JPH0782213A - 光学活性シクロアルケンカルボラクトン誘導体、その製造法 - Google Patents
光学活性シクロアルケンカルボラクトン誘導体、その製造法Info
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- JPH0782213A JPH0782213A JP24876793A JP24876793A JPH0782213A JP H0782213 A JPH0782213 A JP H0782213A JP 24876793 A JP24876793 A JP 24876793A JP 24876793 A JP24876793 A JP 24876793A JP H0782213 A JPH0782213 A JP H0782213A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 下記〜の化合物ならびに〜からの下
記の提供。 【構成】 光学活性(2−アルコキシカルボニル−2−
シクロアルケニル)アセトアルデヒド誘導体、その他
〜の化合物と該化合物からの下記の化合物製造
法。 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、アリール基、アラルキル基
又は水素、R2 はアルキル基、nは1から4の自然
数。) 【効果】 新規な光学活性化合物ならびに光学活性ミツ
ガシワラクトンの提供。
記の提供。 【構成】 光学活性(2−アルコキシカルボニル−2−
シクロアルケニル)アセトアルデヒド誘導体、その他
〜の化合物と該化合物からの下記の化合物製造
法。 【化1】 (式中、R1 はアルキル基、アリール基、アラルキル基
又は水素、R2 はアルキル基、nは1から4の自然
数。) 【効果】 新規な光学活性化合物ならびに光学活性ミツ
ガシワラクトンの提供。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学活性シクロアルケ
ンカルボラクトン誘導体とその製造法に関する。更に詳
しくは、医薬、農薬等の出発物質として有用な新規な光
学活性(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケ
ニル)アセトアルデヒド誘導体、光学活性(2−アルコ
キシカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘
導体、光学活性1−シクロアルケンカルボラクトン誘導
体および光学活性2−アルコキシカルボニル−2−シク
ロアルケン−1−オール誘導体を出発物質とし上記化合
物を経由することを特徴とする、光学活性なシクロアル
カンカルボラクトン誘導体ならびに光学活性なミツガシ
ワラクトンの新規製造法に関するものである。
ンカルボラクトン誘導体とその製造法に関する。更に詳
しくは、医薬、農薬等の出発物質として有用な新規な光
学活性(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケ
ニル)アセトアルデヒド誘導体、光学活性(2−アルコ
キシカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘
導体、光学活性1−シクロアルケンカルボラクトン誘導
体および光学活性2−アルコキシカルボニル−2−シク
ロアルケン−1−オール誘導体を出発物質とし上記化合
物を経由することを特徴とする、光学活性なシクロアル
カンカルボラクトン誘導体ならびに光学活性なミツガシ
ワラクトンの新規製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の光学活性(2−アルコキシカル
ボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒド誘導
体は、分子内に二重結合、アルデヒド基及び(アルコキ
シカルボニル基またはカルボキシル基)の3種類の官能
基を有する。また、光学活性(2−アルコキシカルボニ
ル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導体は、分子
内に二重結合、水酸基及び(アルコキシカルボニル基ま
たはカルボキシル基)の3種類の官能基を有する。さら
に、光学活性2−ヒドロキシエチル−1−シクロアルケ
ンカルボン酸ラクトン誘導体は、分子内に二重結合、及
びラクトン環の実質的には3種類の官能基を有する。こ
れらの化合物の官能基は、立体選択的、あるいは立体特
異的に各種置換基に変換することが可能であり、医薬、
農薬などの出発物質として有用であると考えられる。し
かしながら、従来その光学活性体を得る方法が知られて
おらず、その有用性を十分評価することができなかっ
た。
ボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒド誘導
体は、分子内に二重結合、アルデヒド基及び(アルコキ
シカルボニル基またはカルボキシル基)の3種類の官能
基を有する。また、光学活性(2−アルコキシカルボニ
ル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導体は、分子
内に二重結合、水酸基及び(アルコキシカルボニル基ま
たはカルボキシル基)の3種類の官能基を有する。さら
に、光学活性2−ヒドロキシエチル−1−シクロアルケ
ンカルボン酸ラクトン誘導体は、分子内に二重結合、及
びラクトン環の実質的には3種類の官能基を有する。こ
れらの化合物の官能基は、立体選択的、あるいは立体特
異的に各種置換基に変換することが可能であり、医薬、
農薬などの出発物質として有用であると考えられる。し
かしながら、従来その光学活性体を得る方法が知られて
おらず、その有用性を十分評価することができなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、本発明の化合
物より誘導できる化合物の一つにミツガシワラクトンが
ある。ミツガシワラクトンはある種の動物を誘引する効
果を持つことが知られているが、従来、光学活性なミツ
ガシワラクトンの立体選択的、あるいは立体特異的な製
造法は未だ確立されていなかった。例えば、Takac
