JP6202775B2 - Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス - Google Patents

Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス Download PDF

Info

Publication number
JP6202775B2
JP6202775B2 JP2011097770A JP2011097770A JP6202775B2 JP 6202775 B2 JP6202775 B2 JP 6202775B2 JP 2011097770 A JP2011097770 A JP 2011097770A JP 2011097770 A JP2011097770 A JP 2011097770A JP 6202775 B2 JP6202775 B2 JP 6202775B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
sio
crystallized glass
less
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011097770A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012056829A (ja
Inventor
慎護 中根
慎護 中根
浩佑 川本
浩佑 川本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority to JP2011097770A priority Critical patent/JP6202775B2/ja
Priority to PCT/JP2011/067753 priority patent/WO2012020678A1/ja
Priority to CN201180024017.5A priority patent/CN102892725B/zh
Priority to US13/816,005 priority patent/US9126859B2/en
Priority to EP11816344.3A priority patent/EP2604583B1/en
Publication of JP2012056829A publication Critical patent/JP2012056829A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6202775B2 publication Critical patent/JP6202775B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0054Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing PbO, SnO2, B2O3
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C10/00Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition
    • C03C10/0018Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and monovalent metal oxide as main constituents
    • C03C10/0027Devitrified glass ceramics, i.e. glass ceramics having a crystalline phase dispersed in a glassy phase and constituting at least 50% by weight of the total composition containing SiO2, Al2O3 and monovalent metal oxide as main constituents containing SiO2, Al2O3, Li2O as main constituents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/097Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing phosphorus, niobium or tantalum
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/02Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements made of crystals, e.g. rock-salt, semi-conductors
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B32/00Thermal after-treatment of glass products not provided for in groups C03B19/00, C03B25/00 - C03B31/00 or C03B37/00, e.g. crystallisation, eliminating gas inclusions or other impurities; Hot-pressing vitrified, non-porous, shaped glass products
    • C03B32/02Thermal crystallisation, e.g. for crystallising glass bodies into glass-ceramic articles

