JPH0758403B2 - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

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JPH0758403B2
JPH0758403B2 JP1134429A JP13442989A JPH0758403B2 JP H0758403 B2 JPH0758403 B2 JP H0758403B2 JP 1134429 A JP1134429 A JP 1134429A JP 13442989 A JP13442989 A JP 13442989A JP H0758403 B2 JPH0758403 B2 JP H0758403B2
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conductive
roll
rubber
resistance adjusting
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裕二 太田
正明 犬伏
宏泰 加藤
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、電子写真複写機等に用いられる導電性ロー
ルに関するものである。
〔従来の技術〕 電子写真複写機は、感光ドラムの表面に原稿像を静電潜
像として形成し、これにトナーを付着させてトナー像を
形成し、このトナー像を複写紙に転写することにより複
写を行うものである。この場合、感光ドラム表面に対し
て静電潜像を形成させるには、あらかじめ感光ドラム表
面を帯電させ、その帯電部分に対して原稿像を光学系を
介して投射し、光の通つた部分の帯電を消すことにより
静電潜像をつくるということが行われている。上記、静
電潜像の形成に先立つて感光ドラム表面を帯電させる方
式として、従来からコロナ放電方式または接触帯電方式
がある。コロナ放電方式は、感光ドラム表面に対してコ
ロナ放電器からコロナ放電を施し帯電処理するものであ
る。この方式は、一般に5〜10KVという高圧電源を使用
するため、万全な安全策をとる必要があるうえ、放電に
伴い有害なオゾンを発生するという難点がある。このた
め、最近では導電性ロールを感光ドラム表面に摺擦させ
て感光ドラム表面を帯電させる接触帯電方式が注目され
ている。
このような接触帯電方式を応用した電子写真複写機は第
3図のように構成され、つぎのようにして複写を行う。
すなわち、軸1aを中心に矢印方向に回転する感光ドラム
1の外周面に導電性ロールからなる帯電ロール2を上記
感光ドラム1とは逆方向間または順方向に回転させ、部
分的に弾性変形させながら摺擦させる。この帯電ロール
2の摺擦により感光ドラム1の外表面が帯電される。3
は露光機構部でここを介して原稿光像のスリツト露光8
が感光ドラム1表面に到達し、原稿像に対応した静電潜
像が感光ドラム1表面に形成される。4は現像装置であ
り上記静電潜像に対してトナーを付着させトナー像を形
成する。6は給紙機構ロールであり、複写機11を感光ド
ラム1表面に対して供給し、転写装置5を介してトナー
像を複写機11上に転写する。7はトナー像が形成された
複写機11を通過させて定着する定着ロールである。この
ようにして、複写体(コピー)が得られる。なお、感光
ドラム1表面はクリーナー9により転写残像や残存トナ
ーを除去され、さらにイレーサーランプ10によつて全面
光照射をうけ零電位化されつぎの帯電に備える。12は上
記帯電ロール2に対して1〜3KV程度の電圧を印加する
電源である。
電子写真複写機等には、帯電ロール,現像ロール,転写
ロール,クリーニングロール等多数の導電性ロールが用
いられている。このような導電性ロールとしては、101
〜1012Ω・cm程度の導電性を有することが求められてお
り、通常、第4図に示すように、金属シヤフト(芯金)
21とその外周面に形成された導電性弾性体層22によつて
構成されている。上記導電性弾性体層22は、一般にシリ
コンゴム等の合成ゴム中に導電性粉末や導電性繊維(カ
ーボンブラック,金属粉末,カーボン繊維等)を混入し
た組成物によって形成されている。この種の導電性ロー
ルのうち、帯電ロールについては105〜107Ω・cmの半導
電性領域ので電気抵抗を備えていることが要求される。
ところが、上記のような導電性弾性体層22を備えている
導電性ロールでは合成ゴム中に混入された導電性粒子同
志の接触によって導電性が与えられるため、必ずしも均
一な粒子間接触が得られていない。これは特に半導電性
領域で顕著であり、従って電気抵抗を上記の半導電性領
域(105〜107Ω・cm2)に納めることが難しくなつてい
る。その結果、良好な複写画像が得られないという難点
を生じている。
このような問題を解決するため導電性弾性体層の外周に
