JPH08122334A - エンドトキシンの特異的測定剤および測定方法 - Google Patents

エンドトキシンの特異的測定剤および測定方法

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JPH08122334A
JPH08122334A JP28394194A JP28394194A JPH08122334A JP H08122334 A JPH08122334 A JP H08122334A JP 28394194 A JP28394194 A JP 28394194A JP 28394194 A JP28394194 A JP 28394194A JP H08122334 A JPH08122334 A JP H08122334A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬
(ライセート試薬)を用いて検体中のEtを測定するに
際し、ライセートに含まれるG因子(β−グルカン感受
性因子)の影響を受けずに、C因子系反応のみを利用し
て、Etを簡便かつ特異的に測定すること。 【構成】ライセート試薬に(1→3)-β-D-グルカン類の
ポリカルボン酸誘導体またはグリセリル誘導体を共存さ
せるエンドトキシン(Et)の特異的測定剤、ライセ
ート試薬を用いて検体中のエンドトキシンを測定するに
際し、の多糖誘導体を共存させるEtの特異的測定
法、の多糖誘導体を不溶性担体に固定化した不溶
性固定化物にライセートを接触させることによって得ら
れるEtの特異的測定剤、 検体との特異的測定剤
を混合するEtの特異的測定法、の多糖誘導体を有
効成分として含有するG因子活性化阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カブトガニ・アメボサ
イト・ライセート試薬を用いるエンドトキシンの特異的
測定剤、エンドトキシンの測定法およびG因子活性化阻
害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】カブトガニ・アメボサイト・ライセート
(以下単にライセートともいう)を使用して、エンドト
キシン(以下Etともいう)を測定する一般的に「リム
ルステスト」と呼ばれる方法が従来から知られており、
検出感度が非常に高いため、医薬品、水などの汚染試
験、臨床検査など多方面に汎用されている。なお、この
測定に関与するライセートの反応は「リムルス反応」と
呼ばれている。この方法は、微量のEtによりライセー
トが凝固することに基づいているが、その後の生化学的
解明により、該反応はいくつかの凝固因子の段階的活性
化より成ることが明らかにされている(J. Protein Che
m., 5, 255-268(1986)) 。
【0003】この反応を、例えば日本産カブトガニ(Ta
chypleus tridentatus)から得られるライセートによ
り、図1を用いて説明すると、ライセートにEtが加わ
ると、ライセート中に存在するC因子(Et感受性因
子、分子量123,000)が活性化され、生成した活
性型C因子がB因子(分子量64,000)の特定箇所
を限定水解して活性型B因子を生成し、活性型B因子は
プロクロッティングエンザイム(分子量54,000)
を活性化してクロッティングエンザイムに変換し、クロ
ッティングエンザイムはコアギュローゲン(凝固タンパ
ク、分子量19,723)のジスルフィド結合で架橋さ
れたループ内の特定箇所、すなわち…Arg18−Thr
19…の間および…Arg46−Gly47…の間を限定水解
してH−Thr19…Arg46−OHで表されるペプチド
C(アミノ酸28残基)を遊離しつつ残余の部分がコア
ギュリンゲルに変換される、という一連の反応(カスケ
ード反応とも呼ばれる)である。以下Etによる活性化
に起因するカスケード反応をC因子系反応という。
【0004】一方、ライセートはEtだけでなく(1→
3)−β−D−グルカン類(以下β−グルカンともい
う)が加わっても凝固することが明らかになった。すな
わち、図1におけるG因子(β−グルカン感受性因子)
が活性化され、生成する活性型G因子がプロクロッティ
ングエンザイムをクロッティングエンザイムに活性化
し、コアギュリンゲルを生成するというカスケード反応
が起こる。以下β−グルカンによる活性化に起因するカ
スケード反応をG因子系反応という。
【0005】また、上記の各カスケード反応により生成
するクロッティングエンザイムは、反応系に別に添加さ
れる合成基質、例えばt−ブトキシカルボニル−ロイシ
ル−グリシル−アルギニン−パラニトロアニリド(Bo
c−Leu−Gly−Arg−pNA)のアミド結合を
水解してパラニトロアニリンを遊離する。したがって、
生成した発色物質(パラニトロアニリン)の吸光度を測
定することによりEtまたはβ−グルカンを定量でき
る。
【0006】このように通常のライセート中にはC因子
系反応とG因子系反応の両方の反応に関与する成分が含
まれているため、これを用いて検体中のEtを測定する
際には検体に含まれる可能性のあるβ−グルカンによっ
てG因子系反応が進行して正しい結果が得られない場合
がある。このように、いわゆるリムルステストはEtに
特異的な測定法ではないことが明らかにされ、Etを特
異的に測定する方法が種々検討されている。
【0007】例えば、カードラン、パキマン、スクレロ
タン、レンチナン、シゾフィラン、コリオラン、ラミナ
ラン、パラミロン、カルボキシメチル化カードランから
なる群から選ばれた水溶性多糖をライセートと共存させ