sら(Tetrahedron Lett.,33,317,(1992) )により、
(−)−シトロネレンからトリエン誘導体を経て光学活
性な(−)−ミツガシワラクトンを製造する方法が開示
されている。この方法では出発物質の(−)−シトロネ
レンから目的物の(−)−ミツガシワラクトンまで14
工程が必要で、また(−)−シトロネレンからの収率は
3.4%に過ぎず、工業的ではない。また、この方法で
得られるミツガシワラクトンの光学純度は約30%ee
で、満足できるレベルには達していない。以上のよう
に、多くの生理活性物質、例えば光学活性ミツガシワラ
クトンなどの出発物質として有用な、本発明の光学活性
(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)
アセトアルデヒド誘導体、光学活性(2−アルコキシカ
ルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導体、
光学活性2−ヒドロキシエチル−1−シクロアルケンカ
ルボン酸ラクトン誘導体及びその新規の合成法が望まれ
ていた。以上の説明から明らかなように本発明の目的
は、三つの光学活性点のある化合物の効率のよい新規合
成法を開発し、ミツガシワラクトンの様な、光学活性な
シクロアルカンカルボラクトン誘導体を提供することで
ある。
物より誘導できる化合物の一つにミツガシワラクトンが
ある。ミツガシワラクトンはある種の動物を誘引する効
果を持つことが知られているが、従来、光学活性なミツ
ガシワラクトンの立体選択的、あるいは立体特異的な製
造法は未だ確立されていなかった。例えば、Takac
sら(Tetrahedron Lett.,33,317,(1992) )により、
(−)−シトロネレンからトリエン誘導体を経て光学活
性な(−)−ミツガシワラクトンを製造する方法が開示
されている。この方法では出発物質の(−)−シトロネ
レンから目的物の(−)−ミツガシワラクトンまで14
工程が必要で、また(−)−シトロネレンからの収率は
3.4%に過ぎず、工業的ではない。また、この方法で
得られるミツガシワラクトンの光学純度は約30%ee
で、満足できるレベルには達していない。以上のよう
に、多くの生理活性物質、例えば光学活性ミツガシワラ
クトンなどの出発物質として有用な、本発明の光学活性
(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)
アセトアルデヒド誘導体、光学活性(2−アルコキシカ
ルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導体、
光学活性2−ヒドロキシエチル−1−シクロアルケンカ
ルボン酸ラクトン誘導体及びその新規の合成法が望まれ
ていた。以上の説明から明らかなように本発明の目的
は、三つの光学活性点のある化合物の効率のよい新規合
成法を開発し、ミツガシワラクトンの様な、光学活性な
シクロアルカンカルボラクトン誘導体を提供することで
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1)
【化9】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒ
ド誘導体、一般式(2)
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒ
ド誘導体、一般式(2)
【化10】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導
体、一般式(3)
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導
体、一般式(3)
【化11】 (式中、*は不斉炭素を示し、nは1から4の自然数を
示す。)で表される光学活性な1−シクロアルケンカル
ボラクトン誘導体を提供する。
示す。)で表される光学活性な1−シクロアルケンカル
ボラクトン誘導体を提供する。
【0005】本発明の式(1)で表される光学活性な
(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)
アセトアルデヒド誘導体は、一般式(4)
(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)
アセトアルデヒド誘導体は、一般式(4)
【化12】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な2−アルコキシ
カルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘導体か
らクライゼン転移反応を経ることによって得られる。
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な2−アルコキシ
カルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘導体か
らクライゼン転移反応を経ることによって得られる。
【0006】一般式(2)で表される光学活性な(2−
アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノ
ール誘導体は、一般式(1)で表される光学活性な(2
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)アセ
トアルデヒド誘導体のカルボニル基を水酸基に還元する
ことによって得られる。
アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノ
ール誘導体は、一般式(1)で表される光学活性な(2
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)アセ
トアルデヒド誘導体のカルボニル基を水酸基に還元する
ことによって得られる。
【0007】一般式(3)で表される光学活性な1−シ
クロアルケンカルボラクトン誘導体は、一般式(2)で
表される光学活性な(2−アルコキシカルボニル−2−
シクロアルケニル)エタノール誘導体を分子内縮合する
