示したようにリトラクション
リング7が逆作用するように弾性変形してピストン2を
パッド1に押圧するようになり、パッド1がディスクロ
ータ8(図15参照)と接触し、いわゆるパッドの引き
ずりが生じるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した問題(パッド
の引きずり)は、リトラクションリング7のピストン2
に対する緊迫力が低下して両者間の摺動抵抗(摩擦力)
が減少し、シリンダ内液圧がP1に達するまでにピスト
ン2とリトラクションリング7間に滑りが生じることに
より助長される。上記した緊迫力の低下は、各部材の製
作誤差に起因して生じるもの以外に、例えばリトラクシ
ョンリング7の外周面とシール溝5底面間に凹所が形成
されてリトラクションリング7の一部外周がフリーとさ
れるといった構造に起因して生じる場合がある。また、
上記した問題(パッドの引きずり)は、リトラクション
リング7が制動時に軸方向へ十分に弾性圧縮変形しない
ことに起因して生じる場合がある。更に、上記した問題
(パッドの引きずり)は、制動時にリトラクションリン
グ7の内周部がパッド側に移動してリトラクションリン
グ7が傾動弾性変形し、これに伴ってピストン2とリト
ラクションリング7間の摩擦力が低下する反面、リトラ
クションリング7の弾性復帰力(復元力)が増大して、
ピストン2とリトラクションリング7間に滑りが生じる
ことによっても助長される。本発明は、上記した各問題
に対処すべくなされたものであり、パッドの引きずりを
的確に低減できるディスクブレーキ装置を提供すること
を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明はシリンダの内孔に形成した環状シール溝
内に環状のリトラクションリングを組付けて、該リトラ
クションリングが前記シリンダの内孔と同内孔に軸方向
へ移動可能に嵌装したピストンの間を液蜜的にシールす
ると共に制動時に前記ピストンの動きによって変形し制
動解除時に前記ピストンを後退させるようにしたディス
クブレーキ装置において、 前記リトラクションリング
を、前記環状シール溝の内壁面に液蜜的に接触するゴム
製の外周シール部と、この外周シール部よりバネ定数の
低いゴム素材にて前記外周シール部の内周に一体的に形
成されて前記ピストンの外周面に内周面にて液蜜的に接
触する内周シール部とにより構成し、非制動時に前記外
周シール部が前記内周シール部に対して前記ピストンの
前端側となる傾斜状態にて組付けられ、制動時に前記リ
トラクションリングが前記ピストンの軸方向移動に伴っ
て前記シール溝との接触部を基点として傾動するように
したことを特徴とするディスクブレーキ装置を案出した
ものである。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の効果】上記のディスクブレーキ装置において
、リトラクションリングを、シール溝の壁面に外周部
にて液密的に接触するゴム製の外周シール部と、この外
周シール部よりバネ定数の低いゴム素材にて前記外周シ
ール部の内周に一体的に形成されてピストンの外周面に
内周部にて液密的に接触する内周シール部で構成し、こ
のリトラクションリングが非制動時に外周シール部が内
周シール部に対してパッド側となる傾斜状態で組付けら
れ、また同リトラクションリングがピストンの軸方向移
動に伴ってシール溝との接触部を基点として傾動するよ
うにしたディスクブレーキ装置においては、制動時のピ
ストン移動に応じてリトラクションリングがシール溝と
の接触部を基点として傾動することによりリトラクショ
ンリングの特に内周シール部が圧縮変形され、ピストン
とリトラクションリング間の摩擦力が増大するととも
に、リトラクションリングの弾性復帰力(復元力)が殆
ど増加しない領域が形成されるため、復元力が摩擦力以
上となってピストンとリトラクションリング間に滑りが
生じるまでのストローク、すなわちリトラクト量が増大
し、パッドの引きずりを的確に低減することができる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の各実施例を図面に基づいて
説明する。図1は本発明によるディスクブレーキ装置の
一実施例を示していて、このディスクブレーキ装置にお
いてはディスクロータに向けてパッド11を押すピスト
ン12が軸方向へ移動可能に挿入されたシリンダ13の
内孔14にシール溝15が形成されている。シール溝1
5は断面が横長の略矩形形状をしていて、内孔開口側
(図示左側)の側壁15aのシール溝開口部には内孔開
口側に傾斜した環状の面取り部16が形成され、また底
壁15bには側壁15aに向けて開口する環状の凹所
(溝)17が形成されており、内部には断面略矩形のリ
