JPH0798091A - 真空断熱体 - Google Patents

真空断熱体

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JPH0798091A
JPH0798091A JP5244303A JP24430393A JPH0798091A JP H0798091 A JPH0798091 A JP H0798091A JP 5244303 A JP5244303 A JP 5244303A JP 24430393 A JP24430393 A JP 24430393A JP H0798091 A JPH0798091 A JP H0798091A
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JP
Japan
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stainless steel
foil
outer shell
steel foil
vacuum heat
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Application number
JP5244303A
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English (en)
Inventor
Hideo Sanpei
秀雄 三瓶
Kenichi Hirashiki
健一 平敷
Keimei Asakura
啓明 朝倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba AVE Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱材からなる充填体を収容した容器状の外
装体内を真空排気して形成される真空断熱体において、
その外装体を構成する外郭部材の金属箔を通して外装体
内に空気が侵入することを防止する。 【構成】 プラスチックフィルム14の内面にステンレ
ススチール箔15を張り付けると共に、ステンレススチ
ール箔15の内面にヒートシール層16を設けて外郭部
材13を構成する。そして、2枚の外郭部材13の周囲
部をヒートシール層16の熱圧着により接合して外装体
12を形成する。この外装体12内には断熱材からなる
充填体17が収容され、該外装体12内は真空排気され
ている。ステンレススチール箔15は熱伝導率が低いの
で、その厚さを厚くしてもステンレススチール箔15を
介する伝熱量は少ない。このため、ステンレススチール
箔15を微細孔が生ずるおそれのない厚さの厚いものに
することができ、この結果、ステンレススチール箔15
(外郭部材13)から空気が外装体12内に侵入するこ
とを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充填体を収容した容器
状の外装体内を真空排気して構成する真空断熱体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の真空断熱体にあっては、例えば
プラスチックフィルムにアルミニューム箔を張り付けて
構成された2枚の外郭部材の周囲部を接合することによ
り構成した容器状の外装体を用意すると共に、紙または
不織布などのような通気性を有する袋内に断熱性を有す
る材料であるパーライト粉末やシリカ微粉末を収容して
所定の形状に成形した充填体、或いは連続気孔率の高い
プラスチックフォームよりなる充填体を用意し、このよ
うな充填体を前記外装体内に収容した状態で、外装体内
の空気を外装体の開口部(2枚の外郭部材の周囲部のう
ち接合から除かれた一辺の開口部)から真空引きにより
排出し、しかる後、その外装体の開口部を接合すること
によって密閉した構成したものが知られている。
【0003】図5にこの構成の真空断熱体の一例を示
す。同図において、外装体1は、矩形状をなす2枚の外
郭部材2,2を、その周囲部を接合することによって密
閉された偏平な矩形容器状に構成されている。上記外郭
部材2,2は、非通気性のラミネートフィルムからなる
もので、具体的には、基材となるプラスチックフィルム
3の片面に、通気を遮断するためのアルミニューム箔4
を接着して設けると共に、このアルミニューム箔4の表
面に熱可塑性プラスチックよりなるヒートシール層5を
