JPH0794508B2 - 変性オレフイン系重合体の製造方法 - Google Patents

変性オレフイン系重合体の製造方法

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JPH0794508B2
JPH0794508B2 JP15278486A JP15278486A JPH0794508B2 JP H0794508 B2 JPH0794508 B2 JP H0794508B2 JP 15278486 A JP15278486 A JP 15278486A JP 15278486 A JP15278486 A JP 15278486A JP H0794508 B2 JPH0794508 B2 JP H0794508B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は種々の物質との接着性のすぐれた変性オレフィ
ン系重合体の製造方法に関する。さらにくわしくは、種
々の物質(たとえば、各種合成樹脂、金属、ガラス、木
材)との接着性の良好な変性オレフィン系重合体を提供
することを目的とするものであり、とりわけ、プロプレ
ン系重合体とアミド系重合体もしくはエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体のけん化物などのバリヤー性樹脂または各
種金属と非常にすぐれた接着性を有する変性オレフィン
系重合体を提供することを目的とするものである。
従来の技術 エチレン系重合体およびプロレン系重合体のごときオレ
フィン系重合体(共重合体も含む)はすぐれた機械的特
性、耐水性などの物性がすぐれているばかりでなく、成
形加工性も良好であり、さらに安価であることによって
多方面にわたって利用されている。しかしながら、この
オレフィン系重合体は、その化学的構造が示すように分
子中に極性基を有していないためにエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体のけん化物やアミド系重合体などの合成樹
脂、金属、木材などの異種の材料との接着性が極めて劣
るという欠点を有している。
このことにより、オレフィン系重合体の接着性を付与す
るために従来より極めて多くの試みがなされている。そ
の改良方法として、オレフィン系重合体の成形物の表面
をあらかじめ機械的粗面化法、溶剤処理法、電気的処理
法(たとえば、コロナ放電処理法、プラズマ放電処理
法)、火炎処理法、酸処理法および酸素またはオゾンを
使用する酸化処理法のごとき表面処理法〔高木謙三、佐
々木平三編集、“プラスチック材料講座、ポリプロピ
レン樹脂”(日刊工業新聞社、昭和44年発行)第216頁
ないし第218頁〕ならびにオレフィンと極性基を有する
ビニルモノマーとの共重合方法およびオレフィン系重合
体に極性基を有するビニルモノマー(たとえば、不飽和
カルボン酸、その無水物)などをグラフト反応させる方
法によってオレフィン系重合体の分子中に極性基を導入
させることが提案されており、それらの一部は実用に供
されている。
最近において、一層苛酷な使用条件や成形条件が要望さ
れるようになっており、これらの条件下でよりすぐれた
接着性を有する材料(とりわけ、ポリオレフィン類のな
かでも、耐熱性、耐油性などのすぐれたプロピレン系重
合体を用いた各種バリヤー樹脂または金属との複合材料
において双方に対してすぐれた接着性を有する材料)の
出現を強く市場で求められている。しかし、前記の表面
処理法、共重合方法およびグラフト反応させる方法で
は、いずれもの方法で要件を充分に満足させることが難
しい。
発明が解決しようとする問題点 以上のことから、本発明はこれらの欠点(問題点)がな
く、すなわち種々の物質と非常に強固な接着強度を有す
る変性オレフィン系重合体、とりわけ変性エチレン系重
合体を得ることである。
問題点を解決するための手段および作用 本発明にしたがえば、これらの問題点は(A)プロピレ
ン系重合体0.5〜35重量%と(B)アクリル酸アルキル
エステルおよびメタクリル酸アルキルエステルからなる
群からえらばれた少なくとも一種のα、β−エチレン型
不飽和カルボン酸エステル0.1〜50重量%ならびに二塩
基性不飽和カルボン酸またはその誘導体0.05〜20重量%
をモノマー単位として含むオレフィン系多元共重合体9
9.5〜65重量%との混合物に不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体をラジカル開始剤の存在下で処理させることを
特徴とする変性オレフィン系重合体の製造方法、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A) プロピレン系重合体 本発明において使われるプロピレン系重合体としては、
プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンまたは他
