JPH08132782A - シャープペンシルの鉛芯保護構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構造により、筆記時におけるシャープ
ペンシルの芯の折損を防止し、安全性を確保できるよう
にするものである。 【構成】 先端金具外においてシャープペンシルの芯を
挿通、保持する芯保持パイプを内面に係止突起を設けス
ライダーカバー内において摺動自在に保持されるスライ
ダーに対して一体のものとすることで、芯を先端金具外
に突出させた場合、ノックにより前進するスライダーの
後端縁が上記スライダーカバーの係止突起によって係止
されるため、不用意に芯保持パイプが先端金具内に没入
することを防止でき、更に過度の外力が加わる時には先
端金具内にスライダーが没入することにより芯保持パイ
プによる手指の損傷を回避して安全性を確保できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、筆記具であるシャー
プペンシル、特にその鉛芯を送出と筆記時における折損
から保護してなる保護カバーの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、筆記具であるシャープペンシル、
特にその鉛芯の送出を送出及び筆記時の折損から保護す
るために、例えば、実開昭６３−２１０８３号に示すよ
うに、外筒の先端の先具内において、芯チャックより送
出される芯を、先具外に出没自在となる芯ガイドと一体
となるスライダ部材により摺接しつつ、先具先端より出
没する芯ガイドにより保護してなるもの、また実開平６
−２７１９１号に示されるように、進退可能とする口金
の先部において挿通する芯を保護してなるスライダー
を、上記スライダーの外表面に沿って形成されるスライ
ダー受けの弾性片によって一定の摩擦抵抗をもって保持
してなるもの、更に実開平６−３６８８８号のように、
芯チャックにより送出される芯を、外筒と一体となった
先具の先端内周面において、一体に成形される外筒部を
利用して摺接、保持され、先具の外方に出没自在とされ
る芯ガイドと一体となったスライダ及び、上記スライダ
と一体とした芯ガイドの通孔に挿通させて保護してなる
もの等がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものにおいて、実開昭６３−２１０８３号の場合
は、外筒の先端の先具内において、芯チャックより送出
される芯を、先具外に出没自在となる芯ガイドと一体と
なるスライダ部材により摺接しつつ、先具先端より出没
する芯ガイドにより保護してなるものであるが、確かに
シャープペンシルの芯を芯チャックにより送出する時、
筆記時において芯の摩耗が進行していく場合には、スラ
イダ部材は、スライダ部材と一体に成形される摺動片に
よって先具の内周面に対して摺接、保持されているた
め、上記スライダ部材と共にこのスライダ部材と一体と
なる芯ガイドが出没自在となるためシャープペンシルの
芯は確実に保護されるものとなるが、先具の外方におい
てシャープペンシルの芯を実質的に保護するため出没自
在となる芯ガイドと一体とするスライダ部材は、あくま
でもスライダ部材と一体に成形される摺動片によって先
具の内周面に対して摺接、保持されているにすぎないた
め、その保持力は芯の送出時において芯チャックからの
芯送出に合わせてスライダ部材と一体となる芯ガイドを
先具外に突出させなけれなならないため強力なものとす
ることができず、例えば筆記時において芯ガイドが紙面
に対してわずかに触れただけでも容易に先具内に没入
し、十分にシャープペンシルの芯を折損から防止するこ
とができないという欠点があり、また実開平６−２７１
９１号においても、シャープペンシルの芯を進退可能と
する口金の先部において挿通する芯を保護してなるスラ
イダーを、上記スライダーの外表面に沿って形成される
スライダー受けの弾性片によって一定の摩擦抵抗をもっ
て保持してなるものであるので、スライダー自体の口金
内における保持力は、スライダーの外表面に沿って形成
されるスライダー受けの弾性片によって一定の摩擦抵抗
をもって確保されているにすぎず、容易にスライダーは
口金内に没入してしまい、シャープペンシルの折損に対
して十分な保護を示すことができないものである。

