JP4243852B2 - 浸炭部品又は浸炭窒化部品用の鋼材、浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法 - Google Patents

浸炭部品又は浸炭窒化部品用の鋼材、浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、浸炭部品又は浸炭窒化部品の素材として好適な鋼材、更には、浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法に関する。より詳しくは、曲げ疲労強度に優れた歯車、プーリー、シャフトなどの浸炭部品又は浸炭窒化部品の素材として好適な鋼材、更には、前記歯車、プーリー、シャフトなど浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法に関する。
従来、自動車や各種産業機械の歯車、プーリー、シャフトなどの部品は、JIS規格のSCr420、SCM420及びSNCM420などの機械構造用合金鋼を素材として成形し、これに浸炭処理又は浸炭窒化処理を施した後焼入れし、次いで、200℃以下の温度で焼戻しを行い、更に、必要に応じてショットピーニング、ホーニング、バレル研磨、各種皮膜処理などの表面処理を施すことによって、それぞれの部品に応じた面疲労強度、曲げ疲労強度及び耐摩耗性など所要の特性が確保されていた。
近年、上記の各種浸炭部品や浸炭窒化部品には、例えば自動車の燃費向上やエンジンの高出力化が求められるに伴って、これに対応するための軽量化、小型化及び高応力負荷化の要望が極めて大きくなっている。
なお、部品の軽量化及び小型化、また、エンジンの高出力化が進むと、部品表面に繰り返しかかる応力が飛躍的に大きくなる。このため、上記の各種浸炭部品や浸炭窒化部品には、曲げ疲労強度の向上が望まれている。更に、自動車や産業機械の歯車、プーリー、シャフトなどの部品が破損すると大事故につながるので、上記の各種部品は、安定して優れた特性を有することが強く望まれている。
従来、浸炭焼入れ材又は浸炭窒化焼入れ材の表層部に、マルテンサイト組織に比べて軟質なパーライト組織やベイナイト組織が生成すると、曲げ疲労強度が大きく低下することが知られている。そして、上記のパーライト組織やベイナイト組織は、表層部に生成した粒界酸化層の近傍に生成することが多く、この原因は焼入れ性を高めるSi、MnやCrといった元素がFeよりも酸化されやすいために、浸炭処理又は浸炭窒化処理中に優先的に酸化されて、粒界酸化層の近傍にSi、Mn及びCrの欠乏層ができるためと考えられている。
特許文献1には、低Siなどの化学成分の制御と、Mgを含有することによる酸化物系介在物の微細化によって、面疲労強度を飛躍的に向上させるとともにMnSの延伸性も大幅に抑制して、歯曲げ疲労強度の向上も同時に達成するのに好適な「歯車用浸炭用鋼」が提案されている。
また、特許文献2には、化学成分の制御とASTM−D法に基づく介在物の制御を行った「冷間鍛造性に優れた歯車用鋼」が提案されている。
更に、特許文献3には、熱間圧延後のNb(CN)とAlNの析出量、ベイナイトの組織分率及び熱間圧延方向に平行な断面の組織のフェライトバンドなどを規定した、「高温浸炭特性に優れた高温浸炭用鋼ならびに高温浸炭用熱間鍛造部材」が提案されている。この特許文献3で提案された技術は、フェライトバンドの評点を指標としたミクロ偏析の低減並びに窒化物及び炭窒化物の析出量を規定することなどによって最表層領域において高い硬度を確保しようとするものである。
特開平7−188853号公報 特開2001−329339号公報 特開2001−279383号公報
本発明の目的は、量産において安定して優れた曲げ疲労強度を有する歯車、プーリー、シャフトなどの浸炭部品又は浸炭窒化部品の素材として好適な鋼材、更には、前記各種の浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法を提供することである。
前述の特許文献1〜3で開示された技術は、必ずしも大きな曲げ疲労強度を安定して確保できるわけではない。
すなわち、特許文献1で提案された技術の場合、Mgは高温で極めて反応性が高いので溶鋼での歩留まりの制御が難しく、また、偏析しやすい元素でもある。そのため、大規模な量産の場合、曲げ疲労強度が不安定になりやすい。更に、焼入れ性に影響する元素の偏析に対する考慮がなされていないので、量産品の曲げ疲労強度は不安定である。
特許文献2で開示された技術は、冷間鍛造性を向上させるために介在物を制御しているが、曲げ疲労強度に対しては十分に考慮されたものではないため、大規模に量産する場合の曲げ疲労強度は不十分である。更に、焼入れ性に影響する元素の偏析に対する配慮もなされていないので、量産品の曲げ疲労強度は不安定である。
特許文献3で提案された技術は、微小な領域であっても最表層部に硬度の低い部分があると曲げ疲労強度が低下するということについて十分に考慮されたものではない。このため、大規模な量産の場合、曲げ疲労強度が不安定になってしまう。更に、酸素とTiの含有量をそれぞれ、0.0025%以下及び0.01%以下にすることなど、非金属系介在物を低減する配慮がなされているものの、介在物の大きさと形態については考慮されておらず、このため、前記特許文献1及び2の場合と同様に、量産品の面疲労強度は不安定である。
本発明者らは、上述のような問題点を解決するために、表層部におけるパーライト組織及びベイナイト組織の生成を安定して抑制することが可能な条件について、なかでも化学成分と偏析状況に関する条件について、種々調査・研究を重ねた。その結果、下記(a)〜(d)の知見を得た。
(a)マルテンサイト組織中に存在するパーライト組織やベイナイト組織の大きさが、たとえ直径10μm程度の微小なものであっても、曲げ疲労強度は大きく低下する。
(b)粒界酸化層を低減するにはSi、Mn及びCrの含有量を低減すればよい。しかしながら、Si、Mn及びCrの含有量を低減しても、粒界酸化層を完全になくすことはできず、また、Si、Mn及びCr含有量の低減による焼入れ性の低下とも相俟って、パーライト組織及びベイナイト組織が生成することも完全には抑制することはできない。
(c)パーライト組織及びベイナイト組織は粒界酸化層近傍の全ての部分に生じているのではなく、その一部分に生成している。そして、粒界酸化層の近傍でパーライト組織及びベイナイト組織が生成した部分は、粒界酸化層の近傍でマルテンサイト組織が生成した部分に比べて、Mn、Cr及びMoの濃度が低い。