設けた3層構造となっており、当該外郭部材2,2間の
接合はヒートシール層5の熱圧着により行っている。
【0004】ここで、プラスチックフィルム3として
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリアク
リロニトリル樹脂などのフィルムが用いられ、またヒー
トシール層5としては、ポリエチレン(PE)やポリプ
ロピレン(PP)などが用いられる。
【0005】外装体1内には充填体6が収容されてお
り、この充填体6は紙または不織布などのような通気性
を有する袋7内に断熱性を有する材料であるパーライト
粉末やシリカ微粉末などの断熱材8を収容して所定の形
状に成形されたものである。
【0006】このような構成の真空断熱体9は次のよう
な工程で製造される。すなわち、2枚の外郭部材2,2
を重ね合わせてそれらの3辺部を接合することにより、
外装体1を一辺部に開口部を有した袋状に形成し、その
開口部を通して充填体6を収容する。次いで、外装体1
内の空気を開口部を通じて真空引きにより排出し、この
後、その開口部を接合する。この真空断熱体9は例えば
冷蔵庫の断熱箱体の構成素材として用いられ、一方の面
が庫内側、他方の面が庫外側となるように配置される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
真空断熱体9にあっては、初期の熱伝導率が0.005
〜0.006Kcal/mh℃という優秀なる断熱性を
示すものであり、従来の硬質ポリウレタンフォームを利
用した断熱体と比較した場合、約3倍以上の断熱性能を
有する。
【0008】しかしながら、外郭部材2の基材として使
用されているプラスチックフィルム3には完全なる空気
遮断性はないので、これを補うべくアルミニューム箔4
が張り付けられているが、アルミニューム箔4は8μm
程度の極薄いものであるため、微視的に見ると無数の微
細孔が存在している。このため、外装体1内は初期段階
では高い真空度が維持され、優れた断熱性を呈するが、
気体分子が徐々に外郭部材2を通過して外装体1内に侵
入し、この結果、外装体1内の真空度が低下し、断熱性
能が低下するようになる。
【0009】このような外郭部材2を介する気体分子の
侵入を防止するためには、アルミニューム箔4に表裏両
面間を貫通するような微細孔が存在しないように、アル
ミニューム箔4の厚さを厚くすればよいが、このように
すると、アルミニュームは熱伝導率が高いため、アルミ
ニューム箔4を介して高温側から低温側に伝わる熱量が
多くなり、断熱性能の低下を招く。
【0010】また、2枚の外郭部材2,2のアルミニュ
ーム箔4,4どうしはヒートシール層5,5を介して接
合されているため、空気はそのヒートシール層5,5か
らも外装体1内に侵入する。これを防止するには、アル
ミニューム箔4,4どうしを直接溶接などにより接合す
ればよいが、このようにすると、アルミニューム箔4,
4を熱的に遮断する機能を有するヒートシール層5が無
くなるため、やはりアルミニューム箔4を通過する伝熱
量が多くなり、断熱性能の低下を招く。
【0011】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、空気が外郭部材を通過して外装体内に
侵入したり、外郭部材の接合部を通じて外装体内に侵入
したりすることを防止でき、外装体内を長期にわたり高
真空度に維持できる真空断熱体を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の真空断熱体は、
少なくとも金属箔により構成された外郭部材を接合して
密閉された容器状に形成され、内部の空気を排出して真
空状態にされた外装体と、この外装体内に収容された断
熱性を有する充填体とからなり、前記金属箔をステンレ
ススチール箔としたことを特徴とするものである。
【0013】また、前記金属箔のうち、少なくとも容器
状外装体の厚さ方向両側の片側の周囲部分をステンレス
スチール箔により形成し、残る部分をアルミニューム箔
により形成する構成としても良い。
【0014】ステンレススチール箔の厚さは、微細孔を
無くすことと、外装体を形成する場合の作業性とを考慮
して、10〜50μmにすると良い。また、ステンレス
スチール箔は、熱伝導率のより低い、Ni19〜22重
量%、Cr 24〜26重量%のステンレススチールから
形成することが好ましい。
【0015】更に、外郭部材の接合を、金属箔どうしを
