JPH08127845A - 黒鉛鋼及びその製品と製造方法 - Google Patents

黒鉛鋼及びその製品と製造方法

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JPH08127845A
JPH08127845A JP7009004A JP900495A JPH08127845A JP H08127845 A JPH08127845 A JP H08127845A JP 7009004 A JP7009004 A JP 7009004A JP 900495 A JP900495 A JP 900495A JP H08127845 A JPH08127845 A JP H08127845A
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James A Brusso
ジェイムズ・エイ・ブラッソ
George T Matthews
ジョージ・ティ・マシューズ
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明による黒鉛鋼合金の組成は、重量%
で約1.0〜1.5%の炭素、0.7〜2.5%のシリ
コン、0.3〜1.0%のマンガン、2.0%以下のニ
ッケル、0.5%以下のクロム、0.5%以下のモリブ
デン、0.1%以下の硫黄、0.5%以下のアルミニウ
ム、そして、残りの鉄及び不純物からなる。更に、カル
シウム及びマグネシウムを各別に又は組み合わせて0.
01重量%まで、希土類金属を全体で0.100重量%
まで、そしてボロンを0.0050重量%まで、それぞ
れ添加してもよい。 【効果】 黒鉛鋼を熱間加工によって種々の形状に加
工することができ、そのコア特性及びマトリクス炭素含
有率を、その組成と後の熱・機械的処理によって調整す
ることができる。このようにして製造された鋼製品は、
機械加工の前に所望のミクロ組織と特性とを達成するこ
とができ、機械加工後にさらなる熱処理を必要としな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械加工性を改善した
黒鉛鋼、それを用いた製品、そしてその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】棒材、インゴット片(billets)、鍛造
物、又は高い機械的性質及び耐磨耗性を有する管状物か
ら製造される製品において、一般に機械加工がその製造
コストの大きな部分を占める。この点に関して、機械加
工が製造コストの50%もを占めることも珍しくない。
従って、製品コストを下げるためには、機械加工性が高
い鋼が求められる。これらの製品は機械特性、特に強度
が要求されるため、このような鋼の機械加工が、所望の
使用可能な強度で行われる場合は特に問題である。
【0003】これら鋼の機械加工性を改善するのに一般
的に使用されている一つの方法として、機械加工の前に
軟化熱処理を行い、機械加工の後に再び熱処理を施して
硬化する方法がある。しかし、これらの熱処理には追加
コストが必要であり、一方、これらの熱処理に必要なエ
ネルギコストを下げることも重要である。一つの解決方
法として、例えば、ミクロ合金化鋼(microalloyed stee
l)を使用することによって、用途に必要な強度で製品を
機械加工する方法がある。この方法においては、機械加
工を容易にするために、これらの材料の機械加工性の改
善がますます要望されている。材料の機械加工性を改善
する方法として現在いくつかが知られているが、これら
の方法には以下のように固有の欠点がある。
【0004】鋼の機械加工性を、硫黄(S)、鉛(P
b)、ビスマス(Bi)、テルル(Te)、セレン(S
e)等の種々の添加物を加えることによって改善するこ
とが知られている。これまでのところ、添加物として硫
黄が最も広く用いられている。硫黄は硫化マグネシウム
(MnS)含有物を形成し、これが工具との界面におけ
る潤滑剤及びストレスライザ(stress riser)として働
き、チップ(切粉)の切れ易さ(chip breakage)を高め
てチップ処理性(chip disposability)を改善する。しか
し、MnS含有物は材料の機械的性質に悪影響を与える
ので、硫黄の添加によって鋼の機械加工性を改善できる
範囲には限界がある。
【0005】テルルとセレンとは、硫化マグネシウムの
粒状化(globurizing)と別の「硫化物状」含有物の形成