ことにより得ることが出来る。
クロアルケンカルボラクトン誘導体は、一般式(2)で
表される光学活性な(2−アルコキシカルボニル−2−
シクロアルケニル)エタノール誘導体を分子内縮合する
ことにより得ることが出来る。
【0008】また、これら各化合物を経ることにより、
一般式(5)で表される光学活性なシクロアルカンカル
ボラクトン誘導体を得る製造法を提供する。
一般式(5)で表される光学活性なシクロアルカンカル
ボラクトン誘導体を得る製造法を提供する。
【0009】本発明の出発物質である光学活性2−アル
コキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘
導体(4)は、高野らの方法(特願平4−09021
5、及び特願平4−090216)により容易にラセミ
体から得ることが出来る。即ち、ラセミ体の2−アルコ
キシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘導
体をリパーゼを触媒として立体選択的にエステル化して
分離するか、一般式(6)で示されるラセミ体の1−ア
シルオキシ−2−アルコキシカルボニル−2−シクロア
ルケン誘導体をリパーゼを触媒として立体選択的に加水
分解して分離することにより、得ることが出来る。その
製造経路を下に示す。
コキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘
導体(4)は、高野らの方法(特願平4−09021
5、及び特願平4−090216)により容易にラセミ
体から得ることが出来る。即ち、ラセミ体の2−アルコ
キシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘導
体をリパーゼを触媒として立体選択的にエステル化して
分離するか、一般式(6)で示されるラセミ体の1−ア
シルオキシ−2−アルコキシカルボニル−2−シクロア
ルケン誘導体をリパーゼを触媒として立体選択的に加水
分解して分離することにより、得ることが出来る。その
製造経路を下に示す。
【0010】
【化13】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、R3 はアルキル
基を示し、nは1から4の自然数を示す。)
ール基、アラルキル基又は水素を示し、R3 はアルキル
基を示し、nは1から4の自然数を示す。)
【0011】本発明の製造法の反応経路は以下の式に示
される。
される。
【化14】
【0012】(式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアル
キル基、アリール基、アラルキル基又は水素を示し、R
2 、R4 はアルキル基を示す。nは1から4の自然数を
示す。)
キル基、アリール基、アラルキル基又は水素を示し、R
2 、R4 はアルキル基を示す。nは1から4の自然数を
示す。)
【0013】前述の方法で得られた光学活性な2−アル
コキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘
導体(4)は、例えばアルキルビニルエーテルと立体特
異的にクライゼン転移反応することにより光学活性な
(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)
アセトアルデヒド誘導体(1)が得られる。触媒として
は、例えば金属塩や金属酸化物などが挙げられるが、好
ましくは、酢酸水銀(II)である。反応温度は150℃
〜300℃が好ましく、特に好ましくは170℃〜25
0℃である。また、反応時間は1日〜10日であるが、
好ましくは3日〜7日である。アルキルビニルエーテル
のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙
げられるが、好ましくはエチル基である。
コキシカルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘
導体(4)は、例えばアルキルビニルエーテルと立体特
異的にクライゼン転移反応することにより光学活性な
(2−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)
アセトアルデヒド誘導体(1)が得られる。触媒として
は、例えば金属塩や金属酸化物などが挙げられるが、好
ましくは、酢酸水銀(II)である。反応温度は150℃
〜300℃が好ましく、特に好ましくは170℃〜25
0℃である。また、反応時間は1日〜10日であるが、
好ましくは3日〜7日である。アルキルビニルエーテル
のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などが挙
げられるが、好ましくはエチル基である。
【0014】さらに、光学活性な(2−アルコキシカル
ボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒド誘導
体(1)は、アルデヒド基を還元させて光学活性な(2
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)エタ
ノール誘導体(2)が得られる。還元剤としては、エス
テルや二重結合を還元せず、アルデヒド基のみをアルコ
ールに還元するものが好ましい。より好ましくは、水素
化ホウ素ナトリウムが挙げられる。反応温度は−10℃
から+5℃で、好ましくは−5℃〜+2℃である。反応
溶媒はアルコール類が好ましく、特にエタノールが好ま
しい。
ボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒド誘導
体(1)は、アルデヒド基を還元させて光学活性な(2
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)エタ
ノール誘導体(2)が得られる。還元剤としては、エス
テルや二重結合を還元せず、アルデヒド基のみをアルコ
ールに還元するものが好ましい。より好ましくは、水素
化ホウ素ナトリウムが挙げられる。反応温度は−10℃
から+5℃で、好ましくは−5℃〜+2℃である。反応
溶媒はアルコール類が好ましく、特にエタノールが好ま
しい。
