JPH08143540A - 置換安息香酸誘導体およびその製造法 - Google Patents

置換安息香酸誘導体およびその製造法

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JPH08143540A
JPH08143540A JP28093894A JP28093894A JPH08143540A JP H08143540 A JPH08143540 A JP H08143540A JP 28093894 A JP28093894 A JP 28093894A JP 28093894 A JP28093894 A JP 28093894A JP H08143540 A JPH08143540 A JP H08143540A
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JP
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acid
general formula
formula
fluoro
acid derivative
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JP28093894A
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Koji Kume
孝司 久米
Takeo Komata
武夫 古俣
Kiyoshi Suzuki
清志 鈴木
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式[I] 【化1】 で示される新規な置換安息香酸誘導体、および、一般式
[II] 【化2】 で示される5−塩化スルホニル−2−フルオロ−4−ハ
ロ安息香酸を一般式[III] 【化3】 で示される低級アルキルカルボン酸、赤リンおよびヨウ
素系触媒の存在下、還元することによる一般式[I]で
示される新規な置換安息香酸誘導体の製造法。 【効果】 一般式[I]で示される置換安息香酸誘導体
は、農薬、医薬など、例えば、除草剤として有用な化合
物であるN−アシル−N−フェニルテトラヒドロフタラ
ミン酸誘導体などの中間体として有用な化合物であり、
また、本発明の製造法により、その一般式[I]で示さ
れる置換安息香酸誘導体を容易に製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般式[I]
【0002】
【化5】
【0003】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4
は低級アルキル基を表わす。]で示される新規な置換安
息香酸誘導体およびその製造法に関するものである。本
発明の一般式[I]で示される新規な置換安息香酸誘導
体は、医薬、農薬などの製造中間体、例えば、優れた除
草活性を有する一般式[XIII]
【0004】
【化6】
【0005】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R1
は−CHR5CO26(ただし、R5は水素原子または低
級アルキル基を表わし、R6は低級アルキル基を表わ
す。)を表わし、R2は低級アルキル基または置換もし
くは非置換のフェニル基を表わし、R3は低級アルコキ
シ基、低級アルケニルオキシ基、低級アルキニルオキシ
基、低級アルコキシアルコキシ基または低級アルコキシ
カルボニルアルコキシ基を表わす。]で示されるN−ア
シル−N−フェニルテトラヒドロフタラミン酸誘導体な
どの製造中間体として有用な化合物である。
【0006】
【従来技術】従来より、置換安息香酸誘導体は、数多く
知られている。しかしながら、一般式[I]で示される
置換安息香酸誘導体は、これまでに知られておらず、新
規な化合物である。
【0007】
【発明の開示】本発明者らは、鋭意、研究を重ねた結
果、一般式[I]で示される置換安息香酸誘導体が優れ
た除草活性を有する一般式[XIII]で示されるN−
アシル−N−フェニルテトラヒドロフタラミン酸誘導体
の製造中間体として有用な化合物であることを見出し、
さらには、本発明者らは、工業的にも有意性のある一般
式[I]で示される置換安息香酸誘導体の新規な製造法
について、鋭意、研究を重ねた結果、一般式[II]で
示される5−塩化スルホニル−2−フルオロ−4−ハロ
安息香酸と一般式[III]で示される低級アルキルカ
