JPH0713146A - 液晶表示素子およびそれを用いた応用装置 - Google Patents

液晶表示素子およびそれを用いた応用装置

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JPH0713146A
JPH0713146A JP5176241A JP17624193A JPH0713146A JP H0713146 A JPH0713146 A JP H0713146A JP 5176241 A JP5176241 A JP 5176241A JP 17624193 A JP17624193 A JP 17624193A JP H0713146 A JPH0713146 A JP H0713146A
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JP
Japan
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liquid crystal
light
crystal display
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film
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JP5176241A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Oi
好晴 大井
Masaya Keyakida
昌也 欅田
Yoshinori Hirai
良典 平井
Tsuneo Wakabayashi
常生 若林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】強い光を高効率変調する。 【構成】光が入出射する透明な表電極130と、画素電
極170等との間に液晶固化物複合体150が挟持さ
れ、裏電極基板160側から第1の低屈折率性薄膜25
0と第1の高屈折率性薄膜240が交互積層された多層
遮光膜190、第2の低屈折率性薄膜230と第2の高
屈折率性薄膜220とが交互積層された多層反射膜20
0とからなる反射機能層210が形成されたことを特徴
とする液晶表示素子であって、光吸収性を呈する前記第
1の高屈折率性薄膜にSi、Ge、CdTe、CdS
e、PbTeの少なくとも1つ、光透過性の前記第1の
低屈折率性薄膜にSiO2 、MgF2 、Na3 AlF
6 、CaF2 の少なくとも1つ、前記第2の高屈折率性
薄膜にTiO2 、Ta25 、ZrO2 、HfO2 、Z
nSの少なくとも1つ、前記第2の低屈折率性薄膜にS
iO2 、MgF2 、Na3 AlF6 、CaF2 の少なく
とも1つが用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、反射型の投射型液晶表
示装置およびそれに用いる液晶表示素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶光学素子は、当初はDSM(動的散
乱)型の液晶を用いた液晶光学素子も提案されていた
が、DSM型では液晶中を流れる電流値が高いため、消
費電流が大きいという欠点があり、現在ではTN(ツイ
ストネマチック)型液晶を用いるものが主流となってお
り、ポケットTVとして市場に現われている。TN型液
晶では、漏れ電流は極めて小さく、消費電力が少ないの
で、電池を電源とする用途には適している。しかし、偏
光板を用いるため表示が暗くなる欠点がある。
【0003】さらに近年、ネマチック液晶が固化物マト
リクス中に分散保持され、電圧の印加時または非印加時
のいずれかの状態においてその固化物マトリクスの屈折
率が使用する液晶の屈折率とほぼ一致するようにされた
液晶固化物複合体を狭持してなる透過散乱型液晶光学素
子が注目されてきている。この透過散乱型液晶光学素子
は、偏光板を使用しないため、明るい表示が可能である
という利点を有している。このため、特に投射型光学装
置に使用すると、明るい投射画像が得られるため注目を
集めている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この透過散乱型液晶光
学素子を、素子の片面に光反射層を形成し反射型素子と
して用いる場合、透過型素子として用いる場合に比べ光
が変調材料層を往復し作用長として2倍大きく、その結
果散乱時の散乱能が高い素子となる。したがって、この
透過散乱型液晶光学素子を反射型光学装置として用いた
場合、透過状態と散乱状態の差が顕著に生じ、透過型光
学装置の場合に比べ、高コントラスト表示が可能となり
得る。
【0005】また、各画素毎に能動素子と蓄積容量とを
形成した場合、反射型にすることにより蓄積容量形成に
伴う画素開口率の減少がなくなり、透過型に比べて高開
口率が得られやすいとともにTFT等の能動素子の設計
自由度が一般に増す。
【0006】しかし、反射型素子として用いる場合、素
子の裏電極基板に形成される光反射層は、画素電極を兼
ねて、一般にアルミニウム等の金属膜が用いられる。こ
のような反射電極としての金属膜は、下地材料と反応し
やすく、光学鏡面に相当する平坦面が得られにくいとい
う問題を有している。特に、下地にSiNx 等の絶縁材
料が用いられるTFTの場合、平坦性の劣化が顕著であ
る。
【0007】その結果、反射電極の凹凸による光の散乱
で、実効的光反射率が低下してしまうといった問題があ
った。また、アルミニウム電極膜等の金属反射膜の反射
率は90%程度以下で、100%に満たない部分は反射
膜で吸収され熱に変わり、素子特性を劣化させるといっ
た問題があった。さらに、反射電極表面が液晶層と反応
して、反射電極の反射率が経時的に低下するといった問
題が生じやすかった。
【0008】このため、投射型液晶光学装置に用いる反
射型の透過散乱型液晶光学素子の反射機能を有する裏電
極基板として、光学的反射鏡としての平坦面を有し、か
つ、光吸収の少ない高反射率性および経時変化に対する
安定性が要求されていた。また、能動素子の構成材料で
あるシリコン半導体は、入射光強度が高い場合光誘起電
流が生じるため画質が劣化してしまうことがある。
【0009】この光誘起電流を低減するため、透過型液
晶表示素子においては一般に表電極基板の能動素子部分
に対応した領域にCr遮光膜が形成される。しかし、反
射型液晶表示素子の場合にそのようなCr遮光膜の構成
では遮光膜の正規反射光が投射像に重畳し、コントラス
ト比を劣化させるといった問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、明るく高コントラスト比
を有する投射型液晶表示装置およびそれに用いる液晶表
示素子を提供する。
【0011】まず透明電極を有する表電極基板と、裏電
極基板との間に、ネマチック液晶が固化物マトリクス中
に分散保持された液晶固化物複合体が挟持され、電圧の
印加時または非印加時のいずれかの状態においてその固
化物マトリクスの屈折率が使用する液晶の屈折率とほぼ
一致するようにされ、裏電極基板と液晶固化物複合体と
の間に反射機能層が設けられた液晶表示素子であって、
裏電極基板の電極は能動素子によって駆動された画素電
極を備え、反射機能層は裏電極基板側から多層遮光膜と
多層反射膜とが積層された構造を有し、多層遮光膜は第
1の高屈折率性薄膜と第1の低屈折率性薄膜とが交互に
積層され、この多層遮光膜の膜厚方向に屈折率が相対的
に変化し、少なくとも第1の高屈折率性薄膜と第1の低
屈折率性薄膜の一方は光吸収性薄膜とされ、多層反射膜
は第2の高屈折率性薄膜と第2の低屈折率性薄膜とが交
互に積層されて多層反射膜の膜厚方向における屈折率が
相対的に変化してなることを特徴とする第1の液晶表示
素子を提供する。また上記の第1の液晶表示素子におい
て、光吸収性薄膜として入射光波長に対する吸収係数
(複素屈折率の虚部)が0.1以上である物質を用い、
第1の高屈折率性薄膜として、入射光波長に対する屈折
率が1.6以上かつ6.0以下、好ましくは1.8以上
かつ5.6以下である物質を用い、第1の低屈折率性薄
膜として、第1の高屈折率性薄膜の屈折率に対する屈折
率の差が0.2以上、好ましくは0.5以上である物質
を用い、第2の高屈折率性薄膜として、入射光波長に対
する屈折率が1.6以上かつ4.0以下、好ましくは
1.8以上かつ3.5以下である物質を用い、第2の低
屈折率性薄膜として、第2の高屈折率性薄膜の屈折率に
対する屈折率の差が0.2以上、好ましくは0.4以上
である物質を用いたことを特徴とする第2の液晶表示素
子を提供する。
【0012】また上記の第1または第2の液晶表示素子
において、光吸収性薄膜としてSi、Ge、CdTe、
CdSe、PbTeの内から選択される少なくとも1つ
を用いたことを特徴とする第3の液晶表示素子を提供す
る。また、上記の第1〜第3のいずれか1つの液晶表示
素子において、第2の高屈折率性薄膜としてTiO2
Ta25 、ZrO2 、HfO2 、ZnSの内から選択
される少なくとも1つを用い、第2の低屈折率性薄膜と
してSiO2 、MgF2 、Na3 AlF6 、CaF2
内から選択される少なくとも1つを用いたことを特徴と
する第4の液晶表示素子を提供する。また、上記の第1
〜第4のいずれか1つの液晶表示素子において、第1の
高屈折率性薄膜としてSi、Ge、CdTe、CdS
e、PbTeの内から選択される少なくとも1つを用
い、 第1の低屈折率性薄膜としてSiO2 、MgF
2 、Na3 AlF6 、CaF2 の内から選択される少な
くとも1つを用いたことを特徴とする第5の液晶表示素
子を提供する。
【0013】また、上記の第1〜第5のいずれか1つの
液晶表示素子において、多層反射膜は波長選択反射性を
有してなることを特徴とする第6の液晶表示素子を提供
する。また、上記の第1〜第6のいずれか1つの液晶表
示素子において、反射機能層の総膜厚は1〜5μmであ
ることを特徴とする第7の液晶表示素子を提供する。ま
た、上記の第1〜第7のいずれか1つの液晶表示素子に
おいて、反射機能層を透過する光の最小透過率が0. 0
1%以下であることを特徴とする第8の液晶表示素子を
提供する。また、上記の第1〜第8のいずれか1つの液
晶表示素子において、反射機能層の比抵抗が104 Ω・
cm以上であることを特徴とする第9の液晶表示素子を
提供する。また、上記の第1〜第9のいずれか1つの液
晶表示素子において、表電極基板が液晶固化物複合体と
の界面で微細な凹凸面を有することを特徴とする第10
の液晶表示素子を提供する。
【0014】また上記の第10の液晶表示素子におい
て、平均的電極間間隙をG、凹凸面を有する表電極基板
の凹凸の粗さをRa としたときに、 0. 03G<Ra <0. 3G (1) の関係を満たすことを特徴とする第11の液晶表示素子
を提供する。
【0015】さらに、上記の第1〜第11のいずれか1
つの液晶表示素子を、光源光学系と、投射光学系との光
