JP2006297830A - インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出基板と支持部材との固定において、液体吐出基板と支持部材との線膨張差に起因する応力が液体吐出基板にかからない構成のインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の吐出口106が形成されたオリフィスプレート105と、電気信号に応じてインクを吐出するエネルギ発生部とを有し、吐出口106に連通するインク供給口104が形成された記録素子基板100と、記録素子基板100を接合面300bにて支持し、かつ、記録素子基板100のインク供給口104と連通してインクを供給するインク供給路307を有する支持部材とを備えたインクジェット記録ヘッド1において、記録素子基板100のオリフィスプレート105と対向する対向面100bの一部である領域A、Bのみが支持部材300の接合面300bに対して接着されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、インク等の液体を吐出して記録動作を行うインクジェット記録装置に用いられるインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
図8に、熱作用部面から垂直に吐出するタイプの一般的なインクジェット記録ヘッドの構成を示す。図8(a)は、分解斜視図であり、図8(b)は、組立完成図である。また、図9は、図8に示すインクジェット記録ヘッドの断面構造を説明する図である。図9(a)は図8(b)のD−D線における一部拡大断面図である。
一般的なインクジェット記録ヘッドは、図8(a)、図8(b)および図9に示すように、液体吐出基板1100、電気配線基板1200、支持部材1300を有する構成となっている。
液体吐出基板1100は、シリコン製の基板の中央にインク供給口1104が長穴の形状で開いており、この基板上には複数の発熱抵抗体1108がほぼ等間隔でインク供給口1104の両側に並んでいる。このような発熱抵抗体1108を形成した基板はヒータボード1101と呼ばれている。そして、インクはヒータボード1101のインク供給口1104から供給される。ヒータボード1101の外部には発熱抵抗体1108に電力を供給するための配線(不図示)が引き回されていて、ヒータボード1101上の両端に設置されている外部取り出し電極パッドと結線されている。そして、このようなヒータボード1101上に複数の吐出口1106を有するオリフィスプレート1105を貼り付けて、さらに、電極パッド上には、電極となるバンプ1103が形成されて液体吐出基板1100が完成する。
電気配線基板1200は、例えば、フレキシブル配線基板が使用され、ベースフィルム1201上に銅箔1203を接着剤1202により接着し、パターニングし、銅箔1203をリード線とする。そして、液体吐出基板1100のバンプ1103を電気接続する電極端子1204と、プリンタ本体からの駆動電力や電気信号を入力するためのコンタクト部1211を有し、電極端子1204以外はカバーフィルムにより被覆している。
支持部材1300は、液体吐出基板1100のインク供給口1104と、該支持部材1300のインク供給口1302が連通するように液体吐出基板1100の吐出口が並ぶ面1106aに対向する対向面1106b全域と支持部材1300の接合面1300bとを接着剤1107を用いて接着する。また、液体吐出基板1100の電極部に対して、電気配線基板1200がほぼ水平に接続できる構造となっており、接着剤1205により、電気配線基板1200を接着固定する。
液体吐出基板1100の外部取り出し電極パッドと電気配線基板配線を結線する方法としては、一般的に液体吐出基板1100の電極部(バンプ1103)と、電気配線基板1200の電極端子である配線リード1204を超音波と熱により金属接合する(インナーリードボンディング)ことにより両電極間を電気的に接続固定している。そして、液体吐出基板1100の電極部(バンプ1103)と、電気配線基板1200の電極端子1204のボンディング部は、図9に示すように、電極端子1204上に接着剤1400aを、液体吐出基板周囲に1400bを用いて封止をすることで周囲から絶縁し、固定している。また、上記した液体吐出基板1100と支持部材1300の固定に用いる接着剤1107には一般に熱硬化性樹脂等の接着剤を使い、Si等の材料からなる液体吐出基板1100と樹脂部材等の材料からなる支持部材1300を熱キュアによって接着固定する方法が知られている。
特開2001−130001号公報
しかし、上述したインクジェット記録ヘッドには、以下のような課題がある。