【0015】光学活性な(2−アルコキシカルボニル−
2−シクロアルケニル)エタノール誘導体(2)は、エ
ステル交換反応により光学活性な1−シクロアルケンカ
ルボラクトン誘導体(3)へと導ける。触媒としては、
通常の酸性触媒及びその塩類などが挙げられ、好ましく
はスルホン酸類及びその塩であり、より好ましくは、p
−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩が挙げられる。反
応溶媒としてはベンゼン、トルエン等が挙げられる。反
応時間は1時間〜50時間で、好ましくは5時間〜20
時間である。
2−シクロアルケニル)エタノール誘導体(2)は、エ
ステル交換反応により光学活性な1−シクロアルケンカ
ルボラクトン誘導体(3)へと導ける。触媒としては、
通常の酸性触媒及びその塩類などが挙げられ、好ましく
はスルホン酸類及びその塩であり、より好ましくは、p
−トルエンスルホン酸ピリジニウム塩が挙げられる。反
応溶媒としてはベンゼン、トルエン等が挙げられる。反
応時間は1時間〜50時間で、好ましくは5時間〜20
時間である。
【0016】さらに、光学活性な1−シクロアルケンカ
ルボラクトン誘導体(3)は、求核試剤と立体選択的に
反応させて光学活性なシクロアルカンカルボラクトン誘
導体を得ることができる。例えばジメチル銅リチウムの
ようなメチル化剤と反応させることにより、光学活性な
ミツガシワラクトン(一般式(5)において、R1がメ
チル基、nが1の場合)へと誘導される。このとき、反
応温度は−50℃〜0℃であり、好ましくは−35℃〜
−15℃である。反応時間は5分〜10時間で、好まし
くは15分〜2時間である。反応溶媒はエーテル類等が
良く、特に好ましくはジエチルエーテルである。
ルボラクトン誘導体(3)は、求核試剤と立体選択的に
反応させて光学活性なシクロアルカンカルボラクトン誘
導体を得ることができる。例えばジメチル銅リチウムの
ようなメチル化剤と反応させることにより、光学活性な
ミツガシワラクトン(一般式(5)において、R1がメ
チル基、nが1の場合)へと誘導される。このとき、反
応温度は−50℃〜0℃であり、好ましくは−35℃〜
−15℃である。反応時間は5分〜10時間で、好まし
くは15分〜2時間である。反応溶媒はエーテル類等が
良く、特に好ましくはジエチルエーテルである。
【0017】
【発明の効果】以上説明した方法により、光学活性(2
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)アセ
トアルデヒド誘導体、光学活性(2−アルコキシカルボ
ニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導体および
光学活性1−シクロアルケンカルボラクトン誘導体が高
い光学純度で簡便に、しかも収率よく得られる。これら
の化合物は医薬、農薬等、例えば光学活性ミツガシワラ
クトンの出発物質として有望なものである。
−アルコキシカルボニル−2−シクロアルケニル)アセ
トアルデヒド誘導体、光学活性(2−アルコキシカルボ
ニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導体および
光学活性1−シクロアルケンカルボラクトン誘導体が高
い光学純度で簡便に、しかも収率よく得られる。これら
の化合物は医薬、農薬等、例えば光学活性ミツガシワラ
クトンの出発物質として有望なものである。
【0018】
【実施例】以下、実施例および参考例により本発明を更
に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例によって
制限されるものではない。 参考例1 光学活性2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オールの合成(a) (±)−2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オ−ル(1.027g,6.58mmol) 、酢酸ビニル(1.3ml,1
4.1mmol)、及びリパーゼPS(天野製薬社製)(66mg)を
t−ブチルメチルエーテル(66ml)に懸濁し、室温で27
時間攪拌した。リパーゼをセライトで濾別し、濾液は減
圧下濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、目的とするアルコール体とアシル体をそれ
ぞれ分離して得た。 (R)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテン(623.5mg,47.9%、100%ee)、[α]
D 31+3.23(c1.456,CHCl3)、沸点45℃(0.1mmHg) (S)−2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オール(484.3mg,47.1%、99.3%ee) 、[α]D 31-3
3.52 (c1.256,CHCl3)、沸点45℃(1mmHg)
に詳しく説明するが、本発明は、これら実施例によって
制限されるものではない。 参考例1 光学活性2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オールの合成(a) (±)−2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オ−ル(1.027g,6.58mmol) 、酢酸ビニル(1.3ml,1
4.1mmol)、及びリパーゼPS(天野製薬社製)(66mg)を
t−ブチルメチルエーテル(66ml)に懸濁し、室温で27
時間攪拌した。リパーゼをセライトで濾別し、濾液は減
圧下濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、目的とするアルコール体とアシル体をそれ
ぞれ分離して得た。 (R)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテン(623.5mg,47.9%、100%ee)、[α]
