JPH0787105B2 - コネクタ・アセンブリ及びコネクタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本願は線材を接続するコネクタ、特に防水タイプのコネ
クタに関する発明である。

〔従来技術〕

従来この種のコネクタは、接触子で終端した線材をアセ
ンブルするわけであるが、その作業は手間のかかるもの
であり、特に防水のためゴムブッシュを用いるものは、
１本ずつ予め専用の治工具を用いてゴムブッシュに貫通
させ、これを密封状態でハウジングの空洞部内に収容し
ていた。そのため線材をコネクタにアセンブルする手間
は極めて煩雑であり、もっと簡便な手段で線材をコネク
タに密封することが要請されていた。

また従来はゴムブツシユに線材を貫通する場合の作業性
を考え、丸型のピン（方向性の無いこと）がほとんどで
あり、従つて、例えば、プリント基板に設けたタブ状の
接触子との接続は不可能であつた。

〔発明の目的〕

本願発明はこうした従来の不都合を解消すべく発明され
たもので、その目的は、 （１）治工具を用いずに線材をコネクタに容易にアセン
ブルすることのできるコネクタ・アセンブリを提供する
こと、 （２）治工具を用いずに、線材をゴムブッシュに貫通さ
せ、かつ線材をコネクタに容易にアセンブルすることが
できるコネクタ・アセンブリを提供すること、 （３）上記のように線材を容易に接続することのできる
コネクタを提供することなどにあります。

〔実施例の説明〕

以下本願に係るコネクタ・アセンブリについて図示実施
例に基づき詳説する。

第１図は本発明の第１の実施例を示す。図示のものは雌
型のコネクタであり、実際の使用態様は、例えば第２図
の如く、プリント基板50に設けた雄型コネクタ60のタブ
61に接続する。またコネクタとしての雌雄の別は接触子
の形状に依存するから、本質的なものではなく、本願の
コネクタ・アセンブリもいずれにも適用できる。

第１図において、１は線材であり、各々接触子２で終端
してある。また接触子は典型的には矩形の横断面を有す
る筒型であるが、前述の如く、本発明はこれに限定され
ない。

10はハウジングであり、後述するゴムブツシユ40を収納
することのできる空洞11と、同じく後述するアクチユエ
ータ部材31を収納する空洞12とを有する。なお図示にお
いては、ゴムブッシュ40およびハウジング10は半分に割
ったものを示してある。後者の空洞12は前者の空洞11の
底部を、該空洞11の反対側から該空洞11内に突き出すよ
うにして形成されている。なお該空洞12の底部には、ア
クチュエータ部材31に設けた係合溝22に対応する突起33
を形成する。

空洞11の底部には、前記線材を挿通するための孔部21を
有する線材保持部20が設けられている。詳細は後述する
がこの保持部はアクチユエータ部材31によつて上下方向
（図示実施例の場合）に変動することができる。なお線
材保持部の孔部21の形状は図示実施例のものに限定され
ないことはもちろんである。

31はアクチユエータ部材であつて、ゴムブツシユ及び上
記線材保持部を貫通した接触子を受容する孔部34と、ハ
ウジング10の空洞12の底部に設けた突起33に対応した係
合溝32とを有する。なおこの係合溝の深さは突起33の高
さよりも浅く形成する（第２図参照）。またアクチュエ
ータ部材の頂面には、孔部34の側に向かって下る傾斜面
35を形成する。

第２図は、第１図に示したコネクタアセンブリと線材と
の接続状態を示す断面図である。

いまこのアクチュエータ部材31を空洞12を挿入すると、
ゴムブッシュ40の孔部41A、41Bを貫通した各接触子２が
アクチュエータ部材の対応する孔部34に挿入されると共
に、該アクチュエータ部材の係合溝32が空洞12の突起33
と係合する。このとき、係合溝は突起の高さより浅く形
成されており、かつアクチュエータ部材の頂面に傾斜面
35を形成してあるで、アクチュエータ部材を空洞12に挿
入するにつれて、係合溝32の底部が突起33を押し下げ
（図示実施例の場合）、第２図に示すように、線材保持
部（空洞11及び12の底部）が、アクチュエータ部材の頂
面の傾斜面に向かって下方に偏倚し、その結果、線材保
持部20を画成する壁面がアクチュエータ部材の頂面の傾
斜面と接触し、かつ接触子２の括れ部分と線材保持部の
孔部21が係合する。

40はゴムブツシユであり、前記線材を貫通するための孔
部を有する。この孔部は該ゴムブツシユの一方の面に設
けた凹陥部41Aと該凹陥部の底から該ゴムブツシユの他
方の面まで貫通する通孔41Bとから成る。凹陥部には前
記接触子の横断面に合せた形状の開口を設ける。

線材を終端した接触子は、まずゴムブツシユの凹陥部に
挿入し、次いで通孔を拡開させながらこれを貫通する。
このとき凹陥部の開口形状は接触子の横断面に合せてあ
るから、接触子の方向が定まる。また各々の線材は該孔
部の通孔によつてシールされる。

ゴムブツシユはハウジングの空洞11内に固定されるが、
そのための手段は、例えばゴムブツシユの外側壁に突起
を、またハウジングに該突起と嵌合するための嵌合溝を
設ければよい。