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

本発明はLiO−Al−SiO系結晶化ガラスに関する。詳細には、例えば石油ストーブ、薪ストーブ等の前面窓等の耐熱用途に好適なLiO−Al−SiO系結晶化ガラスに関する。
従来より、石油ストーブ、薪ストーブ等の前面窓、カラーフィルターやイメージセンサー用基板等のハイテク製品用基板、電子部品焼成用セッター、電子レンジ用棚板、電磁調理用トッププレート、防火戸用窓ガラス等の材料として、LiO−Al−SiO系結晶化ガラスが用いられている。例えば特許文献1〜3には、主結晶としてβ−石英固溶体(LiO・Al・nSiO[ただし4>n≧2])やβ−スポジュメン固溶体(LiO・Al・nSiO[ただしn≧4])等のLiO−Al−SiO系結晶を析出してなるLiO−Al−SiO系結晶化ガラスが開示されている。
LiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、熱膨張係数が低く、機械的強度も高いため、優れた熱的特性を有している。また結晶化工程において熱処理条件を適宜調整することにより、析出結晶の種類を制御することが可能であり、透明な結晶化ガラス(β−石英固溶体が析出)を容易に作製することができる。
ところで、この種の結晶化ガラスを製造する場合、1400℃を超える高温で溶融する必要がある。このため、ガラスバッチに添加される清澄剤には、高温での溶融時に清澄ガスを多量に発生させることができるAsやSbが使用されている。しかしながら、AsやSbは毒性が強く、ガラスの製造工程や廃ガラスの処理時等に環境を汚染する可能性がある。
そこで、AsやSbの代替清澄剤として、SnOやClが提案されている(例えば、特許文献4および5参照)。ただし、Clは、ガラス成形時に金型や金属ロールを腐食させやすく、結果として、ガラスの表面品位を劣化させるおそれがある。このような観点から、清澄剤としては、上記問題が生じないSnOを用いることが好ましい。
特許文献4および5に記載されているように、SnOはFeやTiO等に起因する着色を強める作用を有するため、透明結晶化ガラスの黄色味が強くなり、外観上問題好ましくないという問題がある。そのため、SnOを用いる際は、不純物成分として混入するFeを低減させるとともに、ガラスバッチにおけるTiOも少なくすることが好ましい。しかしながら、TiOは結晶核成分であるため、TiOを少なくすると、最適焼成温度域が狭くなり、結晶核の生成量が少なくなりやすくなる。結晶核が少ない状態で結晶化が進むと、粗大結晶が多くなることから、結晶化ガラスが白濁して透明感を損ないやすいという問題がある。
透明結晶化ガラスの着色を抑制するその他の方法として、FeやTiO等に起因する着色に対して補色の関係にある着色剤を添加して消色する方法がある。特に、LiO−Al−SiO系結晶化ガラスに対しては、Ndが消色に効果的であることが従来から知られている(例えば、特許文献6参照)。したがって、SnOを添加することにより黄色味が強くなった場合でも、Ndを添加することで消色することが可能である。
なお、LiO−Al−SiO系結晶化ガラスの製造工程において、適切な熱処理条件で結晶化を行うことでβ−スポジュメン固溶体が析出した白色不透明の結晶化ガラスを得ることができる。
特公昭39−21049号公報 特公昭40−20182号公報 特開平1−308845号号公報 特開平11−228180号公報 特開平11−228181号公報 米国特許第4093468号公報
透明結晶化ガラスにおいて、Ndによる消色は、言わば、黄色の着色に対して、Ndによる青色の着色を重ね合わせることにより無彩色にするという技術であるため、結果的に可視域の透過率は低下し、外観が黒ずんだように見え、透明感を損ないやすいという問題がある。
また、β−スポジュメン固溶体が析出した白色結晶化ガラスにおいて、熱膨張係数や誘電損失が高くなりやすいという問題もあった。特に、結晶化ガラスの誘電損失が高くなると、例えば電子レンジの棚板等の電磁波を使用する用途の場合に、局部的に温度が高くなって破損の原因となる。
したがって、本発明の目的は、As、Sbの代替清澄剤としてSnOを用いたLiO−Al−SiO系結晶化ガラスにおいて、FeやTiO等に起因する黄色の着色が少なく、かつ、優れた透明感を有する結晶化ガラスを得ることである。
また、本発明の他の目的は、低熱膨張特性および低誘電損失特性を達成しやすい白色のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスを得ることである。
本発明者らは、TiOやFe等の成分による着色がSnOにより強められるメカニズムについて調査をした結果、結晶化ガラスにおける各成分の比率を特定の範囲に制限することにより、前記課題を解決することを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明は、組成として質量%で、SiO 55〜75%、Al 20.5〜27%、LiO 2%以上、TiO 1.5〜3%、TiO+ZrO 3.8〜5%、SnO 0.1〜0.5%を含有し、3.7≦LiO+0.741MgO+0.367ZnO≦4.5かつSrO+1.847CaO≦0.5の関係を満たすことを特徴とするLiO−Al−SiO系結晶化ガラスに関する。
本発明者らは、結晶化ガラスにおける残存ガラス相中のAl量が多くなるほど着色を低減できることを見出した。それには、結晶化前のガラス組成におけるAl量を多くすることが有効であり、具体的にはAl量を20.5%以上と多くすれば、SnOにより強められたTiOやFe等の成分による着色を低減できることを見出した。ただし、結晶化前のガラス組成についてある一定以上のAl量を超えると、超えた分のAlの多くは結晶化時に結晶相に分配されるため、残存ガラス相におけるAl量が増加しにくくなる。したがって、単純に結晶化前のガラス組成中のAl量を多くするだけでは、着色の低減には不十分である。
そこで、その他成分についても種々調査したところ、LiO+0.741MgO+0.367ZnOを4.5以下と少なくすれば、結晶化ガラスにおける残存ガラス相中のAl量が多くなりやすく、着色を低減できることがわかった。これは、LiO、MgO、ZnOは、Alとともに結晶相に析出する傾向があるためで、これらの成分の量を少なくすることで、結晶相に分配されるAl量を低減し、ガラス相により多くのAlを分配させることが可能となるためと説明できる。なお、MgOとZnOの係数は、各成分の含有量をLiOモル換算にするためのものである。
さらに、着色に関するその他の影響因子として、SrOとCaOも関係することがわかった。前記組成限定と併せて、SrO+1.847CaOを0.5以下と少なくすることにより、より着色の少ない結晶化ガラスを得ることができる。なお、CaOの係数はSrOモル換算にするためのものである。
また、結晶の核形成剤であるTiOとZrOの含有量も厳密に制御する必要がある。既述の通り、TiO量が多いほど結晶核が多くなりやすく白濁が生じにくいが、一方で、着色が強くなるという問題がある。また、ZrOも多いほど結晶核が多くなりやすく白濁は生じにくいが、一方で、失透性が強くなり成形工程での製造に問題が生じるおそれがある。そこで、前記Al量やLiO+0.741MgO+0.367ZnO量等を考慮したうえで、適性なTiO量およびTiO+ZrO量の範囲を検討したところ、上記範囲であれば、所望の色調を有し、かつ白濁の低減した透明感の高い結晶化ガラスを得ることが可能となることがわかった。
第二に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、外観が透明であることを特徴とする。
本明細書において、外観が透明であるLiO−Al−SiO系結晶化ガラスを「LiO−Al−SiO系透明結晶化ガラス」ともいう。
第三に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、主結晶としてβ−石英固溶体を含有することを特徴とする。
第四に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、MgOを0.1%以上含有すること特徴とする。
着色や白濁等の外観に関する特性以外の重要特性として熱膨張特性が挙げられる。耐熱用途で使用される場合には、破損のリスクを低減するため、熱膨張係数は極力0に近いことが好ましい。熱膨張係数と各成分の関係についても種々調査を行ったところ、前記組成範囲において、MgOを0.1%以上含むと、熱膨張係数が0に近づきやすくなることがわかった。
第五に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、NdおよびCoOを実質的に含有しないことを特徴とする。