第5図に示すように抵抗調整層23を設けた導電性ロール
が提案されている。しかしながら、通常の合成樹脂、ポ
リエチレン,ポリエステル,エポキシ樹脂等)や合成ゴ
ム(エチレン−プロピレンゴム,スチレン−ブタジエン
ゴム,塩素化ポリエチレンゴム等)は、電気抵抗が1012
Ω・cm以上の絶縁体であり、これらの合成樹脂や合成ゴ
ムで上記抵抗調整層23を形成し、帯電ロールに要求され
る105〜107Ω・cm2の電気抵抗を満足させようとする
と、抵抗調整層23の厚みを1μm以下にする必要があ
る。ところが、このような薄膜の抵抗調整層23では実用
耐久性が全く無くなる。
このように、従来の導電性ロール、特に帯電ロールでは
抵抗が不均一であり、また、実用性に欠ける等の問題が
あり、未だ満足すべきものが得られていないのが実情で
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような問題を解決するため、本発明者らは、抵抗調
整層をエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合
ゴム(CHC)で構成すると、優れた硬化が得られること
を見いだし、すでに特許出願(特願昭62−301107号)し
ている。すなわち、このようにすると電気抵抗が全体に
均一であり、しかも抵抗調整層の厚みを実用に耐えうる
ように任意に調整できるようになる。ところが、このよ
うな導電性ロール、特に、帯電ロールを実用に供したと
ころ、抵抗調整層の下側に位置する導電性弾性体層の構
成ゴム組成物によつては、そのゴム組成物中の軟化剤、
例えばオイルが抵抗調整層を透過して帯電ロールの表面
に滲み出し、それによつて帯電ロールに対設する感光ド
ラムの表面にそのオイルが移行するという現象が生じ
る。このようにオイルの移行が生じると、その移行オイ
ルにトナーが付着したままの状態となり複写紙にトナー
が転写されなくなるため、得られる複写体(コピー)に
白抜け部分が発生したり、また感光ドラム表面の樹脂皮
膜がオイルの浸透により劣化したり、さらにはオイルが
付着した部分に対しては帯電がなされないためその部分
がいわば光で感光して電荷が取り除かれたと同様の状態
となり、反転現像の場合、あたかもそこに原稿像がある
ような形となつて黒筋(ロールの軸方向にオイルが筋状
に付着する)ができるという問題が生じている。
また、上記のような帯電ロールが組み込まれた電子写真
複写機をしばらく使用しないでおくと、抵抗調整層が感
光ドラムに粘着してしまい、極端な場合には電子写真複
写機の起動時に、感光ドラム表面の樹脂皮膜が剥離して
しまうという問題も生じている。
この発明は、このような事情に鑑みなされたもので、電
気抵抗が全体に均一で、抵抗調整層の厚みを実用に耐え
うるように任意に調節でき、しかも抵抗調整層の表面に
オイルのような軟化剤が滲み出さず、また感光ドラムの
ような感光体に対して粘着することのない導電性ロール
の提供をその目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記を目的を達成するため、この発明の導電性ロール
は、軸体の外周に導電性弾性体層が円周に沿つて形成さ
れ、この導電性弾性体層の外周に、円周に沿つてエピク
ロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムを主体と
する抵抗調整層が一体的に形成され、上記両層の間に、
N−メトキシメチル化ナイロンを主体とする導電剤含有
の軟化剤移行防止層が上記両層と一体的に形成されてい
るとともに、最外層にN−メトキシメチル化ナイロンを
主体とする保護層がその下側の層に沿つて一体的に形成
されているという構成をとる。
〔作用〕
本発明者らは、上記導電性弾性体層から滲み出すオイル
のような軟化剤の遮断と、感光ドラム等に対する抵抗調
整層の粘着の防止を目的として一連の研究を重ねた。そ
の結果、N−メトキシメチル化ナイロン(8−ナイロ
ン)が軟化剤の遮断と抵抗調整層の粘着防止に最も効果
であることを突き止めた。そして、さらに研究を重ねた
結果、N−メトキシメチル化ナイロンを抵抗調整層と導
電性弾性体層の間に介在させ、そのN−メトキシメチル
化ナイロンからなる層に導電剤を含有させると、抵抗調
整層自体の作用が、N−メトキシメチル化ナイロンから
なる層によつて害されることなく有効に発揮され、また
抵抗調整層の外周にN−メトキシメチル化ナイロンを主
体とする保護層を形成すると、その保護層の作用によつ
て感光ドラム表面に対する抵抗調整層の粘着が防止さ
れ、電子写真複写機の起動時に感光ドラムの樹脂皮膜の
剥離等が生じなくなることを見いだしこの発明に到達し
た。
この発明の導電性ロールは、軸体と、その外周に形成さ
れる導電性弾性体層と、その外周に一体的に形成される
N−メトキシメチル化ナイロンを主体とする導電剤含有