ルボン酸との反応により、容易に一般式[I]で示され
る置換安息香酸誘導体を製造することができることを見
出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、一般式[I]
【0009】
【化7】
【0010】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4
は低級アルキル基を表わす。]で示される新規な置換安
息香酸誘導体、および、一般式[II]
【0011】
【化8】
【0012】[式中、Yはハロゲン原子を表わす。]で
示される5−塩化スルホニル−2−フルオロ−4−ハロ
安息香酸を一般式[III]
【0013】
【化9】
【0014】[式中、R4は低級アルキル基を表わ
す。]で示される低級アルキルカルボン酸類、赤リンお
よびヨウ素系触媒の存在下、還元することを特徴とする
一般式[I]
【0015】
【化10】
【0016】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4
は低級アルキル基を表わす。]で示される新規な置換安
息香酸誘導体の製造法である。本発明の化合物である一
般式[I]で示される新規な置換安息香酸誘導体として
は、例えば、5−アセチルチオ−2,4−ジフルオロ安
息香酸、5−アセチルチオ−2−フルオロ−4−クロロ
安息香酸、5−アセチルチオ−2−フルオロ−4−ブロ
モ安息香酸、5−プロピオニルチオ−2,4−ジフルオ
ロ安息香酸、5−プロピオニルチオ−2−フルオロ−4
−クロロ安息香酸、5−プロピオニルチオ−2−フルオ
ロ−4−ブロモ安息香酸、5−ブチリルチオ−2,4−
ジフルオロ安息香酸、5−ブチリルチオ−2−フルオロ
−4−クロロ安息香酸、5−ブチリルチオ−2−フルオ
ロ−4−ブロモ安息香酸、5−イソブチリルチオ−2,
4−ジフルオロ安息香酸、5−イソブチリルチオ−2−
フルオロ−4−クロロ安息香酸、5−イソブチリルチオ
−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5−バレリルチ
オ−2,4−ジフルオロ安息香酸、5−バレリルチオ−
2−フルオロ−4−クロロ安息香酸、5−バレリルチオ
−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5−イソバレリ
ルチオ−2,4−ジフルオロ安息香酸、5−イソバレリ
ルチオ−2−フルオロ−4−クロロ安息香酸、5−イソ
バレリルチオ−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5
−ピバロイルチオ−2,4−ジフルオロ安息香酸、5−
ピバロイルチオ−2−フルオロ−4−クロロ安息香酸、
5−ピバロイルチオ−2−フルオロ−4−ブロモ安息香
酸、5−(2−メチルブタノイルチオ)−2,4−ジフ
ルオロ安息香酸、5−(2−メチルブタノイルチオ)−
2−フルオロ−4−クロロ安息香酸、5−(2−メチル
ブタノイルチオ)−2−フルオロ−4−ブロモ安息香
酸、5−ヘキサノイル−2,4−ジフルオロ安息香酸、
5−ヘキサノイル−2−フルオロ−4−クロロ安息香
酸、5−ヘキサノイル−2−フルオロ−4−ブロモ安息
香酸、5−(2−メチルヘプタノイル)−2,4−ジフ
ルオロ安息香酸、5−(2−メチルヘプタノイル)−2
−フルオロ−4−クロロ安息香酸、5−(2−メチルヘ
プタノイル)−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5
−(3−メチルヘプタノイル)−2,4−ジフルオロ安
息香酸、5−(3−メチルヘプタノイル)−2−フルオ
ロ−4−クロロ安息香酸、5−(3−メチルヘプタノイ
ル)−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5−(4−
メチルヘプタノイル)−2,4−ジフルオロ安息香酸、
5−(4−メチルヘプタノイル)−2−フルオロ−4−
クロロ安息香酸、5−(4−メチルヘプタノイル)−2
−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5−(2,2−ジメ
チルブタノイル)−2,4−ジフルオロ安息香酸、5−
(2,2−ジメチルブタノイル)−2−フルオロ−4−
クロロ安息香酸、5−(2,2−ジメチルブタノイル)
−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5−(2,3−
ジメチルブタノイル)−2,4−ジフルオロ安息香酸、
