JPH08133036A - 車輪速検出装置 - Google Patents

車輪速検出装置

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Publication number
JPH08133036A
JPH08133036A JP27946594A JP27946594A JPH08133036A JP H08133036 A JPH08133036 A JP H08133036A JP 27946594 A JP27946594 A JP 27946594A JP 27946594 A JP27946594 A JP 27946594A JP H08133036 A JPH08133036 A JP H08133036A
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JP
Japan
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rotation speed
wheel
differential
gear
differential gear
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Application number
JP27946594A
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English (en)
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直人 ▲櫛▼
Naoto Kushi
Tatsuo Sugitani
達夫 杉谷
Takashi Kondo
敬 近藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は車両においてディファレンシャルギ
ヤの2本の出力軸に連結される車輪の車輪速を検出する
装置に関し、装置の搭載性を犠牲にすることなく2つの
車輪の車輪速を別個独立に検出することを目的とする。 【構成】 入力軸14と共に回転するリングギヤ22の
回転速度ωtを検出すべくリングギヤ22の各歯に突起
22nを設け、かつ突起22nと対向する位置に第1の
磁気センサ46を設ける。出力軸36aの回転速度ωa
を検出すべく、所定間隔毎に突起44nを有するロータ
44を配設し、かつ突起44nと対向する位置に第2の
磁気センサ48を設ける。電子制御ユニット50にて、
ωa及びωtを検出すると共に、2×ωt−ωa=ωb
なる演算式に従って出力軸36bの回転速度ωbを求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪速検出装置に係
り、特に、車両においてディファレンシャルギヤの2本
の出力軸それぞれに連結される車輪の車輪速を検出する
車輪速検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両において各車輪の車輪速
を検出する車輪速検出装置が知られている。ここで、各
車輪の車輪速は、それぞれ各車輪の近傍に回転速度セン
サを配設することによっても原理上は検出が可能であ
る。しかし、かかる構成とすると、車輪のバウンド・リ
バウンドに応じて回転速度センサも変位することにな
り、センサの耐久性、信頼性等の観点で不利益を生じ、
特に車輪が操舵方向に回動される操舵輪については、回
転数センサに接続されるワイヤハーネスの取り回し上の
問題も生ずる。
【0003】この意味で、車輪速検出用の回転速度セン
サは、できるだけ走行振動の生じ難い位置に配設するこ
とが有利であり、特にディファレンシャルギヤの2本の
出力軸のそれぞれに連結される駆動輪用の回転速度セン
サは、ワイヤハーネス配索の簡素化や、飛び石からの保
護等の観点からしても、実質的にディファレンシャルギ
ヤのケース内に配設されたと同様の状態となる配置とす
ることが望ましい。
【0004】このため、例えば特開平3−227726
号公報には、ディファレンシャルギヤの入力軸と共に回
転するリングギヤの回転を検出する回転速度センサを、
ディファレンシャルギヤ内に配置した構成が開示されて
いる。この場合、回転速度センサが外部から保護される
と共に、さほど走行振動の影響を受けない状態となり、
優れた耐久性、及び信頼性が得られることになる。