すなわち、液体吐出基板と支持部材とを熱硬化性樹脂等の接着剤を用いて固定する場合、液体吐出基板の吐出口が並ぶ面に対向する面と、支持部材の接合部とに対して熱キュアが必要である。この熱キュアにより、液体吐出基板と支持部材の双方に熱による線膨張の応力が加わることとなる。この接着剤のキュア後における線膨張による応力は、支持部材に対して液体吐出基板の開口内側方向へ向かって加わる。また、この線膨張による応力は、硬化した接着剤上にある液体吐出基板にもかかる。しかしながら、液体吐出基板と支持部材とには線膨張差が存在する。この結果、液体吐出基板の開口上にあるオリフィスプレートに応力が残留し、オリフィスプレート面に歪みが生じることで吐出に悪影響を及ぼすことがあった。
そこで、本発明は、液体吐出基板と支持部材との固定において、液体吐出基板と支持部材との線膨張差に起因する応力が液体吐出基板にかからない構成のインクジェット記録ヘッドおよびインクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明のインクジェット記録ヘッドは、複数の吐出口が形成されたオリフィスプレートと、電気信号に応じてインクを吐出するエネルギ発生手段とを有し、吐出口に連通するインク供給口が形成された記録素子基板と、該記録素子基板を接合面にて支持し、かつ、記録素子基板のインク供給口と連通してインクを供給する流路を有する支持部材とを備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、記録素子基板のオリフィスプレートと対向する対向面の一部が支持部材の接合面に対して接着されていることを特徴とする。
本発明によれば、記録素子基板の対向面の一部のみを支持部材の接合面に対して接着することで、他の非接着領域は支持部材に対してフリーな構成となり、接着剤のキュア時における線膨張の影響を受けにくい構成となっている。よって、液体吐出基板と支持部材との線膨張差に起因した応力が液体吐出基板に残留することを防ぎ、信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の記録装置に係る実施形態の基本的構成及び作用を説明する。また、本明細書において、「プリント」(「記録」と言う場合もある)とは、文字、図形等、有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、また、媒体の加工を行う場合も言うものとする。
ここで、「プリント媒体」(「記録メディア」と言う場合もある)とは、一般的なプリント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈されるべきもので、プリント媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成またはプリント媒体の加工、或いはインクの処理(例えばプリント媒体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に供され得る液体を言い、記録に関して用いる全ての液体を含むものとする。
(第1の実施形態)
図1に、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの一部外観斜視図を示す。図1(a)は、電気配線基板が取り付けられる前であり、支持部材が液体吐出基板を支持固定している状態を示す一部外観斜視図であり、図1(b)は液体吐出基板の支持部材に支持される面、つまり吐出口が並ぶ吐出口面に対向する対向面を表す平面図である。
また、図2は、電気配線基板が取り付けられた状態のインクジェット記録ヘッドの一部外観斜視図であり、図3は、図2中E−E線における一部断面図である。
[インクジェット記録ヘッド]
本実施形態のインクジェット記録ヘッド1は、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギを生成する電気熱変換体を用いて記録を行うバブルジェット方式のサイドシュータ型とされる記録ヘッドであり、インク供給口104が形成されるとともに、複数の吐出口106が並列に形成されたオリフィスプレート105を備えた液体吐出基板100と、液体吐出基板100のインク供給口104に連通するインク供給路302が形成され、液体吐出基板100を支持する支持部材300と、フレキシブル配線基板からなる電気配線基板200とを有する。
[液体吐出基板]
本実施形態の液体吐出基板100はシリコン製の基板からなり、中央部分に長穴形状のインク供給口104が形成されている。
