JPH0761829A - 合成石英ガラス光学部材およびその製造方法 - Google Patents

合成石英ガラス光学部材およびその製造方法

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JPH0761829A
JPH0761829A JP5212001A JP21200193A JPH0761829A JP H0761829 A JPH0761829 A JP H0761829A JP 5212001 A JP5212001 A JP 5212001A JP 21200193 A JP21200193 A JP 21200193A JP H0761829 A JPH0761829 A JP H0761829A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】約200nm 以下のVUV光を効率よく選択的にカ
ットし、透過限界波長よりも長波長側では透過率のよい
光学部材およびその製造方法を提供する。 【構成】各金属不純物が50ppb以下、260nm〜
700nmの内部透過率が99.9%以上、透過限界波
長が250nm以下、波長傾斜幅が40nm以下である
合成石英ガラスからなる光学部材を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばオゾンフリ−U
V(紫外)ランプ、UV・VUV(真空紫外)域用光学
フィルタ−等に利用される、合成石英ガラス光学部材及
びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、約
200nm以下のVUV光を効率良く選択的にカット
し、耐熱性の高い合成石英ガラス光学部材及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光学フィルタ−は可視域を対象と
していた。その光学フィルターには着色ガラスが用いら
れる。着色ガラスとは、ベ−スとなるガラス組成に、F
e,Ni,Co,等の遷移金属や、Nd,Pr,Er,
Ho等の希土類元素を着色剤として含有したものであ
り、溶融条件による酸化還元反応の制御、熱処理条件に
よる光の波長より微小な分散粒子のコロイド化等によ
り、分光透過率を調整したものである。着色ガラスを光
学フィルター、特にJIS B7113に規定されるシ
ャ−プカットフィルタ−(波長傾斜幅35nm、平均透
過率85%以上のもの)に用いる場合の性能は波長傾斜
幅、透過限界波長、平均透過率で表される。波長傾斜幅
とは、図2に示すように、吸収端付近の透過率が72%
となる波長Aと5%になる波長Bの間隔で表示される。
透過限界波長は、波長傾斜幅の中央にあたる波長を表
す。また、平均透過率は、波長A〜700nmまでの透
過率の平均値である。
【0003】可視域より短波長の光学フィルターとして
は、透過限界波長が400nm以下のTi4+、Ce4+等
を含有する鉛ガラス着色ガラスがある。また、紫外用と
しては、Fe等の不純物の少ない燐酸塩または珪酸塩ガ
ラスが多く用いられるが、紫外限界透過率は最も短波長
なもので、フィルタ−No.UV22の220nmであ
る。従って、それ以下の波長の光を選択的にカットまた
は透過する様なフィルタ−用ガラス材料は実質上存在し
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにフィル
タ−ガラスの透過限界波長は、最も短いものでフィルタ
−No.UV22の220nm程度である。また、紫外
域で使用される着色ガラスのベースとなるガラス組成は
燐酸塩あるいは珪酸塩ガラスが多く、Corex、Uv
iol、Vita、あるいはリンデマンガラスのような
ホウ酸塩ガラスである。これらのベースガラス組成のフ
ィルターガラスの透過限界波長は、Corexで218
nm、Uviolで268nm、Vitaで252nm
程度である。
【0005】そこで、石英ガラスをベースとして用いて
透過限界波長の短いフィルターガラスを構成することが
考えられる。例えば、溶融石英ガラスであれば、透過限
界波長は210nm程度である。しかしながら、主に水
晶または硅石を原料としたベルヌイ法で合成された溶融
石英ガラスでは原料中に例えば、Al、Fe、Ti、N
a等の不純物金属元素を0.1〜数ppmを必然的に含
んでいる。この為、これらの不純物濃度に依存して、約
250nm以上の透過率が低くなり、本来の透過限界波
長(210nm)よりも長波長側の透過率が低くなる。
また、250nm吸収帯のほかにも構造欠陥等に依存す
