JPH0774916B2 - 静電荷潜像現像剤 - Google Patents

静電荷潜像現像剤

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JPH0774916B2
JPH0774916B2 JP62052430A JP5243087A JPH0774916B2 JP H0774916 B2 JPH0774916 B2 JP H0774916B2 JP 62052430 A JP62052430 A JP 62052430A JP 5243087 A JP5243087 A JP 5243087A JP H0774916 B2 JPH0774916 B2 JP H0774916B2
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    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
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    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真法、静電印刷法、静電記録法などに
おいて形成される静電荷潜像の現像に用いられる現像剤
に関するものであり、特に熱ローラ定着に好ましく用い
られるトナー粒子とキャリア粒子から成る2成分系の静
電荷潜像現像剤(以後単に現像剤と称する)に関するも
のである。
〔発明の背景〕
電子写真法においては、通常、光導電性感光体よりなる
静電像担持体に帯電、露光により静電潜像を形成し、次
いでこの静電潜像を、樹脂よりなるバインダ中に着色剤
などを含有せしめて微粒子状に形成してなるトナーによ
って現像し、得られたトナー像を転写紙などの支持体に
転写し定着して可視画像を形成する。
このように可視画像を得るためにはトナー像を定着する
ことが必要であり、従来においては熱効率が高くて高速
定着が可能な熱ローラ定着方式が広く採用されている。
しかるに最近においては、(イ)複写機の過熱劣化を抑
制すること、(ロ)感光体の熱劣化を防止すること、
(ハ)定着器を作動せしめてから熱ローラが定着可能な
温度にまで上昇するのに要するウオームアップタイムを
短くすること、(ニ)転写紙へ熱が吸収されることによ
る熱ローラの温度低下を小さくして多数回に亘る連続コ
ピーを可能にすること、(ホ)熱的な安定性を高くする
ことなどの要請から、定着用ヒータの消費電力を低減さ
せて熱ローラの温度をより低くした状態で定着処理を可
能にすることが強く要求されている。
従ってトナーにおいても低温で良好に定着し得るもので
あることが必要とされる。
しかもトナーにおいては、使用もしくは貯蔵環境条件下
において凝集せずに粉体として安定に存在し得ること、
即ち耐ブロッキング性に優れていることが必要であり、
更に定着法として好ましい熱ローラ定着方式において
は、オフセット現象即ち定着時に像を構成するトナーの
一部が熱ローラの表面に転移し、これが次に送られて来
る転写紙に再転移して画像を汚すという現象が発生し易
いのでトナーにオフセット現象の発生を防止する性能即
ち耐オフセット性を付与せしめることが必要とされる。
また現像剤としては、トナーに磁性体を含有せしめて磁
性を付与しキャリアを不要とした一成分現像剤と、非磁
性トナー又はわずかに磁性が付与されたトナー及び磁性
を有するキャリアとから成る二成分現像剤とがあるが、
後者の二成分現像剤はトナーの摩擦帯電制御が容易であ
って、現像性がすぐれ画質が良好でありかつトナーに任
意の色を付与できるという特徴があり、広く用いられて
いる。かかる二成分現像剤として、従来より鉄粉キャリ
アとトナーからなる現像剤が知られているが、この鉄粉
キャリアを用いた現像剤においては、トナーに対する摩
擦帯電性が不安定であり、また得られる画像にカブリが
発生する欠点がある。
即ち、トナーとの摩擦時に鉄粉キャリア粒子の表面にト
ナー物質が付着しやすく、このためにキャリア摩擦帯電
性が更に不安定となり、この結果画像の濃度が低下し、
カブリが増大する。従って鉄粉キャリアを用いた現像剤
により電子写真装置で連続的に画像の形成を繰り返すと
少数回で現像性が劣化し、良好な画質を続けることがで
きない。このような現象は環境条件が高温多湿となると
一層顕著となる。
また、トナーを低温で定着可能な現像剤にするとキャリ
アへのフィルミングのため、耐久性及び高温多湿条件下
の画像性において、欠陥を生ずることとなる。
上記した欠点を解消するために従来より各種検討がなさ
れては来たが、すべてに満足なものを得ることができな
いのが現状である。
例えば、耐オフセット性を改良するために使用する樹脂
を低分子量重合体成分と高分子量重合体成分とから構成
する提案がある(特開昭56−158340号、同56−16144号
及び同58−202455号等)。しかしながら、トナー中に高
分子量重合体成分を導入するとオフセツト発生温度が高
くなり耐オフセット性には好都合となるが、同時に定着
可能温度も高くなり、より低温での定着には不都合を来
す。逆にトナーの低温での定着性を可能とするために樹
脂のガラス転移点や軟化点を低下させると、耐オフセッ
ト性が悪くなるばかりか、耐ブロッキング性の低下、キ
ャリア粒子へのトナーのフィルミングによる耐久性の低
下、高温多湿条件下でのキャリア粒子や感光体表面への
フィルミングの発生という欠点を与える。
また、例えば特開昭57−178250号、同61−110155号及び
同61−110156号にはカルボキシル基を有する重合体と金
属化合物とを反応させて得られた樹脂により、耐オフセ
ット性、耐ブロッキング性及び定着温度許容幅を拡げる
試みがあるが、上記公報に開示された一成分現像剤ある
いは鉄粉キャリアを用いた二成分現像剤は高温多湿条件
下において、摩擦帯電性が不安定であり、またキャリィ
ア粒子や感光耐表面へフィルミングしやすく、かつクリ
ーニングブレードへの融着によるクリーニング不良を発
生し、結果として連続して良好な画像が得られず耐久性
が劣化する。
〔発明の目的〕
本発明の目的は前記問題点を解消し、耐オフセット性が
良好でかつより低温定着可能な現像剤を提供することに
ある。
本発明の他の目的は、耐ブロッキング性の良好な現像剤
を提供することにある。
また、本発明の他の目的は安定した摩擦帯電性を有し、
良好な画像を安定して得られる耐久性の良好な現像剤を
提供することにある。
更に本発明の目的は高温多湿の環境条件においても、キ
ャリア粒子、感光体表面及びクリーニングブレード等へ
のフィルミングが発生せず、多数回に亘る使用において
も安定した画像の得られる耐湿性及び耐久性の良好な現
像剤を提供することにある。
〔発明の構成〕
前記した本発明の目的は、重合体成分中に存在するカル
ボキシ基と多価金属化合物とを反応させて得られる樹脂
を主成分とするトナー粒子(A)と、磁性体表面を樹脂
で被覆した樹脂被覆キャリア粒子(B)を含有する静電
荷潜像現像剤によって達成される。
斯かる構成の現像剤によれば、トナーの主成分である樹
脂は重合体成分中のカルボキシ基と金属原子とがイオン
結合することにより架橋構造を呈しているが共有結合に
よる架橋構造などに比較してはるかにゆるやかに結合さ
れている。したがって樹脂中の低分子量重合体成分の含
有量を多くしても、イオン結合による架橋によって耐オ
フセット性及び耐ブロッキング性が悪化せず、しかもゆ
るやかなイオン結合によっているので共有結合による架
橋とは相違して低分子量重合体成分の性質が反映され
て、定着性も向上する。さらにイオン架橋構造及び高分
子量重合体成分を含有することにより、強靭な樹脂とな
り、キャリア粒子や感光体表面との衝突等によってトナ
