JPH0788278B2 - 六チタン酸カリウム繊維の製造方法 - Google Patents

六チタン酸カリウム繊維の製造方法

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JPH0788278B2 JP61102875A JP10287586A JPH0788278B2 JP H0788278 B2 JPH0788278 B2 JP H0788278B2 JP 61102875 A JP61102875 A JP 61102875A JP 10287586 A JP10287586 A JP 10287586A JP H0788278 B2 JPH0788278 B2 JP H0788278B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、六チタン酸カリウム繊維の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
六チタン酸カリウム繊維〔K2Ti6O13)や四チタン酸カリ
ウム〔K2Ti4O9〕等のチタン酸カリウム繊維は耐火・耐
熱性、断熱性、耐摩耗性、耐食性、補強性等にすぐれた
無機繊維であり、各種分野においてアスベスト代替品と
して有望視されている。
この繊維の代表的な製造法として溶融法と称される方法
が知られている。その製造法は、二酸化チタン(TiO2
と炭酸カリウム(K2CO3)とを適当なモル比で混合した
混合物を原料とし、これを加熱溶融する工程、その加熱
溶融物を一方向に凝固させて初生相繊維として層状構造
を有する二チタン酸カリウム繊維(K2Ti2O5)が束状に
凝集した繊維塊を得る冷却固化工程、該繊維塊を水洗す
ることにより、その組成を目的とするチタン酸カリウム
繊維に相当する組成となるまでK+イオンを溶出させると
共に、繊維同士の凝集を解く水洗処理、該水洗処理を経
て回収される水和チタン酸カリウム繊維(K2-XHXTi2O5
・nH2O)を乾燥し、熱処理する工程からなる。
加熱溶融物の冷却固化処理により初生相繊維として生成
する二チタン酸カリウム繊維は、TiO5三角両錐体の連鎖
が積層した層状構造(その層間にK+イオンが配位してい
る)を有する結晶質繊維であり、また解繊された繊維を
乾燥・熱処理して得られる六チタン酸カリウム繊維の結
晶構造は、TiO6八面体の連鎖により形成されたトンネル
構造(そのトンネル骨格枠内にK+イオンが配位してい
る)を有し、四チタン酸カリウム繊維の結晶構造は、Ti
O6八面体の稜と角を共有する連鎖が積層した層状構造
(その層間にK+イオンが配位している)である。
上記水洗処理により解繊されて回収される水和チタン酸
カリウム繊維の組成は、水洗処理におけるK+イオンの溶
出量により異なるので、洗液のpHチェック等によりその
溶出量が調節される。一般的には、六チタン酸カリウム
繊維(K2Ti6O13)の製造が目的とされ、その組成比とな
るようにK+イオンの溶出量が調節される。このように水
洗処理でK+イオン調整下に解繊された水和チタン酸カリ
ウム繊維(六チタン酸カリウム繊維に相当する化学組成
を有しているが、結晶構造はもとの二チタン酸カリウム
繊維の層状構造のなごりをとどめている)を洗液から回
収し、乾燥後、約800℃で熱処理することによりトンネ
ル構造を有する六チタン酸カリウム繊維が得られる。
〔解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来のチタン酸カリウム繊維は、複数本
の繊維同士が固着した複繊維としての形態を有し、その
繊維径は約10〜30μmと太径であり、かつ不均質であ
る。それは、初生相の集束繊維塊(二チタン酸カリウム
繊維)の洗液処理により得られる六チタン酸カリウム相
当組成の繊維が高融点(約1370℃)であるため、その後
の熱処理(処理温度:約1000℃)では完全に六チタン酸
カリウムの結晶構造であるトンネル構造に変化すること
ができず、その繊維同士の結合が十分に解かれないまま