(d)したがって、表層部におけるパーライト組織及びベイナイト組織の生成を安定且つ確実に抑制するためには、焼入れ性向上元素であるSi、Mn、Cr及びMoの素材における平均含有量を管理するだけでは不十分で、負偏析部で、且つ粒界酸化層によってSi、Mn及びCrの含有量が減少している領域においてもマルテンサイトが生成するために十分な量のSi、Mn、Cr及びMoを含有している必要がある。
また、本発明者らは表層部のパーライト組織及びベイナイト組織の生成を抑制した場合においても、曲げ疲労強度が低い場合があったため、破壊した試験片を用いて調査・研究を重ねた。その結果、更に、下記(e)〜(g)の知見を得た。
(e)硬質の介在物である酸化物系介在物及びTiNは破壊の起点となる。このため、曲げ疲労による破壊の起点部には硬質の介在物である酸化物系介在物及びTiNが存在している場合が多い。一方、介在物としては硫化物も存在するが、これは軟質であるために破壊の起点とはならない。
(f)曲げ疲労による破壊の起点部で観察される介在物は、その長径が5〜30μmと様々な大きさのものである。しかし、破壊の起点部で観察される介在物の近傍には別の介在物が存在している場合が多く、たとえ個々の介在物が微細であっても、それらが群集することで破壊の起点になり得る。このため、個々の介在物を微細化するだけでは不十分で、介在物を群集させないことも必要である。
(g)Pは粒界偏析しやすい元素で、Pの含有量が多いと曲げ疲労強度が低下することが知られているが、スクラップから混入するSnもPと同様に、曲げ疲労強度に対して悪影響を及ぼす。近年のリサイクル率の向上などに伴い、スクラップ中のSnの含有量は増加する傾向にあり、また、電気炉溶解だけではなく高炉転炉法においても副原料としてスクラップを使用する場合があるため、P量とSn量とを合わせて管理する必要がある。
更に、本発明者らは、格段に優れた曲げ疲労強度を得るための浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れの条件について、調査・研究を重ね、その結果、更にまた、下記(h)の知見を得た。
(h)合金元素の含有量、負偏析部の合金元素濃度及び介在物、特に、群としての介在物を適正化した鋼材を、A3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後、500℃以下の温度域に急冷し、その後更に、非硬化部のA3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、次いで、300℃以下の温度域に急冷する処理を行うことで、曲げ疲労強度が一層大きく向上する。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものである。
本発明の要旨は、下記(1)及び(2)に示す鋼材並びに、(3)に示す浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法にある。
(1)浸炭部品又は浸炭窒化部品用の鋼材であって、質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.2〜1.5%、S:0.003〜0.05%、Cr:0.5〜2.0%、Mo:0.1〜0.8%、Al:0.01〜0.05%及びN:0.008〜0.025%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のTiは0.005%以下、O(酸素)は0.002%以下、PとSnは合計で0.030%以下である化学組成を有し、且つ、鋼材断面において、下記(1)式で表されるAの値の最小値が13以上であるとともに、断面積1500mm2中での硫化物を除く介在物群の最大長さが30μm以下であることを特徴とする鋼材。
A=(1+0.681Si)(1+3.066Mn+0.329Mn2)(1+2.007Cr)(1+3.14Mo)・・・(1)
ここで、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。また、1つの介在物群とは、介在物同士の間隔が5μm以下である介在物の集合体をいう。
(2)浸炭部品又は浸炭窒化部品用の鋼材であって、質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.2〜1.5%、S:0.003〜0.05%、Cr:0.5〜2.0%、Mo:0.1〜0.8%、Al:0.01〜0.05%及びN:0.008〜0.025%に加えて、更に、Nb:0.01〜0.08%及びV:0.02〜0.15%の1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のTiは0.005%以下、O(酸素)は0.002%以下、PとSnは合計で0.030%以下である化学組成を有し、且つ、鋼材断面において、下記(1)式で表されるAの値の最小値が15以上であるとともに、断面積1500mm2中での硫化物を除く介在物群の最大長さが30μm以下であることを特徴とする鋼材。
A=(1+0.681Si)(1+3.066Mn+0.329Mn2)(1+2.007Cr)(1+3.14Mo)・・・(1)
ここで、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。また、1つの介在物群とは、介在物同士の間隔が5μm以下である介在物の集合体をいう。
(3)上記(1)又は(2)に記載の化学組成と介在物群を有する鋼材を、A3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後、500℃以下の温度域に急冷し、その後更に、非硬化部のA3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、次いで、300℃以下の温度域に急冷することを特徴とする浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法。
ここで、A3点は式中の元素記号を鋼材中の各元素の含有量(質量%)として、下記(2)式で求めたものを指す。
3点(℃)=910−293C0.5+44.7Si+104V+31.5Mo・・・(2)
なお、鋼材とは棒鋼・線材等の素材、更には、必要に応じ鍛造・切削等を施して部品形状に加工されたものを指す。
また、「非硬化部」とは浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れによって硬化していない部分を指す。したがって、その化学組成は浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れする前の鋼材の化学組成と同じものである。
