JPH08111076A - 光ピックアップ装置の組立方法及び円盤状記録媒体の記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ピックアップ装置が円盤状記録媒体の最内
周部に移動した際、光ピックアップ装置を高精度に停止
させるとともに、円盤状記録媒体の読み取り開始位置の
高精度な検出を可能とする。 【解決手段】 対物レンズ８の光軸と平行な基準面７が
一側面部に形成された取付け基台６の基準面７を光軸を
調整する調整用治具２８の基準面２８Ａに突き当てた状
態で対物レンズ８の光軸を調整した後、対物レンズ８が
組み付けられたボビン５を取付け基台６に取り付けて光
ピックアップ装置３を組み立てる。次いで、光ディスク
の信号記録領域に対して内外周に亘って移動自在となる
ようにガイド軸１５及びガイド部材１６に光ピックアッ
プ装置３を取り付ける。さらに、光ピックアップ装置３
が光ディスクの信号記録領域の最内周部に移動した際、
取付け基台６の基準面７をストッパ部材１４に当接させ
ることにより光ピックアップ装置３の移動を停止させて
組み立てる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば読み出し専
用の光記録媒体（以下、ＣＤーＲＯＭと称する。）や書
換え型光記録媒体、その他、光変調あるいは磁界変調に
よって書換え可能な光磁気記録媒体等の円盤状記録媒体
に対して情報信号の書き込み及び／又は情報信号の読み
出しを行うために用いられる光ピックアップ装置の組立
方法及びこのピックアップ装置を備える円盤状記録媒体
の記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクプレイヤー等の光学式の記録
再生装置は、情報信号の光学式記録媒体として光ディス
クの如き円盤状記録媒体を用いて、円盤状記録媒体の信
号記録領域に記録された情報信号の読み取り又は、円盤
状記録媒体の信号記録領域に情報信号の記録を行なって
いる。

【０００３】ところで円盤状記録媒体としての光ディス
クには、信号記録領域の内周部に情報信号の書き込み可
能な信号記録領域が設けられているものがある。この光
ディスク、いわゆるＣＤ−Ｒは、読み出し専用のＣＤ−
ＲＯＭの信号記録領域の最内周部から更に内周側に約
１．８ｍｍ程度の幅寸法の信号記録領域を設けたもので
ある。そこで、このＣＤ−Ｒを記録媒体に用いる記録再
生装置は、このＣＤ−Ｒに対して情報信号の記録再生す
る際に、ＣＤ−ＲＯＭと比較して、約１．８ｍｍ程度の
距離だけ更に内周部に光ピックアップ装置を移動させる
必要がある。

【０００４】ＣＤ−Ｒに対応した光ディスクの記録再生
装置は、同出願人によって提案されている。この光ディ
スクの記録再生装置２０は、図５及び図６に示すように
構成されている。これら、図５及び図６に示す光ディス
クの記録再生装置２０は、概略、ボビン３５に取り付け
られた対物レンズ３８を光ディスクの信号記録領域に対
して移動させる光ピックアップ装置３３と、この光ピッ
クアップ装置３３が組み付けられるガイド軸４５及びガ
イド部材４６と、光ディスクを回転駆動するスピンドル
モータ５３と、これらガイド軸４５、ガイド部材４６及
びスピンドルモータ５３とがそれぞれ配設されたシャー
シ部材５１とから構成されている。

【０００５】この光ディスクの記録再生装置２０に用い
られる光ピックアップ装置３３は、対物レンズ３８と、
この対物レンズ３８が設けられたボビン３５と、このボ
ビン３５が取付けられた取付け基台３６と、この取付け
基台３６に組み付けられた駆動部４１と、この光ピック
アップ装置３３が組み付けられるシャーシ部材５１に設
けられたガイド軸４５及びガイド部材４６とから構成さ
れている。

【０００６】シャーシ部材５１には、ガイド軸４５が第
１の支持部４７Ａ及び第２の支持部４７Ｂとによって両
端部をそれぞれ支持され、これら第１の支持部４７Ａ及
び第２の支持部４７Ｂとがそれぞれ設けられている。ま
た、シャーシ部材５１には、ガイド軸４５と互いに平行
に、ガイド部材４６が第１の支持部４８Ａ及び第２の支
持部４８Ｂとによって両端部をそれぞれ支持されてお
り、これら第１の支持部４８Ａ及び第２の支持部４８Ｂ
とがそれぞれ設けられている。シャーシ部材５１は、こ
れらのガイド軸４５及びガイド部材４６に、光ピックア
ップ装置３３が摺動自在に組み付けられている。

