JPH079647U - 車輌用灯具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピン自体の長さを短くすることができ、ピン
の折損事故を防止すると共に、ピンが折損した場合でも
灯具ボデイの内面に影響を及ぼすことがなく、また成形
時のヒケの発生による内面への影響を少なくする。 【構成】 灯具ボディ１の背面に中抜き形状の台状部２
０を一体に突設し、この台状部２０の後面中央にピン２
を一体に突設する。ピン２の頭部２Ｂを車体側に取り付
けられたファスナに圧入嵌合することで灯具ボデイ１を
車体に対して位置決め固定する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はピンとファスナによって灯具ボデイを車体に対して位置決め固定する ようにした車輌用灯具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から、自動車に装着される前照灯、後退灯等の各種車輌用灯具にあっては 、灯具ボデイの車体への取り付けに際して、ピンおよびファスナ等を用いて位置 決めし、スタッドボルト、タッピングねじ等によって強固に固定している。

【０００３】 図５および図６は従来のピンとファスナによる灯具ボデイの位置決め固定を示 す分解斜視図および断面図である。これらの図において、１は灯具ボデイ、２は 灯具ボデイ１の背面適宜箇所に一体に突設されたピンで、このピン２は小径基部 ２Ａと、小径基部２Ａの先端に一体に設けられた樽形（算盤珠形）の頭部２Ｂと で構成されている。３は車体、４は車体３の嵌合穴５に圧入嵌合されるファスナ で、このファスナ４は、樹脂によって筒状に形成されるもので、略算盤珠状のフ ァスナ本体４Ａと、ファスナ本体４Ａの基部側に一体に設けられた頸部４Ｂおよ び円板状の大径部４Ｃとからなり、中心には前記ピン２の頭部２Ａが圧入嵌合さ れるピン挿通孔６が貫通形成されている。また、ファスナ本体４Ａの先端部周面 にはスリ割り７が軸線方向に形成されており、頸部４Ｂが前記ピン嵌合穴５に挿 入位置されることで車体３からの脱落を防止される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の車輌用灯具においては、灯具ボデイ１と車体 ３との間隔が広く、そのためピン２を長く突設すると、衝撃等によって折れ易く 、また折損すると灯具ボデイ１の反射面を形成する内面１ａにヒビ割れを生じる おそれがあり、その上灯具ボデイ１の成形時にピン２に対応する内面にヒケ８が 発生し易いという問題があった。

【０００５】 したがって、本考案は上記したような従来の問題点に鑑みてなされたもので、 その目的とするところは、ピン自体の長さを短くすることができ、ピンの折損事 故を防止すると共に、ピンが折損した場合でも灯具ボデイの内面に影響を及ぼす ことがなく、また成形時のヒケの発生による内面への影響を少なくするようにし た車輌用灯具を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記目的を達成するため、灯具ボディの背面にピンを一体に突設し、 このピンを車体に設けたファスナに嵌合連結する車輌用灯具において、前記灯具 ボデイの内面に中抜きの台状部を一体に設け、この台状部に前記ピンを一体に突 設したものである。

【０００７】

【作用】

本考案において、台状部はピンの長さを短くし、折損し難くする。また、灯具 ボデイは台状部が中空のため成形時に内面にヒケが発生し難い。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。 図１は本考案に係る車輌用灯具をターンシグナルランプに適用した場合の一実 施例を示す要部の斜視図、図２は図４のII−II線断面図、図３は図４のIII −II I 線断面図、図４は同ランプの正面図である。なお、図中図５および図６と同一 構成部材のものに対しては同一符号をもって示す。これらの図において、ターン ンシグナルランプ１０は、ポリプロピレン等の絶縁性に優れた樹脂の射出成形に よって一体に形成された灯具ボデイ１と、この灯具ボデイ１の前面開口部を気密 に閉鎖する前面レンズ１１と、灯具ボデイ１と前面レンズ１１とで形成される灯 室１２内に配設されたターンシグナルバルブ１３とを備え、灯具ボデイ１が車体 ３の所定箇所にピン２およびファスナ４と、タッピングねじ１４によって位置決 め固定されている。

【０００９】 前記灯具ボディ１は、横長矩形の枠状体からなる内面１ａがアルミニウムの蒸 着等によって反射面を形成し、前面側周縁部には溝１５が全周にわたって形成さ れており、この溝１５に前記前面レンズ１１の裏面周縁部に全周にわたって突設 された枠状の固定脚１６が挿入され、かつ超音波溶着、接着剤等によって固着さ れている。