【0005】ところで、種々の車両制御を行うために
は、車両に搭載される4つの車輪それぞれについて独立
して車輪速を検出することが好まく、例えば特開平5−
26249号公報には、ディファレンシャルギヤが有す
る2本の出力軸それぞれについて回転速度センサを配設
する構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これに対して、上記特
開平3−227726号公報に開示される構成は、あく
までディファレンシャルギヤの入力軸の回転速度を検出
する構成である。従って、得られる回転速度は、ディフ
ァレンシャルギヤの2本の出力軸に連結される車輪の平
均速度である。
【0007】このため、上記の構成は、例えばディファ
レンシャルギヤの2本の出力軸に連結される2つの車輪
が摩擦係数μの異なる路面に接地している場合等におい
ても高精度な車両制御を実現すべく、個々の車輪につい
て別個独立にアンチスキッド制御等を実行しようとする
システムには適用することができない。一方、上記特開
平5−26249号公報に開示される構成は、ディファ
レンシャルギヤに連結される2つの車輪の車輪速を独立
に検出することは可能であるが、搭載スペース上の制約
等から、ディファレンシャルギヤの2本の出力軸それぞ
れについて回転速度センサを配設することは必ずしも容
易ではなく、高コスト化、組み付け作業性の悪化等の不
利益を生じ易い。
【0008】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、ディファレンシャルギヤの2本の出力軸の一方
の回転速度と入力軸の回転速度を検出する機構を設け、
それらの検出結果から出力軸の他方の回転速度を算出す
ることとして、必要な機構を搭載スペース上許容される
体格内に配設し得る構成とすることにより上記の課題を
解決する車輪速検出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、ディファ
レンシャルギヤの入力軸の回転速度を検出する第1の回
転速度検出手段と、ディファレンシャルギヤが有する2
本の出力軸のうち一方の出力軸の回転に対応した速度を
検出する第2の回転速度検出手段と、前記第1及び第2
の回転速度検出手段の検出結果に基づいて、ディファレ
ンシャルギヤの他方の出力軸の回転速度を算出する回転
速度算出手段とを備える請求項1記載の車輪速検出装置
により達成される。
【0010】また、上記の目的は、上記請求項1記載の
車輪速検出装置において、前記第2の回転速度検出手段
が、前記ディファレンシャルギヤのケースに固定される
固定部と、該固定部と対向する位置で前記出力軸に固定
される回転部とで構成される車輪速検出装置によっても
達成される。
【0011】
【作用】請求項1記載の発明において、前記第1の回転
速度検出手段は、ディファレンシャルギヤの入力軸の回
転速度を検出する。この際、入力軸の回転検出について
は検出位置の自由度が高いことから、該第1の回転速度
検出手段は、比較的搭載スペース上の制約を受けずに配
設することが可能である。
【0012】また、前記第2の回転速度検出手段は、デ
ィファレンシャルギヤが有する2本の出力軸のうち一方
の出力軸の回転に対応した速度を検出する。このため、
2本の出力軸に連結される車輪のうち、当該第2の回転
速度検出手段が配設される方の車輪については、直接的
に車輪速が検出可能である。ところで、ディファレンシ
ャルギヤは、2本の出力軸の回転角の和と入力軸の回転
角との間に所定の関係を維持しつつ、入力軸の回転を出
力軸に伝達する特性を有している。従って、入力軸の回
転速度と一方の出力軸の回転速度が判明すれば、他方の
出力軸の回転速度は演算によって求めることができる。
【0013】前記車輪速検出装置は、かかる原理に従
い、前記第1及び第2の回転速度検出手段の検出結果に
基づいて、前記第2の回転速度検出手段が配設されてい
ない出力軸の回転速度を算出する。この結果、2本の出
力軸の両方に回転速度を検出する機構を設けることな
く、双方の出力軸についての回転速度の検出が可能とさ
れている。
【0014】請求項2記載の発明において、前記第2の
回転速度検出手段は、前記ディファレンシャルギヤのケ
ースに固定される固定部と、該固定部に対向する回転部
とで構成される。この場合、該第2の回転速度検出手段
は、実質的にディファレンシャルギヤに内蔵された状態