【０００７】取付け基台３６は、金属材料によって略矩
形状に形成され、主面上にボビン３５が設けられてい
る。この取付け基台３６は、一端部にスリーブ取付け部
４０Ａ、４０Ｂがそれぞれ一体に突出形成されており、
これらのスリーブ取付け部４０Ａ、４０Ｂにスリーブ部
材５４が設けられている。そして、取付け基台３６は、
このスリーブ部材５４を介してガイド軸４５に摺動自在
に取付けられている。

【０００８】また、この取付け基台３６は、他端部にボ
ビン３５に隣接して突部５５が突出形成されており、こ
の突部５５の一側面部に支軸５６が設けられている。取
付け基台３６は、この支軸５６に転がり軸受け３９が回
動自在に支持されており、ガイド部材４６にこの転がり
軸受け３９を介して摺動自在に取付けられている。

【０００９】さらに、取付け基台３６は、一側面部にボ
ビン３５を駆動する駆動回路部４１が設けられている。
この駆動回路部４１は、図示しない電力供給部とフレキ
シブル・ケーブル４２を介して接続されている。そし
て、取付け基台３６には、ガイド軸４５に隣接して電磁
浮上駆動部４８が設けられており、駆動回路部４１から
供給される電力によってこの電磁浮上駆動部４８に磁力
が発生する。また、シャーシ部材５１には、ガイド軸４
５と平行に第１の磁石部材５２Ａ及び第２の磁石部材５
２Ｂとがそれぞれ配設されている。

【００１０】すなわち、光ピックアップ装置３３は、こ
の電磁浮上駆動部４８が発生する磁力と、電磁浮上駆動
部４８に対応する位置に配設された第１の磁石部材５２
Ａ及び第２の磁石部材５２Ｂにより生じる磁力とによっ
て発生する斥力により浮上された状態で移動される。

【００１１】ボビン３５は、対物レンズ３８を有し、２
軸アクチュエータによって弾性変位自在に支持されてい
る。すなわち、このボビン３５は、光ディスクの信号記
録領域に対して平行な方向であるトラック方向に調整す
る機構と、光ディスクの信号記録領域に対して直交する
方向であるフォーカス方向に調整する機構とを備えてい
る。

【００１２】以上のように構成された光ディスクの記録
再生装置２０において、光ピックアップ装置３３が光デ
ィスクの信号記録領域の情報信号を読み取るために移動
する動作について説明する。取付け基台３６は、電磁浮
上駆動部４８によって浮上された状態で、ガイド軸４５
及びガイド部材４６にそれぞれ支持される。そして、こ
の取付け基台３６は、スリーブ部材５４を介してガイド
軸４５及びガイド部材４６に沿って移動する。

【００１３】光ピックアップ装置３３は、取付け基台３
６が移動することによって、対物レンズ３８が光ディス
クの半径方向に移動して、光ディスクの情報信号を読み
取り再生する。光ピックアップ装置３３は、光ディスク
の信号記録領域の最内周部に移動した際、取付け基台３
６に設けられたスリーブ部材５４の一端部が突き当て部
５７Ａに当接することによって移動が停止される。

【００１４】そして、光ピックアップ装置３３は、光デ
ィスクの信号記録領域の最外周部に移動した際、取付け
基台３６に設けられたスリーブ部材５４の一端部が突き
当て部５７Ｂに当接することによって移動が停止され
る。すなわち、光ディスクの記録再生装置２０は、突き
当て部５７Ａ及び突き当て部５７Ｂとによって、光ピッ
クアップ装置３３の移動する範囲が規制されている。

【００１５】また、この光ディスクの記録再生装置２０
は、光ピックアップ装置３３を組み立てる際に、取付け
基台３６に対する対物レンズ３８の光軸の位置決めであ
るアライメント調整を行っている。このボビン３５の光
軸のアライメント調整について、図３を参照して説明す
る。

【００１６】ボビン３５は、取付け基台３６に取付けら
れた状態で、取付け基台３６のスリーブ部材５４がガイ
ド軸４５に取付けられ、対物レンズ３８の光軸に隣接し
た一側面を基準面３７として、対物レンズ３８の光ディ
スクの信号記録領域である主面に対する光軸の傾斜を調
整するスキュー調整等のアライメント調整が行われてい
る。したがって、アライメント調整が行われた光ピック
アップ装置３３は、基準面３７と対物レンズ３８の光軸
とが極めて高精度な位置関係に保たれている。