D 31+3.23(c1.456,CHCl3)、沸点45℃(0.1mmHg) (S)−2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オール(484.3mg,47.1%、99.3%ee) 、[α]D 31-3
3.52 (c1.256,CHCl3)、沸点45℃(1mmHg)
【0019】参考例2 (R)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテンの加水分解 参考例1で得られた(R)−2−エトキシカルボニル−
1−アセチルオキシ−2−シクロペンテン(623.5mg,3.1
47mmol) を10%(v/v) アセトン含有燐酸緩衝液(30ml)
に混合し、リパーゼPS(30mg)を加えて27℃で振とう
した。24時間後、反応液をセライト濾過し濾液をエー
テルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、無色油状の(R)−2−エトキシ
カルボニル−2−シクロペンテン−1−オール(442.0m
g,90.0%) を得た。[α]D 30+34.2(c1.43,CHCl3)
−2−シクロペンテンの加水分解 参考例1で得られた(R)−2−エトキシカルボニル−
1−アセチルオキシ−2−シクロペンテン(623.5mg,3.1
47mmol) を10%(v/v) アセトン含有燐酸緩衝液(30ml)
に混合し、リパーゼPS(30mg)を加えて27℃で振とう
した。24時間後、反応液をセライト濾過し濾液をエー
テルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、
減圧下溶媒を留去した。これをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付し、無色油状の(R)−2−エトキシ
カルボニル−2−シクロペンテン−1−オール(442.0m
g,90.0%) を得た。[α]D 30+34.2(c1.43,CHCl3)
【0020】参考例3 光学活性2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オールの合成(b) (±)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテン(107.0mg,0.54mmol)を10%(v/
v) アセトン含有燐酸緩衝液(5ml) に混合し、リパーゼ
PS(11mg)を加えて27℃で振とうした。24時間後、
反応液をセライト濾過し濾液をエーテルで抽出した。有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、目的とするアルコール体とアシル体をそれぞれ分離
して得た。 (R)−2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オール(35.7mg,42.4%、100%ee) 、[α]D 30+34.2
(c0.85,CHCl3) (S)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテン(49.3,46.1%、93.4%ee)
−1−オールの合成(b) (±)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテン(107.0mg,0.54mmol)を10%(v/
v) アセトン含有燐酸緩衝液(5ml) に混合し、リパーゼ
PS(11mg)を加えて27℃で振とうした。24時間後、
反応液をセライト濾過し濾液をエーテルで抽出した。有
機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し
た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付
し、目的とするアルコール体とアシル体をそれぞれ分離
して得た。 (R)−2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテン
−1−オール(35.7mg,42.4%、100%ee) 、[α]D 30+34.2
(c0.85,CHCl3) (S)−2−エトキシカルボニル−1−アセチルオキシ
−2−シクロペンテン(49.3,46.1%、93.4%ee)
【0021】実施例1 (R)−(2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテ
ニル)アセトアルデヒドの合成 参考例2で得られた(R)−2−エトキシカルボニル−
2−シクロペンテン−1−オール(202.2mg,1.30mmol)、
酢酸水銀(II)(51.5mg,0.162mmol)及びエチルビニルエ
ーテル(10ml)の混合物を封管中、170℃で5日間加熱
した。冷却後、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し
た。このエーテル溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下で溶剤を留去した後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(15g) に付し、ジエチルエ−テル
/ヘキサン(1:10 v/v)の流分より無色油状の(R)−
(2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテニル)ア
セトアルデヒド(182.6mg,77.1%) を得た。 [α]D 29+45.2(c1.16,CHCl3) IR(neat):1710,1626 cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.30(t,3H,J=7.1Hz),1.56-1.70(m,1
H),2.22-2.62(m,4H),2.95(ddd,1H,J=1.5,4.0,16.9Hz),
3.37-3.49(m,1H),4.20(q,2H,J=7.1Hz),6.81-6.87(m,1
H),9.79(t,1H,J=1.8Hz). MS:m/z=182(M+),136(100%). HRMS:Calcd:C10H14O3:182.0943. FOUND:182.0943.
