JPH0812897A - ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

Info

Publication number
JPH0812897A
JPH0812897A JP16753794A JP16753794A JPH0812897A JP H0812897 A JPH0812897 A JP H0812897A JP 16753794 A JP16753794 A JP 16753794A JP 16753794 A JP16753794 A JP 16753794A JP H0812897 A JPH0812897 A JP H0812897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bragg angle
gallium phthalocyanine
peak
phthalocyanine crystal
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16753794A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuya Hongo
和哉 本郷
Hitoshi Takimoto
整 滝本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP16753794A priority Critical patent/JPH0812897A/ja
Publication of JPH0812897A publication Critical patent/JPH0812897A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 工程が簡単であり、複雑な設備を必要とせ
ず、低コストで、良好な電子写真特性を有する結晶を安
定して得ることができるハロゲン化ガリウムフタロシア
ニン結晶の製造方法を提供する。 【構成】 不活性ガスの存在下において、ハロゲン化ガ
リウムフタロシアニンを攪拌或いは機械的歪力によって
乾式粉砕することにより、CuKα特性X線回折スペク
トルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5
°、16.7°、25.6°および28.4°に回折ピ
ークを有し、ブラッグ角度7.5°のピークにおける半
値幅が0.5以上であり、ブラッグ角度7.5°のピー
クに対するブラッグ角度28.4°のピークの強度比が
0.4ないし0.6の範囲にあるハロゲン化ガリウムフ
タロシアニン結晶を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真感光体に使用
するのに適したハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、有機光導電物質の感光波長領域
を、近赤外線の半導体レーザーの波長にまで伸ばし、レ
ーザープリンター等のデジタル記録用の感光体として使
用することに対する要求が高まっており、この観点か
ら、スクエアリリウム化合物、トリフェニルアミン系ト
リスアゾ化合物、フタロシアニン化合物(特開昭48−
34189号公報および同57−14874号公報)等
が、半導体レーザー用の有機光導電物質として提案され
ている。半導体レーザー用の感光材料として、有機光導
電物質を使用する場合は、まず、感光波長域が長波長ま
で伸びていること、次に、形成される感光体の感度、耐
久性がよいことなどが要求される。これらの要求を満た
すために、上記の如き有機光導電物質について、精力的
に研究、開発が試みられており、特にフタロシアニン化
合物については、その結晶型と電子写真特性について、
多くの報告がなされている。一般に、フタロシアニン化
合物は、製造方法、処理方法の違いにより、幾つかの結
晶型を示し、この結晶型の違いは、フタロシアニン化合
物の光電変換特性に大きな影響をおよぼすことが知られ
ている。フタロシアニン化合物の結晶型については、例
えば、銅フタロシアニンについてみると、安定型のβ型
以外に、α、ε、π、x、ρ、γ、δ等の結晶型が知ら
れており、これらの結晶型は、機械的歪力、硫酸処理、
有機溶剤処理および熱処理等により、相互に転移が可能
であることが知られている(例えば、米国特許第2,7
70,629号、同第3,160,635号、同第3,
708,292号、同第3,357,989号明細
書)。また、無金属フタロシアニンは、α、β、γおよ
びxなどの結晶型が知られている。さらにまた、クロロ
ガリウムフタロシアニンに関しては、電子写真学会誌、
26(3),240(1987)に、特定のブラッグ角
度に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン
の結晶型について記載されているが、本発明のものとは
結晶型が異なるものであり、電子写真への応用について
の記載もない。一方、特開昭59−44053号公報、
信教技報CPM81−69、39(1981)等には、
電子写真への応用についての報告があり、また、特開平