溶接により接合し、または金属箔どうしを低融点金属或
いは低融点セラミックスにより接合することにより行う
ようにしても良い。
【0016】
【作用】ステンレススチールの熱伝導率はアルミニュー
ムの1/10程度であるので、ステンレススチール箔を
厚くして微細孔のないものにすることができ、且つこの
ようにしても金属箔を介する伝熱量を少なくすることが
できる。
【0017】また、外郭部材を金属箔どうしを直接接合
することにより、該接合部から外装体への空気の侵入を
防止でき、且つこのようにしても金属箔を介して高温側
から低温側に伝わる熱量を少なくすることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1に基づい
て説明する。同図には完成状態でのパネル状の真空断熱
体11が示されており、内部が真空排気された密閉容器
状の外装体12は、矩形状に形成された2枚の外郭部材
13,13をその周辺部で接合することにより構成され
ている。この場合、上記外郭部材13は非通気性のラミ
ネートフィルムよりなるもので、具体的には、プラスチ
ックフィルム14の片面に通気を遮断するためのステン
レススチール箔15を接着すると共に、そのステンレス
スチール箔15の内側に熱可塑性プラスチックからなる
ヒートシール層16を設けた3層構造となっており、当
該外郭部材13,13間の接合はヒートシール層16の
熱圧着により行われている。
【0019】この場合、プラスチックフィルム14に
は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリアク
リロニトリル樹脂などにより形成された厚さ25μmの
フィルムが用いられ、ヒートシール層16としては、ポ
リエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などが用
いられ、その層厚は60μmに定められている。また、
ステンレススチール箔15は、Ni19〜22重量%、
Cr 24〜26重量%のステンレススチールにより形成
され、その厚さは10〜50μmに設定されている。
【0020】外装体12内には充填体17が収容されて
いる。この充填体17は紙または不織布などにより形成
された通気性を有する袋18内にパーライト粉末やシリ
カ微粉末などよりなる気体吸着性の低い断熱材19を収
容して所定の形状に形成されたものである。
【0021】このような構成の真空断熱体11は次のよ
うな工程で製造される。すなわち、2枚の矩形状外郭体
12,12の3辺部を熱圧着して接合することにより、
外装体12を一辺部に開口部を有した状態の袋状に形成
し、その内部に上記開口部から充填体17を収容する。
次いで、外装体12内の空気を排気口として機能する上
記開口部から真空排気して0.01toor程度まで減
圧する。そして、外装体12の残る一辺部(開口部)を
熱圧着して接合する。このようにして構成された真空断
熱体11は例えば冷蔵庫の断熱箱体の構成素材として用
いられ、一方の面が庫外側、他方の面が庫内側となるよ
うに配置される。
【0022】上記構成の真空断熱体11によれば、外装
体12を構成する外郭部材13の金属箔としてステンレ
ススチール箔15を用いたので、該ステンレススチール
箔15を厚くしても真空断熱体11としての断熱性能が
低下するおそれはない。その理由は、従来、外郭部材の
金属箔として用いられていたアルミニュームの熱伝導率
は200Kcal/mh℃程度であるが、ステンレスス
チールのそれは9〜20Kcal/mh℃程度で、アル
ミニュームの略1/10である。このため、ステンレス
スチール箔15を10〜50μmと厚くしても、該ステ
ンレススチール箔15を介して庫外側とされる一方の面
(例えば下面)から庫内側とされる他方の面(上面)へ
伝わる熱量は少ないからである。
【0023】そして、このようにステンレススチール箔
15を厚くできることから、ステンレススチール板を展
延して箔を製造する過程で、ステンレススチール箔15
にその表裏両面を貫通するような微細孔が生ずるおそれ
はなく、外郭部材13を完全な非通気性のものとするこ
とができる。従って、気体分子が外郭部材13を通じて
外装体12内に侵入するおそれはなく、外装体12内を
長期にわたって高真空度に維持でき、真空断熱体11の
断熱性能の低下を防止できる。
【0024】ここで、本出願の発明者は、金属箔として
ステンレススチール箔を用いた本実施例の真空断熱体と