液体吐出基板100の、オリフィスプレート105が設けられた側と対向する側の面である対向面106bは領域A,B,C,Dを有する。すなわち、対向面106bにおけるインク供給口104の周辺部は、液体吐出基板100を固定する支持部材300の接合面300bに対して接着される領域である領域A、B(図1(b)中ハッチング部)および接合面300bに対して接着されない領域である領域C、Dとを有する。本実施形態においては、領域A、Bはインク供給口104の短手方向に延在して形成されており、領域C、Dは長手方向に延在して形成されている。なお、本実施形態では接着される領域は領域A、Bとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、接着される領域が、領域A,Bのいずれか一方、あるいは領域C、Dのいずれか一方、さらには、これら領域A,B,C,Dといった領域の分け方に限定されることなく、インク供給口104の周辺部の一部を接着領域とするものであってもよい。
液体吐出基板100の基板上には複数の発熱抵抗体108がほぼ等間隔でインク供給口104の両側に並んでいる。このような発熱抵抗体108を形成した基板はヒータボード101と称される。インクはヒータボード101のインク供給口104から供給される。ヒータボード101の外部には発熱抵抗体108に電力を供給するための配線(不図示)が引き回されていて、ヒータボード101上の両端に設置されている外部取り出し電極パッド(不図示)と結線されている。これらの配線は、一般に、数百から数千Åの厚さを有する窒化絶縁膜(SiN)で保護されている。そして、このようなヒータボード101上に、フォトリソグラフィ技術により形成された複数の吐出口106を有するオリフィスプレート105を貼り付けて、さらに、電極パッド102上には、電極となるバンプ103が形成されて、図3に示すような液体吐出基板100が完成する。なお、バンプ103は、例えば、スタッドバンプ工法により形成された5〜30μm程度の金バンプである。
[電気配線基板]
電気配線基板200は、上述したようにフレキシブル配線基板が使用されており、ベースフィルム201上に銅箔203を接着剤202により接着し、パターニングし、銅箔203をリード線としている。そして、液体吐出基板100のバンプ103を電気接続する電極端子(不図示)と、プリンタ本体からの駆動電力や電気信号を入力するためのコンタクト部211以外をカバーフィルム206により被覆している。なお、ベースフィルム201、及びカバーフィルム206は、例えば、厚みが25μmのレジストフィルムである。また、電極端子は、例えば、厚み30μmの銅箔に金メッキが施されている。また、接着剤202、207は、例えば、10μmの厚みを有している。
[支持部材]
支持部材300は、液体吐出基板100のインク供給口104へとインクを供給するためのインク供給路302が形成されており、また、液体吐出基板100を支持するための接合面300bが形成されている。電気配線基板200は液体吐出基板100を収納している収納部301の外周壁の上面となる配線保持面300cに接着固定されている。接合面300bは収納部301の底面をなしており、配線保持面300cに対して凹んだ位置に形成されている。
液体吐出基板100の電極部(バンプ103)と、電気配線基板200の電極端子とは、超音波と熱を用いて金属接合(インナーリードボンディング)し、両電極間を電気的に接続固定されている。電極端子とバンプ103とが電気的に接続された後、電極端子204上および液体吐出基板100の周囲、すなわち、収納部301内に接着剤にて封止する。これにより、電極端子とバンプ103とが電気的に接続されたボンディング部の絶縁および被覆がなされる。接着剤は、例えば熱硬化性接着剤が用いられる。なお、図1においては、構成を明確化するため、接着剤は図示していない。
[液体吐出基板と支持部材との接合]
液体吐出基板100と支持部材300とは、液体吐出基板100の対向面100bと支持部材300の接合面300bとを接着剤107によって接続することで接合されている。
ここで、本実施形態においては、液体吐出基板100の対向面100bの全面に接着剤107が塗布されて接合面300bに接着されているのではなく、対向面100bのうち、領域A、Bにのみに塗布されて接着がなされている。すなわち、液体吐出基板100は支持部材300に対して対向面106bの全面が接着固定されるのではなく、その一部のみが接着固定される。
このように、全面を接着するのではなく、一部のみを接着する構成とすることで、インク供給口104のような開口があり、かつ、複数の吐出口106が並列して形成されたオリフィスプレート105を備えた液体吐出基板100はインク供給口104の長手方向に延在する領域C,Dについては支持部材300に対してフリーな構成となる。
液体吐出基板100と支持部材300とを熱硬化性樹脂等の接着剤を用いて固定する場合、液体吐出基板100の対向面100bと、支持部材300の接合面300bとに対して熱キュアが必要である。この熱キュアにより、液体吐出基板100と支持部材300の双方に熱による線膨張の応力が加わることとなる。この接着剤のキュア後における線膨張による応力は、支持部材300に対して液体吐出基板100のインク供給口104内側方向へ向かって加わる。また、この線膨張による応力は、硬化した接着剤上にある液体吐出基板100にもかかる。液体吐出基板100と支持部材300とには線膨張差が存在するため、液体吐出基板100のインク供給口104上に配置されているオリフィスプレート105に応力が残留し、オリフィスプレート105面に歪みが生じる。