トラクションリング18が径方向において所定の締め代
をもって組付けられている。また面取り部16の図示上
部には環状の凹所19が形成されている。なお、底壁1
5bの略中央にある台形形状の溝15cは従来からある
ものであり、シール溝を切削加工する際に生じる溝であ
る。
【0012】面取り部16は、リトラクションリング1
8の図示左側下方の左方への弾性変形を所定量許容する
ものであり、その内孔側軸方向寸法は従来の面取り部の
内孔側軸方向寸法より小さくされている。環状凹所17
は、リトラクションリング18の図示左側上方への弾性
変形を許容するものであり、その軸方向幅はシール性を
考慮してシール溝15の軸方向幅の略1/5とされてい
る。リトラクションリング18は、ピストン12の外周
とシール溝15の側壁15a及び底壁15bに密着係合
してピストン12とシリンダ13間をシールするととも
に、制動時に弾性変形し制動後の除圧時に弾性復帰によ
ってピストン12をシリンダ13内に戻す機能を有して
いて、リトラクト量アップを意図して、その断面形状に
おけるピストン12との軸方向接触長さLsが径方向の
長さHsよりも大きくして略長方形状としてあり、シー
ル溝15の底壁15b径、ピストン12の外径、リトラ
クションリング18の内外径の各寸法を従来と略同じと
して同リトラクションリング18のピストン12に対す
る緊迫力が従来に比して大きくなるようにしてある。ま
た、リトラクションリング18の軸方向両端部外周にリ
トラクト量アップと誤組付防止を意図して面取り18a
が施されていて、このリトラクションリング18の内孔
開口側端面18bとシール溝側壁15aとの径方向接触
長さAがリトラクションリング18の断面形状における
径方向長さHsの半分以下としてある。なお、上記した
軸方向接触長さLsと径方向の長さHsの比、Hs/L
sは0.5〜0.9が好ましく、また径方向接触長さA
と径方向長さHsの比、A/Hsは0.08〜0.4が
好ましい。
【0013】上記のように構成した本実施例のディスク
ブレーキ装置においては、シリンダ内液圧がごく低い場
合、図2の(A)にて示したようにリトラクションリン
グ18の図示下方部位がピストン12との摺動抵抗によ
って面取り部16へ弾性変形して面取り部16の壁面と
係合する。このときのリトラクションリング18の弾性
変形量はβ1であり、またパッド11及びシリンダ13
の撓み量は殆どないため、制動後の除圧時にはリトラク
ションリング18が図1にて示した初期状態(液圧=略
大気圧)まで弾性復帰してピストン12をβ1戻す。リ
トラクションリング18が図1にて示した初期状態に復
帰したときには、パッド11及びシリンダ13の撓み量
もゼロとなって初期状態に復帰するため、パッド11と
ピストン12間にはβ1(β1<α1)の間隔が形成さ
れる(図3参照)。
【0014】またシリンダ内液圧が上昇すると、図2の
(B),(C),(D)にて示したように、シリンダ内
液圧の上昇に応じてリトラクションリング18がシリン
ダ13に形成した環状凹所17及び19に向けて弾性変
形する。かかるリトラクションリング18の弾性変形時
には、リトラクションリング18とピストン12の面取
り部側(図示左側)の係合部ではリトラクションリング
18の一部がピストン12上を滑ってピストンに対して
相対変位を起こすものの、反対側(図示右側)の係合部
ではリトラクションリング18がピストン12から離れ
ることなくシリンダ内液圧の上昇に応じて順次大きく弾
性変形するため、リトラクションリング18によるリト
ラクト量はシリンダ内液圧の上昇に応じて増大し続け
る。なお、シリンダ内液圧が上昇して所定圧Pになる
と、環状凹所17及び19内が弾性変形したリトラクシ
ョンリング18によって満たされ、リトラクト量は増大
しなくなる。
【0015】したがって、シリンダ内液圧の上昇に応じ
て増大するパッド11及びシリンダ13の撓み量がリト
ラクションリング18によるピストン12のリトラクト
量より大きくなる液圧(パッド引きずり始め圧)を高い
値に設定でき、従来に比してピストン12のアイドルス
トローク(リトラクト量に起因するもの)を小さく設定
しながら、従来に比して高い液圧となる使用領域までパ
ッドの引きずりを的確に低減することができる。
【0016】また、本実施例においては、リトラクショ
ンリング18の断面形状におけるピストン12との軸方
向接触長さLsを径方向の長さHsよりも大きくして略
長方形状とし同リトラクションリング18のピストン1
2に対する緊迫力を大きくしたため、ピストン12とリ
トラクションリング18間に滑りが生じ始めるときのリ
トラクションリング18の弾性変形量(最大変形量)を
増大させることができる。したがって、リトラクション
リング18の弾性復帰によって得られるリトラクト量を
増やすことができ、パッドの引きずりを的確に低減する