のα−オレフィンとのランダム共重合体およびプロピレ
ンとエチレンまたは他のα−オレフィンとのブロック共
重合体があげられる。これらのランダム共重合体および
ブロック共重合体中のエチレンおよび他のα−オレフィ
ンの共重合割合はそれらの合計量として通常多くとも20
重量%(好ましくは、15重量%)である。また、他のα
−オレフィンの炭素数は通常4〜12個であり、その代表
例としてはブテン−1、ヘキセン−1、4−メチルペン
テン−1、オクテン−1があげられる。
このプロピレン系重合体のメルトフローインデックス
〔JIS K7210にしたがい、条件が14で測定、以下「MFR
(1)と云う〕は一般には0.01〜100g/10分であり、0.0
5〜100g/10分が好ましく、特に、0.1〜50g/10分が好適
である。MFR(1)が0.01g/10分未満のプロピレン系重
合体を使うと、エチレン系重合体との組成物における均
一性の点や加工性がよくない。一方、100g/10分を越え
ると、成形性がよくない。
このプロピレン系重合体は工業的に製造され、多方面に
わたって利用されているものであり、製造方法もよく知
られているものである。
本発明において使用されるプロピレン系重合体の形状は
粉末状であることが特に望ましい。
本発明における粉末状とは、一般に知られているプラス
チックの粉末の程度であり、特にその粒度または粒度分
布などを規定するものではないが、凡そ20メッシュパス
品であればよい。本発明の粉末状のプロピレン系重合体
を得るには、前記ペレットを通常知られている機械的粉
砕法や化学的粉砕法などによって得ることができるけれ
ども、経済的観点から重合して得られる原粉(粉末)を
用いることが好ましい。
通常、プロピレン系重合体はペレット状で使われている
が、本発明においてプロピレン系重合体としてこのペレ
ット状のものを用いた場合、ある程度の接着性を有する
変性オレフィン系重合体を得ることができるが、本発明
の目的である非常に強固な接着性を有するものが得られ
ない。
(B) オレフィン系多元共重合体 また、本発明において用いられるオレフィン系多元共重
合体はアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸
アルキルエステルからなる群からえらばれた少なくとも
一種のα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルな
らびに二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体をモ
ノマー単位として含むオレフィン系多元共重合体であ
る。
α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルのアルキ
ル基の炭素数は通常1〜10個(好ましくは、1〜8個)
であり、このα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エス
テルのうち、アクリル酸アルキルエステルの代表例とし
ては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸−2エチルヘキシルなどがあげら
れる。また、メタクリル酸アルキルエステルの代表例と
しては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸ブチルなどがあげられる。これらのα、β−
エチレン型不飽和カルボン酸エステルのうち、とりわけ
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ルおよびメタクリル酸メチルが好適である。さらに、二
塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体のうち、二塩
基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも40個であ
り、35以下のものが好ましい。該二塩基性不飽和カルボ
ン酸の代表例としては、マレイン酸、イタコン酸、5−
ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸およびフマル酸があ
げられる。また、二塩基性不飽和カルボン酸の誘導体の
代表例としては該二塩基性不飽和酸の酸無水物、エステ
ル、アミド化合物およびその金属(金属としては、通常
アルカリ金属ならびに周期律表第IIAおよび第IIBの金
属、たとえばナトリウム、マグネシウム、カルシウム、
亜鉛)塩があげられる。これらの二塩基性不飽和カルボ
ン酸およびその誘導体の好適なものとしては、マレイン
酸、無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカル
ボン酸およびその無水物があげられる。
