JPH08141616A - 圧延機の自動板厚制御装置 - Google Patents

圧延機の自動板厚制御装置

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JPH08141616A
JPH08141616A JP6286696A JP28669694A JPH08141616A JP H08141616 A JPH08141616 A JP H08141616A JP 6286696 A JP6286696 A JP 6286696A JP 28669694 A JP28669694 A JP 28669694A JP H08141616 A JPH08141616 A JP H08141616A
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mill
rolling
plate thickness
roll
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JP6286696A
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English (en)
Inventor
Takayuki Kachi
孝行 加地
Kazuhiro Yamamoto
和弘 山本
Hideo Kijima
秀夫 木島
Sadayuki Mitsuyoshi
貞行 三吉
Yoshimitsu Fukui
義光 福井
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧延機により圧延される圧延材の自動板厚制
御装置を提供する。 【構成】 ロール熱膨張量とロール摩耗量による補正値
を算出するとともに、該補正値と、ミル伸び量演算装置
20においてミル伸び量の基準値を補間して算出されたミ
ル伸び量と、圧下位置制御装置5からの圧下位置とを用
いて出側板厚を算出する出側板厚演算装置30を備え、こ
の出側板厚が目標板厚に一致するように圧下位置修正量
演算装置40で圧下位置の修正値を算出し、圧下位置制御
装置5を介して圧延ロール3の圧下位置を修正する際
に、ミル伸び量演算修正装置50でミル伸び量の修正値を
算出し、ミル伸び量演算装置20におけるミル伸び量の基
準値を修正することにより、圧延材1の先端部の板厚精
度の向上を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧延機により圧延され
る圧延材の板厚を所望の板厚に自動的に制御するための
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】たとえば、出側板厚を推定する従来の方
法は次のようである。図7は、従来の圧延機の自動板厚
制御装置を示す概略構成図である。この図において、1
は圧延材、2は圧延材1を圧延する上下圧延ロール3,
3からなる圧延スタンド、4は圧延荷重検出装置、5は
圧下位置制御装置、6は圧延荷重変化に伴うミル伸び分
を補正するロールギャップ修正装置である。なお、7は
出側板厚検出器である。
【0003】ロールギャップ修正装置6は、圧延荷重変
化量ΔPからチューニング率αとミル定数Kc を用いて
ミル伸び変化量Δδを下記(1) 式で演算し、 Δδ=(α/Kc )・ΔP …………………(1) ついで、圧下位置変化量ΔSと該ミル伸び変化量Δδを
加算し、出側板厚変化推定値ΔhGMを下記(2) 式で演算
し、 ΔhGM=ΔS+Δδ …………………(2) この出側板厚変化推定値ΔhGMと出側板厚変化目標値Δ
hc とを比較して、両者が一致するように圧下位置変化
ΔSを修正している。
【0004】ところが、ミル伸び変化量Δδは、圧延荷
重、ロール回転速度、板幅、ロールクラウンなどの影響
を受け変化する。特に圧延荷重に関しては、非線形に変
化するため、前記した(1) 式による線形近似では、正し
いミル伸び変化量を推定することができず、出側板厚偏
差が発生する。そこで、たとえば特公平6−49207 号公