5−(2,3−ジメチルブタノイル)−2−フルオロ−
4−クロロ安息香酸、5−(2,3−ジメチルブタノイ
ル)−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸、5−(3,
3−ジメチルブタノイル)−2,4−ジフルオロ安息香
酸、5−(3,3−ジメチルブタノイル)−2−フルオ
ロ−4−クロロ安息香酸、5−(3,3−ジメチルブタ
ノイル)−2−フルオロ−4−ブロモ安息香酸などを挙
げることができる。
【0017】次に、本発明における一般式[I]で示さ
れる置換安息香酸誘導体の製造法を詳細に説明する。
【0018】
【化11】
【0019】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4
は低級アルキル基を表わす。] 本発明の製造法においては、一般式[II]で示される
5−塩化スルホニル−2−フルオロ−4−ハロ安息香酸
を一般式[III]で示される低級アルキルカルボン
酸、赤リンおよびヨウ素系触媒の存在下に、0.5時間
〜24時間反応させることにより、容易に本発明の化合
物である一般式[I]で示される置換安息香酸誘導体を
製造することができる。
【0020】一般式[II]で示される5−塩化スルホ
ニル−2−フルオロ−4−ハロ安息香酸としては、例え
ば、5−塩化スルホニル−2,4−ジフルオロ安息香
酸、5−塩化スルホニル−2−フルオロ−4−クロロ安
息香酸、5−塩化スルホニル−2−フルオロ−4−ブロ
モ安息香酸などを挙げることができる。
【0021】また、一般式[III]で示される低級ア
ルキルカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、
2−メチルブタン酸、ヘキサン酸、2−メチルヘプタン
酸、3−メチルヘプタン酸、4−メチルヘプタン酸、
2,2−ジメチルブタン酸、2,3−ジメチルブタン
酸、3,3−ジメチルブタン酸などを挙げることができ
る。
【0022】一般式[III]で示される低級アルキル
カルボン酸は、通常、一般式[II]で示される5−塩
化スルホニル−2−フルオロ−4−ハロ安息香酸1当量
に対して、1当量以上、好ましくは1.5当量〜100
当量、さらに好ましくは2.0当量〜50当量使用する
のがよい。この範囲より少ない場合には、未反応の一般
式[II]で示される5−塩化スルホニル−2−フルオ
ロ−4−ハロ安息香酸が多量に残るため、収率低下の原
因となり、経済的に不利となり、また、未反応の一般式
[II]で示される5−塩化スルホニル−2−フルオロ
−4−ハロ安息香酸の除去あるいは回収のために後処理
工程に負荷がかかるため、好ましくない。また、この範
囲より多く使用しても、目的とする一般式[I]で示さ
れる置換安息香酸誘導体の収量にほとんど変化はなく、
過剰に添加した一般式[III]で示される低級アルキ
ルカルボン酸が、未反応のまま、多量に残るだけであ
り、経済的に不利となり、また、未反応の一般式[II
I]で示される低級アルキルカルボン酸の除去あるいは
回収のために後処理工程に負荷がかかるため、好ましく
ない。
【0023】本発明の製造法においては、赤リンが使用
されるが、その使用量は、通常、5−塩化スルホニル−
2−フルオロ−4−ハロ安息香酸1当量に対して、1.
5当量〜4.0当量、好ましくは1.7当量〜3.5当
量、さらに好ましくは2.0当量〜3.0当量とするの
がよい。この範囲より少ない場合には、反応が充分に進
行せず、収率低下の原因となり、経済的に不利となり、
また、未反応の一般式[II]で示される5−塩化スル
ホニル−2−フルオロ−4−ハロ安息香酸および未反応
の一般式[III]で示される低級アルキルカルボン酸
の除去あるいは回収のために後処理工程に負荷がかかる
ため、好ましくない。また、この範囲より多く使用して
も、目的とする一般式[I]で示される置換安息香酸誘
導体の収量にほとんど変化はなく、過剰に添加した赤リ
ンが、未反応のまま、多量に残るだけであり、経済的に
不利となり、また、未反応の赤リンの除去のために後処
理工程に負荷がかかるため、好ましくない。
【0024】また、本発明の製造法において使用される
ヨウ素系触媒としては、例えば、ヨウ素、ヨウ化水素酸
水溶液、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどを挙げ
ることができる。
【0025】ヨウ素系触媒は、通常、5−塩化スルホニ