【００１７】

【発明が解決しようとする課題】上述した光ピックアッ
プ装置３３は、光ディスクの信号記録領域の情報信号を
読み取るため、光ディスクの信号記録領域の内周部に向
かって移動する際に、光ディスクを回転駆動するスピン
ドルモータ５３に設けられた図示しない捲線コイル等に
当接することを防止する必要がある。したがって、この
光ピックアップ装置３３は、光ディスクの信号記録領域
の内周部に移動する際に、スピンドルモータ５３の手前
で停止するように移動する範囲が規制されており、停止
の位置精度が要求されている。

【００１８】すなわち、光ピックアップ装置３３は、ガ
イド軸４５及びガイド部材４６に沿って移動する範囲を
規制するために、ガイド軸４５の一端部近傍に位置して
突き当て部５７Ａが設けられている。光ピックアップ装
置３３は、ガイド軸４５に沿って摺動する取付け基台３
６に設けられたスリーブ部材５４が、突き当て部５７Ａ
に当接することにより移動が停止される。

【００１９】或いは、米国特許出願ＮＯ,０８／２５２,
０６９に開示されたように、光ピックアップ装置３３
は、取付け基台３６の一側面部を利用して、この一側面
部がシャーシ部材上に設けた突き当て部５７Ａに当接す
ることにより移動を停止させる方法等がある。

【００２０】しかしながら、上述した方法は、いずれも
光ピックアップ装置３３の対物レンズ３８の光軸と突き
当て部５７Ａとの位置精度を正確に保つことが困難であ
り、これらの位置関係に誤差が大きく生じるという問題
点があった。

【００２１】そこで、本発明は、光ピックアップ装置が
円盤状記録媒体の最内周部に移動した際、光ピックアッ
プ装置を高精度に停止させることができるとともに、円
盤状記録媒体の読み取り開始位置を高精度に検出するこ
とが可能な光ピックアップ装置の組立方法及び円盤状記
録媒体の記録再生装置を提供することを目的とするもの
である。

【００２２】

【課題を達成するための手段】上述したような目的を達
成するため、本発明に係る光ピックアップ装置の組立方
法は、対物レンズの光軸と平行な基準面が一側面部に形
成された取付け基台の当該基準面を対物レンズの光軸を
調整する調整用治具に設けられた基準面に突き当てた状
態で対物レンズの光軸の配列と傾きとをそれぞれ調整す
る。対物レンズの光軸を調整した後、当該対物レンズが
組み付けられたボビンを上記取付け基台に取り付けて光
ピックアップ装置を組み立てる。次いで、シャーシ部材
に設けられたガイド軸及びガイド部材に円盤状記録媒体
の信号記録領域に対して内外周に亘って移動自在となる
ように上記光ピックアップ装置を取り付ける。さらに、
上記光ピックアップ装置が円盤状記録媒体の信号記録領
域の最内周部に移動した際、上記取付け基台の基準面を
上記シャーシ部材上に設けたストッパ部材に当接させる
ことにより、上記光ピックアップ装置の移動を停止させ
て組み立てる。

【００２３】また、本発明に係る円盤状記録媒体の記録
再生装置は、対物レンズと、この対物レンズが組み付け
られたボビンと、対物レンズの光軸の配列及び傾きを調
整するための基準面が上記光軸と平行に設けられた取付
け基台と、この取付け基台を駆動する駆動部とから構成
されて円盤状記録媒体の信号記録領域に対して内外周に
亘って移動自在に組み付けられる光ピックアップ装置を
備える。そして、この円盤状記録媒体の記録再生装置に
は、取付け基台の基準面が当接することによって光ピッ
クアップ装置の移動を停止させるストッパ部材を設け
る。

【００２４】また、基準面は、ストッパ部材に当接する
ことにより円盤状記録媒体の信号記録領域の最内周部の
位置が検出させるとともに、光ピックアップ装置がこの
ストッパ部材から円盤状記録媒体の情報信号の読み取り
開始位置に移動を開始する位置基準とする。