しかしながら、本実施形態のインクジェット記録ヘッド1は、領域C,Dについては支持部材300に対してフリーな構成であるため、液体吐出基板100はキュア時における線膨張の影響を受けにくく、よって液体吐出基板100に設けられたオリフィスプレート105もキュア時における線膨張の影響を受けにくい構成となっている。
このように、本実施形態によれば、液体吐出基板100と支持部材300を支持固定する接着剤のキュア時に、液体吐出基板100と支持部材300との線膨張差に起因した応力が液体吐出基板100に残留することを防ぎ、信頼性の高いインクジェット記録ヘッド1を提供することが可能となる。
ところで、収納部301内は上述したように、熱硬化性接着剤にて封止される。よって、本実施形態では、領域C,Dには接着剤は塗布しない構成としているが、この熱硬化性接着剤が領域C,Dの部分へと浸入すると、接着剤のキュア時における線膨張の影響を受けにくい構成とすることができなくなる。そこで、対向面100bの領域C,D、および接合面300bの領域C,Dに対応する面を撥水処理すると、液体吐出基板100周囲の熱硬化性接着剤の浸入を防止することができ、より一層信頼性のあるインクジェット記録ヘッドを提供することが可能となる。なお、撥水剤としては、例えばCTX−105(商品名:旭硝子株式会社製)、KP−801(商品名:信越化学工業株式会社製)、ディフェンサ(商品名:大日本インキ化学工業株式会社製)、テフロンAF(商品名:デュポン株式会社製)等が挙げられる。
(第2の実施形態)
図4(a)〜図4(b)に本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造工程を示す。また、図4(c)に、図4(b)におけるF−F線での一部断面図を示す。なお、本実施形態のインクジェット記録ヘッド10の基本的な構成は第1の実施形態で説明したインクジェット記録ヘッド1と同様であるため、詳細の説明は省略する。また、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同様の部材に関しては第1の実施形態で用いた符号を用いるものとする。
図4(a)は、支持部材300に液体吐出基板100が装着される前の状態のインクジェット記録ヘッド10の一部外観斜視図である。支持部材300の接合面300b上であって、インク供給路302の四隅近傍には突起303が形成されている。
第1の実施形態では領域A,Bのみを接着接合し、領域C,Dについては支持部材300に対してフリーにすることで、接着剤のキュア時に、液体吐出基板100と支持部材300との線膨張差に起因した応力が液体吐出基板100に残留することを防ぐ構成としていた。
これに対して本実施形態では4つ形成された突起303の各端面303aによって液体吐出基板100の対向面100bの4隅部分のみを支持し、液体吐出基板100はその一部である外周側面を支持部材300に対して接着固定する。よって、接着された部分以外の領域は支持部材300に対してフリーになる構成としている。このような構成とすることで、本実施形態も、第1の実施形態と同様に、接着剤のキュア時に、液体吐出基板100と支持部材300との線膨張差に起因した応力が液体吐出基板100に残留するのを防止している。
また、本実施形態の場合、液体吐出基板100を突起303上にて支持するため、図4(c)に示すように、対向面100bと接合面300bとの間にインクが介在可能な空隙部Rが形成される。つまり本実施形態の場合、液体吐出基板100の一部である外周側面を支持部材300に対して接着固定することで支持部材300から液体吐出基板100へ線膨張による応力がかかることがないのに加え、空隙部Rが形成されることによって、熱が支持部材300と液体吐出基板100の両者に加わった場合であっても、空隙部Rに介在するインクの熱伝導率が樹脂部材や空気よりも大きいことから、放熱効果に優れ、線膨張変形の影響を和らげる効果がある。
なお、液体吐出基板100の外周部の固定に用いる接着剤400bは、対向面100bと接合面300bとの間に形成される空隙部Rへと流入するのを防止するため、硬化後の硬度が硬い接着剤を使うことがより望ましい(図4(c)参照)。
また、第1の実施形態と同様に、空隙部Rに位置する対向面100bと接合面300bとに撥水処理をするものであってもよい。