残存するものと考えられる。
繊維の用途によっては、上記のように太径の複繊維形態
を有するものであっても支障のない場合もあるが、チタ
ン酸カリウム繊維の特質を十分に発揮させ、かつその用
途の拡大多様化を図るには、解繊化を十分に進め、細径
・長寸の均質な繊維として回収することが望まれる。
本発明は上記に鑑みてなされたものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の六チタン酸カリウム繊維の製造方法は、 加熱により二酸化チタンとなるチタン化合物と、加熱に
より酸化カリウムとなるカリウム化合物とを、〔二酸化
チタン/酸化カリウム〕のモル比が1.5〜2.5となるよう
に混合した混合物を加熱溶融し、その加熱溶融物を凝固
させて二チタン酸カリウム繊維の束状集合体である繊維
塊を得、 ついで該繊維塊を洗液で処理してK+イオンを溶出させる
と共に解繊することにより、四チタン酸カリウムと六チ
タン酸カリウムの中間組成を有する水和チタン酸カリウ
ム繊維を回収し、 これを乾燥後、熱処理に付して結晶構造を変換すること
により、四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸カリウム
繊維の混合繊維を得、 上記混合繊維を洗液で処理して四チタン酸カリウム繊維
からK+イオンを溶出することにより、該繊維を六チタン
酸カリウム組成の水和チタン酸カリウム繊維に組成変換
した上、熱処理を施して該水和チタン酸カリウム繊維を
六チタン酸カリウム繊維に構造変換することにより、六
チタン酸カリウム単相繊維を得ることを特徴としてい
る。
〔作用〕
初生相の二チタン酸カリウム繊維に脱カリウム処理と熱
処理を施して得られる、四チタン酸カリウム繊維と六チ
タン酸カリウム繊維の混合繊維は、細径の微細針状形態
を呈する。これは、四チタン酸カリウム繊維と六チタン
酸カリウム繊維とが異なる結晶構造(前者:層状構造,
後者:トンネル構造)であることにより、水和チタン酸
カリウム繊維(四チタン酸カリウムと六チタン酸カリウ
ムと中間組成を有する)の熱処理による結晶構造の変換
過程で、繊維間の結合が弛められ繊維同士の分離(解
繊)が促進される効果と考えられる。また、脱カリウム
処理された混合繊維中の水和チタン酸カリウム繊維(六
チタン酸カリウム繊維中に混在する、四チタン酸カリウ
ム繊維からK+イオンが溶出して生成した六チタン酸カリ
ウム相当組成の水和チタン酸カリウム繊維)の熱処理に
よる結晶構造変換(層状構造からトンネル構造への変
換)の過程で繊維間の結合の分離を伴い、その構造変換
は比較的低温度で十分に達成される。
このように、初生相二チタン酸カリウム繊維から、四チ
タン酸カリウム繊維と六チタン酸カリウム繊維の混合繊
維を経由して製造される六チタン酸カリウム繊維は、組
成変換と構造変換の反復効果として、混合繊維を経由し
ない従来の製造法によるものに比し、針状形態を有する
均質性にすぐれた微細繊維として収得される。
なお、上記混合繊維の脱カリウム処理において、組成変
化(K+イオンの溶出)を生じるのは、四チタン酸カリウ
ム繊維だけであり、六チタン酸カリウム繊維の組成変化
は生じない。これは両者の結晶構造の相違によるもので
あり、層状構造の四チタン酸カリウム繊維は、その層間
にK+イオンが配位した結晶構造であることにより、その
溶出を生じ易いのに対し、トンネル構造の六チタン酸カ
リウム繊維は、K+イオンがトンネル骨格の内部に閉じ込
められた構造であることにより、K+イオンの溶出(組成
変化)はなく、従って混合繊維に脱カリウム処理と熱処
理を施すことにより、混合繊維中の四チタン酸カリウム
繊維を六チタン酸カリウム繊維に変換し、その結果とし
て六チタン酸カリウム単相繊維を得ることができる。
以下、本発明方法を工程順に詳しく説明する。加熱によ
り二酸化チタンとなるチタン化合物(以下、「二酸化チ
タン源」ともいう)としては、高純度精製酸化チタンの
ほか、天然ルチルサンドや天然アナターゼサンド等、各
種のチタン化合物が用いられる。