【０００４】更に、実開平６−３６８８８号の場合は、
前述した実開昭６３−２１０８３号及び実開平６−２７
１９１号の場合と同様に、芯チャックにより送出される
芯を、外筒と一体となった先具の先端内周面において、
一体に成形される外筒部を利用して摺接、保持され、先
具の外方に出没自在とされる芯ガイドと一体となったス
ライダ及び、上記スライダと一体とした芯ガイドの通孔
に挿通させて保護してなるものであるため、芯ガイドの
紙面等との接触により芯ガイド自体は先具の内周面にお
いて摺接、保持されるスライダーと共に、必要以上に容
易に先具内に没入してしまい十分なシャープペンシルの
芯の折損防止を行うことができない問題がある。また、
芯保持パイプを鉛芯とともに後退しないようにした従来
構造のものは鉛芯保護は充分であるが、芯保持パイプの
先端により器物表面を傷つけたり、手指を突き刺して損
傷を与えるおそれがあるものである。

【０００５】そこで、この発明は、上記従来のものの有
する欠点を改善するものであり、簡単な構造により、シ
ャープペンシルの使用に際して芯の送出及び、特に筆記
時における芯の折損を確実に防止するとともに、芯保持
パイプの突出による損傷を回避できるようにしてなるも
のである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そのために、外筒の先端
に係合固定される先端金具内に保持されるスライダーカ
バーの内壁面に、係止突起を設けると共に、このスライ
ダーカバーの内壁面の係止突起の前方端面によって、芯
チャックにより先端に摺動するスライダ−の後端縁を係
止し、上記スライダーカバーに、内装する芯保持ゴムと
芯保持パイプにより鉛芯を挿通保持し、芯保持パイプの
後退により上記スライダ−カバ−の係止突起を越えてス
ライダ−が後退するようにしてなるものである。

【０００７】

【作用】上記構成を具えるので、シャープペンシルを構
成する外筒の先端に係合固定される先端金具外に、シャ
ープペンシルの鉛芯と共に後方からの芯チャックのノッ
クにより前方へ摺動するスライダーと一体となる芯保持
パイプは、上記先端金具内において保持されるスライダ
ーカバーの内壁面に設ける係止突起を乗り越えて前進す
ると共にこの係止突起により、この芯保持パイプと一体
となるスライダーの後端縁が係止されて後退を阻止する
ものとなるので、シャープペンシルの芯を挿通、保持し
てなる芯保持パイプが不用意に紙面等に接触しても容易
に先端金具内に没入することを防ぐことができ、シャー
プペンシルによる筆記時における鉛芯の折損からの保護
を確実に行うことができる。

【０００８】更に、シャープペンシルによる筆記によ
り、鉛芯が摩耗しても芯を挿通、保持する保護パイプは
スライダーカバ−の係止突起により後退ができないもの
ではあるが、その後端縁を係止されていたスライダー
は、後端縁に対するスライダーカバーの内壁面に周設さ
れる係止突起による係止加重を超える力で先端金具内に
押入することにより没入するから、筆記終了に際して芯
保持パイプを露出したままにしてその先端により器物が
損傷を受けることなく、また、シャ−プペンシルの先端
の芯保持パイプが過度な力を受けると、没入して上記芯
保持パイプ先端により同様の損傷を受けることが回避で
きるものとなる。

【０００９】

【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）は、この発明の実施例である保護構造を具え
るシャープペンシルであり、このシャープペンシル
（１）は、後端へ突出し、出没自在となるノック体への
打突により口金（４）と共に芯（５）を送出してなる芯
チャック（３）を外筒（２）に内装してなり、この外筒
（２）の先端に固持され、その内部にこの発明の芯保護
構造（７）を内蔵する先端金具（６）から構成されるも
のである。

【００１０】そして、シャープペンシル（１）を構成す
る外筒（２）の先端に固持される先端金具（６）内にお
いて内蔵される芯保護構造（７）は、シャープペンシル
（１）を構成する外筒（２）の先端に係合固定される先
端金具（６）内において保持されるスライダーカバー
（１２）の内壁面に係止突起（１３）を周設すると共
に、このスライダーカバー（１２）の内壁面の係止突起
（１３）の前方表面（１４）によって、上記スライダー
カバー（１３）内において、シャープペンシル（１）の
芯（５）を、内装する芯保持ゴム（１１）及びその先端
において一体になるステンレス製のパイプからなる芯保
持パイプ（９）により挿通保持して先端金具（６）外へ
送出するに際しての、後方からの芯チャック（３）のノ
ックにより前方へ摺動するスライダー（８）の後端縁
（１０）を係止自在としてなるものである。なお、スラ
イダーカバ−（１２）の内壁に周設する係止突起（１
３）は周囲全体に設けなくても、スライダー（８）の後
端縁に係止してその後退を阻止できるものであれば部分
的なものでもよいものである。