さらに、オレフィンの炭素数は一般には多くとも12個で
あり、炭素数が8個以下のものが望ましい。望ましいオ
レフィンの代表例としては、エチレン、プロピレンおよ
びブテン−1があげられ、とりわけエチレンが最適であ
る。
この多元共重合体のオレフィンの組成割合は30〜99.85
重量%であり、特に40〜98.5重量%が好ましい。また、
α、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステルの組成割
合は0.1〜50重量%であり、とりわけ1.0〜50重量%が望
ましい。さらに、二塩基性不飽和カルボン酸またはその
誘導体の組成割合はそれらの合計量として0.05〜20重量
%であり、特に、0.5〜10重量%が好ましい。この多元
共重合体中のα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エス
テルおよび二塩基性不飽和カルボン酸またはその誘導体
の組成割合がそれぞれ下限未満では、得られる変性オレ
フィン系重合体の接着性がかならずしも満足すべきもの
ではない。一方、上限を越えると、この多元重合体の軟
化点が高くなり、流動性が低下し、後記の不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体の変性(処理)を行なうことが困
難となるばかりでなく、経済的にも好ましくない。
この多元共重合体のメルトフローインデックス〔JIS K7
210にしたがい、条件が4で測定、以下「MFR(2)」と
云う〕は通常0.01〜100g/10分であり、0.05〜100g/10分
が望ましく、とりわけ0.1〜50g/10分が好適である。MFR
(2)が0.10g/10分未満の多元共重合体を用いると、プ
ロピレン系重合体との組成物における均一性や加工性の
点でよくない。一方、100g/10分を越えると、成形性が
よくない。
この多元共重合体は一般的に良く知られているラジカル
高圧重合法、たとえば各単量体を高圧下(一般には、50
0〜2,500kg/cm2)、高温(通常、120〜260℃)において
必要に応じて連鎖移動剤を使ってラジカル重合法で容易
に製造することができる。
本発明において使用される前記プロピレン系重合体およ
びオレフィン系多元共重合体はそれぞれ一種のみで使っ
てもよく、二種以上を併用してもよい。
(C) 不飽和カルボン酸またはその誘導体 さらに、前記プロピレン系重合体およびオレフィン系多
元重合体を処理(変性)させるために使われる不飽和カ
ルボン酸またはその誘導体としては一塩基性不飽和カル
ボン酸および前記二塩基性不飽和カルボン酸ならびにこ
れらの不飽和カルボン酸の金属塩、アミド、イミド、エ
ステルおよび無水物があげられる。これらのうち、一塩
基性不飽和カルボン酸の炭素数は通常多くとも30個であ
り、特に25個以下が好ましい。一塩基性不飽和カルボン
酸の代表例としては、アクリル酸およびメタクリル酸が
あげられる。また、二塩基性不飽和カルボン酸およびそ
の誘導体の代表例としては、二塩基性不飽和カルボン酸
としてマレイン酸、フマル酸、イタコン酸および5−ノ
ルボルネン−2・3−ジカルボン酸、その無水物として
無水マレイン酸、5−ノルボルネン−2・3−ジカルボ
ン酸無水物およびテトラヒドロ無水フタル酸、そのエス
テルとしてマレイン酸モノエチルまたはジエチルおよび
グリシジルメタクリレート、さらにイミドとしてマレイ
ミドがあげられる。これらの不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体のうち、二塩基性不飽和カルボン酸の無水物が
好適である。
(D) ラジカル開始剤 また、本発明において用いられるラジカル開始剤の1分
半減期の分解温度は通常100℃以上であり、105℃以上の
ものが好ましく、特に120℃以上のものが好適である。
好適なラジカル開始剤の代表例としては、ジクルミパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−第三級−
ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三
級−ブチル−パーオキシ)ヘキサン、2.5−ジメチル−
2,5−ジ(第三級−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、
ラウロイルパーオキサイド、第三級−ブチルパーオキシ
ベンゾエートなどの有機過酸化物があげられる。
(E) 使用割合 前記プロピレン系重合体およびオレフィン系多元共重合
体の合計量(総和)中に占めるプロピレン系重合体の使
用割合は0.5〜35重量%であり(すなわちオレフィン系
多元共重合体の使用割合は99.5〜65重量%である)、1.
0〜30重量%が望ましく、とりわけ2.0〜30重量%が好適
である。プロピレン系重合体およびオレフィン系多元共