路間に、光源光学系からの光が液晶表示素子の表電極基
板側から液晶表示素子内部に入射され、反射機能層によ
り反射され、表電極基板側から出射されて、投射光学系
によって投射されるように配置してなることを特徴とす
る第1の投射型液晶表示装置を提供する。また、上記の
第1の投射型液晶表示装置において、さらに色分離合成
光学系が設けられ、光源光学系により出射された光が色
分離合成光学系により複数の色分離光に色分離され、各
色分離光が異なる液晶光学素子に入射され、それぞれの
液晶光学素子の反射機能層によって反射された色分離光
が、色分離合成光学系により色合成され、単一の投射光
学系により投射されることを特徴とする第2の投射型液
晶表示装置を提供する。さらに、液晶表示素子の反射機
能層が、近赤外帯域のうち約1μm近傍(0.8μm〜
1.2μmの波長帯域、好ましくは0.9μm〜1.1
μm)のレーザ光に対して99%以上の反射率を有する
請求項1〜11のいずれか1つの液晶表示素子を光源光
学系と投射光学系との間に設け、投射光学系によって液
晶表示素子の画像が被照射物に縮小投影されることによ
って、被照射物に液晶表示素子の画像が形成されるよう
にしたことを特徴とするレーザ加工装置を提供する。
【0016】本発明の投射型液晶光学装置では、使用す
る液晶光学素子として、電気的に散乱状態と透過状態と
を制御し得る液晶固化物複合体を挟持した透過散乱型の
動作モードを有し、かつ反射型の液晶光学素子を用いて
いる。このため、偏光板が不要であり、明るい光源を使
用でき、かつ透過時の光の透過率を大幅に向上できる。
さらに、表側の電極基板の光の反射率を低減しているの
で、高コントラスト比が容易に得られる。
【0017】また、液晶固化物複合体を挟持した液晶光
学素子は、反射型のTN(ツイスト・ネマチック)型の
液晶光学素子に必須の配向処理やその際に発生する静電
気による能動素子の破壊といった問題も避けられるの
で、液晶光学素子の製造歩留りを大幅に向上させること
ができる。
【0018】さらに、この液晶固化物複合体は、固化後
はフィルム状になっているので、基板の加圧による基板
間短絡やスペーサーの移動による能動素子の破壊といっ
た問題点も生じにくい。
【0019】また、この液晶固化物複合体は、比抵抗が
従来のTNモードの場合と同等であり、DS(動的散
乱)モードのように大きな蓄積容量を画素電極毎に設け
なくてもよく、各画素電極に設けられる能動素子の設計
が容易で、かつ、液晶光学素子の消費電力を少なく保つ
ことができる。したがって、TNモードの従来の液晶光
学素子の製造工程から、配向膜形成工程を除くだけで製
造が可能になるので、生産が容易である。
【0020】液晶固化物複合体の比抵抗としては、5×
109 Ω・cm以上のものが好ましい。さらに、漏れ電
流等による電圧降下を最小限にするために、比抵抗とし
て1010Ω・cm以上がより好ましく、この場合には大
きな蓄積容量を画素電極毎に付与する必要がない。
【0021】また、本発明の反射型液晶表示素子の場
合、画素電極に並列して設けられる蓄積容量部は反射機
能層に覆われてしまうため、その容量値に対応した面積
が画素電極の開口率の低下を招くことがないので、透過
型液晶表示素子に比べ大きな蓄積容量を形成することが
可能である。その結果、液晶固化物複合体の比抵抗が5
×109 Ωcm程度のものでも、高い電圧保持率が達成
されやすい。
【0022】図3は、本発明の投射型液晶光学装置の基
本的構成を示す模式図である。図3において、光源光学
系1 の光源11から出射した光は、レンズ51等で集光され
て、光を平行光線化するレンズ3 を通過し反射型の液晶
表示素子30に入射し、裏電極基板側に設けられた反射機
能層で反射されて入射側に出射してきて、再度レンズ3
を通過し集光され、投射光学系4 に進み、拡散光を減ず
る装置である絞り41を通過し、投射光学系4 のレンズ42
により図示されていないスクリーンに投射される。
【0023】本発明の光源光学系は、図3では簡単に示
したが、光源に必要に応じて楕円面鏡、放物面鏡、球面
鏡やレンズ、錐体状プリズム等を適当に組み合わせたも
のが光源光学系として使用できる。光源としては、ハロ
ゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等
の白色光源やNd:YAG(1064nm)等の単色光
レーザがある。さらに、この光源光学系1には冷却系を
付加したり、赤外線カットフィルタや紫外線カットフィ
ルタ等を組み合わせてもよい。また、レーザ光をビーム
エキスパンダーで拡大平行光化し、入射光として用いて
もよい。
【0024】また、複数の液晶表示素子それぞれに色分
離光として入射させる場合には、最初から3色の光源を
準備してもよいし、ダイクロイックミラー、ダイクロイ
ックプリズム等により白色光源光を色分離してもよい。
具体的に図3の装置に適用するとすれば、例えば、光源
光学系1 とレンズ3 の間、またはレンズ3 と反射型の液
晶表示素子30との間に2枚のダイクロイックミラーを順
次配置すればよい。その場合、2枚のダイクロイックミ
ラーの反射面による2色の反射光と透過光に対応した3
つの出射面に3個の反射型の液晶表示素子が配置される
ことになる。
【0025】投射光学系4 は、レンズ等からなる従来か
らの投射光学系が使用されるが、投射光学系に拡散光を
減ずる装置を組み合わせて用いる。この拡散光を減ずる
装置は、液晶表示素子を通過した光のうち、入射光に対
して直進して反射してきた光(画素部分の液晶固化物複
合体が透明状態の部分を透過して裏側の反射機能層で正
規反射してくる光)を取り出し、直進しないで反射して
きた光(液晶固化物複合体が散乱状態の部分で散乱され
る光)を減ずるものであればよい。特に、直進して反射
してくる光は減ずることなく、直進しないで反射してき
た光である拡散光を減ずることが好ましい。
【0026】この拡散光を減ずる装置は、図3のよう
に、投射光学系4 と組み合わせて、投射光学系のレンズ
42の前後またはレンズの間に配置すればよい。この拡散
光を減ずる装置は、前記したような絞りであるアパーチ
ャやスポットに限られなく、例えば、光路上に配置され
た小面積の鏡であってもよい。また、特別なアパーチャ
等を用いなくとも、投射用レンズの焦点距離、口径を拡
散光が除去されるように選択してもよい。
【0027】光路長の短縮に関しては、投射光学系の中
に拡散光を減ずる装置を組み込むことも有効である。こ
の場合、独立に投射光学系と拡散光を減ずる装置を設置
するより光学系がシンプルになるとともに、サイズを小
さく抑えることができる。
【0028】投射光学系は、複数の反射型の液晶表示素
子を用いる場合には、その出射光を別々に投射するよう
にしてもよいし、1つに合成してから投射するようにし
てもよい。もっとも、1つに合成して投射する方が、光
軸が1本になるので、使用時の自由度が大きくなり好ま
しい。特に、前記のように入射用にダイクロイックミラ
ーやダイクロイックプリズムで色分離する場合、反射型
の液晶表示素子の場合には、出射光の合成にも同じダイ
クロイックプリズムが使用でき、高価な部品が少なくて
すむことにもなり、メリットが大きい。また、投射型液
晶表示装置の小型化にもつながる。
【0029】図1は、本発明の投射型液晶表示装置に用
いる反射型の液晶表示素子の断面図である。図1におい
て、凹凸120 は表電極基板110 の内面に形成された微細
な凹凸である。透明である表電極130 は、この微細な凹
凸120 面上に形成される。反射防止膜140 は表電極基板
110 の外面に形成される。液晶固化物複合体150 は、表
電極130 と多層反射膜200 との間に位置する。160 は裏
電極基板、170 は画素電極、180 はその画素電極毎に形
成された能動素子、190 は画素電極170 および能動素子
180 のさらに上面に形成された反射機能層210 の内の多
層遮光膜であり、200 はさらにその上に形成された多層
反射膜を示す。
【0030】本発明の反射型の液晶光学素子の表電極基
板110 は、ガラス、プラスチック等の透明基板であり、
その内面にIn23 −SnO2 (ITO)、SnO2
等の透明電極が形成されており、通常はベタ電極とされ
る。この表電極基板110 の少なくとも表面(光が入射し
てくる側の面)には反射防止膜140 が設けられる。好ま
しくは、両面に反射防止膜が設けられる。
【0031】この反射防止膜140 は、基板または電極と
屈折率を調整したSiO2 、TiO2 、ZrO2 、Mg
2 、Al23 、CeF3 等の無機物やポリイミド等
の有機物の単層、多層の干渉膜である。内面側では表電
極130 と液晶固化物複合体150 との間に反射防止膜を設
けてもよいし、表電極基板110 の基板自体と表電極130
との間に反射防止膜を設けてもよい。さらに、多層反射
防止膜との関係において、透明な表電極130 の屈折率、
膜厚を調整して用いてもよい。
【0032】また、図1に示したように、内面側では微
細な凹凸を有する膜であって散乱による正規反射を防止
する膜であってもよい。この場合、液晶固化物複合体固
有のヒステリシスによる焼き付き現象が抑制できる。こ
れにより、中間調においても画像品位の向上が可能とな
る。
【0033】液晶固化物複合体の透過率−電圧特性上の
ヒステリシスを低減し表示品位を向上することは、用い
る液晶材料、固化物材料、液晶固化物複合体の構造を最
適化することにより可能となる。
【0034】図1のように透明電極が微細な凹凸を有す
る表電極基板110 の上に形成されている場合、液晶固化
物複合体自体が多少のヒステリシスを有するとしても、
実際の表示では問題とならない程度に、見かけ上ヒステ
リシスを(または、ヒステリシスにより生ずる光学的な
問題を)低減できる。このため、図1のように表電極13
0 を凹凸界面構成とすることにより、入射光の正規反射
が低減されることによる視認性の向上が得られるととも
に、ヒステリシスも低減されるため画像品位が改善され
る。
【0035】なお、表電極基板110 に対して、後述する
レンズや色分離合成用のダイクロイックプリズム等(表
電極基板110 の材料と同程度の屈折率を有する)が光学
接着材あるいはカップリングオイル等で接合される場
合、界面反射が生じないため、反射防止膜140 は不要と
なる。
【0036】裏電極基板160 の材料としては、ガラス、
プラスチック、金属、セラミック、半導体等いずれでも
よい。また、接続用の電極や画素電極170 等からなる裏
電極の上にさらに反射機能層210 が設けられるため、裏
電極の材料としてはITO、SnO2 等の透明電極材料
だけでなく、アルミニウム、Cr等の不透明電極材料で
あってもよい。
【0037】この裏電極は画素電極170 を備え、画素を
構成するようパターニングされて用いられ、TFT(薄
膜トランジスタ)、薄膜ダイオード、MIM等の能動素
子180 を設けて接続する。あるいは、裏電極基板160 と