ニル)アセトアルデヒドの合成 参考例2で得られた(R)−2−エトキシカルボニル−
2−シクロペンテン−1−オール(202.2mg,1.30mmol)、
酢酸水銀(II)(51.5mg,0.162mmol)及びエチルビニルエ
ーテル(10ml)の混合物を封管中、170℃で5日間加熱
した。冷却後、反応混合物をジエチルエーテルで希釈し
た。このエーテル溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。減圧下で溶剤を留去した後、残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(15g) に付し、ジエチルエ−テル
/ヘキサン(1:10 v/v)の流分より無色油状の(R)−
(2−エトキシカルボニル−2−シクロペンテニル)ア
セトアルデヒド(182.6mg,77.1%) を得た。 [α]D 29+45.2(c1.16,CHCl3) IR(neat):1710,1626 cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.30(t,3H,J=7.1Hz),1.56-1.70(m,1
H),2.22-2.62(m,4H),2.95(ddd,1H,J=1.5,4.0,16.9Hz),
3.37-3.49(m,1H),4.20(q,2H,J=7.1Hz),6.81-6.87(m,1
H),9.79(t,1H,J=1.8Hz). MS:m/z=182(M+),136(100%). HRMS:Calcd:C10H14O3:182.0943. FOUND:182.0943.
【0022】実施例2 (R)−2−(2−エトキシカルボニル−2−シクロペ
ンテニル)エタノールの合成 実施例1で得られた(R)−(2−エトキシカルボニル
−2−シクロペンテニル)アセトアルデヒド(523.3mg,
2.88mmol)をエタノ−ル(12ml)に溶解した。0℃まで冷
却し、水素化ホウ素ナトリウム(163.0mg,4.31mmol)を徐
々に加えた。終了後、0℃で30分間攪拌した。その
後、アセトンを適量加えて反応を停止させ、減圧下で溶
媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出した。抽出液を
飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下で溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−(40g) に付し、酢酸エチル/ヘキサン(1:2 v
/v) の流分より無色油状の(R)−2−(2−エトキシ
カルボニル−2−シクロペンテニル)エタノール(415.1
mg,78.3%) を得た。その光学純度は、光学分割HPLC
(キラルセルOB、流出溶媒i−PrOH/ヘキサン(3
%v/v) )で>99%eeであった。 [α]D 26-43.0(c1.01,CHCl3) IR(neat):3442,1710,1627 cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.31(t,3H,J=7.0Hz),1.58-1.77(m,2
H) ,1.79-1.90(m,1H),2.07-2.25(m,2H),2.34-2.61(m,2
H),3.03-3.14(m,1H),3.56-3.72(m,2H),4.21(q,2H,J=7.0
Hz),6.78-6.85(m,1H). MS:m/z=184(M+), 79(100%). HRMS:Calcd:C10H16O3:184.1099. FOUND:184.1106. C10H16O3:Calcd:C,65.18, H,8.76 Found:C,65.09, H,8.52
ンテニル)エタノールの合成 実施例1で得られた(R)−(2−エトキシカルボニル
−2−シクロペンテニル)アセトアルデヒド(523.3mg,
2.88mmol)をエタノ−ル(12ml)に溶解した。0℃まで冷
却し、水素化ホウ素ナトリウム(163.0mg,4.31mmol)を徐
々に加えた。終了後、0℃で30分間攪拌した。その
後、アセトンを適量加えて反応を停止させ、減圧下で溶
媒を留去した。残渣を酢酸エチルで抽出した。抽出液を
飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。減
圧下で溶媒を留去し、残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィ−(40g) に付し、酢酸エチル/ヘキサン(1:2 v
/v) の流分より無色油状の(R)−2−(2−エトキシ
カルボニル−2−シクロペンテニル)エタノール(415.1
mg,78.3%) を得た。その光学純度は、光学分割HPLC
(キラルセルOB、流出溶媒i−PrOH/ヘキサン(3
%v/v) )で>99%eeであった。 [α]D 26-43.0(c1.01,CHCl3) IR(neat):3442,1710,1627 cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.31(t,3H,J=7.0Hz),1.58-1.77(m,2
H) ,1.79-1.90(m,1H),2.07-2.25(m,2H),2.34-2.61(m,2
H),3.03-3.14(m,1H),3.56-3.72(m,2H),4.21(q,2H,J=7.0
Hz),6.78-6.85(m,1H). MS:m/z=184(M+), 79(100%). HRMS:Calcd:C10H16O3:184.1099. FOUND:184.1106. C10H16O3:Calcd:C,65.18, H,8.76 Found:C,65.09, H,8.52
【0023】実施例3 (R)−5−(2−ヒドロキシエチル)−1−シクロペ
ンテンカルボン酸ラクトンの合成 実施例2で得られた(R)−2−(2−エトキシカルボ
