JPH0789689A - クレーンの振れ止め装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】板状体、特に大面積、大重量の板状体移載用の
クレーンの振れや捻じれを防止し、確実に安定して精度
よく移載作業ができるようにするクレーンの振れ止め装
置に関する。 【構成】支持レールを横行する天井移行部と、該移行部
に取り付けたホイスト部及びジャバラ状パンタグラフを
組み合わせ併設した吊り下げ部とから成る板状体移載用
のクレーンにおいて、前記天井移行部の下部に設けたブ
ラケットの前記ジャバラ状パンタグラフの上部取付部
と、並びに吊り下げ用フックを支えかつ滑車を支持する
ブラケットの前記ジャバラ状パンタグラフの下部取付部
との両部にそれぞれ係止し、しかも噛合部を有して左右
両パンタグラフを繋ぐよう一対の接合軸をブラケットに
軸支して配置し、前記パンタグラフの昇降に応じて連動
するようにしたクレーンの振れ止め装置。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、板状体、特にガラス
板、ことに大面積ガラス板等の重量物を吊り下げかつ搬
送移載する際に発現する振れ等をより確実に防止するよ
うにした板状体移載用のクレーンの振れ止め装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、大面積板状体用、例えば所謂大板
ガラス板用の移載装置としては、単なるホイストクレー
ンとバキュームリフトとの組み合わせによる手動または
半自動運転が行われており、また他にも種々の移載装置
が提案されている。

【０００３】例えば、特公昭４０ー１４５０１号公報に
は、硝子板又は板状体の板積みホイストが記載されてお
り、上方より真空チヤックを多数有するチヤックフレー
ムを降下させて硝子板を吸着するようにし、チヤックフ
レーム揚上装置は真空チヤック内が一定の真空度に達す
るまでは作動しないようにし、揚上装置の作動後所要方
向に移送させつつチヤックフレームを回動して硝子板を
斜めに板積みするようにしたものであって、数個のモー
タとリミットスイッチを駆使して動作するようにしたも
のが開示されている。

【０００４】さらに例えば、既に本出願人が出願提案し
ている特開平５ー１３８５５７号公報では、板状体移載
用バキユームリフトを記載し、支持レールを横行する天
井移行部にインバータホイスト部およびジャバラ状パン
タグラフの各上部端を取付けて吊り下げ部となし、この
吊り下げ部の下部側に、複数の吸脱着パットを設けたバ
キユームリフト本体部を配設し、ジャバラ状パンタグラ
フ上部側の移行部取付け箇所ならびに下部側のバキユー
ムリフト本体部取付け箇所のうち、対応した同一側に、
昇降動作によってスライドするようにしたリニアガイド
を設け、しかもパンタグラフをインバータホイスト部と
は別の箇所でバキユームホイスト本体部と係合させ、か
つインバータホイスト部とバキユームリフト本体部との
間にロードセル部を介在せしめて吊り下げるとともに、
板状体の吸脱着ならびに各部の駆動動作を制御する制御
手段を備えたものとしたことにより、大面積ガラス板等
の板状体を吊り下げ搬送移載する際、バキユームリフト
本体部の振れや捻じれを抑制することができ、自動化が
安定して確実にできたことを開示した。

【０００５】

【発明が解決しようとする問題点】前述したように、単
にホイストクレーンとバキュームリフトとを組み合わせ
たものでは、ガラス板を移載する際、振れや捻じれが発
現し易く不安定であり、かつ例えば積み込み時の横行停
止シフト制御あるいは着馬制御等が確実には行い難いも
のである。

【０００６】また例えば特公昭４０ー１４５０１号公報
に記載の板積みホイストでは、数多くのモータが必要で
あって設備が大型化、重量化かつ複雑化にならざるを得
ないものであって、ガラス載置台に硝子板を載置する際
例えば硝子下辺部においてこすれ、微小な傷が発現する
等もあり得るものである。

【０００７】さらに例えば特開平５ー１３８５５７号公
報に記載の板状体移載用バキュームリフトでは、確かに
振れおよび捻じれが改善されており、従来のものより安
定で確実に振れ等を防止し高制御ができることとなって
いるものの、さらにより確実で格段に振れ等の防止が必
要なものでは必ずしも充分とは言い難い場合もあるもの
であり、またバキユームリフトの交換が必要な際にも必
ずしも充分容易には交換し難いものであった。