して単結晶シリコン基板を用い、画素電極170 毎に能動
素子180 を形成してもよい。
【0038】図2に反射機能層210 の構成例を示す(膜
厚方向での断面図)。画素電極170および能動素子180
が形成された裏電極基板160 上に多層遮光膜190 を成膜
し、さらにその上に多層反射膜200 を成膜する。
【0039】多層反射膜200 には入射光に対して透明な
材料が用いられ、具体的には、多層反射膜200 内で屈折
率が相対的に高い透光性の高屈折率性薄膜220 としてT
iO2 、Ta25 、ZrO2 、HfO2 、ZnSの誘
電体の内から少なくとも1つを用いる。かつ、屈折率が
相対的に低い低屈折率性薄膜230 としてSiO2 、Mg
2 、Na3 AlF6 、CaF2 の誘電体の内少なくと
も1つを用い、各々が交互に光波長オ−ダの光学膜厚
(n・d=屈折率n×膜厚d)で積層された構造を有
し、光干渉を利用した多層反射膜200 を構成する。
【0040】したがって、多層反射膜200 の反射率およ
び反射波長帯域は、同じ層数の場合では、高・低屈折率
差が大きな材料の組み合わせほど大きくなる。また、層
数が多い程反射率は大きな値となる。ただし、多層反射
膜の総膜厚は後述するように薄いほど好ましい。したが
って、実用的な膜厚・層数が存在する。反射膜として用
いるためには、必要とする波長光に対して80%以上、
さらに好ましくは90%以上の反射率を有することが要
求される。上記材料を用いた場合、この条件を満たすた
めには総膜厚として0. 5μm程度以上が必要となる。
【0041】本発明の投射型液晶表示装置において、一
般的な可視光のフルカラー・液晶プロジェクタを構成す
る場合、可視波長域の特定波長領域で98%程度の反射
率を達成するためには、誘電体による多層反射膜の総膜
厚は1. 5μm程度で達成できる。
【0042】反射波長帯の中心波長をλとすると、誘電
体から構成される多層反射膜の各層の光学膜厚n・dを
λ/4となるように積層することにより、波長λで最大
反射率となる。このようなλ/4スタック構成では反射
波長帯域に制約があるため、より広い反射波長帯域を得
るためには異なったλに対するλ/4スタック構成と組
み合わせることが有効である。
【0043】一方、特定のレーザ波長を、または白色光
をRGBの3色に色分離して液晶表示素子に入射させる
場合、単一のλ/4スタック構成で充分に必要とする反
射波長帯域をカバーできる。その結果、比較的薄い総膜
厚で高い反射率を得ることができる。このような場合、
反射機能層の多層反射膜は波長選択反射性を有している
ことが好ましい。
【0044】一方、図2において、反射機能層210 の多
層遮光膜190 は、屈折率が相対的に高い高屈折率性薄膜
240 と屈折率が相対的に低い低屈折率性薄膜250 とを交
互に光波長オーダの光学膜厚n・d(屈折率×膜厚)で
積層された構造を有し、かつ高屈折率性薄膜240 と低屈
折率性薄膜250 の少なくともいずれか一方に光吸収性の
物質を用いた光吸収性薄膜とされる。なお光吸収性の機
能を有しているが、多層遮光膜190 全体としては多層反
射膜200 と同様に多層膜内での光干渉を利用した反射機
能をも有している。多層反射膜200 によって反射されず
に透過してきた光を一部反射および一部吸収することに
よって、裏電極基板160 上の能動素子180 に到達する光
を遮断する。必要とされる光吸収性薄膜の光吸収性の程
度を示す光吸収係数k(複素屈折率の虚部)は、入射光
強度及び能動素子の光感光度(光誘起電流感度)および
総膜厚の許容値に依存するが、0.1以上であること、
さらには0.3以上であることが好ましい。
【0045】高屈折率性と光吸収性とを合わせて具備す
る材料としてSi、Ge、CdTe、CdSe、PbT
eの物質の内少なくとも1つが光吸収性の高屈折率性薄
膜240 として用いられ、屈折率が高屈折率性薄膜240 よ
りは相対的に低く透過性である材料としてSiO2 、M
gF2 、Na3 AlF6 、CaF2 の物質の内少なくと
も1つが光透過性の低屈折率性薄膜250 に用いられる。
【0046】透過率1%以下の高い遮光度を、1μm以
下の薄い膜厚の透光性誘電体多層膜のみで達成すること
は一般に難しいが、上記のような膜構成とすることによ
り可能となる。以上の説明では、光吸収性薄膜が高屈折
率性物質の場合について示したが、光吸収性薄膜が低屈
折率性物質の場合もある。多層遮光膜を構成する全ての
物質が光吸収性物質であることは、能動素子等の電子回
路ブロックに対する高い遮光度を達成できるので好まし
い。
【0047】上記のように光吸収性の高屈折率性薄膜24
0 を単層形成しても遮光機能は得られるが、充分な遮光
度を達成するためには厚い膜となってしまい、後述する
印加電圧ロスの問題が生ずる。上記の構成とすることに
より、多層反射膜200 によって反射されないで透過して
きた光を多層遮光膜190 中の光干渉により反射するとと
もに光吸収性の高屈折率性薄膜240 (および/または低
屈折率性薄膜250 )中の吸収により、光吸収性薄膜を単
層形成した場合に比べて、全体として薄い総膜厚で小さ
な透過率を達成する遮光度の高い多層遮光膜が得られ
る。
【0048】誘電体を用いた多層反射膜200 の場合と同
様に、反射波長帯の中心波長をλとすると、多層遮光膜
190 の各層の光学膜厚ndをλ/4となるように積層す
ることにより、波長λで最大反射率となるとともに広い
波長帯域で遮光機能を示す。
【0049】能動素子によって生成される電圧は、表裏
電極間に印加されるため、反射機能層及び液晶固化物複
合体層の誘電率に応じて配分される。したがって、電圧
が有効に液晶固化物複合体自体に印加されるためには、
反射機能層の電気容量は大きな値程好ましい。すなわ
ち、総膜厚は薄い程、また誘電率が大きな程好ましい。
具体的には、反射機能層の総膜厚は1〜5μmであるこ
とが好ましい。
【0050】反射機能層は液晶表示素子の画像表示部に
均一に形成されるため、導電性材料が用いられた場合、
各画素電極の能動素子によって生成された電圧を遮蔽し
てしまい液晶固化物複合体層に充分に印加されない。し
たがって、反射機能層に用いられる多層膜材料は導電性
材料であってはならない。
【0051】その比抵抗は高いほど好ましいが、少なく
とも104 Ω・cm以上であることを必要とする。光吸
収性の薄膜として用いられるSi、Ge、CdSe、C
dTe、PbTe等の物質は半導体であるため絶縁体の
ような高比抵抗は得られない。したがって、比抵抗を高
めるために、不純物を成膜ターゲットに混入する。また
は成膜を酸素または窒素が混在した雰囲気中で行う等の
対策が有効である。
【0052】反射機能層の透過率は、裏電極基板上に形
成された能動素子の光誘起電流の程度および入射光量に
応じて適切な値が決まる。比較的に光誘起電流の多いア
モルファス・ シリコンTFTを用い10万lux以上の
強照度が液晶表示素子に入射しても画質の劣化を生じな
いためには、反射機能層の最小透過率は0. 01%以下
であることが好ましい。アモルファス・ シリコンTFT
に比べ光誘起電流の少ない多結晶シリコンTFTを用い
た場合、反射機能層の最小透過率は比較的大きな値でも
支障ないため、反射機能層の総膜厚を薄くできる。
【0053】反射機能層の多層遮光膜と多層反射膜は、
各々の構成材料は異なるが成膜は同一プロセスで連続成
膜が可能であるため、生産性が高い。例えば、高周波マ
グネトロン・ スパッタリング、真空蒸着、イオンプレー
ティング等の成膜法において、同一チャンバ内で複数タ
ーゲットを順次用いることにより全体の積層膜が同一バ
ッチで形成して得られる。膜質そのものの性質として
は、スパッタリングやイオンプレーティング等の製造法
による成膜が好ましい。
【0054】次ぎに、投射型液晶表示装置としての構成
について説明する。図3において、光源光学系1 と反射
型液晶表示素子30、および投射光学系4 と反射型液晶表
示素子30との間にダイクロイックミラー、ダイクロイッ
クプリズム等の色分離合成系を配置し、白色光をRGB
3色に分離し3個の反射型の液晶表示素子を用いてフル
カラー表示を行う場合には、各液晶表示素子30の反射機
能層の多層反射膜は、波長選択反射性のない同一の反射
膜でもよいし、RGB各波長帯域のみ反射する個別の反
射膜であってもよい。
【0055】前者の場合、基板毎の構成の相違がないた
め液晶表示素子の製造上好ましい。後者の場合、前者に
比べて反射機能層の総膜厚を薄くできるため、印加電圧
ロスが低減される。
【0056】誘電体を用いた多層膜による反射鏡は、多
層膜の構成を変化させることで種々の分光特性が得ら
れ、その設計自由度が高いため、色分離合成系に用いる
ダイクロイックミラーまたはダイクロイックプリズムの
みでは色純度が不充分な場合でも、色純度を補正するよ
うなフィルタの効果を示すといった利点もあるため、R
GB各波長帯域のみ反射する個別の反射鏡としたときに
有効である。
【0057】本発明では、フルカラーの投射型液晶表示
装置において、ダイクロイックミラーまたはダイクロイ
ックプリズムにより白色投射光源系からの光をRGBの
3色に分離し、3個の反射型の液晶表示素子の反射機能
層によって反射された各色分離光を同一のダイクロイッ
クミラーまたはダイクロイックプリズムにより色合成し
た後、単一の投射光学系でスクリーンに投影することが
好ましい。
【0058】このような構成とすることにより、透過型
の液晶表示素子を用いた場合に比して、色分離合成系を
同一のダイクロイックミラーまたはダイクロイックプリ
ズムを用いることができるため、投射型液晶表示装置全
体としての小型化が可能になる。
【0059】また、本発明の液晶表示素子では、表電極
基板側或いは裏電極基板側の能動素子に対応した位置に
のみ遮光膜を形成するといった必要がないため、遮光膜
形成に伴う開口率の低下が抑制されるとともにパターニ
ング工程がないため生産性が大きく向上する。次に、本
発明の投射型液晶表示装置の動作を、電圧非印加の状態
で散乱状態の液晶固化物複合体を挟持した液晶表示素子
を用いた場合で説明する。
【0060】反射型の液晶表示素子の透過状態の画素の
部分では、光が透過し、反射膜で反射してきて(正規反
射)出射してくる。この直進光は拡散光を減ずる装置を
通過する光となるので、投射スクリーン上で明るく表示
される。一方、散乱状態の画素の部分では、光が散乱さ
れて、拡散光として出射してくる。この光はほとんどが
拡散光を減ずる装置を通過できないので、投射スクリー
ン上で暗く見えることになる。
【0061】なお、本発明では、反射型の液晶表示素子
としているので、散乱状態の画素の部分では、散乱され
ずに裏側まで到達した光は反射されて再度散乱部分を通
過するため、さらに散乱され、結果として薄い液晶固化
物複合体層で高い散乱率が得られる。また、透過型の液
晶表示素子に対して同じ散乱能とした場合、液晶固化物
複合体層が薄くできるので、駆動電圧が低減できる。
【0062】本発明では、液晶固化物複合体として細か