二酸化チタン源に配合されるカリウム化合物は代表的に
は炭酸ナトリウム(K2CO3)である。そのほか、加熱溶
融工程でK2Oとなるカリウム化合物、例えば水酸化物、
硝酸塩などを使用することもできる。
二酸化チタン源とカリウム化合物の混合割合を、TiO2/K
2Oモル比で1.5〜2.5の範囲に限定したのは、この範囲か
らはずれると、この混合物の加熱溶融物の冷却固化工程
において、初生相繊維としての結晶質繊維が形成されな
いか、またはたとえ繊維が形成されても、繊維同士の凝
集が強固であるため、その後の洗液による処理において
解繊化することが際めて困難となるからである。より好
ましいモル比は、1.8〜2.2である。
二酸化チタン源とカリウム化合物の混合物を、溶解ルツ
ボ(好ましくは白金ルツボ)に装入し、その融点以上の
温度に加熱して溶融したのち、一方向または多方向に指
向性凝固させる冷却固化処理により、初生相繊維、即ち
二チタン酸カリウム繊維〔K2Ti2O5〕の集束繊維塊を得
る。この繊維は層状構造を有する板状結晶である。
ついで、上記繊維塊を洗液で処理し、洗液のK+濃度測定
等によるK+イオンの溶出量調節下に解繊化を行って、四
チタン酸カリウム〔K2Ti4O9〕と六チタン酸カリウム〔K
2Ti6O13〕との中間の組成を有する解繊された水和チタ
ン酸カリウム繊維を回収する。この脱カリウム・解繊処
理の洗液として、冷水(常温)、熱水、酸溶液(例え
ば、0.5N HCl水溶液)等が使用されるが、通常冷水で
十分である。
冷水を洗液とし、繊維塊を、例えばその50倍(重量比)
の冷水に浸漬し、撹拌下に脱カリウム処理を行えば四チ
タン酸カリウム相当組成と六チタン酸カリウム相当組成
の混合相を有する水和チタン酸カリウム繊維に組成変換
すると共に解繊される。この水和チタン酸カリウム繊維
における2種の相の比率は特に限定しないが、おおむ
ね、四チタン酸カリウム組成繊維/六チタン酸カリウム
組成繊維=1〜4(モル比)とすることにより好結果を
得ることができる。むろん、その混合比は、洗液での処
理におけるK+イオンの溶出量により調節される。その処
理において、K+イオン溶出および解繊化を促進するため
に、洗液を撹拌することが望ましい。
第1図〔I〕〜〔IV〕は、繊維塊を、それぞれ100倍、7
5倍、50倍および25倍(容量比)の洗液(冷水)中で、
撹拌下に24時間処理し、回収した混合繊維を乾燥後、熱
処理(1000℃)した後のX線回折結果を示したものであ
る。図中、「6T」は六チタン酸カリウム繊維、「4T」は
四チタン酸カリウム繊維である。この例においては、繊
維塊の75倍以下の洗液による処理(図〔II〕〜〔IV〕)
により、四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸カリウム
繊維の混合繊維として解繊・回収されている。
上記洗液による処理を経て回収される水和チタン酸カリ
ウム繊維は、組成上、四チタン酸カリウム繊維〔K2Ti4O
9〕と六チタン酸カリウム繊維〔K2Ti6O13〕の混合物に
相当する組成を有しているが、構造的には、その先駆体
である初生相二チタン酸カリウム繊維のなごりをとどめ
ている。この混相組成を有する水和チタン酸カリウム繊
維を乾燥(例えば風乾)したのち、適当な温度(好まし
くは、約1000℃)で焼成することにより、構造変換が生
じ、組成的にも構造的にも完全な四チタン酸カリウム繊
維と六チタン酸カリウム繊維となる。
こうして得られた四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸
カリウム繊維との混合繊維を、更に洗液に浸漬し、洗液
のK+濃度の測定等による脱カリウム量調節下に、四チタ
ン酸カリウム繊維からK+イオンを溶出(二次溶出処理)
することにより、該繊維は、構造的には四チタン酸カリ
ウムの層状構造のなごりをとどめたまま、組成的に六チ
タン酸カリウムに相当する水和チタン酸カリウム繊維に
変換する。この二次溶出処理の洗液は、水、熱水などで
