JPH08142327A - インクジェット記録装置の記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録装置の記録ヘッド

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JPH08142327A
JPH08142327A JP30685494A JP30685494A JPH08142327A JP H08142327 A JPH08142327 A JP H08142327A JP 30685494 A JP30685494 A JP 30685494A JP 30685494 A JP30685494 A JP 30685494A JP H08142327 A JPH08142327 A JP H08142327A
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JP
Japan
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substrate
ink
recording head
flow path
liquid
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JP30685494A
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English (en)
Inventor
Masashi Miyagawa
昌士 宮川
Hiroaki Toshima
博彰 戸島
Norio Okuma
典夫 大熊
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、記録ヘッドにおける基板の接合部に
発生する応力を緩和することにより基板の反りや液滴吐
出孔材料の剥れを防止し、良好な印字の行えるインクジ
ェット記録装置の記録ヘッドを提供することを目的とし
ている。 【構成】本発明は、発熱体基板上に液流路・液滴吐出孔
の形成層を備えたインクジェット記録装置の記録ヘッド
において、前記発熱体基板または前記液流路・液滴吐出
孔の形成層のいずれか一方に、好ましくは液流路・液滴
吐出孔の形成層に溝を形成し、発熱体基板と液流路・液
滴吐出孔の形成層との接合部に発生する応力を緩和する
ようにしたしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置の記録ヘッドに係り、特に記録ヘッドを構成する基板
の応力を緩和し基板の反りや剥がれを防止するようにし
た記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、熱エネルギーを利用して記録液を
加熱・沸騰させ液滴を吐出(噴射)して記録を行うよう
に構成されたインクジェット記録装置の液体噴射記録ヘ
ッドは、一般に微細な記録液吐出口(以下オリフィスと
呼ぶ)、液流路及び該液流路の一部に設けられる電気熱
変換素子が基板上に配されて形成されている。このよう
な液体噴射記録ヘッドを作製する方法として、例えば、
シリコンウェハーやガラス等の基板上に電気変換素子お
よび配線パターン等を形成し、該基板上にガラスや金属
等の板を用い、該板に切削やエッチング等の加工手段に
よって微細な溝を形成した後、該溝を形成した板を他の
適当な板と接合して液流路の形成を行う方法が知られて
いる。またこのような液流路・液滴吐出孔の更に簡便な
形成方法としては、基板上に感光性樹脂によって液流路
パターンを形成し、該パターン上にガラス等の天井部材
を接合した後、液流路を電気熱変換素子の前方にて切断
して液滴吐出孔を形成して液体噴射記録ヘッドを製造す
る方法、あるいは、液流路パターン上に液滴吐出孔を形
成したオリフィスプレートを貼り合わせて液体噴射記録
ヘッドを製造する方法等が用いられている。
【0003】上記したインクジェット記録装置の液体噴
射記録ヘッドにおいては、基板材料として熱伝導特性や
耐熱性および電気熱変換素子や配線パターンを信頼性良
く形成するため、その基板材料に平滑性が要求され、そ
の材料として金属やセラミックス等を使用することが好
ましい。そして、その最も一般的かつ汎用的に入手でき
る材料の一例としてはシリコン材を挙げることができ
る。一方、液流路・液滴吐出孔形成部材は、その加工性
や価格等からその材料として高分子化合物を使用するこ
とが好ましいが、両者の線膨張係数が大きく異なること
から実用化されている例はない。そして、その最も一般
的実用例としては、天井部材あるいはオリフィスプレー
ト形成部材として金属あるいはセラミックスを使用し、
基板と基板上に形成した感光性樹脂によるインク流路パ
ターンと該流路パターン上に接合した天板あるいはイン
ク吐出孔を形成したオリフィスプレートとの3種の主構
造体から構成されるサンドイッチ構造とすることによっ
て、熱による基板の反り、インク流路の剥れを防止して
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなサンドイッチ構造とした場合においても、液体噴射
記録ヘッドが長尺化した場合にはこれら材料の線膨張係
数の差は無視できなくなり、基板の反りや液滴吐出孔材
料の剥れの原因となっていた。さらにこのようなサンド
イッチ構造にすることは、接合面の数が増加し液体噴射
記録ヘッドの信頼性や精度が低下すること、加工が煩雑
で高価である金属セラミックス材料を多数使用しなけれ
ばならない等の欠点を有している。
【0005】一方、基板上に高分子化合物のみによって
インク流路を形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法は
特開平4−90355号公報、特開平4−90356号
公報等に記載されているが、これら液体噴射記録ヘッド
は多数のノズルを有する長尺ヘッドにおいては、基板の