アルミニューム箔を用いた従来の真空断熱体との断熱性
能の違いを評価するために、図4に示すような経時変化
特性を得た。すなわち、プラスチックフィルム14とし
て厚さ25μmのPETフィルム、金属箔として厚さ1
2μmのステンレススチール箔15、ヒートシール層1
6として厚さ60μmのPEから外装体12を構成する
と共に、充填体17としてウレタンフォームを用いた本
発明による真空断熱体のサンプルAと、このサンプルA
に対しステンレススチール箔15の厚さを20μmに変
えたところだけが異なる同じく本発明による真空断熱体
のサンプルBと、サンプルAに対し金属箔として厚さ8
μmのアルミニューム箔を用いたところだけが異なる従
来構成の真空断熱体のサンプルCとを用意し、これらサ
ンプルA,BとCの熱伝導率の経時変化を測定した。
【0025】この測定結果を示す図4から明らかなよう
に、従来構成のサンプルCでは徐々に断熱性能が低下
(熱伝導率が上昇)するが、本発明構成のサンプルA,
Bでは12月経過後も初期の優れた断熱性能を保ち、本
発明による真空断熱体が高断熱性能の長期維持に優れて
いることが理解される。これは、厚さ8μmのアルミニ
ューム箔では微細孔が存在するため、外郭部材から外装
体内に空気が侵入するため、該外装体の真空度が時間の
経過と共に低下してくるが、厚さ12μm或いは20μ
mのステンレススチール箔では微細孔が存在せず、外装
体の初期の真空度が長期にわたり維持できるためと考え
られる。
【0026】また、本発明者はサンプルCに対し厚さ1
2μmのアルミニューム箔(サンプルAのステンレスス
チール箔と同じ厚さ)に変えたところだけが異なるサン
プルDを用意し同様の測定をした。これを図4に示す
が、このサンプルDでは断熱特性の経時的変化は少ない
が、しかし初期断熱特性は低く、本発明による真空断熱
体の方が初期断熱特性に優れている。これは、アルミニ
ューム箔も12μmの厚さがあれば微細孔がなくなり、
非通気性が高まるものの、アルミニュームは熱伝導率が
ステンレススチールよりも高いため、アルミニューム箔
を介する伝熱量が多なくなり、初期断熱特性の低下を招
くものと考えられる。
【0027】一方、本発明者はサンプルAに対しステン
レススチール箔の厚さを8μmに変えただけのサンプル
Eを用意し、同様の測定を行った。これを図4に示す
が、このサンプルEでは、初期断熱性能はサンプルAよ
りも良好なる断熱特性を示すが、時間の経過に伴って伝
熱特性が低下し、12月経過後ではサンプルAよりも断
熱性能に劣るものとなる。これは、ステンレススチール
箔の厚さを8μmとしたのでは、微細孔が生じ、気体分
子が外郭部材13から外装体12内に侵入してその真空
度が低下するためと思われる。従って、非通気性を確保
するためには、ステンレススチール箔の厚さは10μm
以上必要であると考えられる。
【0028】また、本発明者はステンレススチール箔の
厚さを60μmとした外郭部材により外装体を作成した
が、この外郭部材ではステンレススチール箔が厚いた
め、外装体の製造作業がし難く、整った形の外装体を作
り得なかった。従って、作業性の面から、ステンレスス
チール箔の厚さは50μm以下とすることが好ましいと
考えられる。
【0029】以上のことから、ステンレススチール箔1
5の厚さを10〜50μmに定めた本実施例は外郭部材
13から外装体12内への空気の侵入を防止しながら、
外装体12を製造する場合の作業性を良好ならしめるこ
とができるものである。
【0030】なお、ステンレススチール箔15の厚さを
50μm近くに設定した場合には、該ステンレススチー
ル箔15だけで比較的高い剛性が得られるので、基材と
してのプラスチックフィルム14は特に設けなくとも良
い。
【0031】ここで、ステンレススチールの熱伝導率は
Ni、Crの含有量によって異なるが、Niの含有量1
9〜22重量%、Crの含有量24〜26重量%のもの
がより低い熱伝導率を呈する。そして、本実施例では、
Niの含有量19〜22重量%、Crの含有量24〜2
6重量%のステンレススチール箔15を使用しているの
で、より一層真空断熱体11の断熱性能を高めることが
できるものである。
【0032】図2は本発明の第2の実施例を示すもの
で、図1と同一部分に同一符号を付して異なる部分のみ
説明する。この実施例の外郭部材20はヒートシール層
16は設けられておらず、プラスチックフィルム14に
ステンレススチール箔15を張り付けた2層構造のもの