る吸収帯が多数存在し、透過限界波長より長波長側の内
部透過率が低下し、光学フィルターとしての性能が低下
する。さらに、波長傾斜幅が広いので、シャープカット
フィルターを得ることは難しい。
【0006】本発明は、このような問題を解決し、約2
00nm以下のVUV光を効率良く選択的にカットし、
透過限界波長よりも長波長側では透過率の良い光学部材
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
ベースガラス組成として各金属不純物が50ppb以下であ
り、260nm以上の内部透過率が良好な合成石英ガラ
スを用いることを考えた。上述したように、金属不純物
は250nm以上の透過率を低下させるが、合成石英ガ
ラスの金属不純物濃度を50ppb以下にすることにより、
透過限界波長より長波長側の内部透過率を99.9%以上と
することが可能である。合成石英ガラスの本来の透過限
界波長は約160nmである。
【0008】そこで、本発明者らは、合成石英ガラスの
透過率特性と、合成条件及び熱処理条件との関係を長年
に渡り鋭意研究した結果、以下の事が解った。250nm
以下の吸収帯を生成する石英ガラスの製造方法におい
て、 合成石英ガラス素材を水素ガス中またはその他の還元
ガス中または真空中で、800℃以上で熱処理する事
で、175nm(7.1eV)を中心波長とする半値幅
約1.05eVの比較的ブロ−ドな吸収帯が生成する。
この吸収帯は処理温度の上昇や、処理時間が長いと増加
する。 カ−ボン容器等を使用して、合成石英ガラス素材を水
素ガス中またはその他の還元ガス中または不活性ガス中
または真空中1000〜1800℃で熱処理するとと
同一の吸収帯が生成する。 火炎加水分解法により合成石英ガラス素材を合成する
際に、還元性雰囲気で合成する事でと同様な吸収帯が
発生する。
【0009】よって、本発明は上記の製造方法により、
各金属不純物が50ppb以下の合成石英ガラスからなり、
260nm〜700nmの内部透過率が99.9%以上、透
過限界波長が250nm以下、波長傾斜幅が40nm以
下であることを特徴とする合成石英ガラス光学部材を提
供するものである。ここで、内部透過率とは、光学ガラ
スの反射損失を含まない分光透過率をいう(日本光学硝
子工業会規格 JOGIS17より引用)。
【0010】さらに、従来の光学フィルターの透過限界
波長は、ガラスの組成によって決まるものであるのに対
し、本発明においては、160〜250nmの間に形成
する吸収帯によるものである。このことから、処理条件
を調整することにより、光学フィルターの透過限界波長
を160〜250nmの間の任意の値に制御することが
可能となった。
【0011】よって、本発明は、熱処理時の処理条件を
調整することにより、透過限界波長を160〜250n
mの任意の値に設定することを特徴とする合成石英ガラ
ス光学部材の製造方法を提供するものである。
【0012】
【作用】上記の事実から、水素ガスおよびその他の還元
性ガス(例えばCH4)もしくは真空中で合成石英ガラ
スを熱処理する事で、200nm以下の透過率を制御す
る方法を見いだした。これを利用すれば、処理温度、処
理時間または合成条件等を最適化する事で、所望の透過
限界波長を有する合成石英ガラス光学部材を製造する事
が出来る。
【0013】水素ガス雰囲気で処理する場合、その濃度
は99%以上が吸収帯生成効率あるいは水素が可燃性ガ
スであるため安全の面からも望ましい。特に酸素濃度は
低ければ低いほど良い。前述した通り、水素ガスで合成
石英ガラスを熱処理する事で175nm(7.1eV)
を中心波長とする半値幅約1.05eVの比較的ブロ−
ドな吸収帯が生成する。この現象はその他の還元性ガス
雰囲気中でも起こる事から、SiO2ネットワ−クの還
元反応により生成されているものと考えられる。
【0014】この吸収帯の帰属としては、状況から推測
すると、≡Si−Si−Si≡または=Si:(Silico
n Lone Pair Center : SLPC)の様な状態が考えられ
る。≡Si−Si−Si≡はVAD石英ガラスの製造中
において、ス−トの焼結過程を真空中で行う事で生成す
ると言われており、さらに目視観察でも黒くなっている
事から、Siクラスタ−も生成している事が提唱されて
いる(*1粟津 他 第37回応用物理学関係連合講演会 29
P-ZC-16 (1990.3))。また、=Si:(SLPC)は、Si
2ス−トを水素雰囲気下で焼結する事で生成すると考
えられている(*2 M.Kohketsu et.J.J. of Appl.Phys.
