JPH0761837A - 低膨張結晶化ガラス装飾用組成物及びこれを用いて装飾した低膨張結晶化ガラス板 - Google Patents

低膨張結晶化ガラス装飾用組成物及びこれを用いて装飾した低膨張結晶化ガラス板

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JPH0761837A
JPH0761837A JP22214793A JP22214793A JPH0761837A JP H0761837 A JPH0761837 A JP H0761837A JP 22214793 A JP22214793 A JP 22214793A JP 22214793 A JP22214793 A JP 22214793A JP H0761837 A JPH0761837 A JP H0761837A
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JP
Japan
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glass
crystallized glass
weight
coefficient
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JP22214793A
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Kiyoshi Kataki
清 片木
Makoto Matsumoto
誠 松本
Masayuki Ninomiya
正幸 二宮
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性に優れた低膨張結晶化ガラス装飾用
組成物を提供する。 【構成】 ガラス粉末55〜95重量部と、耐火性フィ
ラー0.1〜20重量部と、耐熱性顔料3〜25重量部
とからなり、該ガラス粉末が、重量百分率でSiO2
0〜75%、Al23 0.5〜15%、B23 5〜
30%、BaO0〜7%、Li2 O 0〜2%、Na2
O 0〜5%、K2 O 0〜4%、F20〜2%からな
り、且つ、該耐火性フィラーが、ジルコン及びジルコニ
アから選ばれる1種以上であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低膨張結晶化ガラス装飾
用組成物に関し、特に調理器用トッププレート等の厨房
器具に利用される低膨張結晶化ガラスの装飾用組成物に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】調理器用トッププレート等の厨房器具と
して、30〜750℃における熱膨張係数が約20×1
-7/℃以下であるような低膨張結晶化ガラスが使用さ
れているが、その表面を絵付けする場合は、低膨張ガラ
ス粉末と耐熱性顔料とからなる装飾用組成物が用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この装飾用組成物に要
求される主な特性としては、結晶化ガラスと適合するよ
うな熱膨張係数を示すこと、PbO等の有毒な成分を含
まないこと、800〜850℃程度で熱処理できるこ
と、熱処理時に適度な流動性を示すこと、光沢があるこ
と、耐摩耗性が高いこと等である。
【0004】このような装飾用組成物として、従来より
種々のものが提案されている。しかしながら、従来の装
飾用組成物の中で上記特性の全てを満足させるものはな
く、特に耐摩耗性の点について十分に満足させるものは
存在しないのが現状である。
【0005】本発明の目的は、先記した要求特性を全て
満足させ、特に耐摩耗性に優れた低膨張結晶化ガラス装
飾用組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の実
験を行った結果、装飾用組成物にジルコン又はジルコニ
アを含有させることにより、耐摩耗性が改善されること
を見いだし、本発明として提案するものである。
【0007】即ち、本発明の低膨張結晶化ガラス装飾用
組成物は、ガラス粉末55〜95重量部と、耐火性フィ
ラー0.1〜20重量部と、耐熱性顔料3〜25重量部
とからなり、該ガラス粉末が、重量百分率でSiO2
0〜75%、Al23 0.5〜15%、B23 5〜
30%、BaO 0〜7%、Li2 O 0〜2%、Na
2 O 0〜5%、K2 O 0〜4%、F2 0〜2%から
なり、且つ、該耐火性フィラーが、ジルコン及びジルコ
ニアから選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の低膨張結晶化ガラス装飾用組成物にお
いて、使用するガラス粉末は、鉛等の有害物質を含有せ