となる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の一実施例である車輪速検出
装置が組み込まれたディファレンシャルギヤ10の正面
断面図を示す。同図においてディファレンシャルキャリ
ア12は、ディファレンシャルギヤ10のハウジングで
あり、その内部には、ディファレンシャルギヤ10の各
構成要素が収納されると共にデフオイルが貯留されてい
る。
【0016】ディファレンシャルキャリア12に把持さ
れる入力軸14は、図示しないトランスミッションの出
力軸に連結される回転軸であり、回転軸受16,18に
よって回動可能に保持されている。入力軸14のディフ
ァレンシャルキャリア12中央側端部(図1中下方側端
部)には、ドライブピニオン20が固定されている。こ
のドライピニオン20は、テーパ状に形成された側面に
歯を備えるギヤであり、リングギヤ22と係合してい
る。
【0017】リングギヤ22は、ディファレンシャルケ
ース24の外周に圧入されると共に、ボルト26により
固定されるギヤである。ここで、本実施例に用いるリン
グギヤ22は、特に各歯の外周端に突起22nが設けら
れている。ディファレンシャルケース24は、回転軸受
28,30を介してディファレンシャルキャリア12の
内部に保持されている。従って、ディファレンシャルケ
ース24は、リングギヤ22の中心軸回りを、リングギ
ヤ22と共に回転することができる。
【0018】ディファレンシャルケース24の内部に
は、リングギヤ22の径方向を長手方向として配設され
るピニオンシャフト32、ピニオンシャフト32の両端
付近に配設されるピニオンギヤ34a,34b、及び出
力軸36a,36bの端部に圧入されるサイドギヤ38
a,38bが収納されている。ここで、ピニオンシャフ
ト32は、ディファレンシャルケース24の貫通孔24
aに挿入される固定ピン40により、ディファレンシャ
ルケース24内に固定されている。
【0019】また、ピニオンギヤ34a,34b、及び
サイドギヤ38a,38bは、テーパ状に形成された側
面に互いに係合し合う歯を有している。そして、ピニオ
ンギヤ34a,34bは、軸方向への変位が規制された
状態でピニオンシャフト32の回りを回転することがで
きるように、またサイドギヤ38a,38bは、出力軸
36a,36bと一体にディファレンシャルケース24
内を回転することができるようにそれぞれ構成されてい
る。
【0020】出力軸36a,36bは、それぞれ車両の
駆動輪に連結されるドライブシャフトであり、上記の如
くディファレンシャルケース24に保持されると共に、
ディファレンシャルキャリア12内に配設されるオイル
シール42a,42bによってシール性を確保した状態
で回転可能に支持されている。ここで、本実施例におい
ては、2本の出力軸のうち出力軸36aにのみ、サイド
ギヤ38aとオイルシール42aの間に位置するよう
に、外周に所定間隔毎に突起44nを備えるロータ44
が圧入されている。尚、ロータ44を形成する手法は別
部材の圧入に限るものではなく、鋳造時に出力軸36a
と一体に形成することとしてもよい。
【0021】また、ディファレンシャルキャリア12に
は、上述したリングギヤ22の突起22nと対向する位
置、及びロータ44の突起44nと対向する位置に、そ
れぞれOリング45,47を介在させた状態で第1の磁
気センサ46、及び第2の磁気センサ48が組み込まれ
ている。これら第1及び第2の磁気センサ46,48
は、その周囲の磁気抵抗の変化を検出するセンサであ
り、共に電子制御ユニット50に接続されている。
【0022】ところで、本実施例の如くリングギヤ22
の突起22n、又はロータ44の突起44nと対向配置
された状態においては、リングギヤ22、又はロータ4
4が回転し、その回転に伴って第1及び第2の磁気セン
サ46,48の近傍を突起22n,44nが通過する
と、それら第1およい第2の磁気センサ46,48周辺
の磁気抵抗が変化する。
【0023】このため、電子制御ユニット50には、突
起22nが第1の磁気センサ46の近傍を通過する周期
に応じた、すなわち入力軸14の回転速度に応じた信
号、及び時44nが第2の磁気センサ48の近傍を通過
する周期に応じた、すなわち出力軸36aの回転速度に
応じた信号が供給される。従って、かかる構成によれ
ば、電子制御ユニット50において、第1及び第2の磁
気センサ46,48から供給される信号を適当に処理す