ることによって、C因子系反応に影響を与えることなく
G因子の活性化を阻害し、エンドトキシンを特異的に測
定できることが知られている(USP 5,179,0
06)。
【0008】しかし、これらの多糖は一般に水に対する
溶解度が非常に低いため、大量に用いる必要があり、経
済的とはいえない。このような溶解度の低い多糖を用い
た場合、最小有効添加量を正確に求めることはできな
い。また、(1→3)-β-D-グルコシド構造単位を連続して
特定個数結合したポリ(1→3)-β-D-グルコシド構造部分
を含有するポリグリコシドを有効成分とするG因子活性
化阻害剤を利用する方法も報告されている(PCT国際
公開WO 90/02951)が、高力価の阻害剤を得
るためには、分解、分画等の複雑な工程を経る必要があ
った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ライ
セート試薬を用いて検体中のEtを測定するに際し、ラ
イセートに含まれるG因子(β−グルカン感受性因子)
の影響を受けずに、C因子系反応のみを利用して、Et
を簡便かつ特異的に測定することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために、ライセート中のC因子系反応を阻
害せずに、G因子系反応、すなわちβ−グルカンによる
G因子の活性化および/または活性型G因子の活性を選
択的に阻害し、かつ水に対する溶解度の高い物質につい
て検討した。その結果、ライセートに(1→3)-β-D-グル
カン類のポリカルボン酸誘導体またはグリセリル誘導体
を共存させることによってEtによるC因子系反応が実
質的に阻害されず、かつβ−グルカンによるG因子系反
応が強く阻害されることを見出した。さらにまた、該物
質を不溶性担体に固定化して得られる不溶性固定化物に
ライセート試薬を接触させることによって、ライセート
中のG因子のみを特異的に吸着除去できることを見出し
た。
【0011】本発明は、以下により構成される。 1)カブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬に(1→
3)-β-D-グルカン類のポリカルボン酸誘導体またはグリ
セリル誘導体を共存させることを特徴とするエンドトキ
シンの特異的測定剤。 2)カブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬を用い
て検体中のエンドトキシンを測定するに際し、カブトガ
ニ・アメボサイト・ライセート試薬中および/または検
体中に(1→3)-β-D-グルカン類のポリカルボン酸誘導体
またはグリセリル誘導体を共存させ、該試薬中に含まれ
る成分のエンドトキシンに起因する変化を測定または判
定することを特徴とするエンドトキシンの特異的測定
法。 3)検体とカブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬
との混合物中の合成基質水解能を測定する、前記2)の
エンドトキシンの特異的測定法。 4)検体とカブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬
との混合物中のゲル形成能を判定または測定する、前記
2)のエンドトキシンの特異的測定法。 5)(1→3)-β-D-グルカン類のポリカルボン酸誘導体ま
たはグリセリル誘導体を不溶性担体に固定化して得られ
る不溶性固定化物にカブトガニ・アメボサイト・ライセ
ート試薬を接触させることによって得られるエンドトキ
シンの特異的測定剤。 6)前記不溶性担体が、セルロース、アガロース、架橋
デキストラン、ポリアクリルアミド、多孔質ガラスおよ
び親水性ポリビニル系合成ポリマーからなる群から選ば
れた担体のヒドラジン誘導体またはヒドラジド誘導体で
あることを特徴とする前記5)記載のエンドトキシンの
特異的測定剤。 7)検体と前記5)または6)に記載の特異的測定剤を
混合し、該測定剤中に含まれる成分のエンドトキシンに
起因する変化を測定または判定することを特徴とするエ
ンドトキシンの特異的測定法。 8)(1→3)-β-D-グルカン類のポリカルボン酸誘導体ま
たはグリセリル誘導体を有効成分として含有し、カブト
ガニ・アメボサイト中のG因子の(1→3)−β−D−
グルカンによる活性化を阻害する作用を有することを特
徴とするG因子活性化阻害剤。 以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明で使用される多糖誘導体は、(1→3)
-β-D-グルカン類のポリカルボン酸誘導体またはグリセ
リル誘導体である。(1→3)-β-D-グルカン類とは、(1→
3)-β-D-グルコシド結合のみから構成されるポリ(1→3)
-β-D-グルコシドの他、このポリ(1→3)-β-D-グルコシ
ドを主鎖とし、この主鎖中あるいは分岐構造中に(1→6)
-β-D-グルコシドや(1→4)-β-D-グルコシドなどの構造
部分を包含する化合物を意味する。該化合物のグルコー
ス残基の任意の水酸基(−OH)は、−ORとしてして
化学修飾されていてもよい。ここで、Rはメチル基、ヒ
ドロキシメチル基、カルボキシメチル基、アセチル基、
ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、スルホプ
ロピル基、硫酸基、リン酸基等もしくはそれらの塩(金
属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩等)を表す。本
発明に使用されるポリカルボン酸誘導体の製法は、特に
