JPH0873768A - ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法

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JPH0873768A
JPH0873768A JP22906494A JP22906494A JPH0873768A JP H0873768 A JPH0873768 A JP H0873768A JP 22906494 A JP22906494 A JP 22906494A JP 22906494 A JP22906494 A JP 22906494A JP H0873768 A JPH0873768 A JP H0873768A
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phthalocyanine crystal
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chlorogallium phthalocyanine
phthalocyanine
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Kazuya Hongo
和哉 本郷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い感度と優れた耐久性を有し、結晶型の変
換操作を容易に行うことができるハロゲン化ガリウムフ
タロシアニン結晶の製造方法を提供する。 【構成】 ハロゲン化ガリウムフタロシアニンを、機械
的に粉砕した後、カルボン酸エステル系溶剤を用いて処
理し、結晶変換することを特徴とするX線回折スペクト
ルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくと
も7.4°、16.6°、25.5°および28.3°
に回折ピークを有するハロゲン化ガリウムフタロシアニ
ン結晶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化ガリウムフ
タロシアニン結晶とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体における光導電物
質としては、種々の無機系および有機系の光導電物質が
知られている。有機系の光導電物質は、それを電子写真
に使用した場合、膜の透明性、良好な成膜性、可撓性を
有し、コストが安くなる等の利点を持つ。有機系光導電
物質を使用する場合、感光体の感度および耐久性を改善
するために、電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離した
積層型電子写真感光体が提案されている。近年、従来提
案された有機光導電物質の感光波長域を、近赤外線の半
導体レーザーの波長にまで伸ばし、レーザープリンター
等のデジタル記録用の感光体として使用することの要求
が高まっており、この観点から、スクエアリリウム化合
物(特開昭49−105536号および同58−214
16号公報)、トリフェニルアミン系トリスアゾ化合物
(特開昭61−151659号公報)、フタロシアニン
化合物(特開昭48−34189号および同57−14
874号公報)等が、半導体レーザー用の光導電材料と
して提案されている。半導体レーザー用の感光材料とし
て、有機光導電物質を使用する場合、まず、感光波長域
が長波長まで伸びていること、次に、形成される感光体
の感度および耐久性がよいこと等が要求される。
【0003】これらの要求を満たすために、前記の有機
光導電物質について、精力的に研究、開発が試みられて
おり、特に、フタロシアニン化合物については、その結
晶型と電子写真特性について、多くの報告がなされてい
る。一般に、フタロシアニン化合物は、製造方法、処理
方法の違いにより、幾つかの結晶型を示し、この結晶型
の違いは、フタロシアニン化合物の光電変換特性に大き
な影響を及ぼすことが知られている。フタロシアニン化
合物の結晶型については、例えば、銅フタロシアニンに
ついてみると、安定型のβ型以外に、α、ε、π、x、
ρ、γ、δ等の結晶型が知られており、これらの結晶型
は、機械的歪力、硫酸処理、有機溶剤処理および熱処理
等により、相互に転移が可能であることが知られている
(例えば、米国特許第2,770,629号、同第3,
160,635号、同第3,708,292号、同第
3,357,989号明細書)。また、無金属フタロシ
アニンは、α、β、γおよびx等の結晶型が知られてい
る。さらにまた、クロロガリウムフタロシアニンに関し
ては、電子写真学会誌、26(3)、240(198
