JPH08104539A - 透明非膨張性結晶化ガラス - Google Patents

透明非膨張性結晶化ガラス

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JPH08104539A
JPH08104539A JP23712694A JP23712694A JPH08104539A JP H08104539 A JPH08104539 A JP H08104539A JP 23712694 A JP23712694 A JP 23712694A JP 23712694 A JP23712694 A JP 23712694A JP H08104539 A JPH08104539 A JP H08104539A
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glass
crystallized glass
thermal expansion
expanding
zno
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Shigeki Morimoto
繁樹 森本
Takako Honda
貴子 本田
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Central Glass Co Ltd
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Central Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0036Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents
    • C03C10/0045Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and a divalent metal oxide as main constituents containing SiO2, Al2O3 and MgO as main constituents

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラスの溶融、成形性に優れ、無色で透明性
が良好で、かつ熱膨張係数が0またはその付近であって
耐熱性、防火性が良好な結晶化ガラス、特に耐熱、防火
窓として有用な透明非膨張性結晶化ガラスを提供する。 【構成】 SiO2 59 〜63wt%、Al2O3 21〜24wt%、MgO
1 〜3wt %、ZnO 1 〜3wt%、Li2O 4〜5 wt%、TiO2 1
〜3 wt%、ZrO2 1〜4 wt%、P2O5 1〜3 wt%、BaO 0.5
〜2 wt%、Na2O 0.5〜2 wt%の範囲で含み、上記組成 1
00wt%に対しAs2O 3 0.5 〜2 wt%の範囲で外挿添加して
なり、かつAl2O3 、Li2O、MgO およびZnOの各モル分率
が夫々a 、l 、m およびznにおいて、式 0.9≦a/(l+m+z
n)≦1.1 を満足する範囲からなる原ガラスを熱処理、結
晶化せしめた結晶化ガラスであって、主としてβ−石英
系の結晶相を含み、熱膨張係数が 0±5 ×10-7/℃の範
囲内である透明非膨張性結晶化ガラスからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無色透明で耐熱性、防火
性に優れ、溶融、結晶化が容易で精密加工性、寸法精度
が良好な結晶化ガラス、特に建設省告示で定める規定の
防火戸試験方法による加熱試験において防火上有害な変
化異常を来さず、所定の防火性能を有し、甲種防火戸
(建築物の火災の拡大、延焼を防止するうえで防火区画
の開口部に設ける) として採用できる透明非膨張性結晶
化ガラスに関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】特公昭39−21049 号にはSiO2
−Al2O3 −Li2O系で、必須成分としてNa2O、P2O5、およ
び核形成成分としてのTiO2、ZrO2を含む透明結晶化ガラ
スが開示されている。