【００２５】さらに、基準面は、取付け基台に、円盤状
記録媒体を回転駆動する駆動モータの回転中心と光ピッ
クアップが有する対物レンズの光軸とを結ぶ線と交差す
る位置に設ける。さらにまた、基準面は、取付け基台の
位置を検出する位置検出装置を作動させる作動片を押し
込む操作部とする。また、ストッパ部材は、上記駆動モ
ータの外周部近傍に位置して設ける。

【００２６】上述のように構成した本発明に係る光ピッ
クアップ装置の組立方法によれば、取付け基台の基準面
を基準として対物レンズの光軸を調整した後に、光ピッ
クアップ装置が円盤状記録媒体の信号記録領域の最内周
部に移動した際、上記取付け基台の基準面を基準として
ストッパ部材に当接させることによって光ピックアップ
装置の移動を停止させて組み立てる。

【００２７】また、上述のように構成した本発明に係る
円盤状記録媒体の記録再生装置によれば、取付け基台に
設けられ対物レンズが取付け基台に取り付けられる際
に、この対物レンズの光軸の配列及び傾きを調整するた
めに使われた基準面が、シャーシ部材に設けられたスト
ッパ部材に当接することによって、光ピックアップ装置
の移動が停止される。さらに、この円盤状記録媒体の記
録再生装置は、取付け基台に設けられた基準面とシャー
シ部材に設けられたストッパ部材とが当接した位置を、
円盤状記録媒体の信号記録領域に対して光ピックアップ
装置の移動を開始する位置基準とする。したがって、こ
の円盤状記録媒体の記録再生装置は、光ピックアップ装
置の高精度な位置検出が可能となる。

【００２８】

【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施形態に係る
実施形態円盤状記録媒体の記録再生装置について、図１
乃至図４を参照して説明する。なお、円盤状記録媒体と
して最内周部の一部に書き込み領域が設けられた読み出
し用の光記録媒体（ＣＤーＲ；以下、単に光ディスクと
称する。）を用いた実施形態光ディスクの記録再生装置
１について説明する。この光ディスクの記録再生装置１
は、従来の光ディスクの記録再生装置２０と構成がほぼ
同一であり、情報信号を読み取る対物レンズ８を光ディ
スクの信号記録領域に対して移動するために、光ピック
アップ装置３を備えている。

【００２９】光ディスクの記録再生装置１は、概略、光
ピックアップ装置３と、この光ピックアップ装置３が組
み付けられるガイド軸１５及びガイド部材１６と、光デ
ィスクを回転駆動するスピンドルモータ２３と、これら
ガイド軸１５、ガイド部材１６及びスピンドルモータ２
３とがそれぞれ配設されたシャーシ部材２１とから構成
されている。

【００３０】光ピックアップ装置３は、図１に示すよう
に、対物レンズ８と、この対物レンズ８が設けられたボ
ビン５と、このボビン５が取付けられた取付け基台６
と、この取付け基台６に組み付けられた駆動部１１と、
この光ピックアップ装置３が組み付けられるシャーシ部
材２１に設けられたガイド軸１５及びガイド部材１６と
から構成されている。

【００３１】シャーシ部材２１には、ガイド軸１５が第
１の支持部１７Ａ及び第２の支持部１７Ｂとによって両
端部をそれぞれ支持され、これら第１の支持部１７Ａ及
び第２の支持部１７Ｂとがそれぞれ設けられている。ま
た、シャーシ部材２１には、ガイド軸１５と互いに平行
に、ガイド部材１６が第１の支持部１７Ａ及び第２の支
持部１７Ｂとによって両端部をそれぞれ支持されてお
り、これら第１の支持部１７Ａ及び第２の支持部１７Ｂ
とがそれぞれ設けられている。そして、これらのガイド
軸１５及びガイド部材１６には、光ピックアップ装置３
が摺動自在に取付けられている。

【００３２】取付け基台６は、金属材料によって略矩形
状に形成され、主面上にボビン５が設けられている。こ
の取付け基台６は、一端部にスリーブ取付け部１０Ａ、
１０Ｂがそれぞれ一体に突出形成され、これらのスリー
ブ取付け部１０Ａ、１０Ｂにスリーブ部材２４が設けら
れている。そして、取付け基台６は、このスリーブ部材
２４を介してガイド軸１５に摺動自在に取付けられてい
る。

【００３３】また、この取付け基台６は、他端部にボビ
ン５に隣接して突部２５が突出形成されており、この突
部２５の一側面部に支軸２６が設けられている。取付け
基台６は、この支軸２６に転がり軸受け９が回動自在に
支持されており、ガイド部材１６にこの転がり軸受け９
を介して摺動自在に取付けられている。