ル−2−フルオロ−4−ハロ安息香酸1当量に対して、
0.0005当量〜0.3当量、好ましくは0.001
当量〜0.2当量、さらに好ましくは0.002当量〜
0.1当量使用するのがよい。この範囲より少ない場合
には、反応が充分に進行せず、収率低下の原因となり、
経済的に不利となる、あるいは、反応速度が低下して反
応終了までに長時間を要するなどの問題を生ずる場合が
あり、好ましくない。また、この範囲より多く使用して
も、反応速度、収率などにほとんど変化はなく、経済的
に不利となるだけであり、好ましくない。
【0026】また、反応温度は、通常、50℃〜200
℃、好ましくは70℃〜180℃、さらに好ましくは1
00℃〜150℃とするのがよい。この範囲より低い温
度の場合には、反応が充分に進行せず、収率低下の原因
となり、経済的に不利となる、あるいは、反応速度が低
下して反応終了までに長時間を要するなどの問題を生ず
る場合があり、好ましくない。また、この範囲より高い
温度の場合には、反応中に分解などが起こる場合があ
り、収率低下の原因となり、経済的に不利となり、ま
た、分解生成物などの除去のために後処理工程に負荷が
かかるため、好ましくない。
【0027】本発明の製造法においては、反応終了後、
反応液を室温まで冷却し、未反応の赤リンをろ別した
後、ろ液を濃縮するかまたは濃縮せず、そのまま、水を
加えて有機溶媒で抽出し、水または飽和食塩水で洗浄
し、抽出液を乾燥、濃縮などの後処理を行うか、あるい
は、反応液を室温まで冷却し、未反応の赤リンをろ別し
た後、濃縮するかまたは濃縮せず、そのまま、水に投入
し、析出した結晶をろ集、水洗後、乾燥することにより
粗生成物を得ることができる。
【0028】得られた粗生成物は、必要に応じて再結
晶、カラムクロマトグラフィーなどの精製操作を行い、
目的の一般式[I]で示される置換安息香酸誘導体を容
易に得ることができる。
【0029】なお、出発原料である一般式[II]で示
される5−塩化スルホニル−2−フルオロ−4−ハロ安
息香酸は、例えば、USP−3780027号に記載の
製造法によって製造することができる。
【0030】本発明の化合物である一般式[I]
【0031】
【化12】
【0032】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4
は低級アルキル基を表わす。]で示される新規な置換安
息香酸誘導体は、例えば、下記ルートにより、優れた除
草活性を有するN−アシル−N−フェニルテトラヒドロ
フタラミン酸誘導体へと誘導することができる。
【0033】すなわち、一般式[I]
【0034】
【化13】
【0035】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4
は低級アルキル基を表わす。]で示される置換安息香酸
誘導体と一般式[IV]
【0036】
【化14】
【0037】[式中、Hal−は塩素原子または臭素原
子を表わし、R1は−CHR5CO26(ただし、R5
水素原子または低級アルキル基を表わし、R6は低級ア
ルキル基を表わす。)を表わす。]で示されるハロカル
ボン酸エステル誘導体とを塩基の存在下、反応させるこ
とにより一般式[V]
【0038】
【化15】
【0039】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R1
は−CHR5CO26(ただし、R5は水素原子または低
級アルキル基を表わし、R6は低級アルキル基を表わ
す。)を表わす。]で示される置換ベンゼンカルボン酸
誘導体を得、これを塩素化することにより一般式[V
I]
【0040】
【化16】
【0041】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R1
は−CHR5CO26(ただし、R5は水素原子または低
級アルキル基を表わし、R6は低級アルキル基を表わ
す。)を表わす。]で示される置換ベンゼンカルボニル
クロリド誘導体を得、これと無機アジ化物とを反応させ
ることにより一般式[VII]
【0042】
【化17】
【0043】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R1
は−CHR5CO26(ただし、R5は水素原子または低
級アルキル基を表わし、R6は低級アルキル基を表わ
す。)を表わす。]で示される酸アジド誘導体を得、こ
れを一般式[VIII]
【0044】
【化18】
【0045】[式中、R2は低級アルキル基または置換