【００１０】 前記灯具ボデイ１の背面左寄りにはバルブ取付孔１７が形成されており、この バルブ取付孔１７に前記バルブ１３が取り付けられたソケットバルブ１８が後方 からＯリング１９を介して嵌装固定されている。前記タッピングねじ１４は、前 面レンズ１１と灯具ボデイ１の左側端部を車体３に止めねじ固定している。

【００１１】 灯具ボデイ１の背面でタッピングねじ１４とは反対側には台状部２０が斜め後 方に向かって一体に突設されている。台状部２０は、図１に示すように平面視（ もしくは側面視）コ字状の中抜き形状に形成されることにより左右（または上下 ）に対向する一対の側壁板２０ａ，２０ｂと、側壁板２０ａ，２０ｂの先端間を 連結する後面板２０ｃとを備え、また各側面板２０ａ，２０ｂの外側面には補強 リブ２０ｄが一体に設けられている。そして、後面板２０ｃの表面中央にはピン ２が一体に突設されており、このピン２の頭部２Ｂが車体３に取り付けられたフ ァスナ４に圧入嵌合されている。側壁板２０ａ，２０ｂ、後面板２０ｃおよび補 強リブ２０ｄの板厚は、灯具ボデイ１の板厚と同一に設定されている。

【００１２】 なお、ピン２およびファスナ４の構成は図５および図６に示した従来構造と同 様であるため、その詳細については説明を省略する。図３において、２１はナッ トである。

【００１３】 かくしてこのような構成からなるターンンシグナルランプ１０においては、灯 具ボデイ１の背面に台状部２０を設け、この台状部２０の後面にピン２を突設し ているので、台状部２０の突出寸法だけピン２の長さを短くすることができる。 したがって、衝撃等によるピン２の折損事故を少なくすることができ、また仮に ピン２が折損したとしても、台状部２０が破損しない限り灯具ボデイ１の内面１ ａにヒビ割れを生じることがない。また、台状部２０は中抜き形状に形成されて いるため、灯具ボデイ１の成形時のヒケ等による内面１ａへの影響を少なくする ことができる。すなわち、側壁部２０ａ，２０ｂに対応するボディ内面にヒケが 発生するおそれがあるが、側壁部２０ａ，２０ｂは、灯具ボデイ１の背面からピ ン２の先端までの距離が図５および図６に示した従来灯具と同じ場合、従来ピン の突出寸法より小さく、また板厚も従来ピンにおける小径基部２Ａの直径より薄 いので、ヒケの発生が少なく、ボデイ内面への影響を少なくすることができる。

【００１４】 なお、上記実施例はターンシグナルランプに適用した場合について説明したが 、本考案はこれに何等特定されるものではなく、前照灯、後退灯等にも適用実施 し得ることは勿論である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案に係る車輛用灯具は、灯具ボディの背面に中抜きの 台状部を突設し、この台状部の後面にピンを突設し、このピンを車体側に取り付 けたファスナに圧入嵌合させるように構成したので、ピンの寸法を台状部の突出 寸法だけ短くすることができ、ピンの折損事故を防止することができる。また、 ピンが折損しても台状部が破損しないかぎり灯具ボデイの内面にヒビ割れを生じ たりすることがなく、しかも灯具ボデイの成形時のヒケの発生を少なくすること ができる。さらに、ピンを灯具ボデイに一体に突設しているので、部品点数およ び組立工数が増加したりすることがなく、灯具を安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る車輌用灯具をターンシグナルラン
プに適用した場合の一実施例を示す要部の斜視図であ
る。

【図２】図４のII−II線断面図である。

【図３】図４のIII −III 線断面図である。

【図４】同ランプの正面図である。

【図５】従来のピンとファスナによる灯具ボデイの位置
決め固定を示す分解斜視図である。

【図６】ピンをファスナに圧入嵌合した状態の断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 灯具ボディ ２ ピン ３ 車体 ４ ファスナ ５ 嵌合穴 ８ ヒケ １１ 前面レンズ １３ バルブ ２０ 台状部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 灯具ボディの背面にピンを一体に突設
   し、このピンを車体に設けたファスナに嵌合連結する車
   輌用灯具において、 前記灯具ボデイの内面に中抜きの台状部を一体に設け、
   この台状部に前記ピンを一体に突設したことを特徴とす
   る車輌用灯具。