ー成分の一部が転移するというフィルミング性が抑制さ
れ耐久性が向上する。
しかしながら上記トナーのみでは、高温多湿条件下での
特性をすべて満たすことはできず、ある特定のキャリア
との組み合わせによりはじめて満足な性能を有すること
となる。
斯かる特定のキャリア粒子には、磁性体表面に樹脂被覆
を施した樹脂被覆キャリア粒子が好適である。
一般に高温多湿の条件においては、トナーはキャリア粒
子や感光体表面及びクリーニングブレードへフィルミン
グしやすくなるが、上記トナーを用いることにより感光
体表面やクリーニングブレードへのフィルミングは抑制
される。しかし衝撃の強いキャリア粒子とトナーの衝突
においては、キャリア粒子表面に凹凸が存在するとトナ
ーの一部はキャリア粒子にフィルミングしてしまう。こ
のような現象は鉄粉等の凹凸の多い表面を有するキャリ
アにおいては顕著である。このような現象を解決するた
めに、磁性体表面を樹脂で被覆し疎水性かつ滑面とする
ことにより、高温多湿条件下においてトナーのフィルミ
ングが抑制され、且つ摩擦帯電性が安定化し、また耐久
性が向上し、良好な画像を長期に亘り得ることができ
る。
本発明の現像剤を構成するトナーに含有される樹脂とし
ては、重合体成分中に存在するカルボキシ基と多価金属
化合物とを反応させて得られる樹脂を用いる。
前記トナーに含有される樹脂は、少なくとも低分子量重
合体成分と高分子量重合体成分の少なくとも2群に分け
られる分子量分布を有し、ゲルパーミエーション クロ
マトグラフィ(GPC)により測定された分子量分布曲線
において、低分子量重合体成分側の極大値が1×103
2×104、高分子量側で1×105〜2×106の少なくとも
二つの極大値を有することが好ましい。このような設計
を行なうことにより、より低温にて定着が可能となり、
また溶融時の弾性率を高くできることにより耐オフセッ
ト性をさらに向上することができる。同時に耐ブロッキ
ング性も併せて良好とすることができる。さらに高分子
量重合体成分により樹脂を強靭にすることができて、キ
ャリアや感光体との衝突による微粉の発生を抑制して、
キャリアや感光体表面の汚染を防止できる。
多価金属化合物と反応してイオン結合を生成するための
カルボキシ基の導入に際しては、少なくとも前記低分子
量重合体成分にカルボキシ基が導入されていればよい。
キャリア粒子は感光体表面との衝突によるトナー成分か
らでる微粉は、主に低分子量の比較的もろい成分に起因
するため、このような低分子量重合体成分を少なくとも
金属イオン結合により架橋して、強靭とすることによ
り、フィルミングの要因である微粉の発生を抑制でき
る。
前記トナーの主成分樹脂の重合体を得るための単量体と
しては、スチレン系単量体、メタクリル酸等のアクリル
酸、エステル系単量体の中から選ばれる少なくとも一種
を必須成分とする重合体であることが好ましい。またカ
ルボキシ基を有する重合体を得るには、上記単量体の他
に、アクリル酸(メタクリル酸等を含む)及びその誘導
体から選ばれる単量体を共重合すればよい。共重合する
カルボキシ基を有する好ましい単量体としては、水酸基
を有するアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及
びその誘導体とジカルボン酸化合物とのエステル化反応
によって得られる構造の半エステル化合物である。
上記のように主鎖構成に影響の少い位置にカルボキシ基
が導入されていると、化学構造の立体障害が小さくなり
多価金属化合物との反応が効率よく進行し、本発明の目
的を達成するための有効なイオン結合を生成し、良好な
架橋構造とすることができる。
前記スチレン系単量体としては、例えばスチレン、o−
メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチ
レン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,3
−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n
−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ、p−n−
ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n
−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−
ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レンなどを挙げることができる。これらの中でもスチレ
ンが特に好ましい。
トナー用樹脂はトナー製造時に適度の粉砕性を有するこ
とが必要であり、共重合体中のスチレン成分の含有率が
30重量%以下では粉砕性が低下する傾向があるので該含
有率は通常30重量%以上、好ましくは40重量%以上とさ
れ、上限は一般に95重量%であることが好ましい。
前記アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルとし
ては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエ
チル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチ
ルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリ
ル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸
ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエ
チル等のメタクリル酸エステルなどを挙げることができ
る。
前記半エステル化合物を形成するカルボキシ基含有化合
物としては、例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸な
どの脂肪族ジカルボン酸化合物もしくはフタル酸などの
芳香族ジカルボン酸化合物が挙げられ、水酸基を有する
アクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体とのエステル
化反応により半エステル化合物を得ることができる。
上記ジカルボン酸化合物はハロゲン族元素、低級アルキ
ル基、アルコキシ基等によって水素原子が置換されてい
てもよく、又酸無水物であってもよい。
そして上記水酸基含有アクリル酸もしくはメタクリル酸
の誘導体としては、アクリル酸もしくはメタクリル酸に
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキ
レンオキサイドを1モル又は2モル以上付加せしめたも
のでもよく、或いはアクリル酸もしくはメタクリル酸に
プロピレングリコール等の二荷アルコールをエステル化
反応させたヒドロキシアルキルエステルであってもよ
い。
前記好ましい半エステル化合物は、次の一般式(A)で
示すことができる。
ただし、前記一般式中、Lは分子鎖中にエステル結合を
有する炭素数3以上の2価の結合基を表し、置換基を有
してもよい。R1は水素原子またはメチル基を表わす。
更に好ましい化合物として次の式(1)〜(4)で示す
ことができる。
ただし、式中、R2,R3は水素原子またはメチル基を表わ
し、mは1〜14、nは0〜8を表わす。
ただし、式中R4,R5はH又はCH3,hは1〜14の整数を表わ
し、Xは水素原子、ハロゲン族元素、低級アルキル基、
アルコキシ基を表わす。
ただし、式中、R6はH又はCH3,jは3〜6の整数、kは
0〜8の整数を表わす。
ただし、式中、R7はH又はCH3,lは3〜6の整数、Yは
H,ハロゲン族元素、低級アルキル基又はアルコキシ基を
