JP3344518B2 - 耐経時密着性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐経時密着性および耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に建材、家電等に使
用する際に問題となる耐経時密着性および耐黒変性を改
善した溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年ニーズの多様化および高級化に伴っ
て表面処理鋼板も多くの製品が開発されている。このう
ち溶融亜鉛めっき鋼板は、犠牲防食能をもつ表面処理鋼
板として広範囲に使用されている。ところで一般的な溶
融亜鉛めっき鋼板は、通常めっき層の密着性を損なうFe
−Zn合金が形成されないように、めっき浴中にAlを0.05
〜0.3wt %、スパングル調整のためにPbを0.01〜0.3wt
%添加している。しかし、このような溶融亜鉛めっき鋼
板をコイル状態で長期に保管したり、室内等の高温多湿
環境中で使用した場合、めっき層が粒界腐食に起因して
経時的に剥離したり、めっき表面の光沢がなくなり局所
的に黒く変色する現象(以下黒変と称す)が発生し、商
品価値を失うことが多い。
【0003】そこで、このような経時的なめっき密着性
劣化や黒変の発生を防止するいくつかの対策事例が開示
されている。例えば、前者の経時的なめっき密着性劣化
防止については特開昭62−89856 号公報および特開昭57
−26155 号公報に見られるようにめっき密着性に有害な
亜鉛めっき浴中のPbを除くかあるいは添加量を下げて代
わりにSbを添加する方法、また特開昭56−105447号公報
では亜鉛めっき浴に、MgとCuまたはSbの一種を添加する
方法等が開示されている。しかし、これらのSb、Mg、Cu
等の添加は、添加量が多い場合に始めてめっき密着性劣
化防止に効果があるので、コスト的に不利であり、また
スパングルが不均一で美麗なめっき外観が得られにくい
等の欠点がある。しかもめっきの黒変防止には何らかの
改善効果を示すものではない。
【0004】黒変防止に関してはめっき直後に金属の水
酸化物を塗布する方法が特開昭63−65088 号公報に、弱
反応型クロメート処理液で処理する方法が鉄と鋼、72
(1986)13、S1307等に開示されているが、本発明者ら
が詳細に調査したところいずれもその効果は十分である
とはいえず、また経時的なめっき密着性劣化防止効果を
示すものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐経
時密着性および耐黒変性を同時に飛躍的に改善した溶融
亜鉛めっき鋼板の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】一般的に使用されている
Al−Pb−Znめっき浴で製造した溶融亜鉛めっき鋼板は、
めっき層中のAl、Pbに起因して耐経時密着性および耐黒
変性が劣るので、本発明者らは浴組成およびめっき後の
後処理について検討した結果、Al:0.06〜0.20wt%、P
b:0.001 〜0.01wt%を含有した亜鉛めっき浴中でめっ
きし、続いてめっき層を再溶融した後、直ちに20℃/s
以上の冷却速度で急冷することによって得た溶融亜鉛め
っき鋼板は耐経時密着性に優れ、また耐黒変性が著しく
優れていることを見いだした。
【0007】すなわち、本発明は、Al:0.06〜0.20wt
%、Pb:0.001 〜0.01wt%を含有し、残部がZnおよび不
可避的不純物よりなるめっき層を有する溶融Znめっき鋼
板のめっき層を再溶融した後、直ちに20℃/s以上の冷
却速度で急冷することを特徴とする耐経時密着性および
耐黒変性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であ
る。
【0008】
【作用】以下に本発明を具体的に説明する。まず、めっ
き層中Al、Pb含有量を上記の範囲に限定した理由につい
て述べる。めっき層中Alは0.06〜0.20wt%に限定され
る。Alが0.06wt%未満では亜鉛めっき時にAl富化層の形
成が不十分となり、局所的にFe−Zn合金層が形成してめ
っき密着性が著しく低下し、逆にAlが0.20wt%超ではめ
っき密着性は優れているが、黒変が促進されるので上限
は0.20wt%とした。
【0009】めっき層中Pbは0.001 〜0.01wt%に限定さ
れる。本発明者らは溶融亜鉛めっき鋼板の経時的なめっ
き密着性劣化および黒変現象に及ぼすAl、Pbの影響を詳
細に調査したところ、浴中Al、Pbの添加量が増すにつれ
経時的に劣化し、黒変しやすくなるが、耐経時密着性お
よび耐黒変性に及ばす影響はPbの方が大きいことがわか
った。このことから、浴中Pbはできるだけ低い方が望ま
しいが、0.001 wt%未満ではめっきの濡れ性が低下し、
不めっきが発生してめっき品質を損ない望ましくない。
一方0.01wt%超のPbでは経時的な密着性劣化や黒変が著
しく発生しやすいので望ましくない。したがって、本発
明では不めっきが発生せず、しかも耐経時密着性、耐黒
変性を劣化させないPbの含有範囲として0.001 〜0.01wt
%に限定したものである。
【0010】そしてこれらのAl、Pbの含有量を限定する
と共にめっき後、溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層を再溶
融した後、直ちに20℃/s以上の冷却速度で急冷するこ
とが必要である。めっき層を再溶融し、直ちに急冷する
のは以下の理由による。本発明者らは、市販されている