ニル−2−シクロペンテニル)エタノール(302.9mg,1.6
5mmol)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(32.9mg,
0.13mmol) をベンゼン(10ml)中、12時間加熱還流させ
た。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈した。この
酢酸エチル溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−(20g) に付し、酢酸エチル/ヘキサン(1:6 v/v)
の流分より(R)−5−(2−ヒドロキシエチル)−1
−シクロペンテンカルボン酸ラクトン(227.9mg,100%)を
得た。その光学純度は、光学分割HPLC(キラルセル
OB、流出溶媒i−PrOH/ヘキサン(3%v/v) )で>
99%eeであった。 [α]D 31-116.6(c0.93,CHCl3) IR(neat):1716, 1626 cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.53-1.76(m,2H),2.10(br dt,1H,J=
2.2,13.6Hz),2.31-2.55(m,3H),2.90-3.06(m,1H),4.32(d
t,1H,J=2.2,11.7Hz),4.46(ddd,1H,J=1.8,4.8,11.4Hz),
7.00(d,1H,j=2.2Hz). MS:m/z=138(M+),79(100%). HRMS:Calcd:C8H10O2:138.0681. FOUND:138.0684. C8H10O2:Calcd:C,69.53, H,7.30 Found:C,69.26, H,7.39
ンテンカルボン酸ラクトンの合成 実施例2で得られた(R)−2−(2−エトキシカルボ
ニル−2−シクロペンテニル)エタノール(302.9mg,1.6
5mmol)、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム(32.9mg,
0.13mmol) をベンゼン(10ml)中、12時間加熱還流させ
た。冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈した。この
酢酸エチル溶液を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で
溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィ−(20g) に付し、酢酸エチル/ヘキサン(1:6 v/v)
の流分より(R)−5−(2−ヒドロキシエチル)−1
−シクロペンテンカルボン酸ラクトン(227.9mg,100%)を
得た。その光学純度は、光学分割HPLC(キラルセル
OB、流出溶媒i−PrOH/ヘキサン(3%v/v) )で>
99%eeであった。 [α]D 31-116.6(c0.93,CHCl3) IR(neat):1716, 1626 cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.53-1.76(m,2H),2.10(br dt,1H,J=
2.2,13.6Hz),2.31-2.55(m,3H),2.90-3.06(m,1H),4.32(d
t,1H,J=2.2,11.7Hz),4.46(ddd,1H,J=1.8,4.8,11.4Hz),
7.00(d,1H,j=2.2Hz). MS:m/z=138(M+),79(100%). HRMS:Calcd:C8H10O2:138.0681. FOUND:138.0684. C8H10O2:Calcd:C,69.53, H,7.30 Found:C,69.26, H,7.39
【0024】実施例4 (+)−ミツガシワラクトンの合成 よう化銅(I)(939.0mg,4.93mmol)のジエチルエーテル
(5ml) 懸濁液とメチルリチウムのジエチルエーテル溶液
(1.14M溶液,8.7ml,9.92mmol)とを−25℃に冷却し、混
合した。−25℃で10分間攪拌してジメチル銅リチウ
ムのジエチルエーテル溶液を調製した。この溶液に実施
例3で得られた(R)−5−(2−ヒドロキシエチル)
−1−シクロペンテンカルボン酸ラクトン(225.0mg,1.6
3mmol)のジエチルエーテル溶液(5ml) を、反応液の温度
を−25℃に保ちつつ滴下した。滴下後、−25℃で3
0分間反応させた。その後、飽和塩化アンモニウム水溶
液を加えて反応を停止させ、反応混合物をジエチルエー
テルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(10g) に付し、酢
酸エチル/ヘキサン(1:6 v/v) の流分より無色油状の
(+)−ミツガシワラクトン(179.8mg,71.6%) を得た。 [α]D 32+5.3(c0.92,CHCl3);[α]D 32+6.3(c0.92,CH
Cl3) 文献値[ 天然物: [α]D+6.4(測定条件不明) 、本願と
別の方法で合成された光学活性(−)−ミツガシワラク
トン:[α]D-1.9(c1.23 ,CCl4)] IR(neat):1732cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.12-1.27(m,1H),1.20(d,3H,J=6.6H
z) ,1.27-1.40(m,1H),1.46-1.58(m,1H),1.84-1.96(m,1
H),1.96-2.08(m,2H),2.13-2.31(m,1H),2.36(t,1H,J=10.
7Hz),2.48-2.64(m,1H),4,20(ddd,1H,J=2.9,8.4,11.4H
z),4.32(ddd,1H,J=3.3,6.6,11.0Hz). MS:m/z=154(M+),99(100%). HRMS:Calcd:C9H14O2:154.0994. FOUND:154.1026.