表わす。
前記式(1)〜(4)で示される半エステル化合物の中
でも式(1)で示されるものが好ましい。
前記式(1)で示される半エステル化合物としては、例
えばこはく酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエ
ステル、こはく酸モノ(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルエステル、グルタル酸モノ(メタ)アクリロイルオ
キシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルエステル、フタル酸モノ(メタ)アクリ
ロイルオキシプロピルエステルなどが挙げられる。
前記スチレン系単量体、アクリル酸エステル系単量体、
メタクリル酸エステル系単量体および水酸基を有するア
クリル酸もしくはメタクリル酸系誘導体とジカルボン酸
化合物とのエステル化反応によって得られる半エステル
化合物とから得られる重合体は、その単量体単位の含有
割合として、前記スチレン系単量体が30〜95重量%、好
ましくは40〜95重量%であり、アクリル酸エステル系単
量体もしくはメタクリル酸エステル系単量体が70〜5重
量%、好ましくは5〜50重量%であり、前記半エステル
化合物が0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%であ
るのが望ましい。
前記アクリル酸エステル系単量体もしくはメタクリル酸
エステル系単量体の含有量が、70重量%よりも多く、あ
るいは前記半エステル化合物の含有量が0.5重量%より
も少なくなると、高温定着時における耐オフセット性が
悪化することがあり、また、耐ブロッキング性、耐可塑
剤性が低下することがある。
本発明のトナーに含有される樹脂は前記カルボキシ基を
有する重合体と多価金属化合物を反応させて得られる樹
脂を成分とするものである。
前記多価金属化合物における金属元素としては、Cu,Ag,
Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,Ti,Ge,Sn,V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,
Co,Zr,Se,などが挙げられる。
これらの各種の元素の中でもアルカリ土類金属、(Be,M
g,Ca,Sr,Ba)および亜鉛族元素(Zn,Cd)が好ましく、
特にMgおよびZnが好ましい。
これら多価金属化合物としては、例えば前記各種の元素
の弗化物、塩化物、塩素酸塩、臭化物、沃化物、酸化
物、水酸化物、硫化物、亜硫酸塩、硫酸塩、セレン化
物、テルル化物、窒化物、硝酸塩、りん化物、ホスフィ
ン酸塩、りん酸塩、炭酸塩、オルトけい酸塩、酢酸塩、
しゅう酸塩、メチル化物およびエチル化物などの低級ア
ルキル金属化合物などが挙げられる。
これらの中でも、酢酸塩及び酸化物が好ましい。
この多価金属化合物の添加量は、重合体を構成する単量
体の種類およびその量により相違して一概に言うことが
できないが、例えば重合体が、前記スチレン系単量体、
前記(メタ)アクリルエステル系単量体および前記半エ
ステル化合物とで低分子量重合体成分および高分子量重
合体成分が構成されているときには、仕込んだ半エステ
ル化合物1モルに対して0.1〜1モルで十分である。
この多価金属化合物と前記重合体とを反応させるには、
例えば溶液重合法により重合して得た前記重合体を含有
する溶液に、前記金属化合物あるいは前記金属化合物を
分散した溶液を混合し、昇温して約1〜3時間かけて脱
溶剤を行ない、系内の温度が150〜180℃程度に達した状
態で1時間以上この温度に維持して反応を完結させるの
が良い。場合によっては、前記重合を開始する以前に金
属化合物を溶剤と共に反応系内に存在させても良く、ま
た脱溶剤として得られた前記重合体と前記多価金属化合
物とをロールミル、ニーダ、押出機などを使用して溶融
混練してもよい。
かくして得られる前記重合体と多価金属化合物とが反応
して得られる樹脂は、重合体成分に含有されているカル
ボキシ機と金属原子とがイオン結合していて、このイオ
ン結合により一種の架橋構造が現出している。このイオ
ン結合は共有結合などに比較しはるかにゆるやかな結合
である。
前記トナー主成分樹脂の重合体分子量分布に於て低分子
量重合体成分の分子量分布の極大値が前記範囲よりも小
さいと耐ブロッキング性が悪化することがあり、また前
記範囲よりも大きいと定着性が低下することがある。ま
た前記高分子量重合体成分の分子量分布の極大値が前記
範囲よりも小さいと、耐オフセット性、耐久性、耐高温
多湿性が悪化することがあり、前記範囲よりも大きいと
定着性が悪化することがある。
さらに分子量分布の観点から言うと、低分子量重合体成
分と高分子量重合体成分とからなる重合体の分子量分布
としては、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)
(以後Mw/Mnと標記する)の値が3.5以上、好ましくは4.
0〜40であるのが望ましい。
分子量分布が低分子量部分と高分子量部分とに双峰分布
をなす前記樹脂は、さらに高分子量重合体成分の含有量
が樹脂全体の15%以上、特に15〜50重量%であることが
好ましい。高分子量重合体成分の含有量が15重量%より
も少ないと、耐オフセット性や耐久性の低下を生じるこ
とがある。
本発明における樹脂は、前述のような分子量双峰分布を
有するものであればどのような製造方法によるものであ
っても良い、例えば、重合により高分子量重合体成分か
低分子量重合体成分のいずれか一方の重合体成分を先ず
生成させる第1段目の重合を行ない、次いで、この生成
した一方の重合体成分を、他方の重合体成分を構成する
重合体を与える単量体に溶解させて2段目の重合を行な
うことにより他方の重合体成分を生成させ、結果として
分子量双峰分布を有する重合体を得ることができる。こ
のように二段重合により得られる重合体は、低分子量重
合体成分と高分子量重合体成分とが、分子レベルで均一
に混合してなるものと推定されている。
この二段重合は、例えば溶液重合法、懸濁重合法、乳化
重合法などにより行なうことができるが、中でも、溶液
重合法が好ましい。
一方、分子量が双峰分布になっている重合体は、低分子
量の重合体成分と高分子量の重合体成分とを混合しても
得ることができるが、混合により得た双峰分布の重合体
は、分子レベルでは、均一に混合されていないことがあ
るので、本発明における重合体としては、前記二段重合
法により得られるものが特に好ましい。
さらに、本発明におけるトナー樹脂は、ガラス転移点が
50〜80℃であり、またその低分子量重合体成分のガラス
転移点が50℃以上、好ましくは55℃以上であり、また高
分子量重合体成分が65℃以下であり、好ましくは60℃以
下であるのが望ましい。
ガラス転移点の調整によって耐ブロッキング性を改善す
ることができるからである。なお、ガラス転移点の調整
は、単量体の種類を適宜に選択することによって容易に
調整することができる。
さらにまた、本発明における前記トナー樹脂は、本発明
の目的を阻害しない範囲で、その分子鎖中に、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、エチレンなどの
単量体単位が含有されていても良いし、前記モノマの重
合体がブレンドされていても良い。また、ポリエステル
樹脂やエポキシ樹脂が含まれていてもよい。
本発明のトナーは、以上のような特定の樹脂中に着色剤
を含有して成るものであるが、更に必要に応じて樹脂中
に磁性体、特性改良剤を含有してもよい。
着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン染料