以下、上記 (1)及び(2)の鋼材に係る発明、並びに、(3)の浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法に係る発明を、それぞれ、「本発明(1)」〜「本発明(3)」という。また、総称して「本発明」ということがある。
本発明の鋼材に浸炭処理又は浸炭窒化処理を施した後急冷した部品、或いは上記の急冷後更に必要に応じて焼戻しを施した部品は、安定且つ良好な曲げ疲労強度を有するので、自動車や産業機械の部品である歯車、プーリー、シャフトなどに用いることができる。更に、本発明の製造方法により製造した浸炭処理部品又は浸炭窒化処理部品は、極めて安定且つ極めて良好な曲げ疲労強度を有する。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、化学成分の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)鋼材の化学組成
C:0.1〜0.3%
Cは、浸炭処理又は浸炭窒化処理後に急冷を行った部品の芯部強度を確保するために必須の元素である。しかし、Cの含有量が0.1%未満では前記の効果が不十分である。一方、Cの含有量が0.3%を超えると、鋼材の切削加工性が大きく低下する。したがって、Cの含有量を0.1〜0.3%とした。
Si:0.01〜0.25%
Siは、焼入れ性を高める作用を有するが、浸炭処理或いは浸炭窒化処理の際、粒界酸化層を増加させてしまう。特に、その含有量が0.25%を超えると、粒界酸化層が大幅に増加して曲げ疲労強度が大きく低下する。しかし、量産においてSiの含有量を0.01%未満にすることは困難である。したがって、Siの含有量を0.01〜0.25%とした。なお、Siの含有量が0.15%以下であれば、粒界酸化層はあまり増加せず、また、量産における製造コストを考慮すると、Si含有量の下限は0.06%とすることが好ましいので、Siの含有量は0.06〜0.15%とすることが望ましい。
Mn:0.2〜1.5%
Mnは、焼入れ性を高める効果が、粒界酸化層の増加に及ぼす悪影響よりも大きいため、曲げ疲労強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.2%未満では前記の効果が不十分である。一方、Mnの含有量が1.5%を超えると、曲げ疲労強度を高める効果が飽和するだけでなく、鋼材の切削加工性が大きく低下する。したがって、Mnの含有量を0.2〜1.5%とした。なお、Mn含有量が0.4%以上になると、曲げ疲労強度の向上が顕著になる。このため、Mnの含有量は0.4〜1.5%とすることが望ましい。
S:0.003〜0.05%
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、切削加工性を高める作用を有する。しかし、その含有量が0.003%未満では、前記の効果が得難い。一方、Sの含有量が多くなると、粗大なMnSを生成しやすくなって曲げ疲労強度を低下させる傾向があり、特に、その含有量が0.05%を超えると、他の要件を満たしていても所望の曲げ疲労強度(後述の実施例における851MPa以上の回転曲げ疲労強度)が得られない。したがって、Sの含有量を0.003〜0.05%とした。なお、Sの含有量は0.01〜0.04%とすることが好ましい。
Cr:0.5〜2.0%
Crは、焼入れ性を高める効果が、粒界酸化層の増加に及ぼす悪影響よりも大きいため、曲げ疲労強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.5%未満では前記の効果が不十分である。一方、Crの含有量が2.0%を超えると、曲げ疲労強度を高める効果が飽和するだけでなく、鋼材の切削加工性が著しく低下する。したがって、Crの含有量を0.5〜2.0%とした。なお、Crの含有量が0.8%以上になると、曲げ疲労強度の向上が顕著になる。このため、Crの含有量は、0.8〜2.0%とすることが望ましい。
Mo:0.1〜0.8%
Moは、焼入れ性を高める効果を有し、曲げ疲労強度を高めるのに有効な元素である。しかし、その含有量が0.1%未満では前記の効果が不十分である。一方、Moの含有量が0.8%を超えると、曲げ疲労強度を高める効果が飽和するだけでなく、鋼材の切削加工性が大きく低下する。したがって、Moの含有量を0.1〜0.8%とした。なお、Moの含有量は0.3〜0.6%とすることが好ましい。
Al:0.01〜0.05%
Alは、脱酸作用を有する元素である。また、Alは、Nと結合してAlNを形成しやすい元素である。そして、AlNは結晶粒微細化に有効で、曲げ疲労強度を高める効果がある。しかし、Alの含有量が0.01%未満では前記した効果は得難い。一方、Alは硬質な酸化物系介在物を形成しやすく、Al含有量が0.05%を超えると、後述する介在物群の最大長さを観察面積1500mm2中で30μm以下にすることが困難になって、曲げ疲労強度の低下が著しくなり、他の要件を満たしていても所望の曲げ疲労強度(後述の実施例における851MPa以上の回転曲げ疲労強度)が得られなくなる。したがって、Alの含有量を0.01〜0.05%とした。なお、Alの含有量は0.02〜0.04%とすることが好ましい。
N:0.008〜0.025%
Nは、Al、Nb、V及びTiと結合してAlN、NbN、VN及びTiNを形成しやすく、このなかで、AlN、NbN及びVNは結晶粒微細化に有効で、曲げ疲労強度を高める効果がある。しかし、Nの含有量が0.008%未満では前記の効果は得難い。一方、Nの含有量が0.025%を超えると、後述する介在物群の最大長さを観察面積1500mm2中で30μm以下にすることが困難になって、曲げ疲労強度の低下が著しくなり、他の要件を満たしていても所望の曲げ疲労強度(後述の実施例における851MPa以上の回転曲げ疲労強度)が得られなくなる。したがって、Nの含有量を0.008〜0.025%とした。なお、Nの含有量は0.012〜0.020%とすることが好ましい。
本発明においては、不純物元素としてのTi及びO(酸素)の各含有量、並びにPとSnの合計含有量を下記のとおりに制限する。
Ti:0.005%以下