ことができる。
【0017】また、非制動時におけるリトラクションリ
ング18の内孔開口側端面18bとシール溝15の側壁
15aとの径方向接触長さAをリトラクションリング1
8の断面形状における径方向長さHsの半分以下とした
ため、制動時におけるリトラクションリング18とシー
ル溝側壁15aの係合面積(受圧面積)を小さくでき
て、かかる係合部でのリトラクションリング18の軸方
向の局部撓み(図4の仮想線から実線への変化参照)を
増大させることができる。したがって、制動解除時に
は、従来から得られるリトラクションリングの全体的な
弾性復帰と上記した局部撓みの弾性復帰が共に得られ
て、リトラクションリング18によって得られる総リト
ラクト量が増大し、パッドの引きずりを的確に低減する
ことができる。
【0018】上記実施例においては、シリンダ13が環
状の凹所17及び19を備えたディスクブレーキ装置に
本発明を実施したが、環状の凹所17及び19を備えて
いないディスクブレーキ装置にも本発明は実施すること
ができるものであり、その場合には環状の凹所17及び
19による作用効果が得られなくてリトラクションリン
グ18によるリトラクト量が図3の二点鎖線に示した値
を上限とするものとなる。また、上記実施例において
は、リトラクションリング18の断面形状におけるピス
トン12との軸方向接触長さLsを径方向の長さHsよ
りも大きくして略長方形状とし同リトラクションリング
18のピストン12に対する緊迫力を大きくした構成を
採用するとともに、リトラクションリング18の内孔開
口側端面18bとシール溝15の側壁15aとの径方向
接触長さAをリトラクションリング18の断面形状にお
ける径方向長さHsの半分以下とした構成を採用して実
施したが、何れか一方の構成のみを採用して本発明を実
施することも可能であり、前者の案のみを採用する場合
にはHs/Lsを0.5に近くし、後者の案のみを採用
する場合にはA/Hsを0.08に近くして実施するの
が望ましい。また、上記実施例においては、リトラクシ
ョンリング18の軸方向両端部外周に面取り18aを施
して、リトラクションリング18の内孔開口側端面18
bとシール溝15の側壁15aとの径方向接触長さAを
小さくしたが、シリンダ13の面取り部16を大きくし
て上記した径方向接触長さAを小さくすることも可能で
ある。
【0019】図5は本発明によるディスクブレーキ装置
の他の実施例を概略的に示していて、このディスクブレ
ーキ装置においてはピストン112が軸方向へ移動可能
に挿入されたシリンダ113の内孔114にシール溝1
15が形成され、このシール溝115にリトラクション
リング118が径方向において所定の締め代をもって組
付けられている。シール溝115は、図5の左端部に円
弧面取りを施し右端部に傾斜した面取りを施した断面形
状を有していて、非制動時にリトラクションリング11
8を図5の状態(所定量傾斜した状態)に保持するとと
もに制動時にリトラクションリング118を図6の状態
(ピストン112の外周面に対して略直交した状態)に
保持し、かつ図5の状態と図6の状態との間でリトラク
ションリング118が傾動するのを許容するようになっ
ている。
【0020】リトラクションリング118は、ピストン
112の外周とシール溝115の壁面に密着係合してピ
ストン112とシリンダ113間をシールするととも
に、制動時に弾性変形し制動後の除圧時に弾性復帰によ
ってピストン112をシリンダ113内に戻す機能を有
していて、リトラクト量アップを意図して、シール溝1
15の壁面に断面半円形状の外周部にて液密的に接触す
るゴム製の外周シール部118aと、この外周シール部
118aのゴム素材よりバネ定数の非常に低いゴム素材
にて外周シール部118aの内周に一体的に形成されて
ピストン112の外周面に円筒形状の内周部にて液密的
に接触する内周シール部118bで構成されている。ま
た、リトラクションリング118は、非制動時に外周シ
ール部118aが内周シール部118bに対してパッド
側となる傾斜状態(図5の状態)で組付けられており、
制動時或いは制動解除時のピストンの軸方向移動に伴っ
てシール溝115との接触部を基点として傾動するよう
になっている。
【0021】上記のように構成した図5の実施例におい
ては、制動時のピストン移動に応じてリトラクションリ
ング118がシール溝115との接触部を基点として傾
動することによりリトラクションリング118の特に内
周シール部118bが圧縮変形され、ピストン112と
リトラクションリング118間の摩擦力(摩擦係数μと
垂直抗力N(x)の積)μN(x)が図7の実線に示し
たように増大するとともに、リトラクションリング11
8の復元力(弾性復帰力)F(x)が殆ど増加しない領