もしくは非置換のフェニル基を表わす。]で示されるカ
ルボン酸誘導体、または、一般式[IX]
【0046】
【化19】
【0047】[式中、R2は低級アルキル基または置換
もしくは非置換のフェニル基を表わす。]で示されるカ
ルボン酸無水物誘導体の存在下、分解することにより一
般式[X]
【0048】
【化20】
【0049】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R1
は−CHR5CO26(ただし、R5は水素原子または低
級アルキル基を表わし、R6は低級アルキル基を表わ
す。)を表わし、R2は低級アルキル基または置換もし
くは非置換のフェニル基を表わす。]で示されるアニリ
ド誘導体を得、これを本発明者らが既に提案した平成6
年特許願第4205号に記載の方法にしたがい、脱水塩
素化剤の存在下で反応させることにより一般式[XI]
【0050】
【化21】
【0051】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R1
は−CHR5CO26(ただし、R5は水素原子または低
級アルキル基を表わし、R6は低級アルキル基を表わ
す。)を表わし、R2は低級アルキル基または置換もし
くは非置換のフェニル基を表わす。]で示されるイミド
イルクロリド誘導体とし、これと一般式[XII]
【0052】
【化22】
【0053】[式中、R3は低級アルコキシ基、低級ア
ルケニルオキシ基、低級アルキニルオキシ基、低級アル
コキシアルコキシ基または低級アルコキシカルボニルア
ルコキシ基を表わす。]で示されるカルボン酸誘導体と
を脱酸剤の存在下、反応させることにより、一般式[X
III]
【0054】
【化23】
【0055】[式中、Yはハロゲン原子を表わし、R1
は−CHR5CO26(ただし、R5は水素原子または低
級アルキル基を表わし、R6は低級アルキル基を表わ
す。)を表わし、R2は低級アルキル基または置換もし
くは非置換のフェニル基を表わし、R3は低級アルコキ
シ基、低級アルケニルオキシ基、低級アルキニルオキシ
基、低級アルコキシアルコキシ基または低級アルコキシ
カルボニルアルコキシ基を表わす。]で示されるN−ア
シル−N−フェニルテトラヒドロフタラミン酸誘導体へ
と誘導することができる。
【0056】上記の一般式[XIII]で示されるN−
アシル−N−フェニルテトラヒドロフタラミン酸誘導体
は、優れた除草活性を有し、畑地、水田、果樹、牧草
地、芝生地、森林あるいは非農耕地などに広く適用でき
るものであり、かつ、作物に対して高い安全性を示す化
合物である。したがって、本発明の一般式[I]で示さ
れる新規化合物である置換安息香酸誘導体は、除草剤と
して有用な化合物である一般式[XIII]で示される
N−アシル−N−フェニルテトラヒドロフタラミン酸誘
導体の製造中間体として有用な化合物であり、また、本
発明の製造法は、その一般式[I]で示される置換安息
香酸誘導体を容易に製造することができる製造法として
有用である。
【0057】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明を具
体的に説明する。参考例1 5−塩化スルホニル−4−クロロ−2−フルオロ安息香
酸の製造(一般式[II]で示される化合物) 氷冷下、4−クロロ−2−フルオロ安息香酸7.2g
(41.4mmol)をクロロ硫酸25.0gに加え
た。室温まで昇温し、30分間反応させ、次いで120
℃まで昇温し、4時間反応させた。反応液を室温まで冷
却し、氷水に注ぎ込み、これを酢酸エチル100mlで
2回抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下、溶媒を留去し、粗
生成物を得た。
【0058】得られた粗生成物をn−ヘキサン/酢酸エ
チルより再結晶し、目的の5−塩化スルホニル−4−ク
ロロ−2−フルオロ安息香酸7.4gを得た。 融点=149.0℃〜150.0℃1 H−NMR(CDCl3,δppm) 7.54(d,J=9.7Hz,1H),8.85
(d,J=13.0Hz,1H),10.74(bs,
1H)実施例1 5−アセチルチオ−4−クロロ−2−フルオロ安息香酸
の製造(一般式[I]で示される化合物) 5−塩化スルホニル−4−クロロ−2−フルオロ安息香
酸7.67g(28.1mmol)、赤リン2.20g
(70.2ミリグラム原子)およびヨウ素0.15g
(0.56mmol)を酢酸80ml中に混合し、10