ることで、入力軸14、及び出力軸36aの回転速度が
検出できることになる。
【0024】図2及び図3は、動作の説明のため、各部
を簡略化して表したディファレンシャルギヤ10の斜視
図を示す。ここで、図2は、2本の出力軸36a,36
bが等しい抵抗を受けている状態を示し、また、図3
は、出力軸36bにのみ大きな抵抗が付与され、出力軸
36bが事実上固定された状態を示している。図2及び
図3に示す如く、入力軸14が回転速度ωiで回転する
と、その回転はドライブピニオン20を介してリングギ
ヤ22に伝達される。この際、リングギヤ22の回転速
度は、ドライピニオン20とリングギヤ22のギヤ比に
応じてωiが減速された値ωtとなる。
【0025】この回転速度ωtは、ディファレンシャル
ケース24を介してそのままピニオンシャフト32、及
びピニオンギヤ34a,34bに伝達され、更にサイド
ギヤ38a,38bを介して出力軸36a,36bに伝
達される。この際、2本の出力軸36a,36bに付与
される抵抗が、図2に示す如く等しいとすれば、サイド
ギヤ38a,38bからピニオンギヤ34a,34bに
入力される抵抗が均衡し、ピニオンギヤ34a,34b
がピニオンシャフト32回りを回転することはない。従
って、サイドギヤ38a,38bには、共に回転速度ω
tがそのまま伝達され、その結果出力軸36a,36b
の回転速度ωa,ωbは共にωtとなる。
【0026】これに対して、図3に示す如く出力軸36
bにのみ大きな抵抗が付与された場合は、サイドギヤ3
8bからピニオンギヤ34a,34bに入力される抵抗
と、サイドギヤ38aからピニオンギヤ34a,34b
に入力される抵抗とに不均衡を生じる。このため、ピニ
オンギヤ34a,34b、及びピニオンシャフト32
が、リングギヤ22と共に回転すると、その回転に伴っ
てピニオンギヤ34a,34bがピニオンシャフト32
回りを回転することになる。
【0027】その結果、サイドギヤ38bには、リング
ギヤ22の回転速度ωtが適当に減速された状態で伝達
され、一方サイドギヤ38aには、ωtが適当に増速さ
れた状態で伝達される。この際、サイドギヤ38bに伝
達される回転速度の減速分をαとすれば、サイドギヤ3
8aに伝達される回転速度の増速分もαで表されること
になり、出力軸36a,36bの回転速度は、それぞれ
ωt+α、及びωt−αで表されることになる。
【0028】つまり、ディファレンシャルギヤ10にお
いては、2本の出力軸36a,36bに付与される抵抗
に差異が生ずると、その差異に応じて、リングギヤ22
の回転速度ωtを中心値として適当に増減された回転速
度ωa,ωbがそれぞれ出力軸36a,36bに伝達さ
れる。従って、本実施例の車輪速検出装置において、電
子制御ユニット50が第1の磁気センサ46の出力信号
に基づいて検出するリングギヤ22の回転速度ωtは、
2本の出力軸36a,36bの回転速度ωa,ωbの平
均値を意味することになる。
【0029】このため、本実施例の車輪速度検出装置に
よれば、第1及び第2の磁気センサ46,48のセンサ
出力に基づいて、出力軸36a,36bの回転速度ω
a,ωbの平均値、及び出力軸36aの回転速度ωaを
直接的に検出することが可能である。ところで、車両に
おいてアンチスキッド制御やトラクション制御等を精度
良く行うためには、各車輪の車輪速を別個独立に検出す
る必要があり、一方、ディファレンシャルギヤの有する
2本の出力軸それぞれについて回転速度の検出機構を設
けることが、搭載スペース上の制約等から困難な場合が
あることは前記した通りである。
【0030】これに対して、上記の如く2本の出力軸3
6a,36bの回転速度ωa,ωbの平均値であるリン
グギヤ22の回転速度ωtと、一方の出力軸36aの回
転速度ωaとが検出できる構成によれば、ωb=2×ω
t−ωaなる演算により、他方の出力軸36bの回転速
度ωbを求めることも可能である。そこで、本実施例に
おいては、電子制御ユニット50において、第1及び第
2の磁気センサ46,48から直接的に検出されるωa
及びωtに基づいて、出力軸36bの回転速度ωbを検
出することとしている。
【0031】このため、本実施例の車輪速検出装置によ
れば、ほとんど搭載スペース上の制約を受けることがな
いリングギヤ22の外周上の任意の部位と、一方の出力
軸36aの側にのみ回転速度の検出機構を設けるだけ
で、双方の出力軸36a,36bについて回転速度ω