とによって鋼の機械加工性を改善することができる。し
かし、テルルやセレンを機械加工性を改善できるレベル
にまで添加すると、鋼材の熱間加工性が劣化し、「ホッ
トショートネス(hot shortness)」問題、即ち、高温で
の処理における脆さの問題が生ずる。これらの添加剤の
主な利点は、横方向特性(transverse properties)を改
善し、これによって機械加工性をいくらか改善すべく硫
黄をさらに含有させることを可能にすることにある。
【0006】鉛は、鋼の機械加工性を改善させる添加物
として、いくつかの利点を有する。即ち、鉛は溶融温度
が低いことから切削工具とワークピースとの間の潤滑剤
として作用し、これによって工具の寿命が大幅に改善さ
れる。また、鉛はストレスライザ及び/又は溶融金属脆
化剤としても働き、チップ処理性を改善する。機械加工
性の改善に鉛が有効なレベルでは機械的性質に対する鉛
の影響はごく僅かである。さらに、硫黄、テルル又はセ
レンに比べて鉛は機械加工性の改善に一層効果的であ
る。しかし、鉛は環境に悪影響を及ぼすので、鉛含有鋼
に代わる製品を開発することが鋼製造業者にますます強
く求められている。
【0007】ビスマス(Bi)は化学的に鉛と類似して
おり、機械加工性の改善作用についても鉛の場合に非常
に類似している。ビスマスの環境に及ぼす影響について
は十分には調べられておらず、また理解もされていない
が、ビスマスで合金化する場合には鉛で合金化する場合
と同様の注意が必要であろう。更に、ビスマスは高価で
あるため、鉛の経済的な代替物にはなり得ない。
【0008】鋼の機械加工性を改善する別の試みは、主
として、黒鉛鋼の開発に関するものである。初期の黒鉛
鋼は、主に熱処理によって黒鉛化された工具鋼であっ
た。機械加工性の改善もあったが、黒鉛化の主な目的は
鋼の潤滑特性を高めて、例えば、ダイ(型)の寿命を改
善することにあった。これらの鋼材において、硬化処理
中に必要な熱処理反応を維持するために、黒鉛化の程度
は制限されていた。
【0009】もっと最近の黒鉛鋼の開発にあっては、快
削鋼に匹敵する機械加工性を得るためにより高度な黒鉛
化が必要とされている。これらの鋼は、合金中のすべて
の炭素が黒鉛として凝結する鉄・黒鉛ミクロ組織を実現
するために、比較的長い黒鉛化熱処理を必要とする。し
かし、機械加工性は改善されるものの、この状態での黒
鉛鋼は、機械加工後に硬化熱処理を施さない限り、機械
的性質の点で大半の構造体としての用途に適さない。熱
処理はコストが高く時間もかかるので、これらの鋼はク
ランクシャフトやリングギアといった製品にはあまり適
していない。
【0010】より高い機械的性質が求められ、構造体と
して一層小型の製品(パワー密度)が求められるにつれ
て、鋳鉄は精錬鋼に取って代わられつつある。鋳鉄の主
な欠点は、本来的に脆く熱延性が欠如していることか
ら、機械的性質の改善が難しいことにある。最近、機械
加工後の熱処理を必要とせずに、熱間加工温度から冷却
するだけで必要な機械的性質が得られるミクロ合金化鋼
が大きな注目を集めている。一方、ミクロ合金化鋼の問
題点は、特に深穴ドリルにおいて、鋳鉄のようなチップ
制御(chip control)が得られないことである。硫黄及び
/又は鉛の含有率を増加させればミクロ合金化材の機械
加工性を改善できるが、前述のような問題が発生する。
本発明の黒鉛鋼は、このような多くの欠点を解決する手
段を提供するものである。
【0011】
【発明の開示】本発明は、熱間加工温度からの制御され
た冷却によって黒鉛化され、組成及び熱・機械的処理を
通して、ミクロ合金化(非黒鉛)鋼と同様の特性である
所望のコア硬度が得られる黒鉛鋼に関する。本発明の黒
鉛鋼は、更に熱処理を施すことによって、種々の強度レ
ベル及び/又はマトリクス炭素含有率、そして異なる黒
鉛含有率及び/又は分布を提供することもできる。本発
明は、更に伝統的な焼入れ及び焼戻し技術を用いて硬化
することにより、焼戻しマルテンサイト組織内に黒鉛を
分散させることもできる。マトリクス炭素含有率を調整
することにより、本発明の鋼は誘導加熱による硬化(高
周波焼き入れ)を施すこともできる。機械加工性、つま
り工具寿命及びチップ(切粉)の切れ易さについては、
本発明の黒鉛鋼は、強度レベルが等しい鉛鋼又はビスマ
ス鋼のそれと同程度、又はそれを上回ることができる。
【0012】本発明による黒鉛鋼合金の組成は、基本的
には、重量%で約1.0〜1.5%の炭素(C)、0.