域が図8の実線に示したように形成されるため、復元力
F(x)が摩擦力μN(x)以上となってピストン11
2とリトラクションリング118間に滑りが生じるまで
のストローク、すなわちリトラクト量が図9にて示した
ように増大し、パッドの引きずりを的確に低減すること
ができる。なお、図7,図8及び図9の各破線は図15
及び図16に示した従来例によるものであり、従来例に
よって得られるリトラクト量は通常0.2〜0.3mm
である。
【0022】上記した図5の実施例においては、内周シ
ール部118bを単一形状としたが、これを図10に断
面形状を示したように一対の形状として実施することも
可能であり、この場合においてリトラクト量を0.6m
m程度とする例を以下に説明する。図10に示したリト
ラクションリング118をピストン112とシリンダ1
13間に組付けて、非制動時の状態が図11に示したよ
うな傾斜角θの傾斜状態となるようにした場合において
は、左方の内周シール部118b1(自由長S1)が長
さa圧縮されて得られる抗力F1と、右方の内周シール
部118b2(自由長S2)が長さb圧縮されて得られ
る抗力F2と、これら各抗力F1,F2の垂直抗力成分
N1,N2が下記の各式(1)〜(4)にてそれぞれ表
される。 F1=a・k/S1…(1) F2=b・k/S2…(2) N1=F1・cos θ=a・cos θ・k/S1…(3) N2=F2・cos θ=b・cos θ・k/S2…(4) 但し、kは両内周シール部118b1,118b2の単
位体積あたりのバネ定数であり、また外周シール部11
8aの単位体積あたりのバネ定数は非常に大きくて外周
シール部118aは殆ど弾性変形しないものである。
【0023】また、リトラクションリング118のシリ
ンダ113との接点O1 回りの各モーメントM1,M2
は、上記各垂直抗力成分N1,N2と図11に示し下記
各式(5),(6)にて表される各距離L1,L2から
下記のように求められる。 L1=1/cos θ−2・tan θ−m/2…(5) L2=2・tan θ+1/cos θ−m/2…(6) 上記各式(5),(6)においてmは各距離L1,L2
に対して十分小さいものであるため、上記各式(5),
(6)は近似的に下記各式(7),(8)にてそれぞれ
表される。 L1=1/cos θ−2・tan θ…(7) L2=2・tan θ+1/cos θ…(8) したがって、上記各モーメントM1,M2は近似的に下
記各式(9),(10)にてそれぞれ表される。 M1=N1・L1=a・cosθ・k/S1(1/cosθ−2・tanθ)…(9) M2=N2・L2=b・cosθ・k/S2(2・tanθ+1/cosθ)…(10) また、上記各モーメントM1,M2からリトラクト作用
が的確に得られる条件はM1≦M2であるため、 a/S1(1/cos θ−2・tan θ)≦b/S2(2・tan θ+1/cos θ) の(11)式が成立するとともに、図11から a=2・tan θ+b の(12)式が成立する。
【0024】一方、制動時のリトラクションリング11
8はピストン112の移動に応じて図12にて示したよ
うに傾動し、そのときのピストン移動量は下記式(1
3)のようになる。 1×2×π×θ/2π+2・tan θ=θ+2・tan θ…(13) 上記式(13)において第1項はリトラクションリング
118とシリンダ113の接触部におけるころがり量に
相当する。ところで、上記したピストン移動量はリトラ
クト量に相当するものであり、これを0.6mmとする
ためには、 θ+2・tan θ=0.6 よりθ=12(度)が算出される。また、各内周シール
部118b1,118b2の自由長S1,S2をそれぞ
れ1.00mm,0.90mmと仮に設定して、これら
各値と上記のように算出されたθの値を上記した各式
(11),(12)に代入すれば、各圧縮長さa,bが
0.675,0.251と算出される。したがって、図
11を参考にして図10に示したリトラクションリング
118の高さHoを求めると、 Ho=1+(2/cos θ+b+(a−b)/2) から高さHoが3.51mmと算出される。
【0025】以上により、図10に示す形状のリトラク
ションリング118で高さHoを3.51mmとすると
ともに、各内周シール部118b1,118b2の自由
長S1,S2をそれぞれ1.00mm,0.90mmと
し、図11に示したように組付けられた非制動時の傾斜
角θが12度となるようにシール溝115をシリンダ1
13に形成すれば、リトラクト量を0.6mm程度とす
ることができる。
【0026】図10〜図12に示した上記実施例におい
ては、リトラクションリングの内周シール部が所定の間
隔で一対設けられているが、図13に示したように一対
の内周シール部118b1,118b2が互いに接合す
るようにして設けられるように実施することも可能であ