a,ωbを検出することができる。この意味で、本実施
例の車輪速検出装置は、優れた搭載性を確保しつつ、2
本の出力軸36a,36bそれぞれについての回転速度
ωa,ωbの検出を可能とするという効果を有している
ことになる。
【0032】ところで、左右の駆動輪の回転速度を、そ
れぞれ別個独立に配設したセンサで検出する技術が公知
であることは前記した通りであるが、例えばフロントエ
ンジン・フロントドライブ方式の車両(以下、FF車と
称す)のディファレンシャルギヤは、左右非対称に構成
せざるをえない場合があり、左右の出力軸それぞれにつ
いてセンサを配設することが困難な場合がある。
【0033】すなわち、FF車のディファレンシャルギ
ヤは、車載されるエンジンに隣接して配置されるため、
エンジンに接する側については、上述したロータ44や
第2の磁気センサ48に相当する部材の収納スペースの
確保が困難である。この場合、左右の出力軸の回転速度
を検出すべく、敢えて上記従来の構成を実現しようとす
れば、ディファレンシャルキャリアの設計変更のみなら
ず、出力軸回りの大幅な設計変更が必要となる。
【0034】これに対して、本実施例のディファレンシ
ャルギヤ10は、上述の如く2本の出力軸の一方側にの
み回転速度を検出するための機構を配設する構成であ
り、例えばエンジン等と隣接して配置する必要がある場
合には、エンジン等と接しない側にロータ44及び第2
の磁気センサ48等を収納することとすれば、容易に所
望の機能を実現することができる。
【0035】この意味で、本実施例のディファレンシャ
ルギヤ10は、特にFF車等の如くディファレンシャル
ギヤの搭載スペースについて厳しい制約が伴う場合に有
効であることになる。また、上記した本実施例の車輪速
検出装置は、リングギヤ22の各歯に突起22nを設け
ることで、ロータ44に相当する部材を加設することな
くリングギヤ22の回転速度検出機構を実現している。
このため、本実施例の車輪速検出装置は、かかるロータ
を必要とするものに比して低コストで実現することが可
能である。
【0036】更に、本実施例の車輪速検出装置は、上記
の如くリングギヤ22の回転速度を検出する機構、すな
わちリングギヤ22の突起22nと第1の磁気センサ4
6、及び出力軸36aの回転速度を検出する機構、すな
わちロータ44及び第2の磁気センサ48を、ディファ
レンシャルキャリア12の内部に収納する構成である。
【0037】このため、デフレクタ等の保護部材を設け
るまでもなく、第1及び第2の磁気センサ46,48等
を飛び石等から適切に保護することができ、優れた耐久
性及び信頼性を、コスト上昇を招くことなく確実に確保
することができるという利益もが得られることになる。
ところで、車両においては、常に4輪全てについて別個
独立の車輪速検出が要求されるものではなく、車両の要
求特性によっては、駆動輪2輪については平均車速のみ
を検出すれば足りる場合がある。
【0038】従って、車両のバリエーションによって
は、同一の車種について、4種類の車輪速を検出すべき
場合と三種類の車輪速を検出すれば足りる場合とが併存
することがある。この場合、従来の構成によれば、4種
類の車輪速を検出する場合には駆動輪2輪についても独
立に回転速度検出機構を設け、3種類の車輪速を検出す
る場合には、ディァレンシャルギヤの入力軸に回転速度
検出機構を設けて駆動輪2輪の平均車輪速を求めるのが
一般的であった。
【0039】従って、駆動輪の回転速度を検出する機構
については、4種類の車輪速を検出すべき場合と、3種
類の車輪速を検出すれば足りる場合とで、部品の共通化
が困難であり、結局はそれらを別個独立の部品として容
易し、実現すべき構成に従って異なる作業内容により組
み付けを行わざるを得なかった。これに対して、本実施
例の車輪速検出装置は、ディファレンシャルギヤ10の
出力軸36a,36bに連結される駆動輪の回転速度を
検出するにあたり、当初からディファレンシャルギヤ1
0の入力軸14の回転速度の代用特性値たるωtを検出
する構成である。
【0040】従って、車両の要求特性により駆動輪につ
いては平均車輪速を検出すれば足りる場合には、リング
ギヤ22と対向する位置に第1の磁気センサ46を配設
するのみとし、一方、駆動輪について別個独立の車輪速
の検出が要求される場合には、更にロータ44及び第2
磁気センサ48を配設することとすれば、部品及び作業