が使用されている。そして、2枚の外郭部材20の接合
は、それらのステンレススチール箔15を低融点金属例
えば半田、或いは低融点セラミックス例えばガラスによ
り行っている。なお、接合のための半田或いはガラスを
図2に符号21で示した。
【0033】上記構成の本実施例では、2枚の外郭部材
20のステンレススチール箔15どうしを半田、或いは
ガラスにより接合しているため、熱可塑性プラスチック
からなるヒートシール層16により接着するものとは異
なり、接合部分から空気が侵入することを防止できる。
従って、真空断熱体11の優れた初期断熱特性をより一
層長期にわたって維持することができる。
【0034】本発明者は、ステンレススチール箔15の
厚さを50μmとすると共に、ヒートシール層16を省
略してステンレススチール箔15どうしを半田により接
合したサンプルF(他はサンプルAと同じ)を用意し、
前述したと同様の測定を行った。その結果を図4に示す
が、同図から明らかなように、サンプルFでは熱伝導率
の経時的変化がまったくなく、断熱性能に優れているこ
とが理解される。また、本測定では結果として出ていな
いが、2枚の外郭部材14の接合部からの空気侵入をよ
り確実に防止できることから、更に長期にわたって優れ
た初期断熱性能を維持できると考えられる。なお、2枚
の外郭部材20のステンレススチール箔15どうしは直
接溶接により接合するようにしても良い。
【0035】図3は本発明の第3の実施例を示すもの
で、図1と同一部分に同一符号を付して異なる部分を説
明する。すなわち、図1の第1の実施例と異なるところ
は、外郭部材22の金属箔の構成にあり、同金属箔は両
外郭部材22の周囲部分が厚さ10〜50μmのステン
レススチール箔23により構成され、その他の部分、従
ってこのステンレススチール箔23により囲まれた部分
が同じく厚さ10〜50μmのアルミニューム箔24に
より構成されている。そして、ステンレススチール箔2
3とアルミニューム箔24とは半田25により接合され
ている。
【0036】ところで、ステンレススチールはアルミニ
ュームに比較して非常に高価である。このため、金属箔
をステンレススチール箔のみから構成すると、外郭部材
としては非常に高価になる。しかるに、本実施例によれ
ば、金属箔の一部を安価なアルミニューム箔24とした
ので、価格の低減化を図ることができる。
【0037】しかも、金属箔の一部にアルミニューム箔
24を用いても、外装体12の周囲部分は熱伝導率の低
いステンレススチール箔23により構成されているの
で、そのステンレススチール箔23が断熱機能を呈する
ようになり、金属箔を介する伝熱量を少なくすることが
できる。
【0038】本発明者は、この第3の実施例のように構
成した真空断熱体として、ステンレススチール箔23お
よびアルミニューム箔24の厚さを20μmとしたサン
プルG(他はサンプルAと同じ)を用意し、前述したと
同様の測定を行った。その結果を図4に示すが、同図か
ら明らかなように、熱伝導率はサンプルA,Bよりも若
干高いものの、同熱伝導率の経時的変化はまったくな
く、断熱性能に優れていることが理解される。
【0039】なお、第3の実施例では、2枚の外郭部材
22の双方共に、周囲部分の金属箔をステンレススチー
ル箔23としたが、これは片側の外郭部材22の周囲部
分のみをステンレススチール箔23とする構成であって
も良い。このようにしても、片側の外郭部材22のステ
ンレススチール箔23の断熱作用によって金属箔を介す
る伝熱量を少なくすることができるからである。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば次の
ような効果を得ることができる。請求項1記載の真空断
熱体によれば、外郭部材の金属箔をステンレススチール
箔としたことにより、熱伝導率の上昇を招くことなく、
ステンレススチール箔を厚くして微細孔のないものにす
ることができる。このため、外装体の高い真空度を長期
にわたり維持できて、優れた初期断熱特性を長期にわた
り維持できる。
【0041】請求項2記載の真空断熱体によれば、外郭
部材の金属箔のうち、少なくとも外装体の厚さ方向片側
の周囲部分をステンレススチール箔により形成し、残る
部分をアルミニューム箔により形成する構成としたこと
により、金属箔を介する伝熱量の増加を防止しながら、
外郭部材を安価に構成できる。
【0042】請求項3記載の真空断熱体によれば、ステ
ンレススチール箔の厚さを10〜50μmに設定したこ