あってもよいが、脱カリウム促進のため酸溶液を使用す
るのが好ましい。酸溶液としては、例えば0.01〜0.05N
の酢酸水溶液が好適である。また、必要に応じ、超音波
振動が印加される。
二次溶出処理後、洗液から繊維を回収し、乾燥(例え
ば、風乾)し、温度:800〜1000℃、好ましくは900℃で
熱処理(二次熱処理)することにより上記の六チタン酸
カリウム相当組成の水和チタン酸カリウム繊維(四チタ
ン酸カリウム繊維からK+イオンが溶出した繊維)は、四
チタン酸カリウム繊維の層状構造から六チタン酸カリウ
ム繊維のトンネル構造に構造変換する。
上記四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸カリウム繊維
の混合繊維の二次溶出処理およびその後の二次熱処理の
各工程において、六チタン酸カリウム繊維には組成およ
び構造上の変化はなく、四チタン酸カリウム繊維のみ、
組成および構造上の変化が生じて六チタン酸カリウム繊
維に変換する。従って、この二次溶出処理と二次焼成処
理とを経ることにより、四チタン酸カリウム繊維と六チ
タン酸カリウム繊維の混合繊維から六チタン酸カリウム
繊維の単相繊維が得られる。
かくして得られた繊維は、後記実施例にも示すように、
従来法による繊維と異なって、単繊維形態を有し、微細
で繊維形態の均質性にすぐれ、その繊維径は約0.5〜3
μm、繊維長は約10〜30μmと、細径・長寸である。
〔実施例〕
本発明方法を実施例により説明する。二酸化チタン源と
しては天然ルチルサンド(オーストラリア産,純度95.6
%)を使用した。
実施例1 〔I〕原料配合 天然ルチルサンドと炭酸カリウム(99.5%)とを〔TiO2
/K2O〕モル比:2/1の割合で混合。
〔II〕加熱溶融処理および冷却固化処理 上記原料混合物250gを白金ルツボ(容量500ml)に入
れ、1100℃で1時間溶解したのち、その溶融物を金属製
冷却皿(直径120mm、深さ10mm)に流し込み、冷却皿の
底面から一方向に凝固させることにより、初生相二チタ
ン酸カリウム繊維〔K2Ti2O5〕の束状集合体である繊維
塊を得た。
〔III〕K+イオン溶出・解繊処理 上記繊維塊を50倍の冷水中に浸漬し、約24時間を要して
脱カリウムと解繊化を行ったのち、洗液から繊維を回収
した。
〔IV〕熱処理 洗液から回収した繊維を乾燥後、1000℃で4時間加熱処
理した。
得られた繊維を第2図に示す。繊維長は20〜200μm、
直径は0.5〜2μmである。
この繊維は、X線回折により、四チタン酸カリウム繊維
〔K2Ti4O9〕と六チタン酸カリウム繊維〔K2Ti6O13〕の
混合繊維であり、また化学分析による二酸化チタンとK2
Oの比から、四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸カリ
ウム繊維のモル比は1:1であることが認められた。
〔V〕二次処理 上記混合繊維50gを酢酸水溶液(0.025N)1中に浸漬
して超音波(45KHz)を印加し、約60分を要して処理を
終了し、ついで洗液から繊維を回収し、110℃で乾燥
後、900℃で2時間加熱処理した。
第3図に得られた繊維を示す。繊維は略完全な単繊維形
態を有し、繊維長は10〜30μm、繊維径は0.5〜2μm
である。この繊維はX線回折により六チタン酸カリウム
繊維単相であることが認められる。
実施例2 実施例1の〔I〕〜〔II〕と同様にして初生相二チタン
酸カリウム繊維の繊維塊を得、これを30倍の冷水に浸漬
してK+イオンの溶出および解繊化を行い、解繊された繊
維を乾燥後、1000℃で4熱時間処理した。
得られた繊維は、実施例1の〔IV〕で得られたものと同
様第2図に示す繊維形態を有している。またX線回折に
より四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸カリウム繊維
との混合繊維であり、化学分析値から、両者のモル比は
4:1であることが認められた。
ついで、上記混合繊維を、実施例1の〔V〕と同様の二