vol.28,No.4,April,1989,pp.615-621)。SLPCは250
nm吸収帯(B2β)の原因と考えられ、O=Siガス
分子が180、250、325nmに吸収帯を持つ事か
ら250nm以外の吸収帯も生成する事が予測される。
≡Si−Si−Si≡または、=Si:(SLPC)と仮定
すると、例えば次の4つのような反応式が考えられる。
【0015】
【化1】
【0016】しかしながら、≡Si−Si−Si≡は、
ESCA等の機器分析装置で未だ検出不能な事、副生成
物と推測されるH2Oの増加がIRで検出されていない
事、一方、SLPCは、250nm帯、325nm帯も
同時に生成するはずが、本発明における実験では検出さ
れていない等、不明確な点も多い。しかし、本発明にお
ける実験結果から判断すると、いずれにせよ何らかのS
iO2ネットワ−クの還元物質が原因であると思われ
る。石英ガラスのUVまたはVUV域吸収帯の代表的な
ものとしては、163nm(≡Si−Si≡)、215
nm(E’センタ-)、225nm(E’2センタ-)、250
nm(B2α:≡Si−X−Si≡(X:酸素空孔)、
2β:O2=Si:)、260nm(NBOHCまたは
Si−O-他不明)、325nm(酸素過剰欠陥、また
はCl関連)、165nm以下(OH基)等が存在する
が、これらを制御する事でも、UVまたはVUV域の透
過率を制御する事が出来るが、制御の簡便さや吸収帯の
安定性から考えて、本発明による、175nm吸収帯を
利用する事が望ましい。利用したい波長によっては、他
の吸収帯を利用する事もできる。
【0017】次に、実際の実験結果及び実施例について
解説する。まず、図1に水素雰囲気熱処理による透過率
の処理温度依存性を示したグラフを示す。サンプルは、
10mm厚の両面研磨品を使用した。水素ガス100%
雰囲気、6気圧下で60h、500〜1100℃で処理
した後のサンプル、及び未処理品、1000℃ N2雰囲
気下で処理したサンプルの反射損失含みの透過スペクト
ルである。処理温度が高くなる事で、175nm吸収帯
が大きく生成している事、及びN2雰囲気では殆ど吸収
が発生しない事が解る。H2とN2の効果の差は拡散速度
及び還元力の差によると思われる。1100℃以上の高
温で長時間処理する事でN2でも比較的表面付近では吸
収が発生する事が解っている。また、カ−ボン容器中で
処理しても同一の吸収が発生する事も確認されている。
しかし、吸収量の制御と云う点からは、水素雰囲気が望
ましい。実験に用いたサンプルのOH基濃度は約130
0ppmである為、160nmよりやや長波長側で透過
率が殆ど0になっている。このため、163nm帯は仮
に生成していたとしても、この場合観察されない。
【0018】次に生成した吸収帯の形状を解析してみ
る。解析したグラフを図3に示す。横軸は光子エネルギ
−(eV)、縦軸は吸収係数(α cm-1)である。吸
収係数αは、未処理の10mmサンプルの透過率に対す
る、各温度(1100、1000、900℃)で処理し
たサンプルの透過率の比で算出した数値である。厳密に
言うと見かけの吸収係数と云う表現になる。各温度につ
いて、□(1100℃)、+(1000℃)、◇(90
0℃)の各シンボルでプロットした。7.5eVより高
エネルギ−側では、未処理のサンプルの透過率も低くな
るため、誤差成分を多く含む。また、この吸収帯の形状
を、ガウシアン型と仮定し、ピ−ク位置7.1eV、半
値幅1.05eVで計算した曲線を点線で表示した。高
エネルギ−側の誤差成分を考慮すると、かなり良くフィ
ットしていると考えられる。これはほぼ単一の吸収帯と
判断できる。そのため、処理温度依存性(図4)、処理
時間依存性(図5)は、非常に良い直線関係が得られる
と思われる。これは、吸収量を制御する事が非常に簡便
である事を示す。逆に、この吸収さえ抑制されれば、2
00nm付近の高透過率化にも役立つ技術である。高透
過率化のためには、この吸収帯が生成しないような条件
で製造すれば良い。
