JP2871805B2 - まゆ状塩基性硫酸マグネシウムとその製造方法 - Google Patents

まゆ状塩基性硫酸マグネシウムとその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、まゆ状塩基性硫酸マグネシウムとその製造
方法に関する。
〔従来の技術〕 近時、新素材を応用した各種の複合材料や機能製品の
開発が盛んに行われており、このうち無機質短繊維はプ
ラスチックや金属の補強材として多用されている。かか
る無機質短繊維の一つとして塩基性硫酸マグネシウムが
その有する機能と工業的に比較的安価に得られるところ
から注目されている。
従来、塩基性硫酸マグネシウムの製造方法としては、
炭酸マグネシウムの複分解、硫酸マグネシウム水溶液と
水酸化マグネシウムまたは酸化マグネシウムとの水熱反
応による方法などが知られている(例えば、特開昭56−
149318号公報、特開昭61−256920号公報)。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の技術による塩基性硫酸マグネシウムの製造法
は、酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウムを硫酸
マグネシウム水溶液中で加圧条件下100乃至260℃に加熱
することによる水熱反応に基づくものであるが、これら
の方法では、何れも反応開始時の硫酸マグネシウム水溶
液の濃度が事実上20〜110g/程度の比較的低濃度のも
のを使用しており、且つ生成する塩基性硫酸マグネシウ
ムは総じて繊維状または扇状のものであった。
また、塩基性硫酸マグネシウムはその性質上かさ高で
あるため、従来の製造技術では生産性が悪く、かつオー
トクレーブのような加圧反応装置を用いることから工業
的に多量に生産する場合には多大な設備投資を必要とす
る難点があった。
本発明者らは上記の事実に鑑み、粒子性状に著しい特
徴のある新素材の開発を目指すべく従来の製造方法とは
異なる主として常圧力での反応に基づく塩基性硫酸マグ
ネシウムの製造方法について多角的な実験、研究を重ね
たところ、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムの粉
末を著しく高濃度の硫酸マグネシウム又は/及び硫酸ア
ンモニウム水溶液中で加熱して反応させると、従来知ら
れている粒子性状とは全く異るまゆ状塩基性硫酸マグネ
シウムが生成することを見出し、本発明を完成するに至
った。
〔課題を解決するための手段〕
すなわち、本発明により提供される塩基性硫酸マグネ
シウムは、微細な繊維状結晶の集合体である均一なまゆ
状粒子からなり、粉体としての見掛け比重が0.03〜0.3g
/ccであることを特徴とする。さらに、本発明によるま
ゆ状塩基性硫酸マグネシウムの製造方法は工業的に有利
に大量生産を可能とさせるものであり、これは酸化マグ
ネシウムおよび/または水酸化マグネシウムの粉末を濃
度120g/以上の硫酸マグネシウムまたは硫酸アンモニ
ウムの水溶液中に分散させ、次いで該スラリーを常圧下
で加熱反応させることを構成上の特徴とする。
本発明に係るまゆ状塩基性硫酸マグネシウムは、微細
な繊維状結晶の集合体であるが、その独特な粒子状態に
よって他の塩基性硫酸マグネシウムと区別することがで
きる。すなわち、まゆ状構造を形成する微細な繊維状単
結晶は5MgO・MgSO4・8H2Oに近い化学組成を有し、多く
の場合、直径0.1〜5μm、長さ2〜100μm、アスペク
ト比(長さ/直径)10〜250の塩基性硫酸マグネシウム
性状を備えている。まゆ状粒子はこれらの微細な繊維状
結晶が多数集合し互いに緻密に絡み合った粒子径30〜50
0μmの均一な中空粒子であって、例えば第1図の電子
顕微鏡写真に基づく粒子構造が示すようにあたかも蚕の
まゆのような外観を呈するものである。
本発明に係るこのようなまゆ状粒子は特に粉体として
の見掛け比重が多くの場合0.03〜0.3g/ccの範囲にあ
り、比表面積は約5〜30m2/gの粒子特性を有する。
次に、まゆ状塩基性マグネシウムの製造法について説
明する。
本発明の製造方法で使用する酸化マグネシウムの粉体
としては、粒径250μm以下、好ましくは100μm以下の
ものが適当であり、どのような化合物から生成したもの
でもよく、また生成時の焼成温度に従ってMgOの結晶発
達程度も各種のものを使用することができる。
他の原料として使用できる水酸化マグネシウムの粉体
としては、粒径250μm以下、好ましくは100μm以下の
ものが適当であり、どのような化合物から生成したもの
でもよい。また、これら2つの出発原料は混合物であっ
ても差支えない。しかし、何れの場合も粉末中に不純物
が多いと反応に際して不純物成分が繊維状粒子の結晶成
長を阻害するので、MgO換算の純度が90%以上であるこ
とが好ましい。
一方、本発明の製造方法で使用する硫酸マグネシウム
または/および硫酸アンモニウムは、何れの場合もその
濃度が120g/以上の濃度の水溶液であることが必要で
ある。濃度120g/未満の水溶液では繊維状微結晶自体
が生成し難く、まゆ状粒子の形成が加めて困難である。
反応は上記の酸化マグネシウムおよび/または水酸化
マグネシウムの粉末を可溶性硫酸塩含有水溶液中にMgO
として15重量%以下、好ましくは10重量%以下、更に好
ましくは5重量%以下のスラリー濃度となるように分散
させ、良好な撹拌のもとに60℃以上の温度で常圧下約0.