ず、30〜380℃における熱膨張係数が約40〜50
×10-7/℃であり、また約650〜750℃の軟化点
を示すものである。
【0009】本発明において、ガラス粉末の組成を限定
した理由を以下に述べる。
【0010】SiO2 の含有量は50〜75%、好まし
くは55〜70%である。SiO2が50%より少ない
と熱膨張係数が大きくなり、低膨張結晶化ガラスとの膨
張差が大きくなり過ぎて、形成される装飾被膜にクラッ
クが発生し易くなる。また75%より多いとガラスの流
動性が悪くなって結晶化ガラスと強固に結合できず、絵
付け装飾が困難になる。
【0011】Al23 の含有量は0.5〜15%、好
ましくは0.7〜15%である。Al23 が0.5%
より少ない場合、及び15%より多い場合は何れもガラ
スの流動性が悪くなる。
【0012】B23 の含有量は5〜30%、好ましく
は7〜27%である。B23 が5%より少ないとガラ
スの流動性が悪くなり、30%より多いと熱膨張係数が
大きくなり過ぎる。
【0013】BaOは0〜7%、好ましくは0〜6%で
ある。BaOが7%より多いと熱膨張係数が大きくなり
過ぎる。
【0014】Li2 Oの含有量は0〜2%、好ましくは
0.1〜1.5%である。Li2 Oが2%より多いと熱
膨張係数が大きくなり過ぎる。
【0015】Na2 Oの含有量は0〜5%、好ましくは
0〜4%である、Na2 Oが5%より多いと熱膨張係数
が大きくなり過ぎる。
【0016】K2 Oの含有量は0〜4%、好ましくは0
〜3.5%である、K2 Oが4%より多いと熱膨張係数
が大きくなり過ぎる。
【0017】F2 の含有量は0〜2%、好ましくは0〜
1.5%である。F2 が2%より多いと流動性が不安定
になり、絵付け装飾を行い難くなる。
【0018】本発明において、耐火性フィラーは耐摩耗
性を向上させるために添加するものであり、ジルコン及
びジルコニアから選ばれる1種以上を使用する。
【0019】本発明において、使用する耐熱性顔料は特
に限定されず、例えば市販の陶磁器用顔料を使用するこ
とができる。
【0020】また本発明の装飾用組成物において、ガラ
ス粉末、耐火性フィラー、及び耐熱性顔料の混合割合を
上記のように限定した理由は次の通りである。ガラス粉
末が55重量部より少ないと流動性が不安定になって絵
付け装飾し難くなり、また95重量部より多いと流動し
過ぎて所望のパターンを得難くなる。耐火性フィラーが
0.1重量部より少ないと十分な耐摩耗性が得られず、
20重量部より多いと流動性が悪くなり、また耐摩耗性
も悪くなる。耐熱性顔料が3重量部より少ないと安定し
た色調が得られず25重量部より多いと流動性が悪くな
る。
【0021】なおこのような装飾用組成物は、30〜7
50℃における熱膨張係数が約30〜40×10-7/℃
であり、また約800〜850℃で熱処理することが可
能なものである。
【0022】次に本発明の装飾用組成物を用いて、低膨
張結晶化ガラスを絵付け装飾する方法を述べる。
【0023】まず、上記した割合になるように、ガラス
粉末、耐火性フィラー、耐熱性顔料を混合し、さらにエ
チルセルロース、酢酸エチル等の溶媒と混練してペース
ト状にする。
【0024】次にこのペーストをスクリーン印刷等の方
法を用いて低膨張結晶化ガラスの表面に塗布する。この
とき形成される装飾被膜の膜厚が1〜20μmとなるよ
うに塗布することが重要である。即ち、膜厚がこの範囲
から外れると、装飾被膜にクラックが発生し易くなるた
めである。
【0025】その後、800〜850℃程度の温度で熱
処理すると、ガラス、耐火性フィラー及び耐熱性顔料か
らなる装飾被膜が形成され、結晶化ガラス表面に絵付け
装飾が施される。
【0026】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明の低膨張結晶
化ガラス装飾用組成物を説明する。
【0027】表1は本発明の実施例(試料No.1〜
6)及び比較例(試料No.7)を示すものである。
【0028】各試料は次のようにして調製した。まず、
表中の組成になるように調合したガラス原料を1400
〜1500℃の温度で10〜15時間溶融し、フィルム
状に成形した後、ボールミルにて微粉砕し、平均粒径5
μmのガラス粉末を得た。さらにこのガラス粉末と、表
中に示した耐火性フィラーと、耐熱性顔料(日本フェロ
ー株式会社製NF−3129−P[ブラウン])とを混
合して試料を得た。
【0029】続いて、各試料とエチルセルロースとを重
量比で2:1の割合で混練してペースト状にし、これを
スクリーン印刷法を用いて低膨張結晶化ガラス板に塗布
した。なお結晶化ガラス板は、重量%でSiO2 67
%、Al23 23%、TiO2 2%、ZrO2 3%、
25 1%、Li2 O 4%の組成を有し、30〜7