【0019】次に、合成条件による吸収の発生について
解説する。合成石英ガラスは、一般的に、酸水素火炎バ
−ナ−にSiCl4を導入して、SiO2微粒子を形成す
ると同時に、回転しているタ−ゲットに堆積されガラス
塊を得るという方法で造られる。図5に合成時の酸水素
バ−ナ−に供給されるO2/H2流量比を0.1〜0.2
(水素過剰)及び0.4〜0.5(通常の条件)で合成
されたサンプル、それぞれの透過スペクトルを図6に示
す。図6から、この吸収は水素熱処理時に生成される吸
収と同一である事が解る。
【0020】吸収の生成法に関して、熱処理による方法
と合成による方法の長所短所を比較する。透過率の3次
元的な均質性に関しては合成の方が優れている。熱処理
による場合、還元反応による副生成物の拡散による影響
を受けるため表面付近の吸収係数が大きくなる。その為
均質性はやや劣る。しかし、コストや透過率の制御精
度、簡便さ等は熱処理による方法が優れる。処理温度は
表面失透(結晶化)防止の面から、1100℃以下もし
くは1800℃以上が望ましい。また、1900℃以上
の処理はSiO2の昇華が顕著になるため避けた方が良
い。
【0021】
【実施例1】標準的な合成石英ガラスを水素雰囲気中、
6気圧、1100℃、600h処理する事で、175n
m(7.1eV)での吸収係数α=20cm-1、及びそ
の吸収帯の形状がガウシアン型で半値幅約1.05eV
の石英ガラスを得る事が出来た。
【0022】
【実施例2】標準的な合成石英ガラスを水素雰囲気中、
6気圧、1800℃、6h処理する事で、175nm
(7.1eV)での吸収係数α=200cm-1、及びそ
の吸収帯の形状がガウシアン型で半値幅約1.05eV
の石英ガラスを得る事が出来た。
【0023】
【実施例3】標準的な合成石英ガラスを水素雰囲気中、
6気圧、1100℃、24h処理する事で、175nm
(7.1eV)での吸収係数α=800cm-1、及びそ
の吸収帯の形状がガウシアン型で半値幅約1.05eV
の石英ガラスを得る事が出来た。
【0024】
【実施例4】標準的な合成石英ガラスをメタン(C
4)雰囲気中、6気圧、1100℃、600h処理す
る事で、175nm(7.1eV)での吸収係数α=5
cm-1、及びその吸収帯の形状がガウシアン型で半値幅
約1.05eVの石英ガラスを得る事が出来た。水素雰
囲気より吸収係数が低いのは、拡散性の影響と思われ
る。
【0025】
【実施例5】標準的な合成石英ガラスをカーボン容器中
でAr雰囲気中、6気圧、1800℃、60h処理する
事で、175nm(7.1eV)での吸収係数α=50
cm -1、及びその吸収帯の形状がガウシアン型で半値幅
約1.05eVの石英ガラスを得る事が出来た。この様
に、雰囲気に還元性がなくとも表面が容器のカーボンと
接しているため、SiO2が還元され吸収帯が生成す
る。
【0026】実施例1〜5の石英ガラスの透過スペクト
ルと、理論透過率に近いOH基20ppm、通常合成さ
れるOH基1300ppmの石英ガラスの透過スペクト
ルを比較したグラフを図7に示す。α=800cm-1
ものは220nm以下の短波長光を殆ど透過しないた
め、オゾンフリ−UVランプやその窓材として十分使用
できる。また、条件を最適化する事で所望の透過率特性
をもつUV、VUV光カットフィルタ−、窓材を得る事
が出来る事が解った。また吸収帯がほぼ単一であり、ガ
ウシアン型であるため、透過曲線がなめらかなカ−ブと
なり、フィルタ−として使用し易いと思われる。
【0027】
【発明の効果】本発明の石英ガラスの製造方法によれ
ば、水素ガス、カ−ボン容器等を用いた還元熱処理条
件、真空熱処理または水素過剰下で合成する事で生成す
る吸収帯を利用し、UV、VUV域の透過率を調整した
石英ガラスの製造が可能となる。つまり、熱処理、合成
の条件を調整することで所望の透過スペクトルをもつ石
英ガラスが得られる。また、この方法は、Na、Al、
Fe等の不純物金属元素等をド−プする方法と異なり純