【００３４】さらに、取付け基台６は、一側面部にボビ
ン５を駆動する駆動回路部１１が設けられている。この
駆動回路部１１は、図示しない電力供給部とフレキシブ
ル・ケーブル１２を介して接続されている。そして、取
付け基台６には、ガイド軸１５に隣接して電磁浮上駆動
部１９が設けられており、駆動回路部１１から供給され
る電力によってこの電磁浮上駆動部１９に磁力が発生す
る。また、シャーシ部材２１には、ガイド軸１５と平行
に第１の磁石部材２２Ａ及び第２の磁石部材２２Ｂとが
それぞれ設設されている。

【００３５】すなわち、光ピックアップ装置３は、この
電磁浮上駆動部１９が発生する磁力と、電磁浮上駆動部
１９に対応する位置に配設された第１の磁石部材２２Ａ
及び第２の磁石部材２２Ｂにより生じる磁力とによって
発生する斥力により浮上された状態で移動される。

【００３６】さらにまた、取付け基台６は、スピンドル
モータ２３に臨む一側面部に、ボビン５に設けられた対
物レンズ８の光軸と平行に基準面７が、取付け基台６の
摺動方向と直交する方向に延長して設けられている。

【００３７】この基準面７は、取付け基台６に対してボ
ビン５が取り付けられる光ピックアップ装置３のアッセ
ンブリ工程において、光軸の配列を調整するアライメン
ト調整及び光軸の傾きを調整するスキュー調整の基準面
となる。

【００３８】これら光軸のアライメント調整及びスキュ
ー調整は、図３に示すように、光ピックアップ装置３の
製造ラインにおいて専用の調整用治具２８を使用して行
われる。この調整用治具２８には、ピックアップストッ
パ部材２９に別個の基準面２９Ａが用意され、取付け基
台６の一対のスリーブ取付け部１０Ａ、１０Ｂを支持す
るメインガイド軸３０と転がり軸受９を支持するサブガ
イド軸３１とがそれぞれ設けられている。また、光ピッ
クアップ装置３は、ボビン５が、対物レンズ８の集光点
を基点に、対物レンズ８の光軸と直交する平面内を３６
０度方向に移動可能とされた調整構造を備えている。

【００３９】調整時には、ピックアップストッパ部材２
９の基準面２９Ａに対して所定寸法で高精度に設けられ
た調整用テレビカメラ３２によって、これらの支持関係
を維持しながら、取付け基台６の基準面７を調整用治具
２８の基準面２９Ａに当接させた状態でボビン５の位置
や傾きを微調整し、調整終了後にボビン５を取付け基台
６に固定することによって光ピックアップ装置３のアッ
センブリ工程を完了する。一旦、これらの光軸のアライ
メント調整とスキュー調整とが終了すると、対物レンズ
８の光軸と基準面７とは、この光ピックアップ装置３に
おいて最も高精度な位置関係を保つことが保証される。

【００４０】なお、上述した光軸のアライメント調整及
びスキュー調整においては、主に光軸の配列や傾き、回
折格子の位置決めによる３スポットの傾斜角、出射光の
出力、光学ブロックからの出射光を光学プリズムで直角
に反射させる精度、レーザ光源の取付け位置、戻り光の
精度、フォトディテクタの位置等の諸条件がそれぞれ調
整される。

【００４１】そして、アッセンブリ工程が完了した光ピ
ックアップ装置３は、光ディスクの記録再生装置１内に
組み付けられることにより、前述したような構成とな
る。光ディスクの記録再生装置１内に光ピックアップ装
置３の組み付けが終了すると、この基準面７は、スピン
ドルモータ２３の回転中心とボビン５が有する対物レン
ズ８の光軸とを結ぶ線と交差する位置関係に配されるこ
とになる。

【００４２】シャーシ部材２１には、スピンドルモータ
２３の外周部近傍に位置して、金属材料により形成され
た略円柱状のストッパ部材１４が設けられている。取付
け基台６に設けられた基準面７は、このストッパ部材１
４に当接することによって、この光ピックアップ装置３
の移動を停止させる。