な孔の多数形成された固化物マトリクスとその孔の部分
に充填された液晶とからなり、電圧の印加時または非印
加時のいずれかの状態においてその固化物マトリクスの
屈折率が使用する液晶の屈折率とほぼ一致するようにさ
れる。この場合、使用する液晶の屈折率異方性Δnが
0.18以上である液晶固化物複合体を用いることが好
ましい。特に、正の誘電異方性のネマチック液晶を用
い、その固化物マトリクスの屈折率が使用する液晶の常
光屈折率(no )とほぼ一致するようにされることが好
ましい。
【0063】この液晶固化物複合体を表電極基板と、画
素電極及び能動素子が形成された基板上に多層遮光膜と
誘電体多層反射膜が積層された反射機能層を有する裏電
極基板側との間に挟持して反射型の液晶表示素子とす
る。この反射型の液晶表示素子の電極間への電圧の印加
状態により、その液晶の屈折率が変化し、固化物マトリ
クスの屈折率と液晶の屈折率との関係が変化し、両者の
屈折率が一致したときには透過状態(正規反射して光が
出射)となり、屈折率が異なったときには散乱状態(拡
散光が出射)となる。
【0064】この細かな孔の多数形成された固化物マト
リクスとその孔の部分に充填された液晶とからなる液晶
固化物複合体は、マイクロカプセルのような液泡内に液
晶が封じ込められたような構造であるが、個々のマイク
ロカプセルが完全に独立していなくてもよく、多孔質体
のように個々の液晶の液泡が細隙を介して連通していて
もよい。
【0065】本発明の反射型の液晶光学素子に用いる液
晶固化物複合体は、液晶と、固化物マトリクスを構成す
る硬化性化合物とを混ぜ合わせて溶液状またはラテック
ス状にしておいて、これを光硬化、熱硬化、溶媒除去に
よる硬化、反応硬化等させて固化物マトリクスを分離
し、固化物マトリクス中に液晶が分散した状態をとるよ
うにすればよい。この硬化性化合物を、光硬化または熱
硬化タイプにすることにより、密閉系内で硬化できるた
め好ましい。特に、光硬化タイプの硬化性化合物を用い
ることにより、熱による影響を受けなく、短時間で硬化
させることができ好ましい。
【0066】具体的な製法としては、従来の通常のTN
型液晶光学素子と同様にシール材を用いてセルを形成
し、注入口から液晶と硬化性化合物との未硬化の混合物
を注入し、注入口を封止した後、光照射をするか加熱し
て硬化させることもできる。
【0067】また、本発明の反射型の液晶光学素子の場
合には、シール材を用いなく、例えば、表電極基板と裏
電極基板のいずれか一方の電極基板上に液晶と硬化性化
合物との未硬化の混合物を供給し、その後、他方の電極
基板を重ねて、光照射等により硬化させることもでき
る。
【0068】もちろん、その後、周辺にシール材を塗布
して周辺をシールしてもよい。この製法によれば、単に
液晶と硬化性化合物との未硬化の混合物をロールコー
ト、スピンコート、印刷、ディスペンサーによる塗布等
の供給をすればよいため、注入工程が簡便であり、生産
性がきわめてよい。
【0069】これらの液晶と硬化性化合物との未硬化の
混合物には、基板間隙制御用のセラミック粒子、プラス
チック粒子、ガラス繊維等のスペーサー、顔料、色素、
粘度調整剤、その他本発明の性能に悪影響を与えない添
加剤を添加してもよい。
【0070】電圧非印加時に散乱状態である素子に、こ
の硬化工程の際に特定の部分のみに充分高い電圧を印加
した状態で硬化させることにより、その部分を常に光透
過状態にすることができるので、固定表示したいものが
ある場合には、そのような常透過部分を形成してもよ
い。逆に、電圧非印加時に透過状態である素子の場合に
は、同様にして常散乱部分を形成できる。
【0071】この液晶固化物複合体を使用した反射型の
液晶表示素子の透過状態での透過率は高いほどよく、散
乱状態でのヘイズ値は80%以上であることが好まし
い。
【0072】本発明では、電圧印加状態または非印加状
態のいずれかで、固化物マトリクス(硬化後の)の屈折
率が、使用する液晶の屈折率と一致し、逆の状態では固
化物マトリクスの屈折率が、使用する液晶の屈折率と一
致しないようにされる。これにより、固化物マトリクス
の屈折率と液晶の屈折率とが一致したときに光が透過
し、一致しないときに光が散乱(白濁)することにな
る。この素子の散乱性は、従来のDSモードの反射型の
液晶表示素子の場合よりも高く、高いコントラスト比の
表示が得られる。
【0073】本発明では、特に、電圧印加状態で、固化
物マトリクス(硬化後の)の屈折率が、使用する液晶の
o と一致するようにされることが好ましい。これによ
り、電圧印加時に透過状態になるので、光透過時の透過
率が高くなりかつ均一に透過するので、表示のコントラ
スト比が向上する。
【0074】固化物マトリクス中に分散保持される液晶
は、独立した粒子、または一部が連通した粒子であるこ
とが好ましい。これは、高い散乱能と低電圧で駆動した
際の高い透過性を両立するために有効である。散乱は液
晶と固化物マトリクスの界面の存在により引き起こされ
る。このため、この界面の面積が大きいほど散乱性は向
上する。ある最適な液晶粒子径で、この界面の面積を増
大させるためには、独立して樹脂と分離した液晶量を多
くする、即ち、液晶粒子密度を多くすることが重要であ
る。
【0075】しかし、固化物マトリクスと分離した液晶
量を増大していくと、いずれ夫々の液晶粒子が連通する
ようになり、さらには液晶が全て連通した構造をとるよ
うになり、これは固化物マトリクスと分離した液晶界面
の喪失につながるため、散乱能の低下につながる。
【0076】使用する液晶の屈折率異方性Δn(=ne
−no )は、散乱性に寄与し、高い散乱性を得るには、
ある程度以上大きいことが好ましく、具体的にはΔn>
0.18が好ましく、特にΔn>0.22が好ましい。
また、使用する液晶のno は固化物マトリクスの屈折率
(np )とほぼ一致することが好ましく、このとき電界
印加時に高い透明性が得られる。具体的にはno −0.
03<np <no +0.05の関係を満たすことが好ま
しい。
【0077】また、散乱性を向上させるには、液晶固化
物複合体の動作可能な液晶の体積分率Φを増加させるこ
とが有効であり、Φ>20%が好ましく、より高い散乱
性を有するにはΦ>35%が好ましく、さらにはΦ>4
5%が好ましい。一方Φがあまり大きくなると、液晶固
化物複合体の構造安定性が悪くなるため、Φ<70%が
好ましい。
【0078】本発明の反射型の液晶表示素子の液晶固化
物複合体では、電圧非印加時には、液晶分子は固化物マ
トリクス壁面に影響を受けて配列しているため、一定方
向に配列していない。このため、この状態で両者の屈折
率が異なる場合には、散乱状態(つまり白濁状態)を示
す。
【0079】このような電圧非印加時に散乱状態を示す
反射型の液晶表示素子を投射型表示装置として用いる場
合には、電極のない部分は光が散乱され、裏電極の画素
部分以外の部分に遮光膜を設けなくても、光が投射スク
リーンに到達しないため、黒く見える。このことによ
り、画素以外の部分からの光の漏れを防止するために、
画素以外の部分を遮光膜等で遮光する必要がないことと
なり、遮光膜の形成工程が不要となるという利点も有す
る。
【0080】画素の配線電極が形成されている場合、対
向電極との間の液晶固化物複合体層に弱い電界が生成さ
れ、それに伴って入射光が液晶固化物複合体層を通過
し、配線電極に反射されて黒表示にならない場合があり
得る。その対策として、配線電極上に反射防止膜あるい
は光吸収層を形成すればよい。
【0081】より好ましくは、配線電極表面に凹凸を形
成することによって配線電極部の正規反射光を低減し散
乱光とすることによって投射系の開口部入射を低減し、
結果的に配線部の電圧にかかわらず黒表示とする。配線
電極表面の凹凸形成は、電極材料であるアルミニウムや
Cr等の金属表面を直接散乱面としてもよいし、感光性
樹脂やポリイミド等のパターニングしたものに凹凸を形
成し、屈折散乱面を形成してもよい。
【0082】この液晶表示素子の所望の画素の電極間に
電圧を印加する。この電圧を印加された画素部分では、
液晶が電界方向に平行に配列し、液晶のno と固化物マ
トリクスのnp とが一致することにより透過状態を示
し、当該所望の画素で光が透過することとなり、投射ス
クリーンに明るく表示される。
【0083】本発明で能動素子としてTFTを用いる場
合には、半導体材料としてはシリコンが好適であり得
る。特に多結晶シリコンは、非結晶シリコンのように感
光性が少ないため、光源からの光を遮光膜により遮光し
なくても誤動作しなく、好ましい。この多結晶シリコン
は、本発明のように投射型液晶表示装置として用いる場
合、強い投射用光源を利用でき、明るい表示が得られ
る。
【0084】本発明の液晶表示素子および液晶表示装置
は、このほか赤外線カットフィルタ、紫外線カットフィ
ルタ等を積層したり、文字、図形等を印刷したりしても
よいし、複数枚の液晶表示素子を用いたりするようにし
てもよい。
【0085】さらに、本発明では、この液晶表示素子の
外側にガラス板、プラスチック板等の保護板を積層して
もよい。これにより、その表面を加圧しても、破損する
危険性が低くなり、安全性が向上する。
【0086】本発明では、前述の液晶固化物複合体を構
成する未硬化の硬化性化合物として光硬化性化合物の使
用が好ましく、なかでも光硬化性ビニル系化合物の使用
が好ましい。具体的には、光硬化性アクリル系化合物が
例示される。特に、光照射によって重合硬化するアクリ
ルオリゴマーを含有するものが好ましい。
【0087】本発明で使用される液晶は、ネマチック液
晶であればよく、固化物マトリクスの屈折率がその液晶
のno と一致するような液晶が好ましい。この液晶は、
単独で用いても組成物を用いてもよいが、動作温度範
囲、動作電圧など種々の要求性能を満たすには組成物を
用いた方が有利といえる。
【0088】また、液晶固化物複合体に使用される液晶
は、光硬化性化合物を用いた場合には、光硬化性化合物
を均一に溶解することが好ましく、光露光後の硬化物は
溶解しない、もしくは溶解困難なものとされることが好
ましい。また、組成物を用いる場合は、個々の液晶の溶
解度ができるだけ近いものが好ましい。
【0089】液晶固化物複合体を製造する場合、従来の
通常の液晶表示素子のように基板と対向電極基板とを電
極面が対向するように配置して、周辺をシール材でシー
ルして、注入口から未硬化の液晶固化物複合体用の混合
液を注入して、注入口を封止してもよいし、一方の電極
基板上に硬化性化合物と液晶との未硬化の混合物を供給
し、他方の電極基板を重ね合わせるようにして製造して
もよい。
【0090】本発明の液晶表示素子は、液晶中に2色性
色素や単なる色素、顔料を添加したり、硬化性化合物と
して着色したものを使用したりしてもよい。
【0091】本発明では、液晶固化物複合体として液晶
を溶媒として使用し、光露光により光硬化性化合物を硬
化させることにより、硬化時に不要となる単なる溶媒や
水を蒸発させる必要がない。このため、密閉系で硬化で