制限はないが、(1→3)-β-D-グルカン類の(1→3)-β-D-
グルコシド以外のグルコース残基を開裂および酸化する
ことにより、そのグルコース残基1個当たり2個のカル
ボキシル基を形成する方法が挙げられる。開裂する方法
としては、過ヨウ素酸またはその塩を用いる方法が、開
裂により生じたジアルデヒドを酸化する方法としては、
亜塩素酸またはその塩を用いる方法が例示される。ポリ
カルボン酸誘導体の製造に用いられる(1→3)-β-D-グル
カン類は、上記開裂および酸化によりジカルボン酸を与
えるグルコース残基を必要とする。このような(1→3)-
β-D-グルカン類としては、(1→6)(1→3)-β-D-グルカ
ン類および(1→4)(1→3)-β-D-グルカン類が挙げられ
る。ここで、(1→6)(1→3)-β-D-グルカン類は、ポリ(1
→3)-β-D-グルコシドからなる主鎖に(1→6)-β-D-グル
コシル分岐を有するものであり、その分岐構造は、ポリ
(1→3)-β-D-グルコシドのグルコース残基の6位の水酸
基と(1→6)-β-結合したグルコース残基を少なくとも1
個含む構造である。従って、この分岐構造はポリ(1→6)
-β-D-グルコシド構造を含む。また、該ポリ(1→6)-β-
D-グルコシド構造に主鎖以外のポリ(1→3)-β-D-グルコ
シド構造が連結していてもよい。また、(1→4)(1→3)-
β-D-グルカン類はポリ(1→4)-β-D-グルコシド構造と
ポリ(1→3)-β-D-グルコシド構造が交互に連結して主鎖
を成すものである。例えば、(1→6)-β-D-グルコシル分
岐(1→3)-β-D-グルカン類〔(1→6)(1→3)-β-D-グルカ
ン類〕のポリカルボキシル化は基本的にはHofreiterら
の方法(J.Am. Chem. Soc., 7, 6457-6460 (1957)) に
より達成される。すなわち、過ヨウ素酸またはその塩
(ナトリウム塩、カリウム塩等)により、該(1→6)-β-
D-グルコシル分岐(1→3)-β-D-グルカン類の(1→3)-β-
D-グルコシドを除く過ヨウ素酸酸化が可能なグルコース
残基(即ち、隣接して水酸基がある結合)、例えば、(1
→6)-β-D-グルコシドの場合は、2位と3位、3位と4
位の各結合を酸化開裂し、蟻酸の生成と共に2,4−ジ
アルデヒド体とした後、亜塩素酸塩で更に酸化すること
により該グルコース1残基あたり次式(1)で表される
2個のカルボキシル基をもつ基を有したポリカルボン酸
誘導体が得られる。
【0013】
【化1】
【0014】本発明に使用されるポリカルボン酸誘導体
の原料の(1→3)-β-D-グルカン類は、PCT国際公開W
O90/02951に記載された如く、1分子中に分岐
構造あるいは修飾基(式(1)の基を含む)を有さない
(1→3)-β-D-グルコシドが、特定個数(2〜370個)
連結した部分を、少なくとも1ヶ所有したものであれば
良い。その分子量には特に制限はないが、通常、400
〜1,000,000の範囲のものが用いられる。本発
明に使用されるポリカルボン酸誘導体の式(1)の基が
導入可能なグルコール残基(即ち、隣接して水酸基をも
つグルコース残基)当たりの置換度(DS)は通常、
0.001〜1、好ましくは、0.01〜1である。本
発明に使用される(1→6)-β-D-グルコシル分岐(1→3)-
β-D-グルカン類は、天然にはサルノコシカケ科等に属
する担子菌類から得られ、具体例としてはSclerotinia
属由来のスクレロタン、Schizophyllum属(スエヒロタ
ケ)由来のシゾフィラン、Sclerotium属, Corticium属,
Stromatinia属等に由来するスクレログルカン類、Lent
inus属(シイタケ)由来のレンチナン等が挙げられる。
例えば、化2に示すシゾフィランおよびそれを過ヨウ素
酸酸化を通して得られるシゾフィランのポリカルボン酸
誘導体(化3に示す)の構造式は次で示される。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】また、(1→4)(1→3)-β-D-グルカン類とし
ては、天然に存在するCetraria属、Usnea属、Evernia属
等に由来するリケナンやオオムギ胚乳中に含まれるβ-
グルカン等が挙げられる。
【0018】本発明のグリセリル誘導体は、前記(1→3)
-β-D-グルカン類のグルコース残基の水酸基がグリセリ
ル化されたものであり、次式(2)で表すことができ
る。 (D)p C (2) (ここで、Dは−O−CH2 −CH(OH)−CH2
Hを表し、Cは(1→3)-β-D-グルカン類中のグルコース
残基であり、該残基中p個の水酸基がDで置換されてい
る。ここで、p は0〜3の整数を表わす。) 本発明に使用されるグリセリル誘導体は、PCT国際公
開WO90/02951に記載の方法、即ち、G因子活
性化物質、G因子、凝固酵素前駆体、及び凝固酵素が水
解しうる発色合成基質を含有する反応混液に検体あるい
は蒸留水を添加し、一定時間加温した後、遊離する発色
物質(パラニトロアニリン等)を比色定量し、比較する
ことにより、検体のG因子活性化阻害能を測定する方
法、で定義、測定されるG因子活性化阻害力価が100
単位/mg以上になるように置換度を調節して修飾基を
導入することにより得られる。この際置換基Dの置換度
(DS:(1→3)-β-D-グルコシド1残基当たりのDの
数)は通常、0.001〜1、好ましくは、0.01〜
0.9である。本発明のグリセリル誘導体の分子量に
は、制限はないが、通常400〜1,000,000の