の軟化剤移行防止層と、その外周に一体的に形成される
抵抗調整層と、さらにその外周に形成されるN−メトキ
シメチル化ナイロンを主体とする保護層とから構成され
ている。
上記軸体としては特に限定するものではなく、例えば、
金属製の円筒体からなる芯金や内部を中空にくりぬいた
金属製の円柱体が使用される。
上記軸体の外周に沿つて形成される導電性弾性体層は、
特に制限するものではなく、ポリノルボーネンゴム,エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム,スチレン−ブタジエ
ンゴム等の合成ゴムが単純でもしくはブレンドして用い
られる。このような導電性弾性体層は、通常、その導電
性が101〜104Ω・cm程度に設定される。そして、その厚
みは、通常、1〜5mm、好適には3±1mm程度に設定され
る。
特に、上記導電性弾性体層の硬度(Hs)を25以下と小さ
く設定すると、導電性ロール、特に帯電ロールを第3図
に示すような装置に組み込んで使用する場合において、
まれに発生する感光体と導電性ロール間の微振動による
画質不具合(横ムラ)やカブリ現象(コピーの地肌が黒
ずむ現象)の発生が防止されるようになる。これは本発
明者らが導電性ロールの改善について検討を進めるなか
で見いだされたものであり、従来の帯電ロールは硬度が
40程度であつてかなり硬いため、充分な帯電量を得るた
め、かなりの力で感光ドラムに対して押しつけられてお
り、その状態で使用されている。その結果、その接触部
は第6図(a)に示すように中央部がくびれた鼓状にな
る。ところが理想的には第6図(b)に示す長方形状の
接触部形状が好適なのであり、上記のような鼓状になる
と中央部分で帯電量が少なくなり、その部分でカブリ現
象が生じる。また、上記のような押しつけによつて帯電
ロールが交流の周波数と共振し、感光ドラムに対して上
下動するため、それによつて画質不具合(横ムラ)が生
ずる。このように導電性弾性体層の硬度と微振動の発生
等が密接な関係にあることが本発明者らによつて突き止
められた。
そこで本発明者らは、上記のような導電性弾性体層の硬
度を中心にさらに検討を進めた結果、上記導電性弾性体
層自体の硬度をオイルのような軟化剤の添加により25以
下に下げると、上記の不都合さが解消されるようになる
ことを見いだしたのである。この場合、通常は、導電性
弾性体層を構成するゴム材料として、ポリノルボーネン
ゴム単独またはポリノルボーネンとエチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM)等とのブレンドゴムを用い、こ
れにオイルとして例えばナフテン系オイルを混合し、必
要に応じて導電剤としてケツチエンブラツク等のカーボ
ンブラツクを用いることが行われる。そして、上記ナフ
テン系オイルのような軟化剤の使用量は、上記のゴム10
0重量部(以下「部」と略す)に対して上記オイルを200
〜500部、好適には400部程度使用することが行われる。
また、ケツチエンブラツクの使用量は、上記ゴム100部
に対して30〜80部、好適には40〜60部に設定することが
行われる。このようにオイルのような軟化剤を多量に使
用する場合には、その滲み出しが場合によつては生ず
る。
このような場合にこの発明が特に有効であり、導電性弾
性体層の外周に形成されたN−メトキシメチル化ナイロ
ンを主体とする導電剤含有の軟化剤移行防止層により、
上記オイルのような軟化剤の滲み出しが遮断される。上
記軟化剤移行防止層の厚みは、一般に3〜20μmに設定
され、好適には4〜10μmに設定される。なお、この発
明において主体とするとは、全体が主体のみからなる場
合も含める趣旨である。
上記N−メトキシメチル化ナイロン(8−ナイロン)
は、特に制限するものではなく、従来公知品をそのまま
使用することができる。また、そのナイロンと併用する
導電剤も特に上記のケツチエンブラツクに限定するもの
ではない。従来から使用されている導電剤をそのまま使
用することができる。一般には、上記導電剤として、カ
ーボンブラツクが使用される。
上記軟化剤移行防止層の外周に形成される抵抗調整層
は、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴ
ム(CHC)を主体とするものである。そして、その厚み
は、通常、50〜150μmに設定されるのであり、好適な
範囲は80±20μmである。
上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴ
ムは、この発明者らが抵抗調整層の形成に最適として見
いだしたものであり108〜109Ω・cmの電気抵抗値を有し
ている。このような特性を有するエピクロルヒドリン−
エチレンオキサイド共重合ゴムで抵抗調整層を形成する
と、従来の導電性粒子分散系のような抵抗の不均一化を
生ずることがない。そして本発明者らはエピクロルヒド
