JPH08132967A - 車両の乗降用ステップ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、車両の乗降用ステップ装置に関
し、車両への乗員の乗り降りの負担を従来より大幅に軽
減することを目的とする。 【構成】 車両のドアの近傍に垂直に配置される案内部
材と、前記案内部材に案内され上下動自在とされるスラ
イダーと、前記スライダーに一端を連結される一対の平
行リンクと、前記一対の平行リンクの他端に連結される
ステップ支持部材と、前記ステップ支持部材に回動自在
に固定されるステップと、前記案内部材に支持され前記
平行リンクを揺動するとともに前記スライダーを上下動
する第１の駆動手段と、前記ステップを回動しステップ
を水平状態と垂直状態に位置させる第２の駆動手段とを
有して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、車両の乗降用ステップ
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、キャブオーバ型のトラック等の車
両では、車両への乗員の乗り降りを容易にするために、
例えば、実開平２−１１５０４４号公報に開示されるよ
うな乗降用ステップ装置を備えたものが知られている。

【０００３】この乗降用ステップ装置は、固定ステップ
の下方に、車両への乗員の乗り降り時にのみ水平状態に
される開閉式のステップを配置して構成され、乗員の乗
り降り時における負荷が軽減されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の乗降用ステップ装置では、車両への乗員の乗
り降り時に、単に、ステップが水平になるだけであり、
乗員は、ステップを順次登る必要があり、乗員の負荷の
軽減にも限界がある。

【０００５】本発明は、かかる従来の事情に対処してな
されたもので、車両への乗員の乗り降りの負担を従来よ
り大幅に軽減することができる車両の乗降用ステップ装
置を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１の車両の乗降用
ステップ装置は、車両のドアの近傍に垂直に配置される
案内部材と、前記案内部材に案内され上下動自在とされ
るスライダーと、前記スライダーに一端を連結される一
対の平行リンクと、前記一対の平行リンクの他端に連結
されるステップ支持部材と、前記ステップ支持部材に回
動自在に固定されるステップと、前記案内部材に支持さ
れ前記平行リンクを揺動するとともに前記スライダーを
上下動する第１の駆動手段と、前記ステップを回動しス
テップを水平状態と垂直状態に位置させる第２の駆動手
段とを有するものである。

【０００７】請求項２の車両の乗降用ステップ装置は、
請求項１において、前記第１の駆動手段は、キャブチル
ト用の油圧ポンプに接続される油圧シリンダであるもの
である。

【０００８】

【作用】請求項１の車両の乗降用ステップ装置では、車
両の走行時には、案内部材内にスライダーが収容され、
また、ステップが垂直状態に位置される。

【０００９】そして、乗員が車両から降りる時には、第
２の駆動手段によりステップが回動されステップが水平
状態にされ、第１の駆動手段の作動によりスライダーが
下降され、同時に一対の平行リンクが揺動され、ステッ
プが水平状態のままで下降される。

【００１０】一方、乗員が車両に乗る時には、第１の駆
動手段の作動によりスライダーが上昇され、同時に一対
の平行リンクが揺動され、ステップが水平状態のままで
上昇され、この後、第２の駆動手段によりステップが回
動されステップが垂直状態にされる。

【００１１】請求項２の車両の乗降用ステップ装置で
は、キャブチルト用の油圧ポンプに接続される油圧シリ
ンダによりスライダーの昇降および平行リンクの揺動が
行われる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の詳細を図面に示す実施例につ
いて説明する。図１および図２は、本発明の車両の乗降
用ステップ装置の一実施例を示しており、この実施例で
は、図３に示すように、乗降用ステップ装置Ａは、キャ
ブオーバ型のトラック１１のドア１３の下方に配置され
る。

【００１３】図１および図２において符号１５は、ドア
１３の下方に垂直に配置される案内部材を示している。
この案内部材１５内には、ベアリング１７が配置され、
スライダー１９が上下動自在に案内されている。

【００１４】この案内部材１５の両側には、図２に示す
ように、ブラケット２１が固定され、ブラケット２１に
は、レインフォース２３が固定されている。そして、レ
インフォース２３の上端面が、フロアー２５に固定され
るブラケット２７に固定されている。

