JPH0756056B2 - 高r値を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
高r値を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH0756056B2 JPH0756056B2 JP1248016A JP24801689A JPH0756056B2 JP H0756056 B2 JPH0756056 B2 JP H0756056B2 JP 1248016 A JP1248016 A JP 1248016A JP 24801689 A JP24801689 A JP 24801689A JP H0756056 B2 JPH0756056 B2 JP H0756056B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、Cuを添加した鋼を用いることによって、高強
度で従来にない高r値の溶融亜鉛めっき鋼板を製造する
方法に関するものである。最近の利用者側からの加工用
冷延鋼板に対する特性値上の要求は、高強度であると同
時に、高い加工性および高い防錆性を保持していること
である。本発明は、これらの要求に応える鋼板を提供す
る製造方法に関するものである。
度で従来にない高r値の溶融亜鉛めっき鋼板を製造する
方法に関するものである。最近の利用者側からの加工用
冷延鋼板に対する特性値上の要求は、高強度であると同
時に、高い加工性および高い防錆性を保持していること
である。本発明は、これらの要求に応える鋼板を提供す
る製造方法に関するものである。
(従来の技術) Cuを添加した鋼を用い、冷間圧延後の連続焼鈍条件を限
定することによって、加工性が良い(高r値)の高強度
冷延鋼板が製造できることは、本発明者等によって、特
開昭64-4429号公報に提案されているように、すでに公
知である。
定することによって、加工性が良い(高r値)の高強度
冷延鋼板が製造できることは、本発明者等によって、特
開昭64-4429号公報に提案されているように、すでに公
知である。
この鋼板に、さらに防錆性を付与するには、電気亜鉛め
っきを施すことによって可能である。しかし、より高防
錆性を得るために、電気亜鉛めっき鋼板で目付けを多く
することは経済的で困難であり、そのためには、溶融亜
鉛めっきの方がふさわしい。
っきを施すことによって可能である。しかし、より高防
錆性を得るために、電気亜鉛めっき鋼板で目付けを多く
することは経済的で困難であり、そのためには、溶融亜
鉛めっきの方がふさわしい。
しかし、特開昭64-4429号公報記載の発明鋼板を、通常
の連続焼鈍ラインを通して溶融亜鉛めっきをすると、こ
の成分範囲ではめっき密着性が悪く、高防錆性を満足す
るものとはならない。また、特開昭64-4429号公報記載
の発明の冷延鋼板を、冷延後すぐ溶融めっきラインを通
したものも、めっき密着性が悪いだけではなく、析出処
理工程がないので強度が得られず、新しい高防錆性鋼板
の要求を満足するものにならなかった。
の連続焼鈍ラインを通して溶融亜鉛めっきをすると、こ
の成分範囲ではめっき密着性が悪く、高防錆性を満足す
るものとはならない。また、特開昭64-4429号公報記載
の発明の冷延鋼板を、冷延後すぐ溶融めっきラインを通
したものも、めっき密着性が悪いだけではなく、析出処
理工程がないので強度が得られず、新しい高防錆性鋼板
の要求を満足するものにならなかった。
(発明が解決しようとする課題) 最近、高加工変形を必要とする複雑な形状をした部分が
増えてきていることとあわせて、部品の高強度化と、鋼
板の薄手化による部品の軽量化を図っていく必要性が高
くなっており、同時に、高防錆性が必要になってきた。
即ち、加工性を具備した高強度溶融亜鉛めっき鋼板の利
用者側からの要求が、益々強まるばかりであるが、従来
の鋼板では、このような利用者側の要求を到底満たすこ
とはできない。
増えてきていることとあわせて、部品の高強度化と、鋼
板の薄手化による部品の軽量化を図っていく必要性が高
くなっており、同時に、高防錆性が必要になってきた。
即ち、加工性を具備した高強度溶融亜鉛めっき鋼板の利
用者側からの要求が、益々強まるばかりであるが、従来
の鋼板では、このような利用者側の要求を到底満たすこ