7〜2.5%のシリコン(Si)、0.3〜1.0%の
マンガン(Mn)、2.0%以下のニッケル(Ni)、
0.5%以下のクロム(Cr)、0.5%以下のモリブ
デン(Mo)、0.1%以下の硫黄(S)、0.5%以
下のアルミニウム(Al)、そして、残りの鉄(Fe)
及び不純物からなる。更に、カルシウム(Ca)及びマ
グネシウム(Mg)を各別に又は組み合わせて0.01
重量%まで、希土類金属(REM)を全体で0.100
重量%まで、そしてボロン(B)を0.0050重量%
まで、それぞれ添加してもよい。好ましくは、この鋼
は、約0.2〜0.8重量%の範囲に調整された炭素含
有率を有し、その炭素含有量全体の約0.3〜1.3重
量%は黒鉛の形で存在する。本発明に特有の特徴とし
て、マトリクス炭素含有量及び強度レベルが合金の化学
組成と熱・機械的処理とによって調整され、機械加工後
の熱処理は不要である。
【0013】更に好ましくは、本発明による黒鉛鋼合金
の組成は、基本的には、重量%で約1.15〜1.35
%の炭素、1.50〜2.0%のシリコン、0.35〜
0.70%のマンガン、0.06%以下の硫黄、0.0
2〜0.2%のアルミニウム、0.5%以下のクロム、
0.1%以下のモリブデン、0.50%以下のニッケ
ル、そして残りの鉄及び不純物からなる。又、前述の比
率のCa、REM及びBを添加することもできる。
【0014】本発明の黒鉛鋼は、1050〜1150℃
の温度範囲で、例えば圧延、穿孔又は鍛造によって熱間
加工し、その後、空冷又は強制冷却(controlled coolin
g)によって所望の程度の黒鉛化/マトリクス炭素と機械
的性質とを得る。更に熱間加工によって所望の形状とし
た後、冷却及び/又は熱処理を施すことにより、所望の
ミクロ組織及び機械的性質を得ることもできる。好適な
ミクロ組織の一例は、フェライト、パールライト、及び
黒鉛からなり、通常、マトリクス炭素含有率が共析(eut
ectoid)炭素含有率を越えないものである。
【0015】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、黒鉛鋼を
熱間加工によって種々の形状に加工することができ、そ
のコア特性及びマトリクス炭素含有率を、その組成と後
の熱・機械的処理によって調整することができる。この
ようにして製造された鋼製品は、機械加工の前に所望の
ミクロ組織と特性とを達成することができ、機械加工後
にさらなる熱処理を必要としない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面に基づ
いて具体的に説明する。鋼は、黒鉛鋼の製造における従
来の方法によって溶解される。好ましい方法は、キルド
鋼(killed steel)に通常使用される電気炉で鋼を溶融す
る方法である。本発明においてカルシウム、マグネシウ
ム及び希土類金属(REM)は必須ではないが、これら
の元素を黒鉛化の促進のために使用してもよい。インゴ
ットは、圧延温度に維持された均熱炉(soaking pits)内
に直接置いてもよいし、あるいは、モールド(型)又は
均熱炉内で周囲温度までゆっくりと冷却してもよい。好
ましくは、低温インゴットを低温均熱炉(250℃)内
に置き、約35℃/時の加熱速度で少なくとも650℃
までゆっくりと加熱して、「スプラング鋼(sprungstee
l)」、つまり、鋳造高炭素鋼(as-cast high carbon ste
el)にみられるストレスによる亀裂の発生を減らす。連
続鋳造ブルームは、再加熱炉に直接投入してもよいし、
あるいは、周囲温度までゆっくりと冷却してもよく、好
ましくはインゴットと類似の方法によって再加熱され
る。
【0017】鋼は、約1050〜1150℃の温度で圧
延又は鍛造される。最適の熱間処理温度は、主に化学組
成によって決まる。材料の加熱は炉加熱でも高周波誘導
加熱でもよいが、均熱温度における均熱化時間(soaking
time)は、前の熱間処理から存在する黒鉛炭素を再溶融
化するのに十分な長さでなければならない。更に、鋼を
過熱したり「燃やす」ことがないように注意しなければ
ならない。さもなければ、高温加工性が大幅に劣化して
しまう。好ましい熱間処理完了温度は850℃以上であ
る。ビレット又は棒材は空冷又は強制冷却され、その化
学組成に基づく所望のマトリクス炭素含有量と機械的性
質がを得られる。あるいは、更に加工されてシームレス
チューブや鍛造部品のような製品になる。熱間加工温度
は、最適の高温圧延性を得るために、前述の範囲内で選
択される必要がある。再び、製品は空冷又は強制冷却さ
れ、所望のミクロ組織と機械的性質とを得ることができ