きるため、従来のセルへの注入という製造法がそのまま
採用でき、信頼性が高く、かつ、光硬化性化合物で2枚
の基板を接着する効果も有するため、より信頼性が高く
なる。
【0092】このように液晶固化物複合体とすることに
より、上下の透明電極が短絡する危険性が低く、かつ、
通常のTN型の液晶光学素子のように配向や基板間隙を
厳密に制御する必要もなく、透過状態と散乱状態とを制
御し得る液晶表示素子をきわめて生産性よく製造でき
る。
【0093】なお、投射スクリーン上に到達する直進成
分と散乱成分との比は、拡散光を減ずる装置であるスポ
ット、鏡等の径およびレンズの焦点距離により制御可能
で、所望の表示コントラスト、表示輝度を得られるよう
に設定すればよい。
【0094】アパーチャのような拡散光を減ずる装置を
用いる場合、表示の輝度およびコントラスト比を向上さ
せるためには、投射用光源から液晶光学素子に入射され
る光はより平行であることが好ましい。そのためには高
輝度でかつできるだけ点光源に近い光源と、凹面鏡、コ
ンデンサーレンズ等を組み合わせて光源光学系を構成す
ることが好ましい。このため、レーザ光のように指向性
の高い光源を用いることは、より平行に近い光が得ら
れ、高コントラスト比を得るうえで有効である。
【0095】また、上記の説明では、拡散光を減ずる装
置としては主としてアパーチャやスポットで説明した
が、スポットの代わりに小型の鏡を配置して必要な光の
みを取り出すようにすることができる。
【0096】また、透過型に比べ反射型の場合、裏電極
基板はガラス等の透光性材料である必要はなく、材料選
択の自由度が高い。さらに、裏電極基板の表面に放熱板
や、ヒータやペルチェ素子等の温度調整機を温度計とと
もに設置し、液晶固化物複合体をその最適動作温度域に
温度調整することができる。
【0097】本発明の投射型液晶表示装置は、投射用の
光源からの光を反射型の液晶表示素子に入射させ、その
反射して出射した光を用いるものであればよい。このた
め、大型の投射スクリーンに画像を投射する表示装置の
みでなく、反射型光変調器をも含むものである。
【0098】例えば図3において、入射光としてQスイ
ッチによりパルス発振する波長が約1064nmのN
d:YAGレーザを光源11として用い、液晶表示素子30
の反射光を投射レンズ42を用いて被照射物に縮小投影結
像することにより、液晶表示素子30上の画像を被照射物
に焼き付けるレーザ・マーカあるいはレーザ加工装置が
得られる。このとき、液晶表示素子30の反射機能層は波
長約1064nm近傍のみの光に対して反射機能および
遮光機能を有すればよい。
【0099】
【作用】本発明では液晶固化物複合体を用いて反射型の
液晶表示素子としているので、薄い厚みの液晶固化物複
合体でも高い散乱特性を得ることができ、素子自体の特
性として高コントラスト比が得られる。
【0100】さらに、反射機能層の構成要素として誘電
体の多層反射膜を用いているので、金属膜による反射膜
に比べ、平坦性がきわめてよい光学反射面が得られると
ともに高い反射率を示し、その結果、高輝度・高コント
ラスト比の表示が得られる。
【0101】さらに、反射機能層の構成要素として多層
遮光膜を用いているので、比較的薄い膜厚で高い遮光度
を得ることが可能であり、パターニングを必要としない
ため作製工程が簡単であり、歩留まりが向上し、生産性
が高くなるとともに、マトリクス状の能動素子形成後の
大きな開口率を維持できる。
【0102】特に、透過型表示素子においては蓄積容量
部は非開口部であったが、本発明の構成による反射型表
示素子においては有効表示部となるため、実効的開口率
が向上する。また、比較的比抵抗の小さな液晶固化物複
合体を用いた場合でも、大きな蓄積容量を形成すること
により、開口率を低下させないで高い電圧保持率を確保
できる。
【0103】さらに、誘電体多層膜による反射膜の構成
に応じて分光反射率を任意に調整できるので、可視波長
域から赤外波長域において高い反射率を有する反射鏡が
得られる。
【0104】
【実施例】
(実施例1)ガラス基板(コーニング社製「705
9」)の表面上にITO透明電極を設け、画素電極とし
てパターニングし、各画素毎の裏電極に多結晶シリコン
TFTを配置した裏電極基板を3枚作製した。
【0105】この各裏電極基板上に、図2に示すよう
に、屈折率3.4、光吸収係数0.5の可視光吸収材料
であるSiを光吸収性を示す高屈折率性薄膜240 とし
て、屈折率1.45のSiO2 を光透過性の低屈折率性
薄膜250 として、交互に光学膜厚n・dがλ/4(λは
入射光波長帯域の中心波長、ここではλ=540nmと
した)になるよう10層積層した。これにより、420
nm〜680nmの広い波長帯域において透過率0.5
%以下の多層遮光膜190 が形成できた。この多層遮光膜
190 の総膜厚は0.7μm程度であった。
【0106】さらに、このような多層遮光膜190 が形成
された上に、透光性誘電体材料である屈折率2.35の
TiO2 を高屈折率性薄膜220 とし、屈折率1.45の
SiO2 を低屈折率性薄膜230 として、交互に積層し多
層反射膜200 とした。光学膜厚がλ/4(ここではλ=
540nmとした)になるよう18層積層することによ
り、490nm〜600nmの広い波長帯域において反
射率98%以上の多層反射膜が形成できた。
【0107】その結果、多層膜反射鏡200 と多層遮光膜
190 と合わせて、透過率490nm〜600nmの広い
波長帯域において透過率0.01%以下の高い遮光度が
達成された。このとき、反射機能層210 の総膜厚は約
2.0μmであった。この分光特性はGreen用であ
るが、多層膜反射鏡200 の光学膜厚(λ/4)の波長λ
の条件をBlue、Red用に変更して、RGB色用の
遮光度の高い反射膜が形成された反射型液晶表示素子を
3枚作製した。
【0108】成膜は高周波マグネトロン・スパッタリン
グ装置を用いてSiO2 とSiの交互積層してなる多層
遮光膜を成膜し、連続してその上にSiO2 とTiO2
を交互に積層した多層反射膜を形成した。膜構成として
は、すべての膜界面で屈折率の「高低・高低」という変
化があることが好ましい。画素電極がITOの場合、ま
たはITOの保護層(SiO2 や窒化膜等)が設けられ
る場合にも、それらの屈折率値に対して最下層の膜との
間で、この条件を具備することが全体の反射性機能を高
めるので好ましい。
【0109】誘電体を用いた多層反射膜の反射波長帯域
が入射光波長域をカバーしている場合は多層遮光膜の遮
光度は低くて支障ないため薄い膜厚でよい。具体的に
は、能動素子が感光性の高いアモルファス・シリコンT
FTの場合、多層反射膜と多層遮光膜との組み合わせで
入射光の波長帯域において透過率が0.01%以下であ
ることが好ましい。したがって、入射光の波長帯域にお
いて多層反射膜の透過率が1%以下の場合は多層遮光膜
の透過率も1%以下であればよい。つまり、相互の組み
合わせの関係において、補助し合うように反射機能層全
体を設定することができる。
【0110】一方、能動素子が感光性の低い多結晶シリ
コンTFTの場合、多層反射膜と多層遮光膜との組み合
わせで入射光の波長帯域において透過率が0.1%以下
であることが好ましい。したがって、入射光の波長帯域
において遮光膜の透過率が1%以下の場合は多層反射膜
の透過率は10%以下であればよい。
【0111】また、光学膜厚が単純な4/λ交互積層で
はなく、波長λを可視波長域に分散させることにより、
420nm〜680nmの可視波長帯域において反射率
90%以上の誘電体多層膜ミラーが形成できる。この時
の多層膜ミラーの総膜厚は約2μmであるため、上述の
膜厚0.7μmの多層遮光膜と組み合わせることにより
可視波長帯域において透過率0.01%以下の高い遮光
度が達成された。
【0112】ここでは、可視光域において光吸収性を示
す材料である非金属物質膜としてSiを用いた干渉多層
膜の遮光膜構成を示したが、Siの代わりに屈折率の高
いGeやCdTeやCdSeやPbTeを用いればより
少ない膜厚で同程度の遮光度が達成できる。一方、同じ
ガラス基板の一面を、正規反射光を低減し、透過光を極
端に低減しない程度に1000番の研磨剤で研磨して表
面に微細な凹凸を形成し、さらにその上にITO透明電
極を形成した。この時得られた凹凸の平均ピッチは約5
0μm、凹凸の平均深さは約4μmであり、Ra で約1
μmであった。
【0113】なお、ここでRa とはJIS B 060
1−1982(ISO 468−1982)に規定され
る中心線平均粗さを指す。
【0114】この裏電極基板と表電極基板の間に直径1
0μmのスペーサを散布し周辺部をシール材でシールし
て、図1に示すようなRGB3個の液晶表示素子を形成
した。セル形状は対角4.4インチ、画素数は縦480
個×横640個、各画素サイズは140μm×140μ
mであった。また、この透過散乱型の液晶表示素子にお
いては、従来のTN型液晶表示素子に必要であった遮光
膜を表電極基板上に形成する必要がないため、反射膜を
形成する前の透過型の液晶表示素子の状態で画素の開口
率が58%と高い値を示している。
【0115】さらに、誘電体多層膜による多層反射膜を
形成し反射型の液晶表示素子とすることにより、蓄積容
量部分も開口部として用いることができる。このため、
開口率が67%と大きな値が得られた。同じTFT構成
で従来の透過型のTN型液晶表示素子を用いる場合は、
遮光膜形成に伴い開口率が40%と低い値に留まってい
た。
【0116】これにΔnが約0.24、Δεが約16の
ネマチック液晶をアクリレートモノマー、2官能ウレタ
ンアクリレートオリゴマー、光硬化開始剤と均一に溶解
した溶液をセルに注入し、紫外線露光により液晶固化物
複合体を硬化させ、液晶量が68wt%の3個の反射型
の液晶表示素子を作製した。飽和透過率の90%の透過
率となる印加電圧を駆動電圧と定義すると、これらの反
射型液晶表示素子の駆動電圧はいずれも6Vであった。
【0117】そして、裏電極基板の片面から温度測定用
の熱電対が取り付けられたヒータ内臓の放熱板を接着
し、背後に空冷ファンを設けた。実際の投射表示状態で
は、この熱電対の温度を監視しながら、各反射型液晶表
示素子の温度が35℃±5℃の範囲に保持されるように
強制的にヒータ加熱および空冷できる機構とした。
【0118】本実施例の投射型液晶表示装置の平面図を
図4に、側面図を図5に示す。図5の側面図では、3組
の反射型液晶表示素子31、32、33の内ダイクロイックミ
ラーにより反射分光された色光に対応した2組の反射型
液晶表示素子31、32は省略した。
【0119】図4、図5に示されるように、これら3個
の各RGB用の反射型液晶表示素子31A 、32A 、33A の
各表電極基板に、焦点距離180mmの平凸球面レンズ
31B、32B 、33B の平面側を光学接着剤で接合し、反射
型液晶表示素子31、32、33とした。レンズ凸面には各波
長帯域に対応した反射防止膜が形成され、反射率が0.