範囲である。該(1→3)-β-D-グルカン類のグリセリル化
は、Kishidaらの方法(Carbohydr.Polym., 17, 89-95
(1992)) により達成される。すなわち、該グルカン類
を0.4-0.5Nのアルカリ性水溶液に溶解後、エピクロルヒ
ドリンを5%(v/v)程度加えて30〜50℃で1〜5時間加温し
てエポキシ化誘導体とした後、蒸留水に対して透析す
る。得られたエポキシ化誘導体を0.1Nのアルカリ性水溶
液に溶かし、55℃で5〜7時間攪拌する。室温まで冷却
後、蒸留水に対して透析することによりグリセリル誘導
体が得られる。以上の反応を式で示すと以下の通りとな
る。ただし、C6 はグルコース残基を示す。
【0019】
【化4】
【0020】式(2)において、Dの置換度は、オキシ
ラン基導入反応のpH、温度、時間および該グルカン類
に対するエピクロルヒドリンの使用量を調整することに
より可能である。グリセリル化される(1→3)-β-D-グル
カン類のうち、天然から得られるものとしては、Alcali
genes属、Rhizobium属等の土壌細菌から細胞外に分泌さ
れるカードランおよび類似グルカン、鞭毛藻(Euglena
属)由来のパラミロン、高等植物の繊維組織由来のβ-
グルカン、高等植物の篩管から抽出されるカロース、褐
藻類由来のラミナラン等が挙げられる。またこれらのグ
ルカン類を酸あるいは酵素分解し、低分子化した後用い
てもよい。
【0021】本発明で使用されるカブトガニ・アメボサ
イト・ライセート試薬(以下、単にライセート試薬とも
いう)としては、リムルス・ポリフェムス(Limulus p
olyphemus)、タキプレウス・トリデンタツス(Tachypl
eus tridentatus)、タキプレウス・ギガス(T. giga
s)、カルシノスコルピウス・ロツンディカウダ(Carci
noscorpius rotundicauda)等のカブトガニ血リンパ液
から、通常の方法(例えば、J. Biochem., 80, 1011-10
21(1976)参照)により調製した血球抽出物を挙げること
ができる。また、これらの抽出物にC因子の活性化に有
効な二価金属塩〔例えば、マグネシウム、カルシウム、
ストロンチウムなどのアルカリ土類金属のハロゲン化水
素酸塩(塩化物など)、硫酸塩等〕、クロッティングエ
ンザイムの基質(例えば、前記のBoc−Leu−Gl
y−Arg−pNAのような合成基質)、pH調整剤
(トリス−塩酸緩衝液などの緩衝剤)を必要に応じて添
加したものであってもよい。さらに、ライセート試薬と
しては、市販のものも使用することができる。なお、こ
のようなライセート試薬は液体、粉末、固形物等のいず
れの形態であってもよい。
【0022】本発明の目的を達成するためには、(A)
ライセート試薬に該多糖誘導体を共存させ、G因子系反
応に関与する成分が不活化されたライセート試薬(以下
「多糖誘導体含有ライセート試薬」ということもある)
として測定に供する方法、(B)検体中に該多糖誘導体
を添加することによって共存させ、通常のライセート試
薬を使用してこの該多糖誘導体添加検体を測定する際に
ライセート試薬中のG因子系反応に関与する成分の活性
化を阻害する方法、(C)(A)および(B)の併用、
すなわちライセート試薬と検体双方に該多糖誘導体を共
存させる方法、または(D)該多糖誘導体を不溶性担体
に固定化して得られる不溶性固定化物にライセート試薬
を接触させ、ライセート試薬中のG因子を吸着除去する
ことにより、エンドトキシンに特異的に反応する測定剤
であるライセート試薬(以下、「G因子不含ライセート
試薬」ということもある)を得、これを測定に供する方
法等が採用される。
【0023】ここで、ライセート試薬中のG因子系反応
を完全に阻害するのに必要な該多糖誘導体の量は、例え
ば、次のようにして決定することができる。氷冷下、一
定量のライセート試薬に、該多糖誘導体(Etを含有し
ないもの)の量を変えて加え、それらに通常の測定条件
下においてライセート試薬を充分に活性化する一定量の
β−グルカン(Etを含有しないもの)を加えて、通常
のライセート試薬使用時と同条件で反応させる。この条
件下でβ−グルカンによるライセート試薬の活性化を完
全に阻害する該多糖誘導体の量を求める。
【0024】Etを測定する方法において該多糖誘導体
をライセート試薬および/または検体中に共存させる方
法としては、例えば、下記〜等が挙げられる。 ライセート試薬の抽出調製時に該多糖誘導体を添加
して調製した多糖誘導体含有ライセート試薬を使用する
方法。 抽出したライセート試薬に該多糖誘導体を添加した
多糖誘導体含有ライセート試薬を使用する方法。 ライセート試薬の凍結乾燥品を該多糖誘導体含有溶
液で溶解した多糖誘導体含有ライセート試薬を使用する
方法。 ライセート試薬の凍結乾燥品を適当な溶解液で溶解
した溶液に該多糖誘導体を添加して調製した多糖誘導体
含有ライセート試薬を使用する方法。 該多糖誘導体を添加して抽出調製したライセート試
薬またはライセート試薬中に予め必要量の該多糖誘導体
を共存させ凍結乾燥して得た試薬を適当な溶解液で溶解
した多糖誘導体含有ライセート試薬を使用する方法。 ライセート試薬と合成基質の凍結乾燥品を該多糖誘
導体含有溶液で溶解するかまたは適当な溶液で溶解して
調製した溶液に、該多糖誘導体を添加する方法。 ライセート試薬と合成基質の混合液中に予め必要量
の該多糖誘導体を共存させ凍結乾燥して得た試薬を適当
な溶解液で溶解して用いる方法。 必要量の該多糖誘導体を検体に添加する方法。
【0025】要するに、本発明を使用したEtの測定法