る。更に、これらの製品を熱処理して、他の用途のため
に達成可能な組織/特性を広げることもできる。
【0018】一連の合金(表1及び2)を溶解して、圧
延、穿孔、及び/又は鍛造によって熱加工し、その黒鉛
炭素を調べた。本発明の範囲内において化学組成を調整
し処理することによって、熱間加工温度からの冷却によ
り黒鉛が形成される。黒鉛化の程度と、関連するマトリ
クス炭素含有量、及び機械的性質は、熱・機械的処理に
よって更に調整される。本発明に特有の特徴は、機械加
工後に追加の硬化処理を行わずに所望の機械的性質を達
成しながら、前述の組成の鋳鉄又は鋳鋼を精錬したもの
(wrought version)を製造することができることにあ
る。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】マトリクス炭素含有率は、合金化学組成と
熱・機械的処理とによって調整される。ここでマトリク
ス炭素とは、黒鉛化ののち合金中に残存する非黒鉛炭素
のことであり、これはミクロ組織中のパーライトの存在
に直接寄与し、より高い硬度レベルを許容する。
【0022】本発明に特有の側面として、マトリクス炭
素含有率と強度レベルとが熱・機械的処理と合金化学組
成とによって調整される。従って、沈積して逆に特定の
マトリクス炭素含有率を達成する黒鉛の量(重量%C)
は決まっている。例えば、1.25重量%の炭素を含有
する合金の場合、0.75重量%の炭素が黒鉛の形で沈
積する場合のみ、0.5重量%のマトリクス炭素含有率
を達成できる。あるいは、1.05重量%の炭素が黒鉛
として沈積する場合のみ、0.2重量%のマトリクス炭
素含有率を達成できる。本発明において、ゼロ近くから
0.8重量%まで、あるいはそれ以上の範囲のマトリク
ス炭素含有率を達成できる。主要な用途においては、
0.2〜0.8重量%の範囲のマトリクス炭素含有率が
必要である。マトリクス炭素含有率の調整に加えて、本
発明は更に、所定のマトリクス炭素含有率における一定
範囲の強度レベルを達成するための化学的調整及び処理
方法を提供する。上述の例では、マトリクス炭素含有率
が0.5重量%である場合、化学組成を調整することに
よって硬度を約250〜350BHNの範囲で調整する
ことができる。又、種々の公知の熱・機械的処理方法に
よって更に黒鉛分布を調整することもできる。
【0023】その結果得られる鋼は、従来の鋼と類似の
方法によって特定の領域において高周波硬化することが
でき、その黒鉛鋼は、同等の強度レベルの従来の鋼や延
性鋳鉄に比べて機械加工性において優れたものである。
【0024】本発明による黒鉛鋼の大まかな組成は、重
量百分率で、1.0〜1.5%のC、0.7〜2.5%
のSi、0.3〜1.0%のMn、2.0%以下のN
i、0.5%以下のCr、0.5%以下のMo、0.1
%以下のS、及び約0.5%以下のAlからなる。これ
ら種々の合金元素が果たすと推定される作用は次の通り
である。
【0025】C:1.0〜1.5重量% 炭素は、黒鉛化に必要であると共にマトリクスに強度を
与える。1.0%以下の量では、熱間加工に続く冷却に
おいて黒鉛化が大幅に減少してしまう。炭素含有率が
1.5%以上であると、熱間加工温度が大幅に制限され
ることにより、熱間延性が大きく減少する。熱間加工性
と適当な黒鉛化を維持するためには、炭素当量(CE=
%C+1/3%Si)を約1.75〜2.1の範囲に維
持すべきである。
【0026】Si: 0.7〜2.5重量% シリコンは非常に強力な黒鉛化剤であり、黒鉛形成を促
進するために必要とされる。更にシリコンは、フェライ
トの強度と鋼の焼き入れ性とを高めるためにも有効であ
る。適当な高温延性と黒鉛化とを得るためには、シリコ
ン含有率を炭素含有率とバランスさせなければならな
い。0.7%以下のシリコン含有率では前述の範囲の必
要な炭素当量を達成することができない。
【0027】Mn: 0.3〜1.0重量% マンガンは必須であり、MnSを形成するために、そし
て鋼のホットショートネスの原因となるFeSの形成を
防ぐために、硫黄とバランスさせなければならない。マ
ンガンはセメンタイトの形成を促進し、硫黄との結合に
必要な量を越えないようにする必要がある。過剰のマン
ガンは黒鉛化を抑制するので、焼き入れ性のためにだけ
注意して添加する必要がある。
【0028】S: 0.1重量%以下 硫黄はマンガンと結合してMnSを形成し、機械加工性
を改善する一方、機械的性質を劣化させてしまう。従っ
て、使用目的に応じて硫黄含有率をマンガンとバランス
させる必要がある。過剰な硫黄は、やはり黒鉛化を抑制
するので、MnSの追加によって得られる機械加工性の