0℃〜110℃で3時間反応させた。反応液を室温まで
冷却し、未反応の赤リンをろ別した後、ろ液を濃縮し、
残渣を氷水に注ぎ込み、これを酢酸エチル100mlで
2回抽出した。抽出液を水、飽和食塩水で洗浄し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下、溶媒を留去し、粗
生成物を得た。
【0059】得られた粗生成物をn−ヘキサン/酢酸エ
チルより再結晶し、目的の5−アセチルチオ−4−クロ
ロ−2−フルオロ安息香酸6.85gを得た。 融点=140.0℃〜141.5℃1 H−NMR(CDCl3,δppm) 2.50(s,3H),7.40(d,J=10.1H
z,1H),8.19(d,J=7.9Hz,1H),
11.29(bs,1H)参考例2 4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボニルメ
チルチオ安息香酸の製造(一般式[V]で示される化合
物) 5−アセチルチオ−4−クロロ−2−フルオロ安息香酸
7.40g(30.0mmol)、ブロモ酢酸メチル
6.88g(45.0mmol)、メタノール35ml
を混合し、水酸化カリウム5.89g(105mmo
l)を水7mlに溶解した溶液を5℃〜10℃で滴下し
た。滴下終了後、15℃〜20℃で1時間反応させ、氷
水に注ぎ込んだ。濃塩酸でpH=1〜2に調整後、酢酸
エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下、溶媒を留
去し、粗生成物を得た。
【0060】得られた粗生成物をn−ヘキサン/酢酸エ
チルより再結晶し、目的の4−クロロ−2−フルオロ−
5−メトキシカルボニルメチルチオ安息香酸7.69g
を得た。
【0061】融点=147.0℃〜149.0℃1 H−NMR(CDCl3,δppm) 3.72(s,2H),3.77(s,3H),7.3
1(d,J=10.1Hz,1H),8.15(d,J
=7.0Hz,1H),10.1(bs,1H)参考例3 4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボニルメ
チルチオ安息香酸クロリドの製造(一般式[VI]で示
される化合物) 4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボニルメ
チルチオ安息香酸8.17g(29.3mmol)、塩
化チオニル66.4g(558mmol)を混合し、還
流下に2時間反応させ、過剰の塩化チオニルおよび揮発
成分を留去し、残渣をn−ヘキサン/ベンゼンより再結
晶して、目的の4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキ
シカルボニルメチルチオ安息香酸クロリド6.2gを得
た。
【0062】融点=78.0℃〜80.0℃1 H−NMR(CDCl3,δppm) 3.72(s,2H),3.77(s,3H),7.3
2(d,J=10.1Hz,1H),8.21(d,J
=7.0Hz,1H)参考例4 4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボニルメ
チルチオ安息香酸アジドの製造(一般式[VII]で示
される化合物) 4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボニルメ
チルチオ安息香酸クロリド5.50g(18.5mmo
l)をアセトン40mlに溶解し、水7mlに溶解した
アジ化ナトリウム1.2g(18.5mmol)を0℃
〜5℃で滴下し、滴下終了後、0℃〜5℃で20分間反
応させた。反応終了後、反応液を氷水に注ぎ込み、析出
した生成物をろ集し、乾燥して、目的の4−クロロ−2
−フルオロ−5−メトキシカルボニルメチルチオ安息香
酸アジド5.26gを得た。
【0063】 融点=69.0〜70.0℃(decomp.)1 H−NMR(CDCl3,δppm) 3.69(s,2H),3.74(s,3H),7.2
8(d,J=10.1Hz,1H),8.04(d,J
=7.0Hz,1H)参考例5 5−アセチルアミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニ
ルチオ酢酸メチルの製造(一般式[X]で示される化合
物) 4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボニルメ
チルチオ安息香酸アジド1.0g(3.29mmol)