とにより、ステンレススチール箔に微細孔が生ずること
を厚さの増加により防止しながらも、外郭部材から外装
体を製作する作業を良好ならしめることができる。
【0043】請求項4記載の真空断熱体によれば、ステ
ンレススチール箔を、Ni19〜22重量%、Cr 24
〜26重量%のステンレススチールから形成する構成し
たことにより、ステンレススチール箔の熱伝導率をより
小さなものとすることができる。
【0044】請求項5記載の真空断熱体によれば、外郭
部材の接合を、金属箔どうしを溶接することにより接合
し、または低融点金属或いは低融点セラミックスにより
接合することにより接合することにより、接合部から外
装体内に空気が侵入することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す真空断熱体の縦断
面図
【図2】本発明の第2の実施例を示す図1相当図
【図3】本発明の第3の実施例を示す図1相当図
【図4】真空断熱体の熱伝導率の経時変化特性図
【図5】従来の真空断熱体を示す図1相当図
【符号の説明】
12は外装体、13は外郭部材、14はプラスチックフ
ィルム、15はステンレススチール箔、16はヒートシ
ール層、17は充填体、19は断熱材、20は外郭部
材、21は半田(低融点金属)またはガラス(低融点セ
ラミックス)、22は外郭部材、23はステンレススチ
ール箔、24はアルミニューム箔である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝倉 啓明 大阪府茨木市太田東芝町1番6号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社大阪事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも金属箔により構成された外郭
    部材を接合することにより密閉された容器状に形成さ
    れ、内部の空気を排出して真空状態にされた外装体と、
    この外装体内に収容された断熱性を有する充填体とから
    なり、前記金属箔をステンレススチール箔としたことを
    特徴とする真空断熱体。
  2. 【請求項2】 少なくとも金属箔により構成された外郭
    部材を接合することにより密閉された容器状に形成さ
    れ、内部の空気を排出して真空状態にされた外装体と、
    この外装体内に収容された断熱性を有する充填体とから
    なり、前記金属箔のうち、少なくとも外装体の厚さ方向
    片側の周囲部分をステンレススチール箔により形成し、
    残る部分をアルミニューム箔により形成したことを特徴
    とする真空断熱体。
  3. 【請求項3】 ステンレススチール箔の厚さは、10〜
    50μmであることを特徴とする請求項1または2記載
    の真空断熱体。
  4. 【請求項4】 ステンレススチール箔は、Ni19〜2
    2重量%、Cr 24〜26重量%のステンレススチール
    から形成されていることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載の真空断熱体。
  5. 【請求項5】 外郭部材の接合は、金属箔どうしを溶接
    により接合し、または金属箔どうしを低融点金属或いは
    低融点セラミックスにより接合することにより行われて
    いることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記
    載の真空断熱体。
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JP (1) JPH0798091A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006275189A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Tohoku Univ 断熱容器の製造方法

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JP2006275189A (ja) * 2005-03-29 2006-10-12 Tohoku Univ 断熱容器の製造方法

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