改善が黒鉛の減少から生じる機械的性質の損失を上回る
場合のみ添加されるべきである。
【0029】Al: 0.5重量%以下 アルミニウムは強力な黒鉛化剤であり、スフェロイド黒
鉛の形成を促進する。アルミニウムのレベルが高くなる
と、アルミニウムが黒鉛化に及ぼす影響は飽和する。
【0030】Ni: 2.0重量%以下 ニッケルは、黒鉛化と焼き入れ性とを高めるが、所望の
焼き入れ性と強度レベルを達成するためにのみ添加され
るべきである。
【0031】Cr,Mo: それぞれ0.5重量%以下 クロム及びモリブデンは強力なカーバイド形成元素であ
り、黒鉛の形成傾向を減少させる。これらの元素は、所
望の焼き入れ性と強度レベルとを達成するためにのみ添
加されるべきである。
【0032】上に挙げた元素の他に、所望の場合は以下
の元素を添加することも可能である。
【0033】Ca,Mg: それぞれ0.01重量% カルシウム及びマグネシウムは、鋼における黒鉛の形成
を促進する。それぞれ別個に、あるいは組み合わせて添
加することができる。
【0034】REM: 全部で0.100重量%以下 希土類金属(REM)は、鋼における黒鉛の形成を促進
する。REMをミッシュメタル(mischmetal)として添加
することが好ましい。
【0035】B: 0.0050重量%以下 ボロンは、窒素と結合して鋼における自由窒素を減少さ
せ、黒鉛化を促進する。
【0036】本発明によって製造された具体的な黒鉛鋼
合金は以下の通りである。 〔例I〕合金671(表1)は、45kgの真空誘導溶
融(VIM)実験室ヒートを示す。直径約130mmの
インゴットを1121℃で4:1の縮小率で鍛造し、靜
空冷(still-air cooled)した。鍛造後硬度(as-forged h
ardness)は290BHN(ブリネル硬度)であった。図
1に示すように、ミクロ組織は黒鉛、フェライト、及び
パーライトから構成されている。黒鉛としての炭素の含
有率は約0.67重量%であり、マトリクス炭素含有率
は約0.55重量%Cである。この合金にドリルテスト
を行った。その結果を、同程度の強度の従来の鋼(41
40及びS38MS1V)、鉛鋼(41L50)及びビ
スマス鋼(4140+Bi)についての結果とともに図
2に示す。図2から明らかなように、本発明の黒鉛鋼
は、従来の鋼に比べて優れたドリル寿命を提供し、更
に、そのドリル寿命は、特定のドリル条件下において従
来の鉛鋼とビスマス鋼とに匹敵する。また、機械加工に
よって発生する金属チップ(切粉)に関しては、図3に
示すように、本発明による黒鉛鋼はチップが切れやす
く、ドリル作業中において優秀なチップ制御性を有して
いる。
【0037】黒鉛鋼合金の組織と特性とを、種々の熱処
理によって更に改良し、広範囲のコア機械的性質を達成
することができる。例えば、図4は、鍛造後の材料にさ
らに熱処理を施した後の硬度170BHNの同じ合金6
71についてのフェライト、パーライト及び黒鉛から成
るミクロ組織を示す。この熱処理は、1010℃で1時
間加熱して黒鉛化炭素を再溶融する工程、93℃/時の
速度で788℃まで冷却してさらに黒鉛を凝集する工
程、788℃に2時間維持して黒鉛を成長させる工程、
38℃/時の速度で650℃まで冷却する工程、そして
空冷によってマトリクス炭素含有率とパーライトの細か
さを調整する工程からなる。その結果得られたミクロ組
織は、約70体積%のフェライトと、黒鉛としての約
1.0重量%の炭素とから構成されている。
【0038】〔例II〕合金632(表1)は、45k
gのVIM実験室ヒートとして処理されたものである。
直径が約130mmのインゴットを1121℃で4:1
の縮小率で鍛造し、その後靜空冷した。鍛造後、この合
金に例Iと同じ熱処理を行った。つまり、1010℃で
1時間加熱し、93℃/時の速度で788℃まで冷却
し、788℃に2時間維持し、38℃/時の速度で65
0℃まで冷却し、その後空冷した。その結果得られたミ
クロ組織は図5に示されており、その硬度は約200B
HNであった。このミクロ組織は粒状の境界フェライト
と、黒鉛団塊を取り囲むフェライトと、パーライトとか
ら構成されている。フェライトの量は約15体積%で、
これに黒鉛としての約0.075重量%の炭素と、約
0.5重量%のマトリクス炭素が加わっている。
【0039】合金632の鍛造後の別の熱処理は、鍛造
物を788℃に加熱する工程と、このワークピースを2
時間保持してその組織をオーステナイト及び黒鉛に変質
させる工程とを含んでいた。その後、空冷によって周囲
温度まで冷却された。その結果、図6に見られるよう
に、はるかに細かいフェライト及びパーライトの組織と