【０００８】

【問題点を解決するための手段】本発明は、従来のかか
る問題点に鑑みてなしたものであって、ホイスト部とジ
ャバラ状パンタグラフを併設して組み合わせたなかで、
該昇降にスムースに追従して伸縮しかつジャバラ状パン
タグラフ自体の振れや捻じれを阻止し、特にクレーンの
フック部の振れを阻止するようにし、より簡単な構成で
もって板状体の載置ならびに瞬時に精度よく確実としか
つ損傷等の品位低下を発現することなく、大面積、大重
量のガラス板をも安定で確実にかつ高効率、高安全性で
もって移載作業ができるものとなる板状体移載用のクレ
ーンの振れ防止装置を提供するものである。

【０００９】すなわち、本発明は、支持レールを横行す
る天井移行部と、該移行部に取り付けたホイスト部およ
びジャバラ状パンタグラフを組み合わせ併設してなる吊
り下げ部とから成る板状体移載用のクレーンにおいて、
前記天井移行部の下部に設けたブラケットの前記ジャバ
ラ状パンタグラフ上部取付部と、ならびに吊り下げ用フ
ックを支えかつ滑車を支持するブラケットの前記ジャバ
ラ状パンタグラフ下部取付部との両部にそれぞれ係止
し、しかも噛合部を有して左右両パンタグラフを繋ぐよ
う一対の接合軸をブラケットに軸支して配置し、前記パ
ンタグラフの昇降に応じて連動するようにしたことを特
徴とするクレーンの振れ止め装置。

【００１０】ならびに、前記ジャバラ状パンタグラフに
おいて、その交差部に左右両パンタグラフを繋ぐよう接
合軸を軸支したことを特徴とする上述したクレーンの振
れ止め装置をそれぞれ提供するものである。

【００１１】ここで、前記したように、前記移行部に固
定された前記ホイスト部および前記ジャバラ状パンタグ
ラフを併設して組み合わせた吊り下げ部とし、前記パン
タグラフの上部ならびに下部取付部にそれぞれ係止し、
しかも噛合部を有して左右両パンタグラフを繋ぐよう一
対の接合軸をブラケットに軸支して配置せしめるように
したのは、昇降動作をせしめる機構と、昇降や移行およ
び載置時等における振れや捻じれ等の現象を阻止する機
構とを一体的な連動化と成し、簡素化した構成で剛性的
骨組み状となし得て前記現象の阻止を達成でき、かつ該
左右両パンタグラフのバランスがとれ均一化でき、両者
が連動してよりスムースに動作するように成し得るため
である。

【００１２】また、前記ジャバラ状パンタグラフの各々
の交差部に左右両パンタグラフを繋ぐよう接合軸を軸支
したのは、前記パンタグラフの上部ならびに下部取付部
にそれぞれ係止し、しかも噛合部を有して左右両パンタ
グラフを繋ぐよう一対の接合軸を軸支して配置せしめる
ようにしたことに加え、さらに昇降作動によるパンタグ
ラフを一体化してバランスよく伸縮自在にかつ瞬時に格
段な均一な動きとスムースさで上下に追従昇降するよう
にしつつ、より骨組み化して頑丈化するためである。

【００１３】

【作用】前述したとおり、本発明のクレーンの振れ止め
装置は、天井移行部に固定された昇降用ホイスト部およ
びジャバラ状パンタグラフを併設して一体的に組み合わ
せた吊り下げ部とし、ジャバラ状パンタグラフの上下取
付部で位置的固定しつつ一体的に連動してホイスト部に
よる昇降に追従するジャバラ状パンタグラフとしたこと
により、ホイスト部による昇降動作に際し、ジャバラ状
パンタグラフが均一で無理なくスムースに追従するとと
もに骨組み化をも成し、走行や前記各部の動きに対して
も、ジャバラ状パンタグラフ自体の振れあるいは捻じれ
の発生が阻止でき、板状体の吊り下げ、走行あるいは着
地載置時にアンバランス等を発現することなく、作業が
素早く確実に安定して精度よくでき、板状体に傷や破損
等の発現もなく、人手においてもスムースな移載動作が
できて自動化することも容易となり、高安全性で高効率
な移載作業を行うことができ、装置構成も比較的簡素化
が図れるものとなる等、各所で広く採用し得る有用な板
状体移載用のクレーンの振れ防止装置である。