7)に、特定のブラッグ角度に回折ピークを有するクロ
ロガリウムフタロシアニンに結晶型について記載されて
いるが、本発明のものとは結晶型が異なるものであり、
電子写真への応用についての記載もない。一方、特開昭
59−44053号公報、信教技報CPM81−69、
39(1981)等には、電子写真への応用についての
報告があり、また、特開平1−221459号公報に
は、特定のブラッグ角度に回折ピークを有するクロロガ
リウムフタロシアニンおよびそれを用いた電子写真感光
体が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されているフタロシアニンや、前述のクロロガリウム
フタロシアニンは、光感度や耐久性は必ずしも十分とは
いえず、また、その製造に際しても、結晶型の変換操作
が複雑であったり、結晶型の制御が難しい等の問題があ
った。本発明は、従来技術の上記のような問題点を解消
するためになされたものである。すなわち、本発明の目
的は、高い感度と優れた耐久性を有し、結晶型の変換操
作を容易に行うことができるハロゲン化ガリウムフタロ
シアニン結晶の製造方法を提供することにある。また、
本発明の他の目的は、感度特性、電位保持性および画質
特性が優れた電子写真感光体を得るためのハロゲン化ガ
リウムフタロシアニン結晶の製造方法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意研究
を重ねた結果、合成によって得られたハロゲン化ガリウ
ムフタロシアニンを、機械的に粉砕した後、結晶の成長
を促す溶剤処理に付すと、同じ結晶型でありながらも溶
剤の種類により光導電材料としての特性が全く異なって
くることを見出したものであり、上記粗結晶を機械的に
粉砕した後に、特定の有機溶剤で処理することによって
得られるハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶が、電
子写真感光体用光導電材料として非常に優れた性能を発
現することを確認して、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明のハロゲン化ガリウムフ
タロシアニンを、機械的に粉砕した後、カルボン酸エス
テル系溶剤を用いて処理して、結晶変換することを特徴
とするX線回折スペクトルにおけるブラッグ角度(2θ
±0.2°)の少なくとも7.4°、16.6°、2
5.5°および28.3°に回折ピークを有するハロゲ
ン化ガリウムフタロシアニン結晶の製造方法である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶は、Cu
Kα特性X線に対するブラッグ角度(2θ±0.2°)
の少なくとも、7.4°、16.6°、25.5°およ
び28.3°に主要な回折ピークを有するものであり、
次のようにして得ることができる。
【0008】まず、原料のハロゲン化ガリウムフタロシ
アニンは、公知の方法によって合成される。例えば、フ
タロニトリルまたはジイミノイソインドリンと金属塩化
物とを加熱溶解または有機溶媒の存在下で、加熱するフ
タロニトリル法、無水フタル酸を尿素および金属塩化物
と加熱溶解または有機溶媒の存在下で加熱するワイラー
法、シアノベンズアミドと金属塩とを高温で反応させる
方法、ジリチウムフタロシアニンと金属塩とを反応させ
る方法等によって合成する。原料のハロゲン化ガリウム
フタロシアニンとしては、CuKa特性X線に対するブ
ラッグ角度(2θ±0.2°)の少なくとも、11.0
°、13.5°および27.1°に強い回折ピークを有
するものが好ましく使用される。
【0009】上記の合成法において使用する有機溶媒と
しては、α−クロロナフタレン、β−クロロナフタレ
ン、メトキシナフタレン、ジフェニルエタン、エチレン
グリコール、ジアルキルエーテル、キノリン、スルホラ
ン、ジメチルスルホキシド、ジクロロベンゼン、ジクロ
ロトルエン等の反応不活性な高沸点の溶媒が望ましい。
上記の方法により得られたハロゲン化ガリウムフタロシ
アニンを機械的に粉砕する手段としては、振動ミル、自
動乳鉢、遊星ボールミル、サンドミル、アトライター、
ローラーミル、ニーダー、ボールミル等の粉砕装置を用
いることができるが、これらに限定さるものではない。
また、必要に応じて、食塩、ぼう硝やメタノール、エタ
ノール、トリエタノールアミン、エチレングリコール、
ステアリン酸、リグニン等の粉砕後容易に除去可能な粉
砕助剤を併用することも可能である。粉砕助剤の添加量
としては、ハロゲン化ガリウムフタロシアニンの0.1
〜5重量%が好ましい。粉砕助剤が多すぎると付着の原