【0003】Na2Oはガラスを比較的低温で溶融する媒溶
剤、ガラスの成形性改善剤として好適であるがその効果
を発揮すべく適量導入しようとすると熱膨張係数を増大
する。非膨張性結晶化ガラスを狙いとするには、別に熱
膨張係数を余り増大しない二価成分、すなわちMgO 、Zn
O 、BaO 等の適量の併存が必要である。。
【0004】特開平 3−37135 号にはSiO2−Al2O3 −Li
2O系で、必須成分としてMgO 、ZnO、P2O5、および核形
成成分としてのTiO2、ZrO2を含み、さらに任意成分とし
てNa 2O、K2O を含む透明結晶化ガラスが開示されてい
る。また、特開平 6−92681 号には同様なSiO2−Al2O3
−Li2O系で、必須成分としてMgO 、ZnO 、BaO 、および
核形成成分としてのTiO2、ZrO2、さらに任意成分として
P2O5を含み、アルカリ分を含まない透明結晶化ガラスが
開示されている。
【0005】前記の如くガラスの溶融性、成形性を改善
するうえでNa2Oは必須とすべきものであり、かつその弊
害を抑えるために過量の導入を抑え、別にガラスの溶融
性、成形性を改善する二価成分、MgO 、ZnO 、BaO を適
量導入すべきであり、これら公知例はその点で不充分で
ある。
【0006】特開昭64−52631 号にはSiO2−Al2O3 −Li
2O系で、核形成成分としてのSnO2、ZrO2、あるいは更に
TiO2を含み、任意成分としてMgO 、ZnO 、BaO 、Na2O、
K2OおよびP2O5を含む透明結晶化ガラスが開示されてい
る。しかしSnO2を導入するケースにおいてはSnO2がガラ
スに白濁を与え易いことが知られており、熱処理に際し
て厳格な加熱条件を必要とする。
【0007】本発明は従来技術の不具合、問題点を解消
し、ガラスの溶融、成形性に優れ、無色で透明性が良好
で、かつ熱膨張係数が0またはその付近であって耐熱
性、防火性が良好な結晶化ガラス、特に耐熱、防火窓と
して有用な透明非膨張性結晶化ガラスを提供するもので
ある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、SiO2 59 〜
63wt%、Al2O3 21〜24wt%、MgO 1 〜3wt %、ZnO 1 〜
3 wt%、Li2O 4〜5 wt%、TiO2 1〜3 wt%、ZrO2 1〜4
wt%、P2O5 1〜3 wt%、BaO 0.5 〜2 wt%、Na2O 0.5〜
2 wt%の範囲で含み、上記組成 100wt%に対しAs 2O3 0.
5 〜2 wt%の範囲で外挿添加してなり、かつAl2O3 、Li
2O、MgO およびZnO の各モル分率が夫々a 、l 、m およ
びznにおいて、式 0.9≦a/(l+m+zn)≦1.1を満足する範
囲からなる原ガラスを熱処理、結晶化せしめた結晶化ガ
ラスであって、主としてβ−石英系の結晶相を含み、熱
膨張係数が 0±5 ×10-7/℃の範囲内である透明非膨張
性結晶化ガラスからなる。
【0009】本発明における透明非膨張性結晶化ガラス
とは無色ないし殆ど無色に近い淡色でかつ透明性に優
れ、熱膨張係数が0±5×10-7/℃ (ただし常温ないし
300 ℃) と殆ど0付近の結晶化ガラスをいう。
【0010】本発明によれば、近年その需要が急増して
いる耐熱、防火窓、すなわち建築物の火災の拡大、延焼
を防止するための開口部に設ける甲種防火戸として採用
できる。またレーザー照射等による切削、切断加工に際
して熱等による寸法誤差が生じ難いという利点を有する
ので電子基板等としても有効に適用できるものである。
【0011】本発明における原ガラスの各成分組成に関
し、SiO2はβ−石英系結晶相の主形成成分として59wt%
〜63wt%の範囲で導入するもので、59wt%未満では結晶
粒が不揃いとなり、粗大結晶による白濁が生じ易い。ま
た63wt%を越えるとガラス溶融均質性が困難となり、結
晶化ガラスに白濁を生じ透明性を悪化する傾向がある。
【0012】本成分系の主な結晶相成分は前記β−石英
と、β−石英に類似し、それと固溶相を形成するβ−ユ
ークリプタイト (Li2O. Al2O3. 2SiO2)(ただしLi2Oに対
しMgO 、ZnO が置換し得る) があり、これらを総称して