報では、前記(1) 式による圧延荷重の変動の1次の項
に、圧延荷重の変動分による2次の項を加えてミル伸び
量の補正を行い、上記線形近似による誤差を軽減してい
る。
【0005】近年、油圧圧下の導入やスタンド間厚み
計、計算機の高速化などにより板厚制御性能は向上して
おり、板厚制御の課題は、定常部から圧延材最先端へ移
っている。圧延材最先端の板厚精度向上には、圧延条件
から適切な圧下位置を正確に予測することが重要であ
り、そのためにはミル伸びを正確に予測しなければなら
ない。しかし、特公平6−49207 号公報による方法で
は、基準とした圧延荷重の近傍を外れると、ミル伸びの
近似精度が悪化してしまう問題がある。
【0006】また、ミル伸び量の予測精度改善方法とし
ては、つぎのような手法が採用されている。ここで、ロ
ールクラウンに影響を与える形状制御手段としては、ロ
ールベンディング装置、ロールシフト装置、分割バック
アップロールにおけるクラウン調整装置などがあるが、
ここではロールベンディング装置を有しているとする。
【0007】いま、ミル伸び量δを下記 (3)式により近
似する。 δ=f(P,F,V,W) …………………(3) ここで、P;圧延荷重、F;ロールベンディング力、
V;ロール回転速度、W;板幅である。そして、出側板
厚計によって検出された板厚hx とミル伸び量によって
演算された板厚hGMとを比較し、その誤差をhGMの学習
項δhleanとして取り込む。
【0008】 hGM=S+δ+δhlean …………………(4) δhlean=Σ{g・(hx −hGM)} …………………(5) ここで、g;ゲイン、Σ;コイル単位の和である。しか
し、この方法では、ミル伸び量δの演算式(3) の誤差を
修正するものではないため、同一の圧延条件が連続する
場合は有効であるが、板幅や圧延荷重、ロールベンディ
ング力、ロール回転速度などの圧延条件が変化する場合
は、迅速な修正を行うことができないという欠点があ
る。
【0009】なお、特開平5−212421号公報では、線形
的手法を用いて出側板厚推定精度を高めているが、線形
近似の枠を出ていないため、圧延条件が大きく変化する
場合には、精度を維持できない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決するためになされたものであり、圧延荷
重、板幅、ロール回転速度、形状制御手段の操作量など
が変化しても、非線形性を有するミル伸び量を正しく予
測することにより、圧延材最先端から板厚精度の高い圧
延材を圧延することのできる圧延機の自動板厚制御装置
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】ミル伸び量には、摺動部
抵抗などにより圧延荷重に対してヒステリシスが存在す
るが、このヒステリシスは小さく、ほぼ同一の圧延条件
に対しては同一のミル伸び量が期待される。また、ミル
伸び量の誤差は圧延ロール交換直後ではロール熱膨張お
よびロール摩耗が発生していないため、圧延ロール交換
直後の圧延状態を基準とすれば、ロール熱膨張およびロ
ール摩耗による影響を圧延材単位および圧延材内にて分
離して扱うことができる。
【0012】本発明は、上記した点に注目し、圧延荷
重、板幅、形状制御手段の操作量、ロール回転速度のパ
ラメータに対し、あらかじめ複数のミル伸び量の基準値
を設定し、該ミル伸び量の基準値を出側板厚検出値と圧
下位置制御装置の圧下位置との差を用いて算出したミル
伸び量で修正することにより、広い範囲の圧延条件に対
してミル伸び量の予測精度向上を達成するものである。
【0013】すなわち、本発明は、圧延荷重を検出する
圧延荷重検出装置と、圧延材の出側板厚を検出する出側
板厚検出器と、圧延荷重、板幅、ロール周速度および形
状制御手段の操作量の要因の中から少なくとも圧延荷重
を含む一つ以上の要因をパラメータとしたミル伸び量の
複数の基準値をあらかじめ入力し、ミル伸び量の基準値
を補間することによりミル伸び量を算出するミル伸び量