の共通化を図りつつ3センサ方式と4センサ方式とを併
存させることができる。
【0041】この意味で、本実施例の構造は、広い意味
で車輪速検出装置の低コスト化に有利であるという効果
を有していることになる。尚、上記実施例においては、
リングギヤ22に設けられた突起22n、及び第1の磁
気センサ46が前記した第1の回転速度検出手段に、ま
たロータ44及び第2の磁気センサ48が、それぞれ前
記した第2の回転速度検出手段の回転部及び固定部に、
更に電子制御ユニット50が、前記した回転速度算出手
段にそれぞれ相当している。
【0042】ところで、上記実施例は、前記した第2の
回転速度検出手段に相当するロータ44及び第2の磁気
センサ48が共にディファレンシャルキャリア12の内
部に収納される構成であるが、それらの部材が飛び石等
から適切に保護できる構成であれば、上記構成に限るも
のではない。すなわち、例えば図4に示すディファレン
シャルギヤ60の如く、出力軸36aにデフレクタ62
を設けることとすれば、ロータ44、及び第2の磁気セ
ンサ48をオイルシール42aの外側に出す構成として
も、ロータ44や第2の磁気センサ48を飛び石等から
適切に保護することができる。
【0043】また、このようにロータ44及び第2の磁
気センサ48をオイルシール42aの外側に配置する構
成によれば、これらロータ44又は第2の磁気センサ4
8を取り外す際にデフオイルが流出することがなく、そ
れらが破損した場合の交換が容易であるという利益を得
ることができる。更に、かかる構成においては、第2の
磁気センサ48とディファレンシャルキャリア12との
境界部におけるシール性が不要であることから、第2の
磁気センサ48についてのOリング47が不要となる。
【0044】この意味で、上記図4に示す構成は、新た
にデフレクタ62を配設する必要はあるものの、上記図
1に示す構成に比して耐久性、コスト等の面で更に優れ
た効果を有していることになる。ところで、車両の要求
特性によっては、出力軸36a,36bの回転速度を、
両者の平均速度としてのみ把握すれば足りる場合がある
ことは前記した通りであるが、ディファレンシャルギヤ
が、かかる機能のみを想定して構成された場合等におい
ては、第2の回転速度センサ48を直接ディファレンシ
ャルキャリアに固定することが困難な場合がある。
【0045】すなわち、図5に示すディファレンシャル
ギヤ70の如く、ディファレンシャルキャリア72が、
出力軸36aの周囲を取り囲む領域を有していない場合
には、第2の磁気センサ48をディファレンシャルキャ
リア72上に直接固定することは困難である。そして、
例えばディファレンシャルキャリア72の加工上の基準
面が、図5に示す如く出力軸36a側の端面に設定され
ているような場合には、出力軸36a側の端面を延長す
る設計変更が容易ではなく、上記図1又は図4に示す構
成を実現することが困難となる。
【0046】図5に示すディファレンシャルギヤ70
は、かかる事態を考慮して、第2の磁気センサ48をス
テー74を介してディファレンシャルキャリア70に固
定することで所望の機能の実現を図ったものである。す
なわち、かかる構成によれば、ディファレンシャルキャ
リア72の基準面を変更する必要がなく、生産設備の大
幅な改造は必要でなく、またデフレクタ62の存在によ
り、第2の磁気センサ48、及びロータ44は適切に飛
び石等から保護される。
【0047】つまり、リングギヤ22の回転速度ωt
と、一方の出力軸36aの回転速度ωaとに基づいて双
方の出力軸36a,36bの回転速度ωa,ωbを検出
する構成は、3センサ方式と4センサ方式とが併存する
場合に、部品の共通化、及び作業の統一を図る上で有利
であることは前記した通りであるが、当初3センサ方式
にのみ採用されていたディファレンシャルギヤを、4セ
ンサ方式に拡大適用する場合にも、その適用が容易であ
るという効果を有していることになる。
【0048】尚、上述した各実施例は、前輪駆動車、及
び後輪駆動車の駆動輪用ディファレンシャルギヤについ
て適用が可能であると共に、4輪駆動車のセンターデフ
について適用することも可能である。また、上述した各
実施例は、出力軸36a,36bの平均回転速度を検出
するにあたり、リングギヤ22の回転速度ωtを検出す
る構成であるが、出力軸36a,36bの平均回転速度
を検出する構成はこれに限るものではなく、例えば入力
軸14の回転速度を直接検出する構成としてもよい。