着色剤であるNdおよびCoOを実質的に含有しないことにより、透明感に優れた結晶化ガラスを得ることが可能となる。なお、「NdおよびCoOを実質的に含有しない」とは、これらの成分を意図的に添加しないことを意味し、具体的には、Ndは100ppm以下、CoOは20ppm以下であることをいう。
第六に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、Feを30〜300ppm含有することを特徴とする。
Feは不純物として混入しやすい着色成分であるが、上記範囲に制限することにより、Feに起因する着色を低減することが可能となる。
第七に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、3mm厚での透過光の色調が、CIE規格のL表示のb値で4.5以下であることを特徴とする。
第八に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、厚み1.1mm、波長400nmにおける透過率が82.5%以上であることを特徴とする。
第九に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、30〜380℃における熱膨張係数が、−2.5×10−7/℃〜2.5×10−7/℃であることを特徴とする。
第十に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、主結晶としてβ−スポジュメン固溶体を析出してなることを特徴とする。
第十一に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、外観が白色であることを特徴とする。
本明細書において、外観が白色であるLiO−Al−SiO系結晶化ガラスを「LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラス」ともいう。
第十二に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、0.6≦BaO+2.474NaO+1.628KO≦3.3の関係を満たすことを特徴とする。
第十三に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、質量%で、BaO、NaOおよびKOをそれぞれ0.1%以上含有することを特徴とする。
第十四に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、30〜750℃での熱膨張係数が、15×10−7/℃以下であることを特徴とする。
第十五に、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、周波数2.45GHzでの誘電損失が48×10−3以下であることを特徴とする。
第十六に、本発明は、前記いずれかのLiO−Al−SiO系結晶化ガラスの製造方法であって、最高温度1780℃未満かつ溶解効率1〜6m/(t/day)の条件でガラス溶融を行う工程、溶融ガラスを所定の形状に成形して結晶性ガラスを得る工程、結晶性ガラスに熱処理を施すことにより結晶化させる工程、を含むことを特徴とするLiO−Al−SiO系結晶化ガラスの製造方法に関する。
結晶化ガラスの着色の度合いは、ガラス組成以外にも溶融条件にも影響を受ける。特に、SnOを添加した場合、溶融ガラスが還元方向に向かうと着色が強まる傾向がある。これは、Sn4+よりもSn2+の方が着色に与える影響度が大きいためと考えられる。溶融ガラスを、なるべく還元方向に向かわないようにするためには、溶融温度を低くしたり、溶融時間を短くすることが好ましい。溶融時間は、溶融効率(溶融面積/流量)をその指標として採用することができる。そこで、溶融温度および溶融効率を上記範囲に制限することにより、溶融ガラスが還元方向に向かうことを抑制し、着色が低減された結晶化ガラスを得ることが可能となる。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、組成として質量%で、SiO 55〜75%、Al 20.5〜27%、LiO 2%以上、TiO 1.5〜3%、TiO+ZrO 3.8〜5%、SnO 0.1〜0.5%を含有し、3.7≦LiO+0.741MgO+0.367ZnO≦4.5かつSrO+1.847CaO≦0.5の関係を満たすことを特徴とする。
以下、LiO−Al−SiO系透明結晶化ガラスの場合について、上記のように各成分の含有量を規定した理由を以下に説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を示す。
SiOはガラスの骨格を形成するとともに、LiO−Al−SiO系結晶を構成する成分である。SiOの含有量は55〜75%、58〜70%、特に60〜68%であることが好ましい。SiOの含有量が55%より少なくなると、熱膨張係数が高くなる傾向にあり、耐熱衝撃性に優れた結晶化ガラスが得られにくくなる。また、化学的耐久性が低下する傾向にある。一方、SiOの含有量が75%より多くなると、ガラスの溶融性が悪化したり、ガラス融液の粘度が大きくなって、清澄しにくくなったりガラスの成形が困難となる傾向がある。
Alはガラスの骨格を形成するとともに、LiO−Al−SiO系結晶を構成する成分である。また、既述の通り、結晶化ガラス中の残存ガラス相に存在することで、SnOによるTiOおよびFeの着色の強まりを低減することができる。Alの含有量は、20.5〜27%、21〜25%、特に21.5〜23%であることが好ましい。Alの含有量が20.5%より少なくなると、熱膨張係数が高くなる傾向にあり、耐熱衝撃性に優れた結晶化ガラスが得られにくくなる。また、化学的耐久性が低下する傾向にある。さらに、SnOによるTiOおよびFeの着色の強まりを低減する効果が得られにくくなる。一方、Alの含有量が27%を超えると、ガラスの溶融性が悪化したり、ガラス融液の粘度が大きくなって、清澄しにくくなったりガラスの成形が難しくなる傾向がある。また、ムライトの結晶が析出してガラスが失透する傾向にあり、ガラスが破損しやすくなる。
LiOはLiO−Al−SiO系結晶を構成する成分であり、結晶性に大きな影響を与えるとともに、ガラスの粘性を低下させて、ガラス溶融性および成形性を向上させる成分である。LiOの含有量は2%以上、特に2.5%以上であることが好ましい。LiOの含有量が2%より少なくなると、ムライトの結晶が析出してガラスが失透する傾向がある。また、ガラスを結晶化させる際に、LiO−Al−SiO系結晶が析出しにくくなり、耐熱衝撃性に優れた結晶化ガラスを得ることが困難になる。さらに、ガラスの溶融性が悪化したり、ガラス融液の粘度が大きくなって、清澄しにくくなったりガラスの成形が難しくなる傾向がある。一方、LiOの含有量が多すぎると、結晶性が強くなりすぎて、ガラスが失透する傾向にあり、ガラスが破損しやすくなる。よって、LiOの含有量は4.5%以下、特に4%以下であることが好ましい。
TiOは結晶化工程で結晶を析出させるための核形成剤となる成分である。TiOの含有量は1.5〜3%、1.6〜2.5%、特に1.7〜2.3%であることが好ましい。TiOの含有量が3%より多くなると、着色が強まる傾向がある。また、ガラスが失透する傾向にあり、破損しやすくなる。一方、TiOの含有量が1.5%より少なくなると、結晶核が十分に形成されず、粗大な結晶が析出して白濁したり、破損したりするおそれがある。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスにおいて、LiO+0.741MgO+0.367ZnOは3.7〜4.5、3.8〜4.4、特に3.8〜4.2の範囲を満たすことが好ましい。LiO+0.741MgO+0.367ZnOが4.5を超えると、結晶化ガラスにおけるガラス相中のAl量が低減し、Alによる着色抑制の効果が得られにくくなる。一方、LiO+0.741MgO+0.367ZnOが3.7未満になると、結晶化ガラスにおけるLiO−Al−SiO系結晶の粒子径が大きくなって、白濁が生じやすくなる。結果として、結晶化ガラスの透明感が損なわれてしまうおそれがある。
なお、MgO、ZnOの各成分の含有量は、上記範囲を満たしていれば特に限定されないが、例えば下記の範囲に制限することが好ましい。
MgOはLiO−Al−SiO系結晶に固溶し、LiO−Al−SiO系結晶の熱膨張係数を増加させる効果を有する成分である。MgOの含有量は0〜2%、0.1〜1.5%、0.1〜1.3%、特に0.1〜1.2%であることが好ましい。MgOの含有量が2%より多くなると、結晶性が強くなりすぎて失透する傾向にあり、ガラスが破損しやすくなる。