においては、ライセート試薬中のC因子系反応が目的に
合った感度及び測定範囲で機能し、Etの定量もしくは
定性的測定が可能であれば、該多糖誘導体の使用法は任
意である。また、該多糖誘導体を固定化するために用い
られる不溶性担体としては、水酸基やカルバモイル基な
どの親水性の基を有する不溶性担体であれば何れも使用
可能である。これらの不溶性担体としては、セルロース
(例えば、セルロースパウダー(アドバンテック東洋販
売)、セルロファイン(生化学工業(株)販売)、アビ
セル(フナコシ薬品販売)、セレックス(バイオラッド
販売)など)、アガロース(例えば、セファロース(フ
ァルマシア販売)、バイオゲルA(バイオラッド販
売)、クロマゲルA(同仁化学販売)、サガバック(セ
ラバックラボラトリーズ販売)、ゲラロース(リテック
ス販売)、P−Lアガロース(P−Lバイオケミカルズ
販売)など)、架橋デキストラン(例えば、セファデッ
クスG、セファクリル(ファルマシア販売)、P−Lデ
ックス(P−Lバイオケミカルズ販売)など)、ポリア
クリルアミド(例えば、バイオゲルP(バイオラッド販
売)、クロマゲルP(同仁化学販売)など)、多孔質ガ
ラス(例えば、バイオグラス(バイオラッド販売)な
ど)、親水性ポリビニル系合成ポリマー(例えば、トヨ
パール(東ソー販売)など)などが挙げられる。これら
の不溶性担体に該多糖誘導体を固定化するためには不溶
性担体を活性化する必要がある。この方法としては、種
々のものがあり、例えば、水酸基を有する担体に対して
は、臭化シアンによる方法(R. Axen. J. Porath., and
S. Ernback, Nature, 214, 1302(1967)) やオキシラン
類による方法(J. Porath and N.Fornstedt, J. Chromat
ogr., 51, 479(1970)およびL. Sundberg and J. Porat
h,J. Chromatogr., 90, 87(1974) 、又、カルバモイル
基を有する担体に対しては、アルキルジアミンを用いて
アミノアルキルアミン誘導体とする方法やヒドラジンを
用いてヒドラジド誘導体とする方法( 共にJ. K. Inman
and H. M. Dintzis,Biochemistry, 8, 4074(1969)) な
どが挙げられるが、安定でかつ非特異的吸着の少ない方
法としては、エピクロルヒドリンやビスオキシラン類を
用いてエポキシ活性化し、得られたエポキシ活性化不溶
性担体を更に抱水ヒドラジンあるいはジヒドラジド化合
物と反応させて得たヒドラジン誘導体またはヒドラジド
誘導体を活性化体として用いる方法(松本勲武ら、特公
平5−53802)が優れている。本発明の測定剤を用
いてEtを測定するには、図1のカスケード反応によっ
て生成するクロッティングエンザイムの活性を公知の方
法で測定すればよい。
【0026】クロッティングエンザイムのアミダーゼ活
性の測定には、基質として、例えば前記のp−ニトロア
ニリンのような発色性残基を有するペプチド合成基質も
しくは発色性残基を有するこれと類似の配列のペプチド
合成基質、またはこれと同一もしくは類似の配列のペプ
チドであって、C末端のアミノ酸のカルボキシル基に前
記発色性残基の代わりに公知の発蛍光性残基、発光性残
基、アンモニアなどがアミド結合により置換したペプチ
ド合成基質を使用することができる。クロッティングエ
ンザイムがこれらの合成基質に作用して生成する反応生
成物を測定することによって、アミダーゼ活性の測定を
行うことができる。具体的には、本発明の測定剤とEt
を含む反応系に上記ペプチド合成基質を共存させ、反応
(カスケード反応および必要に応じて生成物の他色素等
への変換反応)によって生成する色素、蛍光物質または
アンモニアをそれぞれ分光光度計、蛍光光度計、化学発
光測定装置、アンモニア検出用電極(特開昭62−14
8860)等によって測定する方法を例示することがで
きる。
【0027】クロッティングエンザイムのプロテアーゼ
活性の測定には、本発明の測定剤中に含まれる(もしく
は別途添加した)コアギュローゲン(基質)にクロッテ
ィングエンザイムが作用してコアギュリンゲルが生成す
る際のゲル形成反応を、例えば適当な機器(例えば、濁
度測定装置、粘度測定装置等)で測定するか、または肉
眼で判定する方法を採用することができる。
【0028】本発明を使用する際には、リムルス反応に
際し、前記カスケード反応系の活性化に有効な2価金属
塩を共存させる必要がある。このような2価金属塩とし
ては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなど
のアルカリ土類金属のハロゲン化水素酸塩(塩化物
等)、硫酸塩等が例示される。また、本発明の測定剤に
おいては、上記金属塩をリムルス反応時に別に添加して
もよいが、通常ライセート試薬に上記2価金属塩を共存
させた状態で、非加熱条件下での乾燥処理(例えば、凍
結乾燥)を行って固体状態にしたものが望ましい。さら
に、上記アミダーゼ活性を測定するための測定剤は、2
価金属塩のほかに前記ペプチド合成基質を共存させたも
のであることが好ましく、これを乾燥処理したものであ
ってもよい。
【0029】本発明によりEtが測定される検体として
は、基本的には特に制限なく、Et定量の必要があるも
のあるいはその存否を確認する必要があるものであれば
よい。例えば、生体試料、医薬品、医療分野で使用する
水等を挙げることができる。