β−石英系という。Al2O3 はβ−ユークリプタイト形成
上の必須成分として21〜24wt%の範囲で含有せしめるも
のであり、24wt%を越えるとガラスの溶融・均質性、成
形性を困難とし、21wt%未満では結晶の析出が不充分と
なり、結晶化ガラスの熱膨張係数も増大する。
【0013】同様な結晶化成分であるLi2Oは4 〜5 wt%
の範囲で導入するものであり、5 wt%を越えると結晶化
傾向が著しくなり粗晶を析出し易く、クリヤーな結晶化
ガラスの形成を困難とし、4 wt%未満ではガラス溶融を
困難とし特にそれ自体熱膨張係数が負であり、結晶化ガ
ラスの熱膨張係数を0付近に調整するβ−ユークリプタ
イト系の生成が不充分である。
【0014】MgO はガラス溶融・成形性を向上し、また
前記結晶相を形成するLi2Oと置換すべく 1ないし 3wt%
の範囲で導入するもので、 3wt%を越えると熱膨張係数
を増大して耐熱性を悪化する弊害があり、 1wt%未満で
あるとガラス溶融を困難とし、また熱処理に際して均質
微細な結晶の析出を困難とする。
【0015】ZnO はガラス溶融・成形性を向上させ、そ
れ自体MgO とともにLi2Oと置換して結晶相成分となり得
る。また、熱処理に際して微結晶を形成させ、結晶化ガ
ラスの透明性を向上させるのに役立つが、それら作用効
果を発揮させるうえで1wt %以上導入するものである。
ただし 3wt%を越えて導入すると熱膨張係数が増大し、
かつ耐熱性を損ない易いので 3wt%以下の範囲とする。
【0016】なおAl2O3 、Li2O、MgO およびZnO の各モ
ル分率を夫々a 、l 、m およびznとした場合、式 a/(l+
m+zn) を0.9 以上1.1 以下の範囲とするもので、この範
囲を外れると透明性に優れた結晶化ガラスを得難い。
【0017】ZrO2はTiO2とともに核形成成分として不可
欠であって、結晶核を必要充分量形成しかつ均一に分散
させるうえで1 〜4 wt%の範囲で導入するものであり、
1 wt%未満では核形成が不充分となり、他方4 wt%を越
えるとガラスの溶解が困難となり、加えて結晶化ガラス
に白色系の濁りを与え易い。
【0018】同様な核形成成分であるTiO2は上記ZrO2
均衡して1 wt%〜3 wt%の範囲で導入するもので、1 wt
%未満では核形成が不充分となり、他方3 wt%を越える
とガラスに黄色系の着色を与えるので不適当である。な
お、ZrO2+TiO2量は4 wt%〜5 wt%程度とするのが好ま
しい。
【0019】BaO はガラス溶融に際して媒溶剤、成形性
改善剤として有効に作用し、ガラス原料を比較的低温、
短時間で溶融、均質化し、またガラスの成形性を良好に
し、加えて熱処理、結晶析出に際して均質・微細な結晶
を析出し、透明性の良好な結晶化ガラスを形成するうえ
で有用である。前記MgO 、ZnO も多少なりとも同様な作
用はあるが前記したごとく導入量は制約されるので、Ba
O の導入によりその作用効果を発揮せしめる。そのため
には0.5 wt%以上導入する必要があるが、 2wt%を越え
て導入すると熱処理に際して粗結晶を析出し、結晶化ガ
ラスの透明性を損ない易いので 2wt%以下とする。
【0020】同様にNa2OはBaO に優る融剤としてきわめ
て有効であり、BaO とともにガラス原料を比較的低温、
短時間で溶融、均質化し、成形性を良好とし、また熱処
理、結晶析出に際して均質・微細な結晶を析出して透明
性の良好な結晶化ガラスを形成する。これら作用効果を
発揮するうえで0.5 wt%以上導入するものであるが、2w
t%を越えて導入するとガラスの熱膨張係数を増大し、
また熱処理に際して粗結晶を析出し、結晶化ガラスの透
明性を損ない易いので 2wt%以下とする。
【0021】本発明においては従来の結晶化ガラスに比
べ低温で溶融でき、したがってガラス形成も容易である
利点を有する。ガラス溶融に際してはNa2Oは融剤として
非常に優れるが、他方ガラスの熱膨張係数を増大する不
具合がある。これに対しBaOは融剤としては劣るがガラ
スの熱膨張係数に及ぼす影響は小さく、したがって両成
分を併用することが肝要である。なおBaO +Na2O合計量
は1 wt%〜3 wt%程度とするのが好ましい。
【0022】P2O5はZrO2分の溶融促進に有効であり、ま