重合体の合計量中に占めるプロピレン系重合体の使用割
合が0.5重量%未満でも、また上限を越えても、本発明
の目的とするすぐれた接着性を有する変性オレフィン系
重合体を得ることができない。
また、プロピレン系重合体およびオレフィン系多元重合
体に対する不飽和カルボン酸およびその誘導体ならびに
ラジカル開始剤の使用割合はこれらの重合体の合計量10
0重量部に対して下記の通りである。
不飽和カルボン酸およびその誘導体では、それらの合計
量として0.01〜5.0重量部であり、0.05〜3.0重量部が好
ましく、特に0.1〜2.0重量部が好適である。不飽和カル
ボン酸およびその誘導体の使用割合がそれらの合計量と
して0.01重量部未満では、得られる変性オレフィン系重
合体の接着性が不充分である。一方、5.0重量部を越え
ると、変性オレフィン系重合体を製造するさいに分解ま
たは架橋反応が併発する恐れがある。
また、ラジカル開始剤では、0.001〜1.0重量部であり、
0.01〜1.0重量部が望ましく、とりわけ0.01〜0.5重量部
である。ラジカル開始剤の使用割合が0.001重量部未満
では、変性効果の発揮が乏しく、変性を完全にするには
長時間を要するばかりでなく、未反応物が混在する結果
となり、すぐれた変性オレフィン系重合体を得ることが
できない。一方、1.0重量部を越えるならば、過度の分
解または架橋反応を起こすために好ましくない。
(F) 変性オレフィン系重合体の製造 本発明の変性オレフィン系重合体を製造するにはこの種
の変性オレフィン系重合体を製造する公知の手段によっ
て行なわれる。
代表的な製造方法としては、キシレン、トルエンなどの
芳香族炭化水素化合物、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪
族炭化水素化合物などの溶媒中で前記プロピレン系重合
体、オレフィン系多元共重合体、不飽和カルボン酸また
はその誘導体およびラジカル開始剤を加熱混合させて製
造する方法ならびにこれらのプロピレン系重合体、オレ
フィン系多元共重合体、不飽和カルボン酸またはその誘
導体およびラジカル開始剤をあらかじめ本質的に架橋し
ない条件で混合させ、得られる混合物をスクリュー式押
出機、バンバリーミキサー、ニーダーなどの一般に合成
樹脂の分野において使われている混練機を使用して溶融
混合させることによる製造方法があげられるが、操作
法、経済性の点から後者の方法が好んで採用される。
後者の場合、変性の温度条件については、前記プロピレ
ン系重合体、オレフィン系多元共重合体の劣化、不飽和
カルボン酸またはその誘導体の分解、有機過酸化物の分
解温度などを考慮して適宜選定されるが、一般には100
〜350℃であり、150〜350℃が望ましく、とりわけ150〜
300℃が好適である。
(G) 変性オレフィン系重合体およびその利用など 以上のようにして得られる変性オレフィン系重合体は後
記の実施例で示されるように非常にすぐれた種々の物質
(素材)と接着性を示す。
すなわち、低密度ないし高密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、オレフィン−ビニルエステル共重合
体(たとえば、エチレン−酢酸ビニル共重合体)、オレ
フィン−不飽和カルボン酸(たとえば、エチレン−アク
リル酸共重合体)、これらのポリマーにエチレン−プロ
ピレン系共重合ゴム(EPR、EPDM)、低結晶性のエチレ
ン−ブテン−1共重合体やポリイソブチレンなどのエラ
ストマーを少量ブレンドさせた組成物などを不飽和カル
ボン酸またはその誘導体で変性させることによって得ら
れる変性オレフィン系重合体または該変性重合体と未変
性のオレフィン系重合体などのいづれと比較しても、こ
れまで予期し得なかった高い接着性を示す。
とりわけ、本発明の変性オレフィン系重合体を接着層と
して、アミド系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のけん化物などのバリヤー性樹脂、金属(たとえば、ア
ルミニウム)を一方の被着体とし、他方の被着体として
プロピレン系重合体を使用した場合、双方の被着体に対
してこれまでに予期し得なかった高い接着性を示すこと
である。
なお、本発明の変性オレフィン系重合体はそのまま使用
してもよく、さらに該変性オレフィン系重合体の特性が
本質的に損わない範囲で前記のポリマーやエラストマー
を配合させてもよい。また、オレフィン系樹脂の分野に
おいて広く使用されている熱、光および酸素に対する安
定剤、滑剤、可塑剤、充填剤、帯電防止剤ならびに顔料
などの着色剤のごとき添加剤を本発明の変性オレフィン
系重合体の特性を本質的に損われない範囲内で添加して
もよい。もちろん、これらの添加剤は前記プロピレン系
重合体およびオレフィン系多元共重合体を不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体で処理(変性)するさいに配合