【００１５】スライダー１９の下部は、断面コ字状に形
成され、下端には、シャフト２９が橋設されている。そ
して、このシャフト２９に駆動アーム３１の一端が、ブ
ッシュ３３を介して回動自在に支持されている。

【００１６】スライダー１９のシャフト２９の上方に
は、一対の従動アーム３５の一端がピン部材３７を介し
て回動自在に支持されている。そして、駆動アーム３１
と従動アーム３５とにより一対の平行リンクが形成され
ている。

【００１７】一対のレインフォース２３の間には、第１
の駆動手段である油圧シリンダ３９が配置されている。
油圧シリンダ３９は、案内部材１５に固定される一対の
ブラケット４１の間に、ブッシュ４３およびピン部４５
を介して回動自在に支持されている。

【００１８】油圧シリンダ３９のピストンロッド４７の
先端は、ブラケット４９，５１およびピン部材５３を介
して駆動アーム３１に回動自在に連結されている。油圧
シリンダ３９は、図示しないキャブチルト用の油圧ポン
プに、図示しない配管を介して接続されている。

【００１９】駆動アーム３１の他端は、ブッシュ５５を
介してシャフト５７により、ステップ支持部材５９に回
動自在に支持されている。また、従動アーム３５の他端
は、ピン部材６１を介してステップ支持部材５９に回動
自在に支持されている。

【００２０】さらに、ステップ支持部材５９には、ステ
ップ６３を構成するステップフレーム６５が、シャフト
６７により回動自在に支持されている。ステップ支持部
材５９には、第２の駆動手段であるエアーシリンダ６９
のピストンロッド７１の一端が、取付部材７３，７５を
介して回動自在に支持されている。

【００２１】そして、エアーシリンダ６９の他端が、ス
テップフレーム６５にピン部材７７を介して回動自在に
支持されている。エアーシリンダ６９は、図示しないエ
アーリザーバタンクに、図示しない配管を介して接続さ
れている。

【００２２】ステップフレーム６５の上面には、ステッ
プ部材７９が配置され、下面には、アンダーカバー８１
が配置されている。上述した車両の乗降用ステップ装置
では、トラック１１の走行時には、案内部材１５内にス
ライダー１９が収容され、また、ステップ６３が垂直状
態に位置される。

【００２３】そして、乗員がトラック１１から降りる時
には、ドア１３の開により図示しないドアスイッチがオ
ンされ、これによりエアーシリンダ６９が作動されステ
ップ６３が回動されステップ６３が水平状態にされる。

【００２４】この後、自動または手動スイッチのオンに
より、油圧シリンダ３９が作動されスライダー１９が下
降され、同時に駆動アーム３１および従動アーム３５が
揺動され、ステップ６３が水平状態のままで下降され、
下端あるいは任意の位置において停止される。

【００２５】この状態で、ドア１３を閉じるとドアスイ
ッチがオフされ、ステップ６３が閉じられる。一方、乗
員がトラック１１に乗る時には、ドア１３を開くと、ド
アスイッチがオンされ、これによりエアーシリンダ６９
が作動されステップ６３が回動されステップ６３が水平
状態にされる。

【００２６】この後、自動または手動スイッチのオンに
より、油圧シリンダ３９が作動されスライダー１９が上
昇され、同時に駆動アーム３１および従動アーム３５が
揺動され、ステップ６３が水平状態のままで上昇され、
上端あるいは任意の位置において停止される。

【００２７】この後、ドア１３を閉じるとドアスイッチ
がオフされ、エアーシリンダ６９の作動によりステップ
６３が回動されステップ６３が垂直状態にされる。以上
のように構成された車両の乗降用ステップ装置では、ス
テップ６３が油圧シリンダ３９の作動により自動的に昇
降されるため、乗員がステップ６３を順次登る必要がな
くなり、トラック１１への乗員の乗り降りの負担を従来
より大幅に軽減することができる。

【００２８】また、トラック１１の走行時には、エアー
シリンダ６９によりステップ６３が垂直状態にされ、さ
らに、油圧シリンダ３９によりスライダー１９が案内部
材１５内に収容されるため、余分な突出部がなくなり、
安全性を充分に確保することができ、同時に、空気抵抗
を低減することができる。