【0049】更に、上述した各実施例は、出力軸36a
の回転に対応した速度を検出するために、実質的にディ
ファレンシャルキャリア12内に収納される形でロータ
44及び第2の磁気センサ48を配設する構成を採用し
ているが、出力軸の回転に対応した速度を検出するため
の構成はこれに限るものではなく、例えばロータ44及
び第2の磁気センサ48に相当する部材を、車輪の支持
体に設けることも可能である。
【0050】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、ディファレンシャルギヤが有する2本の出力軸のう
ち一方にのみ回転速度検出手段を配設する構成であるに
も関わらず、それら2本の出力軸双方の回転速度を検出
することが可能である。このため、本発明に係る車輪速
検出装置によれば、優れた搭載性を確保しつつ各車輪独
立に車輪速を検出する機能を実現することができ、高精
度な車両制御を比較的容易に実現し得るという効果を得
ることができる。
【0051】また、請求項2記載の発明によれば、出力
軸の回転速度を検出する第2の回転速度検出手段が、実
質的にディファレンシャルギヤに内蔵された状態とな
る。このため、本発明に係る車輪速検出装置によれば、
装置の小型化により優れた搭載性が得られると共に、飛
び石等に対する耐久性、及び装置の信頼性等の面で、上
記請求項1記載の発明に比べて優れた効果を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である車輪速検出装置を具備
するディファレンシャルギヤの正面断面図である。
【図2】本実施例のディファレンシャルギヤの動作を説
明するための斜視図(その1)である。
【図3】本実施例のディファレンシャルギヤの動作を説
明するための斜視図(その2)である。
【図4】本発明の他の実施例である車輪速検出装置を具
備するディファレンシャルギヤの正面断面図である。
【図5】本発明の別の実施例である車輪速検出装置を具
備するディファレンシャルギヤの正面断面図である。
【符号の説明】
10,60,70 ディファレンシャルギヤ 12,72 ディファレンシャルキャリア 14 入力軸 20 ドライブピニオン 22 リングギヤ 22n,44n 突起 24 ディファレンシャルケース 32 ピニオンシャフト 34a,34b ピニオンギヤ 36a,36b 出力軸 38a,38b サイドギヤ 44 ロータ 46 第1の磁気センサ 48 第2の磁気センサ 50 電子制御ユニット 62 デフレクタ 74 ステー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディファレンシャルギヤの入力軸の回転
    速度を検出する第1の回転速度検出手段と、 ディファレンシャルギヤが有する2本の出力軸のうち一
    方の出力軸の回転に対応した速度を検出する第2の回転
    速度検出手段と、 前記第1及び第2の回転速度検出手段の検出結果に基づ
    いて、ディファレンシャルギヤの他方の出力軸の回転速
    度を算出する回転速度算出手段とを備えることを特徴と
    する車輪速検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車輪速検出装置におい
    て、前記第2の回転速度検出手段が、前記ディファレン
    シャルギヤのケースに固定される固定部と、該固定部と
    対向する位置で前記出力軸に固定される回転部とで構成
    されることを特徴とする車輪速検出装置。
JP27946594A 1994-11-14 1994-11-14 車輪速検出装置 Pending JPH08133036A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012001099A (ja) * 2010-06-17 2012-01-05 Honda Motor Co Ltd 小型車両における車速検出構造
JP2015523270A (ja) * 2012-06-21 2015-08-13 デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー アンチロックブレーキロータートーンリングカートリッジおよびシャフトガイド

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