とはできない。
これまでに、高r値で引張強さ45〜75kgf/mm2の高強度
冷延鋼板は得られている。しかし、この鋼板は、あくま
で高r値と高強度についてだけであり、溶融亜鉛めっき
性を得る方法については何ら考慮されていない。すなわ
ち、これまで溶融亜鉛めっきした高r値を有する高強度
鋼板は得られていない。
冷延鋼板は得られている。しかし、この鋼板は、あくま
で高r値と高強度についてだけであり、溶融亜鉛めっき
性を得る方法については何ら考慮されていない。すなわ
ち、これまで溶融亜鉛めっきした高r値を有する高強度
鋼板は得られていない。
このような実状に鑑み、また前述した要望に応えるた
め、本発明は、引張強さが45〜75kgf/mm2の範囲であ
り、しかも高いr値が得られる新規な高強度溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法を提供しようとするものである。
め、本発明は、引張強さが45〜75kgf/mm2の範囲であ
り、しかも高いr値が得られる新規な高強度溶融亜鉛め
っき鋼板の製造方法を提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、現在通常に採用されている工業的規模で
の連続焼鈍方式と、連続溶融亜鉛めっき方式の両方のラ
インを利用する高r値の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の工
業的製造方法を前提にし、低炭素鋼に、種々の元素を単
独あるいは複合添加する研究を行った。その結果、Cuを
添加した鋼のC量、Si量の低減、Al量の制限、および、
溶融めっきラインの温度条件の制限によって、高強度
で、高いr値を有し、かつ、同時に良好なめっき性を有
する鋼板を製造しうることを新規に知見した。
の連続焼鈍方式と、連続溶融亜鉛めっき方式の両方のラ
インを利用する高r値の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の工
業的製造方法を前提にし、低炭素鋼に、種々の元素を単
独あるいは複合添加する研究を行った。その結果、Cuを
添加した鋼のC量、Si量の低減、Al量の制限、および、
溶融めっきラインの温度条件の制限によって、高強度
で、高いr値を有し、かつ、同時に良好なめっき性を有
する鋼板を製造しうることを新規に知見した。
本発明は上記知見にもとづきなされたものである。すな
わち、本発明の高r値を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼
板は、重量%として、C:0.010%以下、Si:0.03%以下、
Mn:0.05〜0.5%、Cu:0.80〜2.2%、Sol.Al:0.005〜0.03
%、P:0.10%以下、S:0.001〜0.030%、N:0.0050%以
下、その他不可避的元素を含有するものを基本的成分と
して、これにTi,Nbの一種または二種を、更にはNiをそ
れぞれ必要に応じて含有させるものであり、そして、本
発明は、上記成分組成を有する鋼をAr3変態点以上で熱
間圧延し、450℃以下で巻き取り、冷間圧延後750℃以上
の温度で再結晶焼鈍し、続いて500℃以上700℃以下の温
度で0.5分以上3分以下加熱し鋼板表面の還元を行った
後、溶融めっきを施すことを特徴とする高r値を有する
高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を発明の構成とす
るものである。
わち、本発明の高r値を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼
板は、重量%として、C:0.010%以下、Si:0.03%以下、
Mn:0.05〜0.5%、Cu:0.80〜2.2%、Sol.Al:0.005〜0.03
%、P:0.10%以下、S:0.001〜0.030%、N:0.0050%以
下、その他不可避的元素を含有するものを基本的成分と
して、これにTi,Nbの一種または二種を、更にはNiをそ
れぞれ必要に応じて含有させるものであり、そして、本
発明は、上記成分組成を有する鋼をAr3変態点以上で熱
間圧延し、450℃以下で巻き取り、冷間圧延後750℃以上