Tiは、Nと結合してTiNを形成し、曲げ疲労強度を低下させてしまう。特に、Tiの含有量が0.005%を超えると、後述する介在物群の最大長さを観察面積1500mm2中で30μm以下にすることが困難になって、曲げ疲労強度の低下が著しくなり、他の要件を満たしていても所望の曲げ疲労強度(後述の実施例における851MPa以上の回転曲げ疲労強度)が得られなくなる。したがって、Tiの含有量を0.005%以下とした。なお、不純物元素としてのTiの含有量はできるだけ少なくすることが望ましく、原料及び製鋼でのコストを考慮すると0.002%以下にすることが一層好ましい。
O(酸素):0.002%以下
Oは、Alと結合して硬質な酸化物系介在物を形成しやすく、曲げ疲労強度を低下させてしまう。特に、Oの含有量が0.002%を超えると、後述する介在物群の最大長さを観察面積1500mm2中で30μm以下にすることが困難になって、曲げ疲労強度の低下が著しくなり、他の要件を満たしていても所望の曲げ疲労強度(後述の実施例における851MPa以上の回転曲げ疲労強度)が得られなくなる。なお、不純物元素としてのOの含有量はできる限り少なくすることが望ましく、製鋼でのコストを考慮すると、0.001%以下にすることが一層好ましい。
P及びSn:合計で0.030%以下
P及びSは、粒界に偏析して粒界を脆化させやすい元素である。このうちSnは、主にスクラップに含まれる不純物元素であるが、スクラップは電気炉溶解に用いられるだけではなく、高炉転炉法においても副原料として使用する場合がある。そして、本発明に係る鋼材の場合には、PとSnの含有量を合計で0.030%以下に制限する必要がある。
上記の規定は、本発明者らが行った次の実験結果に基づくものである。
すなわち、本発明者らは、表1に示す鋼A〜Fを30kg真空溶解炉で溶解した後、鋳型に鋳鉄(以後、鋳鉄の鋳型を「通常鋳型」という。)を用いて、インゴットに鋳造した。
Figure 0004243852
次いで、各インゴットを1150℃で30分加熱した後、仕上げ温度が950℃以上となるように熱間鍛造して、直径35mmの棒鋼を作製した。
これらの各棒鋼を1250℃で12時間保持してから室温まで放冷し、その後更に、925℃×1時間の加熱保持を行い、次いで、室温まで放冷した。
このようにして得た直径35mmの各棒鋼から、平行部の直径と長さがそれぞれ、8mmと25mmで、肩部の半径が24mmの小野式回転曲げ疲労試験片を採取し、図1に示す条件で浸炭焼入れ及び焼戻しを行った。なお、図1における「CP」は「カーボンポテンシャル」を意味する。
小野式回転曲げ疲労試験における試験本数は各7本とし、通常の方法によって常温大気中で試験を行い、繰り返し数1.0×107回まで破断しなかったうちで最も高い応力を「回転曲げ疲労強度」とした。
表1に、上記小野式回転曲げ疲労試験における「回転曲げ疲労強度」を併せて示す。また、図2に、PとSnの合計の含有量(図では「P+Sn含有量」と表記)が「回転曲げ疲労強度」に及ぼす影響を示す。
表1中に併記した回転曲げ疲労強度及び図2から、Pだけではなく、Snも回転曲げ疲労強度に影響し、PとSnの含有量が合計で0.030%を超えると、回転曲げ疲労強度が大きく低下することがわかる。
したがって、PとSnの含有量を、合計で0.030%以下とした。なお、PとSnの含有量が合計で0.015%以下であれば、回転曲げ疲労強度がほとんど低下しないことから、PとSnの含有量は合計で0.015%以下とすることが好ましい。
したがって、本発明(1)に係る鋼材の化学組成について、上述した範囲のCからNまでの元素を含み、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のTiは0.005%以下、O(酸素)は0.002%以下、PとSnは合計で0.030%以下であることと規定した。
なお、本発明に係る鋼材には、上記の成分に加え、必要に応じて、Nb:0.01〜0.08%及びV:0.02〜0.15%の1種以上を任意添加元素として添加し、含有させてもよい。
以下、上記任意添加元素としてのNb及びVに関して説明する。
Nb:0.01〜0.08%
Nbは、C又は/及びNと結合してNbC、NbN及びNb(C、N)を形成しやすい元素である。そして、NbC、NbN及びNb(C、N)は、前述したAlNによる結晶粒微細化を補完するのに有効で、曲げ疲労強度を高める効果がある。この効果を確実に得るには、Nbは0.01%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Nbの含有量が0.08%を超えると、中心偏析部に粗大なNb(C、N)が生成しやすくなり、却って曲げ疲労強度が低下する。したがって、添加する場合のNbの含有量を0.01〜0.08%とした。なお、添加する場合の一層好ましいNbの含有量の範囲は0.02〜0.04%である。
V:0.02〜0.15%
Vは、C及びNと結合してVC及びVNを形成しやすい元素である。上記のうちで、VNは、前述したAlNによる結晶粒微細化を補完するのに有効で、曲げ疲労強度を高める効果がある。また、浸炭窒化時にVNが析出すると、曲げ疲労強度をより高める効果がある。これらの効果を確実に得るには、Vは0.02%以上の含有量とすることが好ましい。しかし、Vの含有量が0.15%を超えると、鋼材の切削加工性が大きく低下する。したがって、添加する場合のVの含有量を0.02〜0.15%とした。なお、添加する場合の一層好ましいVの含有量の範囲は0.04〜0.10%である。
上記の理由から、本発明(2)に係る鋼材の化学組成について、本発明(1)における鋼材の化学組成に、更に、Nb:0.01〜0.08%及びV:0.02〜0.15%の1種以上を含有することと規定した。
(B)断面における合金元素
本発明(1)及び本発明(2)に係る鋼材は、鋼材断面において、前記(1)式で表されるAの値の最小値をそれぞれ、13以上及び15以上とする必要がある。
上記の規定は、本発明者らが行った次の実験結果に基づくものである。
すなわち、本発明者らは、表2に示す鋼G〜Jを150kg真空溶解炉で溶解した後、通常鋳型を用いてインゴットに鋳造した。なお、溶解の際、不純物元素が十分低減するように原料の選定に十分注意を払った。
Figure 0004243852
次いで、上記の各インゴットを1150℃で30分加熱した後、仕上げ温度が950℃以上となるように熱間鍛造して、直径35mmの棒鋼を作製した。
このようにして得た各棒鋼を、5個ずつに分割し、表3に示す条件で熱処理を行って室温まで放冷した。その後更に、925℃×1時間の加熱保持を行い、次いで、室温まで放冷した。
Figure 0004243852