因となり、粉砕効率が低下し、粉砕助剤が0.1重量%
より少ないと粉砕助剤としての効果が小さい。
【0010】本発明で用いるカルボン酸エステル系溶剤
としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、
酢酸n−プロピル、酢酸n−ペンチル、酢酸イソペンチ
ル、酢酸ベンジル、酢酸フェニル、ギ酸メチル、プロピ
オン酸エチル、n−酢酸エチル、n−吉草酸エチル、ス
テアリン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、
フェニル酢酸エチル、フェニル酢酸イソプロピル、シュ
ウ酸メチル、マロン酸エチル、アジピン酸エチル、マレ
イン酸エチル、フタル酸エチル等の有機溶媒があげら
れ、これらは単独または混合溶媒として用いることがで
きる。
【0011】溶剤処理において、ハロゲン化ガリウムフ
タロシアニンとカルボン酸エステル類の使用割合には特
に制限はないが、両者の接触効率から1:5〜1:10
0の範囲が好ましい。また、ハロゲン化ガリウムフタロ
シアニンとカルボン酸エステル類との処理温度は、0℃
〜200℃、好ましくは20℃〜150℃の範囲であ
る。処理温度が高すぎるとフタロシアニンの一部が分解
する恐れがあり、低すぎると結晶変換の進行に長時間を
要し実用的でない。処理時間は処理温度とカルボン酸エ
ステル類の使用量によって決まるが、25℃の場合で1
〜50時間が好ましい。
【0012】処理方法に特に制限はないが、ガラスビー
ズ、スチールビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビー
ズ、ストーンビーズ等の粉砕メディアとともに、ボール
ミル、アトライター、サンドミル、ダイノーミル、コボ
ールミル等を用いる公知の方法で湿式粉砕するか、また
は撹拌槽内で混合する方法が好ましい。以上のような処
理方法において、前述したハロゲン化ガリウムフタロシ
アニン結晶が同じ結晶型でありながらも、溶剤の種類に
より、不純物に対する溶解力の差またはハロゲン化ガリ
ウムフタロシアニン結晶に対する溶解力の差に基づく結
晶の成長方向、成長速度等の相違による結晶表面欠陥が
微妙に異なるものと推測される。
【0013】次に、上記の処理方法により得られるハロ
ゲン化ガリウムフタロシアニン結晶を感光層に含有する
電子写真感光体について説明する。本発明を利用して得
られる電子写真感光体は、感光層が単層構造のもので
も、あるいは電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離され
た積層構造のものでもよい。電子写真感光体において、
導電性支持体としては、電子写真感光体において使用さ
れるものであれば、何如なるものでも使用できる。ま
た、必要に応じて、導電性支持体の表面は、画質に影響
のない範囲で各種の処理を行うことができる。例えば、
表面の陽極酸化処理、液体ホーニング等による粗面化処
理、薬品処理、着色処理等を行うことができる。
【0014】積層型感光体の場合には、導電性支持体上
には少なくとも電荷発生層と電荷輸送層とが積層された
感光層が設けられるが、その積層の順序はいずれが基体
側にあってもよい。本発明における電荷発生層は、ハロ
ゲン化ガリウムフタロシアニン結晶と適当な結着樹脂溶
液とより構成される。なおこの時、結着樹脂は無くとも
よい。本発明における電子写真感光体では、電荷発生材
料として本発明のハロゲン化ガリウムフタロシアニン結
晶に他の公知の電荷発生材料を併用してもよい。一方、
結着樹脂としては、公知のものならば何如なるものでも
使用できる。例えばポリカーボネート、ポリスチレン、
ポリエステル、メタクリル酸エステル重合体、ポリビニ
ルブチラール、ポリアセタール、酢酸ビニル重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、
セルロースエーテル、ポリブタジエン、ポリウレタン、
エポキシ樹脂等があげられる。電荷発生材料と結着樹脂
の配合比は、40:1〜1:4、好ましくは20:1〜
1:2である。電荷発生材料の比率が高すぎる場合に
は、塗布溶液の安定性が低下し、低すぎる場合には、感
度が低下するので、上記の範囲にするのが好ましい。
【0015】分散に使用される溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド等の有機溶剤あるいはこれ
らの混合溶剤をあげることができる。分散手段としては
サンドミル、コロイドミル、アトライター、ボールミ
ル、ダイノーミル、コボールミル、ロールミル等の方法
が利用できる。塗布方法としては、ブレードコーティン