度を下げる事無く、透過率のみを変化させる事が出来る
特徴ももつ。この技術を利用することで、特に以下に列
記した有意性及び特徴を生ずる。 使用する光透過域において、吸収端付近以外に吸収帯
をもたないため、UV,VUV域のシャ−プカットフィ
ルタ−として、非常によい特性が得られる。
【0028】例えば、図7に示した α=800cm-1
の場合、透過限界波長228nm、波長傾斜幅13n
m、平均透過率90%以上の品質が得られている。ま
た、αを減少させることで、波長傾斜幅、平均透過率は
同等で、透過限界波長を160nm程度まで任意に選択
することだ出来る。また、透過限界波長は、OH基が1
60nm付近に吸収をもつことから、OH基濃度にも依
存する。例えば、OH基1200ppmでは、透過限界
波長の選択範囲は、約170〜250nmとなり、OH
基100ppm以下では、透過限界波長は、約160〜
250nmで選択可能となる。この技術は、分光光度計
などの光学的計測器、や様々な光学系に使用される光学
フィルタ−や、オゾンの発生を防止するため220nm
以下の、UV・VUV光をカットする用途等に利用でき
る。 この技術により、300nm以下のUV、VUV域に
おいて、光源の使用波長の透過率を石英ガラスの理論透
過率の範囲内で、内部透過率0〜100%の範囲で自由
に調整可能となる。この技術は、光学レンズ等の用途に
より、特定の波長の透過率を任意に調整し、選択するこ
とが出来る。例えば不要な短波長側の光を、レンズ自体
でカットする事が出来る。このVUV域の吸収帯生成原
因が解っているため、この吸収帯の生成を抑えること
で、99%以上の高透過率の要求にも対応できる。
【0029】更に、この方法は溶融石英ガラスなどその
他の製法で製造された石英ガラスにも適用する事が出来
る。また、この事実を応用し、合成条件や熱処理条件時
の、酸化還元反応を制御する事で、材料のVUV域の高
透過率化にも役立てる事が出来る。また、高純度対応で
あるべき合成装置の汚染防止や、設備投資などのコスト
の面からも、あえて、TiやNa等の不純物をド−プし
て、透過率を調整する様な事は通常は行われない。
【0030】この方法により品質を改質または調整する
事で、合成石英ガラスの用途拡大につながるため、結果
的にコストダウンにもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水素雰囲気熱処理による透過率の処理温度及
び雰囲気依存性を示したグラフである。
【図2】 光学フィルタ−の特性を示す用語の説明をす
るためのグラフである。
【図3】 横軸を光子エネルギ−、縦軸に吸収係数をと
り各処理温度における実測値をプロットし、ガウシアン
モデルと比較したグラフである。
【図4】 水素雰囲気熱処理による吸収係数αの処理温
度による挙動をプロットしたグラフである。
【図5】 水素雰囲気熱処理による吸収係数αの時間依
存性ををプロットしたグラフである。
【図6】 合成条件による透過率の挙動を示したグラフ
である。
【図7】 本発明の石英ガラスの製造方法により得られ
た各吸収係数αに調整した石英ガラスと通常の石英ガラ
スの透過率を比較した透過スペクトルのグラフである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】可視域より短波長の光学フィルターとして
は、透過限界波長が400nm以下のTi 4+ 、Ce 4+
を含有する鉛ガラス着色ガラスがある。また、紫外用
としては、Fe等の不純物の少ない燐酸塩または珪酸塩
ガラスが多く用いられるが、紫外限界透過率は最も短波
長なもので、フィルターNo.UV22の220nmで
ある。従って、それ以下の波長の光を選択的にカットま
たは透過する様なフィルター用ガラス材料は実質上存在
しなかった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】よって、本発明は、熱処理時の処理条件
よび合成時の雰囲気を調整することにより、透過限界波