1%以下に抑えられている。
【0120】平凸球面レンズとして、光ファイバのクラ
ッドの側面に光吸収材であるEMAが形成されたものを
束ねた構造のファイバ・アレイ・プレート(FAP)を
用いてもよい。この場合、高角度散乱光はファイバ中を
伝播しないのでEMA中に吸収されるため高コントラス
ト化が達成される。
【0121】次に、この反射型液晶表示素子31、32、33
を、図4の光源系1 、色分離合成系2 、投射レンズ系4
から成る投射型装置に組み入れた。光源光学系1 におい
て、光源11に150W、アーク長5mmのメタルハライ
ドランプを用い、コールドミラー付き楕円鏡12で集光し
た。光源の発光部を楕円鏡の第1焦点近傍に配置し、楕
円鏡の第2焦点近傍に錐体状プリズム14を配置した。錐
体状プリズムは、その底面から光が入射し頂角側に光が
出射する向きとし、頂角が60°となるように光学ガラ
スを加工・研磨した後、表面に反射防止膜を形成した。
【0122】さらに、錐体状プリズムの光出射側に開口
径が可変である開口絞り13を設置した。この錐体状プリ
ズムは、アーク発光光源を用いたとき生成されやすい配
光分布不均一に起因した液晶表示素子面の光量分布不均
一性を改善する効果がある。ここでは透過型の光学素子
である錐体状プリズムを用いているが、錐体物表面に反
射膜が形成された反射型錐体物でもよい。その場合、そ
の頂角の2等分線は光軸に対して傾斜させるとともに頂
角の最適値は透過型の場合とは異なる。
【0123】光学系において、反射型液晶表示素子31、
32、33への入射光の光軸と反射型液晶表示素子からの反
射光の光軸との平均軸を中心光軸5 と定めると、色分離
合成用である2種2個の平板型ダイクロイックミラー2
1、22はその垂線と中心光軸5とのなす角度が30゜とな
るように、かつ2個のダイクロイックミラー21、22をそ
のミラー面のなす角度βが60゜となるように、交差さ
せることなく順次配置した。
【0124】また、反射型液晶表示素子31、32、33の反
射面の垂線と入射光および反射光の光軸とのなす角度γ
が6゜になるよう配置された。また、反射型液晶表示素
子の反射面における入射光の光軸と反射光の光軸によっ
て定まる平面と、2個のダイクロイックミラーの垂線に
よって定まる平面とが、直交するように配置した。
【0125】次に小型かつ軽量で色純度が高いフルカラ
ー方式の投射型液晶表示装置を提供する本実施例の配置
構成について説明する。
【0126】すなわち、投射用光源系と色分離合成用の
ダイクロイックミラーと3個の反射型液晶表示素子と集
光レンズと投射レンズとが設けられたフルカラーの投射
型液晶表示装置であって、色分離合成用のダイクロイッ
クミラーが第1の平板型ダイクロイックミラーと第2の
平板型ダイクロイックミラーとからなり、光軸と第1の
平板型ダイクロイックミラー面の法線とがなす角度α1
が20°から35゜とされ、光軸と第2の平板型ダイク
ロイックミラー面の法線とがなす角度α2 が20°から
35゜とされ、かつ第1の平板型ダイクロイックミラー
面と第2の平板型ダイクロイックミラー面とが水平面上
でなす角度βが40゜から70°となるように配置さ
れ、反射型液晶表示素子は電気的に透過散乱状態を制御
する機能を有し、かつ上述した多層反射膜と多層遮光膜
とからなる反射機能層を裏電極基板側に備え、3個の反
射型液晶表示素子はいずれも、反射面の法線と光軸との
なす角度γが2゜から10゜となるように配置され、反
射面における入射光の光軸と反射光の光軸とによって定
まる平面と、第1の平板型ダイクロイックミラーの法線
を含む平面と平行であり、かつ第2の平板型ダイクロイ
ックミラーの法線を含む平面に平行な平面とがほぼ直交
するように配置され、光源から発した発散光は、第1の
平板型ダイクロイックミラーおよび/または第2の平板
型ダイクロイックミラーの働きにより色分離され3つの
色光とされ、第1の平板型ダイクロイックミラーまたは
第2の平板型ダイクロイックミラーいずれか一方から出
射され、さらに各色光毎に設けられた集光レンズを通過
してほぼ平行光化されたのち各色光毎に対応された各反
射型液晶表示素子に入射せしめられ反射面で反射され、
反射された各色光は再び各集光レンズにより集光され、
第1の平板型ダイクロイックミラーおよび/または第2
の平板型ダイクロイックミラーの働きにより色合成され
て投射光とされ、さらに、投射レンズを通過して投射さ
れることを特徴とする3次元配置型の投射型液晶表示装
置(1)を提供する。
【0127】ここでα1 とα2 とが常に完全に一致する
という必要はない。また、水平面上でなす角度とは二つ
の平板型ダイクロイックミラーを一定の平面上に投影し
た場合、もしくはその平面での断面における角度として
定義する。例えば、図4の平面図に現れる角度βを指
す。もちろん、α1 とα2 とが等しくて、共通にαとし
てもよい。
【0128】また、上記の3次元配置型の投射型液晶表
示装置(1)において、投射用光源系は集光鏡と光源と
開口絞りとからなり、集光鏡として楕円鏡が用いられ、
楕円鏡の第1焦点近傍に光源の発光部が配置され、楕円
鏡の第2焦点近傍に開口絞りの開口が位置するように開
口絞りが配置され、反射型液晶表示素子はいずれも、透
明電極を有する表電極基板と透明電極を有する裏電極基
板との間に、ネマチック液晶が固化物マトリクス中に分
散保持され、電圧の印加時または非印加時のいずれかの
状態においてその固化物マトリクスの屈折率が使用する
液晶の屈折率とほぼ一致するようにされた液晶固化物複
合体を狭持してなる透過散乱型の動作モードを有し、光
源から発し、楕円鏡で反射集光されて開口絞りの開口か
ら放射された発散光は、第1の平板型ダイクロイックミ
ラーおよび/または第2の平板型ダイクロイックミラー
の働きにより色分離され3つの色光とされ、第1の平板
型ダイクロイックミラーまたは第2の平板型ダイクロイ
ックミラーいずれか一方から出射され、さらに各色光毎
に設けられた集光レンズを通過してほぼ平行光化された
のち各色光毎に対応された各反射型液晶表示素子に入射
せしめられ反射面で反射され、反射された各色光は再び
各集光レンズにより集光され、第1の平板型ダイクロイ
ックミラーおよび/または第2の平板型ダイクロイック
ミラーの働きにより色合成されて投射光とされ、さら
に、投射レンズを通過して投射されることを特徴とする
3次元配置型の投射型液晶表示装置(2)を提供する。
【0129】本実施例の投射型液晶表示装置では、図4
において、赤色波長光Rが第1のダイクロイックミラー
21で反射され、青色波長光Bが第2のダイクロイックミ
ラー22で反射され、緑色波長光Gが透過する構成として
いる。ダイクロイックミラーの分光特性は、B反射ある
いはR反射のようなエッジ型フィルタの方がG反射のよ
うなノッチ型フィルタに比べ設計自由度が高く、色純度
が向上しやすいため、このような構成仕様とした。
【0130】第1のダイクロイックミラー21は、反射率
50%の色分離波長が570nmで、光源光学系からの
光の内580nm以上の可視波長の赤色(R)を反射し
他の波長光を透過するような長波長透過型の分光特性を
有し、第2のダイクロイックミラー22は、反射率50%
の色分離波長が500nmで、第1のダイクロイックミ
ラー透過光からの光のうち490nm以下の可視波長の
青色(B)を反射し他の波長光を透過するような短波長
透過型の分光特性を有するものを用いた。第1および第
2のダイクロイックミラー透過光は、緑色(G)であっ
た。
【0131】図4に示されるように、光源光学系1 から
出射された光は、発散光となって反射型液晶表示素子3
1、32、33に放出されるため、その間に配置された2種
のダイクロイックミラー21、22への入射角は面内位置に
よって異なる。すなわち、図4の平面図において、第1
のダイクロイックミラー21ではダイクロイックミラーの
図中上側ほど入射角αが小さな値となり(α1 =α2
αとする)、第2のダイクロイックミラー22ではダイク
ロイックミラーの図中下側ほど入射角αが小さな値とな
っている。
【0132】このように、ダイクロイックミラーへの入
射角が面内で異なる場合でも面内の分光特性が同一にな
るように、ダイクロイックミラーの分光特性を決める誘
電体多層膜の膜厚分布が、第1のダイクロイックミラー
では上側に比べ下側ほど、第2のダイクロイックミラー
では下側に比べ上側ほど厚くなるように成膜している。
【0133】反射型液晶表示素子の入射光と反射光は、
図4の平面図では同じ射影光路を通るため、入射光と反
射光とで斜入射の影響は同じであり、上記ダイクロイッ
クミラーの分光特性が有効である。
【0134】また、図5の側面図では、反射型液晶表示
素子の入射光と反射光は入射角が異なるが、角度分散中
心の傾斜角が6°と図4の平面図における30°に比べ
て小さいため、その分光特性に及ぼす影響は少ない。し
たがって、図4の平面図における紙面内方位にダイクロ
イックミラーの誘電体多層膜の膜厚分布をつけておけば
充分である。
【0135】このような構成ではB・Gの色純度は問題
ないが、このままではR中に黄色(波長575nmから
595nm)が混入するため、純度の高い赤色が得られ
ず橙色に近い赤色となった。特に、メタルハライドラン
プを用いる場合、この波長域に強い発光線が存在するた
め、GreenまたはRedの色純度の劣化が問題とな
る。
【0136】そこで、Red用の反射型液晶表示素子32
と第1のダイクロイックミラー21との間に、595nm
以上の可視光波長を透過し、少なくとも575nmから
590nmまでの光を反射する長波長透過型の分光特性
を有するフィルタを配置し、Redの色純度を改善する
ことが好ましい。
【0137】光源光学系の楕円鏡の第2焦点位置の開口
13から放射された発散光は、このようにして色分離合成
用のダイクロイックミラー21、22およびR用フィルタに
よってRGBに色分離された後、各反射型液晶表示素子
31A 、32A 、33A に接合された集光レンズ31B 、32B 、
33B によりほぼ平行光化され、反射型液晶表示素子31A
、32A 、33A に入射する。
【0138】そして反射型液晶表示素子の反射面からの
反射光は再び同一の集光レンズにより集光され、楕円鏡
の第2焦点位置の開口と共役な像が楕円鏡の第2焦点位
置の開口に重ならない位置に生成される。
【0139】投射光学系は投射レンズと拡散光除去系か
らなり、拡散光を減ずる装置である絞り41はその開口径
が可変できる構成とし、それが複数のレンズから構成さ
れる投射レンズ42の内部に設置され、楕円鏡の第2焦点
位置の開口13と共役な像が投射レンズの可変絞り位置に
対応するように投射光学系4 を配置した。この絞り41を
構成要素に含む投射光学系4 により、図示されていない
投射スクリーンに投射される。
【0140】このとき、反射型液晶表示素子への入射光
の指向性は、光源光学系1 の可変開口絞り13の直径Ψと
集光レンズ31B 、32B 、33B の焦点距離fによって定ま
る広がり角δ1 (=2tan-1( Ψ /2f) )によっ