り、この場合に右方の内周シール部118b2の単位体
積あたりのバネ定数を左方の内周シール部118b1の
それより小さくして実施することも可能である。また、
図14に示したように、多数の内周シール部118b1
〜118bnが互いに接合するようにして設けられるよ
うに実施することも可能であり、この場合に右方の内周
シール部の単位体積あたりのバネ定数を左方の内周シー
ル部のそれより順次小さくして実施することも可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す要部断面図である。
【図2】 図1の実施例の作動説明図である。
【図3】 図1の実施例にて得られるシリンダ内液圧と
リトラクト量とパッド及びシリンダの撓み量の関係を示
す線図である。
【図4】 図1の実施例の要部(リトラクションリング
の内孔開口側端面)の作動説明図である。
【図5】 本発明によるディスクブレーキ装置の他の実
施例を概略的に示す要部断面図である。
【図6】 図5の実施例の作動説明図である。
【図7】 図5の実施例にて得られるピストン移動量と
ピストンとリトラクションリング間の摩擦力との関係を
示す線図である。
【図8】 図5の実施例にて得られるピストン移動量と
リトラクションリングの復元力との関係を示す線図であ
る。
【図9】 図5の実施例にて得られる摩擦力と復元力の
差のピストン移動量に対する変化(リトラクト量の変
化)を示す線図である。
【図10】 図5に示したリトラクションリングの変形
例を示す断面図である。
【図11】 図10に示したリトラクションリングを用
いたディスクブレーキ装置の実施例を概略的に示す要部
断面図である。
【図12】 図11の実施例の作動説明図である。
【図13】 図5に示したリトラクションリングの他の
変形例を示す断面図である。
【図14】 図5に示したリトラクションリングのその
他の変形例を示す断面図である。
【図15】 従来のディスクブレーキ装置の一例を示す
断面図である。
【図16】 図15に示した従来例の作動説明図であ
る。
【図17】 図15及び図16に示した従来例にて得ら
れるシリンダ内液圧とリトラクト量とパッド及びシリン
ダの撓み量の関係を示す線図である。
【図18】 図15及び図16に示した従来例にてシリ
ンダ内液圧が高圧となった場合の作動説明図である。
【符号の説明】
11…パッド、12…ピストン、13…シリンダ、14
…内孔、15…シール溝、15a…内孔開口側の側壁、
16…面取り部、18…リトラクションリング、18a
…面取り、18b…内孔開口側端面、Ls…ピストンと
リトラクションリングの軸方向接触長さ、Hs…リトラ
クションリングの径方向の長さ、A…シリンダとリトラ
クションリングの径方向接触長さ、112…ピストン、
113…シリンダ、114…内孔、115…シール溝、
118…リトラクションリング、118a…外周シール
部、118b…内周シール部。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−144834(JP,A) 特開 昭58−166141(JP,A) 特開 昭57−94139(JP,A) 特開 平5−133429(JP,A) 特開 昭61−38232(JP,A) 実開 昭61−81026(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 65/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダの内孔に形成した環状シール溝
    内に環状のリトラクションリングを組付けて、該リトラ
    クションリングが前記シリンダの内孔と同内孔に軸方向
    へ移動可能に嵌装したピストンの間を液蜜的にシールす
    ると共に制動時に前記ピストンの動きによって変形し制
    動解除時に前記ピストンを後退させるようにしたディス
    クブレーキ装置において、 前記リトラクションリングを、前記環状シール溝の内壁
    面に液蜜的に接触するゴム製の外周シール部と、この外
    周シール部よりバネ定数の低いゴム素材にて前記外周シ
    ール部の内周に一体的に形成されて前記ピストンの外周
    面に内周面にて液蜜的に接触する内周シール部とにより
    構成し、非制動時に前記外周シール部が前記内周シール
    部に対して前記ピストンの前端側となる傾斜状態にて組
    付けられ、制動時に前記リトラクションリングが前記ピ
    ストンの軸方向移動に伴って前記シール溝との接触部を
    基点として傾動するようにしたことを特徴とするディス
    クブレーキ装置。
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