反りや液滴吐出孔材料の剥れ等の問題を有しており、実
質的には短尺ヘッドの製造にしか適用できる可能性しか
なかった。
【0006】そこで、本発明は上記の諸問題を解決する
ため、記録ヘッドにおける基板の接合部に発生する応力
を緩和することにより基板の反りや液滴吐出孔材料の剥
れを防止し、良好な印字の行えるインクジェット記録装
置の記録ヘッドを提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、発熱体基板上に液流路・液滴吐出孔の形成
層を備えたインクジェット記録装置の記録ヘッドにおい
て、前記発熱体基板または前記液流路・液滴吐出孔の形
成層のいずれか一方に、好ましくは液流路・液滴吐出孔
の形成層に溝を形成し、発熱体基板と液流路・液滴吐出
孔の形成層との接合部に発生する応力を緩和するように
したものである。そして、本発明においては、前記記録
ヘッドを構成する前記発熱体基板と前記液流路・液滴吐
出孔の形成層とを、異なる材料によって、とりわけその
液流路・液滴吐出孔の形成層を高分子化合物によって形
成することができる。その際、その液流路・液滴吐出孔
の形成層の層厚は、少なくとも50μm以上であるとす
ることが好ましい。また、前記溝は液流路・液滴吐出孔
の形成層における共通液室間に形成することができ、
その溝は発熱体基板上に複数の液流路・液滴吐出孔の形
成層を貼り合わせることによって形成してもよい。
【0008】
【作用】本発明は以上のように、発熱体基板または液流
路・液滴吐出孔の形成層のいずれか一方に、好ましくは
液流路・液滴吐出孔の形成層に発熱体基板と液流路・液
滴吐出孔の形成層との接合部に発生する応力を緩和する
溝を形成して、基板の反りや基板と液流路・液滴吐出孔
の形成層の剥れを防止したものである。上記したように
熱エネルギーを利用して記録液を加熱・沸騰させ液滴を
吐出して記録を行うように構成されたインクジェット記
録装置の液体噴射記録ヘッドにおいては、熱特性や平滑
性からその記録ヘッドの基板材料は金属やセラミックス
等の材料が好ましく、また液流路・液滴吐出孔の形成層
は、加工性や価格から高分子化合物等の材料を使用する
ことが好ましい。しかしながら、これら材料の線膨張係
数は1桁程度の差があり、これら材料を貼り合わせたり
積層したりすることによって形成される上記のインクジ
ェット記録装置の液体噴射記録ヘッドは、基板が反った
り、その接合面が剥離したりして信頼性の低下を招いて
いる。
【0009】そこで、本件出願人らはこれらの問題に対
して鋭意検討を行った結果、基板または液流路・液滴吐
出孔の形成層のいずれか一方に、好ましくは液流路・液
滴吐出孔の形成層に、応力を緩和するため例えば細長溝
を設けることが材料の線膨張係数の差により発生する基
板の反りや、液流路・液滴吐出孔の形成層の基板からの
剥れを防止することに、きわめて効果的であることを見
出し本発明に至ったものである。すなわち、前記したよ
うに複数種の異なる材料を接合した場合、両者の線膨張
係数は異なり、液体噴射記録ヘッド製造工程に於て受け
る熱履歴や、使用過程においてうける温度変化によっ
て、両者の接合界面には応力が発生する。該応力は材料
の弾性率を低下させることによって低減することは可能
であるが、応力の発生を皆無とすることは極めて困難で
あり、一般的には基板を反らせたりあるいは界面の剥離
を招いていた。このようなことから、本発明は、基板ま
たは液流路・液滴吐出孔の形成層のいずれか一方、特に
液流路あるいは液滴吐出孔を形成する材料層に細長溝を
形成せしめ、これら応力の低減を図るようにしたもので
ある。
【0010】以下、図面に基づいてさらに詳しく説明す
る。図1のa、b、cに本発明の熱エネルギーを利用し
て記録液を加熱・沸騰させ液滴を吐出して記録を行うよ
うに構成されたインクジェット記録装置の液体噴射記録
ヘッドの一形態の概略図を示す。ここでのヘッドはイン
クの吐出方向が基板と平行方向であるエッジタイプであ
り、電気熱変換素子を形成した基板1上に樹脂2によつ
てインク流路が形成されている。細長溝は、ノズル列と
直交する方向(液滴吐出方向)に生じる応力を緩和する
ため、ノズル列と平行方向(液滴吐出方向と直行する方
向)に、インク吐出孔の上部に一つ(5a)、およびワ
イボンパッドの前方に一つ(5b)、計二つを設けてあ
る。また、この細長溝はノズル列方向に生じる応力を緩
和する為に、ノズル列と直交する方向にインク液室を分
断する形に二つ(5c)設けてある。細長溝(5a)は
基板面まで掘り込むことができないため、基板から10
0μmの高さまで掘り込んであり、(5b)および(5
c)は基板面まで、即ち樹脂層がない状態まで掘り込ん
である。5aと5cとの交差する個所に於ては、インク
共通液室の高さ方向の広がりが制限されるため、図1の
bに破線で示すように、インク共通液室は2次元的方向
に広げてある。該個所のノズルに対するインク供給は他
のノズルよりも十分に行われない可能性があり、このよ
うな点に注意した駆動方法をとることか好ましい。
【0011】本発明は上記のような構成にすることによ
って、上記液体噴射記録ヘッドの基板面積が広くなって
も基板の反りを低減することが可能となる。特に、ノズ
ル数を増やした場合には必然的に基板長さが長くなり、
基板の反りは極めて大きくなるが、該構成とすることに
よってノズル数を増やした上記液体噴射記録ヘッドにお
いても、熱膨張係数の差に起因する基板の反りを小さく
することが可能である。細長溝の位置、形状について
は、夫々の上記液体噴射記録ヘッドの設計要因として考
察され、一義的に決定することはできない。しかしなが
ら、現状の上記液体噴射記録ヘッドを前提にして考えた
場合、基板としては膜厚600μm程度のシリコンウェ
ハーを使用し、ノズル形成材料として耐インク性、耐熱
性に優れるエポキシ樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエ
ーテルサルフォン樹脂、ジアジドフタレート樹脂、アク
リル樹脂等を使用した場合、本出願人らの検討によると
下記の設計指針を与えることができる。印字に十分な液
滴体積を確保し、吐出周波数、クロストークおよびごみ
詰まりを防止する為には、ノズルの高さは20〜40μ
m必要であり、該ノズル高さを確保する為には樹脂層の
膜厚は50μm以上となる。更に共通液室と呼ばれるイ
ンクを供給する個所の高さは、十分なインクを速やかに
供給するため、なるべく高く形成することが好ましい。
該箇所の高さは好ましくは500μmから1mm程度で
ある。一方、ヘッドの長さ(ノズル列方向)は設計する
ノズル数によっても異なるが、360dpiの解像度に
て64ノズルを設ければ約5mm程度、256ノズルを
設ければ20mm程度にもなる。ヘッド幅に関しては、
インク供給と電気信号の付与(ワイヤーボンディングや
TAB等)が行えればよく、5mm程度が必要であるこ
のような大きさのヘッド(128ノズル)が、製造工程
の熱履歴を受け、またヒートサイクル等の信頼性を確保
する為の検討を行ったところ、均一の膜厚にて形成した
場合は樹脂層の膜厚は200μm以下にて形成する必要
があり、前記した設計要件である共通液室高さを満足し
ないことが判明した。該問題を回避する為に、応力を分
断する細長溝を、ノズル列の真ん中、ノズル列と直交す
る方向に対して樹脂層の膜厚が100μm以下となるよ
うに形成したところ、液室の高さを500μmまで確保
することが可能であった。液室を分割することは一般的
にはノズル列に間隙を形成することとなつて困難となる
場合があるが、図1のbに示すように、5aにて形成し
た細長溝の下のノズル列に於て、破線に示すように平面
的に共通液室を形成することによって該弊害を排除でき
る。細長溝を形成する方向としては、長さ方向(ノズル
列方向)の応力緩和を行う為には、最も好ましくはノズ
ル列と直交する方向あるいはノズル列と平行な方向であ
るが、構成上止むおえない場合に於ては、これら方向は
何れの方向であっても構わない。
【0012】図2のa、b、cには、インク供給孔を基
板に貫通孔として形成し、複数種のインクを吐出する熱
エネルギーを利用して記録液を加熱・沸騰させ液滴を吐
出して記録を行うように構成されたインクジェット記録
装置の液体噴射記録ヘッドの一例が示されている。共通
液室の幅を極めて小さくするために、インク供給は基板
に貫通孔を設け、基板裏側のインクタンクからインクを
供給する形態としてある。また該方式に於ては、インク
供給の為の部材をインク流路および吐出孔を形成する層
2に接続する必要がなく、応力の低減に効果を発揮す
る。図2において、4はノズル群であり、該ノズル群に
は8に示すインクタンクから、基板に形成された貫通孔
を介してインクが供給される。基板はアルミ等の金属板
7にダイボンされ、そのままインクタンクに貼り合わさ
れている。また電気熱変換素子に信号を付与する為の配
線パターンは、基板に形成した貫通孔を避けてボンディ
ングパッド10に這い回されている(図示せず)。ボン
ディングパッド10と金属板に貼られたプリント基板9
とはワイヤーボンディングにて接合されている。このよ
うな構成にすることにより、インク供給が容易になり、
インク共通液室部の幅を小さくすることが可能となり、
ノズル列と直交する方向の応力を小さくすることができ
る。該構成の最も好ましい形態としては、複数種のイン
クを吐出する一体型液体噴射記録ヘッドを挙げることが
できる。複数種のインクを吐出する一体型液体噴射記録
ヘッドに於ては、共通液室は夫々に個別に設けられ、ま
たノズル列間に数ノズル分の隙間を設けることがインク
の混合を防止する為にも好ましい形態である。このよう
な隙間を利用して該箇所に細長溝を設けることは性能の
劣化を招くものではない。図2のa、b、cに示されて
いる液体噴射記録ヘッドは、4種の色調のインクを吐出
できる一体型液体噴射記録ヘッドを例示したものであ
り、ブラック(Bk)を吐出する64のノズル、シアン
(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を吐出する夫
々24個のノズルを配列して形成されており、夫々のノ
ズル群の間隔は8ノズル分の隙間をあけてある。また夫
々のノズル群の間には5cに示す細長溝が基板に到達す
る深さで形成されており応力の緩和が図られている。
【0013】図3のa、bは、インク液滴が基板と直交
する方向に吐出するサイドタイプによる本発明の一例を
示したものである。図3のaにおいて基板1上に電気熱
変換素子と該素子に電気信号を付与する配線パターンが
形成されており、インクは基板を貫通して形成されたイ
ンク供給孔(図示せず)によって基板裏面より供給さ
れ、基板上に形成されたインク流路パターン(図示せ
ず)を通って電気熱変換素子上に導かれる。該インク流
路パターン上にはインク吐出孔4を設けたオリフィスプ
レート2が貼り合わせてある。4に示すノズル群は基板
に形成したインク供給孔(図示せず)の両側に対向して
並列に2列に千鳥配列されている。これらノズルは片側
600dpiの密度にて千鳥に配列されており、ヘッド
の解像度としては1200dpiである。ノズル列は片
側128ノズル毎に5dに示す細長溝によって分断さ
れ、応力を緩和し基板の反りを防止している。図3のb
は該液体噴射記録ヘッドの基板構成を示す図である。基
板には図3に示すインク供給孔が5個形成されており、
3aの2つはブラック用、3bはシアン、3cはマゼン
タ、3dはイエローのインクを供給するものである。こ
れらインク供給孔の両側には電気熱変換素子13が配列
されており、該電気熱変換素子には14に示す配線パタ
ーンを介してボンディングパッド10より電気信号が付
与される。サイドタイプはインク供給孔と電気熱変換素
子との間を、インク供給孔形成の加工精度まで狭めるこ
とが可能であり、エッジタイプのように共通液室を形成
する必要がなく、その為基板の幅(ノズル列と直交する