グ法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティ
ング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、
カーテンコーティング法等の方法を用いることができ
る。電荷発生層の膜厚は、0.01〜5μm、好ましく
は0.03〜2μm程度である。
【0016】電荷輸送層は、電荷輸送材料と成膜性樹脂
とから構成されるもので、電荷輸送材料としては、N,
N′−ジフェニル−N,N′−ビス−(m−トリル)ベ
ンジジン、N,N′−ビス−(p−トリル)−N,N′
−ビス−(p−エチルフェニル)−3,3′−ジメチル
ベンジジン、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−
2,2−ジフェニルヒドラゾン、p−(2,2−ジフェ
ニルビニル)−N,N−ジフェニルアニリン等、公知の
ものであればいずれのものでも使用できる。成膜性樹脂
としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレー
ト、ポリスチレン、ポリエステル、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリスルホン、ポリメタリル酸エス
テル、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、ポリ
オレフィン等があげられる。これらの中でも、耐久性の
点でポリカーボネートが好適である。電荷輸送材料と成
膜性樹脂の配合比(重量)は、5:1〜1:5、好まし
くは3:1〜1:3である。電荷輸送材料の比率が高す
ぎる場合には、電荷輸送層の機械的強度が低下し、低す
ぎる場合には、感度が低下するので、上記の範囲にする
のが好ましい。また、電荷輸送材料が成膜性を有する場
合には、上記成膜性樹脂を省くこともできる。電荷輸送
層は、上記電荷輸送材料と成膜性樹脂とを適当な溶剤に
溶解し、塗布することによって形成するが、膜厚は、5
〜50μm、好ましくは10〜40μmの範囲になるよ
うに形成するのが好ましい。これらの感光層の塗布方法
としては、前述のいずれかの方法を用いることができ
る。
【0017】感光層が単層構造を有する場合において
は、感光層はハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶お
よび電荷輸送材料が成膜性樹脂に分散された光導電層よ
りなる。ここで、電荷輸送材料としては、公知のもので
あればいずれのものでも使用でき、成膜性樹脂として
は、上記と同様なものが使用され、前述のいずれかの方
法によって感光層が形成される。このときの電荷輸送材
料と成膜性樹脂との配合比(重量)は、1:20〜5:
1、ハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶と電荷輸送
材料との配合比(重量)1:10〜10:1程度に設定
するのが好ましい。
【0018】また、上記電子写真感光体は、必要に応じ
て、感光層と基体の間に下引き層を設けてもよい。下引
き層は、基体からの不必要な電荷の注入を阻止するため
に有効であり、感光体の帯電性を高くする作用がある。
さらに、感光層と基体との接着性を向上させる作用も有
している。さらに、電子写真感光体は、耐刷性を改善す
るために、感光層の上に保護層を設けてもよい。上記の
電子写真感光体は、電子写真複写機に効果的に使用され
るが、さらにレーザービームプリンター、LEDプリン
ター、CRTプリンター、マイクロフィルムリーダー、
普通紙FAX、電子写真製版システム等に適用可能であ
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。なお、実施例において、「部」は「重量部」を
意味する。 合成例(クロロガリウムフタロシアニンの結晶) 1,3−ジイミノイソインドリン30部、三塩化ガリウ
ム9.1部をキノリン230部中に入れ、200℃にお
いて4時間反応させた後、生成物を濾別し、NN−ジメ
チルホルムアミドおよびメタノールで洗浄し、次いで湿
ケーキを乾燥後、クロロガリウムフタロシアニン結晶2
8部を得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結
晶の粉末X線回折図を図1に示す。
【0020】実施例1 合成例で得られたクロロガリムフタロシアニン結晶20
部を、12mmφアルミナ製ビーズ200部とともに、
アルミナ製ポットに入れた。これを振動ミル(MB−1
型、中央化工機社製)に装着し、100時間粉砕した。
得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線