ZnOはMgOと同様に、LiO−Al−SiO系結晶に固溶する成分である。ZnOの含有量は0〜2%、0〜1.5%、特に0.1〜1.2%であることが好ましい。ZnOの含有量が2%より多くなると、結晶性が強くなりすぎるため、緩やかに冷却しながら成形するとガラスが失透する傾向にある。結果として、ガラスが破損しやすくなるため、例えばフロート法での成形が難しくなる。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスにおいて、SrO+1.847CaOは0.5以下、0.4以下、特に0.2以下の範囲を満たすことが好ましい。SrO+1.847CaOが0.5を超えると、結晶化ガラスの着色の度合いが大きくなり、また白濁も生じやすくなる。
なお、SrO、CaOの各成分の含有量は、上記範囲を満たしていれば特に限定されないが、例えば、SrOについては0.5%以下、特に0.3%以下、CaOについては0.2%以下、特に0.1%以下に制限することが好ましい。
SnOは清澄剤として働く成分である。SnOの含有量は0.1〜0.5%、0.1〜0.4%、特に0.1〜0.3%であることが好ましい。SnOの含有量が0.1%未満であると、清澄剤としての効果が得られにくくなる。一方、SnOの含有量が0.5%を超えると、TiOやFeの着色が強くなりすぎて、結晶化ガラスが黄色味を帯びやすくなる。また、失透しやすくなる。
着色剤であるNdおよびCoOは、結晶化ガラスの透明度を低下させるため、実質的に含有しないことが好ましい。特に、CoOは着色能が非常に強く、微量であっても結晶化ガラスの色調を大きく変化させてしまう。したがって、本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスにおいて、着色剤であるNdおよびCoOは実質的に含有しないことが好ましい。これにより、透明感が高く、一定の色調を有するLiO−Al−SiO系透明結晶化ガラスを得ることが可能となる。また、Ndは希土類であるため原料コストが高くなりやすいが、Ndを実質的に使用しなければ、安価なLiO−Al−SiO系結晶化ガラスを提供しやすくなる。ただし、透明感の高さよりも着色の少なさを優先させる場合には、例えばNdを500ppm程度添加しても構わない。
不純物成分として混入してくるFeについても含有量を制限すべきである。Feの含有量は300ppm以下、250ppm以下、特に200ppm以下であることが好ましい。Feについては少なければ少ないほど着色が少なくなるため好ましいが、例えば60ppmを下回るような範囲にするには高純度原料等を使用する必要があり、安価なLiO−Al−SiO系結晶化ガラスを提供することができなくなる。
本発明のLiO−Al−SiO系透明結晶化ガラスにおいては、上記成分以外にも、下記の種々の成分を添加することが可能である。
ZrOはTiOと同様に、結晶化工程で結晶を析出させるための核形成成分である。ZrOの含有量は0〜3%、0.1〜2.5%、特に0.5〜2.3%であることが好ましい。ZrOの含有量が3%より多くなると、ガラスを溶融する際に失透する傾向にあり、ガラスの成形が難しくなる。
なお本発明において、TiO+ZrOの含有量は3.8〜5%に制限され、特に4〜4.5%であることが好ましい。TiO+ZrOの含有量が上記範囲であれば、所望の色調を有し、かつ白濁の低減した透明感の高い結晶化ガラスを得ることが可能となる。
はガラス溶融工程においてSiO原料の溶解を促進する成分である。Bの含有量は0〜2%であることが好ましい。Bの含有量が2%を越えると、ガラスの耐熱性が損なわれる傾向がある。
はガラスの分相を促進して結晶核の形成を助ける成分である。Pの含有量は0〜3%、0.1〜3%、特に1〜2%であることが好ましい。Pの含有量が3%を超えると、溶融工程においてガラスが分相しやすくなり、所望の組成を有するガラスが得られにくくなるとともに、不透明となる傾向がある。
また、ガラスの粘性を低下させて溶融性および成形性を向上させるために、NaO、KO、BaOを合量で0〜2%、特に0.1〜2%添加することが可能である。これらの成分の合量が2%を超えると、失透しやすくなる。
なお上記成分のガラス原料としては、主要成分であるLiO、Al、SiOについては、炭酸リチウム、珪砂、珪石、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムが挙げられる。また、安価なLiO原料としてスポジュメンがあるが、一般的にFeが多く含まれていることが多いため使用量を制限して用いる必要がある。その他成分では、ZrO原料にはFeが混入しやすいものが多いため、Fe含有量が0.5%以下である珪酸ジルコニウムや高純度のZrOを用いることが好ましい。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、3mm厚での透過光の色調が、CIE規格のL表示のb値で4.5以下、特に4以下であることが好ましい。また、400nmの透過率が、1.1mm厚で82.5%以上、特に83%以上であることが好ましい。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、耐熱用途で使用されるため、熱膨張係数は極力ゼロに近いことが好ましい。具体的には、30〜380℃の温度範囲で−2.5×10−7/℃〜2.5×10−7/℃、特に−1.5×10−7/℃〜1.5×10−7/℃であることが好ましい。熱膨張係数が当該範囲を外れると、破損のリスクが高くなりやすい。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、例えば、原料バッチに対し、最高温度1780℃未満かつ溶解効率1〜6m/(t/day)の条件でガラス溶融を行う工程、溶融ガラスを所定の形状に成形して結晶性ガラスを得る工程、結晶性ガラスに熱処理を施すことにより結晶化させる工程、を含むことを特徴とするLiO−Al−SiO系透明結晶化ガラスの製造方法により作製することができる。
ガラス溶融時の最高温度は1780℃未満、1750℃以下、特に1700℃以下であることが好ましい。ガラス溶融時の最高温度が1780℃以上であると、Sn成分が還元されやすくなり、着色が強まる傾向がある。ガラス溶融時の最高温度の下限は特に限定されないが、十分にガラス反応が進み、均一なガラスが得るため、1600℃以上、特に1650℃以上であることが好ましい。
ガラスの溶解効率は1〜6m/(t/day)、特に1.5〜5m/(t/day)であることが好ましい。ガラスの溶解効率が1m/(t/day)未満であると、溶融時間が短くなり、結果として清澄の時間も短くなるため、泡品位に優れたガラスが得られにくくなる。一方、ガラスの溶解効率が6m/(t/day)を超えると、Sn成分が還元されやすくなり、着色が強まる傾向がある。
溶融ガラスを所定の形状に成形することにより結晶性ガラスを得ることができる。ここで、成形方法は、目的とする形状に応じて、フロート法、プレス法、ロールアウト法等の種々の成形方法を適用することができる。
このようにして作製した結晶性ガラスから、例えば以下のようにして結晶化ガラスを作製する。なお、本発明では、一種の結晶性ガラスに対して、熱処理温度(特に結晶成長段階における熱処理温度)を適宜変更することにより、所望の特性を有する透明結晶化ガラスと白色結晶化ガラスの両者を製造することも可能である。その場合、結晶化工程までの原料調製、溶融、成形等の各工程を一本化できるため、製造コストを抑えることができる。
成形したLiO−Al−SiO系結晶性ガラスを、600〜800℃で1〜5時間熱処理して結晶核を形成させた後(結晶核生成段階)、さらに800〜950℃で0.5〜3時間熱処理を行い、主結晶としてLiO−Al−SiO系結晶を析出させることで(結晶成長段階)、LiO−Al−SiO系透明結晶化ガラスとすることができる。
なお、結晶成長段階で、1000℃以上、特に1100℃以上の高温で熱処理を行うことにより、β−スポジュメン固溶体結晶を主結晶として析出してなる白色のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスを得ることができる。ただし、結晶成長段階における熱処理温度が高すぎると、結晶の成長速度が速くなって粗大な結晶となりやすい。よって、上限は1150℃以下、特に1145℃以下であることが好ましい。なお、結晶成長段階における熱処理時間は、十分に結晶が成長し、かつ、粗大な結晶とならないように、例えば0.1〜3時間の間で適宜選択される。