て表現できる。また、投射光学系4 の拡散光除去用可変
開口絞り41の直径Φと、集光レンズ31B 、32B 、33B の
焦点距離fによって投射される光の指向性の広がり角で
ある集光角δ2 が定まる。
【0141】光源光学系1 の可変絞り13と投射光学系4
の可変絞り41は、光源光学系の出射光束の広がり角δ1
と集光角δ2 がほぼ等しくなるように各々の開口直径を
調整し可変することが、光利用率及びコントラスト比を
劣化させないために好ましい。
【0142】このような構成のカラー投射型液晶表示装
置を用いて、δ1 =δ2 の条件の元で光源光学系の可変
絞り13と投射光学系の可変絞り41を変化させ角度δ1
δ2を変えて、投射スクリーン上でのコントラスト比お
よび光束を測定した。その結果を次の表1にまとめた。
【0143】
【表1】
【0144】投射スクリーンが設置された室内が明るい
場合、周囲光の影響で画像の黒レベルの光量が増加して
しまうため、視認性の良い高コントラスト表示を得るた
めには、角度δ1 (=δ2 )を10°〜12°程度に設
定し、投射光束を大きくとることが好ましい。一方、室
内が暗い場合、周囲光の影響は無く、画像の黒レベルの
光量が直接認識されるとともに、必要以上のスクリーン
輝度は眩しさとなり視認性を低下させるため、角度δ1
(=δ2 )を4°〜6°程度に設定し、コントラスト比
を高くとり黒レベル階調性を再現することが好ましい。
【0145】本実施例における2個の可変アパーチャの
利用により、このような周囲環境の明暗に応じたスクリ
ーン投射像の明るさおよびコントラスト比を容易に調整
することができた。また、スクリーン上での光量分布は
中心に対し周辺でも50%以上と均一性が高く、色の面
内分布も均一であった。また、投射像のRGB色純度は
CRT以上の色純度を示し、白の色度座標も含めてNT
SCの規格色純度を達成するものであった。
【0146】本実施例ではアクティブ・マトリクスとし
て耐光性が高い多結晶シリコンを用いたが、アモルファ
ス・シリコンを用いてもよい。また、シリコン単結晶ウ
ェーハ上に画素毎にトランジスタを形成したアクティブ
・マトリクスでもよい。
【0147】本実施例では、色分離合成系に非交差型順
次配置ダイクロイックミラーを用いている。一方、色分
離合成系としてダイクロイックプリズムを用い、光源系
から出射された発散光を凸レンズで平行光化した後ダイ
クロイックプリズムに入射し、RGBに色分離した後、
ダイクロイックプリズムの3面に接合された各反射型液
晶光学素子に入射し、その反射光を再びダイクロイック
プリズムによって色合成した後、同じ凸レンズで投射レ
ンズの瞳位置に集光して投射してもよい。
【0148】この場合、コスト高になるとともに交差部
の高い加工精度が必要となるが、角度調整が不要になる
と共に反射型の液晶光学素子を直接接合することにより
反射防止膜を形成しないで界面反射が消失されるといっ
た利点がある。
【0149】(比較例)実施例1の反射型液晶表示素子
において、反射機能層の構成を誘電体多層膜反射鏡のみ
とし、多層遮光膜を形成しないものを用いた。その結
果、TFTの光誘起電流発生に伴う液晶固化物複合体層
への実効印加電圧低下に起因した投射光束の低下が観測
された。その程度は、角度δ1 (=δ2 )が6゜以上の
時顕著に生じ、10゜においては約15%程度の光束の
減少を招いた。その結果、コントラスト比もそれに応じ
て低下した。
【0150】また、さらに表示素子への入射光量を増し
て、150Wのメタルハライドランプ11の代わりに25
0Wのメタルハライドランプを用いた場合、実施例1で
は単純に1.67倍の光束増加となったが、本比較例で
は光束およびコントラスト比ともに低い値に留まってい
た。
【0151】(実施例2)実施例1と同様のセル形状
(対角4.4インチ)、および画素数(縦480個×横
640個)を有し、各画素毎の裏電極にアモルファス・
シリコンTFTを配置した裏電極基板を作製した。この
各裏電極基板上に、SiO2 とSiとを交互に光学膜厚
(屈折率×膜厚)がλ/4(λはNd:YAGレーザ波
長λ=1064nm)になるよう6層積層することによ
り、1064nmにおいて透過率1%以下の遮光膜が形
成できた。このときの遮光膜の総膜厚は0.8μm程度
であった。
【0152】さらに、このような遮光膜が形成された上
に、SiO2 とTiO2 とを交互に積層し誘電体多層反
射膜とした。光学膜厚(屈折率×膜厚)がλ/4(λは
Nd:YAGレーザ波長λ=1064nm)になるよう
20層積層することにより、1064nm波長において
反射率99%以上の反射膜が形成できた。その結果、誘
電体多層膜ミラーと遮光膜と合わせて、1064nm波
長において透過率0.01%以下の高い遮光度が達成さ
れた。
【0153】また、アモルファス・シリコンの1064
nm波長における光感度は可視光に対して1/10以下
であるため、エネルギ−密度の高いNd:YAGレーザ
光を入射光として用いても液晶光学素子自体(特に、能
動素子等の精密な電子回路)が損傷を被ることは無かっ
た。
【0154】一方、表電極基板としては実施例1と同様
の凹凸付き透明電極ガラス基板を用いた。この裏電極基
板と表電極基板の間に直径10μmのスペーサを散布し
周辺部をシール材でシールして単板の液晶表示素子を形
成し、実施例1と同じ液晶固化物複合体を注入し光重合
により形成した。ただし、実施例1と異なり入射光が近
赤外波長のため、1064nm波長において最も散乱能
が高くなるように液晶粒子の直径を可視光の場合に比べ
て大きくなるように露光条件を制御した。
【0155】図3において、投射光源系の光源11として
Nd:YAGレーザ光源を用い、出射されたスポット状
のレーザ光を図3に示す凸レンズ51の代わりに凹レンズ
と、凸レンズ3 の2枚の組み合わせによるガリレオ型ア
フォーカル光学系により平行光照射径を液晶表示素子30
の有効面まで拡げ、液晶表示素子30に照射した。液晶表
示素子30は、光源光学系1 からの光を集光用の凸レンズ
3 により平行光化した直後に配置した。
【0156】液晶表示素子30への入射光は、入射角10
°以内で斜めに入射し、誘電体多層膜による反射膜面で
正規反射され、再び集光用の凸レンズ3 に入射し、図中
の拡散光を減ずる装置である絞り41に集光される。そし
て、この絞り41の後方に設置された投射光学系により、
レーザ光が被対象物に縮小投射される。
【0157】このとき、レーザ光は指向性が高いため、
拡散光を減ずる装置である絞り41の位置に小さなスポッ
ト状に集光されるため、集光角δは0. 5゜以下となる
ようにした。照射対象物の位置に結像される液晶表示素
子30の縮小像倍率は、集光用の凸レンズ3 と投射光学系
4 の組合せで任意に変えられる。
【0158】また、液晶表示素子30が矩形状の場合は、
レーザ光を有効に利用するため、素子形状に合うように
液晶表示素子入射前のレンズ系にシリンドリカルレンズ
を用いることが好ましい。また、被対象物位置への縮小
投射像を走査し、マルチパターン照射とするために、レ
ーザと液晶表示素子との間にポリゴンミラー等の走査光
学素子を設けてもよい。
【0159】したがって、このような光学システムを用
い、被対象物の位置に1064nm光の吸収体を置くこ
とにより、液晶表示素子の表示パターンが焼き付けある
いは加工され、レーザマーカ、レーザ加工機、レーザハ
ンダ、レーザ溶接機等が得られる。なお、レーザ光源と
しては発振波長約1.06μmのNd・ガラスレーザで
もよいし、発振波長0.84μm近傍の半導体レーザで
もよい。
【0160】(参考例1)本発明の多層反射膜と多層遮
光膜とを有する液晶表示素子(RGB各色3枚)と、ダ
イクロイックプリズムとを用いた投射型液晶表示装置の
参考例1の部分拡大平面図を図6に示す。液晶光学素子
31-1、32-1、33-1は分離された色光用で、各色光に応じ
た多層反射膜と多層遮光膜とが形成されている。
【0161】さらに、反射体15を有する光源光学系1Xと
絞り41と投射レンズ42とを有する投射光学系4Xと、組合
わされて配置された投射型液晶表示装置の側面図を図7
に示す。ダイクロイックプリズムの光学面2X(21L と22
M とからなる)は45度の交差角度となっている。また
レンズ3-1 は1枚構成となっている。
【0162】(参考例2)本発明の多層反射膜と多層遮
光膜とを有する液晶表示素子(RGB各色3枚)と、4
5度交差配置した2枚のダイクロイックミラーとを組合
わせて用いた投射型液晶表示装置の参考例2の平面図を
図8に示す。
【0163】また、その側面図を図9に示す。液晶表示
素子31-2、32-2、33-2は分離された色光用で、各色用に
応じた多層反射膜と多層遮光膜とが各々形成されてい
る。光源11と楕円鏡12と絞り13とを有する光源光学系1Y
と、レンズ3-2 と45°交差配置された2枚のダイクロ
イックミラー21、22と上記の液晶表示素子3枚と、投射
光学系4 とを組み合わせて構成されている。
【0164】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子および投射型液晶
表示装置では、表電極基板と裏電極基板との間に挟持さ
れる液晶材料として、電気的に散乱状態と透過状態とを
制御し得る液晶固化物複合体を挟持した反射型の液晶表
示素子を用いているため、偏光板が不要であり、従来の
TN型液晶光学素子に比して、透過時の光の透過率を大
幅に向上でき、明るい投射画像が得られる。
【0165】本発明で用いている反射型の液晶表示素子
は、電圧の印加状態を変えることにより、高い散乱性と
高い透過性とを制御可能なものであり、透過型で用いる
よりも基板間隙が狭くてよいため、低電圧で駆動でき、
従来のTN型液晶表示素子用の駆動用ICを用いた駆動
においても、高コントラスト比を有し、かつ高輝度の表
示が可能になる。
【0166】特に、本発明では裏電極基板側に設けられ
た反射機能層として誘電体多層膜による多層反射膜と多
層遮光膜を併用しているため、基板界面材料との反応に
よる光学的鏡面の劣化といった問題も生じにくく、反射
率の高い光吸収のない平坦な鏡面が得られやすい。ま
た、導電性がないので、配線電極との短絡といった問題
もない。
【0167】さらに、誘電体の多層反射鏡と多層遮光膜
により比較的薄い膜厚で、画素電極毎に形成された能動
素子に到達する入射光を遮断しているため、強い入射光
が用いられても、または光誘起電流感度の高い能動素子
材料が用いられても安定した表示性能が得られるととも
に液晶表示素子としての表示品位が維持される。その結
果、低電圧駆動可能という利点を生かしつつ、明るく、
コントラスト比の良い投射表示を得ることができる。
【0168】さらに、反射機能層の構成要素である多層
遮光膜は、誘電体を用いた多層膜反射鏡と一貫した成膜
プロセスを用いて作製でき、パターニング等の微細加工
を必要としないため、歩留まりが高く、量産に適する。
【0169】また、多層遮光膜が能動素子と誘電体多層