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0030】調製例1:グリセリルカードランの調製 グリセリルカードランは、Kishidaらの方法(Carbohyd
r. Polym., 17, 89-95(1992)) に従い調製した。すな
わち、カードラン(和光純薬工業(株)販売)200mgを0.5
MNaOH、100mLに溶解し、これにエピクロルヒドリン4.2m
Lを加え、攪拌しながら40℃で2時間加温した後、Etお
よびβ-グルカンを含まない蒸留水(以下DWともいう)
に対して透析した。透析内液を凍結乾燥し、エポキシ化
カードラン(カードランエポキシド)を得た(185m
g)。カードランエポキシドの150mgを0.1MNaOH、40mLに
溶かし、55℃で6時間攪拌した。室温まで冷却後、反応
混液をDWに対して透析し、透析内液を凍結乾燥して、グ
リセリルカードラン138mgを得た。得られたグリセリル
カードランの置換度(DS)は、SundbergとPorathの方
法(J. Chromatogr., 90, 87-98 (1974)) から0.14と
推定された。
【0031】調製例2:ポリカルボキシル化シゾフィラ
ンの調製 ポリカルボキシル化シゾフィランは、Hofreiterらの方
法に従い調製した。すなわち、スエヒロタケ由来のシゾ
フィラン(科研製薬販売、商品名ソニフィランをDWに対
して透析後、凍結乾燥したもの)100mgを90mLのDWに溶
かし、0.1M過ヨウ素酸ナトリウム10mLを加えて、遮光下
4℃で170時間反応させ、酸化した。過ヨウ素酸塩の消費
はAvigadの方法(Carbohydr. Res., 11, 119 (1969))
で追跡した。過剰のエチレングリコールを加えて反応停
止した後、DWに対して透析し、その透析内液に亜塩素酸
ナトリウム(酢酸により、pH4.0に調整したもの、終濃
度40mM)を加え、25℃で12時間反応させ酸化し、DWに対
して透析した後、透析内液を凍結乾燥し、DS0.83
のポリカルボキシル化シゾフィラン(Na塩)を得た(収
率93.3%)。
【0032】上記の各試料のG因子活性化阻害力価を出
発原料であるカードランおよびソニフィランと比較した
結果を表1に示す。なお、G因子活性化阻害力価はPCT
国際公開WO 90/029511に記載の方法により測定した。
【0033】
【表1】 ――――――――――――――――――――――――――――――― 試料番号 物質名 G因子活性化阻害力価 (単位/mg) ――――――――――――――――――――――――――――――― 1 カードラン 10 2 グリセリルカードラン 1,150 3 シゾフィラン(商品名:ソニフィラン) 10 4 ポリカルボキシル化シゾフィラン 468,000 ―――――――――――――――――――――――――――――――
【0034】上記表1から、両誘導体はそれぞれ出発原
料に比べ著しく高い(102〜105 倍)G因子活性化阻害力
価を有するようになったことがわかる。
【0035】調製例3:ポリカルボキシル化シゾフィラ
ン固定化セルロースの調製 セルロース(セルロファイン、GC−700−m、生化
学工業(株)販売)20g(湿重量)をグラスフィルタ
ー上でDWでよく洗浄後、吸引濾過した後、フラスコに入
れ、DW300mL、2M NaOH水溶液130mLおよび
エピクロルヒドリン30mLを順次加えて得られる懸濁液
を40℃で2時間振盪した後、グラスフィルター上で充
分洗浄してエポキシ活性化セルロファインを得た。得ら
れたエポキシ活性化セルロファイン1容(40mL)に8
0%ヒドラジン水化物水溶液1.5容(60mL)を加
え、40℃で1.5時間振盪した。反応後、グラスフィ
ルター上でDWで充分に洗浄してヒドラジノセルロファイ
ンを得た。得られたヒドラジノセルロファインのうち2
g(湿重量)に調製例2で得たポリカルボキシル化シゾ
フィラン50mgと水素化シアノホウ素ナトリウム26mg
とを0.2M K2 HPO4 水溶液1.5mLに溶解した
ものを加え、室温で3日間振盪した。反応後、グラスフ
ィルター上でDW10mLおよび0.2M酢酸ナトリウム水
溶液10mLで順次洗浄した。このものに無水酢酸5mLを
加え、0℃で30分間反応させた後、更に無水酢酸5mL
を加え、室温で30分間処理して未反応のヒドラジン残
基をアセチル化した。反応後、DW、0.1M NaOH
水溶液、DW、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で順次
洗浄して、ポリカルボキシル化シゾフィラン固定化セル
ロファインを得た。
【0036】実施例1:ポリカルボキシル化シゾフィラ
ンをライセート試薬の抽出調製時に添加する例 日本産カブトガニ(T.tridentatus) 血リンパ液1.0L
を4℃、1,500rpm で10分間遠心し、その沈殿部
分(アメボサイト)約21gにポリカルボキシル化シゾ
フィランを5.25 mg含有する0.02Mトリス−塩酸緩
衝液(pH8.0)210mLを加え、ポリトロンR
PT10にて均一に破砕および抽出し、10,000×
Gで30分間冷却遠心し、上澄液(ポリカルボキシル化
シゾフィラン含有ライセート試薬)190mLを得た。
【0037】このポリカルボキシル化シゾフィラン含有
ライセート試薬(本発明例)と上記においてポリカルボ
キシル化シゾフィランを添加しないで調製したライセー
ト試薬(比較例)各々0.04mLに2Mトリス−塩酸
緩衝液(pH8.0)0.01mL、0.4M塩化マグ
ネシウム(MgCl2 )0.03mL、3.0mM合成
基質(Boc−Leu−Gly−Arg−pNA)0.