【００１１】この発明の実施例であるシャープペンシル
（１）は以上の構成を具えるので、シャープペンシル
（１）を使用するに当たって、シャープペンシル（１）
を構成する外筒（２）の先端に係合固定される先端金具
（６）外に、シャープペンシル（１）の後端へ突出し、
出没自在となるノック体をノックすることにより、芯チ
ャック（３）はシャープペンシルの鉛芯（５）を送出す
ると共に、芯チャック（３）の鉛芯（５）の送出に伴っ
て、この芯チャック（３）による後方からのノックによ
り、先端金具（６）内において保持されるスライダーカ
バー（１２）内に摺動自在に内装されるスライダー
（８）は前方へ摺動することとなるので、スライダー
（８）と一体となるステンレス製パイプからなる芯保持
パイプ（９）は、上記先端金具（６）内において保持さ
れるスライダーカバー（１２）の内壁面に周設される係
止突起（１３）を乗り越えて前進すると共に、このスラ
イダーカバー（１２）の内周面に周設される係止突起
（１３）の前方端面（１４）によって、この芯保持パイ
プ（９）と一体となるスライダー（８）の後端縁（１
０）が係止されて、その後退を阻止するものとなること
から、シャープペンシルの鉛芯（５）を挿通、保持して
なる芯保持パイプ（９）が不用意に紙面等に接触しても
容易に先端金具（６）内に没入してしまうことがなくな
り、シャープペンシル（１）による筆記時において、芯
の折損からの保護を確実に行うことができる。

【００１２】更に、シャープペンシル（１）による筆記
によって、スライダー（８）の後端縁がスライダーカバ
ー（１２）の内壁面に周設される係止突起（１３）によ
る係止荷重を超えると、外筒（２）の軸方向に係止突起
（１３）をのり越えて芯保持パイプ（９）が後退し、先
端金具（６）に没入させることができる。

【００１３】

【発明の効果】以上のとおり、シャープペンシルの鉛芯
を先端金具外において折損から保護する芯保持パイプ
を、先端金具内において保持され、その内周面に係止突
起を設けるスライダーカバー内に摺動自在に保持される
スライダーと一体のものとすることで、シャープペンシ
ルの芯の送出に伴って、芯チャックのノックによりスラ
イダーを上記スライダーカバーの内周面に設ける係止突
起を乗り越えて前進させ、更にこの係止突起によりスラ
イダーの後端縁を係止するものとすることで、シャープ
ペンシルの芯を挿通、保持する芯保持パイプに対して不
用意に紙面等に接触して圧力が加えられても、このスラ
イダーカバーの内周面に周設される係止突起によるスラ
イダーの係止により芯保持パイプが先端金具内に没入し
てしまうことが防げるものとなり、筆記後は、外力を加
えて、芯保持パイプを先端金具内に没入させ、または、
芯保持パイプが他物に接触しても筆軸（先端金具）内に
自動的に没入して、芯保持パイプによる損傷を回避する
ことができ、安全性を確保できる等の優れた効果を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例である保護構造を内蔵するシ
ャープペンシルの要部拡大断面図である。

【図２】図１において、芯チャックの打突によりシャー
プペンシルの芯を芯保持パイプと共に先端金具外に突出
した状態を示すシャープペンシルの要部拡大断面図であ
る。

【図３】図１において、芯チャックによりシャープペン
シルの芯を芯保持パイプと共に先端金具外に突出させ
て、筆記状態としたシャープペンシルの要部拡大断面図
である。

【符号の説明】

１ シャープペンシル ２ 外筒 ３ 芯チャック ４ 口金 ５ 鉛芯 ６ 先端金具 ７ 保護構造 ８ スライダー ９ 芯保持パイプ １０ 後端縁 １１ 芯保持ゴム １２ スライダーカバー １３ 係止突起 １４ （係止突起の）前方表面

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外筒の先端に係合固定される先端金具内
   に保持されるスライダーカバーの内壁面に、係止突起を
   設けると共に、このスライダーカバーの内壁面の係止突
   起の前方端面によって、芯チャックにより先端に摺動す
   るスライダ−の後端縁を係止し、上記スライダーカバー
   に内装する芯保持ゴムと芯保持パイプにより鉛芯を挿通
   保持し、芯保持パイプの後退により上記スライダ−カバ
   −の係止突起を越えてスライダ−が後退するシャープペ
   ンシルの鉛芯保護構造。