1−221459号公報には、特定のブラッグ角度に回
折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニンおよび
それを用いた電子写真感光体が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されているフタロシアニン化合物や、前述のクロロガ
リウムフタロシアニンは、光感度が必ずしも十分とはい
えず、また、結着樹脂中での分散性や分散液の安定性に
も問題があり、カブリや黒点等の画質欠陥を生じ易いた
め、さらなる改善が望まれていた。本発明は、従来技術
の上記のような実情に鑑みてなされたものである。すな
わち、本発明の目的は、複雑な設備を必要とせず、簡単
な工程で、低コストで、かつ、良好な特性を有するハロ
ゲン化ガリウムフタロシアニン結晶を安定して製造する
方法を提供することにある。本発明の他の目的は、高感
度で良好な電子写真特性を示し、結着樹脂中での分散性
や、分散液の安定性に優れたハロゲン化ガリウムフタロ
シアニン結晶を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、合成によって得られたハロゲン化ガリウ
ムフタロシアニンを、不活性ガスの存在下において、撹
拌或いは機械的歪力によって乾式粉砕することにより、
光導電材料として高い感度と耐久性を有するハロゲン化
ガリウムフタロシアニン結晶が簡単に得られることを見
出し、さらに、このハロゲン化ガリウムフタロシアニン
結晶を感光体の電荷発生材料として使用すると、優れた
特性の電子写真感光体が得られることを見出し、本発明
を完成するに至った。すなわち、本発明は、ハロゲン化
ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法に関するもので
あって、不活性ガスの存在下において、ハロゲン化ガリ
ウムフタロシアニンを攪拌或いは機械的歪力によって乾
式粉砕することにより、CuKα特性X線回折スペクト
ルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の7.5
°、16.7°、25.6°および28.4°に回折ピ
ークを有し、ブラッグ角度7.5°のピークにおける半
値幅が0.5以上であり、ブラッグ角度7.5°のピー
クに対するブラッグ角度28.4°のピーク強度比が
0.4ないし0.6の範囲にあるハロゲン化ガリウムフ
タロシアニン結晶を得ることを特徴とする。
【0005】以下、本発明について詳細に説明する。原
料のハロゲン化ガリウムフタロシアニンは、公知の方法
によって合成される。例えば、フタロニトリルまたはジ
イミノイソインドリンと金属塩化物とを加熱融解または
有機溶媒の存在下で加熱するフタロニトリル法、無水フ
タル酸を尿素および金属塩化物と加熱融解または有機溶
媒の存在下で加熱するワイラー法、シアノベンズアミド
と金属塩とを高温で反応させる方法、ジリチウムフタロ
シアニンと金属塩とを反応させる方法等によって合成す
る。原料のハロゲン化ガリウムフタロシアニンとして
は、CuKα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±
0.2°)の少なくとも11.0°、13.5°および
27.1°に強い回折ピークを有するものが好ましく使
用される。上記の合成方法において使用する有機溶媒と
しては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレ
ン、メトキシナフタレン、ジフェニルエタン、エチレン
グリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラ
ン、ジメチルスルホキシド、ジクロロベンゼン、ジクロ
ロトルエン等の反応不活性な高沸点の溶媒が望ましい。
【0006】上記のいずれかの合成方法により得られた
ハロゲン化ガリウムフタロシアニンは、不活性ガスの存
在下で、撹拌或いは機械的歪力によって乾式粉砕され
る。撹拌或いは機械的歪力のための粉砕装置としては、
振動ミル、自動乳鉢、遊星ボールミル、サンドミル、ア
トライター、ボールミル等を用いることができる。これ
らの粉砕装置の中でも、振動ミルが高い粉砕効率が得ら
れるので望ましい。乾式粉砕を不活性ガスの存在下で行
うためには、不活性ガスをポット内に充填させればよ
い。それにより、ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結
晶の凝集や、ポット内壁への付着或いはコーティングが
防止でき、効率よく粉砕することができると共に、より
小さい粒径になるまで粉砕が可能となるため、粉砕時間
が短縮でき、ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の
感度をさらに高めることができる。また、空気中の酸素
や水分の影響を受けないため、酸化や分解等の顔料の変
質の防止にも効果を発揮する。
【0007】不活性ガスを使用しない場合、ハロゲン化
ガリウムフタロシアニン結晶がポット内壁に付着したり