リン−エチレンオキサイド共重合ゴムについてさらに研
究を重ねた結果、上記共重合ゴムの電気抵抗はエチレン
オキサイドとエピクロルヒドリンとの共重合比によって
変動することを見いだした。特にこの発明に用いるエピ
クロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムには、
エピクロルヒドリン/エチレンオキサイドのモル比が65
/35〜40/60の範囲内のものを用いることが好適である。
すなわち、エチレンオキサイドのモル比が35モル%未満
になると、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共
重合ゴムの電気抵抗が109Ω・cmを越えるようになる。
その結果、抵抗調整層の厚みを耐久性、絶縁破壊電圧を
満足させる最低限の厚み50μmに設定した場合、常態
(25℃×60%RH)では105〜107Ω/cm2の範囲内に収ま
る。しかし、低温低湿(10℃×15%RH)下においては、
場合によつては107Ω・cm2を越えるようになるからであ
る。逆に、エチレンオキサイドのモル比が60モル%を越
えると、得られる共重合ゴムが水に対する親和性を増
し、環境依存性が大きくなり、105〜107Ω・cm2の範囲
を超える傾向がみられるからである。したがつて、上記
抵抗調整層を構成するエピクロルヒドリン−エチレンオ
キサイド共重合ゴムとしては、エピクロルヒドリン/エ
チレンオキサイドのモル比が65/35〜40/60の範囲内のも
のを用いることが好適である。すなわち、この範囲内で
は、あらゆる環境の下で105〜107Ω・cm2の範囲内に入
る導電性ロールを得ることができるようになる。
上記エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴ
ムの加硫系としては、通常、ヒドリンゴムに使用される
チオウレア−金属酸化物,アミン系,トリアジン誘導体
のいずれも使用可能である。しかしながら、環境依存
性、特に湿度依存性の観点から、耐水性に優れたチオウ
レア−Pb3O4(鉛丹)加硫系の物を用いることが好まし
い。
上記抵抗調整層の外周に形成される最外層の保護層は、
先に述べたN−メトキシメチル化ナイロンを主体とする
ものである。このN−メトキシメチル化ナイロンは、先
に述べたと同様、従来公知のものをそのまま使用するこ
とができる。そして、この保護層にカーボンブラツクの
ような導電剤を混合分散させると、低温低湿時の導電性
が良好となり低温低湿環境下でも良好な性能が発揮され
るようになる。このような保護層は、通常、5〜30μm
の厚みに設定されるのであり、好適な範囲は15±8μm
である。なお、上記導電剤としては、カーボンブラツク
に限定されるものではなく、従来公知の導電剤を上記カ
ーボンブラツクに代えて使用することができる。
上記のような導電性ロール、特に帯電ロールは、たとえ
ばつぎのようにして製造することができる。すなわち、
芯金の外周面に、接着剤を塗布し、先に述べたゴム組成
物を用い金型加硫を利用して導電性弾性体層を形成す
る。つぎに、あらかじめN−メトキシメチル化ナイロン
と導電剤とを混合した混合樹脂液をつくり、これを、上
記導電性弾性体層の表面を研磨して、そのうえにスプレ
ー,デイツピング等でコーテイングして乾燥し、必要な
場合には熱処理して架橋させ軟化剤移行防止層化する。
そして、このようにして形成された導電剤含有の軟化剤
移行防止層の上に抵抗調整層を形成する。この抵抗調整
層の形成は、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド
共重合ゴムに、補強剤,加工助剤,加硫剤を、通常のゴ
ム加工方法(バンバリーミキサー,ロール等)により混
練して未加硫ゴム組成物化し、この未加硫組成物を適当
な溶剤(例えば、メチルエチルケトン,メチルイソブチ
ルケトン等)に溶解し、前記導電性弾性体層の外周面に
塗工したのち乾燥し、ついで加熱加硫することによって
形成することができる。上記塗工に際してはデイツプ方
式によることが好適である。より詳しく述べると、上記
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム組
成物が含まれている溶液を、デイツプ液として第1図に
示すような槽112aに収容する。つぎに、導電性弾性体槽
が形成されたロール110aを垂直に立てて、上記溶液中に
繰り返し浸漬することにより、導電性弾性体層の外周面
にエピクロルヒドリン−エチレンオキサイドゴム膜を形
成させる。この時のデイツプ液粘度,昇降速度,昇降回
数,乾燥時間等の条件は、上記エピクロルヒドリン−エ
チレンオキサイドゴム溶液の液膜が40〜150μmの範囲
内になるような条件に設定することが好ましい。このよ
うな液膜が形成されたものについて25〜80℃の温度で0.