黒鉛の分布とが得られた。その硬度は280BHNであ
る。このミクロ組織のスケールは、クランクシャフトに
用いられる典型的な延性鋳鉄に匹敵する。この延性鋳鉄
は図7に、やはり100倍の拡大率で示されており、硬
度は245BHNである。
【0040】この合金632を788℃で2時間維持し
た後、油焼き入れし、その結果、所望の強度レベルまで
焼き入れ可能なマルテンサイトと黒鉛のミクロ組織が得
られた。
【0041】〔例III〕合金27834(表2)は下
つぎ(bottom-poured)製造インゴット(600mm角)
の鋳造ヒートとして処理され、1121℃で230mm
×250mmに圧延されて冷却され、その後再加熱して
1121℃で4.25”(108cm)の丸角矩形ビレ
ットに圧延された。硬度を下げて必要な黒鉛化を達成す
るために、前述の例Iで述べた熱サイクル処理をビレッ
トに施した。そのミクロ組織は図8に示されており、得
られた硬度は260BHNである。得られたマトリクス
炭素含有率は約0.43である。ドリルテストの結果は
図9に示されており、従来の鋼、鉛鋼及びビスマス鋼に
比べて工具寿命が改善されていることがわかる。延性鋳
鉄と同様の比較を行い、その結果を図10に示してい
る。
【0042】黒鉛合金27834は、さらにマンネスマ
ン・ミル(Mannesmann mill)で約1100℃の穿孔温度
で熱間穿孔されてシームレス管が作られ、これを上述の
ように熱処理して、フェライト、パーライト及び黒鉛か
ら成るシームレス管製品が得られた。この管製品は切断
されてスラグとなり、次に機械加工された。機械加工さ
れたスラグの表面に市販の装置を用いて高周波誘導加熱
による硬化処理を施したところ、材料の焼入性とギアリ
ングの製造への適用性とが示された。
【0043】〔例IV〕合金92654(表2)は下つ
ぎ製造インゴット(600mm角)の鋳造ヒートであ
り、上記例IIIと同様にして、4.75”(121c
m)の丸角矩形ビレットに加工された。ビレットは11
21℃でクランクシャフトに鍛造され、1000℃以上
で仕上げられた。鍛造後、クランクシャフトを空冷し、
その黒鉛炭素を調べた。図11に観られるように、鍛造
後に多量の黒鉛が存在していた。鍛造部材は、鍛造した
ままの状態で約350BHNの硬度で使用することもで
きるし、あるいは図12に示すように熱処理して、種々
の用途のために黒鉛の量及び分布と、機械的性質(29
0BHN)とを調整することもできる。図12の熱処理
クランクシャフト合金のマトリクス炭素含有率は0.7
重量%である。
【0044】クランクシャフトの製造作業において、鍛
造され冷却されたワークピースは種々の従来の旋盤及び
ドリル加工によって仕上げられる。仕上げられたクラン
クシャフトのジャーナル部は、高周波硬化処理によって
耐磨耗性を高めることができる。
【0045】本発明の黒鉛鋼合金の更に好ましい化学組
成は以下の通りである。 総C: 1.15〜1.3重量% 炭素含有率が1.15%以下であると、黒鉛化力(graph
itization potential)が低下し、熱間加工後の冷却によ
って形成される黒鉛の量が限られてしまう。炭素含有率
が1.3%以上であると、使用できる熱間加工温度の範
囲が狭くなり、熱間加工中の鋼にクラックが生じやすく
なる。マトリクス炭素含有率は、好ましくは、約0.2
〜0.8重量%の範囲内において選択される。0.35
〜1.1重量%の範囲内の総炭素含有率の残りが黒鉛の
形となる。
【0046】Mn: 0.35〜0.70重量% マグネシウムは、鋼の中でSと結合してMnSを形成
し、更に、鋼の焼入性を高めるために必須である。Mn
が過剰であると黒鉛化が低減する。
【0047】Si: 1.50〜2.0重量% シリコンは、冷却によって所望の黒鉛化を達成するため
に、炭素とバランスをとらなければならない。
【0048】Al: 0.02〜0.20重量% 鋼がアルミニウムでキルドされ(aluminum killed)、従
って鋼が最低0.02%のアルミニウムを含有すること
が好ましい。アルミニウムは長球状(spheroidal)又は球
状(nodular)の黒鉛の形成を促進する。長球状黒鉛は、
横方向機械特性を高めるのに好ましい。更にアルミニウ
ムを添加すれば黒鉛化が促進されるが、熱間加工部品の
表面品質によって、より多くのアルミニウム添加が適切
か否かが決まる。
【0049】S: 0.06重量%以下 硫黄はMnS含有物を形成し、これは機械加工性を向上
させるが、他方で鋼の機械的性質を劣化させ得る。従っ
て、硫黄の量は機械加工性の改善に最低限必要なレベル
に止めるべきである。また、硫黄のレベルが高いと、シ
ームレス管穿孔のようないくつかの熱間加工において表