また、析出する結晶が大きくなるほど、誘電損失が高くなって、例えば電子レンジの棚板等の電磁波を使用する用途の場合に、局部的に温度が高くなって破損の原因となる。結晶粒径を小さくするためには、結晶核生成段階において多くの核を形成させる熱処理条件を設定することが好ましい。具体的には、結晶核生成段階において700〜820℃で熱処理することが好ましい。当該範囲より温度が低いと結晶核が生成しにくく、当該範囲より温度が高いと結晶の成長が始まってしまうおそれがある。核形成の時間は、十分な量の結晶核が生成されれば特に限定されず、例えば1〜5時間の間で適宜選択される。
LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスの組成は、特に断りがない限り、既述のLiO−Al−SiO系透明結晶化ガラスと同様の組成を有することが好ましい。
LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスにおいて、アルカリやアルカリ土類成分が多いほど熱膨張係数や誘電損失が高くなりやすい。これは、一般的に、アルカリやアルカリ土類成分はガラス中の非架橋酸素を増加させるため、これらの成分を添加すると、ガラス中において、熱エネルギーによる分子の振動が大きくなったり、イオンが移動しやすくなったりするためであると考えられる。したがって、アルカリやアルカリ土類成分の含有量を少なくすることにより、熱膨張係数および誘電損失を低減することができる。ただし、メカニズムの詳細は不明であるが、アルカリやアルカリ土類成分の含有量が少なすぎても、熱膨張係数および誘電損失が高くなりやすい。
加えて、アルカリやアルカリ土類成分は溶融促進成分として働き、これらの成分を添加することにより、ガラス中に気泡が残存しにくくなるという効果も奏する。特に、清澄剤としてAsやSbを使用しない場合は、たとえ代替清澄剤としてSnOを添加していたとしても、ガラス中の気泡が多くなりやすいため、アルカリやアルカリ土類成分を添加する効果が大きい。
以上に鑑み、LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスにおいて、アルカリやアルカリ土類成分、特に、上記効果に影響を与えやすいBaO、NaO、KOの含有量を調整することが好ましい。具体的には、BaO+2.474NaO+1.628KOは0.6〜3.3、特に1〜3.2であることが好ましい。ここで、NaOおよびKOの係数はBaOモル換算するためのものである。
なお、ガラス中におけるイオンの移動しやすさは、混合アルカリ効果によってさらに低減できることがわかった。そこで、BaO、NaOおよびKOの各成分を0.1%以上ずつ含有することにより、ガラス中におけるイオンの移動を抑制する効果がより一層得られやすくなり、低い熱膨張係数および誘電損失を達成しやすくなる。
LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスの熱膨張係数は、30〜750℃の範囲で15×10−7/℃以下、特に14×10−7/℃以下であることが好ましい。LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスの熱膨張係数が当該範囲を超えると、耐熱用途で使用した際に破損しやすくなる。なお、熱膨張係数の下限は特に限定されないが、現実的には5×10−7/℃以上、特に10×10−7/℃以上である。
LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスの誘電損失は、周波数2.45GHzにおいて48×10−3以下、特に47×10−3以下であることが好ましい。LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスの誘電損失が当該範囲を超えると、例えば電子レンジの棚板等の電磁波を使用する用途の場合に、局所的に温度が高くなって破損しやすくなる。なお、誘電損失の下限は特に限定されないが、現実的には周波数2.45GHzにおいて20×10−3以上、特に30×10−3以上である。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、切断、研磨、曲げ加工等の後加工を施したり、表面に絵付け等を施しても構わない。
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7および比較例1〜6)
まず表1に記載の組成を有するガラスとなるように、各原料を酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の形態で調合し、均一に混合した。得られた原料バッチを酸素燃焼による耐火物窯に投入し、溶解効率2.5m/(t/day)、最高温度1680℃となる条件で溶融した。白金スターラーによりガラス融液を攪拌した後、4mmの厚さにロール成形し、さらに徐冷炉を用いて室温まで冷却することにより結晶性ガラスを得た。
結晶性ガラスに対して、760〜780℃で3時間熱処理して核形成を行った後、さらに870℃〜890℃で1時間の熱処理を行い結晶化させた。得られた結晶化ガラスについて、色調、透過率、熱膨張係数を測定した。
透過光の色調は、肉厚3mmに両面光学研磨した透明結晶化ガラス板について、分光光度系を用いて波長380〜780nmの透過率を測定し、当該透過率からCIE規格のL値を算出することにより評価した。
透過率は、1.1mmに両面光学研磨した結晶化ガラス板について、分光光度系を用いて測定した波長400nmでの透過率により評価した。
熱膨張係数は、50mm×5mmφの無垢棒に加工したガラス試料を用いて、30〜380℃の温度域で測定した平均線熱膨張係数により評価した。
表1から明らかなように、実施例の結晶化ガラスはいずれもb値が3.9以下と小さく、また透過率も83%以上と高いことがわかる。それに対して、比較例の結晶化ガラスは、b値が4.6以上と大きかった。また、比較例2、4、5の結晶化ガラスは、透過率も81%以下と低かった。
(実施例8)
溶解効率2m/(t/day)、最高温度1820℃で溶解を行った以外は、実施例1と同様にして結晶化ガラスを作製した。得られた結晶化ガラスのb値を測定したところ、実施例1の結晶化ガラスと比較して1程度大きくなり、着色が強くなることがわかった。
(実施例9〜14および比較例7〜10)
表3および4は実施例9〜14および比較例7〜10を示している。
各試料は次のようにして作製した。まず表の組成を有するガラスとなるように、各原料を酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の形態で調合して均一に混合し、原料バッチを調製した。原料バッチを白金坩堝に投入し、電気炉内にて1600℃で18時間溶融し、その後さらに1650℃で2時間溶融した。次いで、白金坩堝から流し出した溶融ガラスを5mmの厚さにロール成型した後、除冷炉内で室温まで冷却し、LiO−Al−SiO系結晶性ガラスを得た。
得られたLiO−Al−SiO系結晶性ガラスを、790℃で100分間加熱して核生成した後、1130℃で30分間加熱して結晶成長させることにより、LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスを得た。
得られたLiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスについて、熱膨張係数、誘電損失を評価した。
熱膨張係数は、LiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスを50mm×5mmφの無垢棒に加工し、30〜750℃の温度域での平均線熱膨張係数をディラトメーターを用いて測定することにより評価した。
誘電損失は空洞共振器(測定周波数2.45GHz、25℃)により求めた。
表3および4から明らかなように、実施例9〜14のLiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスは、14×10−7以下と低い熱膨張特性および47×10−3以下という低い誘電損失を有していることがわかる。
一方、比較例7、8、10のLiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスは、熱膨張係数が16×10−7以上と大きくなった。また、比較例7〜9のLiO−Al−SiO系白色結晶化ガラスは、誘電損失が49×10−3以上と大きくなった。
本発明のLiO−Al−SiO系結晶化ガラスは、石油ストーブ、薪ストーブ等の前面窓、カラーフィルターやイメージセンサー用基板等のハイテク製品用基板、電子部品焼成用セッター、電子レンジ用棚板、電磁調理用トッププレート、防火戸用窓ガラス等に好適である。