演算装置と、圧下位置を修正して圧延材の板厚を目標値
に修正する圧下位置制御装置と、ロール熱膨張量とロー
ル摩耗量による補正値を算出し、該補正値と前記ミル伸
び量演算装置で算出されたミル伸び量と前記圧下位置制
御装置からの圧下位置の検出値とから出側板厚を算出す
る出側板厚演算装置と、前記出側板厚演算装置で算出さ
れた出側板厚が目標板厚に一致するように圧下位置の修
正値を演算し、該圧下位置の修正値を前記圧下位置制御
装置に出力する圧下位置修正量演算装置とを備え、ロー
ル熱膨張量とロール摩耗量による補正値と前記出側板厚
検出器からの出側板厚の検出値と前記圧下位置制御装置
からの圧下位置の検出値とから求めたミル伸び量を用い
て、前記ミル伸び量の基準値を修正するミル伸び量演算
修正装置を設けた、ことを特徴とする圧延機の自動板厚
制御装置である。
【0014】
【作用】本発明の圧延機の自動板厚制御装置によれば、
圧延材が圧延機に到達すると、従来装置と同様に、ロー
ル熱膨張量とロール摩耗量による補正値を算出するとと
もに、該ロール熱膨張量とロール摩耗量による補正値
と、ミル伸び量演算装置においてミル伸び量の基準値を
補間して算出されたミル伸び量と、圧下位置制御装置の
圧下位置とから出側板厚を算出する出側板厚演算装置を
備え、この出側板厚が目標板厚に一致するように圧下位
置修正量演算装置で圧下位置の修正値を算出し、圧下位
置制御装置は圧下位置を修正する際に、ミル伸び量演算
修正装置でミル伸び量の修正値を算出し、前記ミル伸び
量演算装置におけるミル伸び量の基準値を修正するよう
にしたので、精度のよいミル伸び量を算出することがで
き、これによって前記出側板厚の予測精度を向上させる
ことが可能である。
【0015】
【実施例】以下に、本発明の一実施例を図面を参照して
詳しく説明する。図1は本発明の一実施例における圧延
機の自動板厚制御装置の構成を示す概要図である。図1
において、従来装置と同様に、圧延材1はロール回転制
御装置10で制御される駆動モータ8によって駆動される
圧延ロール3により矢示F方向に圧延される。
【0016】ミル伸び量演算装置20は、圧延荷重検出装
置4からの圧延荷重の検出値と、必要によりロール回転
制御装置10からのロール周速度の検出値と、形状制御手
段であるロールベンディング装置12からのロールベンデ
ィング力の検出値と、上位の計算機100 からの板幅、あ
るいは図示しない圧延材1の板幅を検出する板幅計から
の板幅の検出値とから、ミル伸び量の基準値を補間して
ミル伸び量を演算する装置である。
【0017】出側板厚演算装置30は、ロール熱膨張量と
ロール摩耗量による補正値を算出し、この補正値と、ミ
ル伸び量演算装置20で算出されたミル伸び量と、圧下位
置制御装置5からの圧下位置の検出値とから出側板厚を
算出する装置である。また、圧下位置修正量演算装置40
は出側板厚演算装置30で算出された出側板厚が目標板厚
値と一致するように圧下位置の修正値を演算するととも
に、演算された圧下位置の修正値を圧下位置制御装置5
に出力して圧下位置を修正して出側板厚を目標板厚値に
修正する装置である。
【0018】そして、本発明の特徴であるミル伸び量演
算修正装置50は、ロール熱膨張量とロール摩耗量による
補正値と、出側板厚検出器7からの出側板厚検出値と、
圧延荷重検出装置4からの圧延荷重の検出値と、圧下位
置制御装置5からの圧下位置の検出値と、ミル伸び演算
装置20で算出されたミル伸び量計算値とから、ミル伸び
量の修正値を算出し、ミル伸び演算装置20のミル伸び量
の基準値を修正する演算装置である。
【0019】なお、上記実施例では、ロールベンディン
グ装置12を形状制御手段として用いてそのロールベンデ
ィング力を操作量とするとしたが、形状制御手段はこれ
に限定されるものではなく、ロールシフト装置や分割バ
ックアップロールのクラウン調整装置を用いて、それら
の操作量をそれぞれシフト量、クラウン調整量としても
よい。また、これらの形状制御手段は単独で用いてもよ
いし、あるいは組み合わせて用いてもよい。