さらに、本実施形態の液体吐出基板100と支持部材300との位置関係に関する類似構成として、支持部材300に突起303を設ける代わりに、図5に示すように、液体吐出基板100と支持部材300との間に弾性体304を挟み込む構成としても良い。この弾性体304には、ゴム等、熱伝導性の低い材質が用いられ、液体吐出基板100のインク供給口104と支持部材300のインク供給路302が連通するように開口305が形成されている。なお、この弾性体304は開口305が形成された形状に限られたものではなく、例えば、弾性体304を突起303のようにインク供給路302の四隅近傍に4箇所設けるものとしてもよい。また、その材質もゴムに限定されるものではなく、弾性を有し、熱伝導性の低い樹脂を用いるものであれば特に限定されるものではない。なお、この場合、液体吐出基板100は、液体吐出基板100の一部である外周側面を支持部材300に対して接着固定するとともに、弾性体304を介して領域Sにて支持部材300に支持されることとなる。
(第3の実施形態)
図6に、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの一部外観斜視図を示す。
上述した第1および第2の実施形態においては、1つの液体吐出基板を用いたインクジェット記録ヘッドについて説明したが、本実施形態では複数の液体吐出基板を用いたインクジェット記録ヘッドについて説明する。
なお、本実施形態のインクジェット記録ヘッド20は複数の液体吐出基板を備えた構成であるが、その基本的な構成は第1の実施形態で説明したインクジェット記録ヘッド1と同様であるため、詳細の説明は省略する。また、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同様の部材に関しては第1の実施形態で用いた符号を用いるものとする。
本実施形態の各液体吐出基板100は、第1の実施形態で説明したように、液体吐出基板100の対向100bの全面に接着剤が塗布されて接合面300bに接着されているのではなく、対向面100bのうち、領域A、Bにのみに塗布されて接着がなされている。つまり、液体吐出基板100は支持部材300に対して対向面106bの全面が接着固定されるのではなく、その一部のみが接着固定される(図1(b)参照)。このように、一部のみを接着する構成とすることで、インク供給口104のような開口があり、かつ、複数の吐出口106が並列して形成されたオリフィスプレート105を備えた液体吐出基板100はインク供給口104の長手方向に延在する領域C,Dについては支持部材300に対してフリーな構成となる。すなわち、本実施形態のインクジェット記録ヘッド20も、第1の実施形態と同様に液体吐出基板100と支持部材300とを接着する接着剤のキュア時における線膨張の影響を受けにくい構成となっている。
本実施形態では図6に示すように、複数の液体吐出基板100が収納部301内に配列されている。そして、各液体吐出基板100は上述したように、対向面100bの一部のみが支持部材300に対して接着されている。このため、接着で固定されていない領域C,D(図1(b)参照)については、インク供給口104からインクが漏洩することで隣接する液体吐出基板100のインクと混ざってしまうおそれがある。よって、複数の液体吐出基板100を備える構成とする場合には、各液体吐出基板100を支持部材300に接着固定した後に、図7に示すように、収納部301内に樹脂製の充填剤500bを充填することで各液体吐出基板100を独立させることができる。すなわち、インク供給口104からインクが漏洩することで隣接する液体吐出基板100のインクと混ざってしまうといったことを防止することができるため、インクジェット記録ヘッド20を多色化することができる。充填剤500bにはチクソ性の低い(流動性の高い)材料が望ましい。
なお、本実施形態では、3つの液体吐出基板100を備えたインクジェット記録ヘッド20を例に説明したが、液体吐出基板100の個数は3つに限定されるものではなく、2つであってもよいし、あるいは4つ以上であってもよいのは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドの一部外観斜視図および液体吐出基板の支持部材に支持される面の平面図である。 電気配線基板が取り付けられた状態の第1の実施形態のインクジェット記録ヘッドの一部外観斜視図である。 図2中のE−E線における、インクジェット記録ヘッドの一部断面図である。 本発明の第2の実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造工程を説明する図および一部断面図である。 本発明の第2の実施形態のインクジェット記録ヘッドにおける、他の構成例を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態における、複数の液体吐出基板を用いたインクジェット記録ヘッドの一部外観斜視図である。 収納部に充填剤を充填してなる、本発明の第3の実施形態におけるインクジェット記録ヘッドの一部外観斜視図である。 従来の、熱作用部面から垂直に吐出するタイプの一般的なインクジェット記録ヘッドの構成を示す図である。 図8に示すインクジェット記録ヘッドの断面構造を説明する図である。