02mLを加え、さらに検体としてDW(ブランク)、
Et(大腸菌O111:B4株由来、シグマ社販売のWestphal
type)またはβ−グルカン(後述により調製)を別々に
0.1mL加えた。また、それぞれ2倍濃度のEtとβ
−グルカンを0.05mLずつ同時に添加した。それら
を37℃、30分間加温して反応させ、0.6M酢酸
0.4mLを加えて反応を停止させ、405nmの吸光
度を測定して、生じたパラニトロアニリンを定量し、反
応性を比較検討した。ブランクとの差(Δ値)を反応性
として、その結果を表2に示した。この結果から、カブ
トガニ血リンパ液からライセート試薬を抽出する際にポ
リカルボキシル化シゾフィランを添加して調製したポリ
カルボキシル化シゾフィラン含有ライセート試薬を用い
れば、β−グルカンの影響を受けずに、Etを特異的に
測定できることがわかる。言い換えれば、本発明による
測定においては、C因子系反応は影響されることなくG
因子系反応が実質的に阻害されていることが証明され
た。
【0038】
【表2】 ―――――――――――――――――――――――――― 反応性(ΔA405nm) 検体 本発明例 比較例 ―――――――――――――――――――――――――― Et* 0.321 0.353 β−グルカン** 0.000 0.194 Et+β−グルカン 0.321 0.545 ―――――――――――――――――――――――――― * Et濃度: 3.0pg/0.1mL検体 ** β−グルカン濃度:5.0pg/0.1mL検体
【0039】(β−グルカンの調製法)PCT国際公開
W090/02951に記載の方法に準じ、カードラン
(和光純薬工業(株)販売)の1gを約100mLの5
mM NaOH水溶液に懸濁し、氷冷下で音波発生機、
ソニケーターTM(大岳製作所、形式5202PZT、東
京)により20kHZ、80Wで12分間音波処理によ
る低分子化を行った。処理液を5M NaOH水溶液を
用い、最終0.3M水溶液とし、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPCカラム:TSK gel
G3000PWXL2本、G2500PWXL 1本、移動
相:0.3M NaOH水溶液、流速0.5mL/mi
n)により分画採取し、再クロマトグラフィーにより分
子量216,000画分を分画採取し、GPC分画精製
標品(β−グルカン標品)を得た。
【0040】実施例2:グリセリルカードランをライセ
ート試薬に添加する例 日本産カブトガニ(T. tridentatus) 血リンパ液1.0
Lを4℃、1,500rpmで10分間遠心し、その沈殿
部分(アメボサイト)約21g に0.02Mトリス−塩
酸緩衝液(pH8.0)210mLを加え、ホモゲナイ
ザー(ポリトロンR PT10(商品名)、Kinematica
社製造)にて均一に破砕および抽出し、10,000×
gで30分間冷却遠心し、上澄液(ライセート試薬)1
90mLを得た。
【0041】このライセート試薬2.0mLにグリセリ
ルカードラン1mgを添加した後、更に0.4M塩化マ
グネシウム0.4mLを添加混和した後、凍結乾燥して
本発明のEt特異的測定剤を得た。また、ライセート試
薬2.0mLと0.4M MgCl2 0.4mLとを混
和後、凍結乾燥してグリセリルカードランを含まない比
較用の測定剤を得た。両凍結乾燥品をそれぞれDW2.
0mLに溶解し、その0.1mLに検体として、DW
(ブランク)、Etまたはβ−グルカンを別々に0.1
mL加え、静かに混和後、37℃、60分間静置加温
し、180゜転倒してゲル形成の有無を肉眼で判定し、
本発明の測定剤の反応性を比較検討した。その結果を表
3に示した。表中+はゲル化したことを、−はゲル化し
なかったことを表す。
【0042】
【表3】 ―――――――――――――――――――――――――― 反応性 検体 本発明例 比較例 ―――――――――――――――――――――――――― DW(ブランク) − − Et* + + β-グルカン** − + ―――――――――――――――――――――――――― * Et濃度: 4.0pg/0.1mL検体 ** β−グルカン濃度:40.0ng/0.1mL検体
【0043】この結果から、通常の方法で調製したライ
セート試薬にグリセリルカードランを添加して凍結乾燥
することによって、β−グルカンの影響を受けずに、E
tを特異的に測定できることがわかる。
【0044】実施例3:ポリカルボキシ化シゾフィラン
固定化セルロース(セルロファイン)を用いたライセー
ト試薬の調製 調製例3で得たポリカルボキシル化シゾフィラン固定化
セルロファイン湿体積0.4mLをグラスフィルター上
で、0.1M NaOH1L およびDW1L で順次洗浄
後、DWを加えて4mLとし、このうち0.2mLにDW1.8
mLを加えた懸濁液をポリビニリデンフロライド膜(0.