コーティングを引き起こすため、ハロゲン化ガリウムフ
タロシアニン結晶が凝集し、長時間の粉砕時間が必要と
なる。また、不活性ガスを用いた場合に比して、生成す
るハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の粒径を小さ
くすることができず、その結果、それを電子写真感光材
料として使用した場合の感度が低くなる。さらに、ハロ
ゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の凝集体が残留しや
すいため、感光体を作製した時に、黒点、白点等が発生
して、画質への悪影響が生じる。本発明において使用さ
れる不活性ガスとしては、周期律表第0族のヘリウム、
ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドンの
他、窒素等があげられ、これらは単独または混合して使
用することができる。本発明において上記のように乾式
粉砕する場合、得られるハロゲン化ガリウムフタロシア
ニン結晶は、その平均粒子径が、0.01〜0.20μ
mになるように粉砕時間を調整するのが好ましい。平均
粒子径が0.20μmよりも大きいと感度が不十分にな
り、また、0.01μmよりも小さくしようとすると、
非常に長時間の粉砕を必要とするため効率的ではなく、
ポットや粉砕メディアの磨耗による汚染が増加し、画質
欠陥を生じるため好ましくない。
【0008】上記のようにして得られるハロゲン化ガリ
ウムフタロシアニン結晶は、CuKα特性X線に対する
ブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも7.5
°、16.7°、25.6°および28.4°に主要な
回折ピークを有するものであり、上記ブラッグ角度7.
5°のピークにおける半値幅が0.5以上を示し、上記
ブラッグ角度7.5°のピークに対するブラッグ角度2
8.4°のピーク強度比が0.4〜0.6である。本発
明の上記の処理方法により得られるハロゲン化ガリウム
フタロシアニン結晶は、電子写真感光体における電荷発
生材料として有用である。
【0009】次に、本発明によって製造されるハロゲン
化ガリウムフタロシアニン結晶を用いた電子写真感光体
について説明する。電子写真感光体は、感光層が単層構
造のものでも、或いは電荷発生層と電荷輸送層とに機能
分離された積層構造のものでもよい。積層構造の電子写
真感光体の場合には、導電性支持体上には少なくとも電
荷発生層と電荷輸送層とが積層された感光層が設けられ
るが、その積層の順序はいずれが支持体側にあってもよ
い。導電性支持体としては、電子写真感光体において使
用されるものであれば、如何なるものでも使用できる。
また、必要に応じて、導電性支持体の表面は、画質に影
響のない範囲で各種の処理を行うことができる。例え
ば、表面の陽極酸化処理、液体ホーニング等による粗面
化処理、薬品処理、着色処理等を行うことができる。
【0010】電荷発生層は、上記のようにして製造され
たハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶と適当な結着
樹脂とより構成される。なお、結着樹脂は使用しなくて
もよい。電荷発生材料として、ハロゲン化ガリウムフタ
ロシアニン結晶に他の公知の電荷発生材料を併用しても
よい。一方、結着樹脂としては、公知のものならば如何
なるものでも使用できる。例えばポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリエステル、メタクリル酸エステル重合
体、ポリビニルブチラール、ポリアセタール、酢酸ビニ
ル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロー
スエステル、セルロースエーテル、ポリブタジエン、ポ
リウレタン、エポキシ樹脂等があげられる。電荷発生材
料と結着樹脂の配合比は、40:1〜1:4、好ましく
は20:1〜1:2である。電荷発生材料の比率が高す
ぎる場合には、塗布溶液の安定性が低下し、低すぎる場
合には、感度が低下するので、上記の範囲にするのが好
ましい。電荷発生層は、上記ハロゲン化ガリウムフタロ
シアニン結晶を結着樹脂の有機溶剤溶液に分散させ、塗
布することによって形成することができる。有機溶剤と
しては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、ベ
ンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、クロロホル
ム、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の有機
溶剤或いはこれらの混合溶剤をあげることができる。分
散手段としてはサンドミル、コロイドミル、アトライタ
ー、ボールミル、ダイノーミル、コボールミル、ロール
ミル等の方法が利用できる。塗布方法としては、ブレー
ドコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプ
レーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコー
ティング法、カーテンコーティング法等の方法を用いる
ことができる。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μ
m、好ましくは0.03〜2μm程度である。
【0011】電荷輸送層は、電荷輸送材料と成膜性樹脂
より構成されるもので、電荷輸送材料としては、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリル)ベ
ンジジン、N,N′−ビス−(p−トリル)−N,N′
−ビス−(p−エチルフェニル)−3,3′−ジメチル
ベンジジン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−
2,2−ジフェニルヒドラゾン、p−(2,2−ジフェ
ニルビニル)−N,N′−ジフェニルアニリン等、公知
のものであればいずれのものでも使用できる。成膜性樹
脂としては、例えばポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスチレン、ポリエステル、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリスルホン、ポリメタクリル酸エ
ステル、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポ
リオレフィン等が挙げられる。これらの中では、耐久性
の点でポリカーボネートが好適である。電荷輸送材料と
成膜性樹脂の配合比(重量)は、5:1〜1:5、好ま
しくは3:1〜1:3である。電荷輸送材料の比率が高
すぎる場合には、電荷輸送層の機械的強度が低下し、低
すぎる場合には、感度が低下するので、上記の範囲にす
るのが好ましい。また、電荷輸送材料が成膜性を有する
場合には、上記成膜性樹脂を省くこともできる。電荷輸
送層は、上記電荷輸送材料と成膜性樹脂とを適当な溶剤
に溶解し、塗布することによって形成するが、膜厚は、
5〜50μm、好ましくは10〜40μmの範囲になる
ように形成するのが好ましい。これらの感光層の塗布方
法としては、前述のいずれかの方法を用いることができ
る。
【0012】感光層が単層構造を有する場合、感光層は
上記ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶および電荷
輸送材料を成膜性樹脂に含有させた光導電層よりなる。
ここで、電荷輸送材料としては、公知のものであればい
ずれのものでも使用でき、成膜性樹脂としては、上記と
同様なものが使用され、前述のいずれかの塗布方法によ
って感光層が形成される。その場合の電荷輸送材料と成
膜性樹脂との配合比(重量)は、1:20〜5:1、ハ
ロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶と電荷輸送材料と
の配合比(重量)は、1:10〜10:1程度に設定す
るのが好ましい。また、電子写真感光体は、必要に応じ
て、感光層と導電性支持体の間に下引層を設けてもよ
い。下引層は、支持体からの不必要な電荷の注入を阻止
するために有効であり、感光体の帯電性を改善する作用
を有する。さらに、感光層と支持体との接着性を向上さ
せる作用も有している。更に、電子写真感光体は、耐刷
性を改善するために、感光層の上に保護層を設けてもよ
い。本発明によって製造されるハロゲン化ガリウムフタ
ロシアニン結晶が使用された電子写真感光体は、電子写
真複写機に効果的に使用されるが、更にレーザービーム
プリンター、LEDプリンター、CRTプリンターや、
マイクロフィルムリーダー、普通紙FAX、電子写真製
版システム等に適用可能である。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例において、「部」は「重量部」を
意味する。 合成例(クロロガリウムフタロシアニンの合成) 1,3−ジイミノイソインドリン30部(重量部、以下
同じ)、三塩化ガリウム9.1部をキノリン230部中
に入れ、200℃において4時間反応させた後、生成物
を濾別し、N,N−ジメチルホルムアミドおよびメタノ
ールで洗浄し、ついで湿ケーキを乾燥した後、クロロガ
リウムフタロシアニンの結晶28部を得た。得られたク
ロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図を図
4に示す。また、元素分析値は次の通りであった。 C H N Cl 理論値% 62.22 2.61 18.14 5.74 実績値% 62.18 2.67 18.02 5.75 この時のクロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径
をレーザ回折散乱式粒度分布測定装置(LA700、堀
場製作所(株)製)により測定したところ、20.0μ
mであった。
【0014】実施例1 上記合成例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結