【００４３】ストッパ部材１４は、金属材料によって形
成することにより、基準面７との当接による光ピックア
ップ装置３の停止位置の精度が高精度に保たれる。な
お、ストッパ部材１４は、取付け基台６の基準面７が当
接する際に生じる衝撃を低減するために、緩衝部材を設
けたり、弾性材料によって形成してもよい。

【００４４】ボビン５は、対物レンズ８を有し、２軸ア
クチュエータによって弾性変位自在に支持されている。
すなわち、ボビン５は、対物レンズ８を光ディスクの信
号記録領域に対して平行な方向であるトラック方向に調
整する機構と、光ディスクの信号記録領域に対して直交
する方向であるフォーカス方向に調整する機構とをそれ
ぞれ備えている。

【００４５】以上のように構成された構成された光ディ
スクの記録再生装置１において、光ピックアップ装置３
が光ディスクの情報信号の読み取りを行う動作について
説明する。この光ディスクの記録再生装置１は、光ピッ
クアップ装置３をガイド軸１５及びガイド部材１６に沿
って、光ディスクの信号記録領域の内周部に移動させ
る。

【００４６】光ピックアップ装置３は、光ディスクの信
号記録領域の最内周部に移動することによって、取付け
基台６に設けられた基準面７が、シャーシ部材２１に設
けられたストッパ部材１４に当接する。光ピックアップ
装置３は、基準面７がストッパ部材１４に当接すること
によって移動が停止される。

【００４７】そして、光ピックアップ装置３は、基準面
７がストッパ部材１４に当接した位置を、情報信号の書
き込み可能領域又は読み取り開始位置に移動する位置基
準として移動を開始する。すなわち、光ピックアップ装
置３は、この位置基準から一定距離を移動することによ
って、光ディスクの情報信号の書き込み可能領域又は読
み取り開始位置に到着する。

【００４８】上述したように実施形態光ディスクの記録
再生装置１によれば、対物レンズ８の光軸と、取付け基
台６に設けられた基準面７とが極めて高精度な位置関係
にあるため、この基準面７がシャーシ部材２１に設けら
れたストッパ部材１４に当接する位置を位置基準として
光ピックアップ装置３を移動することによって、信号記
録領域の情報信号の読み取り開始位置を高精度に検出す
ることができる。

【００４９】さらに、光ディスクの記録再生装置１は、
シャーシ部材２１に設けられたストッパ部材１４に、取
付け基台６に設けられた基準面７が当接して光ピックア
ップ装置３の移動が停止されることによって、停止され
た光ピックアップ装置３の光軸とスピンドルモータ２３
の回転中心との距離の精度が向上される。

【００５０】上述した光ディスクの記録再生装置１は、
シャーシ部材２１に、取付け基台６の基準面７が当接す
るストッパ部材１４が設けられている。しかしながら、
シャーシ部材２１には、図４に示すように、取付け基台
６が移動した位置を検出する位置検出装置２７を設け
て、この位置検出装置２７の作動片２７Ａを押し込むこ
とによって、この位置検出装置２７を作動させる操作部
として基準面７を用いてもよい。

【００５１】なお、上述した実施形態光ディスクの記録
再生装置１は、光ディスクとしてＣＤ−Ｒが適用された
が、ＣＤ−Ｒに限定されるものではなく、例えばＣＤー
ＲＯＭ等の他の円盤状記録媒体が適用されても好適であ
る。

【００５２】

【発明の効果】上述したように本発明に係る光ピックア
ップ装置の組立方法によれば、取付け基台に設けられた
基準面と対物レンズの光軸を調整する調整用治具に設け
られた基準面とを突き当てた状態で対物レンズの光軸が
調整された光ピックアップ装置が円盤状記録媒体の信号
記録領域の最内周部に移動した際、取付け基台の基準面
をストッパ部材に当接させることによって光ピックアッ
プ装置の移動を停止させて組み立てることによって、対
物レンズの光軸が高精度に調整された光ピックアップ装
置を高精度に組み立てることができる。

【００５３】また、上述したように本発明に係る円盤状
記録媒体の記録再生装置によれば、取付け基台に設けら
れた基準面とシャーシ部材に設けられたストッパ部材と
が当接する位置を位置基準として、光ピックアップ装置
が移動を開始することより、円盤状記録媒体の読み取り
開始位置を検出する精度を向上させる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光ディスクの記録再生装置を示す
平面図である。