長を160〜250nmの任意の値に設定すること、ま
た、300nm以下のUV、VUV域において、内部透
過率を0〜100%の範囲で任意の値に設定すること
特徴とする合成石英ガラス光学部材の製造方法を提供す
るものである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】次に、実際の実験結果及び実施例について
解説する。まず、図1は、水素雰囲気熱処理による透過
率の処理温度及び雰囲気依存性を示したグラフである。
サンプルは、10mm厚の両面研磨品を使用した。水素
ガス100%雰囲気、6気圧下で60h、500〜11
00℃で処理した後のサンプル、及び未処理品、100
0℃ N2雰囲気下で処理したサンプルの反射損失含みの
透過スペクトルである。処理温度が高くなる事で、17
5nm吸収帯が大きく生成している事、及びN 2雰囲気
では殆ど吸収が発生しない事が解る。H2とN2の効果の
差は拡散速度及び還元力の差によると思われる。110
0℃以上の高温で長時間処理する事でN 2でも比較的表
面付近では吸収が発生することが解っている。また、カ
ーボン容器中で処理しても同一の吸収が発生することも
確認されている。しかし、吸収量の制御という点から
は、水素雰囲気が望ましい。実験に用いたサンプルのO
H基濃度は約1300ppmである為、160nmより
やや長波長側で透過率が殆ど0になっている。このた
め、163nm吸収帯は仮に生成していたとしても、こ
の場合観察されない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】次に、合成条件による吸収の発生について
解説する。合成石英ガラスは、一般的に、酸水素火炎バ
ーナーにSiCl4を導入して、SiO2微粒子を形成す
ると同時に、回転しているターゲットに堆積されガラス
塊を得るという方法で造られる。合成時の酸水素火炎バ
ーナーに供給されるO2/H2流量比を0.1〜0.2
(水素過剰)及び0.4〜0.6(通常の条件)で合成
されたサンプル、それぞれの透過スペクトルを図6に示
す。図6から、この吸収は水素熱処理時に生成される吸
収と同一であるである事が解る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【実施例3】標準的な合成石英ガラスを水素雰囲気中、
6気圧、1800℃、24h処理する事で、175nm
(7.1eV)での吸収係数α=800cm-1、及びそ
の吸収帯の形状がガウシアン型で半値幅約1.05eV
の石英ガラスを得る事が出来た。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】実施例1〜3の石英ガラスの透過スペクト
ルと、理論透過率に近いOH基20ppm、通常合成さ
れるOH基1300ppmの石英ガラスの透過スペクト
ルを比較したグラフを図7に示す。α=800cm-1
ものは220nm以下の短波長光を殆ど透過しないた
め、オゾンフリーUVランプやその窓材として十分使用
できる。また、条件を最適化する事で所望の透過率特性
をもつUV、VUV光カットフィルター、窓材を得る事
が出来る事が解った。また吸収帯がほぼ単一であり、ガ
ウシアン型であるため、透過曲線がなめらかなカーブと
なり、フィルターとして使用し易いと思われる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】例えば、図7に示したα=800cm -1
場合、透過限界波長228nm、波長傾斜幅13nm、
平均透過率90%以上の品質が得られている。また、α
を減少させることで、波長傾斜幅、平均透過率は同等
で、透過限界波長を160nm程度まで任意に選択する
こと出来る。また、透過限界波長は、OH基が160
nm付近に吸収をもつことから、OH基濃度にも依存す
る。例えば、OH基1200ppmでは、透過限界波長
の選択範囲は、約170〜250nmとなり、OH基1