晶5部を、アルミナ製ビーズ25部と共に、アルミナ製
ポットに入れ、窒素ガスを充填して密封した。これを振
動ミル(MB−1型、中央化工機(株)製)に装着し、
100時間粉砕した。得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を図1に、分光スペクトル
図を図2に、赤外吸収スペクトル図を図3に示す。粉末
X線回折の測定結果から、ブラッグ角度7.5°のピー
クにおける半値幅は0.59、ブラッグ角度7.5°の
ピークに対するブラッグ角度28.4°のピーク強度比
は0.58であることが確認された。また、得られたク
ロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径を測定した
ところ、0.15μmであった。
【0015】実施例2 上記合成例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結
晶5部を、ガラス製ビーズ30部と共に、ガラス製ボー
ルミルに入れ、アルゴンガスを充填して密封した。これ
をボールミル架台にセットし、120時間粉砕した。得
られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回
折図は、図1と同様のスペクトルを示した。このときの
ブラッグ角度7.5°のピークにおける半値幅は0.5
4、ブラッグ角度7.5°のピークに対するブラッグ角
度28.4°のピーク強度比は0.43であった。ま
た、得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の平均
粒径を測定したところ、0.18μmであった。
【0016】比較例1 上記合成例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結
晶5部を、アルミナ製ビーズ25部と共に、アルミナ製
ポットに入れ、不活性ガスは充填せずにそのまま密封し
た。これを振動ミルに装着し、100時間粉砕した。そ
の際、ポット内にはクロロガリウムフタロシアニン結晶
の凝集が多く観察された。得られたクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶の粉末X線回折図を図5に示す。この時
のブラッグ角度7.5°のピークにおける半値幅は0.
26、ブラッグ角度7.5°のピークに対するブラッグ
角度28.4°のピーク強度比は0.20であった。ま
た、クロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径を測
定したところ、0.27μmであった。
【0017】比較例2 上記合成例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結
晶5部を、ガラス製ビーズ30部と共に、ガラス製ボー
ルミルに入れ、不活性ガスは充填せずにそのまま密封し
た。これをボールミル架台にセットし、120時間粉砕
した。その際、ポット内にはクロロガリウムフタロシア
ニン結晶の凝集が多く観察された。得られたクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は、図5と同
様のスペクトルを示した。この時のブラッグ角度7.5
°のピークにおける半値幅は0.31、ブラッグ角度
7.5°のピークに対するブラッグ角度28.4°のピ
ーク強度比は0.25であった。また、得られたクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径を測定したとこ
ろ、0.35μmであった。
【0018】応用例1 まず、アルミニウムパイプの湿式ホーニング処理を次の
ようにして行った。40mmφ×319mmの鏡面アル
ミニウムパイプを用意し、液体ホーニング装置を用い
て、研磨剤(グリーンデシックGC#400、昭和電工
(株)製)10kgを水40リットルに懸濁させ、それ
をポンプで6リットル/分の流量でガンに送液し、吹き
つけ速度60mm/分、空気圧0.85kgf/cm2
で、アルミニウムパイプを120rpmで回転させなが
ら軸方向に移動させ、湿式ホーニング処理を行った。こ
のときの中心線平均粗さRaは0.16μmであった。
次に、ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−
S,積水化学工業(株)製)8部をn−ブチルアルコー
ル152部に加え、撹拌溶解し、5重量%のポリビニル
ブチラール溶液を作製した。次に、トリブトキシジルコ
ニウム・アセチルアセトネートの50%トルエン溶液
(ZC540,松本交商(株)製)100部、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン(A1100、日本ユニ
カー(株)製)10部およびn−ブチルアルコール13
0部を混合した溶液を、前述のポリビニルブチラール溶
液中に加え、攪拌機で攪拌し、下引層形成用の塗布液を
作製した。この塗布液をアルミニウムパイプ上に浸漬塗
布し、165℃において10分間加熱乾燥し、膜厚1.