上記の熱処理を行った直径35mmの各供試材から切り出した試験片について、鍛錬軸に平行に中心線をとおって切断した断面を鏡面研磨し、図3に示す位置で、鍛錬軸に垂直な方向に、Si、Mn、Cr及びMoの各元素についてEPMAを用いて線分析を行った。なお、Cも偏析しやすい元素として知られているが、オーステナイト域に加熱すると容易且つ均一に拡散しやすいため、Cの測定は行わなかった。なお、EPMAによる線分析は、ビーム直径を1μm、走査速度を200μm/分として実施した。
EPMAでの測定結果から、Si、Mn、Cr及びMoのそれぞれの含有量が最も低かった位置について、Si、Mn、Cr及びMoの含有量を数値化した。ここで、Si、Mn、Cr及びMoの偏析傾向は同じであるため、Si、Mn、Cr及びMoのそれぞれの含有量が最も低かった位置についてSi、Mn、Cr及びMoの含有量を数値化しておけば、前記(1)式で表されるAの最小値として評価することができる。
なお、焼入れ性は、例えば、井上毅の第131・132回西山記念講座「鉄鋼材料の材質予測・制御技術の現状と将来」、第215〜217ページ(日本鉄鋼協会編、平成元年9月25日発行)に示されるように、C及びその他の合金元素の含有量並びにオーステナイト結晶粒度から見積もることができ、本発明の目指す曲げ疲労強度の向上のためには、浸炭処理又は浸炭窒化処理した表層部の焼入れ性が重要な意味を持つ。
そして、浸炭処理又は浸炭窒化処理した場合、表層部の一般的なC含有量は0.8%程度であることが多く、また、そのオーステナイト結晶粒度は、NbとVのいずれをも含有しない場合には粒度番号9程度、Nb及びVの1種以上を含有する場合には粒度番号11程度であることが多いので、Nb及びVを含まない鋼と、NbとVの1種以上を含む鋼とを区別すれば、Si、Mn、Cr及びMoの含有量から焼入れ性を評価することができる。
そこで、前記井上の「鉄鋼材料の材質予測・制御技術の現状と将来」に基づいて、焼入れ性の評価基準として、本発明者らは、前記(1)式の値、つまりAの値を採用した。
表4に、各試験片について、前記(1)式で表されるAの最小値並びに、その値に対応するSi、Mn、Cr及びMoの含有量を示す。
また、前記の条件で熱処理した直径35mmの各供試材から、平行部の直径と長さがそれぞれ、8mmと25mmで、肩部の半径が24mmの小野式回転曲げ疲労試験片を採取し、前記図1に示す条件で浸炭焼入れ及び焼戻しを行った。
小野式回転曲げ疲労試験における試験本数は各7本とし、通常の方法によって常温大気中で試験を行い、繰り返し数1.0×107回まで破断しなかったうちで最も高い応力を「回転曲げ疲労強度」とした。
また、上記焼戻し後の小野式回転曲げ疲労試験片の各1本を用いて、平行部の横断面を鏡面研磨した後ナイタールで腐食し、次いで、表層から200μmの領域をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、ベイナイト組織とパーライト組織の存在の有無を調査した。
表4に、上記のベイナイト組織とパーライト組織の存在に関する調査結果及び小野式回転曲げ疲労試験の結果を示す。また、図4に、上記の調査結果を前記(1)式で表されるAの最小値で整理して示す。
ここで、表4の「熱処理の条件No.」欄における数字は表3に対応するものである。また、「パーライト組織、ベイナイト組織」欄における「無し」及び「有り」は、それぞれ、「ベイナイト組織とパーライト組織のいずれもが存在しないこと」及び「ベイナイト組織とパーライト組織のいずれか一方または双方が存在すること」を意味する。
更に、図4における「○:パーライト、ベイナイト無し」及び「×:パーライト、ベイナイト有り」も、それぞれ、「ベイナイト組織とパーライト組織のいずれもが存在しないこと」及び「ベイナイト組織とパーライト組織のいずれか一方または双方が存在すること」を意味する。なお、図4においては、NbとVのいずれをも含まない場合を、「Nb、V無し」と表記し、また、NbとVの1種以上を含む場合を、「Nb、V有り」と表記した。
なお、前記(1)式で表されるAの最小値は、表4においては、「(1)式で表されるAの値」と表記し、また、図4においては単に「A値」と表記した。
上記の表4及び図4から、NbとVのいずれをも含まない場合、前記(1)式で表されるAの値の最小値が13以上であればベイナイト組織とパーライト組織のいずれもが存在せず、一方、Nb及びVの1種以上を含む場合、前記(1)式で表されるAの値の最小値が15以上であればベイナイト組織とパーライト組織のいずれもが存在せず、所望の曲げ疲労強度(後述の実施例における851MPa以上の回転曲げ疲労強度)が得られることが明らかである。
Figure 0004243852
したがって、本発明(1)及び本発明(2)に係る鋼材は、鋼材断面において、前記(1)式で表されるAの値の最小値をそれぞれ、13以上及び15以上と規定した。
ここで、鋼材断面とは、棒鋼、線材の場合、望ましくは圧延方向又は鍛錬軸に平行に中心線をとおって切断した断面であり、鋼材が部品形状の場合は、表層部分〜表層から15mmの範囲の断面が望ましい。
なお、鋼材断面における前記(1)式で表されるAの値には、鋼の平均組成、凝固速度及び凝固形態などが影響する。また、製鋼の設備によっても影響を受ける。
このため、鋼材断面における前記(1)式で表されるAの値の最小値を13以上又は15以上にするためには、次のような方法を採用すればよい。
すなわち、鋼材断面におけるA値の最小値を13以上にするためには、例えば、連続鋳造で400mm×300mm角という大断面のブルームを製造する場合、先ず、鋼の平均組成を前記(1)式で表されるAの値が20以上となるように溶製する。そして、溶鋼の電磁攪拌を十分に行ってから連続鋳造し、更に、ブルームに1200〜1280℃で8時間以上の均質化熱処理を行い、そのブルームを一辺が200mm以下の角ビレットにした後、ビレットを1200〜1280℃で2時間以上加熱してから圧延仕上げ温度が850〜1000℃になるように熱間圧延すればよい。
また、鋼材断面におけるA値の最小値を15以上にするためには、例えば、連続鋳造で400mm×300mm角という大断面のブルームを製造する場合、先ず、鋼の平均組成を前記(1)式で表されるAの値が23以上となるように溶製する。そして、溶鋼の電磁攪拌を十分に行ってから連続鋳造し、更に、ブルームに1200〜1280℃で8時間以上の均質化熱処理を行い、そのブルームを一辺が200mm以下の角ビレットにした後、ビレットを1200〜1280℃で2時間以上加熱してから圧延仕上げ温度が850〜1000℃になるように熱間圧延すればよい。
(C)介在物群の最大長さ
