JPH0798592B2 - 分配器及び該分配器を用いた保持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は記録媒体（例えば、記録紙或いはOHP用のプラ
スチック薄板等）の保持装置に関し、更に詳しくはイン
クジェット方式を用いた複写機或いはファクシミリ等の
記録装置に於ける分配器及び該分配器を用いた保持装置
に関するものである。

＜従来の技術＞ インクジェット方式記録装置に於いて、その記録部に於
ける記録媒体としての記録紙のプラテン面からの浮き上
がりを防止するために、プラテン面の細孔から大気を吸
引することによって記録紙の固定を行っている。

前記記録装置には実用上幅の異なる種々の記録紙が用い
られるために、プラテンの内部を種々の紙幅に一致する
ように複数の小部屋に分割し、一つの吸引源との間に吸
引区分用の分配器を設け、この分配器により紙幅に応じ
た必要な小部屋を選択して吸引する方式を採用してい
る。

第２図は従来より利用されている分配器の説明図であ
る。

プラテン１はその表面に複数の細孔２が穿たれており、
内部の小部屋4a,4b,4cに分割されている。この小部屋4
a,4b,4cの幅は記録紙３の寸法に一致するような寸法構
成となっている。

分配器５は固定板６と回転板７とによって構成されてい
る。固定板６には、分配孔8a,8b,8cが設けられており夫
々プラテン１の小部屋4a,4b,4cと連通している。

吸引孔９は吸引源であるブロアー10に連通している。

回転板７には、分配溝11が吸引孔９と分配孔8a,8b,8cと
の間を必要に応じて連通するように設けられている。

今、記録紙３の幅をＷとした場合、プラテン１の吸引幅
は小部屋4a,4bが必要になるために分配溝11が、吸引孔
９と分配孔8a,8bとを連通する位置まで回転板７は駆動
源12により軸13を中心にして回動する。

分配器５の位置は、検出突起14とセンサー15a,15b,15c
とによって検出され、所定の位置で停止する。例えば第
２図の場合検出突起14がセンサー15bに係合した位置で
駆動源12は停止するようになっている。

＜発明が解決しようとする問題点＞ 以上のような構成の分配器５に於いて、固定板６と回転
板７との摺動面での大気の漏れを防止するため、粘度の
大きいシリコンオイルを塗布してシール性を保持してい
るが、分配器の内部はブロアー10によって大気を吸引し
ているため、シール材として流動性のある物質では吸い
だされてしまい、次第にシール性が悪化し記録紙３に対
する吸引能力が低下する傾向にあった。

これらの諸点を改良するものとして第３図に示す如き弾
性シール部材を用いた構造によるものが提案されてい
る。

第３図（ｂ）は模式的に位置関係を示したものである。

外周シール用Ｏリング16は分配器５の外周をシールし得
るように設けられ、大気との機密保持に用いられる、
又、吸引孔９及び分配孔8a,8b,8c間の気密保持のために
個々に個別シール用Ｏリング17を設けている。

各Ｏリングのシール性能を充分に発揮させるため圧縮バ
ネ18が固定板６と固定部材25との間に所定数設けられて
いる。19は固定板６に設けた回転止めであり、固定板６
が回転しないように取りつけてある。

シール部材としてのＯリングはゴムを素材としており摩
擦係数が大きく、従って回転板７を回動させるためのト
ルクが非常に大きくなる。このため、駆動源12も出力の
大きなものが必要となり、その結果、装置の大型化、高
コスト化を伴う虞がある。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は前記した諸問題点を解決するためのものであ
り、その手段は、吸引源と連通する吸引孔と、複数の吸
引先と連通する複数の分配孔とを有する第１部材と、前
記吸引孔と分配孔とを連通する分配溝を有する第２部材
とを有し、前記第１部材と第２部材とを相対的に回動自
在に構成し、前記相対的な回動に連動して前記第１部材
と第２部材とを相対的に離隔可能に構成する分配器と、 前記した分配器と、表面に複数の細孔を設け，内部を複
数の小部屋に分割したプラテンとにより構成し、前記プ
ラテンの複数の小部屋と前記複数の分配孔とを連通した
保持装置とによるものである。