【0020】次の動作について説明する。ミル伸び量演
算装置20で用いるミル伸び量の基準値は、圧延荷重、板
幅、ロール周速度および形状制御手段の操作量の要因の
中から、少なくとも圧延荷重を含む一つ以上の要因をパ
ラメータとして変化させて、公知の圧延機の弾性変形計
算により当該圧延機のハウジングの変形量、ロールの曲
がり量、ロールの偏平変形量、圧下ネジの変形量、軸受
部の変形量、軸受部の油膜厚さの量、ロッカプレートそ
の他の部材の変化量、圧下シリンダの変形量および油柱
の圧縮変形量をそれぞれ計算してそれらの和から求めて
もよいし、または公知の圧延法や締め込み方法による実
験で求めてもよい。さらには、計算により求めた後、計
算値を前記の実験値で補正してもよい。しかし、計算に
よる方法ではモデル化の誤差があり、実験では実験のコ
ストが高いため多くの実験を行えないので、やはり誤差
がある。
【0021】まず、ミル伸び量のパラメータが圧延荷重
のみの場合について説明する。図2に、ミル伸び量演算
装置20においてミル伸び量を算出するための圧延荷重を
パラメータとしたn個のミル伸び量基準値δi (i=
1,2,…n)を一例として示す。このミル伸び量には
誤差が含まれている。ここで、P1 は当該圧延機におい
て付加される圧延荷重の最小値、Pn は最大値とする。
【0022】そこで、圧延荷重Pが入力されると、隣接
する基準点Ai (Pi ,δi ),A i+1 (Pi+1 ,δ
i+1 )を選択し、補間によりミル伸び量δcal を求め
る。補間方法としては、直線近似または2次以上の多項
式近似あるいはスプライン近似などで行えばよい。直線
近似によってミル伸び量δcal を求める例を示すと、下
記(6) 式のごとくである。
【0023】 δcal ={(δi+1 −δi )/(Pi+1 −Pi )}・(P−Pi )+δi ………………(6) つぎに、出側板厚演算装置30では、ロール熱膨張量とロ
ール摩耗量による補正値と前記ミル伸び量演算装置20で
求めたミル伸び量δcal と圧下位置制御装置5からの検
出値である圧下位置Sとによって、下記(7) 式を用いて
出側板厚hgmを算出する。
【0024】 hgm=S+δcal +S0 +Scmp ………………(7) ここで、圧下位置Sは圧下シリンダの油柱高さや圧下ネ
ジの移動量で検出する検出値、S0 は圧延ロールの交換
によりロール径が変わることによるロール間隔の補正
値、およびScmp はロール熱膨張量とロール摩耗量によ
るロール間隔の補正値である。
【0025】なお、ロール間隔の補正値S0 は以下のよ
うにして求める。すなわち、圧延ロール交換後におい
て、圧延材1本目の圧延材先端部におけるミル伸び量δ
cal と出側板厚検出器7で検出される出側板厚の検出値
hx と圧下位置制御装置5からの検出値である圧下位置
Sとを用いて、下記(8), (9)式で求める。これは圧延ロ
ール交換後圧延材1本目の圧延材先端部を圧延している
ときはロール熱膨張量とロール摩耗量の補正値は無視で
きるからである。
【0026】 δreal=hx −S …………………(8) S0 =δreal−δcal …………………(9) ロール熱膨張量Sthとロール摩耗量Sweによる補正値S
cmp は下記(10)式を用いて求める。 Scmp =Sth+Swe …………………(10) ロール熱膨張量Sthは、たとえば圧延時は(11)式、非圧
延時は(12)式で求める。
【0027】 Sth=(Sth1 −Sth0 ){1− exp(−t/t1 )}+Sth0 ……(11) Sth=Sth2 ・ exp(−t/t2 ) …………………(12) ここで、Sth1 ;熱バランスが均衡するときのロール熱
膨張量、Sth0 ;圧延開始時のロール熱膨張量、t;圧
延開始からの時間、t1 ;時定数、Sth2 ;圧延終了時
のロール熱膨張量、t;圧延終了からの時間、t2 ;時
定数である。
【0028】ロール摩耗量Sweはたとえば(13)式で求め
る。 Swe=kwe・(P/W)・L …………………(13) ここで、kwe;係数、P;圧延荷重、W;板幅、L;当