(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.5040
5)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoic Blue 3)、ク
ロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー
(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.261
05)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブ
ルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブル
ー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオキザレート
(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、
ローズベンガル(C.I.No.45435)、これらの混合物、そ
の他を挙げることができる。これら着色剤は、十分な濃
度の可視像が形成されるに十分な割合で含有されること
が必要であり、通常樹脂100重量部に対して1〜20重量
部程度である。
前記磁性体としては、フェライト、マグネタイトを始め
とする鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性を示す金属
若しくは合金又はこれらの元素を含む化合物、或いは強
磁性元素を含まないが適当な熱処理を施すことによって
強磁性を示すようになる合金、例えばマンガン−銅−ア
ルミニウム、マンガン−銅−錫などのマンガンと銅を含
むホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は二酸化ク
ロム、その他を挙げることができる。これらの磁性体は
体積平均粒径0.1〜1ミクロンの微粉末の形で樹脂中に
均一に分散される。そしてその含有量は、トナー100重
量部当り20〜70重量部、好ましくは40〜70重量部であ
る。
前記特性改良剤としては、定着性向上剤、荷電制御剤、
その他がある。
定着性向上剤としては、例えばポリオレフィン、脂肪酸
金属塩、脂肪酸エステルおよび脂肪酸エステル系ワック
ス、部分けん化脂肪酸エステル、高級脂肪酸、高級アル
コール流動または固形のパラフィンワックス、ポリアミ
ド系ワックス、多価アルコールエステル、シリコンワニ
ス、脂肪族フロロカーボンなどを用いることができる。
特に軟化点(環球法JIS K2531)が60〜150℃のワックス
が好ましい。
荷電制御剤としては、従来から知られているものを用い
ることができ、例えばニグロシン系染料、含金属染料等
が挙げられる。
更に本発明のトナーは、流動性向上剤等の無機微粒子を
混合して用いることが好ましい。
本発明において用いられる前記無機微粒子としては、一
次体積平均粒径が5mμ〜2μであり好ましくは、5mμ〜
500mμである粒子である。またBET法による比表面積は2
0〜500m2/gであることが好ましい。トナーへ混合される
割合は0.01〜5wt%であり好ましくは0.01〜2.0wt%であ
る。このような無機微粉末としては例えば、シリカ微粉
末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン
酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロ
ンチウム、酸化亜鉛、硅砂、クレー、雲母、硅藻土、酸
化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモ
ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウ
ム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅
素などが挙げられるが、シリカ微粉末が特に好ましい。
ここでいうシリカ微粉末はSi−O−Si結合を有する微粉
末であり、乾式法及び湿式法で製造されたもののいずれ
も含まれる。また、無水二酸化硅素の他、硅酸アルミニ
ウム、硅酸ナトリウム、硅酸カリウム、硅酸マグネシウ
ム、硅酸亜鉛などいずれでもよいが、SiO2を85重量%以
上含むものが好ましい。
これらシリカ微粉末の具体例としては、種々の市販のシ
リカがあるが、表面に疎水性基を有するものが好ましく
例えばAEROSIL R−972,R−974,R−805,R−812(以上ア
エロジル社製)、タラノックス500(タルコ社製)等が
挙げられる。その他シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤、シリコンオイル、側鎖にアミンを有するシ
リコンオイル等で処理されたシリカ微粉末などが使用可
能である。
本発明に係るトナーの好適な製造方法の一例を挙げる
と、まず、バインダの材料樹脂もしくはこれに必要に応
じて着色剤等のトナー成分を添加したものを、例えば、
エクストルーダにより熔融混練し、冷却後ジェットミル
等により微粉砕し、これを分級して、望ましい粒径のト
ナーを得ることができる。あるいはエクストルーダによ
り熔融混練したものを熔融状態のままスプレードライヤ
等により噴霧もしくは液体中に分散させることにより望
ましい粒径のトナーを得ることができるい。
本発明の画像形成方法としては上記のような特定のトナ
ーを用いて現像剤を調製しそれを用いて常用の電子写真
複写機により潜像の形成及び現像を行い、得られたトナ
ー像を転写紙上に静電転写した上加熱ローラの温度を一
定温度に設定した加熱ローラ定着器により定着して複写
画像を形成する。
本発明に係るトナーは、転写紙上のトナーと加熱ローラ
との接触時間が1秒以内特に0.5秒以内であるような定
着を行う際に特に好ましく用いられる。
本発明の現像剤における樹脂で被覆された樹脂被覆キャ
リアは、樹脂被覆がほどこされているために、球状で滑
らかな表面状態を有する。
このために、トナーと有効に摩擦帯電がなされ、キャリ
ア飛散及びトナー飛散を防止でき、かぶりやキャリア付
着が防止され、鮮明な画像が得られると考えられる。ま
た、上記した樹脂被覆キャリアとすることで、高温多湿
条件下において多数毎複写をおこなっても、離型性が良
好であって強い圧力を受けてもトナーと物理的に強く付
着せず、トナーのキャリアへのフィルミングが発生せ
ず、結果として、かぶり、トナー飛散、キャリア付着等
のない、耐久性が良好で、鮮明な画像が得られると考え
られる。
特に、キャリアの樹脂被覆に用いる次記の共重合体は、
硬質成分としてのスチレン系単量体と、強靭で柔軟な機
能を呈するアクリル酸(又はメタクリル酸)又はそのエ
ステルとの重合によって得られるので、それらの両単量
体成分のもつ特長を発揮しながら、同時にその欠点も解
消できる。つまり、スチレン系による脆さはアクリル
(又はメタクリル)酸又はそのエステルによって解消さ
れ、かつ後者による柔軟さを保持しながらスチレン系成
分で適度な硬さも付与することができる。こうした物性
が、上記したように離型性の向上、トナーとの付着防止
等をもたらすものである。
前記キャリア粒子の被覆に使用される樹脂としては、ス
チレン系単量体とアクリル酸又はそのエステル単量体及
び/またはメタクリル酸又はそのエステル単量体を含む
単量体成分とを重合して得られる共重合体を含有する樹
脂である。
前記スチレン系単量体としては、スチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オ
クチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デ
シルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキ
シスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレンなどを挙げることができる
が、このうちスチレンが最も好ましい。
前記スチレン系モノマーと共重合されるアクリル酸エス
テルおよびメタクリル酸エステルとしては、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレ
ート、iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、iso−ブチルアクリレート、tert−ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、iso
−オクチルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−メトキシエチ
ルアクリレート、2−クロルエチルアクリレート、ベン
ジルアクリレート、n−メチルアミノエチルアクリレー
ト、ジメチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸
エステル、及びメチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、n−プロピルメタクリレート、iso−プロピル
メタクリレート、n−ブチルメタクリレート、iso−ブ
チルタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、n−オクチルメタクリレート、iso−オクチ
ルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレート、2−
ヒドロキシメタクリレート、ベンジルメタクリレート、
n−メチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステルを挙
げることができるが、このうちメチルメタクリレートが
最も好ましい。
上記共重合体は、通常用いられる乳化重合、塊状重合、
懸濁重合あるいは溶液重合などによって製造することが
できる。
また、前記共重合体の分子量は、重量平均分子量(Mw)
が1万以上、数平均分子量(Mn)が2000以上、Mw/Mnが
2.0以上が好ましく、重量平均分子量が1万未満、数平
均分子量が2000未満、Mw/Mnが2.0未満の場合、脆いため
に被覆樹脂がはがれ安く、耐久性が不良となり易い。
更に、前記共重合体のガラス転移温度(Tg)は60℃以上
であることが好ましい。60℃未満であると粘着性を有す
ることとなり、トナーが付着してフィルミングを発生し
易くなる。
また、被覆する樹脂の平均膜厚は0.1〜10μ、好ましく
は0.3〜4μ、より好ましくは0.3〜2.0μである。0.1μ
未満の場合は絶縁性が悪く、良好な現像性が得られ難
く、また4μ、特に10μを超えるとキャリアの磁化が小
さくなり過ぎてキャリア付着が発生し易い。
本発明において使用される樹脂被覆キャリアの樹脂は、
スチレン系モノマー(St)とアクリル酸エステル(AE)
および/又はメタクリル酸エステル(MAE)を構成成分
とする共重合体が好ましい。スチレン系成分は樹脂を硬
くし、効率よく摩擦帯電する効果を有し、アクリル酸エ
ステルおよびメタクリル酸エステル成分は樹脂を強靭に
する効果を有し、両者の相乗効果により硬くて強靭な樹
脂となり耐久性の良好なキャリアとすることができる。
このために共重合体の重量組成比はSt/AE及び/またはM
AE=9/1〜1/9が好ましい。更に別の効果として成分比を
変化させることにより任意に帯電量の調製が容易とな
る。
本発明における樹脂被覆キャリアの磁性体材料として
は、磁場によってその方向に強く磁化する物質、例えば
フェライト、マグネタイトをはじめとして鉄、ニッケ
ル、コバルトなどの強磁性を示す金属、あるいはこれら
の金属を含む合金または化合物、強磁性元素を含まない
が適当に熱処理することによって強磁性を示すようにな
る合金、例えばマンガン−銅−アルミニウムもしくはマ
ンガン−銅−錫などのホイスラー合金とよばれる種類の
合金または二酸化クロム等が使用できる。
フェライトとしては、ここでは鉄を含有する磁性酸化物
を総称しており、MO・Fe2O3(Mは2価の金属)の化学
式で示されるスピネル型フェライトに限定しない。フェ
ライトは含有金属成分の組成を変えることにより種々の
磁気特性が得られるために、本発明の目的に合ったキャ
リアを得るのに特に好ましい。また、フェライトは酸化
物であるため、その比重が鉄粉やニッケル粉等の金属粉
より小さくて軽量であるから、トナーとの混合、撹拌が
容易になり、均一なトナー濃度や帯電量を実現する上で
好適である。しかも、フェライトは、鉄粉、ニッケル
粉、コバルト粉等に比べて電気抵抗が大きいため(108
〜1012Ωcm)、表面の樹脂絶縁層の膜厚を0.5μm程度
の薄膜としても、現像ギャップに高いバイアス電界が印
加される現像方法に十分使用可能な絶縁性キャリアを実
現できるという長所を有する。
前記フェライトは、外部磁場1000Oe下における飽和磁化
が10〜40emu/g、保磁力が0.1〜100Oeであることが好ま
しく、また抵抗率が1×106〜1×1011Ωcm、比重が4.0
〜5.5、空隙率が1.0〜10%が好ましい。
本発明に使用される樹脂被覆キャリアの製造方法は、被
覆樹脂及び必要に応じて加えられる他の樹脂成分を有機
溶剤に溶解して被覆液を調整し、例えばスプレードライ
法によりキャリア表面に被覆層を形成することができ
る。あるいは、例えば流動化ベッド装置において、上昇
する加圧ガス流によりキャリアの磁性体粒子を平衡の高
さまで上昇せしめ、次に前記磁性体粒子が再び落下する
時までに前記被覆液をスプレー塗布する。この塗布をく
り返し行ない、被覆層を形成することができる。
本発明において、さらに好ましい画像を得るために、ト
ナー粒径(体積平均)は20μm未満、特に15〜1μmの
範囲であることが望ましい。
15μmを超える場合高解像力ですぐれた階調再現性が得
られにくく、特に20μm以上で細字の解像力が低下す
る。又、1μm未満では、かぶり、トナーの飛散が発生
して鮮明な画像が得られない。
本発明における樹脂被覆キャリアは、解像力や階調再現
性を向上させるため、好ましくは球状であり、体積平均
粒径が200μm以下、特に5μm以上100μm以下のもの
が好適である。ここでキャリア粒子径が100μm、特に2
00μmを超えると現像性が悪くなり、画質が低下する。
又5μm未満だと現像剤の現像性、摩擦帯電性、流動性
等が悪くなり、かつキャリア飛散が生じ易くなる。
また、バイアス電圧によって電荷が注入されて感光体面
にキャリアが付着したり、潜像を形成する電荷が消失し
たりするのを防ぐため、キャリアの抵抗は108Ωcm以
上、好ましくは1013Ω以上、さらに好ましくは1014Ωcm
の絶縁性のものがよい。
なお、本発明でいうトナー及びキャリアの粒径、又は平
均粒径は体積平均粒径を意味し、該トナーの体積平均粒
径はコールタカウンタ(コールタ社製)で測定された値
であり、キャリア粒子の体積平均粒径は、顕微鏡により
各粒子の粒径を実測して求められた値である。
また、粒子の固有抵抗(抵抗率)は、粒子を0.50cm2
断面積を有する容器に入れてタッピングした後、詰めら
れた粒子上に1kg/cm2の加重をかけて厚さを1mm程度と
し、加重と底面電極との間に102〜10V5/cmの電界を発生
させてそのとき流れる電流値から求められる。
上述のトナーとキャリアの混合比は、トナー濃度(現像
剤に占めるトナーの重量比)1〜40wt%、好ましくは1.