Claims (5)

  1. 組成として質量%で、SiO 55〜75%、Al 21.5〜27%、LiO 2〜4%、TiO 1.5〜3%、TiO+ZrO 3.8〜5%、SnO 0.1〜0.5%、NaO+KO+BaO 0〜2%、Fe 60〜300ppmを含有し、3.7≦LiO+0.741MgO+0.367ZnO≦4.5かつSrO+1.847CaO≦0.4の関係を満たし、3mm厚での透過光の色調が、CIE規格のL 表示のb 値で4.5以下であり、厚み1.1mm、波長400nmにおける透過率が82.5%以上であることを特徴とするLiO−Al−SiO系結晶化ガラス。
  2. 主結晶としてβ−石英固溶体を含有することを特徴とする請求項に記載のLiO−Al−SiO系結晶化ガラス。
  3. MgOを0.1%以上含有すること特徴とする請求項1又は2に記載のLiO−Al−SiO系結晶化ガラス。
  4. NdおよびCoOを実質的に含有しないことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のLiO−Al−SiO系結晶化ガラス。
  5. 30〜380℃における熱膨張係数が、−2.5×10−7/℃〜2.5×10−7/℃であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のLiO−Al−SiO系結晶化ガラス。
JP2011097770A 2010-08-11 2011-04-26 Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス Active JP6202775B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011097770A JP6202775B2 (ja) 2010-08-11 2011-04-26 Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
PCT/JP2011/067753 WO2012020678A1 (ja) 2010-08-11 2011-08-03 Li2O-Al2O3-SiO2系結晶化ガラス
CN201180024017.5A CN102892725B (zh) 2010-08-11 2011-08-03 Li2O-Al2O3-SiO2系结晶化玻璃
US13/816,005 US9126859B2 (en) 2010-08-11 2011-08-03 Li2O—Al2O3—SiO2—based crystallized glass
EP11816344.3A EP2604583B1 (en) 2010-08-11 2011-08-03 Li2O-Al2O3-SiO2-BASED CRYSTALLIZED GLASS