方向)を極めて小さくすることが可能である。図3に於
ては、この為ノズル列と平行には細長溝を形成していな
いが、必要であればノズル列とワイヤーボンディングパ
ット(図示せず)との間に細長溝を形成することは構わ
ない。図4は長尺ヘッドを形成してなる本発明の実施態
様の一例を示すものである。図4に於て、電気熱変換阻
止を形成した基板1にはインク吐出孔列4が形成された
オリフィスプレート2が複数貼り合わされており、該オ
リフィスプレートを千鳥状に配列することによってヘッ
ドが形成されている。電気熱変換素子には駆動用IC1
5から電気信号がボンディングパッド10を介して記録
情報に応じて供給される。またインクは基板およびベー
スプレート7に形成されたインク供給孔を介して供給さ
れ、基板上に設けられたインク流路パターンに導かれて
電気熱変換素子上に供給される。また8はインクタンク
を示す。該構成に於ては、ひとつの基板に対して複数の
オリフィスプレートを貼り合わせることによってノズル
間の位置合わせ精度を極めて高くすることが可能であ
り、また夫々のオリフィスプレートは独立し、細長溝に
よって分離されている為、基板の反りやオリフィスプレ
ートの剥れ等を防止することが可能である。このような
細長溝の形成方法としては、樹脂層形成後にダイシング
ソーやフォーミングマシン、超音波加工等の機械的手段
によって形成する方法、YAGレーザーや炭酸ガスレー
ザー、エキシマレーザー等のようなレーザー加工にて形
成する方法等を挙げることができる。また特開平4−9
0355号公報、特開平4−90356号公報等に記載
される液体噴射記録ヘッドの製造方法、即ち基板上に溶
解可能な樹脂にてインク流路パターンを形成した後、該
パターン上にトランスファーモールド法にて樹脂層を被
覆し、基板を切断した後に溶解可能な樹脂を溶出せしめ
ることによつて液体噴射記録ヘッドを製造する方法に於
ては、モールド型に該細長溝を形成できる加工を施して
おくことによって容易に本発明を実施することができ
る。
【0014】また、本出願人らによって、溶解可能な樹
脂によってインク流路パターンを形成した後、ネガ型感
光特性を有する固体状エポキシ樹脂をソルベントコー
ト、あるいはホットメルトコートし、該樹脂層に共通液
室パターンをパターン形成した後天板部材を貼り合わ
せ、切断して溶解可能な樹脂を溶出して液体噴射記録ヘ
ッドを形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法が、案出
されているが、該液体噴射記録ヘッドの製造方法によれ
ば、共通液室パターンをパターン露光する際に該細長溝
のパターンを同時にパターニングすることによって容易
に本発明を実現できる。
【0015】さらに、本出願人らによって、インク供給
孔を形成した基板上にポジ型レジストにてインク流路パ
ターンを作製し、次いで被覆樹脂層をソルベントコート
した後、シリコン系レジストを塗布、パターニングし、
次いで酸素プラズマによって被覆樹脂層をエッチングし
てインク吐出孔を形成した後ポジ型レジストを溶出して
液体噴射記録ヘッドを作製するサイド型液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法が案出されているが、該液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法によれば、シリコン系レジストに細長溝
パターンをパターニングすることによって容易に該細長
溝を形成できる。またHewlett−Packard Journal Augus
t 198828-31に記載される液体噴射記録ヘッドの製造方
法に於ては、インク吐出孔を形成した基板上に感光性樹
脂によってインク流路パターンを作製し、次いでニッケ
ル電鋳法によつて作製したオリフィスプレートに金メッ
キを施したものを該インク流路パターン上に貼り合わせ
て液体噴射記録ヘッドを製造する方法を開示している。
この方法によれば、ニッケル電鋳時に該細長溝を形成す
る手段、形成したオリフィスプレートにダイサーやレー
ザー加工によって細長溝を形成する手段を適用すれば本
発明による液体噴射記録ヘッドを製造できる。さらにま
た、該方法により図4に示す構成の液体噴射記録ヘッド
を製造する場合、複数のオリフィスプレートを基板上に
貼り合わせることによって容易に作製することが可能で
ある。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 [実施例1]まず、液体吐出エネルギー発生素子として
の電気熱変換素子(材質HfB2からなるヒーター)を
形成したガラス基板上に、ドリルによってインク供給の
為の貫通穴を開けた。該基板上にポジ型Deep−UV
レジストとして東京応化工業(株)製ODUR−101
0を塗布した。塗布は、該レジスト溶液を3倍に濃縮し
た後、ワイヤーバーによって膜厚25μmのポリエチレ
ンテレフタレート膜上に塗布し、そのまま80℃にて乾
燥し、ラミネーターによって120℃の温度を付与しつ
つ基板上に転写して被膜を形成した。該被膜の膜厚は2
0μmであった。基板を120℃にて30分間プリベー
クした後、キヤノン製マスクアライナー:PLA−52
0にてインク流路パターンをパターン露光し、次いでメ
チルイソブチルケトンによって現像せしめてインク流路
パターンを形成した。コールドミラーはCM−290を
使用、露光カウントは70カウントにて実施した。該レ
ジストパターンは、インク供給口と電気熱変換素子との
インク流路を確保するものであり、該流路となる箇所に
レジストパターンを残存せしめた。
【0017】次いで該レジスト膜上に、樹脂を被覆し
た。被覆樹脂としてはエポキシ樹脂(ダイセル化学製:
EHPE−3150)93部、シランカップリング剤
(日本ユニカ−製:A−187)5部、カチオン重合開
始剤(ミドリ化学試薬:4、4’−ジ−Tert−ブチ
ルジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト)2部を100部のキシレンに溶解したものをスピナ
ーによって塗布した。そのまま80℃にて60分間を要
して乾燥した後、前記キヤノン製マスクアライナーにて
90カウントの光照射を行い、そのまま100℃にて1
時間加熱することによってエポキシ樹脂を硬化せしめ
た。該被覆樹脂層上にシリコン系ポジ型フォトレジスト
(フジハント社製:FH−SP3)スピンコート法にて
塗布し90℃にて10分間プリベークした後、キヤノン
製ミラープロジェクションマスクアライナー:MPA−
600)にてインク吐出孔および細長溝パターンをパタ
ーン露光せしめた。露光量は200mJ/cm2、現像
は東京応化工業社製アルカリ現像液:NMD−3を用い
て90秒間行った。該レジストパターンはインク吐出孔
および細長溝部にレジストが存在しない抜きパターンで
ある。
【0018】基板を日本MRC社製マグネトロンエッチ
ング装置:BMC−600に導入し、酸素ガス圧力5m
mTorr、投入電力2.2kW、ガスフロー50sc
cmの条件にてエッチングを行った。エッチングは6分
間行い、抜きパターン部は基板面までエッチングを行っ
た。次いでウシオ電気(株)製2kW−Deep−UV
光源にて3分間、Deep−UV光を基板に照射せしめ
た後、メチルイソブチルケトンにて超音波を付与しつつ
ODUR−1010を洗い出した。次いでメチルイソブ
チルケトンにて2回リンスを行った。最後に該基板をア
ルミ製ベースプレートにダイボンし、電気信号を付与す
るための電気実装、インク供給の為の部品装着をおこな
って液体噴射記録ヘッドを完成した。このようにして作
製した液体噴射記録ヘッドを図5に示す構成からなる記
録装置に装着し、純水/グリセリン/ダイレクトブラッ
ク154(水溶製黒色塗料)=65/30/5部からな
るインクを用いて記録を行ったところ良好な印字が可能
であった。また該ヘッドは−30℃→室温→60℃のヒ
ートサイクル試験を行っても剥れ等は観察されなかっ
た。
【0019】[実施例2]膜厚600μmのシリコン基
板に実施例1と同様にして電気熱変換素子、およびアル
ミ配線パターン、二酸化シリコンから形成される保護
膜、耐キャビテーション膜としてタンタルを積層し基板
作製した。次いで、ポジ型フォトレジスト(ヘキスト
社:AZ−4903)をスピンコート法にて塗布し、そ
のまま90℃にて30分間プリベークを行った。キヤノ
ン製ミラープロジェクションアライナー:MPA−60
1にてインク流路パターンのパターン露光を行った。露
光量は2200mJ/cm2にて露光を行い、現像はヘ
キスト社アルカリ現像液MIF−312を脱イオン水に
て2倍に希釈したものを使用してディップにて行った。
【0020】次いで70℃にて3時間ベーキングを行っ
た後、キヤノン製マスクアライナー:PLA−501に
て60カウントの露光を行い、真空中にて30分間放置
した。更に120カウントの露光を行って真空処理を3
0分間行い、再度600カウントの露光、真空処理12
時間を行いポジ型レジスト中のナフトキノンジアジドを
分解し窒素ガスを放出した。実施例1にて使用したネガ
型感光性エポキシ樹脂を該パターン上にスピンコートに
て塗布し、そのまま70℃にて2時間ベーキングを行っ
た。該被膜の膜厚は50μmであった。更に同一材料に
てキシレンに溶解してないものを120℃にて溶融せし
め、ワイヤーバーにてホットメルトコートを行った。以
上の操作によつてエポキシ樹脂層の膜厚は200μmと
なった。次いでキヤノン製マスクアライナー:PLA−
520にて290コールドミラーを使用して共通液室パ
ターンを露光した。露光はプリントギャップ20μm、
露光量90カウントにて行った。そのまま60℃にて5
時間ベーキングを行い、12時間を要して室温まで徐冷
した。現像はキシレンのシャワー現像にて行い、リンス
をキシレンで行った後60℃にて30分間乾燥した。該
露光に於て図1に示す細長溝をパターニング形成した。
次いでトランスファー成型にて作製したエポキシ製天板
(膜厚500μm)にロールコーターにてエポキシ系接
着剤を塗布した。エポキシ系接着剤としてはキヤノンケ
ミカル(株)製GAを所定の硬化剤と混合したものを使
用した。そのまま基板と天板を50g/cm2の圧力に
て90℃の温度にて貼り合わせ、90℃にて3時間を要
して硬化を完全なものとした。
【0021】基板を東京精密(株)製マイクロフォーミ
ングマシン:FM−20にて切断した。吐出孔部は#2
000、その他は#400メッシュのレジンブレードに
て切断した。またエポキシ樹脂天板部は被覆樹脂層の細
長溝に対応した箇所に切り込みを入れた。次いでエチル
アルコールにて超音波を付与しつつレジストを溶出せし
め、2回のリンスを行って液体噴射記録ヘッドを形成し
た。最後に実施例1と同様にして電気実装、インク供給
部品の装着を行い印字を行ったところ良好な印字が可能
であった。
【0022】[実施例3]実施例2と同様にして基板を
作製した。該基板は4種の色調のインクを吐出する為、
Bブラック64ノズル、シアン,マゼンタ,イエロー夫
々24ノズル分の電気熱変換素子を形成した。またブラ
ックとシアンとの間隔は16ノズル分、シアン,マゼン
タ,イエロー間の間隔は8ノズル分開けた。また基板に
はインク供給孔を形成する為、アルミ配線パターンは該
箇所を避けて這い回した。次いで日本電子工業(株)製
超音波加工機:UMD−500Cを用いてインク供給孔
を形成した。砥粒は#800のグリーンシリコンカーバ
イドを使用した。供給孔は各色調のインク液室に対して
夫々1個、計4個を形成した。実施例1と同様にして該
穴開き基板上にポジ型Deep−UVレジストODUR
−1010を転写塗布し、実施例1と同様にしてインク
流路パターンを作製した。
【0023】該インク流路パターン上に実施例2と同様
にしてエポキシ樹脂を塗布した。該エポキシ樹脂層の膜
厚は200μmであった。次いで該エポキシ樹脂層に実