【図２】同光ディスクの記録再生装置に用いられる光ピ
ックアップ装置を示す斜視図である。

【図３】同光ディスクの記録再生装置に用いられる光ピ
ックアップ装置を調整用治具に取り付けた状態を示す斜
視図である。

【図４】同光ディスクの記録再生装置の要部を示す平面
図である。

【図５】従来の光ディスクの記録再生装置を示す平面図
である。

【図６】従来の光ディスクの記録再生装置に用いられる
光ピックアップ装置を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 光ディスクの記録再生装置 ３ 光ピックアップ装置 ５ ボビン ６ 取付け基台 ７ 基準面 ８ 対物レンズ ９ 転がり軸受け １４ ストッパ部材 １５ ガイド軸 １６ ガイド部材 １９ 電磁浮上駆動部（駆動部） ２１ シャーシ部材 ２３ スピンドルモータ（駆動モータ） ２８ 調整用治具 ２８Ａ 基準面

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 対物レンズの光軸と平行な基準面が一側
   面部に形成された取付け基台の当該基準面を対物レンズ
   の光軸を調整する調整用治具に設けられた基準面に突き
   当てた状態で対物レンズの光軸の配列と傾きとをそれぞ
   れ調整した後、対物レンズが組み付けられたボビンを上
   記取付け基台に取り付けて光ピックアップ装置を組み立
   て、 次いで、シャーシ部材に設けられたガイド軸及びガイド
   部材に、円盤状記録媒体の信号記録領域に対して内外周
   に亘って移動自在となるように上記光ピックアップ装置
   を取り付け、 さらに、上記光ピックアップ装置が円盤状記録媒体の信
   号記録領域の最内周部に移動した際、上記取付け基台の
   基準面を上記シャーシ部材上に設けたストッパ部材に当
   接させることにより、上記光ピックアップ装置の移動を
   停止させて組み立てることを特徴とする光ピックアップ
   装置の組立方法。
2. 【請求項２】 シャーシ部材に設けられたガイド軸及び
   ガイド部材に円盤状記録媒体の信号記録領域に対して内
   外周に亘って移動自在に取り付けられた光ピックアップ
   装置は、前記取付け基台の基準面がシャーシ部材上に設
   けたストッパ部材に当接されることにより、円盤状記録
   媒体の信号記録領域の最内周部に対応した位置が検出さ
   れ、 次いで、円盤状記録媒体の情報信号の読み取り開始位置
   へ移動を開始される際、上記検出位置を位置基準とする
   ことを特徴とする請求項１に記載の光ピックアップ装置
   の組立方法。
3. 【請求項３】 対物レンズと、この対物レンズが組み付
   けられたボビンと、上記対物レンズの光軸の配列及び傾
   きを調整するための基準面が上記光軸と平行に設けられ
   た取付け基台と、この取付け基台を駆動する駆動部とか
   ら構成される光ピックアップ装置と、 この光ピックアップ装置を円盤状記録媒体の信号記録領
   域に対して内外周に亘って移動自在に組み付けたシャー
   シ部材に設けられたストッパ部材とを備え、 光ピックアップ装置は、円盤状記録媒体の信号記録領域
   の最内周部に移動した際に、取付け基台の基準面がスト
   ッパ部材に当接することによって、移動動作が停止され
   ることを特徴とする円盤状記録媒体の記録再生装置。
4. 【請求項４】 基準面は、ストッパ部材に当接すること
   により円盤状記録媒体の信号記録領域の最内周部の位置
   を検出させるとともに、光ピックアップ装置をこのスト
   ッパ部材から円盤状記録媒体の情報信号の読み取り開始
   位置に移動を開始させる位置基準であることを特徴とす
   る請求項３に記載の円盤状記録媒体の記録再生装置。
5. 【請求項５】 基準面は、円盤状記録媒体を回転駆動す
   る駆動モータの回転中心とボビンが有する対物レンズの
   光軸とを結ぶ線と交差する取付け基台の位置に設けられ
   たことを特徴とする請求項３に記載の円盤状記録媒体の
   記録再生装置。
6. 【請求項６】 基準面は、取付け基台の位置を検出する
   位置検出装置を作動させる作動片を押し込む操作部であ
   ることを特徴とする請求項３に記載の円盤状記録媒体の
   記録再生装置。
7. 【請求項７】 ストッパ部材は、円盤状記録媒体を回転
   駆動する駆動モータの外周部近傍に位置して設けられた
   ことを特徴とする請求項３に記載の円盤状記録媒体の記
   録再生装置。