＜作用＞ 吸引孔と、複数の分配孔とを有する第１部材と、分配溝
を有する第２部材とを相対的に回動する事によって、前
記吸引孔と所定の分配孔とを連通して、記録紙の幅の変
更に応じてプラテン内の小部屋を選択的に吸引する事が
可能である。

更に、前記第１部材と第２部材との相対的回動に連動し
て両者を離隔可能に構成する事で、互いに接触面が接触
した状態で回動する距離を短くして、摩擦抵抗を小さく
する。

＜実施例＞ 第１図は本発明の分配器５の一実施例であり、以下図に
よって説明する。

図に於いて第２図及び第３図に於けるものと同一の構造
と機能を有しているものに付いては説明を省略する。

第１図に於いて、8a,8b,8cは夫々分配孔であり、図示し
ないプラテン２に設けた小部屋4a,4b,4cと連通してい
る。９は吸引孔であり、図示しないブロア或いは真空ポ
ンプ等の吸引源と連通している。

分配孔8a,8b,8c及び吸引孔９は、第１部材20の表面であ
って同一円周上に設けてあり、夫々のなす角度は、本実
施例に於いては45度として構成してある。但しこの角度
は後述するコロ等との関係により適宜設定する数値であ
る。

11は第２部材21に設けられた分配溝であり、吸引孔９
と、全ての分配孔8a,8b,8cとを連通し得る長さを有し、
これ等と同一円周上に設けられている。

21は第２部材でありその側面にコロ軸23が所定の数量設
けられており、このコロ軸23にはリフトコロ22が回転自
在に取りつけてある。又、20は第１部材でありその外周
部には、前記リフトコロ22に対応してカム面20aが刻設
されている。リフトコロ22とカム面20aとは、両者の接
触係合により第１部材20と第２部材21との離隔距離であ
るリフト量αを形成するよう構成してある。

第１図に於ける、第１部材20と、第２部材21とは、第２
図及び第３図に於ける、固定板６と回転板７とに対応す
るものであり、夫々同様の機能を有している。

第１部材20に設けた吸引孔９及び全ての分配孔には、第
２部材21との接触面にシール用Ｏリング17が設けられて
いる。

第２部材21の第１部材20との接触面には、その外周の近
傍に大気とのシール用Ｏリング16が設けられている。

各々のＯリング16,17は圧縮変形させてシール性を向上
させるための圧縮バネ18は、固定部材25と第１部材20と
の間に、第１部材20に固定した案内棒24の外周に装着さ
れ、第１部材20と第２部材21とを密着させる方向に付勢
している。

室内棒24は固定部材25に対し軸方向に摺動可能に成って
おり、又、第１部材20と第２部材21との接触面に均等な
圧力分布を図る事が可能な数に設定する。本実施例に於
いて案内棒24は３箇所に設けてある。

又、カム面20aの数は、分配器５に於ける分配孔8a,8b,8
cの数及びその分割角度によって決定されるものであ
る。

本実施例では、各分配孔8a,8b,8c及び吸引孔９の夫々の
なす角度を45度としている為、第１部材20と第２部材21
とは45度毎に互いに密着させる必要が有り、従ってカム
面20aも45度毎に設けてある。

リフトコロ22の数は、回転の際に荷重を均等に支持する
事を前提に設定する。本実施例に於いてリフトコロ22は
４個設けてある。

次に本発明の動作、特に分配器５の動作について説明す
る。

第１図（ｂ）の状態は、吸引孔９と分配孔8a,8bとが分
配溝11を介して連通している。この際カム面20aとリフ
トコロ22とは第１図（ｃ）に示す如く互いに係合してい
るが、接触はしておらず、従って第１部材20と第２部材
21とは圧縮バネ18により互いに密着する方向に付勢され
ており、Ｏリング16,17は充分に圧縮変形しシール効果
を得ている。