回折図を図2に示す。次いで、この結晶10部を5mm
φガラスビーズ150部、安息香酸エチル100部とと
もに25℃で6時間ボールミリングした後、瀘別し、湿
ケーキを減圧乾燥してクロロガリウムフタロシアニン結
晶9部を得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン
結晶の粉末X線回折図を図3に示す。また、この時のク
ロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径を、レーザ
回折散乱式粒度分布測定装置(LA700、堀場製作所
製)により測定したところ、0.08μmであった。
【0021】実施例2 実施例1と同様の方法で粉砕したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶1.0部を、酢酸n−ブチル300部とと
もの反応フラスコ中で60℃、2時間撹拌した後、結晶
をメタノール50部で洗浄し、減圧乾燥してクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶を得た。得られたクロロガリウ
ムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は図3と同様の
スペクトルを示し、この時のクロロガリウムフタロシア
ニン結晶の平均粒径は、0.15μmであった。
【0022】実施例3 実施例1と同様の方法で粉砕したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶10部を、5mmφガラスビーズ150
部、フェニル酢酸エチル100部とともに25℃で6時
間ボールミリングした後、瀘別し、メタノール500部
で洗浄し、湿ケーキを減圧乾燥してクロロガリウムフタ
ロシアニン結晶9部を得た。得られたクロロガリウムフ
タロシアニン結晶の粉末X線回折図は図3と同様のスペ
クトルを示し、この時のクロロガリウムフタロシアニン
結晶の平均粒径は、0.10μmであった。
【0023】比較例1 実施例1と同様の方法で粉砕したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶10部を、5mmφガラスビーズ150
部、クロロベンゼン100部とともに25℃で6時間ボ
ールミリングした後、瀘別し、メタノール500部で洗
浄し、湿ケーキを減圧乾燥してクロロガリウムフタロシ
アニン結晶9部を得た。得られたクロロガリウムフタロ
シアニン結晶の粉末X線回折図は図3と同様のスペクト
ルを示し、この時のクロロガリウムフタロシアニン結晶
の平均粒径は、0.12μmであった。
【0024】比較例2 実施例1と同様の方法で粉砕したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶1.0部を、ジメチルホルアミド300部
とともに反応フラスコ中で60℃、2時間撹拌した後、
結晶メタノール50部で洗浄し、減圧乾燥してクロロガ
リウムフタロシアニン結晶を得た。得られたクロロガリ
ウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図は図3と同様
のスペクトルを示し、この時のクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の平均粒径は、0.20μmであった。
【0025】比較例3 実施例1と同様の方法で粉砕したクロロガリウムフタロ
シアニン結晶10部を、5mmφガラスビーズ150
部、エチレングリコール100部とともに25℃で20
時間ボールミリングした後、瀘別し、メタノール500
部で洗浄し、湿ケーキを減圧乾燥してクロロガリウムフ
タロシアニン結晶9部を得た。得られたクロロガリウム
フタロシアニン結晶の粉末X線回折図は図4に示した。
この時のクロロガリウムフタロシアニン結晶の平均粒径
は、0.11μmであった。
【0026】応用例1〜3 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBM−S、積水
化学工業社製)3部を予め、キシレン/酢酸n−ブチル
=1/5の混合溶液100部に溶解した溶液に、実施例
1〜3でそれぞれ得られたクロロガリウムフタロシアニ
ン結晶3部を加え、24時間サンドミルで分散し、前記
キシレン/酢酸n−ブチル混合溶液で希釈し、固形分濃
度3.0重量%の電荷発生層形成用塗布液を調整した。
得られた塗布液を、浸漬塗布装置によって、アルミニウ
ム基板上に塗布し、100℃において10分間加熱乾燥
し、0.20μm厚の電荷発生層を形成した。形成され