5〜4時間乾燥を施して溶剤を除去し、続いて150〜200
℃の温度で10分〜2時間加熱することによりエピクロル
ヒドリン−エチレンオキサイドゴム膜を加硫し抵抗調整
層化させる。つぎに上記のようにして抵抗調整層を形成
したのち、その表面を必要に応じて研磨し、その上にN
−メトキシメチル化ナイロンからなる樹脂液、場合によ
つてはそれに導電剤等を混合した混合樹脂液をスプレ
ー,デイツピング等でコーテイングして乾燥し、必要な
場合には熱処理して架橋させ保護層化する。このように
して、第2図に示すような層構造を有する導電性ロール
が得られる。図において、110は芯金、111は導電性弾性
体層、112は軟化剤移行防止層、113は抵抗調整層、114
は保護層である。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔実施例,比較例〕
〈導電性弾性体層形成材料の調製〉 導電性弾性体層形成用の材料として、下記の組成の硬度
20Hsのゴム組成物を準備した。
ポリノルボーネンゴム 100部 ケツチエンブラツク 50部 ナフテン系オイル 400部 〈軟化剤移行防止層形成材料の調製〉 軟化剤移行防止層形成用の材料としての、後記の表に示
す材料を同表に示す割合で混合し、カーボンブラツク分
散樹脂液を調製した。
〈抵抗調整層形成材料の調製〉 抵抗調整層形成用の材料として、下記の組成のゴム組成
物を準備した。
エピクロルヒドリン−エチレンオキサイドゴム 100部 Pb3O4 5部 エチレンチオウレア 1.2部 加工助剤 1部 ハードクレー 40部 〈保護層形成材料の調製〉 保護層形成材料として、後記の表に示す材料を同表に示
す割合で使用し、樹脂液を作製した。
つぎに、直径8mmの金属製シヤフトからなる芯金の外周
に接着剤を塗布したのちその外周に、導電性弾性体層形
成用のゴム組成物を用い、金型加硫を利用し全体の外径
が15mmになるように導電性弾性体層を形成した。つぎ
に、その導電性弾性体層の外周に軟化剤移行防止層形成
用のカーボン分散樹脂液をスプレーしてコーテイングし
たのち、乾燥し6〜10μmの厚みの軟化剤移行防止層を
形成した。他方、上記抵抗調整層形成用のゴム組成物を
ロール混練したのち、メチルエチルケトン/メチルイソ
ブチルケトン=3/1の溶剤に溶解し、粘度を300センチポ
イズに調製してデイツプ液をつくつた。この液中に、上
記のようにして軟化剤走行防止層が形成された芯金を浸
漬してコーテイングしたのち、引き上げて乾燥させ、つ
いで加熱処理して架橋させた。ついで、その表面に保護
層形成用の樹脂液をスプレーしてコーテイングしたのち
乾燥し保護層を形成した。その結果、目的とする導電性
ロールが得られた。
〔比較例1〕 軟化剤移行防止層の形成を取り止めた。それ以外は、実
施例1と同様にして導電性ロールを得た。
〔比較例2〕 軟化剤移行防止層の形成を取り止めた。それ以外は、実
施例2と同様にして導電性ロールを得た。
〔比較例3〕 軟化移行防止層の形成と保護層の形成を取り止めた。そ
れ以外は、実施例1と同様にして導電性ロールを得た。
〔比較例4〕 軟化移行防止層の防止層と保護層の形成を取り止めた。
それ以外は、実施例2と同様にして導電性ロールを得
た。
このようにして得られた各導電性ロールについて、電気
抵抗のばらつきを評価するために、導電性ロール外表面
上の5個所に銀ペーストで10mm四方の電極を描き(ガー
ド電極付)、金属シヤフトと上記電極との抵抗を測定し
た。また各環境下に24時間放置したときの電気抵抗も測
定した。さらに、絶縁破壊電圧は、アルミ板上に導電性
ロールを直接置き、金属シヤフトをアルミ板間に直流10