00ppm以下では、透過限界波長は、約160〜25
0nmで選択可能となる。この技術は、分光光度計など
の光学的計測器や、様々な光学系に使用される光学フィ
ルターや、オゾンの発生を防止するため220nm以下
の、UV・VUV光をカットする用途等に利用できる。 この技術により、300nm以下のUV、VUV域に
おいて、光源の使用波長の透過率を石英ガラスの理論透
過率の範囲内で、内部透過率0〜100%の範囲で自由
に調整可能となる。この技術は、光学レンズ等の用途に
より、特定の波長の透過率を任意に調整し、選択するこ
とが出来る。例えば不要な短波長側の光を、レンズ自体
でカットする事が出来る。このVUV域の吸収帯生成原
因が解っているため、この吸収帯の生成を抑えること
で、99%以上の高透過率の要求にも対応できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平岩 弘之 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各金属不純物が50ppb以下の合成石英ガラ
    スからなり、260nm〜700nmの内部透過率が9
    9.9%以上、透過限界波長が250nm以下、波長傾斜
    幅が40nm以下であることを特徴とする合成石英ガラ
    ス光学部材。
  2. 【請求項2】各金属不純物が50ppb以下の合成石英ガラ
    ス素材を原料とし、これを水素ガス中またはその他の還
    元ガス中または真空中で熱処理し、250nm以下に吸
    収帯を生成することを特徴とする合成石英ガラス光学部
    材の製造方法。
  3. 【請求項3】各金属不純物が50ppb以下の合成石英ガラ
    ス素材を原料とし、これを水素ガス中またはその他の還
    元ガス中または不活性ガス中または真空中に設けた還元
    力のある容器内で熱処理し、250nm以下に吸収帯を
    生成することを特徴とする合成石英ガラス光学部材の製
    造方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の合成石英ガラス光学部材
    の製造方法において、前記還元力のある容器が、カーボ
    ンからなることを特徴とする合成石英ガラス光学部材の
    製造方法。
  5. 【請求項5】請求項2または請求項3に記載の合成石英
    ガラス光学部材の製造方法において、前記熱処理時の処
    理条件を調整することにより、透過限界波長を160〜
    250nmの任意の値に設定することを特徴とする合成
    石英ガラス光学部材の製造方法。
  6. 【請求項6】火炎加水分解法により合成した各金属不純
    物が50ppb以下の合成石英ガラス素材を原料とし合成石
    英ガラス光学部材を製造する方法において、前記合成石
    英ガラス素材の合成時の雰囲気を還元性雰囲気に調整す
    ることにより、透過限界波長を160〜250nmの任
    意の値に設定することを特徴とする合成石英ガラス光学
    部材の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007272251A (ja) * 2002-05-17 2007-10-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイババンドル
JP2009035483A (ja) * 2008-11-06 2009-02-19 Ushio Inc 光透過部材

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JP2007272251A (ja) * 2002-05-17 2007-10-18 Sumitomo Electric Ind Ltd 光ファイババンドル
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