施例1と同様にして共通液室パターンをパターニング
し、ODUR−1010を分解する為に2kWDepp
−UV光源にてDeep−UV光を3分間照射せしめ
た。共通液室パターンは図2の構成とするため、共通液
室間に細長溝が形成できるようにパターン化を行った。
共通液室パターンの凸部にロールコーターにてキヤノン
ケミカル(株)製エポキシ系接着剤GAを膜厚10μm
にて塗布し、プレス加工にて作製したSUS304製天
板部材を貼り合わせた。天板には共通液室パターンに対
応して600μmの凹みを形成しておいた。貼り合わせ
は50g/cm2の圧力、温度90℃にて行い、そのま
ま90℃にて3時間保持することによって接着を完全な
ものとした。 実施例2と同様にして吐出孔部の切断を
行い、更にチップの分離、SUS板にはエポキシ樹脂層
に形成した細長溝に対応して切り込みを入れた。次いで
メチルイソブチルケトンにて超音波を付与しつつODU
Rを洗浄し、更に2回のリンスを行った。該チップをア
ルミ製ベースプレートにダイボンし、電気実装、インク
タンクの装着を行った。インクタンクはポリスルフォン
の射出成型にて作製し、各色調毎に液室が分断された構
成となっている。実施例1と同様にして印字を行ったと
ころ、良好な印字が可能であった。
【0024】[実施例4]実施例1と同様にしてシリコ
ン基板に電気熱変換素子等から構成される液体噴射記録
ヘッド基板を作製した。該基板は1024ノズルに対応
した電気熱変換素子を有している。基板に日立建機
(株)製YAGレーザー加工装置:LU−450にてイ
ンク供給の為の貫通孔を作製した。基板は予めポリメチ
ルメタクリレート(大宮化成:エルバサイト2044)
をシクロヘキサノンに溶解したものをスピナーにて塗
布、乾燥して保護膜として形成した。該被膜の膜厚は1
0μmであった。YAGレーザーの加工条件は、周波数
70Hz、パルス幅0.3msec、パルスエネルギー
0.3J/pにて行った。最後にポリメチルメタクリレ
ートをシクロヘキサノンにて溶解して表面を洗浄した。
【0025】前記したように、該基板には1024個の
電気熱変換素子が形成されており、これらノズルは12
8ノズル毎に千鳥配列されている。128ノズルのブロ
ックは片側180dpiのピッチにてインク供給孔を介
して64ノズルずつ千鳥配列されており、360dpi
の解像度となっている。即ちインク供給孔は8個形成さ
れており、該供給孔の両側に64ノズルずつ128ノズ
ルが配列され、このブロックが基板の長手方向に8ブロ
ックにわたって千鳥配列されている。
【0026】該基板上に東京応化工業(株)製ネガ型ド
ライフィルム:オーディール341をラミネートしイン
ク流路パターンを形成した。ラミネート温度は100
℃、圧力2Kg/cm2にて行った。パターニングはキ
ヤノン製ミラープロジェクションマスクアライナー:M
PA−601にて行い、露光量は2200mJ/cm2
である。カバーフィルムを剥離し、東京応化工業社:B
MR現像液にてシャワー現像を行い、次いでアッシン
グ、UVキュア、熱キュアを行った。該レジストの膜厚
は38μmであった。膜厚50μmのポリスルフォン板
にエキシマレーザーにて40μmφのインク吐出孔を形
成し、該樹脂表面に金を蒸着法にて1μm付着せしめ、
次いで裏面に実施例2にて使用したエポキシ系接着剤を
ロールコーターにて1.5μm厚にて塗布し、そのまま
基板に形成したインク流路パターン上に貼り合わせた。
該オリフィスプレートは128ノズル毎に分割された大
きさであり、基板上に8枚貼り合わせて液体噴射記録ヘ
ッドを完成した。最後に図4に示すように、電気実装お
よびインクタンクの装着を行い、実施例1と同様にして
記録を行ったところ良好な印字が可能であった。
【0027】つぎに、本発明がより効果的に適用し得る
インクジェット記録装置について説明する。本発明は、
特に液体噴射記録(インクジェット記録)方式の中で
も、熱エネルギーを利用して記録液を加熱・沸騰させ液
滴を吐出して記録を行うように構成されたインクジェッ
ト記録装置の液体噴射記録ヘッドにおいて優れた効果を
もたらすものである。その代表的な構成や原理について
は、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第
4740796号明細書に開示されている。この方式は
所謂オンデマンド型、コンチィニュアス型の何れにも適
用可能であるが、特にオンデマンド型の場合には、液体
噴射記録ヘッド(インク)が保持されているシートや液
路に対応して配置された電気熱変換素子に、記録情報に
対応した少なくとも一つの駆動信号を印加することによ
って、電気熱変換体に核沸騰を越える急激な温度上昇を
与える熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用
面に核沸騰を起こさせ、結果的にこの駆動信号に一対一
に対応した気泡を液体(インク)内に形成できるので有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出孔を介して
液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形
成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切
に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた
液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。この
パルス形状の駆動信号としては、米国特許第44633
59号明細書、同第4345262号明細書に記載され
ているようなものが適している。なお、上記熱作用面の
温度上昇率に関する発明として米国特許第431312
4号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優