本発明(1)及び本発明(2)に係る鋼材は、鋼材断面において、断面積1500mm2中での硫化物を除く介在物群の最大長さを30μm以下とする必要がある。
上記の規定は、本発明者らが行った次の実験結果に基づくものである。
すなわち、本発明者らは、表5に示す鋼K〜Nを150kg真空溶解炉にて溶製し、インゴットに鋳造した。なお、鋼K〜Mについては、鋳型に通常鋳型を用い、鋼Nについては、凝固速度を遅くするために、シリカ鋳型を用いた。
また、表5に示す鋼O〜Rを30kg真空溶解炉にて溶製し、通常鋳型を用いてインゴットに鋳造した。このうち鋼Rについては、鋳型に耐火物が損傷しているものを用い、意図的に耐火物が混入するようにした。
更に、表5に示す鋼S及び鋼Tを、70t(トン)転炉で溶解し、連続鋳造によって400mm×300mm角のブルームを製造した。鋼Sについては、二次精錬でRH真空脱ガス処理を長時間実施し、更に、溶鋼の電磁攪拌を十分に行った。一方、鋼Tは二次精錬でVAD処理(真空アーク脱ガス処理)を実施し、更に、溶鋼の電磁攪拌を弱めて行った。
鋼K〜Rについては、インゴットを1150℃で30分加熱した後、仕上げ温度が950℃以上となるように熱間鍛造して、直径35mmの棒鋼を作製した。これらの各棒鋼を1250℃で12時間保持してから室温まで放冷し、その後更に、925℃×1時間の加熱保持を行い、次いで、室温まで放冷した。
鋼S及び鋼Tについては、400mm×300mm角のブルームを1250℃で12時間均質化熱処理を行った後、分塊圧延して180mm×180mmの角ビレットにし、このビレットを1250℃で2時間加熱した後、900〜950℃の圧延仕上げ温度で、直径が35mmの棒鋼に熱間圧延した。
Figure 0004243852
このようにして得た鋼K〜Tの直径35mmの各棒鋼から切り出した試験片について、圧延方向又は鍛錬軸に平行に中心線をとおって切断した断面を鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて介在物の測定を行った。
なお、上記の光学顕微鏡による観察は、10mm×10mmの範囲毎に行い、介在物群の最大長さ及び個々の介在物の最大長さを測定した。各試料についてこの測定を15視野ずつ実施し、測定面積1500mm2中での介在物群の最大長さ及び個々の介在物の最大長さを決定した。なお、1つの介在物群とは、介在物同士の間隔が5μm以下である介在物の集合体をいう。
上記の調査において、硫化物は測定の対象から除外した。その理由は、これまでの調査から、破壊の起点には硫化物が検出されていないためである。また、光学顕微鏡による観察では、介在物の最大長さが2μm以下のものは判別が難しいため、これも測定の対象から除外した。なお、硫化物は光学顕微鏡観察で灰色を呈するため、容易に他の介在物と区別することができる。
また、小野式回転曲げ疲労試験も行った。
すなわち、上述の方法で作製した鋼K〜Tの直径35mmの各棒鋼から、平行部の直径と長さがそれぞれ、8mmと25mmで、肩部の半径が24mmの小野式回転曲げ疲労試験片を採取し、図1に示す条件で浸炭焼入れ及び焼戻しを行った。
小野式回転曲げ疲労試験における試験本数は各7本とし、通常の方法によって常温大気中で試験を行い、繰り返し数1.0×107まで破断しなかったうちで最も高い応力を「回転曲げ疲労強度」とした。
なお、鋼Kの化学成分は、一般的に用いられるJIS規格のSCM420鋼に相当するため、鋼Kの回転曲げ疲労強度である730MPaを基準とし、この値の15%以上となる851MPa以上を目標とした。
表6に、鋼K〜Tについての前記各調査の結果、すなわち、介在物群の最大長さ、個々の介在物の最大長さ及び回転曲げ疲労強度を示す。なお、表6においては、個々の介在物の最大長さを「介在物最大長さ」と表記し、介在物群の最大長さを「介在物群最大長さ」と表記した。
Figure 0004243852
図5に、介在物群の最大長さ(図5中では「介在物群最大長さ」と表記)と小野式回転曲げ疲労試験での回転曲げ疲労強度との関係を示す。また、図6に個々の介在物の最大長さ(図6中では「介在物最大長さ」と表記)と小野式回転曲げ疲労試験での回転曲げ疲労強度との関係を示す。
図5及び図6からわかるように、個々の介在物の最大長さよりも、介在物群の最大長さの方が回転曲げ疲労強度との相関が強く、介在物群の最大長さが30μm以下であれば、回転曲げ疲労強度が大きく向上し、前記の目標値を満足する。
したがって、本発明(1)及び本発明(2)に係る鋼材は、鋼材断面において、断面積1500mm2中での硫化物を除く介在物群の最大長さを30μm以下と規定した。
ここで、鋼材断面とは、棒鋼、線材の場合、望ましくは圧延方向又は鍛錬軸に平行に中心線をとおって切断した断面であり、鋼材が部品形状の場合は、表層部分〜表層から15mmの範囲の断面が望ましい。
なお、介在物の大きさ及び分布には、介在物の組成、凝固速度及び凝固偏析などが影響する。また、製鋼設備によっても影響を受ける。
このため、鋼材断面において、断面積1500mm2中での硫化物を除く介在物群の最大長さを30μm以下とするためには、例えば、次のような方法を採用すればよい。
(a)鋼中の含有量を、Alは0.05%以下、Oは0.002%以下、Tiは0.003%以下及びNは0.025%以下にすること。
(b)取鍋、タンディッシュ等の耐火物の溶損や鋳造時のスラグ及びパウダーの巻き込みを防止すること。
(c)鋳造をインゴットで行う場合には、小型の鋳型を用い、鋳型の材質に熱伝導のよいものを用いること。なお、実施例などに用いた30kgインゴットの場合には、上記の(a)及び(b)を満たし、且つ鋳型の材質に熱伝導のよいものを用いれば、目標とする介在物群の最大長さが得られる。
(d)一方、例えば、連続鋳造で400mm×300mm角という大断面のブルームを製造し、それから棒鋼又は線材を製造する場合、先ず、鋼中の含有量をAlは0.04%以下、Oは0.001%以下、Tiは0.002%以下及びNは0.018%以下にしてから、二次精錬でRH真空脱ガス処理を長時間実施し、また、溶鋼の電磁攪拌を十分に行い、更に、総鍛錬比、つまり「ブルームの断面積/棒鋼又は線材の断面積」が40以上となるように加工すればよい。
(D)浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造条件