5〜25wt%に設定するのが適当である。
本明細書において、軟化点とは降下式フローテスタ「CF
T−500型」(島津製作所製)を用いて、測定条件を荷重
20kg/cm2、ノズルの直径1mm、ノズルの流さ1mm、予備加
熱80℃で10分間、昇温速度6℃/分とし、サンプル量1c
m3(真性比重×1cm3で表わされる重量)として測定記録
したとき、フローテスタのブランジャー降下量−温度曲
線(軟化流動曲線)におけるS字曲線の高さをhとする
とき、h/2のときの温度をいう。
またガラス転移点とは、示差走査熱量計「定温DSC」
(理想電気社製)を用い、昇温速度10℃/分で測定した
際に、ガラス転移領域におけるDSCサーモグラムのガラ
ス転移点以下のベースラインの延長線と、ピークの立上
がり部分からピークの頂点までの間で最大傾斜を示す接
線との交点の温度をガラス転移点と定めたときの値をい
う。
重合体における数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwの
値は種々の方法によって測定することができ、測定方法
によって若干の変動がある。
本明細書においては、Mn及びMwを下記の測定法によって
得られる値と定義する。
すなわち、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィ
(GPC)によっては以下に記す条件で重量平均分子量Mw
及び数平均分子量Mnを測定する。温度40℃において、溶
媒(テトラヒドロフラン)を毎分1.2mlの流速で流し、
濃度0.2g/20mlのテトラヒドロフラン試料溶液を試料重
量として3mg注入し測定を行う。試料の分子量測定にあ
たって、は当該試料の有する分子量が数種の単分散ポリ
スチレン標準試料により作成された検量線の分子量の対
数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条
件を選択する。
なお、測定結果の信頼性は、上述の測定条件で行ったNB
S706ポリスチレン標準試料が、 重量平均分子量Mw=28.8×104 数平均分子量 Mn=13.7×104 となることにより確認することができる。
また、用いるGPCのカラムとしては、前記条件を満足す
るものであるならばいかなるカラムを採用してもよい。
具体的には、例えばTSK−GEL、GMH6(東洋曹達社製)等
を用いることができる。
〔実施例〕
次に具体的に本発明の実施事例を挙げて説明する。
(樹脂の合成) 合成例−1 温度計、攪拌器、窒素ガス導入管及び流下式コンデンサ
を備えた容量3のセパラブルフラスコにトルエン500m
lを入れ、ガス導入管より窒素ガスを導入して内部を不
活性雰囲気とした後、油浴にて、加熱しトルエンの環流
温度にした。次いでスチレン210g、n−ブチルアクリレ
ート60g、メチルメタクリレート30g、ベンゾイルパーオ
キサイド0.9gからなる溶液をフラスコ内に入れ、還流温
度にて14時間反応することにより高分子量重合体を得
た。
次に前記高分子量重合体溶液を有するフラスコ内にスチ
レン487g、α−メチルスチレン35g、n−ブチルアクリ
レート105g、モノアクリロイルオキシエチルサクシネー
ト73kg、およびベンゾイルパーオキサイト42gの溶液を
滴下しながら重合反応を行った。前記溶液を滴下した
後、更に4時間重合反応を行ない低分子量重合体を得
た。
次に、前記高分子量重合体と低分子量重合体からなる溶
液を有するフラスコ内に酸化亜鉛8gを添加し、還流温度
にて攪拌しながら2時間反応を行なった。
反応終了後減圧下において、トルエン溶媒を溜去し、カ
ルボキシ基と金属化合物を反応させ本発明の樹脂Aを得
た。
この樹脂Aをゲル パーミエーション クロマトグラフ
ィ(HLC−802UR.GMH6カラム、東洋曹達(株)製)にて
分子量分布を測定したところ7.5×103と2.8×105とに極
大値を有している双峰分布であった。また重量平均分子
量(Mw)は12.0万Mw/Mnは17.1であった。
合成例−2 高分子量重合体成分としてスチレン180g、n−ブチルア
クリレート30g、n−ブチルメタクリレート60g、メチル
メタクリレート30g、アゾビスイソブチロニトリル1.5g
を、低分子量重合体組成分としてスチレン372g、α−メ
チルスチレン70g、n−ブチルアクリレート70g、n−ブ
チルメタクリレート70g、メチルメタクリレート70g、モ
ノアクリロイルオキシエチルイソフタレート48gを金属
化合物として酢酸亜鉛22.4gを使用した他は合成例−1
同様にして樹脂Bを得た。
この樹脂Bは1.2×104と2.4×105に分子量分布の極大値
を有し、Mw115,000、Mw/Mn=9.5であった。
合成例−3 高分子量重合体成分としてスチレン150g、2−エチルヘ
キシルアクリレート50g、ベンゾイルパーオキサイド0.4
gを、低分子量重合体成分としてスチレン52g、α−メチ
ルスチレン40g、2−エチルヘキシルアクリレート120
g、モノアクリロイルオキシプロピルサクシネート80g、
ベンゾイルパーオキサイド40gを、金属化合物として酸
化マグネシウム13gを用いた他は合成例−1と同様にし
て樹脂Cを得た。
樹脂−Cの分子量分布における極大値は9.2×103と3.9
×105であり、また重量平均分子量(Mw)は102,000、Mw
/Mnは12.5であった。
合成例−4 高分子量重合体成分としてスチレン195g、n−ブチルメ
タクリレート175g、メチルメタクリレート40g、ベンゾ
イルパーオキサイド2.0gを、低分子量重合体成分として
スチレン215g、α−メチルスチレン70g、n−ブチルメ
タクリレート210g、メチルメタクリレート70g、モノア
クリロイルオキシプロピルイソフタレート40g、ベンゾ
イルパーオキサイド36gを、金属化合物として、酢酸亜
鉛20gを用いた他は合成例−1と同様にして樹脂Dを得
た。樹脂Dの分子量分布における分子量の極大値は3.8
×103と1.8×105であった。またMw96,000、Mw/Mnは13.7
であった。
合成例−5 高分子量重合体成分としてスチレン130g、2−エチルヘ
キシルアクリレート50g、メチルメタクリレート20g、ベ
ンゾイルパーオキサイド0.4gを、低分子量重合体成分と
してスチレン520g、α−メチルスチレン40g、2−エチ
ルヘキシルアクリレート120g、メチルメタクリレート80
g、モノアクリロイルオキシエチルサクシネート40g、ベ
ンゾイルパーオキサイド40gを、金属化合物として酸化
亜鉛4.0gを、用いた他は合成例−1と同様にして樹脂E
を得た。樹脂−Eの分子量分布における分子量の極大値
は8.5×103と4.6×105であり、またMwは134,000、Mw/Mn
は16.3であった。
合成例−6 高分子量重合体成分としてスチレン180g、n−ブチルア
クリレート60g、メチルメタクリレート30g、ベンゾイル
パーオキサイド0.9g、モノアクリロイルオキシエチルサ
クシネート30gを、低分子量重合体成分としてスチレン4