0μmの下引層を形成した。一方、ポリビニルブチラー
ル樹脂(エスレックBM−S,積水化学工業(株)製)
3部を予め、キシレン/酢酸n−ブチル=1/5の混合
溶液100部に溶解した溶液に、実施例1で得たクロロ
ガリウムフタロシアニン結晶3部を加え、24時間サン
ドミルで分散し、上記キシレン/酢酸n−ブチル混合溶
液で希釈し、固形分濃度3.0重量%の電荷発生層形成
用塗布液を調製した。得られた塗布液を前記下引層の上
にリング塗布機により塗布し、100℃において10分
間加熱乾燥し、膜厚0.20μmの電荷発生層を形成し
た。形成された電荷発生層の上に電荷輸送層を形成し
た。即ち、N.N′−ビス−(p−トリル)−N.N′
−ビス−(p−エチルフェニル)−3,3′−ジメチル
ベンジジン4部を電荷輸送材料とし、ポリカーボネート
Z樹脂6部と共に、モノクロロベンゼン40部に溶解さ
せ、得られた溶液を浸漬塗布装置によって、前記電荷発
生層上に塗布し、120℃、60分加熱乾燥し、膜厚2
0μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製し
た。
【0019】応用例2 電荷発生材料として、実施例2で得たクロロガリウムフ
タロシアニン結晶を使用した以外は、上記応用例1とす
べて同様にして電子写真感光体を作製した。
【0020】参考例1 電荷発生材料として、比較例1で得たクロロガリウムフ
タロシアニン結晶を使用した以外は、上記応用例1とす
べて同様にして電子写真感光体を作製した。 参考例2 電荷発生材料として、比較例2で得たクロロガリウムフ
タロシアニン結晶を使用した以外は、上記応用例1とす
べて同様にして電子写真感光体を作製した。 参考例3 電荷発生材料として、合成例で得たクロロガリウムフタ
ロシアニンを使用した以外は、上記応用例1とすべて同
様にして電子写真感光体を作製した。
【0021】これらの電子写真感光体に対して、レーザ
ープリンター改造スキャナー(XP−11改造機、富士
ゼロックス(株)製)を用いて、20℃、50%RHの
環境下で、グリッド印加電圧−600Vのスコロトロン
帯電器で帯電し(A)、780nmの半導体レーザーを
用いて、1秒後に10.0erg/cm2 の光を照射し
て放電を行い(B)、更に、3秒後に50erg/cm
2 の赤色LED光を照射して除電を行う(C)というプ
ロセスによって、各部の電位を測定した。(A)の電位
VH が高い程、感光体の受容電位が高いので、コントラ
ストを高くとることができ、(B)の電位VL は低い程
高感度であり、(C)VRPの電位は低い程残留電位が少
なく、画像メモリーやカブリが少ない感光体といえる。
また、5000回繰り返し帯電・露光後の各部の電位の
測定も行った。更に、これらの電子写真感光体に対し、
レーザープリンター(XP−11、富士ゼロックス
(株)製)を用いて、30℃、85%RHの環境下で画
質の評価を行った。使用した電荷発生材料に関して表1
にまとめて示し、また、上記測定および評価の結果を表
2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明は上記の構成を有するから、工程
が簡単であり、複雑な設備を必要とせず、コストの低減
がはかられ、良好な特性を有するハロゲン化ガリウムフ
タロシアニン結晶を安定して得ることができるという効
果を奏する。そして本発明によって製造されたハロゲン
化ガリウムフタロシアニン結晶は、電子写真特性が優れ
ており、電荷発生材料として有用であり、それを用いた
電子写真感光体は、高感度で良好な電子写真特性を示
し、カブリや黒点のない優れた画質特性を有するものと
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図2】 実施例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の分光スペクトル図を示す。
【図3】 実施例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の赤外吸収スペクトル図を示す。
【図4】 合成例で得られたクロロガリウムフタロシア
ニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図5】 比較例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガスの存在下において、ハロゲン
    化ガリウムフタロシアニンを攪拌或いは機械的歪力によ
    って乾式粉砕することにより、CuKα特性X線回折ス
    ペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の
    7.5°、16.7°、25.6°および28.4°に
    回折ピークを有し、ブラッグ角度7.5°のピークにお
    ける半値幅が0.5以上であり、ブラッグ角度7.5°
    のピークに対するブラッグ角度28.4°のピーク強度
    比が0.4ないし0.6の範囲にあるハロゲン化ガリウ
    ムフタロシアニン結晶を得ることを特徴とするハロゲン
    化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法。
JP16753794A 1994-06-28 1994-06-28 ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 Pending JPH0812897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16753794A JPH0812897A (ja) 1994-06-28 1994-06-28 ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16753794A JPH0812897A (ja) 1994-06-28 1994-06-28 ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0812897A true JPH0812897A (ja) 1996-01-16