の温度で再結晶焼鈍し、続いて500℃以上700℃以下の温
度で0.5分以上3分以下加熱し鋼板表面の還元を行った
後、溶融めっきを施すことを特徴とする高r値を有する
高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法を発明の構成とす
るものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
まず本発明において成分範囲を限定した理由は以下の通
りである。
りである。
C量は、高強度レベルになっても極めて高いr値と高い
延性を確保するために極力低減させることが必要であ
る。そのため、C量としては、0.010%以下にする必要
がある。これ以上のC量になるとr値および延性が下が
り本発明の目的が達成されない。
延性を確保するために極力低減させることが必要であ
る。そのため、C量としては、0.010%以下にする必要
がある。これ以上のC量になるとr値および延性が下が
り本発明の目的が達成されない。
Siは、高強度を得る元素としては有効であるが、めっき
密着性に対する悪影響が大である。そこでめっき密着性
の観点からSi:0.03%以下(添加せずかつ不純物として
の混入も極力さける)とする。
密着性に対する悪影響が大である。そこでめっき密着性
の観点からSi:0.03%以下(添加せずかつ不純物として
の混入も極力さける)とする。
Mn量は、鋼板のr値や延性を高めるには低い方が好まし
く、上限を0.5%とする。Mn量があまり低くなりすぎる
と鋳片の表面疵が発生し易くなるのでその下限を0.05%
とする。
く、上限を0.5%とする。Mn量があまり低くなりすぎる
と鋳片の表面疵が発生し易くなるのでその下限を0.05%
とする。
Cuは、極低炭素鋼に添加することによって、r値の高い
再結晶集合組織の発達を終えてから析出させて鋼板の強
度を高める効果を持つ。第1図は、C:0.0025%、Mn:0.1
5%、Si:0.01%、S:0.015%、P:0.07%、N:0.0025%、S
ol.Al:0.025%を含む鋼を基本成分とし、Cu量を0.71〜
2.06%の範囲で添加した鋼を溶製し、常法に従い熱間圧
延および冷間圧延を施し板厚0.8mmの鋼板とした後、850
℃で再結晶焼鈍し、室温まで冷却する。引き続き連続溶
融亜鉛めっきラインで、各種温度で60秒の還元処理をし
た後、溶融亜鉛めっきした鋼板の引張強さにおよぼす還
元処理温度の影響を示した図である。
再結晶集合組織の発達を終えてから析出させて鋼板の強
度を高める効果を持つ。第1図は、C:0.0025%、Mn:0.1
5%、Si:0.01%、S:0.015%、P:0.07%、N:0.0025%、S
ol.Al:0.025%を含む鋼を基本成分とし、Cu量を0.71〜
2.06%の範囲で添加した鋼を溶製し、常法に従い熱間圧
延および冷間圧延を施し板厚0.8mmの鋼板とした後、850
℃で再結晶焼鈍し、室温まで冷却する。引き続き連続溶
融亜鉛めっきラインで、各種温度で60秒の還元処理をし
た後、溶融亜鉛めっきした鋼板の引張強さにおよぼす還
元処理温度の影響を示した図である。
図中、曲線aはCu:2.06%、曲線bはCu:1.68%、曲線c
はCu:0.80%、曲線dはCu:0.71%の鋼板の引張強さを示
す。同図より、溶融亜鉛めっきの還元処理で高強度を得
るためには、0.8%以上のCu量が必要であることがわか
る。一方、2.2%を越えると熱延鋼板段階での表面品質
が劣化するので、Cuは0.8〜2.2%の範囲内にする必要が
ある。
はCu:0.80%、曲線dはCu:0.71%の鋼板の引張強さを示
す。同図より、溶融亜鉛めっきの還元処理で高強度を得
るためには、0.8%以上のCu量が必要であることがわか
る。一方、2.2%を越えると熱延鋼板段階での表面品質
が劣化するので、Cuは0.8〜2.2%の範囲内にする必要が
ある。
Sol.Alは、Alキルドを得るために必要な元素であるが、
めっき密着性を低下させるので可能な限り低くする必要
があり、0.005〜0.03%の範囲にする必要がある。
めっき密着性を低下させるので可能な限り低くする必要
があり、0.005〜0.03%の範囲にする必要がある。
Pは、鋼板の強度を上げる元素としてその必要強度レベ