れた記録を行うことができる。記録ヘッド構成として
は、上述の各明細書に開示されているような吐出孔、液
流路、電気熱変換体素子の組み合わせ構成(直線状液流
路または直角状液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域
に配置されている構成を開示する米国特許第45583
33号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数
の電気熱変換体素子に対して、共通するスリットを電気
熱変換体素子の吐出部とする構成を開示する特開昭59
−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収す
る開孔を吐出孔に対応させる構成を開示する特開昭59
−138461号公報に基づいた構成にしても本発明は
有効である。更に、記録紙の全幅にわたてり同時に記録
ができるフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述
した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組
み合わせによって、その長さを満たす構成や、一体的に
形成された一個の記録ヘッドとしての構成の何れにおい
ても本発明は、上述した効果を一層友好に発揮すること
ができる。さらに、装置本体に装着されることで、装置
本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が
可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、ある
いは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジ
タイプの記録ヘッドにおいても本発明は有効である。ま
た、記録装置に記録ヘッドに対する回復手段や予備的な
補助手段等を付加することは、本発明により得られる記
録ヘッドの効果を一層安定にできるので、好ましいもの
である。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対し
ての、キャッピング手段、クリーニング手段、加圧ある
いは吸引手段、電気熱変換体素子あるいはこれとは別の
加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱
手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行う手
段等を付加することも安定した記録を行うために有効で
ある。更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主
流色のみを記録するモードだけでなく、記録ヘッドを一
体的に構成した、又は複数個を組み合わせて構成した何
れでもよいが、異なる色の複数カラー又は、混色による
フルカラーの少なくとも一つを備えた装置の記録ヘッド
にも本発明は極めて有効である。また、本発明により得
られる記録ヘッドは、インクが液体でなくとも、室温や
それ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしく
は液体となるもの、あるいは、インクジェットにおいて
一般的に行われている温度調整範囲である30℃以上7
0℃以下で軟化もしくは液体となるものにも適用でき
る。即ち、記録信号付与時にインクが液状をなすもので
あれば良い。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
を、インクの固体状態から液体状態への態変換のエネル
ギーとして吸収せしめることで防止するか、又は、イン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化してインク状態とし
て吐出するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインク使用も本発明に係る記録ヘッド
には適用可能である。このような場合インクは、特開昭
54−566847号公報あるいは特開昭60−712
60号公報に記載されるような、多孔質シート凹部また
は貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、
電気熱変換態素子に対して対抗するような形態としても
良い。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。図5は本発明により得られた液体噴射記録ヘッド
をインクジェットカートリッジ(IJC)として装着し
たインクジェット記録装置(IJRA)の一例を示す外
観斜視図である。図において、20はプラテン24上に
送紙されてきた記録紙の記録面に対向してインク吐出を
行うノズル群を備えたインクジェットカートリッジ(I
JC)である。16はIJC20を保持するキャリッジ
HCであり、駆動モーター17の駆動力を伝達する駆動
ベルト18の一部と連結し、互いに平行に配設された2
本のガイドシャフト19Aおよび19Bと摺動可能とす
ることによりIJC20の記録紙の全幅にわたる往復移
動が可能となる。26はヘッド回復装置であり、IJC
20の移動経路の一端、例えばホームポジションと対向
する位置に配設される。伝動機構23を介したモーター
22の駆動力によって、ヘッド回復装置26を動作せし
め、IJC20のキャッピングを行う。このヘッド回復
装置26のキャップ部26AによるIJC20へのキャ
ッピングに関連させて、ヘッド回復装置26内に設けた
適宜の吸引手段によるインクの吸引もしくはIJC20
へのインク供給経路に設けた適宜の加圧手段によるイン
ク圧送を行い、インクを吐出孔より強制的に排出させる
ことによりノズル内の増粘インクを除去する等の吐出回
復処理を行う。記録終了時にキャッピングを施すことに
よりIJC20が保護される。30はヘッド回復装置2