符号の説明
1 インクジェット記録ヘッド
100 液体吐出基板
100b 対向面
104 インク供給口
105 オリフィスプレート
106 吐出口
300 支持部材
300b 接合面
307 インク供給路
A、B、C、D 領域

Claims (10)

  1. 複数の吐出口が形成されたオリフィスプレートと、電気信号に応じてインクを吐出するエネルギ発生手段とを有し、前記吐出口に連通するインク供給口が形成された記録素子基板と、該記録素子基板を接合面にて支持し、かつ、前記記録素子基板の前記インク供給口と連通してインクを供給する流路を有する支持部材とを備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記記録素子基板の前記オリフィスプレートと対向する対向面の一部が前記支持部材の前記接合面に対して接着されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記対向面のうち、矩形状に形成された前記インク供給口の外周の少なくとも一辺が前記接合面に対して接着されている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 長方形に形成された前記インク供給口の少なくとも短辺側が接着されている、請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 複数の吐出口が形成されたオリフィスプレートと、電気信号に応じてインクを吐出するエネルギ発生手段とを有し、前記吐出口に連通するインク供給口が形成された記録素子基板と、該記録素子基板を支持し、かつ、前記記録素子基板の前記インク供給口と連通してインクを供給する流路を有する支持部材とを備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記支持部材の接合面上に突起が形成されており、前記記録素子基板の前記オリフィスプレートと対向する対向面の一部が前記突起上に接着されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  5. 前記対向面と前記接合面との間にはインクが介在可能な所定の間隔が形成されている、請求項4に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 前記対向面と前記接合面のうち、接着されていない領域に撥水処理が施されている、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  7. 複数の吐出口が形成されたオリフィスプレートと、電気信号に応じてインクを吐出するエネルギ発生手段とを有し、前記吐出口に連通するインク供給口が形成された記録素子基板と、該記録素子基板を支持し、かつ、前記記録素子基板の前記インク供給口と連通してインクを供給する流路を有する支持部材とを備えたインクジェット記録ヘッドにおいて、
    前記記録素子基板の前記オリフィスプレートと対向する対向面と前記支持部材の接合面との間に挟み込まれた弾性体によって、前記記録素子基板が前記接合面上に支持されており、前記記録素子基板の側面の一部が前記支持部材に接着されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  8. 前記弾性体は前記対向面と前記接合面のうちの一部にのみ挟み込まれており、前記対向面と前記接合面のうち前記弾性体の存在しない領域には撥水処理が施されている、請求項7に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 複数の前記記録素子基板が並列されており、前記各記録素子基板間が樹脂の充填剤で仕切られている、請求項8項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 複数の吐出口が形成されたオリフィスプレートと、電気信号に応じてインクを吐出するエネルギ発生手段とを有し、前記吐出口に連通するインク供給口が形成された記録素子基板と、該記録素子基板を接合面にて支持し、かつ、前記記録素子基板の前記インク供給口と連通してインクを供給する流路を有する支持部材とを備えたインクジェット記録ヘッドの製造方法において、
    前記記録素子基板の前記オリフィスプレートと対向する対向面の一部を前記支持部材の前記接合面に対して接着する工程を含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。

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