該圧延ロールで圧延した総圧延長さである。次いで、圧
下位置修正量演算装置40では前記の出側板厚hgmが目標
板厚に一致するように圧下位置の修正値を演算して、圧
下位置の修正値を圧下位置制御装置5に出力する。圧下
位置制御装置5は圧下位置を修正して出側板厚を修正す
る。上記のようにして、圧延材の板厚を制御する自動板
厚制御装置ではミル伸び量の基準値に誤差があるため
に、圧延材の板厚精度が悪化し、特に圧延材の先端部の
板厚精度が悪い。
【0029】そこで、本発明はミル伸び量演算修正装置
50において、圧延データを用いて前記ミル伸び量の基準
値の誤差をなくすために、ミル伸び量の修正値を算出し
て、ミル伸び量演算装置20に記憶したミル伸び量の基準
値を修正することにより、ミル伸び量の精度を向上さ
せ、圧延材の板厚精度、特に圧延材の先端部の板厚精度
を向上させることを特徴とする。
【0030】ミル伸び量演算修正装置50における作用を
説明する。圧延材j本目の圧延開始からの時間tにおけ
るロール熱膨張量とロール摩耗量は無視できないので、
これを考慮した真のミル伸び量δrealは、前記したロー
ル熱膨張量とロール摩耗量から算出した補正値Scmp
と、出側板厚検出器7で検出される出側板厚の検出値h
x と、圧下位置制御装置5からの検出値である圧下位置
Sとを用いて、(14)式で算出できる。
【0031】 δreal=hx −S−S0 −Scmp …………………(14) ただし、S0 は(9) 式で算出されたロール間隔の補正値
(定数)である。したがって、ミル伸び量誤差Δδは(1
5)式となる。 Δδ=δreal−δcal …………………(15) 図3は任意のコイル(たとえばj本目)を圧延している
時の当該コイルの圧延開始してからの時間tとミル伸び
量誤差Δδの関係からミル伸び量誤差を圧延荷重のパラ
メータとして算出する一例を示す説明図である。
【0032】ここで、図中の○印は圧延荷重としてQ1
〜Qm のm個の圧延荷重をとった場合の、圧延開始して
からの時間tにおけるミル伸び量誤差の値を示してい
る。また、図中の破線は圧延荷重が同じである場合のミ
ル伸び量誤差を示している。この図では板幅、ロール周
速度、形状制御手段の操作量が同じになるようにしてい
るので、ミル伸び量誤差は圧延荷重で決定されている。
【0033】圧延荷重Qk におけるミル伸び誤差Δδqk
は、たとえば算出したミル伸び量誤差Δδの平均値とす
る。このことより、圧延荷重Qk におけるミル伸び量誤
差Δδqkは、圧延材j本目の圧延開始からの時間tにお
けるロール熱膨張量とロール摩耗量から算出した補正値
Scmp と、出側板厚検出器7からの出側板厚の検出値h
x と、圧下位置制御装置5からの圧下位置の検出値Sと
から(14)式に代入して求めたミル伸び量δrealと、ミル
伸び演算装置20において圧延荷重Qk を入力して求めた
ミル伸び量δcal,qkとの差から算出できる。
【0034】したがって、各圧延荷重Qk における修正
後の新たなミル伸び量δcal,qk,newは(16)式で表され
る。 δcal,qk,new=δcal,qk+Δδqk …………………(16) この修正後の新たなミル伸び量δcal,qk,newを用いてミ
ル伸び量の基準値を修正する方法を図4において説明す
る。
【0035】この図4中の□印で示す修正前のミル伸び
量の基準値を、(12)式で求めた●印で示す各圧延荷重に
おける修正後のミル伸び量に対して、良好な近似となる
ようにミル伸び量の基準値を変更する。○印はこのよう
にして求めた修正後のミル伸びの基準値を示す。修正後
のミル伸び量の基準値は(17)式で表される評価関数Jを
最小とするように定める。
【0036】 J=ΣWk ・(δcal,qk,new−δAcal,qk,new)2 ………(17) ただし、δAcal,qk,newは修正後のミル伸びの基準値を
補間して求めた圧延荷重Qk におけるミル伸び量、Wk
は重み係数である。基準値の求め方は、現状の基準値を
中心として微小量だけ基準の圧延荷重または基準のミル