6の側面に配設され、シリコンゴムで形成されるワイピ
ング部材としてのブレードである。ブレード30はブレ
ード保持部材30Aにカンチレバー形態で保持され、ヘ
ッド回復装置26と同様、モーター22および伝動機構
23によって動作し、IJC20の吐出面との係合が可
能となる。これにより、IJC20の記録動作における
適切なタイミングであるいはヘッド回復装置26を用い
た吐出回復処理後に、ブレード30をIJC20の移動
経路中に突出させ、IJC20の移動動作に伴ってIJ
C20の吐出面に於ける結露、濡れあるいは塵等を拭き
とるものである。
【0028】
【発明の効果】本発明は、以上のように発熱体基板また
は液流路・液滴吐出孔の形成層のいずれか一方に、好ま
しくは液流路・液滴吐出孔の形成層に溝を形成すること
により、発熱体基板と液流路・液滴吐出孔の形成層との
接合部に発生する応力を緩和し、基板の反りや基板と液
流路・液滴吐出孔の形成層の剥れを防止し、良好な印字
の行えるインクジェット記録装置の記録ヘッドを得るこ
とができる。
【0029】また、本発明においては上記のような基板
の接合部に発生する応力を緩和する溝が形成されている
ため、発熱体基板と液流路・液滴吐出孔の形成層の材質
の相違により、その線膨張係数が大きく異なっても、こ
の溝によりその応力は低減されるから、液流路・液滴吐
出孔の形成層に加工性が良く、安価な高分子材料を採用
することができるだけてなく、それを長尺化しても基板
の反りや基板と液流路・液滴吐出孔の形成層の剥れを防
止し、良好な印字の行えるインクジェット記録装置の記
録ヘッドを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的態様を説明するための模式図で
あり、図1の(a)は細長溝を形成したエッジ型液体噴
射記録ヘッドの構成を示す模式的斜視図、図1の(b)
はその平面図、図1の(c)はその断面図である。
【図2】本発明の基本的態様を説明するための模式図で
あり、図2の(a)は異なる種類のインクを吐出するエ
ッジ型の液体噴射記録ヘッドの構成を示す模式的斜視図
である。図2の(b)は該液体噴射記録ヘッドを正面か
ら見た断面図、図2の(c)はその横断面図である。
【図3】本発明の基本的態様を説明するための模式図で
あり、図3の(a)はサイド型液体噴射記録ヘッドの構
成を示す模式的斜視図であり、図3の(b)は該ヘッド
の基板構成を示す図である。
【図4】基板上のオリフィスプレートを貼り合わせて構
成される長尺の液体噴射記録ヘッドの構成を示す模式的
斜視図である。
【図5】本発明による液体噴射記録ヘッドを搭載して記
録を行う記録装置の概要を示す図面である。
【符号の説明】
1:基板 2:インク流路形成材料 3:インク供給孔 4:インク吐出孔 5:細長溝 6:共通液室 7:ベースプレート 8:インクタンク 9:プリント基板 10:ボンディングパッド 11:ボンディングワイヤー 12:コンタクトパッド 13:電気熱変換素子 14:アルミ配線 15:駆動用IC 16:キャリッジ 17:駆動モーター 18:駆動ベルト 19A:ガイドシャフト 19B:ガイドシャフト 20:インクジェットヘッドカートリッジ 22:クリーニングモーター 23:伝動機構 24:プラテン 26:キャップ部材 30:ブレード 30A:ブレード保持部材
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】発熱体基板上に液流路・液滴吐出孔の形成
    層を備えたインクジェット記録装置の記録ヘッドにおい
    て、前記発熱体基板または前記液流路・液滴吐出孔の形
    成層のいずれか一方に、好ましくは液流路・液滴吐出孔
    の形成層に溝を形成し、前記発熱体基板と前記液流路・
    液滴吐出孔の形成層との接合部に発生する応力を緩和す
    るようにしたことを特徴とするインクジェット記録装置
    の記録ヘッド。
  2. 【請求項2】前記記録ヘッドにおいて、前記発熱体基板
    と前記液流路・液滴吐出孔の形成層とが、異なる材料に
    よって形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    のインクジェット記録装置の記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記液流路・液滴吐出孔の形成層は、高分
    子化合物によって形成されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のインクジェット記録装置の
    記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記液流路・液滴吐出孔の形成層は、その
    層厚が少なくとも50μm以上であることを特徴とする
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェ
    ット記録装置の記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記溝が、液流路・液滴吐出孔の形成層に
    おける共通液室間に形成されるようにしたことを特徴と
    する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のインク
    ジェット記録装置の記録ヘッド。
  6. 【請求項6】前記溝が、発熱体基板上に複数の液流路・
    液滴吐出孔の形成層を貼り合わせることによって形成さ
    れるようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項5の
    いずれか1項に記載のインクジェット記録装置の記録ヘ
    ッド。
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