本発明(3)に係る浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法は、前記本発明(1)又は本発明(2)の化学組成と介在物群を有する鋼材を、A3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後、500℃以下の温度域に急冷し、その後更に、非硬化部のA3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、次いで、300℃以下の温度域に急冷して製造するのがよい。
ここで、上記のA3点は前記(2)式で求められ、式中の元素記号は鋼材中の各元素の含有量(質量%)を表す(講座・現代の金属学 材料編4 鉄鋼材料、第43〜45ページ、日本金属学会編、昭和60年6月20日発行参照)。なお、既に述べたように、「非硬化部」とは浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れによって硬化していない部分を指し、したがって、その化学組成は浸炭焼入れ又は浸炭窒化焼入れする前の鋼材の化学組成と同じものである。
上記の規定は、本発明者らが行った次の実験結果に基づくものである。
すなわち、本発明者らは、前記表5中の鋼Lを用いて、前記(C)項で述べたのと同様にして小野式回転曲げ疲労試験片を作製し、表7及び図7に示す条件で浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後急冷し、更に、160℃で2時間の焼戻しを行った。表7における「CP」及び「NP」はそれぞれ、「カーボンポテンシャル」及び「窒素ポテンシャル」を意味する。ここで、前記(2)式から求めた鋼LのA3点は801℃である。
次いで、通常の方法によって常温大気中で小野式回転曲げ疲労試験を行い、繰り返し数1.0×107まで破断しなかったうちで最も高い応力を「回転曲げ疲労強度」とした。
表7に、小野式回転曲げ疲労試験結果を併せて示す。
Figure 0004243852
表7からわかるように、A3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後、500℃以下の温度域に急冷し、その後更に、非硬化部のA3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、次いで、300℃以下の温度域に急冷することにより、回転曲げ疲労強度が一層高くなる。
したがって、本発明(3)に係る浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法は、本発明(1)又は本発明(2)に係る鋼材を、A3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後、500℃以下の温度域に急冷し、その後更に、非硬化部のA3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、次いで、300℃以下の温度域に急冷することとした。
なお、1回目のA3点以上の温度域での加熱・保持は1050℃以下とするのが好ましく、2回目のA3点以上の温度域での加熱・保持は950℃以下とするのが好ましい。また、1回目の500℃以下の温度域への急冷は300℃以下まで行うことが好ましく、2回目の300℃以下の温度域への急冷は200℃以下まで行うことが好ましい。
表8に示す化学組成を有する鋼a〜sを溶解した。
上記の鋼のうち、鋼a〜cは150kg真空溶解炉にて溶製し、通常鋳型を用いてインゴットに鋳造した。なお、鋼cについては、鋳型に耐火物が損傷しているものを用い、意図的に耐火物が混入するようにした。
また、鋼d〜qは30kg真空溶解炉にて溶製し、インゴットに鋳造した。なお、鋼d〜pについては通常鋳型を用い、鋼qについては、凝固速度を遅くするために、シリカ鋳型を用いた。
更に、鋼r及び鋼sは、70t(トン)転炉で溶解し、連続鋳造によって400mm×300mm角のブルームを製造した。鋼rについては、二次精錬でRH真空脱ガス処理を長時間実施し、更に、溶鋼の電磁攪拌を十分に行った。一方、鋼sは二次精錬でVAD処理(真空アーク脱ガス処理)を実施し、更に、溶鋼の電磁攪拌を弱めて行った。
Figure 0004243852
上記のようにして得たインゴットとブルームについて次に示す処理を行った。
先ず、鋼a〜cのインゴットは、1150℃で30分加熱した後、仕上げ温度が950℃以上となるように熱間鍛造して、直径35mmの棒鋼を作製した。これらの各棒鋼を鋼a及び鋼bについては各5個、鋼cについては2個に分割し、前記表3に示す条件(鋼a及び鋼bはNo.1〜5、鋼cはNo.1及び2)で熱処理を行って室温まで放冷した。その後更に、925℃×1時間の加熱保持を行い、次いで、室温まで放冷した。
また、鋼d〜qのインゴットは、1150℃で30分加熱した後、仕上げ温度が950℃以上となるように熱間鍛造して、直径35mmの棒鋼を作製した。これらの各棒鋼に表3の条件No.2の熱処理を行って室温まで放冷した。その後更に、925℃×1時間の加熱保持を行い、次いで、室温まで放冷した。
鋼rのブルームは、表3の条件No.2の熱処理を行って室温まで放冷した後、分塊圧延して180mm×180mmの角のビレットにした。次いで、このビレットを1250℃で2時間加熱した後、900〜950℃の圧延仕上げ温度で、直径が35mmの棒鋼に熱間圧延した。
更に、鋼sのブルームは、表3の条件No.4の熱処理を行って室温まで放冷した後、分塊圧延して180mm×180mmの角のビレットにした。次いで、このビレットを1150℃で1時間加熱した後、900〜950℃の圧延仕上げ温度で、直径が35mmの棒鋼に熱間圧延した。
このようにして得た鋼a〜sの直径35mmの各棒鋼から切り出した試験片について、圧延方向又は鍛錬軸に平行に中心線をとおって切断した断面を鏡面研磨し、光学顕微鏡を用いて介在物の測定を行った。
なお、上記の光学顕微鏡による観察は、10mm×10mmの範囲毎に行い、その範囲内の介在物群の最大長さを測定した。各試料についてこの測定を15視野ずつ実施し、測定面積1500mm2中での介在物群の最大長さを決定した。なお、上記の調査において、硫化物は測定の対象から除外した。
また、上記の鏡面研磨した面で、Si、Mn、Cr及びMoの各元素についてEPMAを用いた線分析を行った。このEPMAによる線分析は、ビーム直径を1μm、走査速度を200μm/分として実施した。
更に、小野式回転曲げ疲労試験も行った。
すなわち、上述の方法で作製した鋼a〜sの直径35mmの各棒鋼から、平行部の直径と長さがそれぞれ、8mmと25mmで、肩部の半径が24mmの小野式回転曲げ疲労試験片を採取し、前記表7に示す条件で浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後急冷し、160℃で2時間保持後、放冷する条件で焼戻しを行った。