【００１４】

【実施例】以下、図面に示す実施例に基づいて本発明を
具体的に説明する。ただし本発明は係る実施例に限定さ
れるものではない。

【００１５】図１は本発明のクレーンの振れ止め装置を
示すクレーンの全体斜視図、、図２は本発明に係るクレ
ーンの振れ防止装置における上部部分を示す一部切欠、
省略し部分拡大した斜視図、図３は本発明に係るクレー
ンの振れ防止装置における下部部分を示す一部切欠、省
略し部分拡大した斜視図である。

【００１６】図１中の１は本発明のクレーンの振れ止め
装置に係わる板状体移載用のクレーンであって、該板状
体移載用のクレーン１は支持レール９を移行用モーター
１０によって横行する天井移行部４と、該天井移行部４
に設置したワイヤーロープ巻上げモーター１２と連動ギ
ア１１を介して回動するワイヤーロープ巻上げドラムで
なるホイスト部２と、該ホイスト部２とワイヤーロープ
引掛用フリーロール（図示せず）および下端にフック７
を備えるブラケット６内に軸支した２個の滑車１５を連
架する４本のワイヤロープ８と、および前後に離れる２
箇所にジャバラ状パンタグラフ３を２列状に組み合わせ
併設してなる吊り下げ部とから成り、さらに前記天井移
行部４の下部に設けたブラケット５の前記ジャバラ状パ
ンタグラフ上部取付部１３と、ならびに吊り下げ用フッ
ク７を支えかつ滑車１５を軸支して支持するブラケット
６の前記ジャバラ状パンタグラフ下部取付部１４との両
部に軸受２２でそれぞれ係止し、しかも平歯車１７、１
９による噛合部を上下部分に有して左右両パンタグラフ
を繋ぐよう一対の接合軸１６、１８をブラケット５、６
に軸支して配置し、ホイスト部２の昇降動作による前記
パンタグラフの伸縮に応じて一体的に連動するよう骨組
み化したクレーンの振れ止め装置を含むクレーンの全体
斜視図である。

【００１７】上述した構成により、前記ホイスト部２に
よる前記フック７の昇降に対応してジャバラ状パンタグ
ラフ３が伸縮し、この動作で前記上下部取付部１３、１
４の角度が変わり、該取付部１３、１４に一体化した接
合軸１６、１８が回動し、該接合軸の中央域に備えた平
歯車１７、１９も同様に回動し、左右の両パンタグラフ
３が上下左右で対称的に同じ動きをすることとなって、
安定かつ確実で均一化しバランスが格段にとれて昇降で
きることとなるとともに骨組み化ができ、昇降時はもち
ろん走行時においても比較的簡単な付加装置でもって振
れや捻じれ現象を封じ込めることとなるものである。

【００１８】またさらに、前記ジャバラ状パンタグラフ
３のそれぞれの交差部２０に左右両パンタグラフを繋ぐ
よう接合軸２１を軸支したのは、前記パンタグラフの上
部ならびに下部取付部１３、１４にそれぞれ係止し、し
かも平歯車１７、１９でなす噛合部を有して左右両パン
タグラフ３を繋ぐよう一対の接合軸１６、１８を軸支し
て配置せしめるようにしたことに加え、さらに前記昇降
作動による前記パンタグラフ３をより一体化してバラン
スよく伸縮自在にかつ瞬時に格段な均一な動きとスムー
スさで上下に追従昇降するようにしつつ、より骨組み化
して頑丈化するものである。