反射鏡との間に形成されるため、裏電極基板全面に形成
されているにもかかわらず、開口率の低下はなく、能動
素子の厳密な遮光が可能となる。
【0170】また、画素毎に形成される蓄積容量の制約
がないため、比較的大きな蓄積容量形成が可能となり、
能動素子の設計上安定動作を確保しやすいとともに、比
較的比抵抗の小さな液晶固化物複合体を用いても高い電
圧保持率を確保することができる。特に、高照度の入射
光を用いた時に生じる輻射熱に伴う液晶表示素子の発熱
に起因した液晶固化物複合体の比抵抗低下が生じても、
充分な蓄積容量形成により動作上問題とならない。
【0171】また、本発明で用いている反射型の液晶表
示素子は、偏光板を用いなくてもよいため、光学特性の
波長依存性が少なく、光源の色補正等がほとんど不要に
なるという利点も有している。また、TN型液晶表示素
子に必須のラビング等の配向処理やそれに伴う静電気の
発生による能動素子の破壊といった問題も避けられるの
で、液晶表示素子の製造歩留まりを大幅に向上させるこ
とができる。
【0172】さらに、この液晶固化物複合体は、硬化後
はフィルム状になっているので、基板の加圧による基板
間短絡やスペーサーの移動による能動素子の破壊といっ
た問題も生じにくい。
【0173】さらに、TNモードの従来の液晶表示素子
の製造工程から、配向膜形成工程を除くだけで製造が可
能になるので、生産が容易である。
【0174】また、この液晶固化物複合体を用いた液晶
表示素子は、応答時間が短いという特長も有しており、
動画の表示も容易なものである。さらに、この液晶表示
素子の電気光学特性(電圧−透過率)は、TNモードの
液晶表示素子に比して比較的なだらかな特性であるの
で、階調表示への適用も容易である。
【0175】また、誘電体多層膜による反射膜はレーザ
の共振器用ミラーとして用いられるように、光吸収はほ
とんどなく耐光性に優れているため、高パワーレーザ光
に対しても耐久性が高く、反射型の液晶表示素子の照射
面積を小さくしレーザパワー密度を上げて小型化するこ
とが可能である。入射される光の帯域に応じて、多層反
射膜と多層遮光膜からなる反射機能層の膜の各材料や膜
厚などを適宜調節することができ、光学的特性を改善で
きる。
【0176】また、能動電極や能動素子の保護層として
の機能も合わせ持っているので、さらに好ましい。本発
明は、この外、本発明の効果を損しない範囲内で種々の
応用ができる。例えば、反射型の光変調器とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の基本的な構成を示す断
面図。
【図2】本発明の液晶表示素子の裏電極基板の基本的な
構成を示す断面図。
【図3】本発明の投射型液晶表示装置の基本的な構成を
示す模式図。
【図4】本発明の投射型液晶表示装置の実施例1を示す
平面図。
【図5】本発明の投射型液晶表示装置の実施例1を示す
断面図。
【図6】本発明の液晶表示素子(RGB各色3枚)と、
ダイクロイックプリズムとを用いた投射型液晶表示装置
の参考例1の部分拡大平面図。
【図7】本発明の液晶表示素子(RGB各色3枚)と、
ダイクロイックプリズムとを用いた投射型液晶表示装置
の参考例1の側面図。
【図8】本発明の液晶表示素子(RGB各色3枚)と、
45°交差配置した2枚のダイクロイックミラーとを合
わせて用いた投射型液晶表示装置の参考例2の平面図。
【図9】本発明の液晶表示素子(RGB各色3枚)と、
45°交差配置した2枚のダイクロイックミラーとを合
わせて用いた投射型液晶表示装置の参考例2の側面図。
【符号の説明】
1:光源光学系 2:色分離合成系(ダイクロイックミラー) 3、51 :レンズ 4:投射光学系 5:中心光軸 11:光源 13:絞り 14:錐体状プリズム 21、22 :ダイクロイックミラー 30、31、32、33 :液晶表示素子 31A、32A、33A :液晶光学セル 31B、32B、33B :集光レンズ 41:絞り 42:投射レンズ 110 :表電極基板 120 :凹凸 130 :表電極 140 :反射防止膜 150 :液晶固化物複合体 160 :裏電極基板 170 :画素電極 180 :能動素子 190 :多層遮光膜 200 :多層反射膜 210 :反射機能層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 若林 常生 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町松原1160番 地 エイ・ジー・テクノロジー株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極を有する表電極基板と、裏電極基
    板との間に、ネマチック液晶が固化物マトリクス中に分
    散保持された液晶固化物複合体が挟持され、 電圧の印加時または非印加時のいずれかの状態において
    その固化物マトリクスの屈折率が使用する液晶の屈折率
    とほぼ一致するようにされ、 裏電極基板と液晶固化物複合体との間に反射機能層が設
    けられた液晶表示素子であって、 裏電極基板の電極は能動素子によって駆動された画素電
    極を備え、 反射機能層は裏電極基板側から多層遮光膜と多層反射膜
    とが積層された構造を有し、 多層遮光膜は第1の高屈折率性薄膜と第1の低屈折率性
    薄膜とが交互に積層され、この多層遮光膜の膜厚方向に
    屈折率が相対的に変化し、少なくとも第1の高屈折率性
    薄膜と第1の低屈折率性薄膜の一方は光吸収性薄膜とさ
    れ、 多層反射膜は第2の高屈折率性薄膜と第2の低屈折率性
    薄膜とが交互に積層されて多層反射膜の膜厚方向におけ
    る屈折率が相対的に変化してなることを特徴とする液晶
    表示素子。
  2. 【請求項2】請求項1の液晶表示素子において、光吸収
    性薄膜として入射光波長に対する吸収係数(複素屈折率
    の虚部)が0.1以上である物質を用い、 第1の高屈折率性薄膜として、入射光波長に対する屈折
    率が1.8以上かつ5.6以下である物質を用い、 第1の低屈折率性薄膜として、第1の高屈折率性薄膜の
    屈折率に対する屈折率の差が0.5以上である物質を用
    い、 第2の高屈折率性薄膜として、入射光波長に対する屈折
    率が1.8以上かつ3.5以下である物質を用い、 第2の低屈折率性薄膜として、第2の高屈折率性薄膜の
    屈折率に対する屈折率の差が0.4以上である物質を用
    いたことを特徴とする液晶表示素子。
  3. 【請求項3】請求項1または2の液晶表示素子におい
    て、 光吸収性薄膜としてSi、Ge、CdTe、CdSe、
    PbTeの内から選択される少なくとも1つを用いたこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項の液晶表示素
    子において、 第2の高屈折率性薄膜としてTiO2 、Ta25 、Z
    rO2 、HfO2 、ZnSの内から選択される少なくと
    も1つを用い、 第2の低屈折率性薄膜としてSiO2 、MgF2 、Na
    3 AlF6 、CaF2の内から選択される少なくとも1
    つを用いたことを特徴とする液晶表示素子。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項の液晶表示素
    子において、 第1の高屈折率性薄膜としてSi、Ge、CdTe、C
    dSe、PbTeの内から選択される少なくとも1つを
    用い、 第1の低屈折率性薄膜としてSiO2 、MgF2 、Na
    3 AlF6 、CaF2の内から選択される少なくとも1
    つを用いたことを特徴とする液晶表示素子。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項の液晶表示素
    子において、多層反射膜は波長選択反射性を有してなる
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれか1項の液晶表示素
    子において、反射機能層の総膜厚は1〜5μmであるこ
    とを特徴とする液晶表示素子。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれか1項の液晶表示素
    子において、反射機能層を透過する光の最小透過率が
    0. 01%以下であることを特徴とする液晶表示素子。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のいずれか1項の液晶表示素
    子において、反射機能層の比抵抗が104 Ω・cm以上
    であることを特徴とする液晶表示素子。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項の液晶表示
    素子において、表電極基板が液晶固化物複合体との界面
    で微細な凹凸面を有することを特徴とする液晶表示素
    子。
  11. 【請求項11】請求項10の液晶表示素子において、平
    均的電極間間隙をG、凹凸面を有する表電極基板の凹凸
    の粗さをRa としたときに、 0. 03G<Ra <0. 3G (1) の関係を満たすことを特徴とする液晶表示素子。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1項の液晶表
    示素子を、光源光学系と、投射光学系との光路間に、光
    源光学系からの光が液晶表示素子の表電極基板側から液
    晶表示素子内部に入射され、反射機能層により反射さ
    れ、表電極基板側から出射されて、投射光学系によって
    投射されるように配置してなることを特徴とする投射型
    液晶表示装置。
  13. 【請求項13】請求項12の投射型液晶表示装置におい
    て、さらに色分離合成光学系が光源光学系と液晶表示素
    子との間に設けられ、 光源光学系により出射された光が色分離合成光学系によ
    り複数の色分離光に色分離され、 各色分離光が異なる液晶光学素子に入射され、それぞれ
    の液晶光学素子の反射機能層によって反射された色分離
    光が、色分離合成光学系により色合成され、単一の投射
    光学系により投射されることを特徴とする投射型液晶表
    示装置。
  14. 【請求項14】液晶表示素子の反射機能層が、近赤外帯
    域のうち約1μm近傍のレーザ光に対して99%以上の
    反射率を有する請求項1〜11のいずれか1項の液晶表
    示素子を光源光学系と投射光学系との間に設け、 投射光学系によって液晶表示素子の画像が被照射物に縮
    小投影されることによって、被照射物に液晶表示素子の
    画像が形成されるようにしたことを特徴とするレーザ加
    工装置。
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