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010180443 2010-08-11
JP2010180443 2010-08-11
JP2011097770A JP6202775B2 (ja) 2010-08-11 2011-04-26 Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016161878A Division JP6421795B2 (ja) 2010-08-11 2016-08-22 Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012056829A JP2012056829A (ja) 2012-03-22
JP6202775B2 true JP6202775B2 (ja) 2017-09-27

Family

ID=45567647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011097770A Active JP6202775B2 (ja) 2010-08-11 2011-04-26 Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9126859B2 (ja)
EP (1) EP2604583B1 (ja)
JP (1) JP6202775B2 (ja)
CN (1) CN102892725B (ja)
WO (1) WO2012020678A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013249221A (ja) 2012-05-31 2013-12-12 Nippon Electric Glass Co Ltd Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス及びその製造方法
KR102129504B1 (ko) * 2012-10-04 2020-07-06 코닝 인코포레이티드 유리층 및 유리-세라믹층을 갖는 제품 및 이의 제조 방법
IN2015DN03050A (ja) 2012-10-04 2015-10-02 Corning Inc
JP6451317B2 (ja) * 2013-02-21 2019-01-16 日本電気硝子株式会社 結晶化ガラス及びその製造方法
DE102013216736B9 (de) * 2013-08-22 2016-12-15 Schott Ag Verfahren zur Ermittlung eines Prozessfensters sowie Verfahren zur Herstellung einer Glaskeramik
US9701574B2 (en) 2013-10-09 2017-07-11 Corning Incorporated Crack-resistant glass-ceramic articles and methods for making the same
JP6331322B2 (ja) * 2013-10-11 2018-05-30 日本電気硝子株式会社 Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
FR3025793B1 (fr) * 2014-09-12 2016-12-02 Eurokera Plaque en vitroceramique
FR3036700B1 (fr) 2015-05-29 2021-04-16 Eurokera Vitroceramiques du type aluminosilicate de lithium, transparentes, essentiellement incolores, affinees a l'etain, avec une microstructure amelioree et des proprietes de dilatation thermique ameliorees
CN105482366B (zh) * 2015-12-22 2018-01-05 广东生益科技股份有限公司 一种热固性树脂组合物以及含有它的预浸料、层压板和印制电路板
DE102016208300B3 (de) * 2016-05-13 2017-08-03 Schott Ag Kristallisierbares Lithiumaluminiumsilikat-Glas und daraus hergestellte transparente Glaskeramik sowie Verfahren zur Herstellung des Glases und der Glaskeramik und Verwendung der Glaskeramik
FR3069240B1 (fr) 2017-07-21 2021-04-23 Eurokera Vitroceramiques de spodumene-beta, blanches, opalescentes ou opaques, a faible teneur en titane, affinees a l'etain
KR102638938B1 (ko) * 2017-07-26 2024-02-22 에이지씨 가부시키가이샤 결정화 유리 및 화학 강화 유리
KR102595466B1 (ko) * 2017-09-05 2023-10-30 니폰 덴키 가라스 가부시키가이샤 Las계 결정성 유리, las계 결정화 유리, 및 그것들의 제조 방법
DE102018110855A1 (de) 2017-12-22 2018-06-28 Schott Ag Glaskeramik mit reduziertem Lithium-Gehalt
DE202018102534U1 (de) 2017-12-22 2018-05-15 Schott Ag Transparente, eingefärbte Lithiumaluminiumsilikat-Glaskeramik
EP3823935A1 (en) 2018-07-16 2021-05-26 Corning Incorporated Glass ceramic articles having improved properties and methods for making the same
CN112437759A (zh) * 2018-07-16 2021-03-02 康宁股份有限公司 具有改善的翘曲的玻璃制品的陶瓷化方法
CN115403256A (zh) 2018-07-16 2022-11-29 康宁股份有限公司 利用成核和生长密度以及粘度变化对玻璃进行陶瓷化的方法
EP3950622A4 (en) * 2019-04-01 2023-06-07 Nippon Electric Glass Co., Ltd. CRYSTALLIZED GLASS BASED ON LI2O-AL2O3-SIO2
WO2020217792A1 (ja) * 2019-04-23 2020-10-29 日本電気硝子株式会社 Li2O-Al2O3-SiO2系結晶化ガラス
CN110590165B (zh) * 2019-10-21 2022-07-29 成都光明光电有限责任公司 低膨胀微晶玻璃及其制造方法
WO2023244715A1 (en) * 2022-06-17 2023-12-21 Corning Incorporated Fusion formable glass composition and colored glass-based articles formed therefrom