0Vステツプで電圧をかけ、火花放電を起こす電圧を測定
して求めた。また、オイルの滲み出しについては、上記
導電性ロールを40℃の雰囲気中に330時間放置後、ロー
ル表面に対するオイルの滲み出しの有無を肉眼で測定し
た。金属音の発生およびカブリの発生については、上記
導電性ロールを帯電ロールとして第3図に示す装置に組
み込みコピーを100枚取る間に微振動の発生およびカブ
リの生じている枚数を調べ、それを表示した。また、感
光ドラムに対する粘着については、上記導電性ロールを
帯電ロールとして第3図に示す装置に組み込み、その状
態で所定時間放置した後、起動させた場合における粘着
の発生状態を調べそれを表示した。その結果は後記の表
のとおりである。
上記の結果から、実施例品は比較例品に比べて各性能が
いずれも優れており、良好な帯電ロールとなりうること
がわかる。
〔発明の効果〕
以上のように、この発明の導電性ロールは、軸体の外周
に円周に沿つて形成された導電性弾性体層の外周に、エ
ピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴムを主
体とする抵抗調整層を形成しているため、電気抵抗が全
体に均一であり、しかも抵抗調整層の厚みを実用に耐え
得るよう任意に調整できる。しかも、上記導電性弾性体
層と抵抗調整層との間に、N−メトキシメチル化ナイロ
ンを主体とする導電剤含有の軟化剤移行防止層を形成し
ているため、導電性弾性体層から滲み出し抵抗調整層に
向かつて移行するオイル等の軟化剤が軟化剤移行防止層
によつて遮断される。したがつて、オイル等の軟化剤が
抵抗調整層の表面に滲み出ることがない。その結果、オ
イル等の軟化剤の滲み出しに起因するコピーの白抜けや
黒筋現象の発生がなくなり、また感光ドラム表面の樹脂
皮膜の、軟化剤浸透による劣化も生じなくなる。その
上、最外層にN−メトキシメチル化ナイロンを主体とす
る保護層を形成しているため、これを帯電ロールとして
電子写真複写機に組み込んだ場合において、装置の停止
時に帯電ロールの抵抗調整層が感光ドラムに粘着し、電
子写真複写機の再起動時にその粘着によつて感光ドラム
表面の樹脂皮膜が損傷するというような利名的な事態の
発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の導電性ロールの製法の一例を示す説
明図、第2図は上記製法によつて得られる実施例品の縦
断面図、第3図は導電性ロールを組み込んだ電子写真複
写機の構成図、第4図および第5図は従来例の説明図、
第6図(a)および(b)はその感光ドラムに対する帯
電ロールの接触部を形状を示す説明図である。 110……軸体、111……導電性弾性体層、112……軟化剤
移行防止層、113……抵抗調整層、114……保護層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸体の外周に導電性弾性体層が円周に沿つ
    て形成され、この導電性弾性体層の外周に、円周に沿つ
    てエピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム
    を主体とする抵抗調整層が一体的に形成され、上記両層
    の間に、N−メトキシメチル化ナイロンを主体とする導
    電剤含有の軟化剤移行防止層が上記両層と一体的に形成
    されているとともに、最外層にN−メトキシメチル化ナ
    イロンを主体とする保護層がその下側の層に沿つて一体
    的に形成されていることを特徴とする導電性ロール。
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