【００１９】図２は本発明に係る板状体移載用のクレー
ンの振れ防止装置における上部部分を示す一部切欠、省
略し部分拡大した斜視図であり、天井移行部４の下部に
設けたブラケット５のジャバラ状パンタグラフ３の上部
取付部１３に係止し、平歯車１７でなる噛合部を有して
左右両パンタグラフを繋ぐよう一対の接合軸１６をブラ
ケット５に備える軸受２２で軸支して配置した状態を示
すものであり、前記ホイスト部２による前記フック７の
昇降に対応してジャバラ状パンタグラフ３が伸縮し、こ
のことで前記上部取付部１３の角度が変わり、該取付部
１３に一体化した接合軸１６が回動し、該接合軸の中央
域に備えた平歯車１７も同様に回動し、左右の両パンタ
グラフが対称的に同じ動きをすることとなって、安定で
確実にバランスよく昇降できることとなるとともに、振
れや捻じれ現象を封じ込めることとなるものである。

【００２０】図３は本発明に係る板状体移載用のクレー
ンの振れ防止装置における下部部分を示す一部切欠、省
略し部分拡大した斜視図であり、吊り下げ用フック７を
支えかつ滑車１５を支持するブラケット６のジャバラ状
パンダグラフ３の下部取付部１４に係止し、平歯車１９
でなる噛合部を有して左右の両パンタグラフを繋ぐよう
一対の接合軸１８をブラケット６に備える軸受２２で軸
支して配置をした状態を示すものであり、前記ホイスト
部２による前記フック７の昇降に対応してジャバラ状パ
ンタグラフ３が伸縮し、このことで前記下部取付部１４
の角度が変わり、該取付部１４に一体化した接合軸１８
が回動し、該接合軸の中央域に備えた平歯車１９も同様
に回動し、左右の両パンタグラフが対称的に同じ動きを
することとなって、安定で確実にバランスよく昇降でき
ることとなるとともに、振れや捻じれ現象を封じ込める
こととなるものである。

【００２１】

【発明の効果】以上前述したように、本発明は、横行す
る天井移行部と、併設した昇降用ホイスト部および該昇
降に追従する一体的骨組み化したジャバラ状パンタグラ
フでなす吊り下げ部と、該パンタグラフの上下取付部に
係止して左右両パンタグラフを一体化するようにしかつ
噛合部を有する接合軸を軸支せしめ、前記ホイストの昇
降に追従して連動するよう巧みに配備構成したことによ
り、板状体、特にガラス板、なかでも大面積、大重量の
ガラス板等の板状体を移載する際においてクレーンに振
れや捻じれを発現することなく、載置等が瞬時で確実に
安定して精度よく行え、板状体に傷や破損等の発現もな
く、人手においてもスムースな移動載置等の動作がで
き、手動操作はもちろん自動化にも対応でき、高安全性
で高効率な移載操業を行え、装置構成も簡素化が図れ、
各所で広く採用し得る有用な板状体移載用のクレーンの
振れ防止装置を提供するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のクレーンの振れ止め装置を示すクレー
ンの全体斜視図である。

【図２】本発明に係るクレーンの振れ防止装置における
上部部分を示す一部切欠、省略し部分拡大した斜視図で
ある。

【図３】本発明に係るクレーンの振れ防止装置における
下部部分を示す一部切欠、省略し部分拡大した斜視図で
ある。

【符号の説明】１ クレーン ２ ホイスト部 ３ ジャバラ状パンタグラフ ５ ブラケット ６ ブラケット ８ ワイヤロープ 13 上部取付部 14 下部取付部 16 接合軸 17 平歯車 18 接合軸 19 平歯車 20 交差部 21 接合軸

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 支持レールを横行する天井移行部と、該
   移行部に取り付けたホイスト部およびジャバラ状パンタ
   グラフを組み合わせ併設してなる吊り下げ部とから成る
   板状体移載用のクレーンにおいて、前記天井移行部の下
   部に設けたブラケットの前記ジャバラ状パンタグラフ上
   部取付部と、ならびに吊り下げ用フックを支えかつ滑車
   を支持するブラケットの前記ジャバラ状パンタグラフ下
   部取付部との両部にそれぞれ係止し、しかも噛合部を有
   して左右両パンタグラフを繋ぐよう一対の接合軸をブラ
   ケットに軸支して配置し、前記パンタグラフの昇降に応
   じて連動するようにしたことを特徴とするクレーンの振
   れ止め装置。
2. 【請求項２】 前記ジャバラ状パンタグラフにおいて、
   その交差部に左右両パンタグラフを繋ぐよう接合軸を軸
   支したことを特徴とする請求項１記載のクレーンの振れ
   止め装置。