伸び量を変更して、評価関数Jが最小となるように逐次
移動する山登り方法が適用できる。重み係数Wk は算出
したミル伸び量誤差の信頼度が低ければ、小さくする。
たとえばミル伸び量誤差を算出するために用いたデータ
数が少なければ重み係数を小さくし、または標準偏差が
大きければ、重み係数を小さくする。または熱膨張量の
近似精度が悪ければ小さくする。
【0037】以上、圧延荷重をパラメータとするミル伸
び量について説明したが、板幅、ロール周速度、形状制
御手段の操作量の要因内の一つ以上をパラメータとして
追加してもよい。その一例として、たとえば形状制御手
段の操作量であるロールベンディング力をパラメータと
して追加した場合の動作を説明する。なお、この形状制
御手段はこれに限定されるものではなく、ロールシフト
装置や分割バックアップロールのクラウン調整装置でも
よく、それらの操作量としてそれぞれシフト量、クラウ
ン調整量を用いるようにしてもよい。また形状制御手段
は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
【0038】図5において、Pi ,Fj はそれぞれ基準
圧延荷重、基準ロールベンディング力であり、δ(Pi
,Fj )は基準圧延荷重、基準ロールベンディング力
における基準ミル伸び量である。ここで、●印は修正後
のミル伸び量データ、○印は修正前の基準点、□印は修
正後の基準点、細線は修正前の各基準点間を平面で補間
した場合のミル伸び量を示す平面、太線は修正後の各基
準点間を平面で補間した場合のミル伸び量を示す平面で
ある。
【0039】任意の圧延荷重および任意のロールベンデ
ィング力におけるミル伸び量は、たとえば平面として補
間する方法で求める。ミル伸び誤差Δδを求めるには、
たとえば圧延荷重が任意の値で一定として、短時間でロ
ールベンディング力Fk を変化させて、圧延材j本目の
圧延開始からの時間tにおけるロール熱膨張量とロール
摩耗量から算出した補正値Scmp と、出側板厚検出器7
からの出側板厚の検出値hx と、圧下位置制御装置5か
らの圧下位置の検出値Sとを(14)式に代入して求めたミ
ル伸びδrealと、前記の補間で求めたミル伸び量δ(P
i ,Fk )との差(δreal−δ)で算出する。同図では
誤差が正である。さらに、圧延荷重を該圧延機の使用範
囲内で変化させて上記を繰り返して求める。修正後のミ
ル伸び量はミル伸び量誤差と補間で求めたミル伸び量δ
との和で算出する。
【0040】基準値の修正は、圧延荷重のみをパラメー
タとした場合と同様な方法により、基準値の近傍で基準
圧延荷重、基準ロールベンディング力または基準ミル伸
び量を微小量変更して、評価関数Jが最小となるように
逐次移動して、修正後の基準値を求める。圧延荷重をパ
ラメータとするミル伸び量にロール周速度をパラメータ
として追加する場合はロール周速度を変化させ、板幅を
パラメータとして追加する場合は板幅が異なる圧延材を
圧延して、ロールベンディング力をパラメータとして追
加する上記の場合と同様にすればよい。圧延荷重、板
幅、ロール周速度の3要因をパラメータとする場合や圧
延荷重、板幅、ロール周速度および形状制御手段の操作
量の4要因をパラメータとする場合も同様にすればよ
い。
【0041】また、板幅をパラメータとするのに、当該
圧延機で圧延する範囲内の板幅の基準値を適当に設定
し、各基準の板幅毎にミル伸び量演算装置20とミル伸び
量演算修正装置50を構成して、任意の板幅に対しては、
隣接する基準板幅のそれぞれのミル伸び量演算装置20お
よびミル伸び量演算修正装置50でミル伸び量の算出およ
び基準値の修正を行った後、補間してもよい。
【0042】図6は本発明法による基準圧延荷重P0(i)
の近傍の出側板厚の推定精度を示したものである。従来
例の場合は基準圧延荷重P0(i)から外れると出側板厚推
定精度が悪化するのに対して、本発明の装置によれば広
い範囲において出側板厚の推定精度が向上することがわ
かる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧延機の