87g、α−メチルスチレン35g、n−ブチルアクリレート
105g、モノアクリロイルオキシエチルサクシネート73
g、ベンゾイルパーオキサイド35gを、金属化合物とし
て、酸化亜鉛を7.3gを用いる他は合成例−1と同様にし
て樹脂Fを得た。
樹脂−Fの分子量の極大値は6.4×103と3.3×105にあ
り、またMwは126,000、Mnは20.1であった。
(比較用樹脂の合成) 比較合成例−1 合成例−1において酸化亜鉛8gを削除した他は合成例−
1と同様にして樹脂Gを得た。
樹脂Gの極大値は7.1×103と2.8×105にあり、Mwは118,
000、Mw/Mnは18.1であった。
比較合成例−2 2セパラブルフラスコにトルエン400gを入れ、空気を
窒素ガスにて置換した後、この系をトルエンの沸点まで
加温し攪拌しながらスチレン750g、アクリル酸−n−ブ
チル200g、こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエス
テル50g及び重合開始剤として過酸化ベンゾイルイ10gを
溶解した混合物を2.5時間かけて滴下しながら溶液重合
を行なった。
前記混合物の滴下終了後さらにトルエンの沸点温度にて
攪拌しながら1時間熟成し、酸化亜鉛14.1gを投入し
た。
次にさらに系の温度を180℃まで徐々に上げながら減圧
下にトルエンを脱溶剤して、スチレン−アクリル酸−n
−ブチル−こはく酸モノアクリロイルオキシエチルエス
テル共重合体と酸化亜鉛との反応重合体である樹脂Hを
得た。
比較合成例−3 キシレン90g、をセパラブルフラスコに入れ、さらに、
スチレン75g、アクリル酸ブチル20g、マレイン酸モノブ
チル5g、ジビニルベンゼン0.5gを加え、気相を窒素ガス
で置換した後80℃に保ち、キシレン10gに過酸化ベンゾ
イル1.2gを溶解したものを添加し、10時間攪拌を続け
た。その後、95℃まで昇温して3時間保ち、重合を完結
した。冷却後、多量のメタノール中に重合溶液を注いで
沈澱物を濾別し、50℃で充分乾燥した。ここに得られた
樹脂IのMw/Mnは27で、Mwは233,000であった。
(トナーの作製) 前記合成例−1〜合成例−6で得た樹脂A〜Fをそれぞ
れ100重量部、カーボンブラック(「モーガルL」,キ
ャボット社製)10重量部、ポリプロピレン(ビスコール
660P,三洋化成工業(株)社製)2重量部およびWax−E
(ヘキスト社製)2重量部をヘンシエルミキサにて混合
し、次に2本ロールにて130℃の温度で十分熔融混練し
た後放冷し、粗粉砕したのち、ジェットミルにて粉砕
し、分級し、体積平均粒径11.0μmの本発明に係るトナ
ー1〜6を得た。
(比較トナーの作製) 比較トナー(1) 樹脂G 100重量部、カーボンブラック(「モーガル
L」,キャボット社製)10重量部の混合物を用いた他は
前記トナー1と同様に行ない比較トナー(1)を得た。
比較トナー(2) 樹脂H 100重量部とカーボンブラック(ダイヤブラックS
H:三菱化成社製)5重量部と熔融混練し冷却後洗粉砕
し、更にジェットミルで微粉砕して約13〜15ミクロンの
平均粒径を有する比較トナー(2)を作成した。
比較トナー(3) 樹脂I 100重量部、ジ−t−ブチルサリチル酸の亜鉛塩
5重量部、カーボンブラック8重量部、金属塩染料(商
品名:サポンファーストブラックB,C.I.Acod Black,BA
SF社製)4重量部を小型加圧ニーダにて充分溶融混練し
た。冷却後、微粉砕し、約5〜20μの粒子を選んで比較
トナー(3)とした。
(樹脂被覆キャリアの作製) キャリアa: スチレンとメチルメタクリレートとの単量体組成比が4
0:60のスチレン−メチルメタクリレート共重合体(Mw:8
2,000、Mn:25,000、Tg:105℃)をメチルエチルケトン30
0mlに溶解して被覆液を調製し、この被覆液により銅−
亜鉛フェライト粒子をスピラコータ(岡田精工社製)を
用いて被覆し、膜厚1.0μmの被覆層を有するキャリア
を製造した。これを「キャリアa」とする。このキャリ
アaの体積平均粒径は100μ、磁化は28emu/g、固有抵抗
は1014Ωcm以上であった。
キャリアb: キャリアaにおける被覆液を調製するために用いた共重
合体のかわりに、スチレンとメチルメタクリレートとの
単量体組成比が60:40のスチレン−メチルメタクリレー
ト共重合体(Mw73,000、Mn:24,000、Tg:98℃)を用いた
ほかは、キャリアaと同様にして被覆層の0.8μmの平
均膜厚を有するキャリアを製造した。これを「キャリア
b」とする。このキャリアの体積平均粒径は100μ、磁
化30emu/g固有抵抗は1014Ωcm以上であった。
キャリアc: キャリアaに用いた共重合体のかわりに、スチレンとn
−ブチルアクリレートとの単量体組成比が90:10のスチ
レン−n−ブチルアクリレート共重合体(Mw:93,000、M
n:37,000、Tg:76℃)を用いたほかは、キャリアaと同
様にして、「キャリアc」を製造した。体積平均粒径は
100μ、磁化は26emu/gであった。
比較キャリア(a): キャリアaにおいて用いた銅−亜鉛フェライト粒子であ
って樹脂被覆層を有しないものを「比較キャリア
(a)」とした。
比較キャリア(b): 鉄粉粒子であるEFV250/400(日本鉄粉社製)を比較キャ
リアbとした。
(現像剤の調整) 実施例−1 トナー1 49.75重量部と疎水性シリカ(アエロジルR−9
72,アエロジル社製)0.25重量部を混合した後、キャリ
アaの950重量部と共に混合して、本発明の現像剤−1
を得た。
上記の現像剤−1を用いて電子写真複写機「U−Bix500
0」(小西六写真工業社製)により静電像の形成および
現像を行ない、得られたトナー像を転写紙上に転写した
うえ加熱ローラ定着器により定着して複写画像を形成す
る実写テストを行ない、下記の方法により最低定着温度
(定着可能な加熱ローラの最低温度)及びオフセット発
生温度(オフセット現象が生ずる最低温度)を測定し
た。
最低定着温度: 上記複写機にて未定着画像を作成した後、、表層がテフ
ロン(デュポン社製ポリテトラフルオロエチレン)で形
成された直径50φの熱ローラと、表層がシリコーンゴム
「KE−1300RTV」(信越化学工業社製)で形成された圧
着ローラとよりなる定着器により、64g/m2の転写紙に転
写せしめた試料トナーによるトナー像を線速度200mm/
秒、線圧0.8kg/cm、ニップ幅8mmで定着せしめる操作を
熱ローラの設定温度を100〜240℃の範囲内で5℃づつ段
階的に高くして各温度において繰り返し、形成された定
着画像に対してキムワイプ摺擦を施し、十分な耐摺擦性
を定着画像に係る最低の設定温度をもって最低定着温度
とした。なおここに用いた定着液はシリコーンオイルイ
供給機構を有さぬものである。
オフセット発生温度: オフセット発生温度の測定は、最低定着温度の測定に準
ずるか、上記複写機にて未定着画像を作成した後、トナ
ー像を転写して上述の定着器により定着処理を行い、次