ルに応じて添加する。しかし、0.10%を越えると二次加
工割れが発生するのでそれを上限とする。
ルに応じて添加する。しかし、0.10%を越えると二次加
工割れが発生するのでそれを上限とする。
S量は、鋼板のr値や延性を高めるには低い方が好まし
く、上限を0.030%とする。S量があまり低くなると工
業的に溶製が困難となるので、その下限を0.001%と定
める。
く、上限を0.030%とする。S量があまり低くなると工
業的に溶製が困難となるので、その下限を0.001%と定
める。
Nは、r値を高め、高延性を得るためには低い方が好ま
しく0.0050%以下とする。
しく0.0050%以下とする。
Ti,Nbの一種または二種をそれぞれ0.01〜0.2%、0.005
〜0.2%の範囲で添加すると、CとNはこれらによって
固定され鋼板は非時効性の鋼板になる。非時効性鋼板に
なると、時効による延性の低下はなくなり一層の高延性
鋼板が得られる。また、Ti,Nbの一種または二種の添加
は、鋼板のr値をより高いものにする効果がある。
〜0.2%の範囲で添加すると、CとNはこれらによって
固定され鋼板は非時効性の鋼板になる。非時効性鋼板に
なると、時効による延性の低下はなくなり一層の高延性
鋼板が得られる。また、Ti,Nbの一種または二種の添加
は、鋼板のr値をより高いものにする効果がある。
Niは、素材である熱延鋼板の表面品質を高品位に保ち、
熱間脆化を防止するのに有効である。必要に応じて0.15
〜0.45%の範囲で添加してもよい。
熱間脆化を防止するのに有効である。必要に応じて0.15
〜0.45%の範囲で添加してもよい。
次に熱間圧延工程では、連続鋳造機から直送された高温
鋳片または、加熱によって得られた高温鋳片をAr3以上
の温度で熱間圧延を行う。
鋳片または、加熱によって得られた高温鋳片をAr3以上
の温度で熱間圧延を行う。
熱間圧延後の巻取温度については、450℃超で巻き取っ
た場合、熱延板中にCuが微細に析出し、これが引き続く
冷間圧延・焼鈍時に再結晶集合組織に悪い作用をもつた
め、熱延後の巻取温度は450℃以下とする。
た場合、熱延板中にCuが微細に析出し、これが引き続く
冷間圧延・焼鈍時に再結晶集合組織に悪い作用をもつた
め、熱延後の巻取温度は450℃以下とする。
次に冷間圧延についてであるが、高r値を得るために
は、冷延圧下率は高い方が良い。50〜85%の範囲の冷延
圧下率であれば本発明の目的に適う。
は、冷延圧下率は高い方が良い。50〜85%の範囲の冷延
圧下率であれば本発明の目的に適う。
冷間圧延板の焼鈍は、750℃以上の温度で連続焼鈍を行
い、再結晶させると同時にCuの固溶をはかる。この際、
750℃未満の温度では再結晶が完了せず高r値が得られ
ず、しかもCuの固体溶も十分ではなく強度が得られな
い。連続焼鈍ライン通板後、連続溶融亜鉛めっきライン
を通板し、高強度を得ると同時に溶融亜鉛めっきを行
う。その場合、通常、溶融亜鉛めっき浴に浸漬する前に
鋼板表面を還元するが、その方法は通常の無酸化加熱−
還元方式、あるいはバーナー還元域を利用する直接還元
方式等いずれでも良い。あるいは適当な前処理を施した
後ラジアントチューブあるいは直接通電で加熱する方法
でも良い。ここでは、溶融亜鉛めっき前の加熱還元処理
と同時にCuの析出処理を行う。この際、還元処理温度が
450℃未満で0.1分未満では、Cuの析出が十分でなく高強
度が得られない。また、700℃超で3分超では析出物が
粗大化して十分な強度が得られない。また還元処理温度
が500℃未満で還元処理時間が0.5分未満では溶融めっき
密着性確保に必要な良好な還元表面が得られない。した
がって、還元処理温度は500℃以上700℃以下、0.5分以
上3分以下とする。
い、再結晶させると同時にCuの固溶をはかる。この際、
750℃未満の温度では再結晶が完了せず高r値が得られ
ず、しかもCuの固体溶も十分ではなく強度が得られな
い。連続焼鈍ライン通板後、連続溶融亜鉛めっきライン
を通板し、高強度を得ると同時に溶融亜鉛めっきを行
う。その場合、通常、溶融亜鉛めっき浴に浸漬する前に
鋼板表面を還元するが、その方法は通常の無酸化加熱−
還元方式、あるいはバーナー還元域を利用する直接還元
方式等いずれでも良い。あるいは適当な前処理を施した