た電荷発生層の上に電荷輸送層を形成した。すなわち、
N,N′−ビス−(p−トリル)−N,N′−ビス−
(p−エチルフェニル)−3,3′−ジメチルベンジジ
ン4部を電荷輸送材料とし、ポリカーボネートZ樹脂6
部とともに、モノクロロベンゼン40部に溶解させ、得
られた溶液を浸漬塗布装置によって、前記電荷発生層上
に塗布し、120℃60分加熱乾燥し、20μm厚の電
荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。以上に
ようにして作製された電子写真感光体の電子写真特性
を、下記のようにして測定した。静電複写紙試験装置
(EPA−8100、川口電気社製)を用いて、20
℃、50%RHの環境下に−6kVのコロナ放電により
感光体を帯電させた後、タングステンランプの光を、モ
ノクロメーターを用いて800nmの単色光に分光し、
感光体表面上で1μW/cm2 になるように調整し、照
射した。そして、その表面電位が初期V0 (V)の1/
2になるまでの露光量E1/2(erg/cm2 ) を測定し、その
後10ルックスのタングステンランプの光を1秒間感光
体表面上に照射し、残留電位VR を測定した。さらに、
上記の帯電、露光を1000回繰り返した後のV0 、E
1/2 、VR を測定した。それらの結果を、下記の参考比
較例1〜3と併せて後記の表1に示した。
【0027】参考比較例1 比較例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
を用いた以外は、応用例1と同様の方法で電荷発生層と
電荷輸送層を形成し、作製された電子写真感光体を応用
例1と同様の方法で評価した。 参考比較例2 比較例2で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
を用いた以外は、応用例1と同様の方法で電荷発生層と
電荷輸送層を形成し、作製された電子写真感光体を応用
例1と同様の方法で評価した。 参考比較例3 比較例3で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶
を用いた以外は、応用例1と同様の方法で電荷発生層と
電荷輸送層を形成し、作製された電子写真感光体を応用
例1と同様の方法で評価した。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、上記のようにハロゲン
化ガリウムフタロシアニンを機械的に粉砕した後、カル
ボン酸エステル類で処理するという簡便な製造方法で、
感光波長域が長波長まで伸びた高感度なハロゲン化ガリ
ウムフタロシアニン結晶を得ることができる。また、上
記のハロゲン化ガリウムフタロシアニン結晶を用いて作
製される電子写真感光体は、高感度で、良好な電子写真
特性を有しており、繰り返し使用しても安定した特性を
示すことから、耐久性に優れた電子写真感光体として利
用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 合成例で得られたクロロガリウムフタロシア
ニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図2】 実施例1で粉砕されたクロロガリウムフタロ
シアニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図3】 実施例1で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。
【図4】 比較例3で得られたクロロガリウムフタロシ
アニン結晶の粉末X線回折図を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化ガリウムフタロシアニンを、
    機械的に粉砕した後、カルボン酸エステル系溶剤を用い
    て処理して、結晶変換することを特徴とするX線回折ス
    ペクトルにおけるブラッグ角度(2θ±0.2°)の少
    なくとも7.4°、16.6°、25.5°および2
    8.3°に回折ピークを有するハロゲン化ガリウムフタ
    ロシアニン結晶の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001089481A (ja) * 1999-09-22 2001-04-03 Canon Inc フタロシアニン化合物の製造方法、ガリウムフタロシアニン化合物を用いた電子写真感光体及び該電子写真感光体を備えたプロセスカ−トリッジ並びに電子写真装置

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