いで白紙の転写紙を同様の条件下で定着器に送ってこれ
にトナー汚れが生ずるか否かを目視観察する操作を、前
記定着器の熱ローラの設定温度を順次上昇させた状態で
繰り返し、トナーによる汚れの生じた最低の設定温度を
もってオフセット発生温度とした。
更に上記トナーについて、耐ブロッキング性を次のよう
にして測定した。
耐ブロッキング性: 耐ブロッキング性テストは、温度55℃、相対湿度60%の
環境条件下に1日間報知して凝集塊が生ずるか否かによ
って調べた。
次に上記現像剤を用いて、常温常湿(20℃,60%RH)及
び高温多湿(30℃,80%RH)の環境条件下において10万
枚に亘る複写テストを行ない、下記の評価を行なった。
画質: 10万回の現像プロセスの始期および終期における複写画
像の鮮明さを調べた。
耐フィルミング性: 耐フィルミング性は、10万回の現像プロセスの始期およ
び終期におけるキャリアの表面感光体の表面及びクリー
ニングブレートを電子顕微鏡で、もしくは目視にて観察
し、付着物の有無を調べた。
結果は第1表に示したとおりである。表中、画質につい
て「良好」は画像が鮮明であることを表わし、「不良」
はカブリが多くて不鮮明であることを表わす。
かぶり: 原稿濃度0.0の白地部分の現像画像に対する相対濃度に
よって示した(白地反射濃度を0.0とした)。
○ 0.01未満 △ 0.01〜0.03未満 × 0.03以上 クリーニング性: クリーニング性は、クリーニング部材により感光体表面
をクリーニングした後の感光体表面を観察し、付着物の
有無により判定した。
結果は第1表に示した。
実施例2〜6 実施例−1と同様にトナー2〜6と疎水性シリカを混合
した後、キャリアと混合して現像剤−2〜6を得、実施
例−1と同様にしてテストを行なった。結果は下記第1
表に示した。
比較例−1 比較トナー(1)5重量部と比較キャリア(a)95重量
部を混合し比較現像剤−(1)を得た。
この比較現像剤(1)を用いて実施例−1と同様にして
テストした。結果は第1表に併示した。
比較例−2 比較トナー(2)を4重量部と鉄粉の比較キャリア
(b)96重量部を混合して比較現像剤−(2)を調製
し、実施例−1と同様にしてテストした。
結果は第1表に併示した。
比較例−3 比較トナー(3)10重量部、比較キャリア(b)90重量
部を混合して比較現像剤−(3)とし、実施例−1と同
様のテストを行なった。結果は第1表に併示した。
第1表に示すように本発明の現像剤1〜6においては、
低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性に優
れ、定着可能範囲が広く、また、常温常湿及び高温多湿
の環境条件下においても、かぶりが発生せず、クリーニ
ング性も良好であり、キャリア、感光体表面クリーニン
グブレードへの融着もなく、摩擦帯電性に優れ、長期管
安定で鮮明な画像の得られる耐久性、耐温湿度性に優れ
るものである。
これに対し、比較現像剤−(1)においては低温定着性
に劣り、もろい低分子量成分のために、キャリア等の汚
染により、耐久性に劣るもので、特に高温多湿条件下に
おいては、フィルミングの発生により、耐久性に劣るも
のであった。また比較現像剤−(2)においては、低温
定着性に劣るのみならず耐久性にも劣り、特に高温高湿
条件下においては、フィルミング等の発生により、摩擦
帯電性の不安定化、クリーニング不良を発生し、不鮮明
な画像しか得られない耐久性、耐温湿度性に劣るもので
あった。
また、比較現像剤−(3)においては、低温定着性、耐
オフセット性に劣り、更に金属による架橋反応が良好に
進行していないと思われ、フィルミング性が悪く耐久性
に劣るものであり、特に高温多湿条件下においては、フ
ィルミングの発生、クリーニング不良の発生等、摩擦帯
電の不安定化のため不鮮明な画像となり、耐久性、耐温
湿度性に劣るものであった。
〔発明の効果〕
電子写真法による複写が、多数枚化しまた自動化、無人
化され、従って迅速化及び複写画質の保証、信頼性への
強い要望があり、本発明はその対応へ1段の進歩を与え
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−110156(JP,A) 特開 昭61−110155(JP,A) 特開 昭57−178250(JP,A) 特開 昭56−158340(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体成分中に存在するカルボキシ基と多
    価金属化合物とを反応させて得られる樹脂を主成分樹脂
    とするトナー粒子(A)と フェライト粒子表面を樹脂で被覆した樹脂被覆キャリア
    粒子(B)とを含有する静電荷潜像現像剤において、 前記トナー粒子の主成分が低分子量重合体成分と高分子
    量重合体成分の少なくとも2群の分子量分布を有し、該
    分子量分布において、 前記低分子量重合体成分の極大値が1×103〜2×104
    あり、 前記高分子量重合体成分の極大値が1×105〜2×106
    あり、 前記主成分樹脂が、 (a)スチレン系単量体、 (b)アクリル酸エステル系単量体、及び (c)下記一般式(A)で示される単量体 から得られる重合体と多価金属化合物とを反応させて得
    られる重合体であり、 前記樹脂被覆キャリア粒子(B)の樹脂が、スチレン系
    単量体とアクリル酸エステル系単量体の重合組成比が9:
    1〜1:9、スチレン系単量体とメタクリル酸エステル系単
    量体の重合組成比が9:1〜1:9、又はスチレン系単量体と
    アクリル酸エステル系単量体及びメタクリル酸エステル
    系単量体の重合組成比が9:1〜1:9である共重合体である
    ことを特徴とする静電荷潜像現像剤。 一般式(A) (式中、R1はHまたはCH3、Lは分子鎖中にエステル結
    合を有する炭素原子数3以上の2価の連結基を表し、置
    換基を有しても良い。)
  2. 【請求項2】前記多価金属化合物が亜鉛族金属化合物ま
    たはアルカリ土類金属化合物であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の静電荷潜像現像剤。
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JP2789246B2 (ja) * 1989-12-26 1998-08-20 キヤノン株式会社 二成分現像剤及び画像形成方法
DE69126415T2 (de) * 1990-12-25 1997-10-30 Canon Kk Toner zur Entwicklung elektrostatischer Bilder, Bildfixierverfahren, Bildherstellungsapparat und Harzzusammensetzung

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