(5ml) 懸濁液とメチルリチウムのジエチルエーテル溶液
(1.14M溶液,8.7ml,9.92mmol)とを−25℃に冷却し、混
合した。−25℃で10分間攪拌してジメチル銅リチウ
ムのジエチルエーテル溶液を調製した。この溶液に実施
例3で得られた(R)−5−(2−ヒドロキシエチル)
−1−シクロペンテンカルボン酸ラクトン(225.0mg,1.6
3mmol)のジエチルエーテル溶液(5ml) を、反応液の温度
を−25℃に保ちつつ滴下した。滴下後、−25℃で3
0分間反応させた。その後、飽和塩化アンモニウム水溶
液を加えて反応を停止させ、反応混合物をジエチルエー
テルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥し、減圧下で溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(10g) に付し、酢
酸エチル/ヘキサン(1:6 v/v) の流分より無色油状の
(+)−ミツガシワラクトン(179.8mg,71.6%) を得た。 [α]D 32+5.3(c0.92,CHCl3);[α]D 32+6.3(c0.92,CH
Cl3) 文献値[ 天然物: [α]D+6.4(測定条件不明) 、本願と
別の方法で合成された光学活性(−)−ミツガシワラク
トン:[α]D-1.9(c1.23 ,CCl4)] IR(neat):1732cm-1.1 H-NMR(CDCl3) δ:1.12-1.27(m,1H),1.20(d,3H,J=6.6H
z) ,1.27-1.40(m,1H),1.46-1.58(m,1H),1.84-1.96(m,1
H),1.96-2.08(m,2H),2.13-2.31(m,1H),2.36(t,1H,J=10.
7Hz),2.48-2.64(m,1H),4,20(ddd,1H,J=2.9,8.4,11.4H
z),4.32(ddd,1H,J=3.3,6.6,11.0Hz). MS:m/z=154(M+),99(100%). HRMS:Calcd:C9H14O2:154.0994. FOUND:154.1026.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 53/00 C 7419−4H
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒ
ド誘導体。 - 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導
体。 - 【請求項3】 一般式(3) 【化3】 (式中、*は不斉炭素を示し、nは1から4の自然数を
示す。)で表される光学活性な1−シクロアルケンカル
ボラクトン誘導体。 - 【請求項4】 一般式(4) 【化4】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な2−アルコキシ
カルボニル−2−シクロアルケン−1−オール誘導体を
出発物質として一般式(1) 【化5】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)アセトアルデヒ
ド誘導体を経て、一般式(2) 【化6】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、nは1から4の
自然数を示す。)で表される光学活性な(2−アルコキ
シカルボニル−2−シクロアルケニル)エタノール誘導
体を経て、一般式(3) 【化7】 (式中、*は不斉炭素を示し、nは1から4の自然数を
示す。)で表される光学活性な1−シクロアルケンカル
ボラクトン誘導体を経ることを特徴とする、一般式
(5) 【化8】 (式中、*は不斉炭素を示し、R1 はアルキル基、アリ
ール基、アラルキル基又は水素を示し、R2 はアルキル
基を示す。nは1から4の自然数を示す。)で表される
光学活性なシクロアルケンカルボラクトン誘導体を製造
する方法。 - 【請求項5】 請求項4において、R2 がメチル基、n
が1である光学活性ミツガシワラクトンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24876793A JPH0782213A (ja) | 1993-09-09 | 1993-09-09 | 光学活性シクロアルケンカルボラクトン誘導体、その製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24876793A JPH0782213A (ja) | 1993-09-09 | 1993-09-09 | 光学活性シクロアルケンカルボラクトン誘導体、その製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0782213A true JPH0782213A (ja) | 1995-03-28 |
Family
ID=17183079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24876793A Pending JPH0782213A (ja) | 1993-09-09 | 1993-09-09 | 光学活性シクロアルケンカルボラクトン誘導体、その製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0782213A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238526A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Japan Science & Technology Agency | 不斉2−アザ−コープ転位を用いる光学活性ホモアリル第一級アミンの製造方法 |
-
1993
- 1993-09-09 JP JP24876793A patent/JPH0782213A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007238526A (ja) * | 2006-03-09 | 2007-09-20 | Japan Science & Technology Agency | 不斉2−アザ−コープ転位を用いる光学活性ホモアリル第一級アミンの製造方法 |
JP4628979B2 (ja) * | 2006-03-09 | 2011-02-09 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 不斉2−アザ−コープ転位を用いる光学活性ホモアリル第一級アミンの製造方法 |
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