22μm、マイレクスGVフィルターユニット、日本ミ
リポア工業販売、Lot CEll)で濾過し、ポリカ
ルボキシル化シゾフィラン固定化セルロファインが付着
したフィルターを得た。実施例2で得たライセート試薬
(グリセリルカードラン無添加)1mLを上記のポリカル
ボキシル化シゾフィラン固定化セルロファイン付着フィ
ルターで濾過し、濾液を得、このうち0.04mLにMg
Cl2 1.5μgおよび合成基質(Boc−Leu−G
ly−Arg−pNA)4.0μgを加えて凍結乾燥し
た。この凍結乾燥品に0.2Mトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0)0.1mLおよび検体(Etまたはβ−グルカ
ンの種々濃度の水溶液)0.1mLを加えて37℃で30
分間加温した後、0.6M酢酸0.4mLを加えて反応停
止し、405nmにおける吸光度を測定した結果、および
未処理ライセート試薬を用いて同様に測定した結果を図
2および図3に示す。図中○印は未処理ライセート試薬
を使用した場合の吸光度を、△印はポリカルボキシル化
シゾフィラン固定化セルロファインで処理したライセー
ト試薬を使用した場合の吸光度を示す。図から明らかな
ように、ポリカルボキシル化シゾフィラン固定化セルロ
ファインで処理したライセート試薬は、β−グルカンと
は反応せず、Etとのみ反応し、これを使用することに
よってEtの特異的測定が可能である。
【0045】
【発明の効果】本発明は、Et特異的測定剤をライセー
ト試薬と(1→3)-β-D-グルカン類のポリカルボン酸誘導
体またはグリセリル誘導体とを組み合わせるかあるい
は、これらの誘導体を不溶性担体に固定化した不溶性固
定化物にライセート試薬を接触させるのみで容易に製造
ができるので操作性および経済性において優れている。
このようなEt特異的測定剤はEtの存在の有無が明確
でない感染症、敗血症を疑われている臨床検体を測定す
る時に特に有用であり、本発明は真のグラム陰性菌感染
症(エンドトキセミア)を的確に判別できる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】リムルス反応の機構を説明する図。
【図2】未処理のライセート試薬および本発明により処
理したライセート試薬と種々濃度のβ−グルカンとを反
応させたときの吸光度を示す図。
【図3】未処理のライセート試薬および本発明により処
理したライセート試薬と種々濃度のエンドトキシンとを
反応させたときの吸光度を示す図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
    試薬に(1→3)-β-D-グルカン類のポリカルボン酸誘導体
    またはグリセリル誘導体を共存させることを特徴とする
    エンドトキシンの特異的測定剤。
  2. 【請求項2】 カブトガニ・アメボサイト・ライセート
    試薬を用いて検体中のエンドトキシンを測定するに際
    し、カブトガニ・アメボサイト・ライセート試薬中およ
    び/または検体中に(1→3)-β-D-グルカン類のポリカル
    ボン酸誘導体またはグリセリル誘導体を共存させ、該試
    薬中に含まれる成分のエンドトキシンに起因する変化を
    測定または判定することを特徴とするエンドトキシンの
    特異的測定法。
  3. 【請求項3】 検体とカブトガニ・アメボサイト・ライ
    セート試薬との混合物中の合成基質水解能を測定する、
    請求項2のエンドトキシンの特異的測定法。
  4. 【請求項4】 検体とカブトガニ・アメボサイト・ライ
    セート試薬との混合物中のゲル形成能を判定または測定
    する、請求項2のエンドトキシンの特異的測定法。
  5. 【請求項5】 (1→3)-β-D-グルカン類のポリカルボン
    酸誘導体またはグリセリル誘導体を不溶性担体に固定化
    して得られる不溶性固定化物にカブトガニ・アメボサイ
    ト・ライセート試薬を接触させることによって得られる
    エンドトキシンの特異的測定剤。
  6. 【請求項6】 前記不溶性担体が、セルロース、アガロ
    ース、架橋デキストラン、ポリアクリルアミド、多孔質
    ガラスおよび親水性ポリビニル系合成ポリマーからなる
    群から選ばれた担体のヒドラジン誘導体またはヒドラジ
    ド誘導体であることを特徴とする請求項5記載のエンド
    トキシンの特異的測定剤。
  7. 【請求項7】 検体と請求項5または6に記載の特異的
    測定剤を混合し、該測定剤中に含まれる成分のエンドト
    キシンに起因する変化を測定または判定することを特徴
    とするエンドトキシンの特異的測定法。
  8. 【請求項8】 (1→3)-β-D-グルカン類のポリカルボン
    酸誘導体またはグリセリル誘導体を有効成分として含有
    し、カブトガニ・アメボサイト中のG因子の(1→3)
    −β−D−グルカンによる活性化を阻害する作用を有す
    ることを特徴とするG因子活性化阻害剤。
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