【００２９】また、ステップ６３を駆動アーム３１と従
動アーム３５からなる平行リンクにより支持したので、
ステップ６３を水平状態のまま昇降することが容易に可
能になる。

【００３０】さらに、上述した乗降用ステップ装置で
は、キャブチルト用の油圧ポンプに接続される油圧シリ
ンダ３９によりスライダー１９の昇降および駆動アーム
３１の揺動を行なうようにしたので、特別な油圧源を設
けることなく、油圧シリンダ３９を作動することができ
る。

【００３１】また、スライダー１９と駆動アーム３１の
移動を同時に行うようにしたので、垂直移動量を充分に
確保することができる。さらに、駆動アーム３１と従動
アーム３５からなる平行リンクを用いたので、ドア１３
の側方へのステップ６３の張り出し量を小さくすること
ができる。

【００３２】また、駆動アーム３１と従動アーム３５か
らなる平行リンクの上下方向への揺動角度を等しくする
ことにより、上下位置でのステップ６３の張り出し量が
等しくなり、ステップ６３が下端の位置においても、ス
テップ６３を垂直に位置させることにより、ステップ６
３がトラック１１から外方に突出することがなくなる。

【００３３】なお、以上述べた実施例では、本発明をキ
ャブオーバ型のトラック１１に適用した例について説明
したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、例えば、バス，クレーン，リアバン等に広く適用す
ることができる。

【００３４】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１の車両の乗
降用ステップ装置では、ステップが第１の駆動手段の作
動により自動的に昇降されるため、乗員がステップを順
次登る必要がなくなり、車両への乗員の乗り降りの負担
を従来より大幅に軽減することができる。

【００３５】また、車両の走行時には、第２の駆動手段
によりステップが垂直状態にされ、さらに、スライダー
が案内部材内に収容されるため、余分な突出部がなくな
り、安全性を充分に確保することができる。

【００３６】また、ステップを一対の平行リンクにより
支持したので、ステップを水平状態のまま昇降すること
が容易に可能になる。さらに、平行リンクを用いたの
で、ドアの側方へのステップの張り出し量を小さくする
ことができる。

【００３７】また、平行リンクとスライダーとを組み合
わせたので、ステップの上下移動量を充分に確保するこ
とができる。さらに、平行リンクの上下方向への揺動角
度を等しくすることにより、上下位置でのステップの張
り出し量が等しくなり、ステップが下端の位置において
も、ステップを垂直に位置させることにより、ステップ
が車両の最外側から外方に突出することがなくなる。

【００３８】請求項２の車両の乗降用ステップ装置で
は、キャブチルト用の油圧ポンプに接続される油圧シリ
ンダによりスライダーの昇降および平行リンクの揺動を
行なうようにしたので、特別な油圧源を設けることな
く、油圧シリンダを作動することができるという利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の車両の乗降用ステップ装置の一実施例
を示す説明図である。

【図２】図１の車両の乗降用ステップ装置を示す分解斜
視図である。

【図３】図１の車両の乗降用ステップ装置をトラックに
配置した状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１３ ドア １５ 案内部材 １９ スライダー ３１ 駆動アーム ３５ 従動アーム ３９ 油圧シリンダ ５９ ステップ支持部材 ６３ ステップ ６９ エアーシリンダ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両のドアの近傍に垂直に配置される案
   内部材と、 前記案内部材に案内され上下動自在とされるスライダー
   と、 前記スライダーに一端を連結される一対の平行リンク
   と、 前記一対の平行リンクの他端に連結されるステップ支持
   部材と、 前記ステップ支持部材に回動自在に固定されるステップ
   と、 前記案内部材に支持され前記平行リンクを揺動するとと
   もに前記スライダーを上下動する第１の駆動手段と、 前記ステップを回動しステップを水平状態と垂直状態に
   位置させる第２の駆動手段と、を有することを特徴とす
   る車両の乗降用ステップ装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の車両の乗降用ステップ装
   置において、 前記第１の駆動手段は、キャブチルト用の油圧ポンプに
   接続される油圧シリンダであることを特徴とする車両の
   乗降用ステップ装置。