た核形成作用をも有する。その作用効果を発揮するうえ
で1 wt%以上の導入が必要であるが、他方 3wt%を越え
て導入するとガラスに白濁を起生し易い。
【0023】As2O3 は清澄促進剤として導入するもの
で、上記した各成分合計100 wt%に対し0.5 wt%以上の
導入によりその効果を発揮するが、 2wt%を越えると着
色を与え、清澄作用の更なる向上も認められないので2
wt%以下の範囲で導入する。なおAs2O3 の一部をSb2O3
と置換しても差し支えない。
【0024】本発明においては、着色成分例えばTiO2
Fe2O3 、CoO 、NiO 、MnO2----等の混入は結晶化ガラス
の無色透明性を阻害するので極力避けなければならな
い。
【0025】本発明における結晶化ガラスの製造は以下
の手順による。 原料調製;SiO2源として石英粉、Al2O3 源として水酸化
アルミニウム、Li2O源として炭酸リチウム、MgO 源とし
て炭酸マグネシウム、ZnO 源として亜鉛華、ZrO2源とし
てジルコン砂、P2O5源としてリン酸、Na2O源として硝酸
ソーダ、BaO 源として硝酸バリウム、As2O3 源として亜
砒酸を用い、所望組成に沿って夫々所定量秤量し、混合
機で充分均質混合する。
【0026】勿論前記原料に特定するものではなく、適
宜原料選択すればよいが、着色不純物の混入には注意を
要する。なお硝酸ソーダ、硝酸バリウム等の硝酸塩は溶
融促進に有効であり、比較的低温での溶融に適する。
【0027】溶融;調合原料を耐食耐熱容器例えば白金
ルツボに充填し、電気炉等の加熱炉内で1500℃ないし16
00℃、3hr ないし 7hrで溶融均質化する。本発明の成分
系においては従来の結晶化ガラスの溶融に比べ低温溶融
が可能で工業的に大量生産するうえで有効である。
【0028】成形;溶融ガラスを1000℃ないし1300℃の
成形温度域で型内への流し込み、ロールアウト等の適宜
成形手段で成形する。なお成形後のガラスはその冷却過
程で次工程の熱処理を行ってもよく、あるいは一旦冷却
後再度加熱、熱処理してもよい。
【0029】熱処理 (結晶化) ;核形成と結晶化の二段
階熱処理が望ましい。たとえば加熱炉で700 ℃〜750 ℃
で数時間熱処理、核形成し、次いで750 ℃〜800 ℃で数
時間熱処理して結晶化せしめる。本発明の成分系におい
ては従来の結晶化ガラスに比べ核形成、透明性の優れた
結晶化が容易で工業的に大量生産するうえで有効であ
る。 このように原料調製、溶融、成形、および熱処理後放冷
することにより、透明非膨張性結晶化ガラスを容易に得
ることができる。
【0030】該結晶化ガラスは特に耐熱、防火窓として
甲種防火戸用材料として採用できるものであり、すなわ
ち、建設省告示平成2 年第1125号の防火戸試験方法に基
づき所定の試験炉の開口部にセッテイングし、所定の加
熱曲線で以て加熱して防火性能を試験したところによれ
ば、加熱開始後60分、925 ℃においても結晶化ガラスに
亀裂、火炎の貫通等の不具合は生じない。これは本結晶
化ガラスの熱膨張係数が殆ど0に近いことによるもの
で、加熱に際して熱膨張に基づく歪の発生は殆どない。
かつ加熱後の衝撃試験において所定条件で衝撃を与えて
も変形、脱落がなく、甲種防火戸 (建築物の火災の拡
大、延焼を防止するうえで開口部に設ける)として好適
である。
【0031】
【実施例】以下実施例を比較例と対比し例示して本発明
を詳述する。表1に示すような各種目標組成の原ガラス
を得るべく、前記したごとく原料調製後白金ルツボに充
填し、電気炉内で1500℃〜1600℃ (比較例については16
00℃において未溶解が残留するため1650℃) 、3hr 〜7h
r で溶融し、次いでガラスを耐熱金属板上に流し出し板
状 (原) ガラスとした。原ガラスについては熱膨張計に
より熱膨張係数、転移点、屈伏点を、粘度計により高温
粘度−温度を測定し〔1500℃を越える粘度については公
知のFulcher 式により算定:log μ=-A+ B/(T-T0) な
おA.B.T0は恒数、T は絶対温度〕、また別に外観の透明
性、色調等の観察をした。表1に原ガラスの転移点、屈
伏点、102 ポイズにおける温度、熱膨張係数、外観観察
結果を示す。