を酢酸7mlに溶解し、室温下で濃硫酸2滴を滴下した
後、70℃まで加温し、2時間反応させた。反応終了
後、室温まで冷却し、反応液を濃縮し、残渣を氷水に注
ぎ込み、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下、溶媒を留去し、結晶を得た。酢酸エチル/n−ヘキ
サンより再結晶を行い、目的の5−アセチルアミノ−2
−クロロ−4−フルオロフェニルチオ酢酸メチル0.5
1gを得た。
【0064】参考例6 N−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボ
ニルメチルチオフェニル)−アセトイミドイルクロリド
の製造(一般式[XI]で示される化合物) 5−アセチルアミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニ
ルチオ酢酸メチル10g(34.3mmol)と五塩化
リン7.14g(34.3mmol)を250mlのベ
ンゼンに懸濁させ、60℃に加温し、1時間撹拌した。
反応後、反応液を減圧下、濃縮し、定量的に、油状物と
してN−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカ
ルボニルメチルチオフェニル)−アセトイミドイルクロ
リドを得た。
【0065】参考例7 N−アセチル−N−(4−クロロ−2−フルオロ−5−
メトキシカルボニルメチルチオフェニル)−3,4,
5,6−テトラヒドロフタラミン酸メチルエステルの製
造(一般式[XIII]で示される化合物) N−(4−クロロ−2−フルオロ−5−メトキシカルボ
ニルメチルチオフェニル)−アセトイミドイルクロリド
10.6g(34.3mmol)と3,4,5,6−テ
トラヒドロフタラミン酸モノメチルエステル6.95g
(37.7mmol)をベンゼン50mlに溶解し、ベ
ンゼン10mlに溶解したトリエチルアミン4.16g
(41.2mmol)を10℃以下で滴下した。滴下
後、60℃で3時間、撹拌した。放冷後、水、飽和食塩
水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
濃縮し、結晶を得た。メタノールより再結晶を行い、
5.09gのN−アセチル−N−(4−クロロ−2−フ
ルオロ−5−メトキシカルボニルメチルチオフェニル)
−3,4,5,6−テトラヒドロフタラミン酸メチルエ
ステルを得た。
【0066】
【発明の効果】本発明の一般式[I]で示される置換安
息香酸誘導体は、農薬、医薬など、例えば、除草剤とし
て有用な化合物であるN−アシル−N−フェニルテトラ
ヒドロフタラミン酸誘導体などの中間体として有用な化
合物であり、また、本発明の製造法により、その一般式
[I]で示される置換安息香酸誘導体を容易に製造する
ことができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式[I] 【化1】 [式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4は低級アルキ
    ル基を表わす。]で示される新規な置換安息香酸誘導
    体。
  2. 【請求項2】一般式[I]で示される置換安息香酸誘導
    体が5−アセチルチオ−4−クロロ−2−フルオロ安息
    香酸である請求項1に記載の新規な置換安息香酸誘導
    体。
  3. 【請求項3】一般式[II] 【化2】 [式中、Yはハロゲン原子を表わす。]で示される5−
    塩化スルホニル−2−フルオロ−4−ハロ安息香酸を一
    般式[III] 【化3】 [式中、R4は低級アルキル基を表わす。]で示される
    低級アルキルカルボン酸、赤リンおよびヨウ素系触媒の
    存在下、還元することを特徴とする一般式[I] 【化4】 [式中、Yはハロゲン原子を表わし、R4は低級アルキ
    ル基を表わす。]で示される新規な置換安息香酸誘導体
    の製造法。
  4. 【請求項4】一般式[I]で示される置換安息香酸誘導
    体が5−アセチルチオ−4−クロロ−2−フルオロ安息
    香酸である請求項3に記載の新規な置換安息香酸誘導体
    の製造法。
  5. 【請求項5】ヨウ素系触媒がヨウ素である請求項3また
    は請求項4に記載の新規な置換安息香酸誘導体の製造
    法。
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