後ラジアントチューブあるいは直接通電で加熱する方法
でも良い。ここでは、溶融亜鉛めっき前の加熱還元処理
と同時にCuの析出処理を行う。この際、還元処理温度が
450℃未満で0.1分未満では、Cuの析出が十分でなく高強
度が得られない。また、700℃超で3分超では析出物が
粗大化して十分な強度が得られない。また還元処理温度
が500℃未満で還元処理時間が0.5分未満では溶融めっき
密着性確保に必要な良好な還元表面が得られない。した
がって、還元処理温度は500℃以上700℃以下、0.5分以
上3分以下とする。
なお、これまでの検討は連続焼鈍ラインと連続溶融めっ
きラインとぞれぞれ別ラインを通板することを前提に検
討してきたが、再結晶焼鈍に必要な温度条件と、Cuの析
出とめっき密着性に必要な温度条件が満足するラインで
あれば、一つのラインでも可能である。
きラインとぞれぞれ別ラインを通板することを前提に検
討してきたが、再結晶焼鈍に必要な温度条件と、Cuの析
出とめっき密着性に必要な温度条件が満足するラインで
あれば、一つのラインでも可能である。
なお、溶融亜鉛めっき鋼板のスポット溶接性を改善する
目的で、溶融亜鉛めっき後530℃程度の温度で合金化処
理が行われることがある。この場合、合金化処理温度は
Cuの析出強化の範囲なので、合金化処理がない場合に比
べて一層強度が向上するので、この場合も高r値で高強
度の鋼板が得られる。
目的で、溶融亜鉛めっき後530℃程度の温度で合金化処
理が行われることがある。この場合、合金化処理温度は
Cuの析出強化の範囲なので、合金化処理がない場合に比
べて一層強度が向上するので、この場合も高r値で高強
度の鋼板が得られる。
(実施例) 第1表に示したA〜Jまでの鋼片を同表に示す条件で熱
延し巻き取り、板厚3.2mmの熱延鋼板を得た。その鋼板
を0.8mmまで冷間圧延を施した後、同表に示す温度で連
続焼鈍ラインで再結晶焼鈍し、引き続き溶融亜鉛めっき
ラインで溶融亜鉛めっきを施した。このラインは無酸化
加熱−還元炉方式である。めっき浴の温度を460℃に
し、浸漬時間は4秒であった。還元処理温度は同表中に
示した。この鋼板の機械的性質およびめっき密着性を第
2表に示す。
延し巻き取り、板厚3.2mmの熱延鋼板を得た。その鋼板
を0.8mmまで冷間圧延を施した後、同表に示す温度で連
続焼鈍ラインで再結晶焼鈍し、引き続き溶融亜鉛めっき
ラインで溶融亜鉛めっきを施した。このラインは無酸化
加熱−還元炉方式である。めっき浴の温度を460℃に
し、浸漬時間は4秒であった。還元処理温度は同表中に
示した。この鋼板の機械的性質およびめっき密着性を第
2表に示す。
本発明鋼A〜Eは45kgf/mm2を越える高強度でありなが
ら、r値は極めて高くしかも良好なめっき密着性を有す
る従来の鋼にない特徴を有している。これに対し比較鋼
FはC量が多いためr値が低く、伸びも低い。比較鋼G
は高いr値を持つが、Cu量が少ないため強度が上がら
ず、目的とする強度に達成しない。比較鋼Hは連続焼鈍
時の均熱温度が低いため再結晶が完了しておらず、r値
伸びとも低い。比較鋼Iは溶融亜鉛めっきラインでの還
元処理温度が低いため、目的とする強度が得られていな
い。比較鋼Jは鋼中のSi量が高いため、めっき密着性が
悪い。
ら、r値は極めて高くしかも良好なめっき密着性を有す
る従来の鋼にない特徴を有している。これに対し比較鋼
FはC量が多いためr値が低く、伸びも低い。比較鋼G
は高いr値を持つが、Cu量が少ないため強度が上がら
ず、目的とする強度に達成しない。比較鋼Hは連続焼鈍
時の均熱温度が低いため再結晶が完了しておらず、r値
伸びとも低い。比較鋼Iは溶融亜鉛めっきラインでの還
元処理温度が低いため、目的とする強度が得られていな
い。比較鋼Jは鋼中のSi量が高いため、めっき密着性が
悪い。
(発明の効果) 以上詳述したように本発明によって、高いr値をもった
引張強さ45〜75kgf/mm2の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の
製造が初めて可能となるものである。
引張強さ45〜75kgf/mm2の高強度溶融亜鉛めっき鋼板の
製造が初めて可能となるものである。
第1図は極低炭素冷延鋼板の引張強さにおよぼすCu量の