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4093468A (en) 1977-03-23 1978-06-06 Corning Glass Works Process to obtain transparent colorless and glass-ceramics so obtained
JPS58181056A (ja) 1982-04-18 1983-10-22 Kiso Kasei Sangyo Kk トナ転写電子写真用フイルム
JP2602188B2 (ja) 1988-06-07 1997-04-23 日本電気硝子株式会社 燃焼装置窓用Li▲下2▼O−A1▲下2▼O▲下3▼−SiO▲下2▼系透明結晶化ガラス
DE69832813T2 (de) 1997-11-14 2006-08-10 Morinaga Milk Industry Co. Ltd. Verfahren zur herstellung von sofort-agarmedium
JP3997593B2 (ja) 1998-02-19 2007-10-24 日本電気硝子株式会社 Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系結晶化ガラス
JPH11228181A (ja) 1998-02-19 1999-08-24 Nippon Electric Glass Co Ltd Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系結晶化ガラス
DE10017698B9 (de) 2000-04-08 2007-11-29 Schott Ag Reinigungsfreundlicher Glaskeramikkörper
DE10017701C2 (de) * 2000-04-08 2002-03-07 Schott Glas Gefloatetes Flachglas
JP2001316132A (ja) 2000-05-02 2001-11-13 Nippon Electric Glass Co Ltd Li2O−Al2O3−SiO2系透明結晶化ガラス物品及びそれを用いた光通信用デバイス
JP4939723B2 (ja) * 2000-08-24 2012-05-30 ショット アクチエンゲゼルシャフト 酸化バナジウムを使用することにより暗色化された透明ガラスセラミック
JP2002154840A (ja) * 2000-11-16 2002-05-28 Nippon Electric Glass Co Ltd Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP2006001828A (ja) * 2004-05-18 2006-01-05 Nippon Electric Glass Co Ltd 結晶化ガラス
JP2006199538A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Huzhou Daikyo Hari Seihin Yugenkoshi Li2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラス及び結晶化ガラス並びにLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの製造方法。
KR100632001B1 (ko) * 2005-07-29 2006-10-09 삼성전기주식회사 저온 소결용 유리 조성물, 유리 프릿, 유전체 조성물 및이를 이용한 적층 세라믹 콘덴서
JP2007197310A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Nippon Electric Glass Co Ltd 結晶化ガラスおよびそれを用いた反射鏡基材並びに反射鏡
EP1837313B1 (de) 2006-03-20 2008-05-28 Schott AG Optisch detektierbares floatbares arsen- und antimonfreies, keramisierbares Lithium-Aluminosilikat-Glas
ATE439334T1 (de) * 2006-03-20 2009-08-15 Schott Ag Transparente, farblose lithium-aluminosilikat- glaskeramikplatte mit blickdichter, farbiger unterseitenbeschichtung
JP2008030978A (ja) * 2006-07-26 2008-02-14 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス基板熱処理用セッター
FR2908130B1 (fr) 2006-11-07 2009-10-23 Snc Eurokera Soc En Nom Collec Flottage de vitroceramique
FR2909374B1 (fr) 2006-11-30 2016-11-25 Soc En Nom Collectif Dite : Eurokera Vitroceramiques de beta-quartz, transparentes et incolores, a faible teneur en tio2; articles en lesdites vitroceramiques ; verres precurseurs, procedes d'elaboration
JP5673909B2 (ja) * 2008-05-19 2015-02-18 日本電気硝子株式会社 結晶性ガラス及びこれを結晶化させてなる結晶化ガラス
JP5458532B2 (ja) * 2008-09-08 2014-04-02 日本電気硝子株式会社 Las系フロートガラス
FR2955574B1 (fr) * 2010-01-22 2014-08-08 Eurokera Vitroceramiques de beta-quartz ; articles en lesdites vitroceramiques ; procedes d'obtention ; verres precurseurs.
US8722554B2 (en) * 2010-08-03 2014-05-13 Eurokera Aluminosilicate glasses with improved fining behaviour

Also Published As

Publication number Publication date
CN102892725B (zh) 2015-11-25
EP2604583A1 (en) 2013-06-19
EP2604583B1 (en) 2019-09-25
EP2604583A4 (en) 2015-06-03
CN102892725A (zh) 2013-01-23
WO2012020678A1 (ja) 2012-02-16
US20130130887A1 (en) 2013-05-23
JP2012056829A (ja) 2012-03-22
US9126859B2 (en) 2015-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6202775B2 (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP6735704B2 (ja) 透明で無色の、チタニア含量の低いベータ・石英・ガラス・セラミック材料
JP6553129B2 (ja) 透明な色の薄いリチウムアルミニウムシリケートガラスセラミックおよびその使用
KR102007022B1 (ko) Li₂O-Al₂O₃-SiO₂계 결정화 유리 및 그 제조 방법
JP5935304B2 (ja) 結晶化ガラス
JPH11228180A (ja) Li2 O−Al2 O3 −SiO2 系結晶化ガラス
JP2018523624A (ja) 改良した微細構造および熱膨張性を有し透明で本質的に無色でスズで清澄化したlasガラスセラミック
US20210403370A1 (en) Li2O-Al2O3-SiO2-BASED CRYSTALLIZED GLASS
JP2004075441A (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラス及び結晶化ガラス、ならびに該結晶性ガラス及び結晶化ガラスの製造方法
WO2010090208A1 (ja) 結晶化ガラスおよびそれを用いた調理器用トッププレート
JP6331322B2 (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP2012106887A (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスおよびそれを結晶化させてなるLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP2013121890A (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP7121348B2 (ja) Las系結晶性ガラス、las系結晶化ガラス及びそれらの製造方法
JP6421795B2 (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP2015020944A (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶性ガラスの評価方法及びこれを用いた結晶化ガラスの製造方法
JP2016108201A (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP5645101B2 (ja) 調理器用トッププレート
JP2016108202A (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス
JP2012036075A (ja) 珪酸塩ガラスの製造方法
CN118206288A (zh) 透明玻璃陶瓷、尤其作为盖板
Nakane et al. Li 2 O—Al 2 O 3—SiO 2—based crystallized glass
CN118206289A (zh) 透明玻璃陶瓷、尤其作为盖板
JP2024086691A (ja) 透明なガラスセラミックス、特にカバープレートとしてのガラスセラミックス
JP2015086110A (ja) Li2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラスの製造方法及びLi2O−Al2O3−SiO2系結晶化ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140303

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160523

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160822

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160831

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20161021

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170620

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170829

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6202775

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150