50℃において約−3×10-7/℃の熱膨張係数を示す
透明な結晶化ガラスを使用した。
【0030】その後、800〜850℃で熱処理するこ
とによって低膨張結晶化ガラス板を絵付け装飾した。な
お表面に形成された装飾被膜の膜厚は、10〜15μm
であった。
【0031】次に、結晶化ガラス板上に形成された装飾
被膜の熱膨張係数、クラックの有無、光沢の有無、耐摩
耗性について評価した。結果を表1に示す。
【0032】表から明らかなように、実施例である試料
No.1〜6を用いて絵付け装飾したものは、30〜7
50℃における熱膨張係数が32〜36×10-7/℃で
あり、またクラックが認められず、光沢があり、しかも
良好な耐摩耗性を示した。これに対して、比較例である
試料No.7を用いたものは、熱膨張係数が39×10
-7/℃であり、またクラックがなく、光沢もあったが、
耐摩耗性が悪かった。
【0033】なお熱膨張係数は、各試料を角棒状にプレ
ス成形した後、850℃で焼成し、この焼成物を差動検
出式相対膨張計にて測定した。クラックの有無は、装飾
被膜表面を光学顕微鏡で観察して評価した。また耐摩耗
性は、#1000のサンドペーパー(100φ)を用い
て、装飾被膜の表面を荷重3kg、片道100mm/秒
の速度で1000回往復した後、被膜の変化を目視で判
定し、全く変化のないものを良、少しでも変化したもの
を不良とした。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の装飾用組
成物は、要求される全ての特性を満足し、特に耐摩耗性
に優れているため、低膨張結晶化ガラスの装飾用として
好適なものである。
【表1】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年9月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 低膨張結晶化ガラス装飾用組成物及び
これを用いて装飾した低膨張結晶化ガラス板
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低膨張結晶化ガラス装飾
用組成物とこれを用いて装飾した低膨張結晶化ガラス板
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】調理器用トッププレート等の厨房器具と
して、30〜750℃における熱膨張係数が約20×1
-7/℃以下であるような低膨張結晶化ガラスが使用さ
れているが、その表面を絵付けする場合は、低膨張ガラ
ス粉末と耐熱性顔料とからなる装飾用組成物が用いられ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この装飾用組成物に要
求される主な特性としては、結晶化ガラスと適合するよ
うな熱膨張係数を示すこと、PbO等の有毒な成分を含
まないこと、800〜850℃程度で熱処理できるこ
と、熱処理時に適度な流動性を示すこと、光沢があるこ
と、耐摩耗性が高いこと等である。
【0004】このような装飾用組成物として、従来より
種々のものが提案されている。しかしながら、従来の装
飾用組成物の中で上記特性の全てを満足させるものはな
く、特に耐摩耗性の点について十分に満足させるものは
存在しないのが現状である。
【0005】本発明の目的は、先記した要求特性を全て
満足させ、特に耐摩耗性に優れた低膨張結晶化ガラス装
飾用組成物と、これを用いて装飾した低膨張結晶化ガラ
ス板を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、種々の実
験を行った結果、装飾用組成物にジルコン又はジルコニ
アを含有させることにより、耐摩耗性が改善されること
を見いだし、本発明として提案するものである。
【0007】即ち、本発明の低膨張結晶化ガラス装飾用
組成物は、ガラス粉末55〜95重量部と耐火性フィラ
ー0.1〜20重量部と耐熱性顔料3〜25重量部とか
らなり、該ガラス粉末が重量百分率でSiO2 50〜7
5%、Al23 0.5〜15%、B23 5〜30
%、BaO 0〜7%、Li2 O 0〜2%、Na2
0〜5%、K2 O 0〜4%、F2 0〜2%からなり、
且つ、該耐火性フィラーがジルコン及びジルコニアから
選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【0008】また本発明の低膨張結晶化ガラス板は、低
膨張結晶化ガラスの表面にガラス成分55〜95重量部
と耐火性フィラー成分0.1〜20重量部と耐熱性顔料
成分3〜25重量部とからなる装飾被膜が形成されてな
り、該ガラス成分が重量百分率でSiO2 50〜75
%、Al23 0.5〜15%、B23 5〜30%、