面クラックを増加させる原因となる。
【0050】Cr,Mo: それぞれ0.1重量%以下 クローム及びモリブデンは、強力なカーバイド形成物で
あり、所望の焼入性が達成される程度にのみ添加される
べきである。固体黒鉛化を更に促進するために、モリブ
デンを0.05重量%以下にとどめることが更に好まし
い。
【0051】Ni: 0.50重量%以下 ニッケルは黒鉛化を促進するが、主として鋼の所望の焼
入性及び特性を達成するために添加されるべきである。
【0052】以上のように、本発明による合金は、熱間
加工によって種々の形状(ビレット、棒材、シームレス
管、及び鍛造部品)に加工することができ、そのコア特
性及びマトリクス炭素含有率を、その組成と後の熱・機
械的処理によって調整することができる。従って、この
ようにして製造された鋼製品は、機械加工の前に所望の
ミクロ組織と特性とを達成することができ、機械加工後
にさらなる熱処理を必要としない。もっとも所望の場合
は、鋼製品の表面に高周波誘導加熱による硬化処理を施
すこともできる。さらに、この黒鉛炭素は、鉛やビスマ
スを含有する同等の強度の鋼や延性鋳鉄の機械加工性に
匹敵する、又はそれ以上の機械加工性を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る黒鉛合金671(表1)の硬度2
90BHNに鍛造され空冷された状態を示す金属組織図
(×100倍)
【図2】黒鉛合金671と、従来の鋼である鉛鋼及びビ
スマス鋼とを比較するドリルテストの結果を示すグラフ
【図3】黒鉛合金671と、従来の合金である41L5
0及びS38MS1Vとのドリル後において収集された
ドリルチップ(切粉)を比較する図
【図4】熱処理によって硬度170BHNにされた黒鉛
合金671(表1)の金属組織図(×100倍)
【図5】1121℃での鍛造、空冷、そして硬度200
BHNまで熱処理した状態の黒鉛合金632の金属組織
図(×100倍)
【図6】鍛造後に別の熱処理を行ってより細かい組織と
黒鉛分布及び280BHNの硬度を得た黒鉛合金632
の金属組織図(×100倍)
【図7】硬度245BHNのクランクシャフトに使用さ
れる典型的な延性鋳鉄の金属組織図(×100倍)
【図8】鋳造、熱間圧延、冷却、再加熱及び1121℃
での圧延、硬度260BHNへの熱処理を施された黒鉛
合金27834(表2)の金属組織図(×100倍)
【図9】黒鉛合金27834と、従来の鋼である鉛鋼及
びビスマス鋼との性能を比較するドリルテストの結果を
示す、図2と同様のグラフ
【図10】黒鉛合金27834と延性鋳鉄とを比較する
ドリルテストの結果を示すグラフ
【図11】鍛造クランクシャフトから取られ、硬度35
0BHNに空冷した黒鉛合金27834(表2)の金属
組織図(×100倍)
【図12】図11と同じ鍛造クランクシャフトを更に熱
処理して硬度290BHNにしたものの金属組織図(×
100倍)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ・エイ・ブラッソ アメリカ合衆国 オハイオ 44632 ハー トヴィル ビルマン・ストリート ノー ス・イースト 1957 (72)発明者 ジョージ・ティ・マシューズ アメリカ合衆国 オハイオ 44601 アラ イアンス ウエスト・ビーチ・ストリート ノース・イースト 13762

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で約1.0〜1.5%の炭素、
    0.7〜2.5%のシリコン、0.3〜1.0%のマン
    ガン、2.0%以下のニッケル、0.5%以下のクロ
    ム、0.5%以下のモリブデン、0.1%以下の硫黄、
    0.5%以下のアルミニウム、そして、残りの鉄及び不
    純物からなる機械加工性に優れた黒鉛鋼。
  2. 【請求項2】 約0.2〜0.8重量%に調整されたマ
    トリクス炭素含有率を有し、残りの炭素が黒鉛である請
    求項1記載の黒鉛鋼。
  3. 【請求項3】 少なくとも0.02重量%のアルミニウ
    ムを有し、前記黒鉛が長球状の黒鉛である請求項1記載
    の黒鉛鋼。
  4. 【請求項4】 約0.3〜1.3重量%の炭素を黒鉛の
    形で含有している請求項2記載の黒鉛鋼。
  5. 【請求項5】 熱間加工され冷却された状態で約0.2
    〜0.8重量%に調整されたマトリクス炭素含有率を有
    し、フェライト、パーライト、及び黒鉛から成るミクロ
    組織を有する請求項1記載の黒鉛鋼。
  6. 【請求項6】 0.01重量%以下のカルシウム、0.