Family

ID=15851541

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16753794A Pending JPH0812897A (ja) 1994-06-28 1994-06-28 ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0812897A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1887047A1 (en) * 1997-09-12 2008-02-13 Canon Kabushiki Kaisha Phthalocyanine compounds, process for production thereof and electrophotographic photosensitive member using the compounds

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1887047A1 (en) * 1997-09-12 2008-02-13 Canon Kabushiki Kaisha Phthalocyanine compounds, process for production thereof and electrophotographic photosensitive member using the compounds
EP1721940A3 (en) * 1997-09-12 2009-09-30 Canon Kabushiki Kaisha Phthalocyanine compounds, process for production therefore and electrophotographic photosensitive member using the compounds

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3092270B2 (ja) 新規なジクロロスズフタロシアニン結晶の製造方法及びその結晶を用いた電子写真感光体
JP2882977B2 (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の製造方法およびそれを用いた電子写真感光体
US5588991A (en) Process for producing chlorogallium phthalocyanine crystal
JP3028004B2 (ja) クロロガリウムフタロシアニンの新規な結晶の製造方法及びその結晶を用いた電子写真感光体
JP2000313819A (ja) フタロシアニン組成物及びその製造方法、並びにそれを用いた電子写真感光体
JP2907121B2 (ja) オキシチタニウムフタロシアニン結晶、その製造方法およびそれを用いた電子写真感光体
JPH0812897A (ja) ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
JPH1135842A (ja) クロロガリウムフタロシアニン結晶、その処理方法、およびそれを用いた電子写真感光体
US5510217A (en) Gallium phthalocyanine halide crystals, method for preparing the same and electrophotographic photoreceptor using the same
JP4147714B2 (ja) X型無金属フタロシアニン顔料の製造方法
JP2883027B2 (ja) 変性クロロガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法及びそれを用いる電子写真感光体
JP2004002874A (ja) チタニルオキシフタロシアニン結晶とその製法及び電子写真感光体
JP2001117246A (ja) 電子写真感光体及びプロセスカートリッジ
JP3564940B2 (ja) クロロガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
JP3470451B2 (ja) 変性クロロガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法及びそれを用いる電子写真感光体
JPH08302234A (ja) フタロシアニンの処理方法及びそれを用いる電子写真感光体
JPH09143386A (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン混合結晶及びそれを用いた電子写真感光体
JPH107927A (ja) クロロガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法及びそれを用いた電子写真感光体
JP3303602B2 (ja) クロロガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法及びその結晶を用いる電子写真感光体
JPH10130521A (ja) 変性クロロガリウムフタロシアニン結晶、その製造方法及びそれを用いた電子写真感光体
JP3395484B2 (ja) ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶とその製造方法、及びそれを用いる電子写真感光体
JPH0873768A (ja) ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法
JPH1160979A (ja) フタロシアニン顔料の処理方法およびそれを用いた電子写真感光体
JPH06234937A (ja) フタロシアニン混合結晶、その製造方法および得られた混合結晶を用いた電子写真感光体
JPH1017784A (ja) クロロガリウムフタロシアニン結晶及びその結晶分散液の製造方法