【0032】次にこれらを表2に示す熱処理条件で二段
階加熱し、結晶化ガラスを得た。得られたガラスについ
て熱膨張計で常温ないし300 ℃の熱膨張係数を測定し、
X線回折により結晶相を同定し、また前記同様に外観観
察を行った。結果を併せて表2に示す。
【0033】なお試料によっては二例の熱処理条件を示
したが、表示から明らかなとおり熱処理条件を換えても
熱膨張係数において若干の差異が認められるものの良好
な透明結晶化ガラスが得られる。
【0034】さらに主な試料については建設省告示平成
2 年第1125号の防火戸試験方法に基づき所定の試験炉の
開口部にセッテイングし、所定の加熱曲線で以て加熱し
て加熱開始後60分、925 ℃において結晶化ガラスに亀
裂、火炎の貫通等の発生を観察し、また加熱後所定条件
で衝撃を与えて変形、脱落の有無について観察し、甲種
防火戸への適応について調査した。結果を表2にまとめ
て示す。
【0035】表1、2中試料NO. 1〜9が実施例、10〜
14が比較例である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】なお、図1のグラフには、縦軸においてガ
ラス中Al2O3 、Li2O、MgO およびZnO の各モル分率を夫
々a 、l 、m およびznとしたときのa/(l+m+zn)モル比
を、横軸においてガラス中SiO2wt%を採り、各実施例試
料、比較例試料をプロットし、透明クリアーな結晶化ガ
ラスを○印、白濁等が認められたものを×印で示したも
ので、破線枠で囲った本発明の組成条件範囲内にある実
施例試料はいずれも透明クリアーであることが一目瞭然
に判る。
【0039】以上より、試料NO. 1〜9 (実施例) に示
す本発明の結晶化ガラスにおいて、原ガラスの粘度は比
較例のそれと比較して低く、溶融・清澄が容易である。
また結晶化ガラスは熱膨張係数が0±5×10-7/℃と低
く、殆ど無色で透明であり、また防火戸試験においても
甲種防火戸規定を満足するものである。
【0040】試料NO.10 〜14 (比較例) の従来例にかか
る結晶化ガラスにおいては、原ガラスの粘度は高く、溶
融・清澄に際して1650℃以上の高温が必要である。また
結晶化させたものはいずれもやや白色状または白濁が認
められ、あるいは更に亀裂が生じ易い等実施例に比べ劣
ることが明らかである。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、原ガラスの溶融、成形
が容易であり、また結晶化ガラスはクリアーで透明性に
優れ、熱膨張係数も殆ど0に近く耐熱性に優れるため、
甲種防火戸用ガラスとして好適であり、またエレクトロ
ニクス基板等としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦軸においてガラス中Al2O3 、Li2O、MgO およ
びZnO の各モル分率を夫々a 、l 、m およびznとしたと
きのa/(l+m+zn)モル比を、横軸においてガラス中SiO2wt
%を採り、各実施例、比較例試料をプロットしたグラフ
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2 59 〜63wt%、Al2O3 21〜24wt%、Mg
    O 1 〜3wt %、ZnO 1 〜3 wt%、Li 2O 4〜5 wt%、TiO2
    1〜3 wt%、ZrO2 1〜4 wt%、P2O5 1〜3 wt%、BaO 0.
    5 〜2 wt%、Na2O 0.5〜2 wt%の範囲で含み、上記組成
    100wt%に対しAs2O3 0.5 〜2 wt%の範囲で外挿添加し
    てなり、かつAl2O3 、Li2O、MgO およびZnO の各モル分
    率が夫々a 、l 、m およびznにおいて、式 0.9≦a/(l+m
    +zn)≦1.1 を満足する範囲からなる原ガラスを熱処理、
    結晶化せしめた結晶化ガラスであって、主としてβ−石
    英系の結晶相を含み、熱膨張係数が 0±5 ×10-7/℃の
    範囲であることを特徴とする透明非膨張性結晶化ガラ
    ス。
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