BaO 0〜7%、Li2 O 0〜2%、Na2 O 0
〜5%、K2 O 0〜4%、F2 0〜2%からなり、且
つ、該耐火性フィラー成分がジルコン及びジルコニアか
ら選ばれる1種以上であることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明の低膨張結晶化ガラス装飾用組成物にお
いて、使用するガラス粉末は、鉛等の有害物質を含有せ
ず、30〜380℃における熱膨張係数が約30〜50
×10-7/℃であり、また約650〜750℃の軟化点
を示すものである。
【0010】本発明において、ガラス粉末の組成を限定
した理由を以下に述べる。
【0011】SiO2 の含有量は50〜75%、好まし
くは55〜70%である。SiO2が50%より少ない
と熱膨張係数が大きくなり、低膨張結晶化ガラスとの膨
張差が大きくなり過ぎて、形成される装飾被膜にクラッ
クが発生し易くなる。また75%より多いとガラスの流
動性が悪くなって結晶化ガラスと強固に結合できず、絵
付け装飾が困難になる。
【0012】Al23 の含有量は0.5〜15%、好
ましくは0.7〜15%である。Al23 が0.5%
より少ない場合、及び15%より多い場合は何れもガラ
スの流動性が悪くなる。
【0013】B23 の含有量は5〜30%、好ましく
は7〜27%である。B23 が5%より少ないとガラ
スの流動性が悪くなり、30%より多いと熱膨張係数が
大きくなり過ぎる。
【0014】BaOは0〜7%、好ましくは0〜6%で
ある。BaOが7%より多いと熱膨張係数が大きくなり
過ぎる。
【0015】Li2 Oの含有量は0〜2%、好ましくは
0.1〜1.5%である。Li2 Oが2%より多いと熱
膨張係数が大きくなり過ぎる。
【0016】Na2 Oの含有量は0〜5%、好ましくは
0〜4%である、Na2 Oが5%より多いと熱膨張係数
が大きくなり過ぎる。
【0017】K2 Oの含有量は0〜4%、好ましくは0
〜3.5%である、K2 Oが4%より多いと熱膨張係数
が大きくなり過ぎる。
【0018】F2 の含有量は0〜2%、好ましくは0〜
1.5%である。F2 が2%より多いと流動性が不安定
になり、絵付け装飾を行い難くなる。
【0019】本発明において、耐火性フィラーは耐摩耗
性を向上させるために添加するものであり、ジルコン及
びジルコニアから選ばれる1種以上を使用する。
【0020】本発明において、使用する耐熱性顔料は特
に限定されず、例えば市販の陶磁器用顔料を使用するこ
とができる。
【0021】また本発明の装飾用組成物において、ガラ
ス粉末、耐火性フィラー、及び耐熱性顔料の混合割合を
上記のように限定した理由は次の通りである。ガラス粉
末が55重量部より少ないと流動性が不安定になって絵
付け装飾し難くなり、また95重量部より多いと流動し
過ぎて所望のパターンを得難くなる。耐火性フィラーが
0.1重量部より少ないと十分な耐摩耗性が得られず、
20重量部より多いと流動性が悪くなり、また耐摩耗性
も悪くなる。耐熱性顔料が3重量部より少ないと安定し
た色調が得られず25重量部より多いと流動性が悪くな
る。
【0022】なおこのような装飾用組成物は、30〜7
50℃における熱膨張係数が約30〜40×10-7/℃
であり、また約800〜850℃で熱処理することが可
能なものである。
【0023】次に本発明の装飾用組成物を用いて、低膨
張結晶化ガラスを絵付け装飾する方法を述べる。
【0024】まず、上記した割合になるように、ガラス
粉末、耐火性フィラー、耐熱性顔料を混合し、さらにエ
チルセルロース、酢酸エチル等の溶媒と混練してペース
ト状にする。
【0025】次にこのペーストをスクリーン印刷等の方
法を用いて低膨張結晶化ガラスの表面に塗布する。この
とき形成される装飾被膜の膜厚が1〜20μmとなるよ
うに塗布することが重要である。即ち、膜厚がこの範囲
から外れると、装飾被膜にクラックが発生し易くなるた
めである。また使用する低膨張結晶化ガラスとしては、
30〜750℃における熱膨張係数が20×10-7/℃
以下のものであり、このようなものとしてLi2 O−A
23 −SiO2 系の結晶化ガラスを使用することが
できる。
【0026】その後、800〜850℃程度の温度で熱
処理すると、表面にガラス成分55〜95重量部と耐火
性フィラー成分0.1〜20重量部と耐熱性顔料成分3
〜25重量部とからなる装飾被膜が形成され、該ガラス
成分が重量百分率でSiO250〜75%、Al23
0.5〜15%、B23 5〜30%、BaO 0〜7
%、Li2 O 0〜2%、Na2 O 0〜5%、K2
0〜4%、F2 0〜2%からなり、また該耐火性フィ
ラー成分がジルコン及びジルコニアから選ばれる1種以
上である低膨張結晶化ガラス板を得ることができる。