記録紙３の幅が変更になり、例えば小さくなった場合に
は、駆動源12を駆動し第１図（ｂ），（ｄ）に於ける矢
印Ａ方向に第２部材21を回動させる。

第１部材20と第部材21との相対的回動に連動して、即ち
リフトコロ22がカム面20aを通過するのに連動して、第
１部材20は圧縮バネ18に抗して第２部材21と離隔し、案
内棒24を固定部材25の方向に押し上げる。

リフトコロ22が摺動面20bに達すると第１図（ｅ）に示
す如く第１部材20と第２部材21との間には、リフト量α
に等しい間隙を生ずる。

第２部材21が回動している間、リフト量αを維持してお
り、回動が進行しリフトコロ22が次のカム面20aに達す
ると、カム面20aに従ってリフト量αは減少してゆく、
第２部材21が所定量回動したことは、検出突起14とセン
サー15aによって検出され、このセンサー15aの信号によ
り駆動源12は停止する。センサー15は分配孔８と関係的
に設けられており、本実施例に於いて各分配孔８が45度
毎に設けてあるため、センサー15も45度毎に設けてあ
る。

このとき第１部材20と第２部材21とは第１図（ａ）に示
すような関係にあり各Ｏリング16,17は充分に圧縮変形
され、シール効果を発揮する。

リフト量αは各Ｏリング16,17が夫々互いの接触面に接
触しない程度に設定するのが良く、リフト量αが大きい
とＯリングが脱落してしまう可能性があり、少ないと摩
擦抵抗が発生し効果が減少する。

カム面20aの傾斜角度を緩やかにする事によって駆動源1
2の出力を小さくする事が可能になるが、緩やかにしす
ぎると各Ｏリングが互いの接触面に接触して回転する区
間が長くなり効果が減少する。

本発明に於いては、第１部材20に軸方向の動作を、第２
部材21に回動動作をさせているが、これは、第１部材20
を完全に固定し第２部材21に圧縮バネ18、案内棒24を設
けることによって、回動及び離隔方向の２動作をさせて
も良い。

更に、第１部20の離隔方向の動きに対して別の駆動源に
より複合させた動作としても良い。

シール部材としてＯリングを使用しているが、第１部材
20と第２部材21との摺動面に、所定の位置に所定の孔又
は溝を設けたゴム板を介して接触させ、シール材として
も良い。

＜発明の効果＞ 以上詳細に説明したように本発明によれば、記録紙幅の
変更の際、分配器の第１部材と第２部材との相対的回動
に連動して、両者を離隔可能に構成する事によって、前
記回動に要する駆動源の出力を小さくする事が可能であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の分配器の説明図である。第２図は従来
の保持装置の説明図であり、第３図は従来の分配器の説
明図である。 １はプラテン、２は細孔、３は記録紙、4a,4b,4cは小部
屋、５は分配器、６は固定板、７は回転板、8a,8b,8cは
分配孔、９は吸引孔、10はブロワー、11は分配溝、12は
駆動源、13は軸、14は検出突起、15a,15b,15cはセンサ
ー、16は外周シール用Ｏリング、17は個別シール用Ｏリ
ング、18は圧縮バネ、19は回転止め、20は第１部材、21
は第２部材、22はリフトコロ、23はコロ軸、24は案内
棒、25は固定部材である。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】吸引源と連通する吸引孔と、複数の吸引先
   と連通する複数の分配孔とを有する第１部材と、前記吸
   引孔と分配孔とを連通する分配溝を有する第２部材とを
   有し、前記第１部材と第２部材とを相対的に回動自在に
   構成し、前記相対的な回動に連動して前記第１部材と第
   ２部材とを相対的に離隔可能に構成する事を特徴とした
   分配器。
2. 【請求項２】吸引源と連通する吸引孔と、複数の分配孔
   とを有する第１部材と、前記吸引孔と分配孔とを連通す
   る分配溝を有する第２部材とを有し、前記第１部材と第
   ２部材とを相対的に回動自在に構成し、前記相対的な回
   動に連動して前記第１部材と第２部材とを相対的に離隔
   可能に構成した分配器と、表面に複数の細孔を設け、内
   部を複数の小部屋に分割したプラテンとにより構成し、
   前記プラテンの複数の小部屋と前記複数の分配孔とを連
   通する事を特徴とした保持装置。