小野式回転曲げ疲労試験における試験本数は各7本とし、通常の方法によって常温大気中で試験を行い、繰り返し数1.0×107まで破断しなかったうちで最も高い応力を「回転曲げ疲労強度」とした。
なお、ピッチング強度の目標は、JIS規格のSCM420鋼に相当する前述の表5における鋼Lの回転曲げ疲労強度である730MPaの15%以上であること、つまり851MPa以上であること、とした。
表9及び表10に、上記の各試験結果を示す。なお、表9及び表10の「均質化処理条件」欄における番号は表3の処理条件No.に対応するものである。また、「浸炭(窒化)処理条件」欄の番号は表7の処理番号に対応するものである。なお、前記(1)式で表されるAの最小値は、表9及び表10においては、「(1)式で表されるAの値」と表記した。
Figure 0004243852
Figure 0004243852
表9及び表10から、本発明で規定する条件から外れた試験番号の場合には、小野式回転曲げ疲労試験における回転曲げ疲労強度は851MPaに達しない低いものであることが明らかである。
これに対して、本発明で規定する条件を満たす試験番号の場合には、小野式回転曲げ疲労試験における回転曲げ疲労強度は目標とする851MPaを超える大きな値であることが明らかである。
上記の本発明で規定する条件を満たす試験番号のうちでも、A3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後、500℃以下の温度域に急冷し、その後更に、非硬化部のA3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、次いで、300℃以下の温度域に急冷する処理を施した試験番号14、試験番号15、試験番号18、試験番号20、試験番号21及び試験番号24の回転曲げ疲労強度は、851MPaを大きく上回っていることが明らかである。
本発明の鋼材に浸炭処理又は浸炭窒化処理を施した後急冷した部品、或いは前記急冷後更に必要に応じて焼戻しを施した部品は、安定且つ良好な曲げ疲労強度を有するので、自動車や産業機械の部品である歯車、プーリー、シャフトなどに用いることができる。更に、本発明の製造方法により製造した浸炭処理部品又は浸炭窒化処理部品は、極めて安定且つ極めて良好な曲げ疲労強度を有する。
浸炭焼入れ及び焼戻しの条件を説明する図である。 PとSnの合計の含有量(図では「P+Sn含有量」と表記)が回転曲げ疲労強度に及ぼす影響を示す図である。 Si、Mn、Cr及びMoの各元素についてEPMAを用いて線分析を行った位置を示す図である。 (1)式で表されるAの最小値(図では「A値」と表記)とNb及びVの含有とが、表層から200μmの領域をSEM観察した場合のベイナイト組織とパーライト組織の存在の有無に及ぼす影響について示す図である。 介在物群の最大長さ(図では「介在物群最大長さ」と表記)と小野式回転曲げ疲労試験での回転曲げ疲労強度との関係を示す図である。 個々の介在物の最大長さ(図では「介在物最大長さ」と表記)と小野式回転曲げ疲労試験での回転曲げ疲労強度との関係を示す図である。 浸炭処理又は浸炭窒化処理とその後の急冷を2回行う方法を説明する図である。

Claims (3)

  1. 浸炭部品又は浸炭窒化部品用の鋼材であって、質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.2〜1.5%、S:0.003〜0.05%、Cr:0.5〜2.0%、Mo:0.1〜0.8%、Al:0.01〜0.05%及びN:0.008〜0.025%を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のTiは0.005%以下、O(酸素)は0.002%以下、PとSnは合計で0.030%以下である化学組成を有し、且つ、鋼材断面において、下記(1)式で表されるAの値の最小値が13以上であるとともに、断面積1500mm2中での硫化物を除く介在物群の最大長さが30μm以下であることを特徴とする鋼材。
    A=(1+0.681Si)(1+3.066Mn+0.329Mn2)(1+2.007Cr)(1+3.14Mo)・・・(1)
    ここで、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。また、1つの介在物群とは、介在物同士の間隔が5μm以下である介在物の集合体をいう。
  2. 浸炭部品又は浸炭窒化部品用の鋼材であって、質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:0.01〜0.25%、Mn:0.2〜1.5%、S:0.003〜0.05%、Cr:0.5〜2.0%、Mo:0.1〜0.8%、Al:0.01〜0.05%及びN:0.008〜0.025%に加えて、更に、Nb:0.01〜0.08%及びV:0.02〜0.15%の1種以上を含有し、残部はFe及び不純物からなり、不純物中のTiは0.005%以下、O(酸素)は0.002%以下、PとSnは合計で0.030%以下である化学組成を有し、且つ、鋼材断面において、下記(1)式で表されるAの値の最小値が15以上であるとともに、断面積1500mm2中での硫化物を除く介在物群の最大長さが30μm以下であることを特徴とする鋼材。
    A=(1+0.681Si)(1+3.066Mn+0.329Mn2)(1+2.007Cr)(1+3.14Mo)・・・(1)
    ここで、(1)式中の元素記号は、その元素の質量%での含有量を表す。また、1つの介在物群とは、介在物同士の間隔が5μm以下である介在物の集合体をいう。
  3. 請求項1又は2に記載の化学組成と介在物群を有する鋼材を、A3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行った後、500℃以下の温度域に急冷し、その後更に、非硬化部のA3点以上の温度域に加熱・保持して浸炭処理又は浸炭窒化処理を行い、次いで、300℃以下の温度域に急冷することを特徴とする浸炭部品又は浸炭窒化部品の製造方法。
    ここで、A3点は式中の元素記号を鋼材中の各元素の含有量(質量%)として、下記(2)式で求めたものを指す。
    3点(℃)=910−293C0.5+44.7Si+104V+31.5Mo・・・(2)
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