5〜40時間、好ましくは3〜24時間加熱して行う。スラ
リー濃度が15重量%を超えると反応の進行につれてスラ
リーの粘度が著しく増大して撹拌が困難となり、均質な
生成物が得られない。
加熱温度は、多くの場合、60℃以上好ましくは80℃か
ら反応系の沸点までの範囲で充分であるが、所望であれ
ば、加圧容器中で100℃以上に加熱して反応を行わせる
ことも可能である。
硫酸マグネシウム乃至硫酸アンモニウム水溶液中に
は、多少の他の塩類が存在してもよく、必要に応じて界
面活性剤やキレート剤など各種の添加剤を存在させるこ
とも可能である。
酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム粉末を硫酸マ
グネシウム及び硫酸アンモニウム水溶液中に分散させる
手段としては、酸化マグネシウムや水酸化マグネシウム
の粉末の一部を硫酸で溶解させ所定の量的関係となるよ
うにすることも含まれることは言うまでもない。
このような条件下での加熱操作によって酸化マグネシ
ウムや硫酸アンモニウムとの反応によって前記特性を有
するまゆ状の塩基性硫酸マグネシウムに転換する。反応
終了後は、常法により固液分離、水洗及び乾燥等の操作
を施してまゆ状塩基性硫酸マグネシウムの製品として仕
上げる。
なお、本発明で用いるまゆ状塩基性硫酸マグネシウム
の見掛け比重の値は次の方法によって測定される。すな
わち、試料5gを採取し、内径約42mmのメスシリンダーに
移し、5cmの高さから該メスシリンダーを300回落下させ
たのち、まゆ状塩基性硫酸マグネシウムの体積ν(ml)
を目盛で読み取り、次式により見掛け比重TD(g/cc)を
算出する。
〔作 用〕 本発明によ0提供されるまゆ状塩基性硫酸マグネシウ
ムは、微細な繊維状結晶が多数集合し相互に絡み合った
中空状の粒子形態を呈しており、この特有の粒子性状に
基づいて粉体としては最もかさ高い部類に属している。
このため、高度の吸液性および増粘性を示す特性が付与
されている。
また、本発明の製造方法に従えば、酸化マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム等の粉末を一定濃度以上の硫酸
マグネシウムまたは硫酸アンモニウムの水溶液中に分散
させて加熱処理することにより、常圧下において上記の
新規性状を備えるまゆ状塩基性硫酸マグネシウムを製造
することが可能となる。
〔実施例〕
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明する。
実施例1 水600gに硫酸マグネシウム、7水塩400gを溶解させて
195g/の水溶液を作製し、ついでこれに酸化マグネシ
ウム粉末20gを分散させ、スラリーを得た。次に、該ス
ラリーを約100℃で24時間反応させた。
反応終了後、固形分を母液から分離し、水洗、乾燥し
て微細繊維の集合体である約200μmの均一粒子からな
るまゆ状塩基性硫酸マグネシウム28gを得た。このまゆ
状生成物の見掛け比重は0.06g/cc、BET法における比表
面積は22m2/gであった。
得られたまゆ状塩基性硫酸マグネシウムの電子顕微鏡
写真を第1図に示す。
実施例2〜4、比較例1〜3 水に硫酸マグネシウム7水塩または硫酸マグネシウム
を所定量溶解させたのち、酸化マグネシウムまたは水酸
化マグネシウムの粉末を20g分散させ約100℃で24時間反
応を行った。
得られた各塩基性硫酸マグネシウムの特性性状を反応
条件に対比させて表1に示した。
また、比較例1で得られた生成物の電子顕微鏡写真を
第2図に示す。
上表から、各実施例により得られた生成物はいずれも
見掛け比重が0.03〜0.3g/ccの範囲内にあるまゆ状の塩
基性硫酸マグネシウム性状を呈するものであったが、硫
酸マグネシウムまたは硫酸アンモニウム水溶液の濃度が
120g/未満の比較例では見掛け比重が大きく不定形の
凝集体しか得られなかった。
〔発明の効果〕
以下のとおり、本発明によれば、従来技術では得るこ
とができなかった低い見掛け比重で中空構造を有し、外
観が蚕のまゆ形状に似た独特な性状の塩基性硫酸マグネ
シウムおよびこれを工業的に量産することが可能な製造
方法が提供される。
したがって、各種農薬や触媒の担体、希釈剤、賦形
剤、塗料の増粘剤、建材などの成形材料など広汎な分野
に適用できる新規素材およびその製造方法として有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例によるまゆ状塩基性硫酸マグネ
シウムの粒子構造を示した電子顕微鏡写真(倍率200
倍)、第2図は比較例による塩基性硫酸マグネシウムの
粒子構造を示した電子顕微鏡写真(倍率200倍)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01F 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細な繊維状結晶の集合体である均一なま
    ゆ状粒子からなり、粉体としての見掛け比重が0.03〜0.
    3g/ccであることを特徴とするまゆ状塩基性硫酸マグネ
    シウム。
  2. 【請求項2】酸化マグネシウムおよび/または水酸化マ
    グネシウムの粉末を濃度120g/以上の硫酸マグネシウ
    ムまたは硫酸アンモニウムの水溶液中に分散させ、次い
    で該スラリーを常圧下で加熱反応させることを特徴とす
    るまゆ状塩基性硫酸マグネシウムの製造方法。
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