(添加)してもよい。
本発明によって得られる変性オレフィン系重合体は前記
したごとく、種々の素材との接着性が良好である。この
素材の代表例としては、未変性の前記ポリエチレン、オ
レフィン−ビニルエステル共重合体、オレフィン−不飽
和カルボン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体
のけん化物、アミド系重合体、飽和ポリエステル系重合
体、ポリ塩化ビニル系重合体、ポリ塩化ビニリデン系重
合体、ポリカーボネート系重合体、ポリアクリロニトリ
ル系重合体、ポリスチレン系重合体およびフッ素重合体
のごとき合成樹脂、各種金属、木材、ガラス、各種繊
布、紙ならびにガラス繊維含有不飽和ポリエステル樹脂
があげられる。
本発明の変性オレフィン系重合体とこれらの基材の少な
くとも一種とも積層し、フイルム状、シート状、ブロー
ボトル状、チューブ状などの形状に成形され、食品包装
材、工業用資材、薬品や化粧品用包装材などの分野で非
常に有効に使用することができる。また、ガラス繊維や
ビーズ、炭酸カルシウム、タルク、木粉、カーボンブラ
ックなどの有機・無機充填剤、金属(たとえば鉄、銅、
アルミニウム)の粉末やフレーク状物などの金属充填剤
と前記各種熱可塑性樹脂との親和性を付与する改質材あ
るいは相溶化材としても有効に用いることができる。
実施例および比較例 以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、接着性評価の欄において、層間接着強度は変性オ
レフィン系重合体などの層(以下「A層」と云う)と他
の素材(以下「B層」と云う)間を剥離速度100mm/分お
よび剥離角度180度の条件下でテンシロン型引張試験機
を用いて剥離し、その抵抗値(g/15mm)をもって示し
た。
実施例 1〜4、比較例 1〜9 オレフィン系多元共重合体としてメチルメタクリレート
(以下「MMA」と略)および無水マレイン酸(以下「MA
H」と略)の共重合割合がそれぞれ7.5重量%および2.8
重量%であるエチレン−MMA−MAH三次共重合体〔MFR
(2)1.6g/10分、以下「EMMAH」と云う〕および20メッ
シュパスのプロピレン単独重合体〔MFR(1)1.0g/10
分、以下「PP(a)と云う〕からなる樹脂組成物をあら
かじめ作成し、該組成物100重量部に対し、ラジカル開
始剤としてジ−第三級−ブチルパーオキサイド0.015重
量部を添加し、ヘンシェルミキサーを使って1分間ドラ
イブレンドを行なった。
得られた該混合物に0.5重量部のMAHを添加し、ヘンシェ
ルミキサーにてさらに3分間ドライブレンを行なったも
のをノンベント式押出機(径40mm)に供給し、240℃の
温度で溶融させながら処理(変性)を行ない、変性オレ
フィン系重合体を得た(実施例1〜4、比較例1)。
同様に実施例1ないし4のEMMAHとPP(a)の樹脂組成
物のかわりに、該EMMAH(比較例2)、密度が0.95g/cm3
でMFR(2)が1.1g/10分の高密度ポリエチレン(以下
「HDPE」と云う、比較例3)、密度が0.92g/cm3でMFR
(2)が7.0g/10分の低密度ポリエチレン(以下「LDP
E」と云う、比較例4)、密度が0.92g/cm3でMFR(2)
が4.1g/10分の直鎖状低密度エチレン−ブテン−1共重
合体(以下「L−LDPE」と云う、比較例5)、酢酸ビニ
ルの共重合割合が8重量%でありMFR(2)が7.2g/10分
のエチレン酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と云う、
比較例6)、アクリル酸エチルの共重合割合が6重量%
でMFR(2)が10g/10分であるエチレン−アクリル酸エ
チル共重合体(以下「EEA」と云う、比較例7)、エチ
レン含有量が1重量%で密度0.90g/cm3、MFR(1)が1.
0g/10分のエチレンプロピレンランダム共重合体(以下
「PP(c)」と云う、比較例8)をそれぞれ単独で用い
た他は実施例1〜4と同様の方法で処理(変性)を行な
いそれぞれ変性オレフィン重合体を得た。
さらに、比較例7で得たMAH変性PP(c)を用い、該変
性PP(b)30重量%と未変性PP(b)60重量%およびエ
チレンプロピレン共重合体エラストマー〔プロピレン含
有27モル%、MFR(2)1.0g/10分、以下「EPR」と云
う〕10重量%から成る変性PP組成物を作成した(比較例
9)。
この様にして得られた各種変性オレフィン系重合体を中
間接着層とし、一方の層にMFR(1)が2.0g/10分のプロ
ピレン単独重合体(以下「PP(d)と云う)とし、他方
の層にエチレン−酢酸ビニルけん化物((株)クラレ
製、商品名 エバールF、以下「EVOH」と云う)とし、
3種3層の共押出フイルム成形機を用いて各々の層の厚
みがPP(d)50μ、変性オレフィン系重合体25μ、EVOH