影響を溶融めっきラインの還元処理温度をパラメーター
として示すグラフである。
影響を溶融めっきラインの還元処理温度をパラメーター
として示すグラフである。
Claims (4)
- 【請求項1】重量%として、 C:0.010%以下、 Si:0.03%以下、 Mn:0.05〜0.5%、 Cu:0.8〜2.2%、 Sol.Al:0.005〜0.03%、 P:0.10%以下、 S:0.001〜0.030%、 N:0.0050%以下、 を含有する鋼を、Ar3点以上の温度で熱間圧延し、450℃
以下で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで冷間圧延を施
し、得られた冷延鋼帯を750℃以上の温度で再結晶焼鈍
し、続いて500℃以上700℃以下の温度で0.5分以上3分
以下加熱し鋼板表面の還元を行った後、溶融めっきを施
すことを特徴とする高r値を有する高強度溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法。 - 【請求項2】重量%として、 C:0.010%以下、 Si:0.03%以下、 Mn:0.05〜0.5%、 Cu:0.8〜2.2%、 Sol.Al:0.005〜0.03%、 P:0.10%以下、 S:0.001〜0.030%、 N:0.0050%以下、 およびTiまたはNbの一種または二種をそれぞれ0.01〜0.
2%,0.005〜0.2%の範囲で含有する鋼を、Ar3点以上の
温度で熱間圧延し、450℃以下で巻き取って熱延鋼帯と
なし、次いで冷間圧延を施し、得られた冷延鋼帯を750
℃以上の温度で再結晶焼鈍し、続いて500℃以上700℃以
下の温度で0.5分以上3分以下加熱し鋼板表面の還元を
行った後、溶融めっきを施すことを特徴とする高r値を
有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項3】重量%として、 C:0.010%以下、 Si:0.03%以下、 Mn:0.05〜0.5%、 Cu:0.8〜2.2%、 Sol.Al:0.005〜0.03%、 P:0.10%以下、 S:0.001〜0.030%、 N:0.0050%以下、 Ni:0.15〜0.70% を含有する鋼を、Ar3点以上の温度で熱間圧延し、450℃
以下で巻き取って熱延鋼帯となし、次いで冷間圧延を施
し、得られた冷延鋼帯を750℃以上の温度で再結晶焼鈍
し、続いて500℃以上700℃以下の温度で0.5分以上3分
以下加熱し鋼板表面の還元を行った後、溶融めっきを施
すことを特徴とする高r値を有する高強度溶融亜鉛めっ
き鋼板の製造方法。 - 【請求項4】重量%として、 C:0.010%以下、 Si:0.03%以下、 Mn:0.05〜0.5%、 Cu:0.8〜2.2%、 Sol.Al:0.005〜0.03%、 P:0.10%以下、 S:0.001〜0.030%、 N:0.0050%以下、 Ni:0.15〜0.70%、 およびTiまたはNbの一種または二種をそれぞれ0.01〜0.
2%,0.005〜0.2%の範囲で含有する鋼を、Ar3点以上の
温度で熱間圧延し、450℃以下で巻き取って熱延鋼帯と
なし、次いで冷間圧延を施し、得られた冷延鋼帯を750
℃以上の温度で再結晶焼鈍し、続いて500℃以上700℃以
下の温度で0.5分以上3分以下加熱し鋼板表面の還元を
行った後、溶融めっきを施すことを特徴とする高r値を
有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1248016A JPH0756056B2 (ja) | 1989-09-26 | 1989-09-26 | 高r値を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1248016A JPH0756056B2 (ja) | 1989-09-26 | 1989-09-26 | 高r値を有する高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03111519A JPH03111519A (ja) | 1991-05-13 |
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