次処理に付して、六チタン酸カリウム単相繊維を得た。
繊維は略完全な単繊維形態を有し、繊維サイズは実施例
1のそれと略同じである。
実施例3 実施例1の〔I〕〜〔III〕と同様の工程を経て、繊維
を回収し、乾燥後1050℃で2時間熱処理を行った。得ら
れた繊維は、実施例1〔IV〕で得られた繊維と同様に、
四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸カリウム繊維との
混合繊維であり、そのモル比は1:1であり、かつ第2図
に示す繊維形態を有している。
ついで、上記混合繊維を、実施例1の〔V〕と同様の二
次処理に付して、六チタン酸カリウム単相繊維を得た。
繊維は略完全な単繊維形態を有し、繊維サイズは実施例
1のそれと略同じである。
(比較例) 実施例1〔I〕〜〔II〕と同じ処理を経て初生相二チタ
ン酸カリウム繊維の繊維塊を得る。
ついで、繊維塊を100倍の冷水中に浸漬し、約24時間を
要してK+イオンの溶出および解繊化を行う。
解繊した繊維を洗液から回収し、110℃で乾燥したの
ち、100℃で4時間熱処理する。
得られた繊維を第4図に示す。X線回折によりこの繊維
は六チタン酸カリウム繊維単相であることが認められ
た。この繊維の長さは20〜200μmと長寸であるが、複
数本の繊維が凝集したままの複繊維を呈しており、その
直径は10〜30μmと前記実施例で得られた六チタン酸カ
リウム繊維に比し太い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、溶融法によって、六チタン酸カリウム
繊維を、略完全な単繊維形態を有する細径・長寸の均質
性に優れた繊維として製造することができる。
本発明方法により得られる六チタン酸カリウム繊維は廉
価・良質であり、また繊維形態が均質・良好であるの
で、耐火材、耐熱材、断熱材、摩擦材、耐腐食材、補強
材等として好適であり、各種分野における工学的応用の
拡大・多様化の促進に大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〔I〕〜〔IV〕は、初生相の集束繊維塊の脱カリ
ウム・解繊化処理後のX線回折図、第2図は本発明方法
における混合繊維の繊維形態を示す図面代用顕微鏡写
真、、第3図は本発明方法により得られた六チタン酸カ
リウム繊維の繊維形態を示す図面代用顕微鏡写真(いず
れも、500倍率)、第4図は従来法により得られたチタ
ン酸カリウム繊維の繊維形態を示す図面代用顕微鏡写真
(100倍率)である。 6T:六チタン酸カリウム、4T:四チタン酸カリウム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱により二酸化チタンとなるチタン化合
    物と、加熱により酸化カリウムとなるカリウム化合物と
    を、〔二酸化チタン/酸化カリウム〕のモル比が1.5〜
    2.5となるように混合した混合物を加熱溶融し、その加
    熱溶融物を凝固させて二チタン酸カリウム繊維の束状集
    合体である繊維塊を得、 ついで該繊維塊を洗液で処理してK+イオンを溶出させる
    と共に解繊することにより、四チタン酸カリウムと六チ
    タン酸カリウムの中間組成を有する水和チタン酸カリウ
    ム繊維を回収し、 これを乾燥後、熱処理に付して結晶構造を変換すること
    により、四チタン酸カリウム繊維と六チタン酸カリウム
    繊維の混合繊維を得、 上記混合繊維を洗液で処理して四チタン酸カリウム繊維
    からK+イオンを溶出することにより、該繊維を六チタン
    酸カリウム組成の水和チタン酸カリウム繊維に組成変換
    した上、熱処理を施して該水和チタン酸カリウム繊維を
    六チタン酸カリウム繊維に構造変換することにより、六
    チタン酸カリウム単相繊維を得ることを特徴とする六チ
    タン酸カリウム繊維の製造方法。
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