溶融亜鉛めっき鋼板のめっき層を調査したところ、めっ
き層中Alは約0.25wt%、Pbは約0.05wt%を示し、めっき
層中AlはAl富化層を形成する他に、η層の比較的最表面
に、Pbはめっき層界面であるAl富化層近傍やめっき層表
面の粒界および高指数面〔ここではX線回折による配向
性調査で(001 )面からのずれ角度が約5度以上のもの
を高指数面、それ以下を低指数面と定義した〕に多く偏
析していることが分かった。黒変現象はめっき層中に存
在するAl、Pbがめっき表面、粒界に拡散、濃化する際に
Znの酸化を促進するために起きること、また、経時的な
密着性劣化は粒界および高指数面に偏析したPbがZnに対
し局部電池を形成して粒界腐食が進行し、めっき素地で
ある鋼板界面にまで到達し、Al富化層の優先酸化によっ
てめっき層の剥離が生じることを見出した。すなわち、
溶融亜鉛めっき層中のAl、Pbはめっき素地である鋼板界
面やめっき表面の粒界および高指数面に存在し、これら
の濃化偏析が起点となって、局所的に腐食が進行して黒
変や経時的な密着性劣化が発生するものと考えられた。
【0011】そこで本発明者らはAl、Pbの粒界偏析を抑
制し、Al、Pbの濃化偏析しにくい低指数面とすることを
目的に、めっき層中Al、Pbを上記に示した範囲に規制す
ると共に、めっき後再溶融し、直ちに20℃/s以上の冷
却速度で急冷すればよいことを見出した。再溶融温度は
めっき表面が再溶融するZnの融点以上であればよく、ま
た冷却速度を20℃/s以上としたのはこの冷却速度未満
では高指数面が多く存在し、結果的にAl、Pbが偏析、濃
化しやすいからである。このようなめっき層組成、後処
理技術で溶融亜鉛めっき鋼板を製造するに当たって、そ
の他の条件は通常の溶融亜鉛めっき鋼板の製造条件に従
って製造が可能である。すなわち、溶融Znめっき時の浴
温は430 〜500 ℃、侵入板温は浴温±20℃の範囲が望ま
しい。
【0012】
【実施例】
(実施例1)Al:0.15wt%、Pb: 0.005wt%添加した浴
温 470℃の亜鉛めっき浴で、厚み0.7mm 、幅1250mmのコ
イルを70mpm のラインスピードで浴通板させて目付量約
80g/m2 の溶融亜鉛めっき鋼板を得た。この溶融亜鉛
めっき鋼板を、430 ℃で10s再溶融させ直ちに30℃/s
で急冷した。この亜鉛めっき鋼板を2枚密着合わせにし
て70℃、相対湿度95%の雰囲気中で黒変および経時的な
密着性促進試験をした。
【0013】比較材としてAl:0.15wt%、Pb:0.04wt%
含有する亜鉛めっき浴で同じめっき条件でめっきした溶
融亜鉛めっき鋼板を促進試験に供した。比較材は、促進
試験前はめっき層の亀裂、剥離がなかったが、促進試験
20h後には全面黒変し、10日後には180 度密着曲げ試験
でめっき層がほとんど剥離した。それに対し、本発明法
で製造された材料は黒変、経時的な密着性劣化が見られ
なかった。
【0014】なお、めっき層中のAl含有量は0.17wt%、
Pb含有量は 0.005wt%であった。 (実施例2)Al、Pbの添加量を種々変えた亜鉛めっき浴
で他のめっき条件は実施例1に準じて目付量約80g/m
2 にめっきした。めっき鋼板の耐黒変性および耐経時め
っき密着性を調査した結果を表1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】なお、黒変促進試験および経時密着性促進
試験とその評価は次のようにした。 (黒変促進試験)種々のめっき条件でめっきした板を70
℃、95%相対湿度中で10h、20h黒変促進試験後色差計
で黒変促進試験前後のめっき表面の明度変化(ΔL)を
測定した。
【0017】◎:ΔL=0 異変なし ○:ΔL=1−2 淡く灰黒色化 △:ΔL=3−5 わずかに黒変(20%) ×:ΔL=6−10 黒変50%以上 ※:ΔL=11以上 全面黒変 (経時密着性促進試験)めっき板を70℃、95%相対湿度
中で10日、20日放置後180 度密着曲げ試験後曲げ部の亀
裂、剥離程度を目視観察した。
【0018】◎:めっき層変化無 ○:亀裂わずかに発生 △:亀裂多し ×:めっき層一部剥離 ※:全面剥離
【0019】
【発明の効果】本発明は、亜鉛めっき層中のAl、Pb添加
量を限定し、めっき後の再溶融および冷却速度をコント
ロールすることによって、溶融亜鉛めっき鋼板の耐経時
密着性および耐黒変性を改善した。これにより溶融亜鉛
めっき鋼板の特に建材、家電部品へのより一層の使用増
大が期待できる。
フロントページの続き (72)発明者 望月 一雄 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 鉄鋼開発・生産本部 鉄 鋼研究所内 (56)参考文献 特開 平2−85347(JP,A) 特開 平6−256857(JP,A) 特開 昭62−149861(JP,A) 特開 昭57−126977(JP,A) 特公 昭35−15673(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Al:0.06〜0.20wt%、Pb:0.001 〜0.01
    wt%を含有し、残部がZnおよび不可避的不純物よりなる
    めっき層を有する溶融Znめっき鋼板のめっき層を再溶融
    した後、直ちに20℃/s以上の冷却速度で急冷すること
    を特徴とする耐経時密着性および耐黒変性に優れた溶融
    亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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