以上本願に係るコネクタ・アセンブリおよびコネクタに
つきその構成を詳説したが、その構成から次のような特
有の効果を奏することができる。

すなわち、本願に係るコネクタ・アセンブリおよびコネ
クタは、格別の治工具を用いることなく線材の終端部を
コネクタにアセンブリすることができる。

また、防水のためゴムブッシュを用いるタイプのもの
は、同じく格別の治工具を用いることなく線材の終端部
をゴムブッシュに挿通し、かつコネクタにアセンブルす
ることができ、またその際非円形の終端部の形状とゴム
ブッシュの凹陥部形状を合わせることにより挿入方向を
一定に保持し、しかもゴムブッシュを貫通した線材は前
記凹陥部と連通する通孔によって充分にシールされる。

また、本願に係るコネクタ・アセンブリおよびコネクタ
は、ハウジング内に偏倚自在の線材保持部を設けてある
ので、該線材保持部の孔部に線材の終端部を挿通させた
後に、 該保持部を偏倚させることにより一括して該保持部に終
端部を係合保持することができるからアセンブリ作業の
能率は格段に向上する。

また本発明の接触子の形状を断面矩形の筒型になすこと
により、プリント基板に設けた平形のタブ端子（接触
子）との接続が可能となる等その用途は広い。

【図面の簡単な説明】

図面第１図は本発明の第１の実施例に係るコネクタ・ア
センブリの分解図、第２図は同上実施例の一適用例を示
す縦断面図である。 〔主要部分の符号の説明〕 １……線材、２……接触子、10……ハウジング、20……
線材保持部、30……アクチユエータ部材、40……ゴムブ
ツシユ。

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】各々を接触子（２）で終端した線材（１）
   と、 空洞（11）を画成するハウジング（10）と、 前記線材を挿通する孔部（21）を有し前記空洞の底部に
   形成された線材保持部（20）と、 前記保持部を前記線材の挿通方向と交差する方向に偏倚
   するための偏倚手段とからなる、コネクタ・アセンブリ
   であって、 前記ハウジングは、更に、前記空洞の反対の側から、該
   空洞の底部を、該空洞内に突き出すようにして別の空洞
   （12）を形成し、 前記偏倚手段は、前記別の空洞に受容されるアクチュエ
   ータ部材（31）と、該アクチュエータ部材に設けたカム
   溝（32）と、前記別の空洞の底部に設け該カム溝と係合
   するカム突起（33）とからなることを特徴とする、 コネクタ・アセンブリ。
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項に記載のコネクタ・
   アセンブリにおいて、 前記アクチュエータ部材は、前記係合部の孔部を挿通し
   た線材の接触子を保持するための孔部（34）を設けたこ
   とを特徴とする、コネクタ・アセンブリ。
3. 【請求項３】特許請求の範囲第２項に記載のコネクタ・
   アセンブリにおいて、 前記アクチュエータ部材は、その頂面に、前記孔部34の
   側に向かって下る傾斜面35を形成したことを特徴とす
   る、コネクタ・アセンブリ。
4. 【請求項４】各々を接触子（２）で終端した線材（１）
   と、 該線材を貫通するための孔部を持ったゴムブッシュ（4
   0）と、 該ゴムブッシュを嵌合するための空洞を画成するハウジ
   ング（10）と、 前記線材を挿通する孔部（21）を有し前記空洞の底部に
   形成された線材保持部（20）と、 前記保持部を前記線材の挿通方向と交差する方向に偏倚
   するための偏倚手段とからなる、コネクタ・アセンブリ
   であって、 前記ハウジングは、更に、前記空洞の反対の側から、該
   空洞の底部を、該空洞内に突き出すようにして別の空洞
   （12）を形成し、 前記偏倚手段は、前記別の空洞に受容されるアクチュエ
   ータ部材（31）と、該アクチュエータ部材に設けたカム
   溝（32）と、前記別の空洞の底部に設け該カム溝と係合
   するカム突起（33）とからなることを特徴とする、 コネクタ・アセンブリ。
5. 【請求項５】特許請求の範囲第４項に記載のコネクタ・
   アセンブリにおいて、 前記アクチュエータ部材は、前記係合部の孔部を挿通し
   た線材の接触子を保持するための孔部（34）を設けたこ
   とを特徴とする、コネクタ・アセンブリ。
6. 【請求項６】特許請求の範囲第５項に記載のコネクタ・
   アセンブリにおいて、 前記アクチュエータ部材は、その頂面に、前記孔部34の
   側に向かって下る傾斜面35を形成したことを特徴とす
   る、コネクタ・アセンブリ。
7. 【請求項７】各々を接触子（２）で終端した線材（１）
   をアセンブルするためのコネクタであって、 空洞（11）を画成するハウジング（10）と、 前記線材を挿通する孔部（21）を有し前記空洞の底部に
   形成された線材保持部（20）と、 前記保持部を前記線材の挿通方向と交差する方向に偏倚
   するための偏倚手段とからなり、 前記ハウジングは、更に、前記空洞の反対の側から、該
   空洞の底部を、該空洞内に突き出すようにして別の空洞
   （12）を形成し、 前記偏倚手段は、前記別の空洞に受容されるアクチュエ
   ータ部材（31）と、該アクチュエータ部材に設けたカム
   溝（32）と、前記別の空洞の底部に設け該カム溝と係合
   するカム突起（33）とからなることを特徴とする、コネ
   クタ。
8. 【請求項８】特許請求の範囲第７項に記載のコネクタに
   おいて、 前記アクチュエータ部材は、前記係合部の孔部を挿通し
   た線材の接触子を保持するための孔部（34）を設けたこ
   とを特徴とする、コネクタ。
9. 【請求項９】特許請求の範囲第８項に記載のコネクタに
   おいて、 前記アクチュエータ部材は、その頂面に、前記孔部34の
   側に向かって下る傾斜面35を形成したことを特徴とす
   る、コネクタ。