【0027】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
【0028】表1は本発明の実施例(試料No.1〜
6)及び比較例(試料No.7)を示すものである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】各試料は次のようにして調製した。まず、
表中の組成になるように調合したガラス原料を1400
〜1500℃の温度で10〜15時間溶融し、フィルム
状に成形した後、ボールミルにて微粉砕し、平均粒径5
μmのガラス粉末を得た。さらにこのガラス粉末と、表
中に示した耐火性フィラーと、耐熱性顔料(日本フェロ
ー株式会社製NF−3129−P[ブラウン])とを混
合して試料を得た。
【0032】続いて、各試料とエチルセルロースとを重
量比で2:1の割合で混練してペースト状にし、これを
スクリーン印刷法を用いて低膨張結晶化ガラス板に塗布
した。なお結晶化ガラス板は、重量%でSiO2 67
%、Al23 23%、TiO 2 2%、ZrO2 3%、
25 1%、Li2 O 4%の組成を有し、30〜7
50℃において約−3×10-7/℃の熱膨張係数を示す
透明な結晶化ガラスを使用した。
【0033】その後、800〜850℃で熱処理するこ
とによって低膨張結晶化ガラス板を絵付け装飾した。な
お表面に形成された装飾被膜の膜厚は、10〜15μm
であった。
【0034】次に、結晶化ガラス板上に形成された装飾
被膜の熱膨張係数、クラックの有無、光沢の有無、耐摩
耗性について評価した。結果を表1に示す。
【0035】表から明らかなように、実施例である試料
No.1〜6を用いて絵付け装飾したものは、30〜7
50℃における熱膨張係数が32〜36×10-7/℃で
あり、またクラックが認められず、光沢があり、しかも
良好な耐摩耗性を示した。これに対して、比較例である
試料No.7を用いたものは、熱膨張係数が39×10
-7/℃であり、またクラックがなく、光沢もあったが、
耐摩耗性が悪かった。
【0036】なお熱膨張係数は、各試料を角棒状にプレ
ス成形した後、850℃で焼成し、この焼成物を差動検
出式相対膨張計にて測定した。クラックの有無は、装飾
被膜表面を光学顕微鏡で観察して評価した。また耐摩耗
性は、#1000のサンドペーパー(100φ)を用い
て、装飾被膜の表面を荷重3kg、片道100mm/秒
の速度で1000回往復した後、被膜の変化を目視で判
定し、全く変化のないものを良、少しでも変化したもの
を不良とした。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の装飾用組
成物は、要求される全ての特性を満足し、特に耐摩耗性
に優れているため、低膨張結晶化ガラスの装飾用として
好適なものである。
【0038】またこの装飾用組成物を用いて装飾した低
膨張結晶化ガラス板は、装飾被膜の耐摩耗性が高いため
に、調理器用トッププレート等の厨房器具用として好適
である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス粉末55〜95重量部と、耐火性
    フィラー0.1〜20重量部と、耐熱性顔料3〜25重
    量部とからなり、該ガラス粉末が、重量百分率でSiO
    2 50〜75%、Al23 0.5〜15%、B23
    5〜30%、BaO 0〜7%、Li2 O 0〜2%、
    Na2 O 0〜5%、K2 O 0〜4%、F2 0〜2%
    からなり、且つ、該耐火性フィラーが、ジルコン及びジ
    ルコニアから選ばれる1種以上であることを特徴とする
    低膨張結晶化ガラス装飾用組成物。
JP22214793A 1993-08-12 1993-08-12 低膨張結晶化ガラス装飾用組成物及びこれを用いて装飾した低膨張結晶化ガラス板 Pending JPH0761837A (ja)

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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0776867A1 (en) 1995-11-30 1997-06-04 Nippon Electric Glass Company., Ltd. Enamel frit composition for a low-expansion crystallized glass and enamel-coated low-expansion crystallized glass plate using the same
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