自動板厚制御装置によれば、広い圧延条件の範囲におい
てミル伸び量が精度よく求められるので、出側板厚の推
定精度が向上し、圧延材の先端部から板厚精度が良好と
なり、これによって製品の歩留り向上等に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す概要図である。
【図2】圧延荷重をパラメータとしたミル伸び量の基準
値からミル伸び量を求める方法を示す説明図である。
【図3】圧延荷重をパラメータとしたミル伸び量誤差を
求める方法を示す説明図である。
【図4】本発明の圧延荷重をパラメータとしたミル伸び
量基準値を修正する一つの実施方法を示す説明図であ
る。
【図5】本発明の圧延荷重とロールベンディング力をパ
ラメータとしたミル伸び量基準値を修正する一つの実施
方法を示す説明図である。
【図6】本発明法による板厚精度の一例を示す特性図で
ある。
【図7】従来の板厚制御装置の構成を示す概要図であ
る。
【符号の説明】
1 圧延材 2 圧延スタンド 3 圧延ロール 4 圧延荷重検出装置 5 圧下位置制御装置 6 ロールギャップ修正装置 7 出側板厚検出器 8 駆動モータ 10 ロール回転制御装置 12 ロールベンディング装置 20 ミル伸び量演算装置 30 出側板厚演算装置 40 圧下位置修正量演算装置 50 ミル伸び量演算修正装置 100 上位計算機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木島 秀夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 三吉 貞行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 福井 義光 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延荷重を検出する圧延荷重検出装置
    と、 圧延材の出側板厚を検出する出側板厚検出器と、 圧延荷重、板幅、ロール周速度および形状制御手段の操
    作量の要因の中から少なくとも圧延荷重を含む一つ以上
    の要因をパラメータとしたミル伸び量の複数の基準値を
    あらかじめ入力し、ミル伸び量の基準値を補間すること
    によりミル伸び量を算出するミル伸び量演算装置と、 圧下位置を修正して圧延材の板厚を目標値に修正する圧
    下位置制御装置と、 ロール熱膨張量とロール摩耗量による補正値を算出し、
    該補正値と前記ミル伸び量演算装置で算出されたミル伸
    び量と前記圧下位置制御装置からの圧下位置の検出値と
    から出側板厚を算出する出側板厚演算装置と、 前記出側板厚演算装置で算出された出側板厚が目標板厚
    に一致するように圧下位置の修正値を演算し、該圧下位
    置の修正値を前記圧下位置制御装置に出力する圧下位置
    修正量演算装置とを備え、 ロール熱膨張量とロール摩耗量による補正値と前記出側
    板厚検出器からの出側板厚の検出値と前記圧下位置制御
    装置からの圧下位置の検出値とから求めたミル伸び量を
    用いて、前記ミル伸び量の基準値を修正するミル伸び量
    演算修正装置を設けた、ことを特徴とする圧延機の自動
    板厚制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012122449A (ja) * 2010-12-10 2012-06-28 Denso Corp 制御装置
JP2016147276A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 株式会社神戸製鋼所 圧延機の板厚制御方法
CN111553027A (zh) * 2020-03-31 2020-08-18 北京科技大学设计研究院有限公司 一种基于油膜力的热轧带钢油膜厚度计算方法

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