    01重量%以下のマグネシウム、0.100重量%以下
    の希土類金属、そして0.005重量%以下のボロンを
    含む請求項1記載の黒鉛鋼。
  7. 【請求項7】 高機械加工性黒鉛鋼であって、重量%で
    約1.15〜1.35%の炭素、1.50〜2.0%の
    シリコン、0.35〜0.70%のマンガン、0.06
    %以下の硫黄、0.02〜0.2%のアルミニウム、
    0.5%以下のクロム、0.1%以下のモリブデン、
    0.50%以下のニッケル、そして残りの鉄及び不純物
    からなる機械加工性に優れた黒鉛鋼。
  8. 【請求項8】 約0.8重量%以下の炭素がマトリクス
    炭素として存在する請求項7記載の黒鉛鋼。
  9. 【請求項9】 約0.2〜0.8重量%に調整されたマ
    トリクス炭素含有率を有し、残りの炭素が黒鉛である請
    求項7記載の黒鉛鋼。
  10. 【請求項10】 約0.35〜1.1重量%の炭素を黒
    鉛として含有している請求項9記載の黒鉛鋼。
  11. 【請求項11】 熱間加工され冷却された状態で約0.
    2〜0.8重量%に調整されたマトリクス炭素含有率を
    有し、フェライト、パーライト、及び黒鉛から成るミク
    ロ組織を有する請求項7記載の黒鉛鋼。
  12. 【請求項12】 0.01重量%以下のカルシウム又は
    マグネシウムの少なくとも一方と、0.1重量%以下の
    希土類金属と、0.005重量%以下のボロンとを有す
    る請求項7記載の黒鉛鋼。
  13. 【請求項13】 黒鉛鋼製品を製造する方法であって、 (a)重量%で約1.0〜1.5%の炭素、0.7〜
    2.5%のシリコン、0.3〜1.0%のマンガン、
    2.0%以下のニッケル、0.5%以下のクロム、0.
    5%以下のモリブデン、0.1%以下の硫黄、0.5%
    以下のアルミニウム、そして、残りの鉄及び不純物から
    なる鋼合金を作る行程、 (b)前記鋼合金を少なくとも1000℃の温度で熱間
    加工して熱間加工形状物を製造する行程、 (c)前記熱間加工形状物を冷却して、フェライト、パ
    ーライト、及び黒鉛からなり0.80%C以下のマトリ
    クス炭素含有率を有するミクロ組織を成長させる行程、
    そして (d)前記熱間加工形状物を機械加工して仕上げ製品を
    製造する行程、からなる製造方法。
  14. 【請求項14】 前記熱間加工工程(b)は、圧延、鍛
    造及び穿孔から成るグループから選択された1つ又は複
    数の熱間加工工程を含む請求項13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 更に、前記仕上げ製品を熱処理する工
    程を含む請求項13記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 更に、前記機械加工工程(d)の前
    に、前記熱間加工形状物を熱処理する工程を含む請求項
    13記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 更に、前記仕上げ製品の選択された部
    分を誘導加熱によって硬化する工程を含む請求項13記
    載の製造方法。
  18. 【請求項18】 黒鉛鋼製品を製造する方法であって、 (a)重量%で約1.15〜1.35%の炭素、1.5
    0〜2.0%のシリコン、0.35〜0.70%のマン
    ガン、0.06%以下の硫黄、0.02〜0.2%のア
    ルミニウム、0.5%以下のクロム、0.1%以下のモ
    リブデン、0.50%以下のニッケル、そして残りの鉄
    及び不純物からなる鋼合金を作る工程と、 (b)前記鋼合金を少なくとも1000℃の温度で穿孔
    及び熱間加工してシームレス管状物を製造する工程と、 (c)前記シームレス管状物を冷却したのち熱処理し
    て、所望のマトリクス炭素含有率及び物理特性を得る工
    程、からなる製造方法。
  19. 【請求項19】 更に、前記熱処理されたシームレス管
    状物を切断及び機械加工してリングギアを製造する工程
    を含む請求項18記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 更に、前記リングギアを誘導加熱によ
    って硬化する工程を含む請求項19記載の製造方法。
  21. 【請求項21】 重量%で約1.0〜1.5%の炭素、
    0.7〜2.5%のシリコン、0.3〜1.0%のマン
    ガン、2.0%以下のニッケル、0.5%以下のクロ
    ム、0.5%以下のモリブデン、0.1%以下の硫黄、
    0.5%以下のアルミニウム、そして、残りの鉄及び不
    純物からなり、前記炭素は約0.2〜0.6%のマトリ
    ックス炭素と残りの黒鉛とからなる黒鉛鋼において、フ
    ェライト、パーライト、及び長球状黒鉛から成るミクロ
    組織を有し、機械加工性に優れていることを特徴とする
    黒鉛鋼。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の黒鉛鋼からつくられ
    る製品。
  23. 【請求項23】 穿孔シームレス管である請求項22記
    載の黒鉛鋼製品。
  24. 【請求項24】 リングギアである請求項22記載の黒
    鉛鋼製品。
  25. 【請求項25】 クランクシャフトである請求項22記
    載の黒鉛鋼製品。
  26. 【請求項26】 誘導加熱によって硬化される請求項2
    2記載の黒鉛鋼製品。
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