25μである多層フイルムを作成し各層間の接着強度を測
定した。それらの結果を第1表に示す。
実施例 5〜8、比較例10、11 実施例1において使用したEMMAHのかわりに、アクリル
酸エチルの共重合割合が23重量%および無水マレイン酸
の共重合割合が2.0重量%であるエチレン−アクリル酸
エチル−無水マレイン酸三元共重合体〔MFR(2) 9.5
g/10分、以下「EEMAH」と云う〕を用い、有機過酸化物
として1,2−ジメチル−2,5−ジ(第三級−ブチルパーオ
キシ)ヘキサンを0.01重量部および0.35重量部のMAHを
使ったほかは、実施例1と同様に変性オレフィン系重合
体を製造した〔なお、EEMAHとPP(a)との合計量中に
占めるPP(a)の使用割合を第2表に示す〕。
中間層としてこのようにして得られた各変性オレフィン
系重合体を用い、この層の一方の面に前記のPP(d)、
他の面にナイロン6(東レ社製、商品名 CM1021XF)を
235℃の温度において共押出フィルム成形を行ない、厚
さがPP(c)/変性オレフィン系重合体/ナイロン6=
60μm/20μm/20μmの共押出フィルムを作成した。各共
押出フィルムのPP(c)層と変性オレフィン系重合体層
および変性オレフィン系重合体層とナイロン6層の層間
接着強度を測定した。それらの結果を第2表に示す。
実施例 9、10、比較例 12 実施例3で得られた変性オレフィン系重合体〔以下「変
性物(A)と云う〕、実施例4で得られた変性オレフィ
ン系重合体〔以下「変性物(B)」と云う〕および比較
例9で得られた変性オレPP(b)樹脂組成物〔以下「変
性物(C)」と云う〕と密度が0.90g/cm3であり、かつM
FR(2)が1.1g/10分であるエチレン−プロピレンラン
ダム共重合体〔エチレンの共重合割合 0.5重量%以下
「PP(e)」と云う〕との共押出ラミネート成形を行な
い、それぞれの厚さが35μm、70μmからなる二種二層
のフィルムを作成した。
次に、あらかじめ150℃に予熱されたアルミメッキ鋼板
(厚さ 0.6mm)と該二種二層フィルムを220℃の温度で
接着を行ない、ラミネート鋼板を作成した。このラミネ
ート鋼板のPP(e)層と変性オレフィン系重合体層およ
び変性オレフィン系重合体層と鋼板との剥離強度の測定
を行なった。それらの結果を第3表に示す。
発明の効果 本発明方法によって得られた変性オレフィン系重合体
は、下記のごとき効果(特徴)を発揮する。
(1) 本発明の変性オレフィン系重合体は、上記の如
く、各種基材とこれまでにない非常にすぐれた接着性を
有しているため、該変性オレフィン系重合体を用いて得
られる各種積層体は非常に過酷な使用条件下でもすぐれ
た性能を発揮する。
(2) とりわけ、ポリオレフィン類の中で耐熱、耐油
性、耐ストレスクラッキング性などの良好なポリプロピ
レン系重合体を一層とした各種素材との積層物において
は、上記効果の点でより一層の性能を発揮する。
(3) 本発明の変性オレフィン系重合体は、上記の如
く、比較的容易に製造することが可能であり、上記効果
とあわせて将来産業上の発展に多いに役に立つ。
(4) 更に、非常にすぐれた接着性を有することか
ら、特に炭酸カルシウム、タルクなどの各種フィラーや
ガラスファイバー、カーボンファイバーなどの各種繊維
を充填したがポリオレフィン類とりわけポリプロピレン
系重合体に本発明のオレフィン系重合体をおよそ1〜20
重量%添加することによって上記充填剤との親和性を高
める効果を有し、機械的強度や耐衝撃性などの諸物性を
著るしく改良することが出来る。
上述の詳細な説明および実施例に見る様に、本発明の変
性オレフィン系重合体は各種素材との接着性が非常に良
好であるため、該基材と積層しフイルム状、シート状、
チューブ状、中空容器などの形状に成形され各種食品包
装材、各種燃料や薬品および化粧品などの包装材、各種
産業用包装資材、電子および家電用部材、自動車用部
材、音響部材などの分野で有効に用いられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)プロピレン系重合体0.5〜35重量%
    と(B)アクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル
    酸アルキルエステルからなる群からえらばれた少なくと
    も一種のα、β−エチレン型不飽和カルボン酸エステル
    0.1〜50重量%ならびに二塩基性不飽和カルボン酸また
    はその誘導体0.05〜20重量%をモノマー単位として含む
    オレフィン系多元共重合体99.5〜65重量%との混合物に
    不飽和カルボン酸またはその誘導体をラジカル開始剤の
    存在下で処理させることを特徴とする変性オレフィン系
    重合体の製造方法。
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